説明

携帯電話デバイスを身に付けた人物の経路を決定するための方法

本発明は、様々な公共輸送手段のユーザのローカルな旅程を決定するために使用可能な方法に関する。上記決定された旅程に基づいて、輸送手段の個々の事業者間で旅費を公正に分配することができる。この方法の基本は、公共輸送手段の停車場の座標と、移動電話通信(GSM)における送受信動作に関する基地局の座標との比較である。上記座標は1回のみ決定しなければならず、メモリに格納することができる。携帯電話がログインする基地局の座標が停車場の座標に近い場合、携帯電話のユーザは上記停車場にいるものと想定される。公共輸送手段のユーザの移動中、一定間隔、例えば30秒間隔で、携帯電話がどの基地局にログインしているかが決定される。その後、活動化されたばかりの基地局からの距離が最も短い停車場が再度決定され、ユーザが移動中の路線に関する結論が導き出される。この基本方法は依然として不正確な傾向があるため、携帯電話のユーザのルートをより精密にするために追加の手段を講じることができる。こうした手段は、例えば、公式なスケジュールと測定された時間および位置情報との比較である。方法の一定のステップを使用することによって、携帯電話の所有者が適切に購入された電子チケットを所有しているかどうかもチェックすることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文による方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バス、電車、または路面電車などの公共交通機関を使用する交通費の請求については、乗車中に車内で車掌の支援によりチケットを購入する方法と、乗車前に券売機またはチケット売り場の職員からチケットを購入する方法という従来の2つの方法が周知である。
【0003】
どちらの場合も、行き先または少なくとも行き先の地域が与えられなければならない。チケットを乗車中に車内で車掌から購入できるシステムは、車掌にかかる費用を節約するために、事実上、消失した。他方、乗車前にチケット売り場の職員から、または券売機からチケットを購入するシステムが幅広く確立された。
【0004】
職員によって運営されるチケット売り場の欠点の1つは、比較的高額の職員経費である。他方で券売機の欠点は、特に異なる経路運賃が含まれる場合、および異なる運賃帯を使用する場合のそれらの複雑な操作性である。
【0005】
公共地域旅客輸送の地下鉄および通勤電車システムでは、この数十年、いくつかの国で、いわゆる「チェックイン/チェックアウト」チケット・システムが利用されている。ここでは、地上および地下停車場で、特殊な読み取り装置でチェックされたチケットが有効であると受け入れられた場合にのみ開く、出入口チェック用の改札口施設が設置されている。
【0006】
1965年のハンブルク運輸連合(HVV)の設立以来、これまで、すべての運輸連合(交通網)において、地域交通機関に乗車を開始する時点で1枚の片道チケットを購入した旅行者は、乗車開始後、いかなる地点での再登録をも必要とせずに、交通網の路線内にある自分の行き先停車場に到達できることが、慣例化されてきた。したがってこのチケットは、以前のケースと同様に、ある小規模交通網に対してのみ、またはある路線に対してのみではなく、交通網全体におけるすべての乗車に有効である。チケットの価格は、出発地点から到着地点までの距離に依存する。このシステムの欠点は、出発から到着までの乗車のみがかろうじてチェック可能であることである。交通網のいくつかのメンバにわたる収益の分配も非常に困難であり、近似の統計的方法(Balzuweit,Meisel,Neubeiser, Weinhold:Einnahmen gerecht verteilt?,in Der Nahverkehr,No.4.2001)によって決定される。
【0007】
以前使用されたチケットは、ほとんどが磁気ストリップの挿入された紙のチケットまたはプラスチック・カードであった。現在では、この代わりに、RFID技術(RFID=周波数識別)に基づいたチップ・カードが使用されることが多い。これらのRFIDチップ・カードは、接触型チップ・カードと区別するために非接触型チップ・カードとも呼ばれる。RFIDチップ・カードは、無線を介してそれらの読み取り装置と通信する。これに対して接触型チップ・カードは、必要なデータ交換を実行するために、それらの接触面を読取装置の接触面と機械的に接触させなければならない。RFID技術を携帯電話にインストールして、携帯電話を非接触型チップ・カードのように使用できるようにすることも可能である。
【0008】
ロンドンで採用されており、地下鉄網からバス網へと乗り換える場合にも適用可能な、RFIDに基づいたチケット・システムも周知である(Siegfried Holz:Gibt es alternative Loesungen zu Check−in/Check−out Systemen?. Internationales Verkehrswesen(58), 5/2006, pp.206−210)。
【0009】
バス路線および地下鉄路線の場合、完全に別々のチケットが存在するが、これをいわゆる「Oyster」メモリに入れることができる。1日、1週間、または1カ月有効なチケットなどのある期間にわたる回数チケット、並びに、プリペイド・チケットおよび複数回乗車用チケット、並びに個人用および無記名チケットなどもある。チケットの種類は異なるが、すべてのOysterチケット・タイプの処理は、いわゆるスマートカード・リーダで均等に実行される。
【0010】
地下鉄駅に入る場合、スマートカード・リーダでチップ・カードの「チェックイン」を実行しなければならず、地下鉄駅を出る場合、スマートカード・リーダでチップ・カードの「チェックアウト」を実行しなければならない。バスに入る場合も、読み取り装置でチップ・カードの「チェックイン」を実行しなければならない。
【0011】
バスおよび地下鉄乗車に対して得られる収益は、その後、電車およびバスの事業者が公正に補償されるように分配しなければならない。この分配は、記録された出発点と到着点の関係に基づいて計算される。このため、交通網内のアクセス停車場の停車場番号が、乗車終了までRFIDチップ・カード上に中間的に格納される。
【0012】
このOysterカード・システムの欠点は、地下鉄および通勤電車の停車場内に、例えばドイツには存在しない改札口施設が必要なことである。大半が1970年から1990年の間に建設された地下駅に後で設置することはほとんど不可能である。しかしながら、バスまたは路面電車への設置は考えられる。
【0013】
さらに、携帯電話を使用したチケットの購入も周知である(KR 10200000 7062A)。しかしながらこのチケット購入システムの場合、異なる輸送業務に対して収益を分配することは不可能である。
【0014】
これは、German Bundesbahnによって提供される携帯電話チケットにも適用される。WAP対応携帯電話を使用した場合、移動の接続を表示することおよび座席を予約することのみならず、出発の10分前までチケットを予約し、MMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)を介して携帯電話に送信することも可能である。これらのチケットには、電車の乗務員がスキャナを使用して読み取り可能なバー・コードが備えられている。
【0015】
さらに、チケットのチェックが可能であり、座席への誘導が実施可能な座席誘導システムも周知である(特開2006−018550)。チケットまたは予約チケットが購入された場合、予約管理システムは移動距離仕様に列車情報を割り当て、携帯電話接続に電子チケットを送信する。電子チケットを備えた携帯電話を持ったユーザが、例えば地下鉄の改札口を通過すると、乗客の位置およびその座席に関する情報が、改札口近辺に配置された装置から予約管理システムに送信される。この時点で、携帯電話またはユーザ近隣の表示パネルのいずれかに、乗車位置誘導情報が送信される。このシステムも、乗客が通過しなければならない改札口が必要である。
【0016】
顧客が、例えば公共輸送手段、駐車場チェック・システム、またはチェックされたイベント会場などのサービス設備に入ると開始され、顧客がこれらのサービス位置を出ると終了する、検出、課金、および遮断サービスに関する方法も周知である(WO00/31691)。入場時に顧客データが獲得され、これが特定の顧客の識別カードに格納される。しかしながら、異なる公共道路交通機関への料金の分配は実施されない。
【0017】
