説明

携帯電話、携帯電話における無線環境の劣化通知方法、及びプログラム

【課題】回線交換通信が一時的に途切れたり、異音や無音が発生したときに、その原因が無線環境の劣化によるものあることをユーザへ正確に通知できる携帯電話を提供する。
【解決手段】CPUは、受信したユーザデータD1の途切れの有無を検出すると共にベースバンドチェック用データD3aを変調後ベースバンドチェック用データD2に変調する。ベースバンドLSI12は、受信したユーザデータD1と変調後ベースバンドチェック用データD2とを復調し、第1のベースバンドチェック用データD2を復調後ベースバンドチェック用データD3bに復調する。CPUは、復調後ベースバンドチェック用データD3bと変調前のベースバンドチェック用データD3aとを比較し、受信したユーザデータの途切れを検出したとき、比較結果により両データが整合しているときに、無線環境の劣化による回線交換通信の途切れ情報を通知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線環境の劣化をユーザに通知することができる携帯電話、携帯電話における無線環境の劣化通知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話における無線環境の劣化をユーザに通知する方法として、一般的に、携帯電話の表示画面にアンテナ本数を表示する方法が知られている。ところが、アンテナ本数の表示だけでは、瞬時的あるいは過渡的に発生する無線環境の劣化を知らせることができない。したがって、音声やテレビ電話等の回線交換通信中に、相手方からの音声が一時的に途切れた場合や、一時的に異音状態や無音状態などが発生した場合、ユーザは、その原因が無線環境の劣化によるものなのか、携帯電話の故障によるものなのかを判別することができない。そのため、ユーザは、通話の途切れ原因が携帯電話の故障によるものではないかと思って携帯電話販売店へ持ち込むことが多い。さらには、携帯電話販売店で携帯電話の動作確認を行う際に、スピーカやマイクなどの不具合が原因であれば比較的容易に故障原因を判定することができるが、ワンチップ部品で通信プロトコル処理を行うベースバンドLSI等の通信系回路が故障原因であるとその原因の判定が難しくなり、結果的に、通信系回路に問題がなくても無駄な修理対応を行ってしまうおそれがある。
【0003】
そこで、携帯電話の無線環境の劣化が原因で音声の乱れが発生した場合は、ユーザに対して無線環境の劣化が原因であることを明確に知らせることができれば、無用に携帯電話販売店へ持ち込むという対応を抑制することができ、さらには、携帯電話販売店側が無駄な修理対応を行うことを防止することもできる。ところが、現状においては、携帯電話における無線環境(つまり、受信環境)の劣化をユーザに的確に通知する技術は開発されていない。
【0004】
なお、関連技術として、携帯電話などの受信装置が検出した電界強度の大きさに応じて、その受信装置の音量を制御することにより、ユーザに受信環境の変化を感知させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、受信装置が受ける電界強度に比例してその受信装置のスピーカ音量が制御されるので、ユーザは定常的な受信電波環境の良否を判断することができる。
【0005】
また、他の関連技術として、電話装置が一定時間内に受信する音声データ量を計算し、音声データの不足量があらかじめ設定した閾値より大きくなると、ネットワークの通信品質が劣化していると判断して、その旨をユーザに通知する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、ユーザは、一定時間内における平均的な通信品質の劣化を感知することができる。言い換えれば、ユーザは平均的な無線環境の劣化を知ることができる。
【0006】
さらに、他の関連技術として、電波波長の干渉によって電波レベルの変動が生じるフェージング現象を排除した無線基地局の電波評価方法に関する技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。この技術によれば、無線基地局において、受信したベースバンド信号について誤り訂正を行うことなく逆符号化処理を行うことにより、逆符号化処理された試験データを評価装置によって評価している。これによって、無線基地局は、受信した試験データにエラーが検出されたときは受信系統に障害があると評価し、受信した試験データが正常な場合は無線環境が劣化していると評価するので、無線基地局における無線環境の劣化を容易に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−304477号公報
【特許文献2】特開2007−235637号公報
【特許文献3】特開2005−269071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、携帯電話にアンテナ本数を表示して無線環境の劣化を通知する方法では、音声やテレビ電話等の回線交換通信が一時的に途切れたり、異音状態や無音状態が発生したときに、その原因が携帯電話の無線環境の劣化によるものあることをユーザへ正確に通知することができない。また、特許文献1及び特許文献2の技術においては、携帯電話に定常的に発生する受信電波環境(無線環境)の劣化をユーザに通知することはできるが、過渡的に発生する無線環境の劣化については通知することはできない。さらに、特許文献3の技術においては、無線基地局における無線環境の劣化を正確に検出することはできるが、この技術をそのまま利用して携帯電話における無線環境の劣化を判定する技術に応用することは難しい。
