説明

携帯電子機器

【課題】操作性が高く、かつ、安全性の高い携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】画像を投影する画像投影部と、画像投影部の動作を制御する制御部と、画像投影部及び制御部を保持する筐体と、筐体に作用する加速度を検出する加速度センサと、を有し、制御部は、加速度センサで一定以上の加速度を検出したら、画像投影部からの光の射出を停止させる、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させることで、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンや壁面に画像を投影する画像投影部を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、壁面やスクリーンに画像を投影する装置としては、いわゆるプロジェクタがある。このプロジェクタは、商用電源から電力が供給され、所定位置に固定した状態で使用される、いわゆる据え置き型の装置が主流である。この据え置き型のプロジェクタは、固定した状態で、一定箇所の壁面やスクリーンに画像を投影させる。
【0003】
これに対して、近年、プロジェクタとして、小型で持ち運びが容易な携帯型のプロジェクタが提案されている。例えば、特許文献1には、上キャビネットと、下キャビネットと、上キャビネットおよび下キャビネットを互いに回動可能に接続するヒンジ部とを備え、レンズと光源とを有するプロジェクタが搭載されたプロジェクタ機能付携帯端末が記載されている。
【0004】
このような、携帯型のプロジェクタでは、プロジェクタが画像を投影する領域を容易に変更することができる。つまり、光の照射方向を容易に変更することができる。そのため、意図せず人間に対して光を照射してしまう可能性がある。プロジェクタからは高輝度の光が照射されるため、プロジェクタから照射された光が近接した位置で直接目に入ると非常にまぶしい。
【0005】
この点に対しては、例えば特許文献2に、投影データを投影する投影部と、当該端末の状態を検出する検知部と、前記検知部によって検出された状態に変化が生じたか否かを判断する動き判定部と、投影データを前記投影部に送る制御部と、を備え、前記制御部は、前記動き判定部が当該端末の状態に変化が生じたと判断したときには、投射する光量を制御する制御データを前記投影部に伝送することにより、投射光領域に人間が入ったときに光量を調節することができる投影機能付携帯通信端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−96542号公報
【特許文献2】特開2007−228551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載されているように、端末の状態が変化したら、投影部から出力される光の光量を低減するまたは出力を停止することで、操作者が端末を操作している間は、人間の目に直接光が入射する可能性及びまぶしい思いをさせる可能性を低くすることができる。
【0008】
ここで、端末の状態に変化がなくとも、周囲の環境が変化したり、人間が動いたりすることによって、投影部から出力される光が人間の目に入ることがある。しかしながら、特許文献2に記載の端末では、端末の状態に変化がないと、出力する光の光量を低減させ、または、出力を停止させないため、この点に対応することができない。そのため、特許文献2に記載の端末では、強い光が人間の目に入りまぶしい思いをさせる可能性がある。なお、特許文献2に記載の装置でも手動で停止することはできるが、操作が必要となる。また、とっさの場合に迅速に対応することが困難である。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操作性が高く、かつ、安全性の高い携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、携帯電子機器であって、画像を投影する画像投影部と、前記画像投影部の動作を制御する制御部と、前記画像投影部及び前記制御部を保持する筐体と、前記筐体に作用する加速度を検出する加速度センサと、を有し、前記制御部は、前記加速度センサで一定以上の加速度を検出したら、前記画像投影部からの光の射出を停止させる、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記制御部は、前記加速度センサで一定以上の加速度を検出したら、前記画像投影部からの光の射出を停止させ、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させた後は、予め設定された操作が入力されたことが検出された場合のみ、前記画像投影部から通常の光量での画像の投影を再開することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、携帯電子機器であって、画像を投影する画像投影部と、前記画像投影部の動作を制御する制御部と、前記画像投影部及び前記制御部を保持する筐体と、前記筐体に作用する加速度を検出する加速度センサと、を有し、前記加速度センサの検出値と前記画像投影部から射出させる光の光量との対応関係を記憶した記憶部を有し、前記制御部は、前記加速度センサで検出された検出値と前記記憶部に記憶された前記対応関係とに基づいて、前記画像投影部から射出させる光の光量を設定することを特徴とする。
【0013】
また、前記加速度センサは、加速度を検出する加速度検出部と、前記加速度検出部で検出された検出値に基づいて、動作パターンを算出するパターン検出部を有し、前記記憶部は、さらに、動作パターンと前記画像投影部から射出させる光の光量との動作パターン対応関係を記憶しており、前記制御部は、前記パターン検出部で検出された動作パターンと、前記動作パターン対応関係とに基づいて、前記画像投影部から射出させる光の光量を設定することが好ましい。
【0014】
本発明は、携帯電子機器であって、画像を投影する画像投影部と、前記画像投影部の動作を制御する制御部と、前記画像投影部及び前記制御部を保持する筐体と、前記筐体に作用する3つの方向の加速度を検出する加速度検出部及び3つの方向の地磁気を検出する地磁気検出部を備える6軸センサと、を有し、前記制御部は、前記筐体に作用する加速度及び前記6軸センサで検出した前記筐体の回転範囲の少なくとも一方が一定値を超えている場合は、前記画像投影部からの光の射出を停止させる、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させることを特徴とする。
【0015】
さらに、前記6軸センサの検出値と前記画像投影部から射出させる光の光量との対応関係を記憶した記憶部を有し、前記制御部は、前記6軸センサの検出値と前記対応関係とに基づいて、前記画像投影部から射出させる光の強度を設定することが好ましい。
【0016】
前記6軸センサは、前記加速度検出部及び前記地磁気検出部の少なくとも一方の検出値に基づいて動作パターンを算出するパターン検出部を有し、前記記憶部は、動作パターン毎に別々の対応関係が記憶しており、前記制御部は、前記パターン検出部で検出された動作パターンに基づいて用いる対応関係を決定することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる携帯電子機器は、検出部の検出結果にも基づいて、画像投影部からの射出する光の光量を制御することで、より適切な制御を行うことができる。これにより、操作性と安全性を高くすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電子機器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図1に示す携帯電子機器で画像を表示させている状態を示す説明図である。
【図4】図4は、携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。
【図5】図5は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。
【図6】図6は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。
【図7−1】図7−1は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図7−2】図7−2は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図7−3】図7−3は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図7−4】図7−4は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図8】図8は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、図8に示す携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。
【図10】図10は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、図10に示す携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0020】
まず、携帯電子機器の外観の構成を説明する。図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。携帯電子機器10は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器10は、1つの箱型形状の筐体11の内部に各部が収納されたストレート形状の携帯電話機である。なお、本実施形態では、筐体11を1つの箱型形状としたが、ヒンジで連結された2つの部材で構成した折りたたみ可能な筐体や、2つの部材をスライドさせる筐体としてもよい。また、3つ以上の部材を連結した筐体も用いることができる。
【0021】
筐体11には、表示部として、図1に示すディスプレイ12が設けられる。ディスプレイ12は、所定の画像として、携帯電子機器10が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器10の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。
【0022】
筐体11には、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー13が複数設けられている。さらに、筐体11の一つの側部(操作キー13が設けられる面と略直交する面のうちの一つ)には、後述するプロジェクタ34の動作を制御する専用キー14が設けられる。なお、操作キー13及び専用キー14は、携帯電子機器10の操作部を構成する。また、筐体11には、携帯電子機器10の通話時に音声を受け取るマイク15、携帯電子機器10の通話時に音声を発するレシーバ16が設けられる。
【0023】
また、筐体11の上面(一辺が、操作キー13が設けられる面と接し、他の一辺が、専用キー14が設けられている面と接している面)には、画像を投影するプロジェクタ34の光射出部34aが設けられている。
【0024】
