説明

携帯電話機、携帯電話機の製造方法

【課題】 組み立て作業の作業効率とデザイン性を同時に確保することができる携帯電話機とその製造方法を提供する。
【解決手段】 電子基板41・42をフレキシブルケーブル43により電気的に接続して構成される部品と、所定の回転軸において回転する構造を有するヒンジ部30を有し、ヒンジ部30は、両フロントケース10・20が開いた状態にあるときに、フロントケース20の端部の一方がフロントケース10の端部の一方の鉛直上方に位置する構造を有し、ヒンジ半円部31・32の形状が構成する空洞部にフレキシブルケーブル43を収納し得る携帯電話機の製造方法において、電子基板41・42を両フロントケース10・20に載せ、フレキシブルケーブル43を前記空洞部に収納し、フロントケース20の前記端部に形成した孔にフレキシブルケーブル43の一端を設け、保護カバー50をフロントケース20の前記端部に取り付け、前記孔を被覆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジ部を有し、折り畳み構造を備えた携帯電話機、携帯電話機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型化、デザイン性などを重視した携帯電話機を製作するにあたり、携帯電話機に折り畳み構造を備えたものが開発されている。そのような携帯電話機の構造の一例を図7に示す。図7は携帯電話機の受話器の部分を構成する上部フロントケース100と携帯電話機の送話器の部分を構成する下部フロントケース200がヒンジ部300により結合されている様子が図示されている。ヒンジ部300を回転軸として上部フロントケース100と下部フロントケース200が相互に回転することで、携帯電話機全体が折り畳まる仕組みになっている。
【0003】
上部フロントケース100の端部の一方には、ヒンジ部300の一部を構成するヒンジ半円部301が設けられている。ヒンジ半円部301はヒンジ部300の軸径のほぼ半円分の領域を覆う構造を有しており、携帯電話機の外観を構成している。そして、両フロントケースを開いたときにはヒンジ部300において略円筒状の空洞部が設けられるように構成されている。
【0004】
また、下部フロントケース200の端部の一方には、ヒンジ部300の一部を構成するヒンジ半円部302が設けられている。ヒンジ半円部302もヒンジ部300の軸径のほぼ半円分の領域を覆う構造を有しており、携帯電話機の外観を構成している。そして、両フロントケースを開いたときにはヒンジ部300において略円筒状の空洞部が設けられるように構成されている。その結果、両フロントケースを開いたときは、ヒンジ半円部301により設けられた空洞部と、ヒンジ半円部302により設けられた空洞部が隣接して同軸上に配置され一つの大きな空洞部が形成される。なお、特許文献1には上述したヒンジ部の構造に関する具体的な内容が開示されている。
【0005】
この携帯電話機を組み立てるにあたり、その組み立ての工程の一つとして、図7に示したように開いてある両フロントケースに電子基板を搭載する搭載工程がある。図8はその搭載工程を行うときの電子基板と両フロントケースを図示した図面である。この電子基板には、上部フロントケース100に搭載する電子基板401と下部フロントケース200に搭載する電子基板402といった2つの基板がある。電子基板401・402はそれぞれ携帯電話機の受話器・送話器の部分を構成する電子部品が集積した集積回路を実装している。そしてこの両基板はフレキシブルケーブル403により電気的に接続されている。フレキシブルケーブル403は図8にも図示したように螺旋状に一巻きした形状を有しており、多少折り曲げられても配線が切断されない程度の柔軟性を備えている。
【0006】
携帯電話機を実際に組み立てる者はこの搭載工程において電子基板401・402を両フロントケース100・200に載せるだけでよい。両基板を載せた後の様子を図9に図示する。載せるだけであるので組み立て作業中では高い作業効率を維持できる。そしてこの搭載工程において、フレキシブルケーブル403がヒンジ半円部301・302により形成された空洞部に収納される。そうすることによりフレキシブルケーブル403は前記柔軟性のために、完成品としての携帯電話機の開閉動作に対してその相対的な位置を変えることも無く、配線が切断されることも無い。そもそもヒンジ部300を上述したような構成にしたのは、小型化、デザイン性といった要素を重視する他に、フレキシブルケーブル403を収納する空洞部を確保するためでもあり、搭載工程において高い作業効率を確保するためでもある。