さらに、セル方式無線データ伝送ネットワークのエンド・デバイスが採用されている輸送手段の使用に関する電子支払方法も周知である(EP1304670A1)。例えば携帯電話などのエンド・デバイスには、ローカル・データ伝送用のセル方式無線インタフェース並びに、例えばBluetoothインタフェースなどのローカル・インタフェースが含まれる。携帯電話とサービス提供計算機との間でローカル・インタフェースを横切る近接データ伝送接続がセットアップされる。近接データ伝送接続を横切る使用量データは、エンド・デバイスからサービス提供計算機へと伝送される。使用量データには、乗車位置および/または降車位置および/または乗客数および/または料金帯数が含まれる。しかし、異なる公共輸送手段を使用した移動中に、公共輸送手段の異なる事業者間で旅行費用が分配される方法は示されない。
【0018】
さらに、公共輸送手段を使用する場合に電子登録が可能な方法およびシステムも周知である(WO01/69540A1)。ここでは、旅行者が識別データを含む携帯電話を携行する。この携帯電話を使用して、対応する公共輸送手段に結合されたローカル通信インフラストラクチャと通信することができる。この周知の方法には、乗車開始時の携帯電話の識別データ自動登録ステップ、乗車終了時の識別データ自動登録ステップ、2つの識別データ登録間の移動行程および時間に関する携帯電話の他のデータの自動登録ステップ、並びにリモート処理手段との登録データの交換ステップが含まれる。
【0019】
無線ネットワークを使用する移動発信機の乗客輸送手段の料金請求用サーバも周知であり、サーバはデータ・ネットワークに接続され、発信機によって送信された使用要求を受信するための手段を含み、この要求は起点データを含む(DE10147788A1)。サーバは、起点データおよび無線ネットワークを使用して、発信機のローカル位置を電子的に決定する。さらに、使用要求および位置からデジタル・チケットを作成し、さらにこのチケットは、採用された制御および料金請求方法に従って処理される。最後にサーバは、ハンドシェーク信号を移動発信機に送信する。
【0020】
したがって周知のシステムは、乗車の開始および終了の精密な位置決定、並びに乗車中の移動デバイスとサーバとの間の対話に基づく。チケットまたは一時チケットは一時アクセス許可として働き、ここでこのチケットは、データ識別チェック後、および乗車する停車場の位置決定後にのみ発行される。さらに、移動デバイス位置のレポートも同じく戻される。正しいダイヤルインの戻しおよび確認の前に、料金が選択され、示された場合は一時料金も選択される。輸送サービスの自動位置獲得中は、乗車中の可能な輸送サービスに対する移動デバイスからの現在の位置の連続監視が実行される。この監視は、発信機への肯定応答と共にオンラインで実施される。位置決定には、2つの変形が与えられる。第1の変形では、発信機はその位置を無線ネットワーク・オペレータに要求し、第2の変形では、移動通信機はメッセージをサーバに送信する。その後、このサーバは、発信機の識別に基づいてその位置を決定し、これを返送する。
【0021】
多数のユーザ・エンド移動デバイスおよびプロバイダ・エンド中央コンピュータの支援により、ルート・ネットワークに対して輸送費用を課金するための他の方法では、移動デバイスおよび中央コンピュータは移動無線ネットワークのデータ交換に備えており、移動デバイスは、それらの瞬間位置に関するデータの獲得に備えている(WO03/063088A2)。移動デバイスの多数の連続した瞬間位置に基づいて、ルート・プロトコルが確立され、これが料金の課金に使用される。
【0022】
料金の課金を初期設定するために、中央コンピュータは移動デバイスによって接触され、これによって移動デバイスと中央コンピュータとの間の自動対話が開始される。この対話では、中央コンピュータは、移動デバイスの瞬間位置に関連する制御位置の組み合わせ並びに時間制限を、移動デバイスに搬送する。次に移動デバイスは、その瞬間位置と関連する制御位置のうちの1つとの間の取り決め、またはタイムアウト信号を、その瞬間位置と共に中央コンピュータに搬送する。自動対話は、少なくとも第1のタイムアウト信号の伝送まで、または、位置が適切にマークされた移動デバイスの瞬間位置が取り決めに達するまで維持される。
【0023】
したがって移動デバイスおよび中央コンピュータは、移動無線ネットワークを横切って互いに通信し、双方向に、および暗号化データの交換に基づいてこの通信を実行する。移動デバイスは、そのために適切に適合され、さらにデータの獲得および一時的格納にも備えている。さらに、移動デバイスの瞬間位置に関するデータは、移動デバイス自体にも格納される。データはリアルタイムで、携帯電話自体の中で比較され、そのために、ルート・ネットワークを介して適切なデータを携帯電話内に格納しなければならない。位置決定は、GPSまたはA−GPSによって実行される。別の方法としては、タイミング・アドバンスまたはE−OTDと組み合わされたセル識別の形の移動無線ネットワークから、より精密な位置データが決定される。
【0024】
最後に、第1に移動接続の少なくとも1つの位置が決定され、続いてこの位置に従って情報が選択される移動接続に関する情報の伝送のための方法も周知である。選択された情報は、その後移動接続に伝送され、ここで処理される(WO2005/094109A1)。したがってこの周知の方法では、位置決定は情報に基づいて、より詳細には、基地局、基準局、および移動デバイスという3つの基準値の要約分析で実施される。端末の位置は3つの基準局を介して決定され、基地局から移動端末までの距離が、それから導出される。移動端末の動きにより、この距離は連続して変化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、ある区域内の特定の位置を識別できる方法を提供する問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この問題は、請求項1の特徴に従って解決される。
【0027】
したがって本発明は、いくつかの異なる公共輸送手段のユーザのローカルな移動行程を確認することが可能な方法に関する。確認されたこの移動行程に基づいて、輸送手段の個々の事業者に料金を後で公正に分配することができる。移動無線(GSM=移動通信用グローバル・システム)における送信および受信動作のための、公共輸送手段の停車場の座標と基地局の座標との比較が、この方法の基礎を形成する。これらの座標は1回だけ決定する必要があり、メモリ内に格納しておくことができる。携帯電話がログインした基地局の座標がある停車場の座標に近い場合、その携帯電話のユーザはこの停車場にいるものと想定される。ユーザが公共輸送手段に乗車している間、携帯電話がログインした基地局が定期的な間隔、例えば30秒間隔で決定される。その後、活性化された直後の基地局から最も近距離の停車場が決定され、ユーザが乗車している路線に関して結論が引き出される。この基本方法は依然として不正確さに悩まされているため、携帯電話を携行しているユーザのより正確なルートを示すための追加の手段を講じることができる。公式な時刻表と測定された時間および位置情報との比較により、例えばこうした手段が表される。方法の特定のステップを使用して、携帯電話の所有者が適切に獲得した電子チケットを保持しているかどうかを、例えばターゲットの携帯電話にMMSを送信することによってチェックすることも可能である。この確認は、GPRSまたはUMTSを介したSMSまたはデータ電信を通じて実行すること、および制御システムと並行して搬送することも可能である。
【0028】
本発明によって達成される利点には、特に、位置の座標および基地局の座標の分析を利用して、確率の高い位置のある場所を決定できることが含まれる。ここでの位置とは、好ましくは、公共輸送手段を利用して乗車中であると想定される旅行者の携帯電話などである。乗車開始時点でログインする携帯電話は第1の基地局にログインし、乗車終了時点では、n番目の基地局にログインする。乗車している間に、携帯電話は、第2、第3などの基地局にログインすることができる。請求項1による方法のステップd)を所定の間隔で反復することにより、携帯電話所有者の旅程を決定することができる。次に、この旅程に基づいて、旅行者がいくつかの公共輸送手段を使用した場合、輸送コストのどの部分が、特定の公共輸送手段に割り当てられることになるかを決定することができる。
【0029】
この方法のステップa)およびb)は、1回だけ実施しなければならないか、または位置の適正な識別が行われる前にすでに実施しておくことができる。したがって、事前に支払うことなく、参加者がいくつかのプロバイダの公共輸送システムを利用できるように実行可能である。そのためには参加者は、自分の乗車の開始時および終了時に、自分の携帯電話にコマンドを入力するだけでよい。
【0030】
本発明とWO2005/094109A1との1つの相違点は、本発明が、重要な基準局(すなわち、移動無線の送信局および受信局)および移動デバイスという2つの基準値のみを有することである。さらに、移動デバイス内ではデータは処理されない。本発明では、基地局から移動端末までの絶対距離を知る必要はない。位置の決定は、基地局内で排他的に実施される。
