説明

携帯電話を用いた映像登録および編集方法並びに装置

【課題】 携帯電話で録画できる映像コンテンツの映像時間長以上の映像時間長をもつ映像コンテンツを編集処理する。
【解決手段】 映像コンテンツ登録装置104は、携帯電話101から別々に送信された複数の映像データを結合してファイルサーバ108に仮登録する。ファイルサーバ108は、携帯電話101からの要求に応じて仮登録された映像データを携帯電話101に配信する。映像コンテンツ編集装置105は、携帯電話101からの指示に従って仮登録された映像データを編集する。映像コンテンツ登録装置104は、携帯電話101からの指示に従って編集済の映像データを本登録の状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話からの指示によってサーバ計算機が映像コンテンツを効率よく編集して登録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に映像データ撮影機能および映像再生機能が備わり、インターネットコンテンツサービス提供会社(以下CSPという)が運営する映像配信サーバへの映像データ登録し、映像配信サーバから携帯電話へ映像データを配信するといった新たなサービスが提供されている。
【0003】
現状提供されているサービスの実施形態は、以下のような手順となっている。ユーザが携帯電話の映像データ撮影機能を用い、映像データを撮影すると、映像データが携帯電話の記憶装置に格納される。次いで携帯電話の映像データ編集機能を用い、映像データの部分切出し、映像データの追加挿入、テロップ(文字情報)の追加などの編集処理を行い、編集された映像データを携帯電話の記憶装置に格納させる。次いで携帯電話の電子メール機能を用い、編集された映像データを添付した電子メールをCSP指定の映像コンテンツ登録用のメールアドレスに送付する。
【0004】
CSPのサーバ上の映像コンテンツ登録プログラムは、この電子メールの受信を契機に、添付された映像データを配信用の映像コンテンツとして、映像配信サーバの記憶装置に格納し、映像コンテンツ識別子、映像コンテンツ本登録用URL、ユーザ識別子、ユーザメールアドレスなどの情報を映像コンテンツリストとしてデータベースサーバに格納する。次いで本プログラムは、ユーザの携帯電話に映像コンテンツ本登録用URLが本文内に記述された電子メールを返信する。
【0005】
ユーザは、携帯電話の電子メール機能を用いてこの本電子メールを受信すると、電子メール本文に記述された映像コンテンツ本登録用URLを確認し、携帯電話のインターネットブラウザ機能を用い、映像コンテンツ本登録用URLの示す映像コンテンツ本登録用ページを表示する。次いで、インターネットブラウザ上で映像コンテンツに関連する情報として、タイトル、説明情報などを入力し登録ボタンを押下し、入力した情報をCSPのサーバにメッセージ送信する。
【0006】
CSPのサーバ上の映像コンテンツ登録プログラムは、メッセージ受信を契機に、タイトル、説明情報、及び映像コンテンツのアクセス用URLを映像コンテンツリストに追加してデータベースサーバに格納する。
【0007】
なおこの種の技術として関連するものには、例えば特許文献1に記載された技術がある。
【0008】
【特許文献1】特開2004−164138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
携帯電話は、コンピュータシステムに比べて記憶装置の記憶容量が小さいため、録画できる映像コンテンツの映像時間長は短い。一方、映像のストリーミング配信においては映像データを携帯電話の記憶装置に全てダウンロードする必要がないため、再生できる映像コンテンツの映像時間長は記憶容量の制約を受けない。よって、携帯電話で録画できる映像コンテンツの映像時間長以上の映像時間長をもつ映像コンテンツを、CSPのサーバに登録できる仕組みが必要である。
【0010】
携帯電話は、コンピュータシステムに比べて処理性能が低いため、映像コンテンツに対して複雑な効果を適用するような編集処理を実行することが出来ない。また携帯電話の機種ごとに映像コンテンツに対して適用可能な効果の種類が異なる。よって、携帯電話の端末に依存しない映像コンテンツの編集処理の仕組みが必要である。
【0011】