図2は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように携帯電子機器10は、制御部22と、記憶部24と、送受信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、プロジェクタ34と、加速度センサ36と、を有する。
【0025】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)等の携帯電子機器10の全体的な動作を統括的に制御する処理部である。すなわち、携帯電子機器10の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器10の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、送受信部26や、音声処理部30や、表示部32等の動作を制御する。携帯電子機器10の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、送受信部26、音声処理部30、表示部32等の動作としては、例えば、送受信部26による信号の送受信、音声処理部30による音声の入出力、表示部32による画像の表示等がある。
【0026】
制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。制御部22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processor Unit)で構成され、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した携帯電子機器10の各種の処理を実行する。すなわち、制御部22は、記憶部24に保存されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0027】
制御部22は、複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。制御部22が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、プロジェクタの駆動を制御するアプリケーションプログラムや、各種ゲームを作動させるゲームアプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。
【0028】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されており、上述した、プロジェクタの駆動を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクや、各種ゲームアプリケーションプログラムを作動させるタスクが保存されている。
【0029】
また、記憶部24には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部24に対する制御に制御部22が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等を保存し、管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が保存されている。なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、制御部22によって記憶部24に割り当てられた作業領域へ一時的に保存される。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
【0030】
送受信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0031】
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー13と専用キー14とで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として制御部22へ入力される。
【0032】
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部30は、マイク15から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換して制御部22へ出力する。また、制御部22から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、レシーバ16へ出力する。
【0033】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Monitor)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル(上述したディスプレイ12等)を備え、制御部22から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。なお、表示部32は、ディスプレイ12に加え、例えば、筐体を閉じた状態でも外部に露出している位置にサブディスプレイを設けてもよい。
【0034】
プロジェクタ34は、画像を投影する画像投影機構であり、上述したように、筐体11の上面に投影する画像を光射出部34aが設けられている。ここで、図3は、図1に示す携帯電子機器で画像を表示させている状態を示す説明図である。携帯電子機器10は、プロジェクタ34の光射出部34aから画像を投影する、つまり画像を構成する光を射出することで、図3に示すように、筐体11の上面に対向する面にある壁面、スクリーン等のうち、一定の領域(投影領域)に画像を投影することができる。なお、プロジェクタ34は、制御部22により動作が制御され、制御部22から送られる種々の映像、例えば映画、プレゼンテーション資料を投影し、投影領域に表示させる。
【0035】
プロジェクタ34は、光源と、画像データに応じて、光源から射出された光を投影するか否かを切り換える光学系とで構成されている。例えば、プロジェクタ34には、ハロゲンライトや、LED光源、LD光源を光源とし、LCD(Liquid Crystal Monitor)や、DMD(Digital Micro-mirror Device)を光学系とした構成のプロジェクタを用いることができる。この場合は、光学系を各画素に対応して投影領域の全面に配置し、光源から射出された光を画像に合わせて光学系をオンオフさせることで画像を投影領域の全面に投影させることができる。また、プロジェクタ34には、レーザ光を光源とし、光源から射出された光を透過させるか否かを切り換える切り換え素子と、切り換え素子を通過した光をラスター走査させるミラーとで構成される光学系とした構成のプロジェクタを用いることもできる。この場合は、ミラーによってレーザ光から射出された光の角度を変えて、投影領域の全面に光源から照射された光を走査させることで、投影領域に画像を投影させることができる。
【0036】
加速度センサ36は、筐体11に加わる加速度を検出する検出器である。加速度センサ36として、種々の方法で加速度を検出する検出器を用いることができ、例えば、静電容量の変化や、ピエゾ抵抗の変化、相対位置の変化等で加速度を検出する検出器を用いることができる。加速度センサ36は、操作者が筐体11を振ったり、移動させたりする際に、筐体11に作用する加速度を検出する。携帯電子機器10は、基本的に以上のような構成である。
【0037】
次に、図4を用いて携帯電子機器10の動作、具体的には、プロジェクタの制御動作について説明する。ここで、図4は、携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。なお、図4に示すフロー図は、加速度センサ36を用いてプロジェクタ34の動作を制御する例である。
【0038】
まず、携帯電子機器10は、ステップS12として通常の動作を行っている。ここで、通常の動作とは、例えば、待ち受け画像の表示や、通話動作等、プロジェクタ34以外の機能が使用されている状態である。次に、携帯電子機器10の制御部22は、ステップS14として、プロジェクタ34を起動させる指示、つまり起動指示が入力されているかを判定する。制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されていない(No)と判定したら、ステップS12に進み、通常動作を続ける。このように、制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されたことが検出されるまでステップS12とステップS14を繰り返す。
【0039】
また、制御部22は、ステップS14でプロジェクタ起動指示が入力されている、つまり、起動指示あり(Yes)と判定したら、ステップS16として、プロジェクタ34を起動させる。また、制御部22は、記憶部24からプロジェクタ34の動作を制御するためのタスクを読み出し、アプリケーションプログラムを起動させる。これにより、プロジェクタ34からは、光が照射(射出)され、投影領域に画像が投影される。次に、制御部22は、ステップS16でプロジェクタ34を起動させたら、ステップS100として、加速度センサ36を起動させる。
【0040】
制御部22は、ステップS100で加速度センサ36を起動させたら、ステップS102として、一定以上の加速度が検出されたかを判定する。具体的には、携帯電子機器10は、一定の位置に固定されている状態の時に外部から力が加えられ移動されると、加速度センサ36が、その移動を加速度で検出する。制御部22は、加速度センサ36で検出された加速度が一定以上の加速度であるかを判定する。ここで、一定以上の加速度とは、操作者により移動されたり、振られたりしたと検出できる加速度である。なお、ノイズとして検出される加速度や、人間が地面を歩いた振動で発生する微小な加速度以上は、一定以上の加速度としてもよい。
【0041】
制御部22は、ステップS102で、加速度が一定以上である(Yes)と判定したら、ステップS22として、プロジェクタ34からの光の照射を停止する。つまり、制御部22は、プロジェクタ34で画像を投影させない。制御部22は、ステップS22で光の照射を停止させたら、ステップS24として、解除指示が入力されているか判定する。制御部22は、ステップS24で解除指示がない(No)と判定したら、ステップS22に進む。つまり、制御部22は、解除指示が入力されるまで、ステップS22とステップS24を繰り返し、プロジェクタ34からの光の照射を停止しつつ、解除指示が入力されているかの判定を繰り返す。なお、解除指示は、照射の停止の解除、つまり照射を再開させる指示であり、操作者により入力される指示である。
【0042】
また、制御部22は、ステップS24で解除指示が入力されている(Yes)と判定したら、ステップS26として、プロジェクタ34からの光の照射を再開する。つまり、プロジェクタ34による画像の投影を再開する。制御部22は、ステップS26で、プロジェクタ34からの光の照射を再開したら、ステップS102に進む。
【0043】
また、制御部22は、ステップS102で、加速度が一定以上ではない(No)、つまり、検出した加速度が一定加速度未満であると判定したら、ステップS30として、プロジェクタ34の駆動を終了させる指示、つまり、終了指示があるかを判定する。制御部22は、ステップS30でプロジェクタ終了指示がない(No)と判定したらステップS102に進み、再び一定以上の加速度であるかを判定する。つまり、制御部22は、プロジェクタ34の駆動を停止するまで、上記動作を繰り返す。
