携帯電話機および携帯電話機における文字入力方法
【課題】 容易に文字を入力でき、指への負担が少ない携帯電話機および携帯電話機における文字入力方法を提供する。
【解決手段】 表示装置13は、ユーザの操作によらずに一定の時間間隔で、”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する。ユーザがいずれかのダイヤルキーを押下すると、入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーに割り当てられた子音「α」を取得し、母音回転判定部18は、キー押下時間τを計測してτと母音逆回転時間Tとを比較する。τがT以上の場合、母音回転判定部18は、母音を逆の順序で順番に表示させる。入力文字判定部17は、ダイヤルキーが解放された時に表示されている母音「β」を入力文字の母音として取得する。入力文字判定部17は、子音「α」と母音「β」との対応関係に基づいて、入力文字を決定する。
【解決手段】 表示装置13は、ユーザの操作によらずに一定の時間間隔で、”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する。ユーザがいずれかのダイヤルキーを押下すると、入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーに割り当てられた子音「α」を取得し、母音回転判定部18は、キー押下時間τを計測してτと母音逆回転時間Tとを比較する。τがT以上の場合、母音回転判定部18は、母音を逆の順序で順番に表示させる。入力文字判定部17は、ダイヤルキーが解放された時に表示されている母音「β」を入力文字の母音として取得する。入力文字判定部17は、子音「α」と母音「β」との対応関係に基づいて、入力文字を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮名文字を入力することができる携帯電話機および携帯電話機における文字入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の機能には、音声通話機能だけでなく、電話帳機能やメール機能などの文字データを扱う機能が数多くある。一般には、携帯電話機に備えられたダイヤルキーなどを操作することによって文字を入力することができる。しかし、ダイヤルキーの数は、「1」から「0」の数字と、「*」および「#」の記号が表示された12個と少ないため、入力が困難である。また、携帯電話機は小型化が進んでいるため、キーの種類を大幅に増やすことは難しい。
【0003】
そのため、仮名文字を入力するに際して、キーの数を増やすことなく、操作性の向上を図るキー入力装置および携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−328765号公報(段落0039−0042)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方式では、文字を入力するためにダイヤルキーを押下する回数が多くなるため、入力が面倒であるという問題がある。
【0006】
また、日本語の仮名文字を入力する方法には、「1」から「0」の数字が表示された10個のダイヤルキーを使用する方法として、「かな方式」および「2タッチ方式」の二つの方法が知られている。
【0007】
「かな方式」では、数字の「1」が表示されたダイヤルキー(「1」キーと表記する)から「0」キーのそれぞれに、五十音の「あ」行から「わ」行までの10個の行が割り当てられる。入力時には、それぞれのダイヤルキーを1回もしくは複数回押下することによって、押下回数に応じた文字を選択することができる。例えば、「1」キーは、「あ」行の各文字(「あ」「い」「う」「え」「お」)を入力するためのキーとして使用され、「あ」を選択するためには「1」キーを1回押下し、「お」を選択するためには「1」キーを5回押下する。
【0008】
「2タッチ方式」では、「1」キーから「0」キーのそれぞれに、五十音の「あ」行から「わ」行までの10個の行が割り当てられるとともに、「1」キーから「5」キーのそれぞれに、「あ」「い」「う」「え」「お」の5個の母音が割り当てられる。入力時には、入力したい文字の行を示すダイヤルキー(「1」キーから「0」キーのいずれか)を押下し、次に入力したい文字の母音を示すダイヤルキー(「1」キーから「5」キーのいずれか)を押下する。例えば、文字「こ」を入力する場合は、「か」行が割り当てられた「2」キーを押下し、次に「こ」の母音「お」が割り当てられた「5」キーを押下する。
【0009】
1文字を入力するために必要なダイヤルキーの押下回数は、「かな方式」においては平均して2,3回であり、「2タッチ方式」では2回となる。したがって、文字を入力するためにダイヤルキーを押下する回数が多くなるため、入力が面倒であるとともに、指への負担が大きいという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、容易に文字を入力でき、指への負担が少ない携帯電話機および携帯電話機における文字入力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による携帯電話機は、仮名文字以外の情報を入力するためのダイヤルキーを有し、ダイヤルキーの押下によって仮名文字を入力可能な携帯電話機であって、仮名文字入力時に母音を示す情報を順番に繰り返し出力する母音出力手段と、押下されたダイヤルキーと、押下されたダイヤルキーが解放された時に母音出力手段が出力した母音を示す情報との対応関係に基づいて、入力文字を判定する入力文字判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
文字を表示可能な表示手段を備え、母音出力手段は、母音を示す情報として表示手段に母音を示す文字を順番に繰り返し出力してもよい。そのような構成によれば、表示手段に出力される文字に基づいて入力したい文字の母音を選択することができる。
【0013】
ダイヤルキーが操作された場合に発光する発光手段を備え、発光手段は、少なくとも母音の数の種類の色を発光し、母音出力手段は、予め定義された母音と発光色との対応関係に基づいて、母音を示す情報として発光手段に異なる色を順番に繰り返し発光させてもよい。そのような構成によれば、発光手段が発光する色に基づいて入力したい文字の母音を選択することができるため、ダイヤルキーのみに視線をおいて文字を入力することができ、文字入力の際の利便性を高めることができる。
【0014】
ダイヤルキーが押下されてから解放されるまでの時間を示すキー押下時間を検出し、予め定められたキー押下時間の規定値とキー押下時間とを比較し、比較結果に基づいて母音出力手段が出力する母音の順序を変更する母音回転判定手段を備えてもよい。そのような構成によれば、キーを押下するタイミングが遅れた場合でも、キーを押下し続けることにより、入力文字が決定される前に母音の表示順序を逆にすることができる。したがって、母音が1周して再び表示されるまで待つ必要がなく、文字を素早く入力することができる。
【0015】
母音回転判定手段は、予め定められた特定のキーが押下された場合に母音出力手段が出力する母音の順序を変更してもよい。そのような構成によれば、母音の表示順序を逆にするためにキーを押下し続ける必要がないため、指への負担が少なく、素早く入力することができる。
【0016】
本発明による携帯電話機における文字入力方法は、1から0までの数字が表示された10個のダイヤルキーを備え、ダイヤルキーのそれぞれに五十音のあ行からわ行までの10個の行が割り当てられ、仮名文字を入力可能な携帯電話機における文字入力方法であって、仮名文字入力時に母音を示す情報を順番に繰り返し出力し、押下されたダイヤルキーと、押下されたダイヤルキーが解放された時に出力された母音を示す情報との対応関係に基づいて、入力文字を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、押下したキーに基づいて入力したい文字の子音を選択することができるとともに、表示された母音や発光色に基づいて入力したい文字の母音を選択することができることから、1回キーを押下して解放するだけで1文字を入力することができる。したがって、指への負担が少なく、容易に文字を入力できるという効果がある。また、キーを押下する回数が少なくてすむため、キー装置の劣化を防ぐことができる。
【0018】
キーを押下するタイミングが遅れた場合でも、キーを押下し続けることにより、または特定のキーを押下することにより、入力文字が決定される前に母音の表示順序を逆にすることができる。したがって、母音が1周して再び表示されるまで待つ必要がなく、文字を素早く入力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による携帯電話機10の第1の実施の形態を示すブロック図である。図1に示す携帯電話機10は、無線装置11と、送話装置12と、表示装置13と、キー装置14と、受話装置15と、制御回路部16とを備える。図2は、携帯電話機の外観の一例を示す正面図である。
【0020】
無線装置11は、アンテナを介して携帯電話網の基地局と無線通信を行う。携帯電話機10は、他の携帯電話機や固定電話機等の通信機器と、携帯電話網を介して電話やデータ通信を行うことができる。送話装置12は、通話を行うための音声入力装置であり、受話装置15は、通話を行うための受話音声出力装置である。