【0031】
本発明とDE10147788A1との相違点の1つには、本発明では、移動デバイスと無線ネットワークとの継続的な無線対話が使用され、乗車後に旅程が決定されることが含まれる。また、本発明では、方法の開始時に料金は選択されない。むしろ料金決定は、乗車後に公共輸送システム内で実行される。本発明に従った方法では、データの継続的獲得が実行され、データ全体で、公共輸送システム内で旅程に関する結論を出すことができる。したがって位置の獲得は、乗車後に排他的に実施される。
【0032】
さらに本発明では、市販の移動発信機が修正なしで使用される。さらに本発明では、システムへのダイヤルインがオンラインで実施され、他のすべてのステップはオフラインで進行し、品質を損うことなく時間的にオフセットする。出発駅は、本発明に従った方法の始めに決定される必要はない。公共の地域乗客輸送の使用中に乗客がいずれかの操作を手動で行う必要もない。乗車開始時の料金照会も計画されない。同様に、移動デバイス内に格納された料金表を調べる必要もない。
【0033】
本発明とWO03/063088A2の主題との相違点の1つには、適合なし、および追加機器なしに、商業上利用可能な移動デバイスが採用できることが含まれる。さらに移動デバイスは、一時的にいかなるデータ、具体的には携帯電話自体のいかなる位置データも、取得および格納しない。むしろ本発明は、移動デバイスの位置データと、ルート・ネットワークの開始/終了位置データとの不正確な比較に基づくものである。位置決定は、オフライン操作で実行されるため、実際の移動時間に関して、携帯電話外部で、時間的に任意にオフセットされる。本発明は、測地またはGPSベースのデータによる移動デバイスの位置決定も行わない。むしろ、1つまたはいくつかの移動通信局によって携帯電話から受信した信号のデータ・プロトコルに基づいて実施され、好ましくは、移動デバイスと無線接触している移動通信局のセルIDの評価を利用する。この方法は、ネットワーク・オペレータ側の中央制御ユニットに従来の方法で現在格納されているデータにより、移動デバイスと送受信デバイスとの電界強度差を利用して拡張可能である。それ以外のデータは測定されないため、中央制御ユニット内でのプロセスはオフラインで進行する。本発明は、いかなる時点でも、測地から見て正確な移動デバイスの位置は供給しない。むしろ、理論的確率手法に基づくものであり、これによって移動デバイスの最も確率の高い位置が決定され、これが正確なネットワーク・データと比較される。本発明に従った方法は、多段階方法であり、精度を上げることによって統計的確率が上昇するため、結果としてこの方法は正確な位置を決定しないが、その代わりに十分精密な位置を引き出す。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態例が図面に示され、以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】公共輸送手段の停車場、並びに、輸送ネットワーク内の移動無線通信における送受信動作のための基地局(BTS−基地トランシーバ局)を示す図である。
【図2】公共輸送手段の移動行程並びに輸送ネットワーク内のBTSを示す図である。
【図3】輸送ネットワーク並びにBTS内の出発と行き先との関係を示す図である。
【図4】輸送ネットワークの公共輸送手段への乗車の検出されたセクションを示す図である。
【図5】2つの並行したコース・ルートを示す図である。
【図6】基地局、停車場、および接続に関する位置のマッピングを示す図である。
【図7】第1のルーティング候補に対する測定信号および基準信号が互いに比較される経時的な確率を示す曲線図である。
【図8】第2のルーティング候補に対する図7と同様の曲線図である。
【図9】第1のルーティング候補に対するゼロ平均の測定信号および基準信号の経時的信号値を示す図である。
【図10】第2のルーティング候補に対する図9と同様の曲線図である。
【図11】第1の輸送路線に関する、BTSおよびHST順序の東進[x軸]値対北進[y軸]値を示す図である。
【図12】第2の輸送路線に関する、図11と同様の値を示す図である。
【図13】第1の輸送路線のBTSおよびHST順序に関する、北進値対サンプリング・ポイントを示す図である。
【図14】他の範囲に関する、図13と同様の東進値を示す図である。
【図15】第2の輸送路線に関する、図13と同様の北進値を示す図である。
【図16】第2の輸送路線に関する、図14と同様の東進値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1には、移動無線通信における送受信動作のためのいくつかの基地局2から22、35が配置されたいくつかの公共輸送手段が提供された区域1が示されている。公共地域乗客輸送(PNV)の路線の移動行程が、例えば矢印または双方向矢印24から34などの矢印または双方向矢印として示されている。2つの矢印の先端が接している箇所はすべて停車場である。
【0037】
基地局2、35、22、20、21、18、19を中心とする円は、これらの基地局の伝送信号のレンジを示す。概して、示された基地局2〜22、35のすべては同じプロバイダによって運営されている。しかしながら区域1内には、他のプロバイダの基地局を配置することが全面的に可能である。
【0038】
公共輸送手段のユーザがポイント40に位置し、そのユーザの携帯電話のスイッチがオンであると想定される場合、基地局21が最も近い基地局であるため、この携帯電話はおそらく基地局21に結合される。この場合、基地局と携帯電話との間には、電磁波を介した双方向接続が確立される。有線ネットワークにおける物理的条件は明白かつ包括的であり、比較的に簡単に計算できるが、自由空間における電磁波の伝搬は非常に複雑である。周波数およびそれに接続された波長に応じて、電磁波は、地上波、表面波、空間波、または直接波として伝搬する。この伝搬と相関しているのがレンジ、すなわち信号が依然として受信可能な距離でもある。これは一般に適用され、送信される電磁波の周波数が高いほど、そのレンジは短くなる。
【0039】
電磁波のレンジを決定する他の要因が、そのパワーである。自由空間における電磁波の電界強度は、送信器からの距離に反比例して減少する。したがって、受信器の入力パワーは、距離の2乗で消滅する。大気の特性は気象条件によって変化し、それによって電磁波の伝搬条件も変化する。減衰は周波数に依存し、ある周波数では非常に強い効果を有し、その他ではほとんどない。ドイツで移動無線通信ネットワークに使用されてきた波長および依然として使用されている波長は、約150MHz(アナログAネットワークおよびアナログBネットワーク)、450MHz(アナログCネットワーク)である。これらの周波数レンジは、データ、音声、および映像の無線通信に使用され、空間波を形成する。1992年以来、ヨーロッパETSI/GSM標準(ETSI−ヨーロッパ電気通信標準化協会)に従ったデジタルD1ネットワークが存在し、1993年以来、空間的に包含的および包括的なGSMネットワーク(GSM=移動通信用グローバル・システム)としてのデジタルD2ネットワークが存在する。ETSI/DCS 1800標準に従ったE1ネットワークは、他の包含的および包括的な移動通信ネットワークとして1995年に確立された。GSM周波数は、890から915MHzの間(GSM−900)、および1710から1785の間(GSM−1800)にある。GSM−900およびGSM−1800は世界中で最も頻繁に使用されているが、例えばGSM−400またはGSM−850などの他の周波数帯域も存在する。携帯電話から基地局への無線リンク(アップリンク)は、基地局から携帯電話へのそれ(ダウンリンク)とはわずかに異なる周波数を有する。
【0040】
個々の基地局の高伝送パワーを介して大領域をカバーするための試みが実行される従来の通信ネットワークは、2人またはそれ以上の加入者が同じ周波数上で話すこと、したがって互いに盗み聞きできることを避けなければならないため、使用される帯域幅によって限定数の加入者にのみサービスを提供できる。高伝送パワーの無線通信ネットワークでは、たとえすでに他のサービス領域に達している場合であっても、割り当てられた無線接触が可能な限り維持される。サービス領域の境界は空間的に不明確に画定されるため、隣接するサービス領域は、干渉を避けるために異なる無線通信チャネルを使用しなければならない。高い加入者密度は莫大な周波数要件につながるが、これは使用可能なスペクトルの不足によって制限される。
【0041】
こうした無線通信ネットワーク内で使用する周波数スペクトルの不足、およびこのシステムがもはや対処できないほどの移動通信加入者数の増加が、セル式ネットワークの導入につながった。セル式無線通信ネットワークは、ネットワークが動作する領域全体を、それぞれが1つの基地局によって処理される、いわゆる無線通信セルに分割することに基づく。