【0009】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、回線交換通信が一時的に途切れたり、異音状態や無音状態が発生したときに、その原因が無線環境の劣化によるものあることをユーザへ正確に通知することができる携帯電話、及び携帯電話における無線環境の劣化通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、受信したユーザデータの途切れの有無を検出するデータ検出手段と、前記データ検出手段が検出したユーザデータの途切れの原因がデータの復調を行うデータ復調手段の故障によるものであるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記データ復調手段が故障していないと判定された場合に、回線交換通信の途切れの原因が無線環境の劣化にあることを通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、受信したユーザデータの途切れの有無を検出する第1のステップと、前記データ検出手段が検出したユーザデータの途切れの原因がデータの復調を行うデータ復調手段の故障によるものであるか否かを判定する第2のステップと、前記判定手段によって、前記データ復調手段が故障していないと判定された場合に、回線交換通信の途切れの原因が無線環境の劣化にあることを通知する第3のステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、携帯電話のCPUを、受信したユーザデータの途切れの有無を検出するデータ検出手段、前記データ検出手段が検出したユーザデータの途切れの原因がデータの復調を行うデータ復調手段の故障によるものであるか否かを判定する判定手段、前記判定手段によって、前記データ復調手段が故障していないと判定された場合に、回線交換通信の途切れの原因が無線環境の劣化にあることを通知する通知手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、携帯電話のユーザデータが途切れたか否かを逐一確認することができると共に、携帯電話内の故障状態を自動的に確認することができるので、無線環境の劣化が原因であることをユーザに明確に通知することが可能となる。また、ユーザデータの途切れが携帯電話の故障に起因することをユーザに通知できるので、ユーザが携帯電話販売店へ異常のない携帯電話を修理依頼することを防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話システムの構成及び動作概念を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯電話が回線交換通信の途切れを検出する方法を示す説明図である。
【図3】図1に示す携帯電話のベースバンドLSIに異常がないことを確認する方法を示す説明図である。
【図4】携帯電話の無線環境の劣化をユーザへ通知する方法を示す説明図である。
【図5】本発明を実現するための携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す携帯電話の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の携帯電話は、音声やテレビ電話等の回線交換通信が途切れた場合や、異音状態や無音状態が発生した場合に、通信プロトコル処理を行うベースバンドLSIに異常がないか否かを自己診断し、携帯電話側に異常がないことを明確にすることにより、無線環境の劣化が原因であることを正確にユーザへ通知するように構成されている。以下、図面を参照して、本発明に係る携帯電話の実施形態の幾つかについて詳細に説明する。
【0016】
《第1実施形態》
まず、本発明の実施形態に係る携帯電話システムの概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯電話システムの構成及び動作概念を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る携帯電話システムは、携帯電話1が、基地局2から中継局3を介して送信された無線電波を受信して、音声やテレビ電話等の回線交換通信を行うように構成されている。
【0017】
このとき、基地局2から携帯電話1への回線交換通信系統の無線環境が劣化して通話に途切れが発生した場合は、携帯電話1の内部で無線環境の劣化による通話の途切れを検出する。これにより、携帯電話1は、通話途切れの原因が無線環境の劣化によるものであると判断して、自己の表示部に『無線環境の劣化により音声が途切れています。』というメッセージを表示する。このようにして、携帯電話1の音声の途切れは無線環境の劣化が原因であることをユーザに知らせる。