【0021】
表示装置13は、例えば液晶表示装置や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ装置等のディスプレイ装置によって実現され、情報を表示する。表示装置13は、仮名文字入力時に、図3に示す文字入力画面300を表示する。
【0022】
図3は、第1の実施の形態における文字入力画面300の一例を示す説明図である。文字入力画面300は、本文表示部301と、母音表示部302と、切替表示部303とを含む。本文表示部301は、入力された本文を表示する(図3(A)参照)。母音表示部302は、ユーザの操作によらずに、”A”,”I”,”U”,”E”,”O”のそれぞれの文字を、順番に繰り返して表示する(図3(B)参照)。切替表示部303は、漢字とアルファベットおよび全角と半角の切替時に必要な情報や、メニューキーを表示するために必要な情報を表示する(図3(A)参照)。
【0023】
キー装置14は、情報を入力するための複数のキーを有する。キー装置14は、「1」から「0」の数字と、「*」および「#」の記号が表示されたダイヤルキーを含み、入力された情報を制御回路部16に出力する。図4は、ダイヤルキーとダイヤルキーに割り当てられたローマ字表記時の子音および五十音の行との対応関係の一例を示す説明図である。「1」キーから「0」キーのそれぞれに、ローマ字表記時の子音、すなわち五十音の「あ」行から「わ」行までの10個の行が割り当てられる。
【0024】
制御回路部16は、携帯電話機10の各種の制御を行う。制御回路部16は、入力文字判定部17と母音回転判定部18とを備える。また、制御回路部16は、携帯電話機10の各部を制御するCPU(図示せず。)と、CPUが実行する各種の制御プログラムや仮名文字変換等に使用される辞書等の固定的なデータを記憶するROM(Read Only Memory)(図示せず。)と、CPUがプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータなどの各種データを記憶する作業用メモリ(図示せず。)と、各種の設定情報を記憶する制御定義用メモリ(図示せず。)とを備える。
【0025】
入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーと押下されたダイヤルキーが解放された時に表示装置13に表示された母音との対応関係に基づいて、入力文字を判定する処理を実行する機能を有する。押下されたダイヤルキーと押下されたダイヤルキーが解放された時に表示装置13に表示された母音との対応関係は、ROMに記憶される。図5は、入力文字判定部17が入力文字を判定する方法の一例を示す説明図である。例えば、「2」キーが押下され、解放された時に表示装置13に”U”が表示されていた場合に、入力文字判定部17は、表示装置13に文字「く」を表示する。なお、”っ”などの小さい文字や、”ん”、濁点、半濁点などは、子音と母音の組み合わせのうち、仮名として存在しない組み合わせ(例えば、子音”W”と母音”I”の組み合わせ)や、「*」キーおよび「「#」キーに割り当てるものとする。なお、以下の説明では、キーを押すことのみを押下と表現し、押していたキーを放すことを解放と表現する。
【0026】
母音回転判定部18は、ダイヤルキーが押下されてから解放されるまでの時間を示すキー押下時間τと、予め設定された母音逆回転時間Tとの比較を行い、τがT以上の場合に、母音表示部302に表示する母音を逆の順序で表示する処理を実行する機能を有する。
なお、以下の説明では、母音表示部302に表示する母音を逆の順序で表示することを母音逆回転と表現する。母音逆回転時間Tは、ダイヤルキーが押下されてから、母音が逆の順序で表示されるまでの時間を示す。母音逆回転時間Tは制御定義用メモリに記憶され、キー押下時間τは作業用メモリに記憶される。
【0027】
図6は、母音回転判定部18がキー押下時間τと母音逆回転時間Tとの比較を行い、入力文字判定部17が入力文字の母音を取得する方法の一例を示す説明図である。図6に示す例では、横軸に経過時間を示し、キー押下時間τと母音の表示の更新状況とを示す。
【0028】
文字入力画面300が表示されると、表示装置13は、母音表示部302に、ユーザの操作によらずに一定の時間間隔で、”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する(図6(a)参照)。
【0029】
そして、ユーザがいずれかのダイヤルキーを押下すると、入力文字判定部17によって母音の表示の更新が停止される。また、母音回転判定部18は、キー押下時間τの計測を開始する。母音回転判定部18は、予め定められた一定の周期でτとTを比較する。入力文字判定部17は、ユーザがダイヤルキーを解放した時に母音表示部302に表示された母音を取得する。図6(b),(c)に示す例では、母音表示部302に母音”E”が表示されている時にユーザがいずれかのダイヤルキーを押下し、更新が停止した場合を示す。
【0030】
τがTより小さい場合にユーザがダイヤルキーを解放すると、母音回転判定部18は処理を終了する。入力文字判定部17は、母音表示部302に表示されている母音”E”を入力文字の母音として取得する(図6(b)参照)。
【0031】
一方、ユーザがダイヤルキーを解放せず、τがT以上となったことを計測した場合、母音回転判定部18は、母音表示部302に母音を逆の順序で表示させる。図6(c)に示す例では、母音”E”が表示され、τがT以上となった時から、母音”O”,”A”の順序ではなく、逆の”U”,”I”の順に表示される。そして、入力文字判定部17は、ユーザがダイヤルキーを解放した時点で母音表示部302に表示されている母音”I”を入力文字の母音として取得する。
【0032】
第1の実施の形態において、母音出力手段および表示手段は表示装置13によって実現される。入力文字判定手段は入力文字判定部17によって実現される。母音回転判定手段は母音回転判定部18によって実現される。
【0033】
次に、図7および図8を参照して本実施の形態の動作について説明する。図7は、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理を示すフローチャートである。図8は、母音回転判定部18が、母音表示部302に表示する母音の表示順序を判定する処理を示すフローチャートである。
【0034】
文字入力画面300が表示されると、表示装置13は、母音表示部302に一定の時間間隔で”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する。いずれかのダイヤルキーが押下されると、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理が開始されるとともに、母音回転判定部18が母音表示部302に表示する母音の表示順序を判定する処理が開始される。
【0035】
図7を参照して、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理について説明する。ステップS71において、入力文字判定部17は、母音の表示の更新を停止する。入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーに割り当てられた子音「α」を取得し、作業用メモリに格納する(ステップS72)。
【0036】
入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する(ステップS73)。解放された場合(YES)、入力文字判定部17は、母音表示部302に表示されている母音「β」を取得し、作業用メモリに格納する(ステップS74)。一方、解放されていない場合(NO)、ステップS73に移行し、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する処理を繰り返す。
【0037】
ステップS75において、入力文字判定部17は、作業用メモリに格納した子音「α」および母音「β」を参照し、図5に例示する子音「α」と母音「β」との対応関係に基づいて、入力文字を決定し、本文表示部301に表示する。例えば、「2」キーが押下された場合は、ステップS72において、「2」キーに割り当てられた子音「K」を取得し、ステップS74において、母音「E」を取得した場合、入力文字として「け」が決定され、本文表示部301に「け」が表示される。
【0038】
入力文字判定部17が入力文字を決定すると、次の入力文字を判定する処理を行うために、表示装置13は、母音表示部302に一定の時間間隔で”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する。いずれかのダイヤルキーが押下された場合は、ステップS71に移行し、文字入力画面300における文字入力が終了された場合は、一連の処理を終了する。
【0039】
次に、図8を参照して、母音回転判定部18が、母音表示部302に表示される母音の表示順序を判定する処理について説明する。
【0040】
ステップS81において、母音回転判定部18は、キー押下時間τを0に設定する。母音回転判定部18は、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する(ステップS82)。解放された場合(YES)、母音回転判定部18は一連の処理を終了する。一方、解放されていない場合(NO)、キー押下時間τを計測する(ステップS83)。
