説明

携帯電話を用いた遠隔同時通訳支援システム

【課題】同時通訳の質の向上を支援する。
【解決手段】予め三者間通話をすべく携帯電話サービス側のサーバコンピュータに登録された対となる二台の携帯電話機とコールセンター側の固定電話機とを結んで遠隔同時通訳サービスを提供すべく、PBXとそれに接続された複数のオペレータ電話機と、前記PBXと連携して動作するCTIサーバとそれに接続された複数のオペレータ端末コンピュータと、前記CTIサーバに接続された管理端末と、前記CTIサーバに接続されたDB装置とを有し、前記CTIサーバは、通話内容録音装置と、セッション記録装置と、質向上情報追記装置と、オペレータスキル向上記録装置とを有する。音声合成装置により顧客の満足度を取得し、評価に役立てる。オペレータのスキル向上のための教材をDBに登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接客側とゲスト側とが携帯電話をそれぞれ用いて、遠隔地にあるコールセンターに待機するオペレータとの間で三者間通話をすることにより遠隔同時通訳をする場合にそれを支援するコールセンター側のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話を用いた三者間通話により同時通訳をするシステムが開示されている。Bに電話を希望するAが通訳者に対してBへの「三者間通話通訳」を依頼する電話をする事によって、まず二者間電話が形成され、更に、通訳者がBに電話をかける事によって、三者間通訳通話が成立するものである。
【0003】
特許文献2には、遠隔同時通訳システムが開示されている。メイン会場に設置されるメイン会場AV装置と、同時通訳センターに設置される同時通訳センターAV装置とがインターネットを介して接続される遠隔同時通訳システムであって、メイン会場AV装置は、音声・映像取得手段と、音声及び映像を同時通訳センターAV装置に送信する音声・映像送信手段と、通訳音声受信手段を備え、同時通訳センターAV装置は、音声・映像受信手段と、通訳音声を取得する通訳音声取得手段と、取得した音声をメイン会場AV装置へ送信する通訳音声送信手段を備えるものである。
【0004】
特許文献3には、コールセンターシステムが開示されている。顧客からの電話を割り当てるACD機能と、他の通信手段による通信を割り当てるコネクション制御手段とを有するコールセンターシステムにおいて、顧客が電話により、あるオペレータと接続されているときに、コネクション制御手段が、その顧客とそのオペレータを特定して通信できるようにする。また、顧客が端末からオペレータの予約したときには、電話がかかってきたときに、予約したオペレータに接続されるようにするACD制御手段を設けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−142024号公報
【特許文献2】特開2007−306420号公報
【特許文献3】特開2001−094671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の遠隔同時通訳支援システムでは、顧客(接客側、ゲスト側)双方の満足を満たすべく、コールセンター側においてオペレータ(同時通訳者)が通訳の質をたえず向上させることが重要である。
本発明の目的は、同時通訳の質の向上を支援するのに適した遠隔同時通訳支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遠隔同時通訳支援システムは、予め三者間通話をすべく携帯電話サービス側のサーバコンピュータに登録された対となる二台の携帯電話機とコールセンター側の固定電話機とを結んで遠隔同時通訳サービスを提供すべく、PBXとそれに接続された複数のオペレータ電話機と、前記PBXと連携して動作するCTIサーバとそれに接続された複数のオペレータ端末コンピュータと、前記CTIサーバに接続された管理端末と、前記CTIサーバに接続されたDB装置とを有するコールセンター側の遠隔同時通訳支援システムであって、前記CTIサーバは、前記対となる二台の携帯電話機のうちの一台からの呼をオペレータが受けたときに、前記対となる二台の携帯電話機のもう一台を含む三者間通話を実現することを前記携帯電話サービス側に要求する三者間通話実現装置と、該三者間通話実現装置が前記携帯電話サービス側に三者間通話の実現を要求したことに基づいて、前記携帯電話サービスにより実現した三者間通話の内容を録音してコンピュータファイルを作成して前記DB装置に登録する通話内容録音装置と、前記オペレータの顧客対応状態を管理するACDテーブルと、該ACDテーブルを参照して、前記通話内容録音装置が録音したコンピュータファイルを特定する情報を含む当該三者間通話に関する情報を記録して前記DB装置に登録するセッション記録装置と、該セッション記録装置が記録した情報に基づいて、前記通話内容録音装置により録音されたコンピュータファイルを前記管理端末を用いてチェックした管理者が、当該オペレータの同時通訳サービスの質を向上させるための情報を当該セッション記録装置が記録した情報に追記する質向上情報追記装置と、該質向上情報追記装置が追記した質向上のための情報に前記オペレータがアクセスして、それに基づいて自らのスキルを向上させる対策をしたことを記録するオペレータスキル向上記録装置とを有し、前記DB装置は、前記通話内容録音装置が登録する録音ファイルDBと、前記セッション記録装置が登録するセッション記録DBと、前記オペレータスキル向上記録装置が記録するオペレータスキルDBとを有し、オペレータの同時通訳スキルの向上を図ることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記CTIサーバは、前記同時通訳サービスの終了の際に、顧客の満足度を数値で表現した情報を顧客に入力を促す音声合成装置と、該音声合成装置の流す音声に従って顧客が入力した数値を取得する顧客満足度取得装置と、該顧客満足度取得装置が取得した数値を前記セッション記録装置が登録するセッション記録に登録する顧客満足度登録装置とをさらに有し、前記管理者は、該顧客満足度登録装置が登録した顧客満足度の数値を参考にして、前記録音ファイルDBの録音内容をチェックするものとすることができる。
【0009】
さらにまた、前記DB装置は、前記オペレータのスキル向上のための教材DBを含んでおり、前記管理者が前記セッション記録装置の情報に追記する質向上のための情報には、当該教材DBを具体的に特定する情報を含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遠隔同時通訳支援システムは、このように構成されているから、実際の業務内容に基づいて通訳の質向上を図ることができる。オペレータのスキル向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明に係る遠隔同時通訳支援システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、ACDテーブル23の一例を示す図である。
【図3】図3は、セッション記録DBにおいて管理するセッション記録テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、顧客満足度テーブルの一例を示す図である。
【図5】図5は、質向上情報テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、オペレータスキル向上テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る遠隔同時通訳支援システムの実施形態について、以下図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る遠隔同時通訳支援システムのハードウェア構成を示すブロック図である。外国人観光客ここでは中国人・台湾人が日本国内の観光施設、みやげ物屋、デパートなどを訪れた際に携帯電話機を用いて同時通訳するサービスを提供する場合について説明する。
【0014】
あらかじめホテル(のフロント)、デパート(の売り場)などの接客側の施設では、携帯電話サービス業者及び同時通訳サービス提供業者との間で三者契約を締結しておく。携帯電話サービス業者は対となる二台の携帯電話1,2を接客側の施設に提供する。これらの二台の携帯電話間で通話が始まると、携帯電話サービス3(ここでは、携帯電話基地局、無線中継局、無線中継局制御装置、携帯電話専用の交換機、加入者管理サーバ、メンテナンスコンピュータなどを含む携帯電話業者側のハードウェア環境、ソフトウェア環境を双方の設備を指す。)は、同時通訳サービスを提供すべく、これらの二台の携帯電話と同時通訳サービス提供業者のコールセンターとの間での三者間通話を提供する。この三者間通話の確立は、携帯電話サービス側が二つの携帯電話間の通話を検知して、自動的にコールセンターを呼び出すことにより行うことができる。