携帯電話は、コンピュータシステムに比べてデータの送受信性能が低いため、映像編集効果の適用ごとに携帯電話からCSPのサーバに映像データを送信するためには処理時間が長くなる。よって、映像編集効果の適用ごとに映像データをCSPのサーバに送信する必要のない編集処理の仕組みが必要である。
【0012】
上記課題を解決する携帯電話のための映像コンテンツ編集登録方法が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ネットワークを介して携帯電話から送られた映像データを編集し登録する処理に関与する少なくとも1台のサーバ計算機を特徴とする。これらのサーバ計算機は、携帯電話から別々に送信された複数の映像データを結合し、携帯電話からの指示に従って結合された映像データを編集し、編集済の映像データを記憶装置に登録する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、映像データの結合がサーバ計算機で行われるため、携帯電話で録画可能な映像時間長を超える映像コンテンツを、サーバ計算機に登録することができる。また、映像コンテンツの編集はサーバ計算機上の映像コンテンツ編集プログラムで実行されるため、携帯電話の端末に依存しない映像コンテンツの編集処理を行うことができる。また、映像コンテンツの編集はサーバ計算機上の映像コンテンツ編集プログラムで実行されるため、映像編集効果の適用ごとに映像データをサーバ計算機に送信する必要のない編集処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、映像コンテンツの登録編集手順を示す図である。この例は、映像データの追加登録を1回、映像データの編集処理を1回行った場合の例である。
【0017】
映像コンテンツを登録したいユーザは、携帯電話101の映像データ撮影機能を利用して、映像データの録画を行う。録画された映像データは、携帯電話101が具備する記憶装置に格納される。次いで、ユーザは、携帯電話101の電子メール機能を用い、CSPに指定された映像コンテンツ登録用の電子メールアドレスに宛てて電子メールを送付する。電子メールには、記憶装置に格納された映像データが添付ファイルとして添付されている。
【0018】
登録編集サーバ内の映像コンテンツ登録装置104は、映像コンテンツ登録用電子メールアドレスのアクセス権限をもっており、定期的に登録編集サーバ内のメールサーバ102に対し、映像コンテンツ登録用電子メールアドレスに電子メールが送信されて来ていないかを確認する。電子メールが送信されていることを確認した場合には、メールサーバ102から当該電子メールを受信する。映像コンテンツ登録装置104は、電子メールを受信し、本文の文字列データを読込み新規コンテンツ登録であることを確認すると、添付されている映像データをファイルサーバ108の記憶装置に格納する。また映像コンテンツ登録装置104は、格納先のファイルシステム上での位置(以下ファイルパスという)を記憶し、電子メールの送信元アドレスを記憶する。また、映像コンテンツ登録装置104は、映像コンテンツ識別子を自動生成し、映像コンテンツの本登録用ページURLを生成する。本登録用ページのURLは「HTTP://www.CSP.com/content/register.html?id=10000001」のような文字列で、HTTPのget/postメソッドを用い映像コンテンツ識別子を送受信可能なものとする。次いで、映像コンテンツ登録装置104は、データベースサーバ106の映像コンテンツリストに、コンテンツ識別子、ファイルパス、送信元アドレス、本登録用ページのURL、及び映像コンテンツの状態(以下ステータス)を仮登録状態として格納する。次いで、映像コンテンツ登録装置104は、電子メールの送信元アドレスに対して、仮登録完了の確認メールを送信する。電子メールの本文には、本登録用ページのURLが記述される。メールサーバ102は、仮登録完了電子メールを携帯電話101に対して送信する。
【0019】
映像コンテンツの映像時間長を延長したいユーザは、携帯電話101の映像データ撮影機能を利用して、再度映像データの録画を行う。録画された映像データは、携帯電話101の具備する記憶装置に格納される。次いで、ユーザは、携帯電話101の電子メール機能を用い、受信した仮登録完了電子メールに対して電子メールを返信する。電子メールには、記憶装置に格納された映像データが添付ファイルとして添付される。
【0020】