【0041】
次に、母音回転判定部18は、予め設定された母音逆回転時間Tとキー押下時間τとを比較する(ステップS84)。τがT以上である場合(YES)、ステップS85に移行する。一方、τがTよりも小さい場合(NO)、ステップS82に移行し、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する処理を実行する。
【0042】
ステップS85において、表示装置13は、母音表示部302に表示されている母音を基準として、それまでとは逆の”O”,”E”,”U”,”I”,”A”の順番に母音を繰り返して表示し、一連の処理を終了する。
【0043】
なお、入力文字判定部17による処理と母音回転判定部18による処理とは、同期を取って実行される。文字入力画面300の母音表示部302に母音が繰り返して表示され、いずれかのダイヤルキーが押下された場合に、入力文字判定部17による処理と母音回転判定部18による処理とが同時に起動される。また、母音回転判定部18による処理が終了した後に、入力文字判定部17は、ステップS73における、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する処理を実行する。
【0044】
例えば、文字入力画面300の母音表示部302に母音が繰り返して表示され、「E」が表示されている時に「2」キーが押下された場合、入力文字判定部17による処理と母音回転判定部18による処理とが同時に起動される。
【0045】
入力文字判定部17は、母音の表示の更新を停止し、母音表示部302に「E」が表示されたままとなる。入力文字判定部17は、「2」キーに割り当てられた子音「K」を取得し、作業用メモリに格納する。
【0046】
一方、母音回転判定部18は、キー押下時間τを0に設定し、押下された「2」キーが解放されたか否かを判定する。「2」キーは解放されていないため、母音回転判定部18は、キー押下時間τを計測し、母音逆回転時間Tと比較する。ここで、τがT以上であった場合、表示装置13は、母音表示部302に表示されている母音「E」を基準として、それまでとは逆の”U”,”I”,”A”,”O”,”E”の順番に母音を繰り返して表示し、処理を終了する。
【0047】
入力文字判定部17は、押下された「2」キーが解放されたか否かの判定を行う。母音表示部302に逆の”U”,”I”の順番に母音が繰り返し表示され、「I」が表示された時に「2」キーが解放された場合、入力文字判定部17は、母音表示部302に表示されている母音「I」を取得し、作業用メモリに格納する。入力文字判定部17は、作業用メモリに格納した子音「K」および母音「I」を参照し、入力文字として本文表示部301に「き」を表示する。
【0048】
以上に説明したように、上記の第1の実施の形態によれば、押下したキーに基づいて入力したい文字の子音を選択することができるとともに、表示された母音に基づいて入力したい文字の母音を選択することができることから、1回キーを押下して解放するだけで1文字を入力することができる。したがって、容易に文字を入力でき、指への負担が少ないという効果がある。また、キーを押下する回数が少なくてすむため、キー装置の劣化を防ぐことができる。さらに、キーを押下するタイミングが遅れた場合でも、キーを押下し続けることにより、入力文字が決定される前に母音の表示順序を逆にすることができるため、誤入力とならない。また、母音が1周して再び表示されるまで待つ必要がなく、文字を素早く入力することができる。
【0049】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。図9は、第2の実施の形態におけるキー装置14の構成例を示す説明図である。
【0050】
図9に例示するように、キー装置14は、各ダイヤルキーにキーバックライト91を備える。キーバックライト91は、周囲が暗い場合でもキー操作が容易に行えることを目的として、キー装置14が操作された場合に点灯する照明である。キーバックライト91は、光源として、少なくとも母音の種類、すなわち5種類の色を発光可能な多色発光LED(Light Emitting Diode)を備える。
【0051】
図10は、第2の実施の形態におけるキーバックライト91の動作の一例を示す説明図である。キーバックライト91は、ユーザの操作によらずに、予め定義された母音と発光色との対応関係に基づいて、異なる色を順番に発光する。図11は、第2の実施の形態におけるキーバックライト91の発光色と母音との対応関係の一例を示す説明図である。図11に示す例では、母音”A”と”赤”、母音”I”と”黄”、母音”U”と”緑”、母音”E”と”青”、母音”O”と”紫”が対応付けられている。したがって、図10に示す例では、キーバックライト91は、”赤”、”黄”、”緑”、”青”、”紫”の色を順番に繰り返して発光する。
【0052】
第2の実施の形態において、文字入力画面300は、本文表示部301と、切替表示部303とを含む。また、入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーと、押下されたダイヤルキーが解放された時にキーバックライト91が発光する色が示す母音との対応関係に基づいて、入力文字を判定する処理を実行する機能を有する。例えば、「2」キーが押下され、解放された時にキーバックライト91が緑を発光していた場合に、入力文字判定部17は、表示装置13に文字「く」を表示する。
【0053】
母音回転判定部18は、ダイヤルキーが押下されてから解放されるまでの時間を示すキー押下時間τと、予め設定された母音逆回転時間Tとの比較を行い、τがT以上の場合に、キーバックライト91が発光する色を逆の順序で発光する処理を実行する機能を有する。なお、第2の実施の形態のその他の構成は、第1の実施の形態と同様なため説明を省略する。
【0054】
第2の実施の形態において、母音出力手段および発光手段はキーバックライト91によって実現される。
【0055】
次に、図7および図8を参照して本実施の形態の動作について説明する。文字入力画面300が表示されると、キーバックライト91は、一定の時間間隔で、”赤”、”黄”、”緑”、”青”、”紫”の順番に繰り返し発光する。いずれかのダイヤルキーが押下されると、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理が開始されるとともに、母音回転判定部18がキーバックライト91が発光する色の順序を判定する処理が開始される。なお、図7におけるステップS71からステップS73の処理は、実施の形態1における処理と同様なため説明を省略する。
【0056】
ステップS73において、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かが判定され、解放された場合(YES)、入力文字判定部17は、キーバックライト91が発光する色が示す母音「β」を取得し、作業用メモリに格納する(ステップS74)。一方、解放されていない場合(NO)、ステップS73に移行し、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する処理を繰り返す。
【0057】
ステップS75において、入力文字判定部17は、作業用メモリに格納した子音「α」および母音「β」を参照し、図5に例示する子音「α」と母音「β」との対応関係に基づいて、入力文字を決定し、本文表示部301に表示する。例えば、「2」キーが押下された場合は、ステップS72において、「2」キーに割り当てられた子音「K」を取得し、ステップS74において、母音「E」を取得した場合、入力文字として「け」が決定され、本文表示部301に「け」が表示される。
【0058】
入力文字判定部17が入力文字を決定すると、次の入力文字を判定する処理を行うために、キーバックライト91は、一定の時間間隔で”赤”、”黄”、”緑”、”青”、”紫”の順番に繰り返して発光する。いずれかのダイヤルキーが押下された場合は、ステップS71に移行し、文字入力画面300における文字入力が終了された場合は、一連の処理を終了する。
【0059】
次に、図8を参照して、母音回転判定部18が、キーバックライト91が発光する色の順序を判定する処理について説明する。なお、図8におけるステップS81からステップS84の処理は、実施の形態1における処理と同様なため説明を省略する。
【0060】
ステップS85において、キーバックライト91は、発光している色を基準として、それまでとは逆の”紫”,”青”,”緑”,”黄”,”赤”の順番に繰り返して発光し、一連の処理を終了する。
【0061】
以上に説明したように、上記の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態による効果に加えて、ダイヤルキーの押下時に母音の表示を確認するために表示装置13へ視線を移す必要がなく、ダイヤルキーのみに視線をおいて文字を入力することができる。したがって、文字入力の際の利便性を高めることができる。
【0062】
なお、第2の実施の形態では、キーバックライト91が発光する色として、”赤”、”黄”、”緑”、”青”、”紫”を例示したが、その他の色および順序であってもよい。
【0063】
実施の形態3.