【0042】
図1に示されたいくつかの円は、こうした無線セルを概略的に表す。各基地局は、隣接するセルを通じた干渉を避けるために、十分に長距離でのみ再使用可能な全使用可能周波数チャネルの一部のみを使用しなければならない。
【0043】
したがって、セル式ネットワークの場合、低伝送パワーの基地局を介して、固定的に画定された無線セルの領域内のみで、できる限り多くの関連付けられた周波数を利用することが試みられ、それによってこれらの周波数は、予想される幾何学的な保護間隔後に、再度使用することができる。したがって、円が重複しているそれらの基地局(例えば基地局18および19)は、異なる周波数を有するはずである。これに対して、基地局14および22は、同じ周波数を再度有することが可能である。
【0044】
使用可能周波数をより適切に利用するために、より詳細には、時分割多重化または符号分割多重化を使用して、1つの周波数上でいくつかの加入者信号をインタレースすることが可能である。
【0045】
実際には、いくつかの基地局は、各周波数が1回のみ使用可能ないわゆるクラスタに組み合わされる。クラスタは、周波数が繰り返し使用可能な隣接するクラスタを付加する。クラスタは、サービスを提供する領域全体をカバーしなければならないため、結果として、例えば、セル3、4、7、12、または21の一定の可能なクラスタ配置構成のみとなる。このセル・サイズをトラフィック密度に適合することができる。加入者容量を増やすために、都市圏では、大規模セル技術から小規模セルあるいはマイクロセルまたはピコセル技術へ移行される。大規模セルは半径約30kmであり、小規模セルは10km未満、マイクロセルは数100mから約1kmである。ピコセルの半径は、数10mから数100mまでである。
【0046】
携帯電話ユーザがポイント40を離れて、例えば基地局35の近くへ移動した場合、基地局35がこの携帯電話と無線接触するものと想定され、基地局20はもはや責務を負わない。この手順がハンドオーバと呼ばれる。ハンドオーバの準備は、特定の基地局および移動局を介した受信状態の測定技術を使用する継続的な観察および評価に基づき、無線ネットワークのスペクトル効率および加入者によって知覚されるサービス品質に関して決定する。したがって、ある移動加入者がある基地局のサービス領域を離れる場合、接続が中断しないように、その人物には他の隣接基地局によるサービスが提供されなければならない。通話中の接続中断(カットオフまたはコール・ドロップ)は、加入者にとって受け入れられないものであるか、または非常に不本意なものであるため、サービス品質の定義ではかなりのウェイトを占める。自動ハンドオーバがない場合、加入者または移動局は接続を新しくセットアップしなければならなくなる。GSMシステムにおけるハンドオーバの基準としては、基地局を介したループ実行時間が測定され、基地局から移動局までの距離がわかるように、並びに、加入者が予定のサービス領域、すなわちセルを離れた場合は、時間内にハンドオーバが開始できる、すなわち他の好適な基地局が使用できるように修正される。
【0047】
ハンドオーバに必要な情報を取得するために、接続中に携帯電話によってパラメータが測定され、ネットワークに報告される。いわゆる測定プロトコルがネットワークに送信される。この測定プロトコルは、現在のネットワーク接続のパラメータのみならず、ハンドオーバ時にターゲット・セルとして考慮される可能性のある隣接セルへの無線状態も含む。
【0048】
加入者が例えば位置40で路面電車に乗車した場合、この人物は自分の携帯電話のあるボタンを押す。この時点で加入者が結合されている基地局21は、加入者が公共輸送手段への乗車を開始したことを認識し、対応する情報をプロバイダのデータ処理機構に転送する。プロバイダの代わりに、データ処理機構を運営する他のエンティティにも提供可能である。例えば、本発明に従った方法のいかなるユーザも、データ処理機構を運営することができる。しかしながらこれは、プロセスが、移動無線ネットワーク事業者のデータ処理機構から切断されて実行可能であることを前提とする。このデータ処理機構には、基地局と停車場との間の関係が格納されたデータベースが含まれる。データベースには、停車場が基地局に割り当てられる確率のパーセント数が格納される。基本は、停車場および基地局の測地座標、並びに基地局と停車場の間の特定距離である。停車場40は、3つの基地局、すなわち基地局20、21、および22の電波伝搬圏内にある。
【0049】
図1に示されるように、基地局21は、確率65%で停車場40に割り当てられる。基地局20の場合、確率は25%のみであるが、基地局22の場合、確率はわずかに10%である。このパーセント数は信頼度の計算の基本であり、携帯電話が停車場40に位置するという条件下で、BTSにログインされる確率に関する。
【0050】
しかしながら現在の問題では、この逆の関係、すなわち携帯電話があるBTS(測定値)にログインした場合に、どの停車場に位置するかが必要である。携帯電話がBTS 22にログインした場合、停車場は停車場40でなければならない。これは確率100%で言うことができる。他方で、携帯電話がBTS 35にログインした場合、いくつかの停車場が異なる確率で考慮されることになる。
【0051】
プロバイダのデータ処理機構は、加入者の路面電車への乗車に関する情報がどの基地局から発せられているかがわかるため、情報が基地局21から発せられた場合、基地局21の視程レンジ内には停車場40のみが配置されていることから、100%の確率で停車場40に関するものと想定することができる。結果的に、加入者は停車場40のみにいることができる。加入者の携帯電話が基地局20または基地局22に結合されることを除外できないため、プロバイダのデータ処理機構は、これらのケースで、加入者が確率52%のみで、または100%で、停車場40に位置することがわかる。一定の幾何学的条件の下では、十分な確実性で停車場を識別するためには精度52%では低すぎる。
【0052】
したがって、データ処理機構には他のデータベースが提供され、基地局と移動行程との間の関係が格納される。これらの関係が決定される方法について、図2に関連して、および移動行程24にのみ関連して説明する。
【0053】
加入者が停車場40で路面電車に乗車し、現在移動行程24に沿って乗車中である場合、加入者の携帯電話は、理論上は6つの基地局、すなわち、その伝送圏がこの移動行程24を包含するかまたはこれに接しているすべての基地局に、結合可能である。これらが、基地局18、19、20、21、22、および35である。
【0054】
加入者の携帯電話が局18に結合された場合、この携帯電話が移動行程24上に位置する確率は21%である。移動行程24の識別に関するこの確率は、局19への結合の場合は29%、局20への結合の場合は84%、局21または22への結合の場合はそれぞれ100%、局35への結合の場合は17%である。
【0055】
特定の計算された確率は、移動行程と基地局との間の平均距離に基づく。この平均距離は、移動行程の開始および終了ポイントの座標並びに基地局の座標から、幾何学的標準方法を使用して決定される。基地局の座標は、例えば、世界規模のローカリゼーションおよび位置決定に関する衛星支援システムの信号を評価するGPSまたはGalileoを使用して作図することができる。個々の停車場の座標は、同じ方法でメモリに格納することができる。
【0056】
移動行程の確率値と同様に、残りの移動行程25から30および32から34に関する確率値も、データ処理機構のメモリに格納される。これらの計算は、本発明に従ったシステムの適用以前に、1回のみ実施される。
【0057】
他のステップでは、携帯電話が、ある一定の行程を移動中であるという条件の下で、BTSにログインされる確率が変換される。目標は、携帯電話が、特定のBTSにログインされるという条件の下で移動行程上を移動している新しい確率である。
【0058】
したがって、使用可能なデータ・セットは、個々の停車場を個々の基地局に割り当てるデータ・セットと、個々の移動行程を個々の基地局に割り当てるデータ・セットの2つである。
【0059】
加入者が行程24に沿って移動する場合、基地局20はある時間後に、比較的高い確率で基地局21からその人物を受け入れる。基地局21から基地局20への変更に基づいて、加入者が移動行程24上にあるという結論を引き出すことができる。現在、加入者が移動行程25上を同じ路面電車で引き続き進行している場合、ある時間後に、基地局35に引き継がれることになる。プロバイダのデータ処理機構では、基地局20から基地局35への移行が検出される。この移行に基づいて、加入者が移動行程25上にあると結論付けることができる。
【0060】