【0007】
従って逆に、この高い作業効率を確保するためには搭載工程において、フレキシブルケーブル403で電気的に接続された電子基板401・402を両フロントケース100・200に載せるだけといった組み立て作業が必須である。そしてこの作業にはヒンジ半円部301・302が同軸上に配置して形成される空洞部が欠かせないものとなる。
【0008】
さて、折り畳み構造を備えた携帯電話機において、そのフロントケースが図10に図示したような構造を有する携帯電話機が開発されている。図10は携帯電話機の受話器の部分を構成する上部フロントケース100と携帯電話機の送話器の部分を構成する下部フロントケース200がヒンジ部300により結合されている様子が図示されている。このような構造においても、ヒンジ半円部301は上部フロントケース100の端部の一方に設けられており、ヒンジ半円部302は下部フロントケース200の端部の一方に設けられている。そして両フロントケースを開いたときは、ヒンジ半円部301により設けられた空洞部と、ヒンジ半円部302により設けられた空洞部が隣接して同軸上に配置され一つの大きな空洞部が形成される。その形成された空洞部にはフレキシブルケーブルが収納される。
【0009】
図7と相違する点は、ヒンジ部300において下部フロントケース200の端部が上部フロントケース100の端部の鉛直上方に位置し、乗り上がっているような構造を有している点にある。このような構造を採ることにより、完成品の携帯電話機としてのデザイン性は優れた独創性を有したものになっている。また乗り上がっている分だけ携帯電話機の寸法を小さくなり、更なる小型化を実現できる。ここで乗り上がっているために携帯電話機の厚みが増すといった懸念が生じるように思われる。しかし、この点に関しては例えば両フロントケース自体の厚みを小さくする、又はこのフロントケースに取り付けるリアカバー自体の厚みを小さくするといった設計を行えばそのような懸念も解消される。
【0010】
そして上記構造を採る利点としては、下部フロントケース200の端部のうちヒンジ部300を構成する方において、図7に図示した携帯電話機と比べてある程度の領域を確保できる点が挙げられる。この領域は例えば上述した空洞部の周辺に位置する領域を指している。この領域に新たな部品、特に厚みの大きな部品を搭載することができるようになるため、携帯電話機の製作の設計の自由度が大きくなる。
【特許文献1】特許第2821333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、図10に図示した構造を採ると、上述した搭載工程において、この携帯電話機を実際に組み立てる者は電子基板を、開いてある両フロントケース100・200に載せるだけといった組み立て作業を行うことができなくなる。なぜならこの組み立て作業において、フレキシブルケーブルをヒンジ半円部301・302により形成された空洞部に収納するにあたり、下部フロントケース200の端部のうち、白抜きの矢印で「A」と指摘した箇所が当該収納を遮るためである。
【0012】
この事態を回避するために、上述した組み立て作業を変更することは作業効率の低下を招く。つまり、フレキシブルケーブルの一端を「A」と指摘した下部フロントケース200の端部の下方にある穴から挿通した後に、その一端と電子基板を接続するといった組み立て作業は、フレキシブルケーブルに接続された電子基板を両フロントケース100・200に載せるだけといった組み立て作業よりも能率が悪くなる。
【0013】
そこで、作業効率の低下を回避するための一手段として、「A」と指摘した下部フロントケース200の端部を切断する方法が考えられる。しかし、この方法により組み立てられ完成した携帯電話機は、切断した下部フロントケース200の端部において、携帯電話機内部に収納されているべきフレキシブルケーブルが露呈してしまう。このことは携帯電話機の外観により構成されるデザイン性を損ねる結果となる。
【0014】