上記の第1および第2の実施の形態では、母音表示部302に表示する母音の順序を逆にするための判定条件として、キー押下時間τと母音逆回転時間Tとを比較する場合を示したが、ダイヤルキーとは別のある特定のキーが押下された場合を判定条件としてもよい。
【0064】
本発明の第3の実施の形態を図面を参照して説明する。図2におけるキー装置14は、音声通話等の際に使用する通話キー24を含む。通話キー24は、表示装置13に文字入力画面300が表示されている場合には、母音表示部302に表示する母音の順序を逆にするためのキーとして使用される。
【0065】
母音回転判定部18は、文字入力画面300が表示された場合に、予め定められた一定の時間間隔で、通話キー24が押下されたか否かの判定を行い、通話キー24が押下されたと判定した場合に、母音表示部302に表示する母音を逆の順序で表示する処理を実行する機能を有する。なお、第3の実施の形態のその他の構成は、第1の実施の形態と同様なため説明を省略する。
【0066】
次に、図12を参照して本実施の形態の動作について説明する。図12は、第3の実施の形態における母音回転判定部18が母音表示部302に表示する母音の表示順序を判定する処理を示すフローチャートである。
【0067】
文字入力画面300が表示されると、表示装置13は、母音表示部302に一定の時間間隔で”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する。いずれかのダイヤルキーが押下されると、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理が開始されるとともに、母音回転判定部18が、母音表示部302に表示する母音の表示順序を判定する処理が開始される。なお、第3の実施の形態における入力文字判定部17の処理は、第1の実施の形態と同様なため説明を省略する。
【0068】
母音回転判定部18は、予め定められた一定の時間間隔で、通話キー24が押下されたか否かの判定を行う(ステップS1201)。通話キー24が押下されたと判定した場合は、ステップS1202に移行する。通話キー24が押下されていないと判定した場合は、ステップS1201に移行して、通話キー24が押下されたか否かの判定を繰り返し行う。
【0069】
ステップS1202において、表示装置13は、母音表示部302に表示されている母音を基準として、それまでとは逆の”O”,”E”,”U”,”I”,”A”の順番に母音を繰り返して表示し、ステップS1201に移行する。母音回転判定部18は、文字入力画面300が表示されている間、処理を継続し、文字入力画面300が終了された場合に一連の処理を終了する。
【0070】
以上に説明したように、第3の実施の形態によれば、母音の表示順序を逆にするためにキーを押下し続ける必要がないため、指への負担が少なく素早く入力することができる。
【0071】
ダイヤルキーを押下しながら通話キー24を押下することにより、第1の実施の形態におけるキー押下時間τが母音逆回転時間T以上となった場合の処理と同様に、入力文字の決定前に母音の表示順序を逆にすることができる。したがって、キーを押下するタイミングが遅れた場合でも、文字を素早く入力することができる。また、ダイヤルキーが押下されていない場合に、通話キー24が押下されてもよい。その場合は、選択したい母音が早く表示される順序をユーザが選択することができ、文字を素早く入力することができる。
【0072】
なお、第3の実施の形態では、母音表示部302に表示する母音の順序を逆にするためのキーとして通話キー24を例示したが、その他のキーであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、仮名文字に割り当てられていないキーの入力によって仮名文字入力を実現する携帯電話機などの機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による携帯電話機の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】携帯電話機の外観の一例を示す正面図である。
【図3】文字入力画面の一例を示す説明図である。
【図4】ダイヤルキーとダイヤルキーに割り当てられた行との対応関係の一例を示す説明図である。
【図5】入力文字判定部が入力文字を判定する方法の一例を示す説明図である。
【図6】母音回転判定部がキー押下時間と母音逆回転時間との比較を行い、入力文字判定部が入力文字の母音を取得する方法の一例を示す説明図である。
【図7】入力文字判定部が入力文字を判定する処理を示すフローチャートである。
【図8】母音回転判定部が母音の表示順序を判定する処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態におけるキー装置の構成例を示す説明図である。
【図10】第2の実施の形態におけるキーバックライト91の動作の一例を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態におけるキーバックライトの発光色と母音との対応関係の一例を示す説明図である。
【図12】第3の実施の形態における母音回転判定部が母音の表示順序を判定する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
10 携帯電話機
11 無線部
12 送話装置
13 表示装置
14 キー装置
15 受話装置
16 制御回路部
17 入力文字判定部
18 母音回転判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮名文字を入力することができる携帯電話機および携帯電話機における文字入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の機能には、音声通話機能だけでなく、電話帳機能やメール機能などの文字データを扱う機能が数多くある。一般には、携帯電話機に備えられたダイヤルキーなどを操作することによって文字を入力することができる。しかし、ダイヤルキーの数は、「1」から「0」の数字と、「*」および「#」の記号が表示された12個と少ないため、入力が困難である。また、携帯電話機は小型化が進んでいるため、キーの種類を大幅に増やすことは難しい。
【0003】
そのため、仮名文字を入力するに際して、キーの数を増やすことなく、操作性の向上を図るキー入力装置および携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−328765号公報(段落0039−0042)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方式では、文字を入力するためにダイヤルキーを押下する回数が多くなるため、入力が面倒であるという問題がある。
【0006】
また、日本語の仮名文字を入力する方法には、「1」から「0」の数字が表示された10個のダイヤルキーを使用する方法として、「かな方式」および「2タッチ方式」の二つの方法が知られている。
【0007】
「かな方式」では、数字の「1」が表示されたダイヤルキー(「1」キーと表記する)から「0」キーのそれぞれに、五十音の「あ」行から「わ」行までの10個の行が割り当てられる。入力時には、それぞれのダイヤルキーを1回もしくは複数回押下することによって、押下回数に応じた文字を選択することができる。例えば、「1」キーは、「あ」行の各文字(「あ」「い」「う」「え」「お」)を入力するためのキーとして使用され、「あ」を選択するためには「1」キーを1回押下し、「お」を選択するためには「1」キーを5回押下する。
【0008】