登録編集サーバ内の映像コンテンツ登録装置104は、この電子メールを受信すると、本文の文字列データを読込み仮登録完了電子メールへの返信であることを確認すると、電子メール本文内に記述された本登録用ページのURLの一部に含まれる映像コンテンツ識別子を取得する。映像コンテンツ登録装置104は、取得した識別子を利用し、データベースサーバ106の映像コンテンツリストから、ファイルパスを取得し、ファイルサーバ108より格納済の映像データを取得する。次いで、映像コンテンツ登録装置104は、電子メールに添付されている映像データをファイルサーバ108より取得した映像データの後に結合し、結合済みの映像データとして、ファイルサーバ108の記憶装置に格納する。結合後のファイルパスは1回目に仮登録をしたファイルパスと同じとする。次いで、映像コンテンツ登録装置104は、電子メールの送信元アドレスに対して、仮登録完了の確認メールを送信する。電子メールの本文には、本登録用ページのURLが記述される。メールサーバ102は、この仮登録完了電子メールを携帯電話101に対して送信する。
【0021】
映像コンテンツを編集したいユーザは、携帯電話101のインターネットブラウザを利用して仮登録確認メールの本文に記述された本登録用ページのURLへアクセスする。WEBサーバ103は、HTTPのpost/getメソッドで送信された映像コンテンツの識別子をもとに、データベースサーバ106の映像コンテンツリストを参照し、本登録用のページを構成し、携帯電話101に送信する。本登録用のページには、映像配信サーバ107にファイルパスを指定して映像のストリーミング配信を依頼するスクリプトが記述されている。
【0022】
携帯電話101のインターネットブラウザが本登録用のページを表示すると、スクリプトが起動し、映像配信サーバ107に対してファイルパスを指定した映像コンテンツのストリーミング配信を依頼する。映像配信サーバ107は、ファイルパスで指定された映像コンテンツのストリーミング配信を行い、配信された映像コンテンツが携帯電話101のインターネットブラウザ上に表示された本登録用ページのコンテンツ視聴画面に表示される。また、映像コンテンツの再生位置は、本登録用ページ上の再生位置表示バーに表示される。
【0023】
ユーザは、インターネットブラウザの本登録用ページ上に表示された、編集効果の適用範囲指定用インタフェース、編集効果の種類選択用インタフェースを使用し、編集効果を指定する。編集効果の適用範囲指定インタフェースとしては、例えば開始点と終了点を指定するボタンを用意し、そのそれぞれを押下することによって、ストリーミング配信時に映像ストリームとともに送信されている映像の再生位置情報を装置に記憶することができる。編集効果の種類選択用インタフェースとしては、ラジオボタンを用意し、いずれかのボタンを選択することによって編集効果を装置に記憶することができる。ユーザが、編集効果の適用実行ボタンを押下すると、映像コンテンツ識別子、編集効果の適用範囲情報、編集効果の種類情報が文字列としてHTTPを利用し、WEBサーバ103に送信される。
【0024】
WEBサーバ103がHTTPを利用し、映像コンテンツ識別子、編集効果の適用範囲情報、編集効果の種類情報の文字列を取得すると、映像コンテンツ編集装置105に対して、映像コンテンツ識別子、編集効果の適用範囲情報、編集効果の種類情報を含む映像編集依頼を行う。映像コンテンツ編集装置105は、取得した識別子を利用し、データベースサーバ106の映像コンテンツリストから、そのファイルパスを取得し、ファイルサーバ108より格納済の映像データを取得する。映像コンテンツ編集装置105は、映像データに対して、指定された編集効果の適用範囲に、指定された編集効果を適用する映像編集処理を行う。映像コンテンツ編集装置105は、編集済みの映像データをファイルサーバ108の記憶装置に格納する。編集後のファイルパスは1回目に仮登録をしたファイルパスと同じとする。次に映像コンテンツ編集装置105は、WEBサーバ103に対し映像編集の完了通知を行う。WEBサーバ103は、再度本登録用のページを構成し、携帯電話101に送信する。
【0025】
携帯電話101のインターネットブラウザが本登録用のページを表示すると、スクリプトが起動し、映像配信サーバ107に対してファイルパスを指定した映像コンテンツのストリーミング配信を依頼する。映像データは編集後のものになっているため、映像配信サーバ107は編集後の映像データのストリーミング配信を行う。配信された映像コンテンツは、携帯電話101のインターネットブラウザ上に表示された本登録用ページのコンテンツ視聴画面に表示される。