【0044】
また、制御部22は、ステップS30でプロジェクタ終了指示がある(Yes)と判定したら、ステップS104としてプロジェクタ34及び加速度センサ36の駆動を終了し、次に、ステップS34として通常動作とした後、処理を終了する。なお、制御部22は、通常動作に戻ったら、再び、プロジェクタの起動指示が入力されているかを判定する。つまり、制御部22は、図4に示すフロー図の動作を繰り返す。
【0045】
このように、加速度に基づいて、プロジェクタ34の動作を制御することで、携帯電子機器10に外力が作用し、状態が変化したら、プロジェクタ34からの光の照射を停止することができる。これにより、例えば、操作者は、危険を察知した場合は、携帯電子機器10をはじき飛ばしたり、振動させたりすることで、プロジェクタ34からの光の照射を停止することができる。これにより、操作者は、簡単な動作、とっさの動作で、プロジェクタ34からの光の照射を停止することができ、かつ、弾き飛ばしても不特定の位置に光が照射されることも抑制することができる。また、机の上においている携帯電子機器10を誰かが急に手に取ったりしたら、プロジェクタ34からの光の照射を停止することができる。これにより、とっさに投影領域を変えた場合や、予期せぬ操作により投影領域がずれた場合に、プロジェクタ34から光が射出されることを抑制することができる。
【0046】
以上のように、危険を察知した場合や、予期せぬ衝撃が加わった場合に、光の射出を停止できることで、プロジェクタ34から射出される光が近距離で人間の目に入ることを抑制することができ、人間にまぶしい思いをさせる可能性を低減することができる。また、プロジェクタ34から照射される光が強い強度で人間の目に入りにくくすることができる。
【0047】
また、携帯電子機器10は、加速度センサ36の検出結果に基づいて自動的に光の照射を停止することができるため、操作性も高くすることができる。また、急に人間が入ってくる等とっさの場合であっても、携帯電子機器10に衝撃を与えるだけで、光の照射を停止できる。
【0048】
さらに、ステップS22でプロジェクタからの光の照射を一度停止させた場合は、操作者による解除指示があるまでは、プロジェクタからの光の照射を再開させないようにすることで、操作者が安全を確認してから再開することができる。例えば、投影領域には居なくても投影領域の周囲に人間がいる場合には、再開させないようにすることができる。
【0049】
ここで、上記実施形態では、プロジェクタ34からの光の照射を停止し、プロジェクタ34から光を射出しないようにしたが、本発明はこれに限定されず、プロジェクタ34から射出する光の光量を低減するようにしてもよい。つまり、プロジェクタ34から射出させる光の光量を低下させるようにしてもよい。プロジェクタ34からの光の射出を停止することで、プロジェクタ34の光の射出方向に人間が来た場合に、人間の目に光が入りにくくすることができるが、光量を低減することでも人間にまぶしい思いをさせる可能性を低減することができる。つまり、光量を低減し、光を弱くすることで、プロジェクタ34から射出される光が人間の目に入ったとしても、まぶしい思いをさせる可能性を低くすることができる。
【0050】
また、操作者が携帯電子機器10を手に持った状態でプロジェクタ34を使用する場合は、以下のように処理することが好ましい。ここで、図5は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。ここで、図5に示すフロー図は、図4に示すフロー図と同様の動作である部分があるので、重複部分についての詳細な説明は省略し、以下、図5に示すフロー図に特有の動作について説明する。
【0051】
まず、携帯電子機器10は、ステップS12として通常の動作を行っている。次に、携帯電子機器10の制御部22は、ステップS14として、起動指示が入力されているかを判定する。制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されていない(No)と判定したら、ステップS12に進み、通常動作を続ける。また、制御部22は、ステップS14で、起動指示あり(Yes)と判定したら、ステップS16として、プロジェクタ34を起動させる。次に、制御部22は、ステップS16でプロジェクタ34を起動させたら、ステップS100として、加速度センサ36を起動させる。
【0052】
制御部22は、ステップS100で加速度センサ36を起動させたら、ステップS110として、振動を検出したかを判定する。つまり、制御部22は、加速度センサ36で一定以上の加速度が計測されたかを判定する。ここで、一定以上の加速度は、上述の一定以上の加速度と同様の加速度である。
【0053】
次に、制御部22は、ステップS110で、振動が検出された(Yes)と判定したら、ステップS112として、検出された振動が手振れ振動であるかを判定する。ここで、振動が手振れ振動であるか否かは、検出した振動数(加速度の周期)と振幅(加速度の大きさ)に基づいて判定する。一例としては、振動数が10Hz以下の振動は、手振れ振動と判定することができる。
【0054】
制御部22は、ステップS112で振動が手振れ振動である(Yes)と判定したらステップS114として、手振れ補正を行う。具体的には、プロジェクタ34により投影する画像の手振れを補正する。つまりプロジェクタ34から手振れによる影響を加味した画像を照射させる。制御部22は、ステップS114で手振れ補正を行ったら、ステップS116として、手振れ振動が継続しているかを判定する。具体的には、加速度センサ36の計測結果に基づいて、振動が発生しており、かつ、その振動が手振れ振動かを判定し、振動が発生しており、かつ、その振動が手振れ振動の場合は、手振れ振動が継続していると判定する。また、振動が発生していない、または、振動が手振れ振動ではない場合は、手振れ振動が継続していないと判定する。
【0055】
制御部22は、ステップS116で手振れ振動が継続している(Yes)と判定したら、ステップS114に進む。つまり、制御部22は、手振れ振動が継続している間は、ステップS114とステップS116とを繰り返す。また、制御部22は、ステップS116で手振れ振動が継続していない(No)と判定したら、ステップS110に進み、再び、振動を検出したかを判定する。
【0056】
また、制御部22は、ステップS112で手振れ振動ではない(No)、つまり手振れ振動より大きい振動であると判定したら、ステップS118として、プロジェクタ34からの光の照射を停止する。つまり、制御部22は、プロジェクタ34で画像を投影させない。制御部22は、ステップS118で光の照射を停止させたら、ステップS120として、振動が継続しているかを判定する。ここで、制御部22は、ステップS120では、加速度センサ36により手振れ振動より大きい振動が検出された場合は、振動が継続していると判定し、手振れ振動より大きい振動が検出されない場合は、振動が継続していないと判定する。制御部22は、ステップS120で振動が継続している(Yes)と判定したら、ステップS118に進む。つまり、制御部22は、振動が継続している間は、照射を停止し、ステップS118とステップS120とを繰り返す。
【0057】
また、制御部22は、ステップS120で振動が継続していない(No)と判定したら、ステップS124として、解除指示が入力されているか判定する。制御部22は、ステップS124で解除指示がない(No)と判定したら、ステップS118に進む。つまり、制御部22は、解除指示が入力されるまで、ステップS118からステップS124を繰り返し、プロジェクタ34からの光の照射を停止しつつ、振動が継続しているか、解除指示が入力されているかの判定を繰り返す。なお、解除指示は、照射の停止の解除、つまり照射を再開させる指示であり、操作者により入力される指示である。
【0058】
また、制御部22は、ステップS124で解除指示が入力されている(Yes)と判定したら、ステップS126として、プロジェクタ34からの光の照射を再開する。つまり、プロジェクタ34による画像の投影を再開する。制御部22は、ステップS126で、プロジェクタ34からの光の照射を再開したら、ステップS110に進む。
【0059】
また、制御部22は、ステップS110で振動を検出していない(No)と判定したら、ステップS30として、プロジェクタ34の駆動を終了させる指示、つまり、終了指示があるかを判定する。制御部22は、ステップS30でプロジェクタ終了指示がない(No)と判定したらステップS110に進み、再び振動を検出したかを判定する。つまり、制御部22は、プロジェクタ34の駆動を停止するまで、上記動作を繰り返す。また、制御部22は、ステップS30でプロジェクタ終了指示がある(Yes)と判定したら、ステップS104としてプロジェクタ34及び加速度センサ36の駆動を終了し、次に、ステップS34として通常動作とした後、処理を終了する。なお、制御部22は、通常動作に戻ったら、再び、プロジェクタの起動指示が入力されているかを判定する。つまり、制御部22は、図5に示すフロー図の動作を繰り返す。
【0060】
このように振動が検出された場合も手振れであるか否かを判定することで、操作者が携帯電子機器10を保持しつつ操作した場合でも、プロジェクタ34から画像を投影させることができる。また、画像の投影を停止したいときは、意図的に携帯電子機器10を振ることで、光の照射を停止することができる。また、落とした場合も光の照射が停止される。これにより、安全性を高く維持しつつ、かつ、操作性も高くすることができる。なお、本実施形態では、より適切な画像を表示できるため、手振れ補正を行うようにしたが、手振れ補正は必ずしも行わなくてもよい。
【0061】
また、いずれの場合も、上述したように、ステップS22またはS118でプロジェクタからの光の照射を一度停止させた場合は、操作者による解除指示があるまでは、プロジェクタからの光の照射を再開させないようにすることで、操作者が安全を確認してから再開することができる。例えば、投影領域には居なくても投影領域の周囲に人間がいる場合には、再開させないようにすることができる。これにより、より安全性を高くすることができる。
【0062】
また、上記実施形態でも、プロジェクタ34からの光の照射を停止し、プロジェクタ34から光を射出しないようにしたが、本発明はこれに限定されず、プロジェクタ34から射出する光の光量を低減するようにしてもよい。プロジェクタ34からの光の射出を停止することで、プロジェクタ34の光の射出方向に人間が来た場合に、人間の目に光が入りにくくすることができるが、光量を低減することでも人間にまぶしい思いをさせる可能性を低減することができる。つまり、光量を低減し、光を弱くすることで、プロジェクタ34から射出される光が人間の目に入ったとしても、まぶしい思いをさせる可能性を低くすることができる。
【0063】
また、上記実施形態では、制御部22により常に加速度センサの検出値を検出するようにしたが、センサの検出値に基づいて、プロジェクタの動作を制御できれば、これに限定はされない。例えば、制御部での処理とは別に各センサで独立して処理を行い、各センサでの検出値が一定の状態、つまり、検出値がプロジェクタ34から照明する光の出力を低減または出力を停止する必要があると判定できる値となったら、その状態を制御部に通知し、制御部は、その通知を得たら、プロジェクタの動作を制御するようにしてもよい。