以上より、本発明が解決しようとする課題は、組み立て作業の作業効率とデザイン性を同時に確保することができる携帯電話機とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決する本発明の態様は、第1のフロントケースに載せる第1の電子基板と第2のフロントケースに載せる第2の電子基板をフレキシブルケーブルにより電気的に接続して構成される部品と、前記第1のフロントケースが有する第1の端部において所定の回転軸を中心軸とする第1の略半円筒型の形状及び前記第2のフロントケースが有する第2の端部において前記回転軸を中心軸とする第2の略半円筒型の形状を設けて構成され、前記第1のフロントケース及び前記第2のフロントケースの双方を前記回転軸において回転する構造を有するヒンジ部を有し、前記ヒンジ部は、当該ヒンジ部が回転することにより前記第1のフロントケース及び前記第2のフロントケースが開いた状態にあるときに、前記第2の端部が前記第1の端部の鉛直上方に位置する構造を有し、前記第1の略半円筒型の形状及び前記第2の略半円筒型の形状が一つの略円筒状の空洞部を構成し、当該空洞部に前記フレキシブルケーブルを収納し得ることを特徴とする携帯電話機において、前記第2の端部は、当該第2の端部において前記フレキシブルケーブルが挿通可能な程度の孔を形成し、前記第2の端部に取り付け可能であり、前記孔を被覆する形状を有する保護カバーを有するものである。
【0016】
このとき前記保護カバーは、前記第2の端部への取り付けを固定するフックを有し、前記第2の端部は、前記フックを差し込む差込口を有することを特徴とする。
【0017】
また上記課題を解決する本発明の他の態様は、第1のフロントケースに載せる第1の電子基板と第2のフロントケースに載せる第2の電子基板をフレキシブルケーブルにより電気的に接続して構成される部品と、前記第1のフロントケースが有する第1の端部において所定の回転軸を中心軸とする第1の略半円筒型の形状及び前記第2のフロントケースが有する第2の端部において前記回転軸を中心軸とする第2の略半円筒型の形状を設けて構成され、前記第1のフロントケース及び前記第2のフロントケースの双方を前記回転軸において回転する構造を有するヒンジ部を有し、前記ヒンジ部は、当該ヒンジ部が回転することにより前記第1のフロントケース及び前記第2のフロントケースが開いた状態にあるときに、前記第2の端部が前記第1の端部の鉛直上方に位置する構造を有し、前記第1の略半円筒型の形状及び前記第2の略半円筒型の形状が一つの略円筒状の空洞部を構成し、当該空洞部に前記フレキシブルケーブルを収納し得ることを特徴とする携帯電話機の製造方法において、前記第1の電子基板を前記第1のフロントケースに載せ、前記第2の電子基板を前記第2のフロントケースに載せ、前記フレキシブルケーブルを前記空洞部に収納し、前記第2の端部に形成した孔に前記フレキシブルケーブルの一端を設ける搭載工程と、前記第2の端部に取り付け可能であり、前記孔を被覆する形状を有する保護カバーを前記第2の端部に取り付ける取付工程を有するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明を実施することにより、携帯電話機の組み立て作業の作業効率とデザイン性を同時に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の携帯電話機、携帯電話機の製造方法を実施するための最良の形態に関する説明をする。説明の際には本明細書と同時に提出する添付図面を適宜参照する。
【0020】
図1は、本形態の携帯電話機において、携帯電話機の受話器の部分を構成する上部フロントケース10と携帯電話機の送話器の部分を構成する下部フロントケース20がヒンジ部30により結合されている様子を図示したものである。上部フロントケース10には、不図示ではあるが、受話器による音声出力の出力先である音声出力口及び表示される液晶画面を保護する役割並びに利用者が閲覧し得る役割を併せ持つ透明な表示窓が設けられている。下部フロントケース20には、不図示ではあるが、送話器による音声入力の入力先である音声入力口及び利用者が電話番号を入力する数字などの操作キーを入力し得る操作キー入力口が設けられている。ヒンジ部30を回転軸として上部フロントケース10と下部フロントケース20が相互に回転することで、携帯電話機全体が折り畳まる仕組みになっている。
【0021】
このような構造において、ヒンジ半円部31は上部フロントケース10の端部の一方に設けられている。ヒンジ半円部31はヒンジ部30の軸径のほぼ半円分の領域を覆う構造を有しており、携帯電話機の外観を構成している。そして、両フロントケースを開いたときにはヒンジ部30において略円筒状の空洞部(以下、本形態において「第1の空洞部」という。)が設けられるように構成されている。