【0026】
映像コンテンツの編集を終了したいユーザは、携帯電話101のインターネットブラウザ上の本登録用ページに表示された登録完了ボタンを押下する。WEBサーバ103がこれを受信すると、映像コンテンツ登録装置104に対して本登録依頼をする。本登録依頼を受けた映像コンテンツ登録装置104は、データベースサーバ106の映像コンテンツリスト内のステータスを本登録済みに更新する。更新が完了すると、映像コンテンツ登録装置104は、WEBサーバ103に対して本登録完了を通知し、WEBサーバ103は携帯電話101に対して、本登録完了のページを構成し送信する。携帯電話101のインターネットブラウザは、本登録完了のページを表示する。
【0027】
図2は、実施例のシステム構成を示す図である。携帯電話101は、電子メール機能およびインターネットブラウザ機能を用い、インターネット109を介して、メールサーバ102、WEBサーバ103、登録編集サーバ110、データベースサーバ106、映像配信サーバ107、およびファイルサーバ108の存在するCSP側のネットワークと接続される。メールサーバ102は、携帯電話101からの映像コンテンツを登録するための電子メールを受信し、また、携帯電話101に映像コンテンツの仮登録、本登録完了の電子メールを送信するために利用される。WEBサーバ103は、携帯電話101のインターネットブラウザからの本登録ページ表示要求に対し、データベースサーバ106の記憶装置111上の映像コンテンツリスト112を参照し、本登録ページを構成し、これを携帯電話101に送信するために利用される。
【0028】
登録編集サーバ110上には映像コンテンツ登録装置104、および映像コンテンツ編集装置106が存在する。映像コンテンツ登録装置104は、定期的にメールサーバ102上の電子メール受信状況を確認し、仮登録用の電子メールを受信している場合にはその添付ファイルの映像データを映像ファイルサーバ108の記憶装置113に格納し、データベースサーバ106の記憶装置111上の映像コンテンツリスト112に映像コンテンツに関する情報を登録する。追加登録用の電子メールを受信している場合には、映像コンテンツ登録装置104は、データベースサーバ106の記憶装置111上の映像コンテンツリスト112から映像コンテンツに関する情報を取得し、ファイルサーバ108の記憶装置113から格納済の映像データを取得し、添付ファイルの映像データをその後に結合して、結合後の映像データを映像ファイルサーバ108の記憶装置113に格納する。映像コンテンツ編集装置105は、WEBサーバ103の本登録用ページにおいて受信した映像効果適用に関する情報に従い、データベースサーバ106の記憶装置111上の映像コンテンツリスト112から映像コンテンツの情報を取得し、ファイルサーバ108の記憶装置113から格納済の映像データを取得、映像データを編集する処理を行い、編集後の映像データを映像ファイルサーバ108の記憶装置113に格納する。
【0029】
データベースサーバ106は、WEBサーバ103、登録編集サーバ110、および映像配信サーバ107からの映像コンテンツリスト112に対する情報追加要求、更新要求、参照要求を処理するために利用される。映像配信サーバ107は携帯電話101のインターネットブラウザ上に表示された本登録ページのスクリプトから依頼された映像のストリーミング配信要求に対し、ファイルサーバ108の記憶装置113に格納された映像データをストリーミング配信するために利用される。ファイルサーバ108は登録編集サーバ110および映像配信サーバ107が、記憶装置113に映像データを格納し、取得するために利用される。
【0030】
図3は、データベースサーバ106に格納される映像コンテンツリスト112の例を示す図である。コンテンツ識別子1001は、映像コンテンツ登録装置が一回目の仮登録メールを携帯電話101から受信したことを契機に、一意に特定できる識別子を連続採番などの方法で自動生成し格納される識別子である。コンテンツ識別子1001の格納後は、映像コンテンツ登録装置104および映像コンテンツ編集装置105によって、映像コンテンツリストから、一つの映像コンテンツを特定するために使用される。本登録用ページURL1002は、映像コンテンツ登録装置が一回目の仮登録メールを携帯電話101から受信したことを契機に、本登録用ページのWEBサーバ上のプログラムと、これに引渡すコンテンツ識別子1001の情報を組み合わせた形で生成し格納されるURLである。