【0064】
なお、上記実施形態では、図5のフロー図を除いて、基本的に携帯電子機器10を机や椅子に置いて使用する場合を想定して説明したが、携帯電子機器10は、操作者の手に持たれた状態で、プロジェクタ34を使用されることもある。そこで、携帯電子機器10は、プロジェクタ34を駆動させるモードとして、操作者が携帯電子機器10(筐体11)を持っている状態でプロジェクタ34を使用することを想定した携帯モード(第1のモード)と、操作者が携帯電子機器10(筐体11)を机や、台や、充電台に置いた状態でプロジェクタ34を使用することを想定した据え置きモード(第2のモード)との2つのモードを有することが好ましい。ここで、上述した図4の制御は、据え置きモードが起動された場合に用いられるようにすればよい。このように2つのモードを持ち、必要に応じて切り換えることで、より操作性と安全性を高くすることができる。
【0065】
以下、図6を用いて2つのモードを切り換える動作制御について詳細に説明する。ここで、図6は、携帯電子機器の動作の他の一例を示すフロー図である。ここで、図6に示すフロー図は、図4に示すフロー図と同様の動作である部分があるので、重複部分についての詳細な説明は省略し、以下、図6に示すフロー図に特有の動作について説明する。
【0066】
まず、携帯電子機器10は、ステップS12として通常の動作を行っている。次に、携帯電子機器10の制御部22は、ステップS14として、起動指示が入力されているかを判定する。制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されていない(No)と判定したら、ステップS12に進み、通常動作を続ける。また、制御部22は、ステップS14で、起動指示あり(Yes)と判定したら、ステップS16として、プロジェクタ34を起動させる。次に、制御部22は、ステップS16でプロジェクタ34を起動させたら、ステップS218として、携帯モードが選択されたかを判定する。携帯モードと据え置きモードの制御方法は、以下で動作と共に説明する。なお、本実施形態では携帯モードと据え置きモードとは、操作者により選択される。なお、操作者が選択するタイミングとしては、制御部22がステップS218に進んだ段階で選択させるようにしても、プロジェクタ起動前の通常動作時に予め設定として選択させるようにしてもよい。
【0067】
制御部22は、ステップS218で、携帯モードが選択されている(Yes)と判定したら、ステップS220として、携帯モードを起動させる。制御部22は、ステップS220で携帯モードを起動させたら、ステップS222として、専用キー14が押されているかを判定する。制御部22は、ステップS222で専用キー14が押されていない(No)と判定したら、ステップS224として、画像を投影させない。つまり、プロジェクタ34から光を射出させない。また、制御部22は、ステップS222で専用キー14が押されている(Yes)と判定したら、ステップS226として、プロジェクタ34から画像を投影させる。つまり、プロジェクタ34から光を射出させる。
【0068】
制御部22は、ステップS224またはステップS226で画像を投影させるか否かを制御したら、ステップS228として、一定時間が経過したかを判定する。制御部22は、ステップS228で一定時間が経過していない(No)と判定したら、ステップS222に進み、一定時間が経過している(Yes)と判定したら、ステップS240に進む。このように制御部22は、一定時間が経過するまで、ステップS222からステップS228の動作を繰り返し、専用キー14が押されているか押されていないかで、画像を投影するか投影しないかを切り換える。
【0069】
また、制御部22は、ステップS218で携帯モードが選択されていない(No)と判定したら、ステップS230として、据え置きモードを起動する。制御部22は、ステップS230で据え置きモードを起動させたら、ステップS232として、プロジェクタ34から画像を投影させる。ここで、据え置きモードでは、上述した図4のように、加速度センサが起動され、一定以上の加速度が検出されたら、プロジェクタ34から光を照射させることを停止する。具体的な一例としては、図4に示すステップS100からステップS30までの制御を行う。なお、この場合は、ステップS30がステップS240となるため、実際は、ステップS30の直前までの動作となる。制御部22は、ステップS232でプロジェクタ34により画像を投影させたら、ステップS234として、一定時間が経過したかを判定する。制御部22は、ステップS234で一定時間が経過していない(No)と判定したら、ステップS232に進み、一定時間が経過している(Yes)と判定したら、ステップS240に進む。このように制御部22は、一定時間が経過するまで、ステップS232とステップS234の動作を繰り返し、プロジェクタ34から画像を投影し続ける。
【0070】
また、制御部22は、ステップS228またはステップS234で一定時間が経過したら、ステップS240として、プロジェクタ34の駆動を終了させる指示、つまり、終了指示があるかを判定する。制御部22は、ステップS240でプロジェクタ終了指示がない(No)と判定したらステップS218に進み、再び、選択されているモードを検出し、モードに基づいて、プロジェクタ34の動作を制御する。つまり、プロジェクタ34の駆動を停止するまで、上記動作を繰り返す。また、制御部22が、ステップS240で、プロジェクタ終了指示がある(Yes)と判定したら、ステップS242として、プロジェクタ34の駆動を終了し、通常動作に戻り処理を終了する。なお、制御部22は、通常動作に戻ったら、再び、プロジェクタの起動指示が入力されているかを判定する。つまり、制御部22は、図6に示すフロー図の動作を繰り返す。
【0071】
以上のように、図6に示すフロー図では、携帯モードと据え置きモードの2つのモードを選択可能とし、携帯モードが選択されている場合は、専用キー14が押されている場合のみプロジェクタ34から画像を投影させ、据え置きモードが選択されている場合は、専用キー14が押されているか否かにかかわらず、プロジェクタ34から画像を投影させる。
【0072】
このように、操作者が手に持って使用する等、画像の投影位置、つまり光の照射位置が変化しやすい場合は、携帯モードを選択し、専用キー14を押している場合のみ画像を投影するようにすることで、画像の投影領域に人間が入った場合にすぐに画像の投影を停止、つまり光の照射を停止することができる。特に、射出している光が人間の顔に照射された場合も、操作者は、専用キー14を離すのみで、光の照射を停止できるため、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより低くすることができる。また、操作者が不意に携帯電子機器を落としたりした場合も、光の照射が停止するため、落下時等、どの方向に光が照射されるかわからない時に光が照射される可能性を低減することができ、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより少なくすることができる。
【0073】
このように、使用状態に応じて、動作制御を切り換え可能にすることで、携帯電子機器が操作者に保持された状態で使用された場合も、人間に対して光を照射する可能性をより低減しつつ、操作性も高くすることができる。つまり、プロジェクタ34を、高い安全性、かつ、高い操作性で使用することができる。
【0074】
また、携帯電子機器10を机、いす、台に置いて使用する等、画像の投影位置が基本的に変化しない場合は、据え置きモードを選択し、画像を投影するようにすることで、携帯電子機器10を置いた状態で画像を投影させることができる。またこの場合も上述したように、図4に示すような制御を行うことで、プロジェクタ34から射出される光が人間の目に入る可能性を低減することができ、操作性を高く、かつ安全性を高くすることができる。
【0075】
ここで、上記実施形態では、専用キー14を筐体11の側面に設けたが、専用キー14を設ける位置は特に限定されず、操作キー13が設けられている面に設けても、筐体11の底面に設けてもよい。また、上記実施形態では、携帯モードが選択されている場合は、専用キー14が押されている場合のみ画像を投影するようにしたが、本発明はこれに限定されず、画像を投影するか否かを決定するキーはどのキーとしてもよい。例えば、操作キー13の中の特定のキーが押されている場合は、画像を投影するようにしてもよいし、操作キー13の中のいずれか1つのキーが押されていれば、キーの種類にかかわらず画像を投影するようにしてもよい。また、キーの代わりにタッチパネルを用いている場合は、タッチパネルに触れられている間は画像を投影するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、操作者が、携帯モードとするか据え置きモードとするかを選択するようにしたが、本発明はこれに限定されず、携帯電子機器10が状態を検出して、自動的に選択するようにしてもよい。
【0077】
例えば、加速度センサ36により筐体11に作用する加速度を検出し、検出した加速度に基づいてモードを選択するように(切り換えるように)してもよい。一例としては、制御部22は、加速度が検出されない場合、実質的に0と判定できる場合は、据え置きモードとし、それ以外の場合は、携帯モードとするようにしてもよい。また、一定以上の加速度(手持ち状態とみなすことができ、光の照射を停止する閾値より低い加速度)または一定パターンの加速度が検出された場合は、携帯モードとするようにしてもよい。このように、加速度に基づいて、モードを切り換えることで、操作者が操作することなく、適切な制御モードを選択することができ、安全性を確保しつつ、操作性をさらに高くすることができる。また、自動的に切り替わるようにすることで、操作者が携帯電子機器10を保持しているにもかかわらず据え置きモードを選択してしまうことを抑制することができる。
【0078】
さらに、制御部22は、筐体11に作用する加速度から、力の振動数や、力の大きさ(振幅)を検出し、検出した値が手振れと判定することができる数値である場合は、携帯モードを選択するようにしてもよい。具体的には、図5に示すフロー図において、ステップS114に進んだ場合は、携帯モードとし、ステップS30に進んだ場合及びステップS118に進んだ場合は、据え置きモードとしてもよい。このように、手振れに基づいて操作者が持っているか判定することで、操作者が持っているときに発生する揺れとそれ以外の揺れ(例えば、机に物がぶつかったときに生じる揺れ)とを識別することができ、より操作性を高くすることができる。
【0079】
また、加速度センサ36で検出した加速度に基づいて、携帯モードか据え置きモードかを選択することに限定されず、携帯電子機器10を充電する際に使用する外部の電源(例えば、ACアダプタ)と接続しているかを検出し、その検出結果に基づいてモードを選択するようにしてもよい。ここで、電源と携帯電子機器10とが接続しているか否かを検出する検出器としては、携帯電子機器10の接続端子が電源と接続しているかを検出する検出センサや、外部から携帯電子機器10に供給される電力、電圧及び/または電流を検出する検出センサを用いることができる。
【0080】