加入者が移動行程25の終わりに路面電車を降車し、移動行程34に沿って移動する地下鉄に乗車した場合、この人物の携帯電話は初期には依然として基地局35に結合されたままである。乗り換えの場合、加入者が自分の携帯電話上のボタンを再度押すことはないため、プロバイダのデータ処理機構は、加入者の乗り換えに関するいずれの情報も、また加入者が現在地下鉄に乗車中であり移動行程34上にあることも知らない。
【0061】
加入者は、移動行程34の終わりに乗車を終了する場合、自分の携帯電話のボタンを再度押す。ここでデータ処理機構は、加入者が自分の乗車を終えたことを知る。また、加入者の携帯電話が依然として基地局35に結合されていることも知る。移動行程34の終わりの停車場に割り当てられた確率データに基づき、また、移動行程34に割り当てられた確率データに基づき、移動行程34の終わりの停車場が関係していると結論付けることができる。これにより、加入者の全移動ルートが決定される。
【0062】
加入者がPNVのどの提供を利用したかはまだ決定されていない。個々の経路行程でいくつかのPNV提供が並行して使用可能な場合、使用されたPNV提供を決定することは特に困難である。
【0063】
以下で、図3に関連して簡単なアルゴリズムについて説明する。このアルゴリズムでは、図1に示されるような停車場の確率が格納されるデータベースに数回アクセスするだけで十分である。
【0064】
加入者は、開始ポイント40で再度乗車する。加入者は、自分の携帯電話上の特別なボタンを以前に押しているか、または電子チケットを作動させるために高速ダイヤルを実行している。移動無線通信を介してプロバイダにメッセージが送信される。加入者が自分の携帯電話のディスプレイ上で認識を受信するように、プロバイダは対応する応答プロトコルを戻す。ログオン・プロセスは様々な方法で進行可能であり、ログオンは、例えばSMSまたはMMSを介して、あるいはコール・センタへの呼ごとに実行可能である。GPRSまたはUMTS(ユニバーサル移動電気通信サービス)を介して、データ電信をプロバイダに送信することも可能である。停車場に、近接レンジ通信用の特殊な技術(例えば、WLAN=無線ローカル・エリア・ネットワーク、UWBなど)が装備されている場合、ログオン手順はこれらの通信チャネルを横切って実行可能である。
【0065】
乗客は、自分の乗車の行き先42で、同じ方法で再度ログアウトする。乗客のログアウトは、この方法の動作モードに関して義務付けるものではない。乗客がログアウトを忘れた場合、本発明は、多段階プロセスで乗車の終わり自体を検出することができる。
【0066】
想定されるケースでは、基地局21のみが1つの停車場40に割り当てられ、それによって、この停車場40がどのPNVプロバイダに割り当てられるかが明白になる。行き先位置42では、基地局12も知られている。しかしながら、この基地局12の伝送圏内には3つの停車場、すなわち行き先駅42自体と、駅41および43が存在する。これらはすべてPNVの1料金帯内に位置するため、結果として、行き先駅42を排他的に考慮する場合に固有の割り当てができない。しかしながら、駅40から行き先駅までの文書化された移動経路が、駅40から可能な行き先駅41、42、および43までの乗車に関するすべての可能な時刻表と比較される場合、この割り当ては固有となる。概して、停車場の順序および移動時間のパターンにおいて、1つの駅のみが所与の時刻表に対応することになる。例えば算術的に可能なすべての行き先停車場41、42、および43が同じ路線経路に割り当てられるため、固有の断定が不可能なこうしたケースでは、3つのケースすべてでこの乗車が同じ事業者に割り当てられるため、実際の行き先停車場は無視することが可能であり、概して近隣に位置するこうした停車場は1つの料金帯に割り当てることが可能である。現在では、数個の非常に珍しいケースを除いて、料金は料金帯に従って課金されるため、これらのケースでは、3つの行き先停車場すべてについて乗車に関する料金は同一である。
【0067】
計算されたPNV移動行程に関して決定された品質が不十分な場合、図4および図5に関連して詳細に説明する詳細なプロセスが適用される。
【0068】
第1のルートに関して、停車場40および移動行程24、34、26、および27がすでに検出されているものと想定される。
【0069】
図4の例は、パーセント数を通じたBTSの測定を移動行程または停車場に割り当て可能な方法を示す。こうした数量は、以下の表5で再現される。これらのパーセント数は、移動チェーンの指数を効果的に表す。個々の指数は誤っている可能性があるが、これらの誤差は、指数チェーンの完全な処理を通じて累進的に補償することができる。図4は、指数が分散される方法、並びに移動チェーンに関して矛盾および不連続性が存在することを示す。これらの指数から、例えば図5に示された1つのルート1および1つのルート2などの移動チェーンに関する可能な候補がコンパイルされる。
【0070】
図5では、第1のルート1に移動行程45から48が提供され、第2のルート2に移動行程49から51が提供される。第1のルートは4つの移動行程および5つの停車場52から57を有する。他方で、第2のルートは、3つの移動行程49から51および4つの停車場52から56を有する。検出された2つのルートの5つの要素、すなわち移動行程47、48と移動行程49、50、並びに停車場54、56、57と停車場55、56、および53は、互いに相関する。
【0071】
図5に示されるように、1群において、ユーザがどの路線を選択したかが初期には検出不可能であるが、2つのPNV路線上への割り当ては、高い確度で実行されなければならないため、差別化された考察が必要である。
【0072】
第1のルートに沿った乗車中、携帯電話は4つの基地局、すなわち基地局22、35、10、および11に結合されていた。PNVの利用中に生成された対応データがメモリに保存されている。
【0073】
詳細な方法でも、計算された結果の十分な品質を証明することができない場合、第3のステップで、幾何学的または空間的関係に加えて、1つの基本セルからそれに続く基本セルへの移行時の運動学的または空間的関係の時間面も考慮される。同一の乗車から降車までの同一の経路行程上で、時間オフセットされるが、重複する異なる輸送機関によって提供される乗車オプション(例えば、毎時0分および30分に到着する機関A、毎時20分および50分に到着する機関B)を利用することができる場合は、必ずこれにあてはまる。この第3の計算ステップが終了した時点で、依然として適切に解決されていないシナリオは、手動の事後処理用に格納される。
【0074】
プロバイダのデータ処理機構では、アルゴリズムの連続する半自動最適化および結果チェックが実行される、モジュール「品質管理」が提供される。この品質管理は、手動の事後処理のための方法段階と緊密に連携され、収益分配に関する精度の低い結果が評価され、示された場合は適合される。品質管理の結果は、決定ポイント近くのパラメータの適合および様々なアルゴリズムへの適合からなる。
【0075】
これらの計算ステップの機能および性能は、とりわけ、料金区域の構成にも依存する。半自動クラスタ・アルゴリズムによってもサポート可能な、料金帯の定義に関して有利なジオメトリが存在する。
【0076】
図6には、距離が指定された基地局、停車場、および接続に関する位置のマッピング表現も示される。停車駅aからk並びに基地局AからLが明らかにされている。図が見やすいように、基地局のレンジを示す円は省略されている。路面電車の路線Iは、停車駅aからjの間を運行している。他方で、バス路線IIは停車駅kからhの間を運行している。
【0077】
乗客は路線2のみ、より詳細には、駅k〜g〜c〜d〜e〜f〜hに沿って利用することが想定できる。
【0078】
基本として、以下では、図6に示されたマッピングを使用して、乗客の上記経路が決定され、その後、異なる輸送手段事業者に費用が分配される方法について説明する。
【0079】
データベースには、以下の事項が仮定される。
【0080】
−停車場の位置(座標)
−BTSの位置(座標)
−停車場での時刻および停車場を通過する順序に関する情報を備えた時刻表
例えば個々の路線に関する軌線の測地コース、マップとしてのGSM電界強度の分布、特定の時刻表との時間の不一致に関する情報などの他の情報も有用であり、結果を最適化することができる。しかしながらそれらは、以下では考慮されない。
【0081】
測定データとして、以下の情報が必要である。
【0082】
−測定時間(解決30秒、精度15秒)
−現時点でログインされているBTSのセルIDまたは番号
測定のためのサンプリング時間は、原則として任意である。しかしながら、以下で説明される例では、サンプリング時間T=30が想定される。さらに、aからkまでの11の停車駅(HST)およびAからLまでの12の基地局(BTS)が使用可能であることも想定される。以下の表で、「x値」は水平x座標を示し、「y値」は垂直y座標を示す。
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