「2タッチ方式」では、「1」キーから「0」キーのそれぞれに、五十音の「あ」行から「わ」行までの10個の行が割り当てられるとともに、「1」キーから「5」キーのそれぞれに、「あ」「い」「う」「え」「お」の5個の母音が割り当てられる。入力時には、入力したい文字の行を示すダイヤルキー(「1」キーから「0」キーのいずれか)を押下し、次に入力したい文字の母音を示すダイヤルキー(「1」キーから「5」キーのいずれか)を押下する。例えば、文字「こ」を入力する場合は、「か」行が割り当てられた「2」キーを押下し、次に「こ」の母音「お」が割り当てられた「5」キーを押下する。
【0009】
1文字を入力するために必要なダイヤルキーの押下回数は、「かな方式」においては平均して2,3回であり、「2タッチ方式」では2回となる。したがって、文字を入力するためにダイヤルキーを押下する回数が多くなるため、入力が面倒であるとともに、指への負担が大きいという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、容易に文字を入力でき、指への負担が少ない携帯電話機および携帯電話機における文字入力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による携帯電話機は、仮名文字以外の情報を入力するためのダイヤルキーを有し、ダイヤルキーの押下によって仮名文字を入力可能な携帯電話機であって、仮名文字入力時に母音を示す情報を順番に繰り返し出力する母音出力手段と、押下されたダイヤルキーと、押下されたダイヤルキーが解放された時に母音出力手段が出力した母音を示す情報との対応関係に基づいて、入力文字を判定する入力文字判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
文字を表示可能な表示手段を備え、母音出力手段は、母音を示す情報として表示手段に母音を示す文字を順番に繰り返し出力してもよい。そのような構成によれば、表示手段に出力される文字に基づいて入力したい文字の母音を選択することができる。
【0013】
ダイヤルキーが操作された場合に発光する発光手段を備え、発光手段は、少なくとも母音の数の種類の色を発光し、母音出力手段は、予め定義された母音と発光色との対応関係に基づいて、母音を示す情報として発光手段に異なる色を順番に繰り返し発光させてもよい。そのような構成によれば、発光手段が発光する色に基づいて入力したい文字の母音を選択することができるため、ダイヤルキーのみに視線をおいて文字を入力することができ、文字入力の際の利便性を高めることができる。
【0014】
ダイヤルキーが押下されてから解放されるまでの時間を示すキー押下時間を検出し、予め定められたキー押下時間の規定値とキー押下時間とを比較し、比較結果に基づいて母音出力手段が出力する母音の順序を変更する母音回転判定手段を備えてもよい。そのような構成によれば、キーを押下するタイミングが遅れた場合でも、キーを押下し続けることにより、入力文字が決定される前に母音の表示順序を逆にすることができる。したがって、母音が1周して再び表示されるまで待つ必要がなく、文字を素早く入力することができる。
【0015】
母音回転判定手段は、予め定められた特定のキーが押下された場合に母音出力手段が出力する母音の順序を変更してもよい。そのような構成によれば、母音の表示順序を逆にするためにキーを押下し続ける必要がないため、指への負担が少なく、素早く入力することができる。
【0016】
本発明による携帯電話機における文字入力方法は、1から0までの数字が表示された10個のダイヤルキーを備え、ダイヤルキーのそれぞれに五十音のあ行からわ行までの10個の行が割り当てられ、仮名文字を入力可能な携帯電話機における文字入力方法であって、仮名文字入力時に母音を示す情報を順番に繰り返し出力し、押下されたダイヤルキーと、押下されたダイヤルキーが解放された時に出力された母音を示す情報との対応関係に基づいて、入力文字を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、押下したキーに基づいて入力したい文字の子音を選択することができるとともに、表示された母音や発光色に基づいて入力したい文字の母音を選択することができることから、1回キーを押下して解放するだけで1文字を入力することができる。したがって、指への負担が少なく、容易に文字を入力できるという効果がある。また、キーを押下する回数が少なくてすむため、キー装置の劣化を防ぐことができる。
【0018】
キーを押下するタイミングが遅れた場合でも、キーを押下し続けることにより、または特定のキーを押下することにより、入力文字が決定される前に母音の表示順序を逆にすることができる。したがって、母音が1周して再び表示されるまで待つ必要がなく、文字を素早く入力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による携帯電話機10の第1の実施の形態を示すブロック図である。図1に示す携帯電話機10は、無線装置11と、送話装置12と、表示装置13と、キー装置14と、受話装置15と、制御回路部16とを備える。図2は、携帯電話機の外観の一例を示す正面図である。
【0020】
無線装置11は、アンテナを介して携帯電話網の基地局と無線通信を行う。携帯電話機10は、他の携帯電話機や固定電話機等の通信機器と、携帯電話網を介して電話やデータ通信を行うことができる。送話装置12は、通話を行うための音声入力装置であり、受話装置15は、通話を行うための受話音声出力装置である。
【0021】
表示装置13は、例えば液晶表示装置や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ装置等のディスプレイ装置によって実現され、情報を表示する。表示装置13は、仮名文字入力時に、図3に示す文字入力画面300を表示する。
【0022】
図3は、第1の実施の形態における文字入力画面300の一例を示す説明図である。文字入力画面300は、本文表示部301と、母音表示部302と、切替表示部303とを含む。本文表示部301は、入力された本文を表示する(図3(A)参照)。母音表示部302は、ユーザの操作によらずに、”A”,”I”,”U”,”E”,”O”のそれぞれの文字を、順番に繰り返して表示する(図3(B)参照)。切替表示部303は、漢字とアルファベットおよび全角と半角の切替時に必要な情報や、メニューキーを表示するために必要な情報を表示する(図3(A)参照)。
【0023】
キー装置14は、情報を入力するための複数のキーを有する。キー装置14は、「1」から「0」の数字と、「*」および「#」の記号が表示されたダイヤルキーを含み、入力された情報を制御回路部16に出力する。図4は、ダイヤルキーとダイヤルキーに割り当てられたローマ字表記時の子音および五十音の行との対応関係の一例を示す説明図である。「1」キーから「0」キーのそれぞれに、ローマ字表記時の子音、すなわち五十音の「あ」行から「わ」行までの10個の行が割り当てられる。
【0024】
制御回路部16は、携帯電話機10の各種の制御を行う。制御回路部16は、入力文字判定部17と母音回転判定部18とを備える。また、制御回路部16は、携帯電話機10の各部を制御するCPU(図示せず。)と、CPUが実行する各種の制御プログラムや仮名文字変換等に使用される辞書等の固定的なデータを記憶するROM(Read Only Memory)(図示せず。)と、CPUがプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータなどの各種データを記憶する作業用メモリ(図示せず。)と、各種の設定情報を記憶する制御定義用メモリ(図示せず。)とを備える。
【0025】