このように、携帯電子機器10が電源に接続されている否かに基づいて、モードを切り換える場合は、電源に接続されていることを検出したら据え置きモードを選択し、電源に接続されていることを検出しなかったら、つまり、電源に接続されていないことを検出したら携帯モードを選択するよう設定することができる。これにより、電源(電源コード)と接続され、移動が制限される場合は据え置きモードとし、移動に制限がない場合は、携帯モードとすることができ、安全性と操作性を高くすることができる。
【0081】
なお、電力を検出する場合は、供給される電力、電圧及び/または電流に基づいて、備え付けのコンセント等の商用電源から供給されるか、乾電池、USBで接続されたPC等のバッテリから供給されるかを識別することが好ましい。なお、このように識別できる場合は、商用電源から電力が供給されている場合に据え置きモードとすることが好ましい。これにより、乾電池等の自在に移動可能な電源に接続されている場合と、コードにより移動範囲が制限される商用電源に接続されている場合とで選択するモードを変えることができ、安全性と操作性をより高くすることができる。
【0082】
また、携帯電子機器10を充電する際等に、携帯電子機器10を置く充電台に置かれているかを検出し、その検出結果に基づいてモードを選択するようにしてもよい。ここで、携帯電子機器10が充電台に置かれているかを検出する検出器としては、筐体11の充電台との接触位置に接触検出センサを設ければよい。
【0083】
このように、携帯電子機器10が充電台に置かれているか否かに基づいて、モードを切り換える場合は、充電台に置かれていることを検出したら据え置きモードを選択し、充電台に置かれていることを検出しなかったら、つまり、充電台に置かれていないことを検出したら携帯モードを選択するよう設定することができる。これにより、充電台に置かれ、移動が制限される場合は据え置きモードとし、移動に制限がない場合は、携帯モードとすることができ、安全性と操作性を高くすることができる。
【0084】
また、本発明は、携帯電子機器10の状態に応じて、つまり、携帯電子機器10が電源に接続されているか否か、または、充電台に置かれているか否かに応じてモードを決定することにも限定されない。
【0085】
ここで、図7−1から図7−4は、それぞれ、携帯電子機器の制御の一例、つまり、動作パターンを示す説明図である。まず、図7−1に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードを選択可能、携帯モードを選択不可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードを選択不可能、携帯モードを選択可能とする動作パターンである。つまり、図7−1に示す動作パターンは、上述した携帯電子機器10の状態に応じて1つのモードを選択する動作パターンである。
【0086】
次に、図7−2に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードを選択可能、携帯モードを選択不可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合に、操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0087】
次に、図7−3に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードを選択不可能、携帯モードを選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合に、操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0088】
また、図7−4に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合も、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合も、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、いずれの場合も操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0089】
このように、図7−1から図7−4に示す4つのいずれの動作パターンとしても、2つのモードを選択することができ、安全性と操作性を高くすることができる。また、操作者が、4つの動作パターンから1つの動作パターンを設定できるようにしてもよいし、4つの動作パターンの中の1つの動作パターンのみをアプリケーションプログラムとして記憶させるようにしてもよい。
【0090】
ここで、上記実施形態では、加速度センサ36で検出した加速度が一定以上の加速度となったらプロジェクタ34からの光の射出を停止または、光量を低減するようにしたが、検出した加速度の値及び/または加速度のパターンによって種々の光量に調整するようにしてもよい。以下、図8及び図9を用いて詳細に説明する。ここで、図8は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示すブロック図であり、図9は、図8に示す携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。なお、図8に示す携帯電子機器110は、記憶部124、プロジェク134、加速度センサ136の一部構成をより具体化させた点を除いて、他の部分は、図2に示す携帯電子機器10と同様の構成である。したがって、以下の説明では、携帯電子機器10と同様の構成要素については、詳細な説明を省略し、携帯電子機器110に特有の点を重点的に説明する。
【0091】
図8に示すように、携帯電子機器110は、制御部22と、記憶部124と、送受信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、プロジェクタ134と、加速度センサ136と、を有する。制御部22と、送受信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32とは、携帯電子機器10の各部と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0092】
まず、記憶部124には、上述した記憶部24と同様に各種タスクや、ソフトウェア、データが記憶されている。さらに、記憶部124は、加速度テーブル160と、パターンテーブル162が記憶されている。加速度テーブル160及びパターンテーブル162は、加速度センサ136での検出値に基づいてプロジェクタ134の動作を制御する際に使用する検出値と制御条件との対応関係が記憶されているテーブルである。加速度テーブル160には、加速度と制御条件との対応関係が記憶されている。また、パターンテーブル162には、加速度から検出される動作パターンと制御条件との対応関係が記憶されている。
【0093】
プロジェクタ134は、画像を投影する画像投影機構であり、上述したように、筐体11の上面に画像を投影する光射出部134aが設けられている。本実施形態のプロジェクタ134は、RGBレーザ発生部164と、画像照射部166とを有する。
【0094】
RGBレーザ発生部164は、上述した光を射出する光源であり、R(レッド)光を射出する光源と、G(グリーン)光を射出する光源と、B(ブルー)光を射出する光源とで構成されている。ここで光源としては、半導体レーザ等を用いることができる。また、RGBレーザ発生部164は、各光源から射出された光を画像照射部166の所定位置に所定の角度で入力させるための光学系も有する。
【0095】
画像照射部166は、RGBレーザ発生部164から射出された光の角度を変化させて、投影領域内の光が到達する位置を走査させつつ、投影させる画像に合わせて照射させるか否かを切り替える。また、画像照射部166を通過した光は、光射出部134aから投影領域に向けて射出される。ここで、画像照射部166は、1秒間に30コマの画像を投影させる場合は、1/30秒でR、G、Bのそれぞれの光が投影領域の全面を走査されるようにRGBレーザ発生部164から射出された光が投影される位置を切り替える。
【0096】
プロジェクタ134は、以上のような構成でありRGBレーザ発生部164から射出された光を、投影する画像に合わせて画像照射部166により制御し、画像照射部166を通過した光を光射出部134aから投影させることで、投影領域に画像を投影する。
【0097】
加速度センサ136は、加速度検出部170と、センサ制御部172とを有する。加速度検出部170は、筐体11に加わる加速度を検出する検出器であり、上述したように、例えば、静電容量の変化や、ピエゾ抵抗の変化、相対位置の変化等で加速度を検出する検出器を用いることができる。加速度検出部170は、操作者が筐体11を振ったり、移動させたりする際に、筐体11に作用する加速度を検出する。センサ制御部172は、加速度検出部170で検出した検出値、つまり加速度の値を制御部22に送る。また、センサ制御部172は、加速度検出部170で検出した検出値のパターンを解析して動作パターンを検出し、検出した動作パターンも制御部22に送る。ここで、センサ制御部172により検出される動作パターンとしては、自由落下パターン、歩行パターン、タップパターン、通常動作パターン等が例示される。ここで、自由落下パターンは、携帯電子機器110(筐体11)が落下していると判定できる加速度、例えば、1方向に重力に近い加速度が検出された場合に検出されるパターンである。また、歩行パターンは、歩行と判定することができる加速度、例えば、一定時間、一定程度の加速度の増減が繰り返された場合に検出されるパターンである。タップパターンは、操作者により筐体11が叩かれたと判定できる加速度、例えば、短時間に一定範囲の大きさの加速度が加わったことを検出した場合に検出されるパターンである。また、通常動作パターンは、上記のいずれのパターンでもない場合、通常の動作で使用されている場合に検出されるパターンである。携帯電子機器110は、基本的に以上のような構成である。
【0098】
次に、図9を用いて携帯電子機器110の動作、具体的には、プロジェクタの制御動作について説明する。ここで、図9には、加速度センサ136の動作を示すフローと制御部22の動作を示すフローとプロジェクタ134の動作とを示し、各部での指示、情報のやり取りも示す。
【0099】
まず、加速度センサ136の動作について説明する。加速度センサ136は、制御部22から加速度検出開始の指示が入力されたら、ステップS302として加速度の検出を開始し、ステップS304として、加速度を検出する。その後、加速度センサ136は、ステップS304で加速度を検出したら、ステップS306として、検出した加速度の情報(以下「加速度情報」という。)を制御部22に送る。
【0100】
加速度センサ136は、ステップS306で加速度情報を制御部22に送ったら、ステップS308として、検出した加速度情報を解析し、動作パターンを算出するパターン演算を行う。具体的には、検出した一定時間分の加速度情報に基づいて、加速度のパターンが自由落下パターン、歩行パターン、タップパターン、通常動作パターンのいずれであるかを算出する。加速度センサ136は、ステップS308でパターン演算を行ったら、ステップS310として、算出した動作パターンの情報(以下「パターン情報」)を制御部22に送る。
【0101】