表1および表2の座標は、距離を計算するため、およびそれを使って表4の確率を計算するために役立つ。
【0085】
以下に再現された表3は、具体的には2つの異なるV(ffentlicher Verkehr=公共輸送)路線に関する、時刻表からの引用を示す。簡潔にするために、時刻は、時間tに対する分として定義される。
【0086】
【表3】

表1から表3までのデータから、停車場aからkに位置している携帯電話の確率が、具体的にはあるBTSが受信されている条件の下で計算される。この計算結果は、関連するBTSの面からの確率を示す表4でコンパイルされる。
【0087】
【表4】

表4では、HSTがレンジ内に位置するBTSのみが考慮される。第1のステップでは、携帯電話がBTSにログインする確率が、具体的には携帯電話があるHSTに位置する条件の下で計算される。この計算はBTSからHSTまでの距離に基づき、確率とは反比例する。しかしながら、携帯電話があるBTSにログインする条件の下で、どのような確率で携帯電話がHSTに位置するかが問われる。したがってこの確率は、第1のステップからの確率に従って、各BTSがレンジ内のHSTに重み付けおよび正規化を行うようにさらに処理される。この結果、表4のパーセント数が生じる。
【0088】
前述のように、乗客はV路線2のみを利用し、停車場順序k〜g〜c〜d〜e〜f〜hに従って利用することが想定され、ここで乗客は、乗車開始時にeチケット・モードを起動し、乗車終了時にこれを終了する。乗客のBTSネットワークを介した移動は、その後、以下の表5に再現された適切な測定プロトコルによって決定される。
【0089】
【表5】

表5は、30秒間隔での測定に基づいて、BTS Iが携帯電話と1分間通信したことを示す。引き続いて、BTS Aも携帯電話と1分間通信したことなどを示す。
【0090】
BTS FおよびEは、最も長時間、すなわちそれぞれ1.5分または3分間、携帯電話からアクセスされた。表5の残りの列は、車両が停止している場合の特定停車場の補助情報としての役割のみを果たす。ダッシュは、車両が2つのHST間の途中にいることを示す。
【0091】
上記で再現されたシナリオに対して利用された移動ルートを決定するための個々の計算方法について、以下で説明する。
基本方法
基本方法では、出発と行き先との関係が決定される。そのために、移動開始時点および移動終了時点で、どのBTSが携帯電話と通信したかが決定される。以下の表6で、対応する割り当てを再現する。
【0092】
【表6】

これらのBTS番号について、表4から出発または行き先停車場の可能な候補が決定され、これが以下の中間結果につながる。
【0093】
【表7】

想定されるシナリオに関して、出発停車場は固有に識別可能であるが、行き先停車場については、特定の確率値で知られている3つの可能な候補が使用可能である。
【0094】
単一の出発と行き先の関係に関する全体確率が、各停車場の個々の確率の積から決定される。
【0095】
【数1】

これは、出発(start)並びに行き先(destination)に関して、いくつかのHSTが可能であることから実行される。これにより、いくつかの出発と行き先の関係の行列が生成され、このそれぞれで、個々の関係が確率と共に文書化されなければならない。出発時に携帯電話がBTS「I」にログインしておらず、BTS「A」にログインしている場合、確率として、HST「k」には値54%、HST「g」には値46%が与えられることになる。
【0096】
このケースでは、以下の結果が得られる。
【0097】
【表8】

このようにして、可能な出発と行き先の関係の乗算から、可能な行き先として3つの候補が決定された。したがって、出発停車場は停車場k(路線2)であり、確率61%の行き先停車場は停車場h(路線2)である。これらの結果を基本として使用すると、他のステップでの精度が向上する。
改良方法
基本方法の結果は、改良方法の基本としての役目を果たし、次に、時刻表から入手可能な情報(表3)と比較される。出発停車場、すなわち停車場番号kについては、時刻表で以下の項目が見られる。
【0098】
【表9】

可能な行き先停車場番号e、f、hについては、時刻表で以下の項目が見られる。
【0099】
【表10】

この情報について、順列もコンパイルされ、測定された時間と比較される。以下の表では、「(出発時間/行き先時間)」の形式で、それぞれの時間指定が与えられる。
【0100】
【表11】

右列の値ペア0.5/11.5は、出発時点での最初の測定および行き先時点での最終測定の時間を表す。表5からの値である。
【0101】
【表12】

この提示から、時刻表からの測定値の差として、時間の不一致を計算することができる。後続の時間差の処理では、この時点で最小値1分が定義され、すべての時間差は測定値と時刻表との間の不一致としての兆候なしとみなされる。特異点のマイナス効果を避けるために、決定されたΔt値の重み付けにおいて、1未満の値は計算に入れない。「0」、「0.5」などのすべての値は「1」に丸められる。
【0102】
【表13】