【0022】
ヒンジ半円部32は下部フロントケース20の端部の一方に設けられている。ヒンジ半円部32もヒンジ部30の軸径のほぼ半円分の領域を覆う構造を有しており、携帯電話機の外観を構成している。そして、両フロントケースを開いたときにはヒンジ部30において略円筒状の空洞部(以下、本形態において「第2の空洞部」という。)が設けられるように構成されている。その結果、両フロントケースを開いたときは、第1の空洞部と第2の空洞部が隣接して同軸上に配置されることにより一つの大きな空洞部が形成される。
【0023】
図1に示すように、両フロントケースが開いた状態にある場合において、ヒンジ部30を構成する下部フロントケース20の端部は、ヒンジ部30を構成する上部フロントケース10の端部の鉛直上方に位置する。この点は図10に示したことと同様である。
【0024】
ヒンジ部30を構成する下部フロントケース20の端部は、白抜きの矢印で「B」と指摘した箇所が切り取られて孔が形成されているような構造を有している。この形成された孔を含めた端部のうち携帯電話機の側面部となる部分には保護カバー(図2を参照して後述する保護カバー50を指す。)が取り付けられることになる。そのためにヒンジ部30を構成する下部フロントケース20を製作するに当たり、前記保護カバーを取り付けることを考慮して、下部フロントケース20の端部のうち携帯電話機の側面部となる部分の厚さを予め薄くするように設計する。そして取り付けた保護カバーの厚さとその端部の側面部となる部分の厚さを足し合わせたものは、従来の下部フロントケースの端部のうち携帯電話機の側面部となる部分の厚さと同程度になるようにする。その結果、完成品の携帯電話機の外観に特別な違和感は無く、外観から生じるデザイン性を損ねることも無い。
【0025】
この携帯電話機を組み立てるにあたり、その組み立ての工程の一つとして、図1に示したように開いてある両フロントケースに電子基板を搭載する搭載工程がある。図2はその搭載工程を行うときの電子基板と両フロントケース及び保護カバー50を図示した図面である。
【0026】
この電子基板には、上部フロントケース10に搭載する電子基板41と下部フロントケース20に搭載する電子基板42といった2つの基板がある。電子基板41・42はそれぞれ携帯電話機の受話器・送話器の部分を構成する電子部品が集積した集積回路を実装している。そしてこの両基板はフレキシブルケーブル43により電気的に接続されている。フレキシブルケーブル43は図2にも図示したように螺旋状に一巻きした形状を有しており、多少折り曲げられても配線が切断されない程度の柔軟性を備えている。
【0027】
保護カバー50は、ヒンジ部30を構成する下部フロントケース20の端部に取り付けられる構造を有している。そしてその端部に取り付けられることにより保護カバー自体が下部フロントケース20の端部を構成することになる。したがって、外観から生じるデザイン性を確保するために、端部を構成する保護カバー50の厚さを予め薄くする。そして保護カバー50の厚さとヒンジ部30を構成する下部フロントケース20の端部の側面部となる部分の厚さを足し合わせた場合に、従来の下部フロントケースの端部のうち携帯電話機の側面部となる部分の厚さと同程度になるように設計すると良い。
【0028】
そして保護カバー50は第1及び第2の空洞部に収納されることになるフレキシブルケーブル43を保護する機能を有する。この機能を有効に発揮するために、この保護カバー50はケーブルカバー51とフック52・53を有して構成されている。
【0029】
ケーブルカバー51は保護カバー50がヒンジ部30を構成する下部フロントケース20の端部に取り付けられることにより、第1の空洞部を覆う構造を有している。従って、第1の空洞部に収納されたフレキシブルケーブル43を覆い、固定することができ、フレキシブルケーブル43の保護に寄与する。
【0030】
フック52・53は保護カバー50の右側・左側にそれぞれ位置し、下部フロントケース20の差込口21・22を通り、その差込口21・22を引っ掛ける構造を有している。フック52・53が差込口21・22を引っ掛けることにより、保護カバー50の取り付けを強化することができ、フレキシブルケーブル43の保護に寄与する。
【0031】