加速度センサ136は、ステップS310でパターン情報を送信したら、ステップS312として終了指示があるかを判定する。なお、終了指示は、制御部22から入力される。加速度センサ136は、ステップS312で終了指示あり(Yes)と判定したらステップS314に進み、終了指示なし(No)と判定したらステップS304に進む。つまり加速度センサ136は、終了指示が入力されたことを検出するまで、加速度の検出と動作パターンの検出とを繰り返す。また、加速度センサ136は、ステップS312で終了指示ありと判定したら、ステップS314として、加速度の検出及び動作パターンの検出を終了し、処理を終了する。つまり、加速度センサ136の駆動を停止して処理を終了する。
【0102】
次に、制御部22の動作と、制御部22による制御に基づいて動作するプロジェクタ134の動作について説明する。まず、制御部22は、ステップS322として、プロジェクタ起動指示を検出したら、つまり、操作者の操作によりプロジェクタの立ち上げ指示が入力されたことを検出したら、プロジェクタ134の電源をONにする。つまり、プロジェクタ134を起動する。制御部22は、ステップS322で、プロジェクタ起動指示を検出し、プロジェクタ134を起動させたら、ステップS324として、加速度検出開始指示を入力する。具体的には、加速度センサ136に加速度の検出を開始させる指示を入力する。
【0103】
制御部22は、ステップS324で加速度検出開始指示を入力したら、ステップS326としてプロジェクタ134から射出させる光の光量を調整する。ここで、初期設定、起動時の光量は、100%とする。つまり、光量を減少させずに設定された光量のまま射出させる設定とする。次に、制御部22は、ステップS326で光量調整を行ったら、ステップS328として、照射画像をプロジェクタ134に入力する。つまり、制御部22は、投影する画像信号(または画像情報)をプロジェクタ134に送る。これにより、プロジェクタ134から光が射出され、画像の投影が開始される。
【0104】
制御部22は、ステップS328でプロジェクタ134による画像の投影を開始したら、ステップS330として、加速度を読み出す。つまり、制御部22は、上述のステップS306で加速度センサ136により送信された加速度情報を取得する。制御部22は、ステップS330で加速度情報を取得したら、ステップS332として、記憶部124から、加速度テーブル160を取得する。ここで、加速度テーブル160としては、例えば、下記表1に示すような対応関係が記憶されている。
【0105】
【表1】

【0106】
表1に示す対応関係は、加速度センサ136での検出値が0G〜0.5Gつまり、0G以上0.5G未満の場合は、光量を100%、つまり、設定値のまま光量を変更せずに射出させるようにし、検出値が0.5G〜1Gつまり、0.5G以上1G未満の場合は、光量を70%、つまり、光量を設定値から30%低減させて射出させるようにし、検出値が1G〜2Gつまり、1G以上2G未満の場合は、光量を50%、つまり、光量を設定値から50%低減させて射出させるようにし、検出値が2G〜3Gつまり、2G以上3G未満の場合は、光量を20%、つまり光量を設定値から80%低減させて射出させるようにし、検出値が3G以上の場合は、光量を0%、つまり、プロジェクタ134から光の射出を停止させるように設定された対応関係である。なお、ここで、加速度センサ136での検出値は、重量補正がされているものとした。つまり、重力のみが作用している状態、例えば、机の上に静置されている状態のときに検出される値を0Gとした。
【0107】
制御部22は、ステップS332で加速度テーブルを取得したら、ステップS334として、取得した加速度テーブルに記憶されている対応関係とステップS330で取得した加速度情報とに基づいて、光量の設定値を算出するし、光量調整値を変更する。例えば、検出した加速度が、0.8Gであれば、光量を70%にするという設定値を算出し、加速度が、1.3であれば、光量を50%にするという設定値を算出する。制御部22は、光量の設定値を算出したら、算出した設定値に基づいて、プロジェクタ134の光量の設定(光量調整値)を変更する。
【0108】
制御部22は、ステップS334で、光量調整値を変更したら、ステップS336として、動作パターンを読み出す。つまり、制御部22は、加速度センサ136により上述のステップS310で送信された動作パターンの情報を取得する。制御部22は、ステップS336で動作パターンを取得したら、ステップS338として、記憶部124から、パターンテーブル162を取得する。ここで、パターンテーブル162としては、例えば、下記表2に示すような対応関係が記憶されている。
【0109】
【表2】

【0110】
表2に示す対応関係は、加速度センサ136により検出されたパターンが通常パターンである場合は、光量の変更をなしとし、加速度センサ136により検出されたパターンが自由落下パターンである場合は、プロジェクタ134から光の射出を停止させ、加速度センサ136により検出されたパターンが歩行パターンである場合も、プロジェクタ134から光の射出を停止させ、加速度センサ136により検出されたパターンがタップパターンである場合は、プロジェクタ134から射出させる光の光量を50%、つまり、光量を設定値から50%低減させて射出させるように設定された対応関係である。
【0111】
制御部22は、取得したパターンテーブルに記憶されている対応関係とステップS336で取得した動作パターンとに基づいて、光量の設定値及び制御動作を更新する。ステップS338でパターンテーブル162を取得し、光量の設定値及び制御動作を更新したら、ステップS340としてプロジェクタ134での画像投影を終了するかを判定する。ここで、制御部22による画像投影を終了するかの判定は、終了指示が入力されているかにより判定する。ここで、終了指示は、操作者の操作により入力されたり、投影する画像が終了することにより入力されたり、電池の残量が一定以下になることで入力されたりする。制御部22は、ステップS340で終了する(Yes)と判定したら、ステップS342としてプロジェクタ134の駆動の終了処理を行い、プロジェクタ134の電源をOFFにした後、処理を終了する。また、制御部22は、ステップS340で、プロジェクタ134を終了しない(No)と判定したらステップS330に進み、上記ステップS330からステップS340を繰り返す。なお、このように繰り返した場合、ステップS334では、ステップS338で更新した光量の設定値及び制御動作にも基づいて、光量が調整される。つまり、動作パターンが歩行パターンであるとされた場合は、ステップS330、ステップS332での設定によらず、ステップS334では、プロジェクタ134からの光の射出は停止される。携帯電子機器110は、以上のように動作する。
【0112】
このように、加速度センサにより検出される加速度に応じて、プロジェクタから射出する光の光量を調整することで、携帯電子機器110の状態に応じて、適切な光量の光を射出させることができる。これにより、照射位置が急激に変化し、人間の目に光が入る可能性が高くなるにしたがって、射出する光の光量を小さくする等の制御が可能となり、より安全性と操作性を高くすることができる。例えば、投影領域の位置を調整するために携帯電子機器110を緩やかに移動させている場合は、光量を少しだけ低下させ、急激に動いた場合は、光量を大きく低下させることができる。
【0113】
また、加速度センサで、動作パターンを検出し、その動作パターンに応じてプロジェクタから射出させる光の光量を調整することで、携帯電子機器110の状態に応じて、より適切な光量の光を射出させることができる。通常、プロジェクタ134が使用されるとは想定されない歩行中であるか、携帯電子機器110が落下しているかなどを検出し、その状態に合わせて、調整することで、プロジェクタからより適切な光量の光を検出することができる。これにより、光が照射される方向が予測できない状態にある場合に、光の射出を停止でき、プロジェクタ34から射出される光が近距離で人間の目に入ることを抑制することができ、人間にまぶしい思いをさせる可能性を低減することができる。また、プロジェクタ34から照射される光が強い強度で人間の目に入りにくくすることができる。また、歩行時は、光の射出を停止するようにすることで、ポケットやバックに入れた状態で、操作キーが押され、間違ってプロジェクタが駆動された場合も、光を照射しないようにすることができる。
【0114】
また、タップされたかを検出し、このタップに基づいて光量を調整するようにすることで、操作キーを操作することなく、携帯電子機器110を叩くのみで、簡単に光量を調整することができる。
【0115】
また、動作パターンの検出には一定の時間が必要となるため、動作パターンの算出を待たずに、加速度の検出結果に基づいて光量を調整するように、短時間でより適切な光量とすることができる。例えば、歩行時の場合に、歩行パターンであることが検出される前に、歩行により加えられる加速度の検出結果に基づいて光量を減少させるようにすることができる。これにより、動作パターンを検出するまでの短時間の間も適切に光量を調整することができる。
【0116】
なお、上記実施形態では、動作パターンとしてタップパターンを検出したら、光量を50%にするようにしたが、これに限定されず、タップパターンを検出する毎に、つまりタップの回数毎に、光量を変更するようにしてもよい。また、1回のタップでプロジェクタからの光の射出を停止するようにしてもよい。また、表1に示す加速度テーブル及び表2に示すパターンテーブルは、一例であり、光量や、制御条件は、特に限定されない。
【0117】
また、上記実施形態では、センサとして、加速度のみを検出する加速度センサ136を用いた場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、センサとして、加速度を検出する加速度検出部に加え、地磁気の方向を検出する地磁気検出部を有する6軸センサを用いてもよい。以下、図10及び図11を用いて詳細に説明する。ここで、図10は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示すブロック図であり、図11は、図10に示す携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。なお、図10に示す携帯電子機器210は、記憶部224、6軸センサ236の一部構成をより具体化させた点を除いて、他の部分は、図8に示す携帯電子機器110と同様の構成である。したがって、以下の説明では、携帯電子機器10と同様の構成要素については、詳細な説明を省略し、携帯電子機器210に特有の点を重点的に説明する。
【0118】
図10に示すように、携帯電子機器210は、制御部22と、記憶部224と、送受信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、プロジェクタ134と、6軸センサ236と、を有する。制御部22と、送受信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、プロジェクタ134は、携帯電子機器110の各部と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0119】
まず、記憶部224には、上述した記憶部24と同様に各種タスクや、ソフトウェア、データが記憶されている。さらに、記憶部224は、データテーブル260が記憶されている。データテーブルは、6軸センサ236での検出値に基づいてプロジェクタ134の動作を制御する際に使用する検出値と制御条件との対応関係が記憶されているテーブルである。