【0015】
あるいは、対となる二つの携帯電話機のうちの親機1(接客側の用いる携帯電話機)がコールセンター4を呼び出し、オペレータが出たタイミングでPBX7と連携して働くCTIサーバ(Computer Telephony Integration Server)8の三者間通話実現装置21の働きで携帯電話サービス3に三者間通話実現を要求し、携帯電話サービス3はそれを受けて、対となる携帯電話機2との間での三者間通話を実現することとしてもよい。同時通訳サービスの途中において、何らかの理由(たとえば、二台の携帯電話機のうちの一台が無線の圏外になってしまう)により通話がとだえた場合には、PBX7とCTIサーバ8との連携により、とだえる前のオペレータに再びつながるように配慮される。その場合には、ACDテーブル23、三者間通話実現装置21、セッション記録装置24などが連携して動作する。
【0016】
ここで、PBX7は、コールセンター4がもつ複数の加入電話番号のうちの代表番号に公衆回線網5を通じてかかってくる呼を受けて複数のオペレータに振り分ける電話交換機であり、CTIサーバ8と連携して動作する。CTIサーバ8は、電話とコンピュータとを統合するサーバコンピュータであり、CTIアプリケーション(CTIサーバコンピュータで動作するアプリケーションブログラム)の要求をPBXに伝えたり、PBXの呼制御情報をアプリケーション側に通知するものである。CTIサーバ8の有する重要な機能として自動呼分配(Automatic Call Distribution)と呼ばれる顧客からの電話を応対するオペレータに割り当てる機能がある。その際に用いられるのがACDテーブル23である。
【0017】
ACDテーブル23は、オペレータの対応状態を管理するテーブルであり、具体的には図2に示されるように、オペレータに関する情報(ID、内線番号、端末アドレス)、在席情報、通話状況、顧客電話番号(親機と子機との電話番号)、顧客IDなどの情報を持つものである。このACDテーブル23は、時々刻々と変わりゆくそのときのオペレータの対応状態を管理するテーブルである。図2のオペレータID200は、オペレータ(同時通訳者)個人を特定するID番号である。オペレータが出社して勤務に付く際に自分が用いる電話機17とセットになった端末16を用いてシステムにログインし、オペレータIDとパスワードとを入力すること(必要があれば、生体認証)によりACDテーブル23にオペレータID200と内線番号201と端末アドレス202とが組み合わされて登録される。在席情報205は、オペレータが席を立つ時に電話を受けられなくなることを端末16を用いてサーバに通知することで書き換えられる。これにより、CTIサーバ8のACD機能は、離席状態のオペレータには呼を分配しない。通話状況206は、通話中、空き、予約の三つの状態を取り得る。「予約」は、現在通話が切れているが、特定の顧客との間で再接続がなされるのを待っている状態を表している。CTIサーバ8のACD機能は、在席情報205が「在席」でかつ、通話状況206が「空き」である内線番号201に対して自動的に呼を分配する。顧客電話番号(親)207、顧客電話番号(子)208は、顧客を特定する情報であるとともに、何らかの理由で通話が切れた場合に再接続を実現するために役立つ情報となる。顧客ID209は、顧客DB(図示を省略)にアクセスして顧客情報(その顧客の営業内容、規模、住所、取り扱い商品など)を端末16に表示させるのに必要な情報である。通話の成立と同時に自動的に必要な情報を当該オペレータの端末に表示させることが可能である。
【0018】
CTIサーバ8のアプリケーションプログラムがいくつか用意されており、記憶装置(図示を省略)に保存されたコンピュータプログラムがCTIサーバ8のCPU(図示を省略)に読み込まれて動作する。その状態をとらえて図1では、「○○装置」と表現している。また、必要に応じて「○○装置」よりもさらに細かいプログラムの実現状態を表現する際に「○○手段」という言い方を必要に応じて用いる。
【0019】
CTIサーバ8にいくつものアプリケーションプログラムを実行させる代わりに、CTIサーバ8と連携して働く別のサーバを設けて、それにいくつかのアプリケーションプログラムを実行させ、二つのサーバで並列処理することとしてもよい。
【0020】