入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーと押下されたダイヤルキーが解放された時に表示装置13に表示された母音との対応関係に基づいて、入力文字を判定する処理を実行する機能を有する。押下されたダイヤルキーと押下されたダイヤルキーが解放された時に表示装置13に表示された母音との対応関係は、ROMに記憶される。図5は、入力文字判定部17が入力文字を判定する方法の一例を示す説明図である。例えば、「2」キーが押下され、解放された時に表示装置13に”U”が表示されていた場合に、入力文字判定部17は、表示装置13に文字「く」を表示する。なお、”っ”などの小さい文字や、”ん”、濁点、半濁点などは、子音と母音の組み合わせのうち、仮名として存在しない組み合わせ(例えば、子音”W”と母音”I”の組み合わせ)や、「*」キーおよび「「#」キーに割り当てるものとする。なお、以下の説明では、キーを押すことのみを押下と表現し、押していたキーを放すことを解放と表現する。
【0026】
母音回転判定部18は、ダイヤルキーが押下されてから解放されるまでの時間を示すキー押下時間τと、予め設定された母音逆回転時間Tとの比較を行い、τがT以上の場合に、母音表示部302に表示する母音を逆の順序で表示する処理を実行する機能を有する。
なお、以下の説明では、母音表示部302に表示する母音を逆の順序で表示することを母音逆回転と表現する。母音逆回転時間Tは、ダイヤルキーが押下されてから、母音が逆の順序で表示されるまでの時間を示す。母音逆回転時間Tは制御定義用メモリに記憶され、キー押下時間τは作業用メモリに記憶される。
【0027】
図6は、母音回転判定部18がキー押下時間τと母音逆回転時間Tとの比較を行い、入力文字判定部17が入力文字の母音を取得する方法の一例を示す説明図である。図6に示す例では、横軸に経過時間を示し、キー押下時間τと母音の表示の更新状況とを示す。
【0028】
文字入力画面300が表示されると、表示装置13は、母音表示部302に、ユーザの操作によらずに一定の時間間隔で、”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する(図6(a)参照)。
【0029】
そして、ユーザがいずれかのダイヤルキーを押下すると、入力文字判定部17によって母音の表示の更新が停止される。また、母音回転判定部18は、キー押下時間τの計測を開始する。母音回転判定部18は、予め定められた一定の周期でτとTを比較する。入力文字判定部17は、ユーザがダイヤルキーを解放した時に母音表示部302に表示された母音を取得する。図6(b),(c)に示す例では、母音表示部302に母音”E”が表示されている時にユーザがいずれかのダイヤルキーを押下し、更新が停止した場合を示す。
【0030】
τがTより小さい場合にユーザがダイヤルキーを解放すると、母音回転判定部18は処理を終了する。入力文字判定部17は、母音表示部302に表示されている母音”E”を入力文字の母音として取得する(図6(b)参照)。
【0031】
一方、ユーザがダイヤルキーを解放せず、τがT以上となったことを計測した場合、母音回転判定部18は、母音表示部302に母音を逆の順序で表示させる。図6(c)に示す例では、母音”E”が表示され、τがT以上となった時から、母音”O”,”A”の順序ではなく、逆の”U”,”I”の順に表示される。そして、入力文字判定部17は、ユーザがダイヤルキーを解放した時点で母音表示部302に表示されている母音”I”を入力文字の母音として取得する。
【0032】
第1の実施の形態において、母音出力手段および表示手段は表示装置13によって実現される。入力文字判定手段は入力文字判定部17によって実現される。母音回転判定手段は母音回転判定部18によって実現される。
【0033】
次に、図7および図8を参照して本実施の形態の動作について説明する。図7は、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理を示すフローチャートである。図8は、母音回転判定部18が、母音表示部302に表示する母音の表示順序を判定する処理を示すフローチャートである。
【0034】
文字入力画面300が表示されると、表示装置13は、母音表示部302に一定の時間間隔で”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する。いずれかのダイヤルキーが押下されると、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理が開始されるとともに、母音回転判定部18が母音表示部302に表示する母音の表示順序を判定する処理が開始される。
【0035】
図7を参照して、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理について説明する。ステップS71において、入力文字判定部17は、母音の表示の更新を停止する。入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーに割り当てられた子音「α」を取得し、作業用メモリに格納する(ステップS72)。
【0036】
入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する(ステップS73)。解放された場合(YES)、入力文字判定部17は、母音表示部302に表示されている母音「β」を取得し、作業用メモリに格納する(ステップS74)。一方、解放されていない場合(NO)、ステップS73に移行し、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する処理を繰り返す。
【0037】
ステップS75において、入力文字判定部17は、作業用メモリに格納した子音「α」および母音「β」を参照し、図5に例示する子音「α」と母音「β」との対応関係に基づいて、入力文字を決定し、本文表示部301に表示する。例えば、「2」キーが押下された場合は、ステップS72において、「2」キーに割り当てられた子音「K」を取得し、ステップS74において、母音「E」を取得した場合、入力文字として「け」が決定され、本文表示部301に「け」が表示される。
【0038】
入力文字判定部17が入力文字を決定すると、次の入力文字を判定する処理を行うために、表示装置13は、母音表示部302に一定の時間間隔で”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する。いずれかのダイヤルキーが押下された場合は、ステップS71に移行し、文字入力画面300における文字入力が終了された場合は、一連の処理を終了する。
【0039】
次に、図8を参照して、母音回転判定部18が、母音表示部302に表示される母音の表示順序を判定する処理について説明する。
【0040】
ステップS81において、母音回転判定部18は、キー押下時間τを0に設定する。母音回転判定部18は、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する(ステップS82)。解放された場合(YES)、母音回転判定部18は一連の処理を終了する。一方、解放されていない場合(NO)、キー押下時間τを計測する(ステップS83)。
【0041】
次に、母音回転判定部18は、予め設定された母音逆回転時間Tとキー押下時間τとを比較する(ステップS84)。τがT以上である場合(YES)、ステップS85に移行する。一方、τがTよりも小さい場合(NO)、ステップS82に移行し、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する処理を実行する。
【0042】
ステップS85において、表示装置13は、母音表示部302に表示されている母音を基準として、それまでとは逆の”O”,”E”,”U”,”I”,”A”の順番に母音を繰り返して表示し、一連の処理を終了する。
【0043】
なお、入力文字判定部17による処理と母音回転判定部18による処理とは、同期を取って実行される。文字入力画面300の母音表示部302に母音が繰り返して表示され、いずれかのダイヤルキーが押下された場合に、入力文字判定部17による処理と母音回転判定部18による処理とが同時に起動される。また、母音回転判定部18による処理が終了した後に、入力文字判定部17は、ステップS73における、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する処理を実行する。