【0120】
6軸センサ236は、加速度検出部270と、地磁気検出部272と、センサ制御部274とを有する。加速度検出部270は、上述の加速度検出部170と同様で、筐体11に加わる加速度を検出する検出器であり、上述したように、例えば、静電容量の変化や、ピエゾ抵抗の変化、相対位置の変化等で加速度を検出する検出器を用いることができる。加速度検出部270は、操作者が筐体11を振ったり、移動させたりする際に、筐体11に作用する加速度を検出する。また、加速度検出部270は、互いに直交する3つの方向の加速度、つまり3軸方向の加速度をそれぞれ検出する。
【0121】
地磁気検出部272は、互いに直交する3つの方向における地磁気の向きを検出する検出器である。ここで、地磁気を検出する検出器としては、ホール素子、MR素子、MI素子、フラックスゲート素子等を用いることができる。地磁気検出部272は、検出した3つの方向における地磁気の向きの検出結果をセンサ制御部274に送る。このように、6軸センサ236は、3つの方向の加速度を検出し、3つの方向の地軸を検出することで、6つの検出値を取得する、つまり、6軸の検出を行う。
【0122】
センサ制御部274は、加速度検出部270で検出した検出値、つまり加速度の値を制御部22に送る。また、センサ制御部274は、地磁気検出部272で検出した3つの方向における地磁気の向きに基づいて携帯電子機器210(筐体11)の向きを検出し、検出した向きの情報を制御部22に送る。さらに、センサ制御部274は、加速度検出部270で検出した検出値及び地磁気検出部272で検出した検出値のパターンを解析して動作パターンを検出し、検出した動作パターンも制御部22に送る。ここで、センサ制御部274により検出される動作パターンとしては、センサ制御部172と同様に、自由落下パターン、歩行パターン、タップパターン、通常動作パターンが例示される。携帯電子機器210は、基本的に以上のような構成である。
【0123】
次に、図11を用いて携帯電子機器210の動作、具体的には、プロジェクタの制御動作について説明する。ここで、図11には、6軸センサの動作を示すフローと制御部22の動作を示すフローとプロジェクタ134の動作とを示し、各部での指示、情報のやり取りも示す。
【0124】
まず、6軸センサ236の動作について説明する。6軸センサ236は、制御部22から6軸検出開始の指示が入力されたら、ステップS402として加速度及び地磁気の検出を開始し、ステップS304として、加速度と地磁気の方向とを検出する。また、6軸センサ236は、検出した地磁気の値から携帯電子機器210の角度、つまり向きを検出する。6軸センサ236は、ステップS404で加速度と携帯電子機器210の向きを検出したら、ステップS406として、検出した加速度の情報(以下「加速度情報」という。)と携帯電子機器210の角度の情報(以下「角度情報」という。)と、を制御部22に送る。
【0125】
6軸センサ236は、ステップS406で加速度情報と角度情報とを制御部22に送ったら、ステップS408として、検出した加速度情報及び角度情報を解析し、動作パターンを算出するパターン演算を行う。具体的には、検出した一定時間分の加速度情報に基づいて、加速度、角度のパターンが手持ち+非歩行パターン、静置パターンのいずれであるかを算出する。なお、静置パターンは、角度変化が一定以下であり、かつ加速度が一定以下の場合に静置パターンと判定される。また、手持ち+非歩行パターンは、加速度が0.2G以下で、水平方向の角度変化が±30度以内で、垂直方向の角度変化が±45度以下で、一定の状態の変化が継続しており、それが、歩行パターンではない場合に手持ち+非歩行パターンと判定される。6軸センサ236は、ステップS408でパターン演算を行ったら、ステップS410として、算出した動作パターンの情報(以下「パターン情報」)を制御部22に送る。
【0126】
6軸センサ236は、ステップS410でパターン情報を送信したら、ステップS412として終了指示があるかを判定する。なお、終了指示は、制御部22から入力される。6軸センサ236は、ステップS412で終了指示あり(Yes)と判定したらステップS414に進み、終了指示なし(No)と判定したらステップS404に進む。つまり6軸センサ236も、終了指示が入力されたことを検出するまで、加速度の検出と角度の検出と動作パターンの検出とを繰り返す。また、6軸センサ236は、ステップS412で終了指示ありと判定したら、ステップS414として、加速度の検出と角度の検出と動作パターンの検出とを終了し、処理を終了する。つまり、6軸センサ236の駆動を停止して処理を終了する。
【0127】
次に、制御部22の動作と、制御部22による制御に基づいて動作するプロジェクタ134の動作について説明する。まず、制御部22は、ステップS422として、プロジェクタ起動指示を検出したら、つまり、操作者の操作によりプロジェクタの立ち上げ指示が入力されたことを検出したら、プロジェクタ134の電源をONにする。つまり、プロジェクタ134を起動する。制御部22は、ステップS422で、プロジェクタ起動指示を検出し、プロジェクタ134を起動させたら、ステップS424として、6軸検出開始指示を入力する。具体的には、6軸センサ236に加速度及び地磁気の検出を開始させる指示を入力する。
【0128】
制御部22は、ステップS424で6軸検出開始指示を入力したら、ステップS426としてプロジェクタ134から射出させる光の光量を調整する。ここで、初期設定、起動時の光量は、100%とする。つまり、光量を減少させずに設定された光量のまま射出させる設定とする。次に、制御部22は、ステップS426で光量調整を行ったら、ステップS428として、照射画像をプロジェクタ134に入力する。つまり、制御部22は、投影する画像信号(または画像情報)をプロジェクタ134に送る。これにより、プロジェクタ134から光が射出され、画像の投影が開始される。
【0129】
制御部22は、ステップS428でプロジェクタ134による画像の投影を開始したら、ステップS430として、加速度情報及び角度情報を読み出す。つまり、制御部22は、上述のステップS406で6軸センサ236により送信された加速度情報及び角度情報を取得する。制御部22は、ステップS430で加速度情報及び角度情報を取得したら、ステップS432として、記憶部224から、データテーブル260を取得する。ここで、データテーブル260としては、例えば、下記表3に示すような対応関係が記憶されている。なお、表3に示すデータテーブルは、一例であり、光量や、制御条件は、特に限定されない。
【0130】
【表3】


【0131】
表3に示す対応関係は、直前の動作パターン、6軸センサ234で検出された加速度と、垂直方向の角度変化量、水平方向の角度変化量、継続時間、動作判定の結果、設定される光強度(光量)の関係を示す表である。ここで、垂直方向の角度変化量、水平方向の角度変化量は、一定時間(本実施形態では、0.5秒)前からの角度変化であり、6軸センサ236から送られる角度情報に基づいて算出される。また、継続時間は、加速度変化の検出継続時間であり、検出された加速度が継続時間の間検出された場合にその条件を満たしたものと判定する。また、直前のパターンとは、現状で選択されている動作パターンであり、起動初期の状態では、静置パターンとなるように設定されている。
【0132】
例えば、表3の状態番号1は、携帯電子機器210に小さな動き以下の動きかつ回転がない場合に選択される状態であり、直前の動作パターンが静置パターンであり、0.5秒以上の間の加速度が0G〜1Gであり、つまり0G以上1G以下であり、垂直方向の角度変化が、基準時(0.5秒前)の位置に対して±15°以内であり、水平方向の角度変化が、基準時(0.5秒前)の位置に対して±30°以内である場合に選択される。また、状態番号2は、携帯電子機器210に小さな動き以下の動きと鉛直方向への回転がある場合に選択される状態であり、直線の動作パターンが静置パターンであり、0.5秒以上の間の加速度が0G〜1Gであり、垂直方向の角度変化が、基準時(0.5秒前)の位置に対して±15°以内であり、水平方向の角度変化が、基準時(0.5秒前)の位置に対して±30°を超えている場合に選択される。また、状態番号9は、携帯電子機器210がタップされた場合に選択される状態であり、直前の動作パターンが静置パターンであり、0.2秒の間の加速度が1Gを超えており、つまり1Gより大きく、垂直方向の角度変化が、基準時(0.5秒前)の位置に対して±15°であり、水平方向の角度変化が、基準時(0.5秒前)の位置に対して±30°以内である場合に選択される動作パターンである。また、状態番号19は、操作者が携帯電子機器210を保持して歩行している場合に選択される状態であり、直前の動作パターン、検出される角度変化によらず、3秒以上歩行の加速度パターンが検出された場合に選択される。また、状態番号20は、携帯電子機器210が落下した場合に選択される状態であり、直前の動作パターン、検出される角度変化によらず、自由落下していることが検出された場合に選択される。また、他の状態番号の場合も同様で直前の動作パターン、6軸センサ236で検出された加速度と、垂直方向の角度変化量、水平方向の角度変化量、継続時間、各条件を満たした場合に選択される。
【0133】
制御部22は、ステップS432でデータテーブルを取得したら、ステップS434として、取得したデータテーブルに記憶されている対応関係とステップS430で取得した加速度情報及び角度情報とに基づいて、光量の設定値を算出し、光量設定値を変更する。つまり、他の状態番号の場合も同様で直前の動作パターン、6軸センサ236で検出された加速度と、垂直方向の角度変化量、水平方向の角度変化量、継続時間を照合して、当てはまる状態番号を算出し、その状態番号の光強度を光量の設定値として、算出する。例えば、状態が状態番号1の状態を満たす場合は、光量を変更しないという設定値を算出し、状態が状態番号2の状態を満たす場合は、光量を30%〜60%にするという設定値を算出する。なお、実際の制御では、30%〜60%のうち操作者により予め設定された光量の設定値を算出する。制御部22は、光量の設定値を算出したら、算出した設定値に基づいて、プロジェクタ134の光量の設定(光量調整値)を変更する。なお、動作パターンが検出されていない状態、つまり、検出初期の段階では、直前の動作パターンは、静置パターンに設定されている。
【0134】
制御部22はステップS434で光量調整値を変更したら、ステップS436として、動作パターンを読み出す。つまり、制御部22は、6軸センサ236により上述のステップS410で送信された動作パターンの情報を取得する。制御部22は、取得した動作パターンの情報を現状の操作パターンとして更新する。つまり表3の直前の動作パターンに相当する項目の情報を更新する。
【0135】
制御部22は、ステップS436で動作パターンの情報を取得したら、ステップS438としてプロジェクタ134での画像投影を終了するかを判定する。ここで、制御部22による画像投影を終了するかの判定は、終了指示が入力されているかにより判定する。ここで、終了指示は、操作者の操作により入力されたり、投影する画像が終了することにより入力されたり、電池の残量が一定以下になることで入力されたりする。制御部22は、ステップS438で終了する(Yes)と判定したら、ステップS440としてプロジェクタ134の駆動の終了処理を行い、プロジェクタ134の電源をOFFにした後、処理を終了する。また、制御部22は、ステップS438で、プロジェクタ134を終了しない(No)と判定したらステップS430に進み、上記ステップS430からステップS438を繰り返す。携帯電子機器210は、以上のように動作する。