また、サーバと端末コンピュータとの機能分散をすることもできる。すなわち、サーバに多くの機能を担当させて、端末コンピュータは、単に入出力に留めることとする構成も可能であるが、サーバコンピュータへの負荷が掛かり過ぎるのを回避すべく、端末コンピュータとの機能分散をすることが望ましい場合がある。例えば、通話内容録音(録音ファイルの作成)は、端末コンピュータに分担させることが望ましい。その場合、オペレータの用いる電話機17と、オペレータの用いる端末コンピュータ16とを必要なケーブル(図1において破線で表現した)で接続し、端末コンピュータ側でサウンドを扱う回路を設けて録音することとなる。そして、録音されてできたコンピュータファイル(たとえば、mp3ファイル)をセッション記録装置24が作成するセッション記録と関連付けてDB側(セッション記録DB32)に登録する管理はCTIサーバ8側で通話内容録音装置22が行う。
【0021】
通話内容録音装置22は、ACDテーブル23を監視して、オペレータと顧客との通話(同時通訳)が始まると、そのオペレータの用いる端末コンピュータ16がどのコンピュータであるかをACDテーブル23を参照して取得し、当該端末コンピュータ16にその通話内容の録音を命令する。その際にファイル名を採番し、当該端末コンピュータ16に通知する。端末コンピュータ16では通話内容の録音が終了すると録音結果のファイルにサーバ側から与えられた名前をつけてサーバ8に返す。CTIサーバ8の通話内容録音装置22は、当該録音ファイルに必要な情報を付加してDB装置10の録音ファイルDBに登録する。
【0022】
セッション記録装置24は、通話内容録音装置22と連動して働く。ACDテーブル23を監視し、通話が始まるとセッションIDを採番し、通話の開始時刻、終了時刻を捉えてオペレータID、顧客情報と関連付けてセッション記録テーブルを作成する。図3は、セッション記録DBにおいて管理するセッション記録テーブルの一例を示す図である。セッションID300は、セッション記録装置24が採番する。ここでは、西暦の年月日とその日のセッションの開始時刻の順番から生成した番号となっている。オペレータID301、顧客電話番号(親)307、顧客電話番号(子)308、顧客ID309は、セッション開始の時点でACDテーブル23を参照して取得する。ACDテーブル23が時々刻々と変化するその時の状態を示すものであるのに対し、セッション記録テーブルは、セッション記録DB32に保存されてデータベースとして管理されるものである。開始時刻302及び終了時刻305は、セッション記録装置24がACDテーブル23を監視してセッション(同時通訳のサービスを提供する通話)が開始した時、終了した時を捉えてその時のCTIサーバ8の内蔵時計から時刻を取得するものである。終了時刻から開始時刻を引き算してセッションの時間306を算出し、記録する。録音ファイル名310は、ここではセッションID300をそのまま使用し、拡張子mp3を付けたものとなっている。必要があれば、当該ファイルの所在をパス名をも付けて管理する。
【0023】
図4は、顧客満足度テーブルの一例を示す図である。オペレータによる同時通訳のセッションが終了する際に、回線の接続状態を切ることもできるが、ここでは、切らずにCTIサーバ8の音声合成装置27による音声案内を顧客(接客側とゲスト側との双方)に流し、顧客満足度の評価を取得することとする。たとえば、「ご利用ありがとうございます。今後の通訳サービスの質の向上のため、お客様の満足度をお知らせいただければ幸いです。5点満点で評価していただけますか。お持ちの携帯電話機の5,4,3,2,1のいずれかを押してください。数字が大きい方が、高い評価点数です。よろしくお願いします。ご協力ありがとうございました。」という意味の案内を接客側には日本語で、ゲスト側には中国語で流し、顧客の携帯電話機によるボタンを押すことを促し、満足度の評価点数を取得する。顧客満足度取得装置28がこの顧客の評価点数を取得する。そして、顧客満足度登録装置29がその内容をDB装置10のセッション記録DB32に登録する。図4に示す顧客満足度テーブルと図3のセッション記録テーブルとは、セッションIDで紐付けられるから、双方あいまってデータベースを構築できる。図4では、セッションID400、オペレータID401、顧客電話番号(親)407、顧客電話番号(子)408、顧客ID409、録音ファイル名410は、図3のセッション記録テーブルにあるそれらと同一である。顧客満足度取得装置28が取得した接客側評価402とゲスト側評価405とがこのテーブルに書き込まれ、顧客満足度登録装置29によりDB装置10のセッション記録DB33に登録される。
【0024】