本登録用ページURL1002の格納後は、映像コンテンツ登録装置104が、仮登録確認メールを返信する際に本文中に記述するために利用される。ファイルパス1003は、映像コンテンツ登録装置が一回目の仮登録メールを携帯電話101から受信したことを契機に、添付ファイルをファイルサーバ108の記憶装置に格納する際に、記憶するファイルシステム上での位置を示す情報である。ファイルパス1003の格納後は、WEBサーバ104が本登録用ページを構成する際、ストリーミング配信依頼スクリプトの中に記述する。携帯電話101は、ストリーミング配信依頼スクリプトに記述されたファイルパスを、配信サーバ107に送信し、映像コンテンツを指定し、ストリーミング配信を依頼するために利用する。ステータス1004は、映像コンテンツ登録装置が一回目の仮登録メールを携帯電話101から受信したことを契機に、仮登録状態を示す情報として格納される。またWEBサーバ103が携帯電話101から本登録依頼を受信したことを契機に、本登録状態を示す情報として格納される。送信元アドレス1005は、映像コンテンツ登録装置が一回目の仮登録メールを携帯電話101から受信したことを契機に格納する電子メールの送信元アドレスである。送信元アドレス1005の格納後は、映像コンテンツ登録装置104が仮登録確認メールを返信する際の送信先として利用する。
【0031】
図4は、携帯電話101に表示される本登録用ページの例である。ユーザは、携帯電話101のインターネットブラウザ上に表示された本登録用ページ10001を利用し、映像コンテンツのストリーミング配信視聴、編集効果の範囲指定、編集効果の種別選択、適用実行契機の発出、本登録契機の発出などを行う。本登録用ページ10001の表示と同時にスクリプトが起動し、スクリプト内に記述されたファイルパスを含んだストリーミング配信要求を、映像配信サーバ107に対して行い、映像配信サーバ107からストリーミング配信された映像コンテンツがコンテンツ視聴画面10002に表示される。再生位置表示バー10003は、その再生位置ポインタ10005によって映像コンテンツの再生位置を表示する。携帯電話101は、ストリーミング配信情報に含まれる映像コンテンツの映像時間長とストリーミング配信情報に含まれる再生位置情報を利用し、再生の進行とともに移動する映像コンテンツの再生位置を決定する。すなわち再生位置ポインタ10005の位置は、再生位置表示バー10003上で映像コンテンツの映像時間長に対する再生位置の割合から決定される。例えば、映像コンテンツの映像時間長が1分で、再生位置情報が45秒の場合には、再生位置ポインタ10005は再生位置表示バー10003上の左端から、再生位置表示バー10003の長さの3/4の位置に表示される。
【0032】
編集効果範囲指定の開始点ボタン10006は、ユーザが映像コンテンツに編集効果を適用したい範囲の開始点を指定するために使用される。再生位置ポインタ10005が編集効果を適用したい範囲の開始点に達すると、ユーザは開始点ボタン10006を押下し、インターネットブラウザはストリーミング配信情報に含まれるその時点の再生位置情報を記憶する。編集効果範囲指定の終了点ボタン10007は、ユーザが映像コンテンツに編集効果を適用したい範囲の終了点を指定するために使用される。再生位置ポインタ10005が編集効果を適用したい範囲の終了点に達すると、ユーザは終了点ボタン10007を押下し、インターネットブラウザはストリーミング配信情報に含まれる再生位置情報を記憶する。記憶した開始点から終了点までの再生位置の範囲は、再生位置表示バー10003上で編集効果範囲10004として表示される。編集効果種別選択の効果A(例ではセピア)10008、効果B(例ではモノクロ)10009、効果C(例ではモザイク)10010、効果D(例ではテキスト)10011、効果D付属情報10012は、ユーザが映像コンテンツに編集効果を適用したい種類を選択するために使用される。ユーザは、編集効果範囲指定で行った映像編集範囲に対し、効果Aを適用したい場合には10008、効果Bの場合には10009、効果Cの場合には10010、効果Dの場合には10011のラジオボタンをそれぞれ選択する。効果D10011のような、付属する情報が必要な効果の場合には、ユーザは、効果D付属情報10012に付属する情報を携帯電話端末101のテキスト編集機能を利用して記述する。
【0033】