【0136】
このように、6軸センサにより検出される加速度及び携帯電子機器210の角度変化に応じて、プロジェクタから射出する光の光量を調整することで、プロジェクタ134から射出される光が照射する位置の変化をより正確に検出することができる。例えば、ゆっくり大きく向きが変化しているのか、急激に向きが変化しているのか、上に向かって照射位置が変化しているのか、横に向かって照射位置が変化しているのかを正確に検出することができる。これにより、携帯電子機器210の状態に応じて、より適切な光量の光を射出させることができ、照射位置が急激に変化し、人間の目に光が入る可能性が高くなるにしたがって、射出する光の光量を小さくする等の制御が可能となり、より安全性と操作性を高くすることができる。
【0137】
また、動作パターンを検出し、その動作パターンに応じてプロジェクタから射出させる光の光量を調整することで、携帯電子機器210の状態に応じて、より適切な光量の光を射出させることができる。通常、プロジェクタ134が使用されるとは想定されない歩行中であるか、携帯電子機器210が落下しているかなどを検出し、その状態に合わせて、調整することで、プロジェクタからより適切な光量の光を検出することができる。また、タップされたかを検出し、このタップに基づいて光量を調整するようにすることで、操作キーを操作することなく、携帯電子機器210を叩くのみで、簡単に光量を調整することができる。
【0138】
また、動作パターンの検出には一定の時間が必要となるため、動作パターンの算出を待たずに、加速度の検出結果に基づいて光量を調整するように、短時間でより適切な光量とすることができる。例えば、手持ちしている場合に、手持ちパターンであることが検出される前に、検出結果に基づいて例えば静置モードとして光量を減少させるようにすることができる。これにより、動作パターンを検出するまでの短時間の間も適切に光量を調整することができる。
【0139】
なお、上記実施形態では、動作パターンとしてタップパターンを検出したら、光量を50%にするようにしたが、これに限定されず、タップパターンを検出する毎に、つまりタップの回数毎に、光量を変更するようにしてもよい。例えば、タップされる毎に、光量を80%、60%、40%、20%、0%の順に変更するようにしてもよい。また、1回のタップでプロジェクタからの光の射出を停止するようにしてもよい。
【0140】
また、表3に示す状態番号3、4、6、7、12、13、15、16の場合は、照射方向が変更されている場合と判断し、一旦光量を低減させたら、操作者により回復操作が行われるまで、光量を100%にしないように設定することが好ましい。つまり、一旦光量を低減させたら、状態番号1の状態になっても、操作者に確認する(何らかの許可信号が入力される)まで自動では光量を増加させないようにすることが好ましい。このように、光を照射する向きが変わった場合は、操作者の許可が入力されるまで、光量を増加させないことで、投影領域に人間が入ってしまっている場合もよりまぶしい思いをさせないようにすることができる。
【0141】
また、表3に示す状態番号2、5、11、14の場合は、照射処置が変更されている場合と判断し、一旦光量を低減させた後、例えば状態番号1の状態が一定時間継続したら、光量を100%にする設定とすることが好ましい。この場合は、照射する向きは変更してないため、投影領域に人間がいる確率が少ない。そのため、まぶしい思いをさせる可能性を低くしたまま、操作性を高くすることができる。
【0142】
また、表3に示す状態番号8、17、20の場合は、大きく状態が変化しているため、装置に故障が発生していないかを判定する検査モードを実行した後、さらに操作者により回復操作が行われたら光量100%の状態に戻すように設定することが好ましい。故障しているかを検証することで、プロジェクタ134に異常がある状態で光が射出されることを防止でき、予測できない光量、向きで、光が射出されることを防止できる。
【0143】
また、状態番号19は、他の状態番号の場合よりも検出まで時間が必要となるため、状態番号1から18または20の状態が検出した状態番号の状態の制御を行うようにし、その後、状態番号19の条件を満たしたら、状態番号19の動作、つまり照射の停止を行うようにすればよい。これにより、状態番号19の動作を行うまでの間も、光量を適切に制御することができる。また、状態番号19の場合も一旦光量を低減させたら、操作者により回復操作が行われるまで、光量を100%にしないように設定することが好ましい。
【0144】
ここで、プロジェクタ34また、プロジェクタ134により投影させる画像としては、種々の画像を投影することができる。例えば、ニュース情報を投影するようにしてもよい。また、このようにニュース情報を投影する場合は、予め設定によりニュース情報を受信したら、自動的に投影するようにしてもよい。また、電子ブックやレシピを投影するようにしてもよい。この場合は、設定により、一定時間で頁を進むようにしてもよい。またレシピの場合は、表示ソフトに調理時間情報等を記憶させておき、その時間に合わせて表示が進むようにしてもよい。
【0145】
また、時計、カウントダウンタイマー、ストップウォッチ等を投影するようにしてもよい。また、アラーム機能と連動させる場合は、アラームに設定される数秒前から自動的に投影を開始するようにしてもよい。また、アラームのスヌーズ機能と連動させ、投影する画像の光量を徐々に大きく、つまりより明るくなるように投影するようにしてもよい。また、点滅表示をさせる場合は、点滅周期を速めるようにしてもよい。
【0146】
また、携帯電子機器210のように、地磁気を検出することができる6軸センサを有する場合は、プロジェクタ34また、プロジェクタ134からの画像投影時にも、6軸センサの検出結果を利用してもよい。例えば、6軸センサにより地磁気を検出し、プロジェクタ34また、プロジェクタ134が光を照射する方向の星空を投影するようにしてもよい。つまり、時間や季節に応じて、その方向に見える星空をプロジェクタから投影するようにしてもよい。また、同様に光を照射する方向に合わせて、地図を投影するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0147】
以上のように、本発明にかかる携帯電子機器は、高い安全性を確保した状態で画像を投影することに適している。
【符号の説明】
【0148】
10、110、210 携帯電子機器
11 筐体
12 ディスプレイ
13 操作キー
14 専用キー
15 マイク
16 レシーバ
22 制御部
24、124、224 記憶部
26 送受信部
26a アンテナ
28 操作部
30 音声処理部
32 表示部
34、134 プロジェクタ
34a、134a 光射出部
36、136 加速度センサ
160 加速度テーブル
162 パターンテーブル
164 RGBレーザ発生部
166 画像照射部
170、270 加速度検出部
172、274 センサ制御部
236 6軸センサ
260 データテーブル
272 地磁気検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を投影する画像投影部と、
前記画像投影部の動作を制御する制御部と、
前記画像投影部及び前記制御部を保持する筐体と、
前記筐体に作用する加速度を検出する加速度センサと、を有し、
前記制御部は、前記加速度センサで一定以上の加速度を検出したら、前記画像投影部からの光の射出を停止させる、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記加速度センサで一定以上の加速度を検出したら、前記画像投影部からの光の射出を停止させ、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させた後は、予め設定された操作が入力されたことが検出された場合のみ、前記画像投影部から通常の光量での画像の投影を再開することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
画像を投影する画像投影部と、
前記画像投影部の動作を制御する制御部と、
前記画像投影部及び前記制御部を保持する筐体と、
前記筐体に作用する加速度を検出する加速度センサと、を有し、
前記加速度センサの検出値と前記画像投影部から射出させる光の光量との対応関係を記憶した記憶部を有し、
前記制御部は、前記加速度センサで検出された検出値と前記記憶部に記憶された前記対応関係とに基づいて、前記画像投影部から射出させる光の光量を設定することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項4】
前記加速度センサは、加速度を検出する加速度検出部と、前記加速度検出部で検出された検出値に基づいて、動作パターンを算出するパターン検出部を有し、
前記記憶部は、さらに、動作パターンと前記画像投影部から射出させる光の光量との動作パターン対応関係を記憶しており、
前記制御部は、前記パターン検出部で検出された動作パターンと、前記動作パターン対応関係とに基づいて、前記画像投影部から射出させる光の光量を設定することを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
画像を投影する画像投影部と、
前記画像投影部の動作を制御する制御部と、
前記画像投影部及び前記制御部を保持する筐体と、
前記筐体に作用する3つの方向の加速度を検出する加速度検出部及び3つの方向の地磁気を検出する地磁気検出部を備える6軸センサと、を有し、
前記制御部は、前記筐体に作用する加速度及び前記6軸センサで検出した前記筐体の回転範囲の少なくとも一方が一定値を超えている場合は、前記画像投影部からの光の射出を停止させる、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項6】
さらに、前記6軸センサの検出値と前記画像投影部から射出させる光の光量との対応関係を記憶した記憶部を有し、
前記制御部は、前記6軸センサの検出値と前記対応関係とに基づいて、前記画像投影部から射出させる光の強度を設定することを特徴とする請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記6軸センサは、前記加速度検出部及び前記地磁気検出部の少なくとも一方の検出値に基づいて動作パターンを算出するパターン検出部を有し、
前記記憶部は、動作パターン毎に別々の対応関係が記憶しており、
前記制御部は、前記パターン検出部で検出された動作パターンに基づいて用いる対応関係を決定することを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−226683(P2010−226683A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77781(P2009−77781)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】