【0018】
次に、携帯電話1が無線環境の劣化によって生じる回線交換通信の途切れを検出する方法について説明する。図2は、図1に示す携帯電話1が回線交換通信の途切れを検出する方法を示す説明図である。ユーザデータの途切れを検出する方法は2通りあり、図2(a)に示すように、一連のデータにシリアルナンバー(1,2,……)が付加されている場合にナンバーの欠落を検出する方法と、図2(b)に示すように、シリアルナンバーが付加されていない場合に一定時間に亘ってユーザデータを受信しなかったことを検出する方法とがある。
【0019】
すなわち、図2(a)に示すように、時間的な流れに沿って区分したユーザデータにシリアルナンバー(1,2,……)を付加し、携帯電話1が各シリアルナンバーを順次に検出してゆく。このとき、携帯電話1が、例えば、シリアルナンバー3のユーザデータが欠けていることを検出した場合は、携帯電話1は、ユーザデータに途切れが発生したと判断して、回線交換通信の途切れが無線環境の劣化によるものである旨を表示部に表示させる。
【0020】
また、図2(b)に示すように、時間的な流れに沿って区分したユーザデータにシリアルナンバーが付加されていない場合は、携帯電話1は時間の流れに沿ってユーザデータを連続的に検出してゆく。このとき、携帯電話1が、一定時間に亘ってユーザデータの受信を検出しなかった場合は、携帯電話1は、ユーザデータに途切れが発生したと判断して、回線交換通信の途切れが無線環境の劣化によるものである旨を表示部に表示させる。
【0021】
このようにして、携帯電話1は、シリアルナンバーが付加されている場合はシリアルナンバーの欠落を確認し、シリアルナンバーが付加されていない場合は一定時間に亘ってユーザデータを受信しなかったことを確認して、それぞれ、ユーザデータの途切れを検出して回線交換通信の途切れが無線環境の劣化によるものであることを通知する。
【0022】
図3は、図1に示す携帯電話1のベースバンドLSIに異常がないことを確認する方法を示す説明図である。図3に示すように、携帯電話1のCPU(図示せず)は、ベースバンドLSI12に異常があるか否かを確認するため、予め内部メモリに格納されたベースバンド(BB)チェック用データD3aをベースバンドLSI12へ出力する。このとき、CPUは、BBチェック用データD3aを、ベースバンドLSI12が無線部11から受信する復調前のユーザデータD1と同じ変調形式に変調することで得られる変調後BBチェック用データD2を、ベースバンドLSI12へ出力する。
【0023】
すなわち、ベースバンドLSI12は、無線部11からユーザデータD1を入力して、復調後のユーザデータをCPUヘ出力する(ステップS1)。また、CPUは、BBチェック用データD3aを変調し、変調後BBチェック用データD2の形式に変換し(ステップS2)、ベースバンドLSI12に出力する(ステップS3)。次に、ベースバンドLSI12は、CPUから変調後BBチェック用データD2を復調し、復調後BBチェック用データD3bをCPUへ送信する(ステップS4)。そして、CPUは、ベースバンドLSI12から復調後BBチェック用データD3bを取り出し(ステップS5)、取り出した復調後BBチェック用データD3bと元のBBチェック用データD3aとを比較し(ステップS6)、取り出した復調後BBチェック用データD3bに変化や欠落がないか否かを判定することにより、ベースバンドLSI12に異常がないことを確認する。
【0024】
これによって、ベースバンドLSI12からCPUへのユーザデータD1(つまり、音声データやテレビ電話データなど)が途切れたとき、復調後BBチェック用データD3bと元のBBチェック用データD3aとを比較してBBチェック用データの正当性を確認することができる。このようにして、ベースバンドLSI12に問題ないことを確認することにより、回線交換通信が途切れた原因が無線環境にあるか否かを判断する。
【0025】
なお、ベースバンドLSI12以外の箇所の故障に関しては、以下の特徴がある。
(1)マイクやスピーカなどのアナログ回路の故障であれば、異常状態がユーザに見えやすい。
(2)無線部11の故障であれば通信自体が行われないので、異常状態がユーザに見えやすい。
(3)CPU周りの故障であれば通信以外の使用においても異常状態が発生するので、その異常状態がユーザに見えやすい。
【0026】
したがって、ユーザに見えにくいベースバンドLSI12に異常がないことを明確にすることにより、携帯電話自体の故障ではないことが明確になるので、結果的に、無線環境の劣化をユーザに対して正確に通知することができる。
【0027】
次に、回線交換通信の途切れは無線環境の劣化が原因であることをユーザに知らせる方法について説明する。図4は、携帯電話1の無線環境の劣化をユーザへ通知する方法を示す説明図である。回線交換通信の途切れが無線環境の劣化によるものであると判断した場合、CPU13は、LCD14に対して「無線環境劣化により音声が途切れています」という旨の情報を表示させる、また、CPU13は、スピーカ15を通してユーザに無線環境の劣化が原因であることを知らせる警告音(例えば、ビビビッという音)を出力させる。
【0028】