【0044】
例えば、文字入力画面300の母音表示部302に母音が繰り返して表示され、「E」が表示されている時に「2」キーが押下された場合、入力文字判定部17による処理と母音回転判定部18による処理とが同時に起動される。
【0045】
入力文字判定部17は、母音の表示の更新を停止し、母音表示部302に「E」が表示されたままとなる。入力文字判定部17は、「2」キーに割り当てられた子音「K」を取得し、作業用メモリに格納する。
【0046】
一方、母音回転判定部18は、キー押下時間τを0に設定し、押下された「2」キーが解放されたか否かを判定する。「2」キーは解放されていないため、母音回転判定部18は、キー押下時間τを計測し、母音逆回転時間Tと比較する。ここで、τがT以上であった場合、表示装置13は、母音表示部302に表示されている母音「E」を基準として、それまでとは逆の”U”,”I”,”A”,”O”,”E”の順番に母音を繰り返して表示し、処理を終了する。
【0047】
入力文字判定部17は、押下された「2」キーが解放されたか否かの判定を行う。母音表示部302に逆の”U”,”I”の順番に母音が繰り返し表示され、「I」が表示された時に「2」キーが解放された場合、入力文字判定部17は、母音表示部302に表示されている母音「I」を取得し、作業用メモリに格納する。入力文字判定部17は、作業用メモリに格納した子音「K」および母音「I」を参照し、入力文字として本文表示部301に「き」を表示する。
【0048】
以上に説明したように、上記の第1の実施の形態によれば、押下したキーに基づいて入力したい文字の子音を選択することができるとともに、表示された母音に基づいて入力したい文字の母音を選択することができることから、1回キーを押下して解放するだけで1文字を入力することができる。したがって、容易に文字を入力でき、指への負担が少ないという効果がある。また、キーを押下する回数が少なくてすむため、キー装置の劣化を防ぐことができる。さらに、キーを押下するタイミングが遅れた場合でも、キーを押下し続けることにより、入力文字が決定される前に母音の表示順序を逆にすることができるため、誤入力とならない。また、母音が1周して再び表示されるまで待つ必要がなく、文字を素早く入力することができる。
【0049】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。図9は、第2の実施の形態におけるキー装置14の構成例を示す説明図である。
【0050】
図9に例示するように、キー装置14は、各ダイヤルキーにキーバックライト91を備える。キーバックライト91は、周囲が暗い場合でもキー操作が容易に行えることを目的として、キー装置14が操作された場合に点灯する照明である。キーバックライト91は、光源として、少なくとも母音の種類、すなわち5種類の色を発光可能な多色発光LED(Light Emitting Diode)を備える。
【0051】
図10は、第2の実施の形態におけるキーバックライト91の動作の一例を示す説明図である。キーバックライト91は、ユーザの操作によらずに、予め定義された母音と発光色との対応関係に基づいて、異なる色を順番に発光する。図11は、第2の実施の形態におけるキーバックライト91の発光色と母音との対応関係の一例を示す説明図である。図11に示す例では、母音”A”と”赤”、母音”I”と”黄”、母音”U”と”緑”、母音”E”と”青”、母音”O”と”紫”が対応付けられている。したがって、図10に示す例では、キーバックライト91は、”赤”、”黄”、”緑”、”青”、”紫”の色を順番に繰り返して発光する。
【0052】
第2の実施の形態において、文字入力画面300は、本文表示部301と、切替表示部303とを含む。また、入力文字判定部17は、押下されたダイヤルキーと、押下されたダイヤルキーが解放された時にキーバックライト91が発光する色が示す母音との対応関係に基づいて、入力文字を判定する処理を実行する機能を有する。例えば、「2」キーが押下され、解放された時にキーバックライト91が緑を発光していた場合に、入力文字判定部17は、表示装置13に文字「く」を表示する。
【0053】
母音回転判定部18は、ダイヤルキーが押下されてから解放されるまでの時間を示すキー押下時間τと、予め設定された母音逆回転時間Tとの比較を行い、τがT以上の場合に、キーバックライト91が発光する色を逆の順序で発光する処理を実行する機能を有する。なお、第2の実施の形態のその他の構成は、第1の実施の形態と同様なため説明を省略する。
【0054】
第2の実施の形態において、母音出力手段および発光手段はキーバックライト91によって実現される。
【0055】
次に、図7および図8を参照して本実施の形態の動作について説明する。文字入力画面300が表示されると、キーバックライト91は、一定の時間間隔で、”赤”、”黄”、”緑”、”青”、”紫”の順番に繰り返し発光する。いずれかのダイヤルキーが押下されると、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理が開始されるとともに、母音回転判定部18がキーバックライト91が発光する色の順序を判定する処理が開始される。なお、図7におけるステップS71からステップS73の処理は、実施の形態1における処理と同様なため説明を省略する。
【0056】
ステップS73において、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かが判定され、解放された場合(YES)、入力文字判定部17は、キーバックライト91が発光する色が示す母音「β」を取得し、作業用メモリに格納する(ステップS74)。一方、解放されていない場合(NO)、ステップS73に移行し、押下されたダイヤルキーが解放されたか否かを判定する処理を繰り返す。
【0057】
ステップS75において、入力文字判定部17は、作業用メモリに格納した子音「α」および母音「β」を参照し、図5に例示する子音「α」と母音「β」との対応関係に基づいて、入力文字を決定し、本文表示部301に表示する。例えば、「2」キーが押下された場合は、ステップS72において、「2」キーに割り当てられた子音「K」を取得し、ステップS74において、母音「E」を取得した場合、入力文字として「け」が決定され、本文表示部301に「け」が表示される。
【0058】
入力文字判定部17が入力文字を決定すると、次の入力文字を判定する処理を行うために、キーバックライト91は、一定の時間間隔で”赤”、”黄”、”緑”、”青”、”紫”の順番に繰り返して発光する。いずれかのダイヤルキーが押下された場合は、ステップS71に移行し、文字入力画面300における文字入力が終了された場合は、一連の処理を終了する。
【0059】
次に、図8を参照して、母音回転判定部18が、キーバックライト91が発光する色の順序を判定する処理について説明する。なお、図8におけるステップS81からステップS84の処理は、実施の形態1における処理と同様なため説明を省略する。
【0060】
ステップS85において、キーバックライト91は、発光している色を基準として、それまでとは逆の”紫”,”青”,”緑”,”黄”,”赤”の順番に繰り返して発光し、一連の処理を終了する。
【0061】
以上に説明したように、上記の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態による効果に加えて、ダイヤルキーの押下時に母音の表示を確認するために表示装置13へ視線を移す必要がなく、ダイヤルキーのみに視線をおいて文字を入力することができる。したがって、文字入力の際の利便性を高めることができる。
【0062】
なお、第2の実施の形態では、キーバックライト91が発光する色として、”赤”、”黄”、”緑”、”青”、”紫”を例示したが、その他の色および順序であってもよい。
【0063】
実施の形態3.