フック52・53は、適当な応力を加えることにより差込口21・22から外すことができるように設計されている。差込口21・22から外すことにより保護カバー50を下部フロントケース20より取り外すことができる。つまり保護カバー50は着脱可能な構成を備えているといえる。したがって、完成品の携帯電話機が故障し、保護カバー50を取り外して修理を行う必要があったとしても、修理後にその保護カバー50を再度取り付ければ十分である。このことは、組み立て時に一度を取り付けたら外すことができなくなるように設計された保護カバーと比べると、修理を行う点においてその利便性が高くなるといった利点がある。
【0032】
本形態の携帯電話機を実際に組み立てる者は上述の搭載工程において電子基板41・42を両フロントケース10・20に載せるだけでよい。載せる際にはフレキシブルケーブル43を第1及び第2の空洞部に収納する。そして「B」の位置に形成した孔にフレキシブルケーブル43の一端を設ける。両基板を載せた直後の様子を図3に図示する。載せるだけであるので組み立て作業中では高い作業効率を維持できる。次に保護カバー50を、ヒンジ部30を構成する下部フロントケース20の端部に取り付ける取付工程を行う。図3において、電子基板41・42を載せた状態の両フロントケース10・20に対して保護カバー50を取り付けることになる。取り付ける際にはフック52・53を差込口21・22に通して引っ掛けるだけでよい。保護カバー50を取り付けた直後の様子を図4に図示する。引っ掛けるだけであるので組み立て作業に支障をきたすことなく、作業効率は維持される。
【0033】
これらの工程において、保護カバー50は「B」の位置に形成した孔を被覆し、第1及び第2の空洞部に収納されたフレキシブルケーブル43を固定する。そうすることによりフレキシブルケーブル43はその柔軟性のために、完成品としての携帯電話機の開閉動作に対してその相対的な位置を変えることも無く、配線が切断されることも無い。
【0034】
その後上部リアカバー、下部リアカバー、その他本形態の携帯電話機を構成する部品をさらに取り付けることにより携帯電話機を組み立てて完成させる。完成後の携帯電話機の外観を図5及び図6に図示する。図5は開いた状態の携帯電話機の外観を表す斜視図であり、上部フロントケース10・下部フロントケース20を主に表示したものである。また図6もまた開いた状態の携帯電話機の外観を表す斜視図であるが、上部リアカバー60・下部リアカバー70を主に表示したものである。
【0035】
図5及び図6を見ると、保護カバー50が携帯電話機の外観を構成していることがわかる。もしこの保護カバー50が無ければ第1及び第2の空洞部に収納されたフレキシブルケーブル43は露呈してしまい、携帯電話機全体のデザイン性が損なわれる。したがって、保護カバー50はフレキシブルケーブル43を保護する機能だけでなく、フレキシブルケーブル43の露呈を防止する機能も備えている。この機能を発揮することにより携帯電話機全体のデザイン性を確保することができる。
【0036】
なお、上述した形態は本発明を実施するための最良のものであるがこれに限定する主旨ではない。従って、本発明の要旨を変更しない範囲においてその形態を種々変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
保護カバー自体が独創的なデザイン性を備えた携帯電話機の開発が望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本形態の携帯電話機の上部フロントケース10と下部フロントケース20がヒンジ部30により結合されている様子を図示したものである。
【図2】電子基板を搭載する搭載工程を行うときの電子基板41・42と両フロントケース10・20及び保護カバー50を図示した図面である。
【図3】保護カバー50を取り付ける取付工程を行うときの電子基板41・42と両フロントケース10・20及び保護カバー50を図示した図面である。
【図4】取付工程を行うことにより、電子基板41・42を載せた両フロントケース10・20に、保護カバー50を取り付けた後の様子を図示したものである。
【図5】開いた状態の携帯電話機の外観を表す斜視図である。
【図6】開いた状態の携帯電話機の外観を表す斜視図である。
【図7】携帯電話機の上部フロントケース100と下部フロントケース200がヒンジ部300により結合されている様子を図示したものの一例である。
【図8】電子基板を搭載する搭載工程を行うときの電子基板と両フロントケースを図示した図面である。