図5は、質向上情報テーブルの一例を示す図である。オペレータの上司にあたる管理者が各セッションを録音した録音ファイルにアクセスしてそれを聴くことにより、そのセッションにおけるそのオペレータの弱点を見出し、それを記録して同時通訳の質向上を資するためのテーブルである。セッションID500とオペレータID501とは、図3のセッション記録テーブル、図4の顧客満足度テーブルと同一のものである。弱点情報502は、管理者が当該セッションの録音を聴いてチェックすることにより当該セッションにおける当該オペレータの弱点を記述するものである。中国語にいくつかある方言のうち、どこの地方の方言が弱いか。多くの商品知識(家電、カメラ、パソコン、化粧品、服飾など)のなかの何が弱いか。などを管理者が管理端末18を用いて入力すると、質向上情報テーブルにコード番号により記録される。教材情報505は、その弱点を克服するために用意された教材DB34の中の教材のうちのどれが役立つかに関する情報である。管理者ID506は、その質向上情報テーブルの作成に関与した管理者のIDが入力される。当該管理者が管理端末18を用いる際にID、パスワード入力により使い始めることで、当該管理端末18が取得した管理者IDが入力される。弱点指摘日時507は、管理端末18がそのコンピュータの内蔵時計から取得した日時を入力する。質向上情報テーブルの入力がなされると、当該テーブルはDB装置10のオペレータスキルDBに登録される。
【0025】
図6は、オペレータスキル向上テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、DB装置10のオペレータスキルDB33に登録され、管理される。個々のオペレータごとに作成され、そのスキル向上の足跡が記録されるテーブルである。各オペレータは、自己のID、パスワードによりシステムにログインした状態で、このテーブルを自分のものについてだけ参照できるように構成される。したがって、図6のオペレータID600は、すべて同一の0008となっている。弱点指摘日時601、弱点情報602、教材情報605は、図5の質向上情報テーブルから取得して作成される。当該オペレータがその弱点をこのテーブルを見ることにより知る。そして教材情報605の欄にある教材にアクセスして当該教材を学習し、当該教材に付属するテストを受けて合格点を取得すると、テスト結果606に点数が表示され、学習日時607の欄に日時が記入される。教材はe-learningに適したものとするのが望ましいが、紙でできたものを上司の監督下に学習して学習効果を上司が記入することもできる。
【0026】
各オペレータは、就業時間終了または始業時にこのオペレータスキル向上テーブルにアクセスして弱点克服の学習をする事が可能である。もしも管理者が当該弱点の克服をしないうちには仕事をさせることができないと判断する場合には、管理者が当該オペレータの在席中であっても、強制的に離席状態にして、学習を強いることも可能である。
【0027】
図1のDB装置には、主なデータベースだけを表記したが、そのほかにオペレータのシフト表、勤務実績表、給与計算表など人事面での必要なデータベース、また辞書データベース、商品知識データベース、顧客情報データベースなど業務遂行に役立つデータベースを加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
外国人観光客が利用するホテル、おみやげ店、デパートなどに対となる二台の携帯電話機を置き、あらかじめ携帯電話会社、店(接客側)、同時通訳業者(コールセンター側)との三者契約に基づいて、ゲストの外国人観光客に対して同時通訳サービスを提供する場合に利用可能である。この場合、接客側が携帯電話料金や同時通訳の手数料を支払うことになり、対となる二台の携帯電話機は接客側が所有し、次々と入れ替わるゲストに対して用いることとなる。
また、それとは反対に、外国人観光客が来日する際に空港などで契約して対となる二台の携帯電話機を持ち歩いて、通訳の必要な場面で相手に一台を渡して、同時通訳サービスを受けることとする利用形態も可能である。その場合には、ゲスト側の観光客が携帯電話料金や同時通訳の手数料、携帯電話機のレンタル料金などを支払うこととなる。
これら二つの場合には、料金形態も異なるものが準備される。
【符号の説明】
【0029】
1 携帯電話機(接客側)
2 携帯電話機(ゲスト側)
3 携帯電話サービス
4 コールセンター
5 PSTN(公衆回線網)
7 PBX(電話交換機)