上記の第1および第2の実施の形態では、母音表示部302に表示する母音の順序を逆にするための判定条件として、キー押下時間τと母音逆回転時間Tとを比較する場合を示したが、ダイヤルキーとは別のある特定のキーが押下された場合を判定条件としてもよい。
【0064】
本発明の第3の実施の形態を図面を参照して説明する。図2におけるキー装置14は、音声通話等の際に使用する通話キー24を含む。通話キー24は、表示装置13に文字入力画面300が表示されている場合には、母音表示部302に表示する母音の順序を逆にするためのキーとして使用される。
【0065】
母音回転判定部18は、文字入力画面300が表示された場合に、予め定められた一定の時間間隔で、通話キー24が押下されたか否かの判定を行い、通話キー24が押下されたと判定した場合に、母音表示部302に表示する母音を逆の順序で表示する処理を実行する機能を有する。なお、第3の実施の形態のその他の構成は、第1の実施の形態と同様なため説明を省略する。
【0066】
次に、図12を参照して本実施の形態の動作について説明する。図12は、第3の実施の形態における母音回転判定部18が母音表示部302に表示する母音の表示順序を判定する処理を示すフローチャートである。
【0067】
文字入力画面300が表示されると、表示装置13は、母音表示部302に一定の時間間隔で”A”,”I”,”U”,”E”,”O”の順番に母音を繰り返して表示する。いずれかのダイヤルキーが押下されると、入力文字判定部17が入力文字を判定する処理が開始されるとともに、母音回転判定部18が、母音表示部302に表示する母音の表示順序を判定する処理が開始される。なお、第3の実施の形態における入力文字判定部17の処理は、第1の実施の形態と同様なため説明を省略する。
【0068】
母音回転判定部18は、予め定められた一定の時間間隔で、通話キー24が押下されたか否かの判定を行う(ステップS1201)。通話キー24が押下されたと判定した場合は、ステップS1202に移行する。通話キー24が押下されていないと判定した場合は、ステップS1201に移行して、通話キー24が押下されたか否かの判定を繰り返し行う。
【0069】
ステップS1202において、表示装置13は、母音表示部302に表示されている母音を基準として、それまでとは逆の”O”,”E”,”U”,”I”,”A”の順番に母音を繰り返して表示し、ステップS1201に移行する。母音回転判定部18は、文字入力画面300が表示されている間、処理を継続し、文字入力画面300が終了された場合に一連の処理を終了する。
【0070】
以上に説明したように、第3の実施の形態によれば、母音の表示順序を逆にするためにキーを押下し続ける必要がないため、指への負担が少なく素早く入力することができる。
【0071】
ダイヤルキーを押下しながら通話キー24を押下することにより、第1の実施の形態におけるキー押下時間τが母音逆回転時間T以上となった場合の処理と同様に、入力文字の決定前に母音の表示順序を逆にすることができる。したがって、キーを押下するタイミングが遅れた場合でも、文字を素早く入力することができる。また、ダイヤルキーが押下されていない場合に、通話キー24が押下されてもよい。その場合は、選択したい母音が早く表示される順序をユーザが選択することができ、文字を素早く入力することができる。
【0072】
なお、第3の実施の形態では、母音表示部302に表示する母音の順序を逆にするためのキーとして通話キー24を例示したが、その他のキーであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、仮名文字に割り当てられていないキーの入力によって仮名文字入力を実現する携帯電話機などの機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による携帯電話機の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】携帯電話機の外観の一例を示す正面図である。
【図3】文字入力画面の一例を示す説明図である。
【図4】ダイヤルキーとダイヤルキーに割り当てられた行との対応関係の一例を示す説明図である。
【図5】入力文字判定部が入力文字を判定する方法の一例を示す説明図である。
【図6】母音回転判定部がキー押下時間と母音逆回転時間との比較を行い、入力文字判定部が入力文字の母音を取得する方法の一例を示す説明図である。
【図7】入力文字判定部が入力文字を判定する処理を示すフローチャートである。
【図8】母音回転判定部が母音の表示順序を判定する処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態におけるキー装置の構成例を示す説明図である。
【図10】第2の実施の形態におけるキーバックライト91の動作の一例を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態におけるキーバックライトの発光色と母音との対応関係の一例を示す説明図である。
【図12】第3の実施の形態における母音回転判定部が母音の表示順序を判定する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
10 携帯電話機
11 無線部
12 送話装置
13 表示装置
14 キー装置
15 受話装置
16 制御回路部
17 入力文字判定部
18 母音回転判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮名文字以外の情報を入力するためのダイヤルキーを有し、前記ダイヤルキーの押下によって仮名文字を入力可能な携帯電話機であって、
仮名文字入力時に母音を示す情報を順番に繰り返し出力する母音出力手段と、
押下された前記ダイヤルキーと、押下された前記ダイヤルキーが解放された時に前記母音出力手段が出力した母音を示す情報との対応関係に基づいて、入力文字を判定する入力文字判定手段と
を備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
文字を表示可能な表示手段を備え、
母音出力手段は、母音を示す情報として前記表示手段に母音を示す文字を順番に繰り返し出力する
請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
ダイヤルキーが操作された場合に発光する発光手段を備え、
前記発光手段は、少なくとも母音の数の種類の色を発光し、
母音出力手段は、予め定義された母音と発光色との対応関係に基づいて、母音を示す情報として前記発光手段に異なる色を順番に繰り返し発光させる
請求項1記載の携帯電話機。
【請求項4】
ダイヤルキーが押下されてから解放されるまでの時間を示すキー押下時間を検出し、予め定められた前記キー押下時間の規定値と前記キー押下時間とを比較し、比較結果に基づいて母音出力手段が出力する母音の順序を変更する母音回転判定手段を備えた
請求項2または請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
母音回転判定手段は、予め定められた特定のキーが押下された場合に母音出力手段が出力する母音の順序を変更する
請求項2または請求項3記載の携帯電話機。
【請求項6】
1から0までの数字が表示された10個のダイヤルキーを備え、前記ダイヤルキーのそれぞれに五十音のあ行からわ行までの10個の行が割り当てられ、仮名文字を入力可能な携帯電話機における文字入力方法であって、
仮名文字入力時に母音を示す情報を順番に繰り返し出力し、
押下された前記ダイヤルキーと、押下された前記ダイヤルキーが解放された時に出力された母音を示す情報との対応関係に基づいて、入力文字を判定する
ことを特徴とする携帯電話機における文字入力方法。
【請求項1】
仮名文字以外の情報を入力するためのダイヤルキーを有し、前記ダイヤルキーの押下によって仮名文字を入力可能な携帯電話機であって、
仮名文字入力時に母音を示す情報を順番に繰り返し出力する母音出力手段と、
押下された前記ダイヤルキーと、押下された前記ダイヤルキーが解放された時に前記母音出力手段が出力した母音を示す情報との対応関係に基づいて、入力文字を判定する入力文字判定手段と
を備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
文字を表示可能な表示手段を備え、
母音出力手段は、母音を示す情報として前記表示手段に母音を示す文字を順番に繰り返し出力する
請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
ダイヤルキーが操作された場合に発光する発光手段を備え、
前記発光手段は、少なくとも母音の数の種類の色を発光し、
母音出力手段は、予め定義された母音と発光色との対応関係に基づいて、母音を示す情報として前記発光手段に異なる色を順番に繰り返し発光させる
請求項1記載の携帯電話機。
【請求項4】
ダイヤルキーが押下されてから解放されるまでの時間を示すキー押下時間を検出し、予め定められた前記キー押下時間の規定値と前記キー押下時間とを比較し、比較結果に基づいて母音出力手段が出力する母音の順序を変更する母音回転判定手段を備えた
請求項2または請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
母音回転判定手段は、予め定められた特定のキーが押下された場合に母音出力手段が出力する母音の順序を変更する
請求項2または請求項3記載の携帯電話機。
【請求項6】
1から0までの数字が表示された10個のダイヤルキーを備え、前記ダイヤルキーのそれぞれに五十音のあ行からわ行までの10個の行が割り当てられ、仮名文字を入力可能な携帯電話機における文字入力方法であって、
仮名文字入力時に母音を示す情報を順番に繰り返し出力し、
押下された前記ダイヤルキーと、押下された前記ダイヤルキーが解放された時に出力された母音を示す情報との対応関係に基づいて、入力文字を判定する
ことを特徴とする携帯電話機における文字入力方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−238171(P2006−238171A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51319(P2005−51319)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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