適用実行ボタン10013は、ユーザが映像コンテンツに編集効果を適用するよう指令するために使用される。適用実行ボタン10013が押下されると、携帯電話101のインターネットブラウザは、映像コンテンツ識別子、編集効果の範囲情報、および種類情報を、HTTPメッセージの文字列情報としてWEBサーバ103に送信する。このHTTPメッセージを受信したWEBサーバ103は、文字列情報を解釈し、映像コンテンツ編集装置105に対して映像編集を依頼する。映像コンテンツ編集装置105は、データベースサーバ106から映像コンテンツ識別子に対応するファイルパスを取得し、ファイルサーバ108から対応するファイルパスの映像データを取得し、映像データに対し編集効果の範囲情報、種類情報に従い編集効果を適用する処理を行う。
【0034】
本登録ボタン10015は、ユーザが映像コンテンツの公開のために、本登録をするよう指令するために使用される。本登録ボタン10015が押下されると、携帯電話101のインターネットブラウザは、WEBサーバ103に対して本登録依頼メッセージを送信する。本登録依頼メッセージを受信したWEBサーバ103は映像コンテンツ登録装置104に本登録依頼を行う。映像コンテンツ登録装置104は、データベースサーバ106の映像コンテンツリストのステータス1004を本登録済に更新する。
【0035】
図5は、ユーザが映像コンテンツに編集効果を適用する際に、携帯電話101から送信されるHTTPメッセージボディー部に、映像コンテンツ識別子、編集効果の範囲情報、種類情報を文字列情報として記述する方法として、XMLを採用した場合の例を示す。映像コンテンツタグ(例ではcontentID)1006は、編集対象の映像コンテンツ識別子を指定するために使用される。開始点タグ(例ではinpoint)1007は、編集効果の範囲情報の開始点を指定するために使用される。終了点タグ(例ではoutpoint)1008は、編集効果の範囲情報の終了点を指定するために使用される。効果種別タグ(例ではtype)1009は、編集効果の種類を指定するために使用される。編集効果付属タグ(例ではdata)1010は、効果種別タグ1009で指定した効果が、付属情報を要するような効果である場合に、付属情報を指定するために使用される。例えば、編集効果が文字列を映像コンテンツ上に表示するような効果指定である場合に、その文字列を指定する。
【0036】
図6は、登録編集サーバ110上の映像コンテンツ登録装置104の構成を示すブロック図である。電子メール受信部201は、定期的にメールサーバ102の映像コンテンツ登録用電子メールアカウントに電子メールが送信されていないかを確認する。電子メールが送信されている場合には、当該電子メールを受信する。受信された電子メールは、電子メール解析部202に送られる。電子メール解析部202は、電子メールが映像コンテンツ登録用の電子メールであることを確認する。例えば、添付ファイルが映像データであることなどの確認が考えられる。映像コンテンツ登録用の電子メールであることが確認されると、電子メール解析部202は、次いで電子メールの本文文字列を解析し、本登録用のURLが記述されていないことを確認する。本登録用のURLが記述されていない場合には、映像データの仮登録として処理を行う。本登録用のURLが記述されている場合には、映像データの追加登録として処理を行う。
【0037】
仮登録の場合には、電子メール解析部202は、処理順制御部203に電子メールに添付された映像データを引渡し、処理順制御部203は、仮登録であること及び送信元の電子メールアドレスを通知する。処理順制御部203は、まずコンテンツ識別子を生成する。また生成したコンテンツ識別子を用いて本登録用ページのURLを生成する。さらにファイルサーバ108上に保存する映像データのファイルパスを生成する。ここまでの処理を完了すると、処理順制御部203は、映像データ格納部206に、映像データを引渡すとともに、その保存先ファイルパスを通知する。映像データ格納部206は、映像データをファイルサーバ108上のファイルパスに格納し、処理完了を処理順制御部203に通知する。処理順制御部203は、DBサーバアクセス部207にコンテンツ識別子、本登録用ページURL、ファイルパス、送信元アドレス、および仮登録ステータスを通知する。DBサーバアクセス部207は、通知された情報を映像コンテンツリスト112に格納し、処理完了を処理順制御部203に通知する。処理順制御部203は、電子メール構成部208に本登録用ページURLおよび送信元アドレスを通知する。電子メール構成部208は、電子メールの宛先を送信元アドレス、本文に本登録用ページURLが記述された仮登録完了メールを構成し、構成された仮登録完了メールを電子メール送信部209に引渡す。電子メール送信部209は、引渡された仮登録完了メールをメールサーバ102に送信する。