以上、本発明の実施形態に係る携帯電話システムの概要について説明したが、ここで、本発明の実施形態に係る携帯電話の構成及び動作について説明する。図5は、本発明を実現するための携帯電話1の構成を示すブロック図である。携帯電話1は、ユーザデータの無線受信を行う無線部11、無線部11から受信した復調前のデータを復調するベースバンドLSI12、携帯電話1の各種処理を行うCPU13、及び、ユーザに対して各種の通知を行うLCD14とスピーカ15(出力回路)を備えた構成となっている。ここで、携帯電話1は、CPU13からベースバンドLSI12に対して復調前の第1のBBチェック用データD2を送信することができる回路及び機能を有するものとする。
【0029】
次に、図5に示す携帯電話1の動作について説明する。図6は、図5に示す携帯電話1の処理の流れを示すフローチャートである。図6において、まず、CPU13は、ユーザデータD1の途切れが発生したか否かを示す回線交換通信状態を常時検出する(ステップS11)。そして、CPU13は、ユーザデータD1の途切れが発生したか否かを判断し(ステップS12)、ユーザデータD1の途切れが発生していない場合は通信が終了するまでステップS11へ戻って監視処理を繰り返す。
【0030】
一方、ステップS12で、ユーザデータD1の途切れが発生した場合、CPU13は、BBチェック用データD2の正当性を確認する。すなわち、前述の図3で示したように、ベースバンドLSI12で復調したデータ(復調後BBチェック用データD3b)と変調前のデータ(予め内部メモリに格納されたBBチェック用データD3a)とを比較して、両者が一致するか否かを判断する(ステップS13)。
【0031】
ここで、CPU13が、2つのデータ間の正当性に問題があると判定した場合、またはベースバンドLSI12の異常等でデータが復調されずにCPUへ送信されなかった場合は(ステップS13でNO)、ベースバンドLSI12の以上であると判定し、処理フローを終了する。一方、CPU13は、ステップS13の判定において、2つのデータ間の正当性に問題がないと判定した場合は(ステップS13でYES)、ユーザに対して、無線環境の劣化により音声途切れ等が発生している等の旨を、LCD14及びスピーカ15を介して通知する(ステップS14)。
【0032】
なお、特許請求の範囲で述べるデータ検出手段、チェック用データ変調手段、データ比較手段、及び判定手段はCPU13が所定のプログラムを実行することによって実現され、データ復調手段はベースバンドLSI12によって実現され、通知手段はLCD14やスピーカ15などの出力回路によって実現される。
【0033】
《その他の実施形態》
次に、本発明のその他の実施形態に係る携帯電話について説明する。
まず、図3に示したベースバンドLSI12に異常がないことを確認する方法の第1の応用例として、BBチェック用データD3aを繰り返し供給するテスト用のソフトウエアを用いることが挙げられる。例えば、携帯電話の機器開発段階、または携帯電話販売店における携帯電話の動作確認などにおいて、ベースバンドLSI12の動作確認試験を行う際に、当該テスト用のソフトウエアを用いることで、特別な試験装置を必要とせずにベースバンドLSI12における復調機能の異常有無の確認試験を行うことができる。
【0034】
さらに、図3に示したベースバンドLSI12に異常がないことを確認する方法の第2の応用例として、CPU13が変調前のBBチェック用データD3aをベースバンドLSI12に出力し、当該BBチェック用データD3aを変調させることが挙げられる。これにより、CPU13は、ベースバンドLSI12の変調機能部分のチェックも行うことができる。
【0035】
また、第3の応用例として、この第2の応用例と前述の第1の応用例とを組み合わせることで、ベースバンドLSI12の変調/復調両方の機能を試験することもできる。具体的には、CPU13は、第1の実施形態で説明したステップS2でBBチェック用データD3aをベースバンドLSI12に出力することで、ベースバンドLSI12に変調後BBチェック用データD2を生成する。そして、当該変調後BBチェック用データD2を用いてステップS3以降の処理を行うことで、ベースバンドLSI12の変調/復調両方の機能を試験することができる。
【0036】
なお、図3に示したベースバンドLSI12に異常がないことを確認する方法の応用例として、複数のベースバンドLSIを持つ携帯電話(または、携帯端末)の場合は、それぞれのベースバンドLSI個別に復調前のデータを送信する回路を設け、CPU13に当該機能を持たせることで、CPU13は、ベースバンドLSIごとにチェック又は試験を行うことができる。
【0037】
以上、本発明に係る携帯電話の実施形態の幾つかについて、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的に構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらは本発明に含まれる。
【0038】
上述したCPU13の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをCPU13が読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0039】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0040】