考えられるソリューションに対する重みは時間の不一致と反比例し、以下の規則に従って計算される。
【0103】
【数2】

【0104】
【表14】

決定された重みから、確率は、以下の規則を使用して単一の重みに対する比例分数として計算される。
【0105】
【数3】

ここから、以下の確率を計算することができる。
【0106】
【表15】

表13にはすでに改良方法に対する結果が含まれているが、基本方法からの結果に対応するスケーリングおよび正規化によって、それらの確率のみが決定される。これらは表14および表15でコンパイルされる。
【0107】
たとえ改良方法後であっても、これは実際には代替方法であり、停車場hが最も可能性が高いことは明白である。基本方法および改良方法の結果が一致するため、hが行き先停車場であるという確率が上昇している。
【0108】
出発停車場HSTに対しては、基本的に同じ方法が適用される。しかしながら、選択された例では、基本方法を使用して出発停車場がすでに決定可能であったため、選択されなかった。しかしながらこの方法では、常に1つのHSTで100%のみが引き出される。したがって時間の不一致の別のチェックが有用であり、例示的シナリオでは、これも選択実行を堅実に確認する。
1.最適化方法
最適化方法では、移動ルート全体が考慮される。ここでは、利用されるV接続が時刻表に従って、すなわち遅延なく実行されるものと想定される。この方法では、各HSTで測定されたBTSを方法に組み込む。
【0109】
出発駅および最終駅のみ、並びに路線が決定された、基本方法および改良方法からの結果を利用し、利用されるV接続の可能な候補として、以下の変形ルーティングが決定される。
【0110】
−路線2:HST順序k〜g〜c〜d〜e〜f〜h(ルーティング候補1)
−路線2:HST順序k〜g〜c〜d〜e〜f(ルーティング候補2)
ルーティング方法それ自体は、例えば商用GISツール、例えばMapInfoなどとして周知であり、対応モジュールが入手可能であるため、本発明の主題ではない。
【0111】
決定された出発駅および行き先駅について、時間、BTS、および確率のシーケンスが時刻表(FP)から生成され、対応する測定値に割り当てられる。ここでは、HSTでスケジューリングされた停車場のみが考慮される。このようにして、ルーティング候補1に関して以下の表が生成される。
【0112】
【表16】

ルーティング候補2に関して、以下の表が生成される。
【0113】
【表17】

表16、17の決定では、新しい値が一定間隔で測定されることが想定される。これらの時間間隔は、本ケースでは30秒である。測定値の完全なリストは表5に再現されている。
【0114】
表16および表17の列では、相関に関する以下の値が(左から右へ)コンパイルされている。
【0115】
− t=時刻表(FP)に従ってHSTの停車場がスケジューリングされる時間的なポイント。
【0116】
− 所定の候補ルートのHST
− 測定からのBTS
− BTS(列3から)が受信された場合のHSTの確率
− 特定のHST(最高確率!)で最適に受信可能なBTS
− 最適なBTSが受信された場合のHSTの確率(列6の値は列4の値よりも大きいかまたは等しい。測定または候補からの信号の長さが等しくない場合、特定の短い方の信号に「0」が書き込まれる。)
データを決定するために、時刻表から各HSTに関する到着および出発時刻が照会される。各停車場では、例えば1分間の停車時間が見込まれる。
【0117】
HSTのみが考慮される。したがって、時刻表から決定された時間に従って、HSTでの測定値のみが考慮される。対応する測定値が抽出され、表16および表17に入力される。
【0118】
測定されたBTSに対する最終ステップでは、測定のHSTに関する確率が入力される(列4)。さらに各HSTについて、特定の最大確率(列6)と共に、最適なBTS(列5)が入力される。
【0119】
時間相関に関する信号として、基準の確立(列6)に対して測定の確率(列4)がオフセットされる。ルーティング候補1に関する対応曲線が図7に示され、ルーティング候補2に関する対応曲線が図8に示される。
【0120】
破線は測定値を表し、実線は基準値を表す。確率は表4から採用される。したがって図7および図8では、測定信号および基準信号の確率について説明することができる。
【0121】
2つの曲線の類似性は相関係数を介して決定される。そのため、曲線形の形成およびこれらの曲線の非絶対値が類似性の主要な影響として計算方法を介して示されるために、比較されることになる2つの信号はゼロ平均される。結果として生じる曲線が、図9および図10に示されている。図9はルーティング候補1に関する曲線を示し、図10はルーティング候補2に関する曲線形を示す。図9および図10では、図7および図8と同じ信号が示されているが、その平均値に関して改訂されている。
【0122】
測定および基準に関するゼロ平均信号は、以下のように計算される。
【0123】
【数4】

これらの信号から、以下のように相関係数が計算される。
【0124】
【数5】

相関係数は正規化された値であり、[−1,1]の値範囲を有する。選択された候補について取得された結果として、以下の値が生成される。
【0125】
1.ルーティング候補1:ρ=0.97
2.ルーティング候補2:ρ=0.21
HST 8での信号コースの相違は、2つの曲線の類似点が値の97%から21%の間にあるという方法3からの特徴に関する主要な変化に影響を与える。
2.最適化方法
最適化方法に対する代替方法では、移動チェーン全体も考慮される。しかしながら、最適化方法とは対照的に、ここでは、可能な移動ルートのHSTの座標と測定されたBTS位置の座標との間の幾何学的関係のみが比較される。
【0126】
この方法では、時間接続についてはまったく考慮しないままであり、そのため、公共輸送手段の運行における遅延または障害とも無関係である。この計算例の場合、以下のHST順序での路線2の乗車が基本とされた。
【0127】
路線2:HST順序k〜g〜c〜d〜e〜f〜h
部分的に並行して運行している路線1と利用された路線2との区別において、次に、測定されたBTS位置の受信レンジ内にある路線1のHSTが探し出される。これを使用すると、可能な代替乗車は、結果として以下のHST順序で示された路線1となる。
【0128】
路線1:HST順序b〜c〜d〜e〜f〜i
次に、これらの可能な移動チェーンの幾何学的コースを、測定からのBTS順序の幾何学的コースと比較しなければならない。
【0129】
測定:BTS順序I〜A〜F〜E〜C〜L
図11は、路線1に関する測定からのBTS順序および抽出されたHST順序を、マッピング記述として示す。順序のオリジナルのトラバースに加えて、10のサンプリング・ポイント(BTS 10およびHST 10)を使用した精密なトラバースが作図されている。
【0130】
これらの追加信号(BTS 10およびHST 10)は、オリジナル・トラバースから直接導出され、以下の特性を有する。
【0131】
− BTS順序およびHST順序のサンプリング・ポイント数は同一である(このケースでは、10のサンプリング・ポイントが選択されているが、原則としてこの数は自由に選択できる)。
【0132】
− 個々の座標は、オリジナル順序の接続路線全体にわたって、サンプリング・ポイントが等間隔で分散されるように計算される。
【0133】
− HST順序のサンプリング・ポイントの距離は、BTS順序のサンプリング・ポイントの距離と異なることが可能である。
【0134】
したがって、決定されたサンプリング・ポイント順序は、オリジナル・トラバースの形状を近似としてエミュレートする。ここでは、所定数のサンプリング・ポイントを有する幾何学的サンプリングが含まれる。これらの計算されたサンプリング・ポイントは、図13から図16で特定のx軸上に作図されている。
【0135】
路線2の測定からのBTS順序と抽出されたHST順序との比較に関する対応関係が、図12に示される。
【0136】
信号は、適切な相関計算のための入力信号として必要である。
【0137】
2つの曲線の類似性は、相関係数を介して最適化方法と同様に決定される。最適化方法とは対照的に、個々の信号の決定された平均値が、結果の解釈に対して重要な役割を果たす。したがって図13、図14には、路線1に関する測定からのBTS順序と抽出されたHST順序との比較に関した、非ゼロ平均信号が示される。サンプリング・ポイント数全体にわたって、東進値(=x座標)および北進値(=y座標)がそれぞれ作図される。路線2に関して順序を比較するために、図15、図16に対応信号が示される。
【0138】
相関係数の計算は、最適化方法と同様に実行される。ゼロ平均信号(測定および基準)は、以下のように計算される。
【0139】
【数6】