【0038】
追加登録の場合には、電子メール解析部202は、処理順制御部203に電子メールに添付された映像データを引渡すとともに、追加登録であること、及び本登録用のURLから抽出したコンテンツ識別子を通知する。処理順制御部203は、DBサーバアクセス部207にコンテンツ識別子を通知し、映像コンテンツリスト112からファイルパス及び本登録用ページURLの取得を依頼する。DBサーバアクセス部207は、映像コンテンツリスト112から通知されたコンテンツ識別子のファイルパスと本登録用ページのURLを取得し、処理順制御部203に処理完了と、ファイルパスと本登録用ページのURL通知する。処理順制御部203は、取得したファイルパスを映像データ取得部204に通知する。映像データ取得部204は、ファイルサーバ108の記憶装置113から映像データを取得し、取得した映像データを映像データ結合部205に引渡し、処理完了を処理順制御部203に通知する。処理順制御部203は、電子メールに添付された映像データを映像データ結合部205に引渡す。映像データ結合部205は、映像データ取得部204から渡された映像データの後に処理順制御部203から渡された映像データを結合し、結合した映像データを映像データ格納部206に引渡し、処理完了を処理順制御部203に通知する。処理順制御部203は、ファイルパスを映像データ格納部206に通知する。映像データ格納部206は、映像データ結合部205から渡された結合後の映像データをファイルサーバ108の記憶装置113に格納し、処理完了を処理順制御部203に通知する。処理順制御部203は、電子メール構成部208に本登録用ページURLおよび送信元アドレスを通知する。電子メール構成部208は、電子メールの宛先を送信元アドレスおよび本文に本登録用ページURLが記述された仮登録完了メールを構成し、構成された仮登録完了メールを電子メール送信部209に引渡す。電子メール送信部209は、引渡された仮登録完了メールをメールサーバ102に送信する。
【0039】
図7は、登録編集サーバ110上の映像コンテンツ編集装置105の構成を示すブロック図である。データ受信部301は、WEBサーバ103から映像コンテンツ編集依頼が通知されると、編集内容として通知された映像編集文字列情報をデータ解析部302に通知する。データ解析部302は、映像編集文字列情報が映像コンテンツ編集用の文字列であることを確認する。データ解析部302は、確認が完了すると映像編集文字列情報を分解し、映像コンテンツ識別子、開始点、終了点、編集効果種類、および編集効果付属情報を抽出し、抽出した情報を処理順制御部303に通知する。処理順制御部303は、DBサーバアクセス部307にコンテンツ識別子を通知し、映像コンテンツリスト112からファイルパスの取得を依頼する。DBサーバアクセス部307は、映像コンテンツリスト112から通知されたコンテンツ識別子のファイルパスを取得し、処理順制御部303に処理完了と、ファイルパスを通知する。処理順制御部303は、取得したファイルパスを映像データ取得部304に通知する。映像データ取得部304は、ファイルサーバ108の記憶装置113から映像データを取得し、取得した映像データを映像データ編集部305に引渡し、処理完了を処理順制御部303に通知する。処理順制御部303は、開始点、終了点、編集効果種類、および編集効果付属情報を映像データ編集部305に引渡す。映像データ編集部305は、映像データ取得部304から渡された映像データに処理順制御部303から渡された開始点、終了点、編集効果種類、および編集効果付属情報に従い映像データを編集し、編集した映像データを映像データ格納部306に引渡し、処理完了を処理順制御部303に通知する。ここで言う編集とは、映像データに編集効果を適用することであり、編集自体の処理手順は知られている。ただし映像データ編集部305が携帯電話101に代わって編集処理を行うので、個々の携帯電話101がもつ編集機能以上の機能の編集が可能である。処理順制御部303は、ファイルパスを映像データ格納部306に通知する。映像データ格納部306は、映像データ編集部305から渡された編集後の映像データをファイルサーバ108の記憶装置113の指定されたファイルパスに格納し、処理完了を処理順制御部303に通知する。処理順制御部303は、処理完了をデータ送信部308に通知する。データ送信部308は、処理完了をWEBサーバ103に送信する。