1 携帯電話
2 基地局
3 中継局
11無線部
12 ベースバンドLSI
13 CPU
14 LCD
15 スピーカ
D1 ユーザデータ
D2 変調後ベースバンド(BB)チェック用データ
D3a ベースバンド(BB)チェック用データ
D3b 復調後ベースバンド(BB)チェック用データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したユーザデータの途切れの有無を検出するデータ検出手段と、
前記データ検出手段が検出したユーザデータの途切れの原因がデータの復調を行うデータ復調手段の故障によるものであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記データ復調手段が故障していないと判定された場合に、回線交換通信の途切れの原因が無線環境の劣化にあることを通知する通知手段と
を備えることを特徴とする携帯電話。
【請求項2】
前記データ検出手段は、受信したユーザデータのシリアルナンバーに欠落が生じたとき、または、前記ユーザデータが一定時間に亘って受信できなかったとき、該ユーザデータの途切れを検出することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話。
【請求項3】
所定のベースバンドチェック用データを変調し、当該変調したベースバンドチェック用データを前記復調手段に出力するチェック用データ変調手段と、
前記データ復調手段が復調した前記ベースバンドチェック用データと前記チェック用データ変調手段が変調する前のベースバンドチェック用データとを比較するデータ比較手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記データ検出手段が、受信したユーザデータの途切れを検出したとき、前記比較手段の比較結果を用いて前記データ復調手段が故障しているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電話。
【請求項4】
前記通知手段は、前記比較手段の比較結果において、前記所定のベースバンドチェック用データと前記データ復調手段が復調したベースバンドチェック用データとが整合したとき、無線環境の劣化により回線交換通信に途切れが生じた旨を通知することを特徴とする請求項3に記載の携帯電話。
【請求項5】
前記チェック用データ変調手段は、前記データ復調手段に前記ベースバンドチェック用データを繰り返し供給し、前記ベースバンドチェック用データを連続して復調させる
ことを特徴とする請求項3または4に記載の携帯電話。
【請求項6】
前記データ復調手段は、データの変調を行う変調機能を有し、
前記チェック用データ変調手段は、変調前のベースバンドチェック用データを前記データ復調手段に出力することで、前記ベースバンドチェック用データを変調させる
ことを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の携帯電話。
【請求項7】
前記データ復調手段を複数備え、
前記チェック用データ変調手段は、前記複数のデータ復調手段ごとに前記変調したベースバンドチェック用データを供給することで、個別に前記ベースバンドチェック用データを復調させる
ことを特徴とする請求項3から6の何れか1項に記載の携帯電話。
【請求項8】
前記データ復調手段の処理を実行するベースバンドLSIと
前記データ検出手段及び前記判定手段の処理を実行するCPUと
前記通知手段の処理を実行する出力回路と
を備えることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の携帯電話。
【請求項9】
受信したユーザデータの途切れの有無を検出する第1のステップと、
前記データ検出手段が検出したユーザデータの途切れの原因がデータの復調を行うデータ復調手段の故障によるものであるか否かを判定する第2のステップと、
前記判定手段によって、前記データ復調手段が故障していないと判定された場合に、回線交換通信の途切れの原因が無線環境の劣化にあることを通知する第3のステップと
を含むことを特徴とする携帯電話における無線環境の劣化通知方法。
【請求項10】
携帯電話のCPUを、
受信したユーザデータの途切れの有無を検出するデータ検出手段、
前記データ検出手段が検出したユーザデータの途切れの原因がデータの復調を行うデータ復調手段の故障によるものであるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段によって、前記データ復調手段が故障していないと判定された場合に、回線交換通信の途切れの原因が無線環境の劣化にあることを通知する通知手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−74856(P2012−74856A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217358(P2010−217358)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】