【図9】搭載工程を行うことにより、ヒンジ部300により結合された上部フロントケース100と下部フロントケース200に電子基板401・402を載せた後の様子を図示したものである。
【図10】携帯電話機の上部フロントケース100と下部フロントケース200がヒンジ部300により結合されている様子を図示したものの一例である。
【符号の説明】
【0039】
10 上部フロントケース
20 下部フロントケース
21、22 差込口
30 ヒンジ部
31、32 ヒンジ半円部
41、42 電子基板
43 フレキシブルケーブル
50 保護カバー
51 ケーブルカバー
52、53 フック
60 上部リアカバー
70 下部リアカバー
100 上部フロントケース
200 下部フロントケース
300 ヒンジ部
301 ヒンジ半円部
302 ヒンジ半円部
401、402 電子基板
403 フレキシブルケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフロントケースに載せる第1の電子基板と第2のフロントケースに載せる第2の電子基板をフレキシブルケーブルにより電気的に接続して構成される部品と、
前記第1のフロントケースが有する第1の端部において所定の回転軸を中心軸とする第1の略半円筒型の形状及び前記第2のフロントケースが有する第2の端部において前記回転軸を中心軸とする第2の略半円筒型の形状を設けて構成され、前記第1のフロントケース及び前記第2のフロントケースの双方を前記回転軸において回転する構造を有するヒンジ部を有し、
前記ヒンジ部は、当該ヒンジ部が回転することにより前記第1のフロントケース及び前記第2のフロントケースが開いた状態にあるときに、前記第2の端部が前記第1の端部の鉛直上方に位置する構造を有し、前記第1の略半円筒型の形状及び前記第2の略半円筒型の形状が一つの略円筒状の空洞部を構成し、当該空洞部に前記フレキシブルケーブルを収納し得ることを特徴とする携帯電話機において、
前記第2の端部は、当該第2の端部において前記フレキシブルケーブルが挿通可能な程度の孔を形成し、
前記第2の端部に取り付け可能であり、前記孔を被覆する形状を有する保護カバーを有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記保護カバーは、前記第2の端部への取り付けを固定するフックを有し、
前記第2の端部は、前記フックを差し込む差込口を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
第1のフロントケースに載せる第1の電子基板と第2のフロントケースに載せる第2の電子基板をフレキシブルケーブルにより電気的に接続して構成される部品と、
前記第1のフロントケースが有する第1の端部において所定の回転軸を中心軸とする第1の略半円筒型の形状及び前記第2のフロントケースが有する第2の端部において前記回転軸を中心軸とする第2の略半円筒型の形状を設けて構成され、前記第1のフロントケース及び前記第2のフロントケースの双方を前記回転軸において回転する構造を有するヒンジ部を有し、
前記ヒンジ部は、当該ヒンジ部が回転することにより前記第1のフロントケース及び前記第2のフロントケースが開いた状態にあるときに、前記第2の端部が前記第1の端部の鉛直上方に位置する構造を有し、前記第1の略半円筒型の形状及び前記第2の略半円筒型の形状が一つの略円筒状の空洞部を構成し、当該空洞部に前記フレキシブルケーブルを収納し得ることを特徴とする携帯電話機の製造方法において、
前記第1の電子基板を前記第1のフロントケースに載せ、前記第2の電子基板を前記第2のフロントケースに載せ、前記フレキシブルケーブルを前記空洞部に収納し、前記第2の端部に形成した孔に前記フレキシブルケーブルの一端を設ける搭載工程と、
前記第2の端部に取り付け可能であり、前記孔を被覆する形状を有する保護カバーを前記第2の端部に取り付ける取付工程を有することを特徴とする携帯電話機の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−128998(P2006−128998A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313767(P2004−313767)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】