これらの信号から、相関係数が以下のように計算される。
【0140】
【数7】

相関係数は正規化された値であり、[−1,1]の値範囲を有する。選択された候補について、結果として以下の値が取得される。
【0141】
− 路線1北進値(=y):ρ=0.16
− 路線1東進値(=x):ρ=0.84
− 路線2北進値(=y):ρ=0.67
− 路線2東進値(=x):ρ=0.99
計算された相関係数の比較は、北進値並びに東進値にも関して、路線2に対するより良い合致(正しい結果)を示す。しかしながらこの考察は、位置の平均偏差、BTS順序およびHST順序から比較されることになる軌線に関連して、実施しなければならない。この例に関する個々の平均値の間隔は、以下の値を示す。
【0142】
− 路線1北進値(=y):μHST−μBTS=125
− 路線1東進値(=x):μHST−μBTS=120
− 路線2北進値(=y):μHST−μBTS=88
− 路線2東進値(=x):μHST−μBTS=328
BTS順序とHST順序との位置の差を考慮すると、北進値に関しては路線2の方が良いが、東進値および総距離に関しては路線1の方が良い結果を出していることに注目すべきである。しかしながらここでは、これらのパラメータに関しては、絶対値は別として、BTSのレンジに関する大きさも関係することに留意しなければならない。
【0143】
この計算例のための基準として、すべてのBTSのレンジが約700mとして想定されているため、4つの計算された平均値の差はすべて有意なレンジ内にある。これらの条件の下で、この相関係数の結果は決定的である。
【0144】
他方で、軌線間の位置の距離が、レンジに関するこの値を著しく超えている場合、形状の類似性は重要でない。
結果の処理
説明した4つの方法から、以下のパラメータが決定される。
【0145】
− 基本方法:幾何学的計算を介した、出発HSTおよび行き先HSTの割り当てに関する確率
− 改良方法:時刻表との時間の比較による、出発HSTおよび行き先HSTの割り当てに関する確率
− 1.最適化方法:全移動チェーンの時間比較に関する相関係数
− 2.最適化方法
i:北進値に関した全移動チェーンの幾何学的比較に関する係数
ii:東進値に関した全移動チェーンの幾何学的比較に関する係数
iii:北進値に関した全移動チェーンの幾何学的比較に関する軌線の位置の差
iv:東進値に関した全移動チェーンの幾何学的比較に関する軌線の位置の差
これらのパラメータは、すべて、可能な移動チェーンの調査済み候補に関する準指数を含む。個々の指数では不十分な可能性があるが、指数チェーンの完全な処理によって、これらの誤差を漸次補正することができる。
【0146】
図2に関連して説明した移動行程は、図6に関して説明しない。しかしながら、図6に従った方法に容易に適用することもできる。
【0147】
本発明に従った方法は、他のパラメータを考慮することによって調整することもできる。この場合、これらのパラメータは、例えば移動無線通信プロバイダによって提供する必要がある。これらのパラメータの中には、例えば、ループ所要時間を測定することによって決定可能なBTSと携帯電話との間の距離がある。個々の路線に関する軌線の測地コース、またはGSM磁界強度の分布も、これらのパラメータに入る。時刻表と路線との時間のずれに関する情報も有用であろう。
【0148】
ここまでの計算例では、基地局が全方向性アンテナを有するものと想定されてきた。しかしながら、異なる方向に配向されたいくつかのアンテナをBTS位置に設定することも実行可能である。ログイン携帯電話に関して考えられる位置スペースとして想定されたレンジを知ることで、円形セクタが生成される。対応するBTSアンテナの実際の位置はこの位置スペースの限界にあるため、BTSアンテナの仮想位置として円形セクタの重心が計算される。統計的な意味で、この仮想位置は可能な携帯電話の位置により近くなるため、本発明に従った方法の機能および性能が向上する。
【0149】
出発から終点までの乗客のルート、すなわち、さらに乗客が利用した路線がわかると、料金を決定すること、および個々の路線にわたって分配することが可能である。しかしながら、様々な輸送機関の料金は大幅に異なる可能性がある。したがって、同心ではないハニカム・システムが存在する。しかしながら、例えばシティ・センタなどのセンタを中心とする輪を備えた同心の環状帯料金も存在する。さらに、第1段階の環状帯と、セグメントに従って分割された外部帯とを備えた、組み合わせシステムも存在する。また、料金帯のサイズがほぼ等しい、均一料金帯を供えたシステムも存在する。料金帯が均一でない他のシステムでは、1つのゾーンまたはハニカムの直径が大幅に異なることが可能である。さらに、各停車場が1つのゾーンにのみ割り当てられるシステムも周知であり、他のケースでは、進入方向によって異なるゾーンに割り当てられる、系統的に区切られた停車場が使用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
いくつかの基地局が提供された区域内で携帯電話デバイスを身に付けた人物の経路を決定するための方法であって、
(a)経路ポイントまたは経路行程の座標が決定および格納されるステップと、
(b)前記基地局の座標が決定および格納されるステップと、
(c)前記携帯電話を使用して、前記携帯電話が無線接触している前記基地局に信号が出力されるステップと、
(d)移動無線デバイスがどの基地局と無線接触しているかが決定されるステップと、
(e)前記移動無線デバイスが無線接触している前記基地局の前記座標が決定され、前記経路ポイントまたは行程の前記座標と比較されるステップと、
(f)前記経路ポイントまたは行程のどの座標が、前記移動無線デバイスが無線接触している前記基地局の前記座標に最も近いかが決定されるステップと、
(g)所定の時間間隔でステップ(d)から(f)が反復されるステップと、
(h)ステップ(c)から(f)を通じて取得されたデータに基づいて、前記反復が決定されるステップと、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記経路ポイントまたは行程の前記座標が、停車場の座標であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記経路ポイントまたは行程の前記座標が、輸送路線網の任意のポイントであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a)および(b)が、1回のみ実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記携帯電話が、公共輸送手段の停車場で基地局に信号を出力することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記携帯電話によって前記基地局に出力される前記信号が、停車場で出力されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記携帯電話の前記信号の前記出力の時間が獲得されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記移動無線デバイスの前記信号の前記出力の時間が、公共輸送手段の時刻表の時間指定と比較されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記携帯電話の前記信号の前記出力と前記時刻表の時間指定との間の最も短い時間差が決定されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記携帯電話を使用して、時間的な第1のポイントで、前記携帯電話が現在無線接触している前記基地局に信号が出力されること、および時間的な第2のポイントで、前記移動無線デバイスがその後無線接触している基地局に信号が出力されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記移動無線デバイスがログインしている基地局を、ある時間間隔で決定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
さらに、移動無線デバイスと基地局との間の距離が決定されることを特徴とする、前記請求項のうちの1つまたはいくつかの項に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記移動無線デバイスが基地局に送信する際に使用する電界強度が決定されることを特徴とする、前記請求項のうちの1つまたはいくつかの項に記載の方法。
【請求項14】
時間的な前記第1のポイントで前記携帯電話から前記基地局に出力された前記信号が、公共輸送手段用の電子チケットを作動させることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記電子チケットが、前記移動無線デバイスに格納されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
時間的な前記第1のポイントが、公共輸送手段を使用した移動無線デバイスの乗車の開始をマークし、時間的な前記第2のポイントがこの乗車の終了をマークすることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記基地局への前記信号の前記出力後に、前記移動無線デバイスが、前記デバイスが位置する停車場に関するデータ・コンテンツと共に、SMS(ショート・メッセージ・サービス)またはMMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)を受信することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
さらに、前記SMSまたはMMSが、日付および時刻の指定を含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記移動無線デバイスによって受信された前記信号が、電子チケットを表すことを特徴とする、請求項17および18に記載の方法。
【請求項20】
前記基地局の座標として、基地局セクタの仮想重心が計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−527439(P2010−527439A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500114(P2010−500114)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002205
【国際公開番号】WO2008/116587
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(509267144)ツォイス ジステームス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】