8 CTIサーバ(Computer Telephony Integration Server)
10 DB装置(データベース装置)
16 オペレータ端末コンピュータ
17 オペレータ電話機
18 管理端末
19 管理電話
21 三者間通話実現装置
22 通話内容録音装置
23 ACDテーブル
24 セッション記録装置
25 質向上情報追記装置
26 オペレータスキル向上記録装置
27 音声合成装置
28 顧客満足度取得装置
29 顧客満足度登録装置
31 録音ファイルDB
32 セッション記録DB
33 オペレータスキルDB
34 教材DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め三者間通話をすべく携帯電話サービス側のサーバコンピュータに登録された対となる二台の携帯電話機とコールセンター側の固定電話機とを結んで遠隔同時通訳サービスを提供すべく、PBXとそれに接続された複数のオペレータ電話機と、前記PBXと連携して動作するCTIサーバとそれに接続された複数のオペレータ端末コンピュータと、前記CTIサーバに接続された管理端末と、前記CTIサーバに接続されたDB装置とを有するコールセンター側の遠隔同時通訳支援システムであって、
前記CTIサーバは、
前記対となる二台の携帯電話機のうちの一台からの呼をオペレータが受けたときに、前記対となる二台の携帯電話機のもう一台を含む三者間通話を実現することを前記携帯電話サービス側に要求する三者間通話実現装置と、
該三者間通話実現装置が前記携帯電話サービス側に三者間通話の実現を要求したことに基づいて、前記携帯電話サービスにより実現した三者間通話の内容を録音してコンピュータファイルを作成して前記DB装置に登録する通話内容録音装置と、
前記オペレータの顧客対応状態を管理するACDテーブルと、
該ACDテーブルを参照して、前記通話内容録音装置が録音したコンピュータファイルを特定する情報を含む当該三者間通話に関する情報を記録して前記DB装置に登録するセッション記録装置と、
該セッション記録装置が記録した情報に基づいて、前記通話内容録音装置により録音されたコンピュータファイルを前記管理端末を用いてチェックした管理者が、当該オペレータの同時通訳サービスの質を向上させるための情報を当該セッション記録装置が記録した情報に追記する質向上情報追記装置と、
該質向上情報追記装置が追記した質向上のための情報に前記オペレータがアクセスして、それに基づいて自らのスキルを向上させる対策をしたことを記録するオペレータスキル向上記録装置と
を有し、
前記DB装置は、
前記通話内容録音装置が登録する録音ファイルDBと、
前記セッション記録装置が登録するセッション記録DBと、
前記オペレータスキル向上記録装置が記録するオペレータスキルDBと
を有し、
オペレータの同時通訳スキルの向上を図ることを特徴とする遠隔同時通訳支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載した遠隔同時通訳支援システムであって、
前記CTIサーバは、
前記同時通訳サービスの終了の際に、顧客の満足度を数値で表現した情報を顧客に入力を促す音声合成装置と、
該音声合成装置の流す音声に従って顧客が入力した数値を取得する顧客満足度取得装置と、
該顧客満足度取得装置が取得した数値を前記セッション記録装置が登録するセッション記録に登録する顧客満足度登録装置と
をさらに有し、前記管理者は、該顧客満足度登録装置が登録した顧客満足度の数値を参考にして、前記録音ファイルDBの録音内容をチェックすることを特徴とする遠隔同時通訳支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載した遠隔同時通訳支援システムであって、
前記DB装置は、前記オペレータのスキル向上のための教材DBを含んでおり、
前記管理者が前記セッション記録装置の情報に追記する質向上のための情報には、当該教材DBを具体的に特定する情報を含むことを特徴とする遠隔同時通訳支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−105080(P2012−105080A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252033(P2010−252033)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(594020721)株式会社恵和ビジネス (1)
【Fターム(参考)】