【0040】
なお図2に示す構成は一例であり、映像データの編集と登録に関与する映像コンテンツ登録装置104、映像コンテンツ編集装置105、データベースサーバ106、ファイルサーバ108などの装置を適宜統合しても本発明を実施できる。図2に示す各サーバは、パーソナルコンピュータを適用してもよいし、サーバ専用装置を用いてもよい。映像コンテンツ登録装置104および映像コンテンツ編集装置105は、CPUおよびメモリを備えているので、上記の各処理部をプログラム実行によって実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】映像コンテンツの登録編集手順例を示す図である。
【図2】実施例のシステム構成図である。
【図3】映像コンテンツリストのデータ例を示す図である。
【図4】本登録用ページの表示例を示す図である。
【図5】編集効果メッセージの例を示す図である。
【図6】映像コンテンツ登録装置のブロック構成例を示す図である。
【図7】映像コンテンツ編集装置のブロック構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
101:携帯電話、104:映像コンテンツ登録装置、105:映像コンテンツ編集装置、107:映像配信サーバ、108:ファイルサーバ、110:登録編集サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して携帯電話から送られた映像データを編集し登録する処理に関与するサーバ計算機による映像登録および編集方法であって、
前記携帯電話から別々に送信された複数の映像データを結合し、
前記の結合された映像データを前記携帯電話へストリーミング配信し、
前記携帯電話から前記の結合された映像データのうちの編集効果の適用範囲と適用する編集効果についての情報を受け取り、前記の結合された映像データの指定された範囲に指定された編集効果を適用し、
編集済の映像データを前記携帯電話へストリーミング配信し、
前記携帯電話からの指示により前記編集済の映像データを記憶装置に登録することを特徴とする映像登録および編集方法。
【請求項2】
前記携帯電話から送信される前記映像データは、電子メールの添付ファイルとして送信されることを特徴とする請求項1記載の映像登録および編集方法。
【請求項3】
前記サーバ計算機は、記憶装置上に登録される映像コンテンツごとに、コンテンツ識別子、登録用ページの格納場所を示す情報、前記映像データの送信元アドレスおよび登録状態を示すステータス情報を保存することを特徴とする請求項1記載の映像登録および編集方法。
【請求項4】
ネットワークを介して携帯電話から送られた映像データを編集し登録する処理に関与するサーバ計算機であって、
映像コンテンツを記憶保存するファイルサーバと、
前記携帯電話からの要求に応答して前記ファイルサーバにアクセスし、指定された映像コンテンツを前記携帯電話にストリーミング配信する映像配信サーバと、
前記携帯電話から別々に送信された複数の映像データを結合し、前記ファイルサーバに登録する映像コンテンツ登録装置と、
前記携帯電話から前記の結合された映像データのうちの編集効果の適用範囲と適用する編集効果についての情報を受け取り、前記ファイルサーバから前記の結合された映像データを取得し、前記の結合された映像データの指定された範囲に指定された編集効果を適用し、編集済の映像データを前記ファイルサーバに登録する映像コンテンツ編集装置とを有することを特徴とするサーバ計算機。
【請求項5】
前記携帯電話から送信される前記映像データは、電子メールの添付ファイルとして送信されることを特徴とする請求項4記載のサーバ計算機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−270587(P2006−270587A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−86504(P2005−86504)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】