説明

携帯電話機の電子メール送受信制御システム

【課題】携帯電話機相互間で遣り取りされる電子メールに関して娯楽性の高い新たな電子メール送受信制御システムを提供する。
【解決手段】送信側の携帯電話機10のGPS47により検出される位置情報と、受信側の携帯電話機10のGPS47により検出される位置情報とから、それら送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を算出する距離算出手段100と、その距離算出手段100により算出される相対距離に基づいて、対象となる電子メールが受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を決定する電子メール配信制御手段102とを、備えたものであることから、送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を電子メール到達までの時間に反映することで、その相対距離に応じて敢えて電子メール到達までに時間をかける新しいコンセプトの電子メール送受信制御システム60を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機相互間における電子メールの送受信を制御する携帯電話機の電子メール送受信制御システムに関し、特に、娯楽性の高い新たなシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆電話回線に接続されてその公衆電話回線を介して情報の送受信を行う携帯電話機が目覚ましい勢いで普及している。斯かる携帯電話機は、単に電話回線を介して通話を行う電話機としての機能のみならず、インターネット情報を閲覧するためのブラウザとしての機能や、電子メールの送受信機能等を備えることで、所謂マルチメディアとして利用されるようになり、新たな利用法が模索され続けている。
【0003】
上記携帯電話機の一形態として、位置情報検出装置としてのGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を備えたものが知られている。そのようにGPSを備えた携帯電話機では、GPS衛星から送信される電波を受信することで、その携帯電話機の位置情報として緯度及び経度を得ることができる。このGPSにより検出される携帯電話機の位置情報を利用する携帯電話機の電子メール送受信制御システムが提案されている。例えば、特許文献1に記載された電子メールシステムがそれである。この技術によれば、携帯電話機に備えられたGPSによりその位置情報を検出し、その位置情報をメールサーバへ通知することで、予め設定された位置に携帯電話機が移動した際に電子メールを開封させることができ、送信者の意図するタイミングで受信側の携帯電話機に電子メールを受信させることができるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−233571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、上述したような従前の携帯電話機の電子メール送受信制御システムが無味乾燥で面白みに欠けることに鑑み、娯楽性の高い新たなシステムを開発すべく鋭意研究を継続してきた。その一成果として、前記GPS等の位置情報検出装置により検出される携帯電話機の位置情報を用いた全く新しいコンセプトの電子メール送受信制御システムを発明するに至った。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、携帯電話機相互間で遣り取りされる電子メールに関して娯楽性の高い新たな電子メール送受信制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、公衆電話回線に接続されてその公衆電話回線を介して情報の送受信を行う、位置情報検出装置を有する携帯電話機相互間における電子メールの送受信を制御する携帯電話機の電子メール送受信制御システムであって、送信側の携帯電話機の位置情報検出装置により検出される送信側位置情報と、受信側の携帯電話機の位置情報検出装置により検出される受信側位置情報とから、それら送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を算出する距離算出手段と、予め定められた関係から、その距離算出手段により算出される前記送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間を決定する電子メール配信制御手段とを、備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、送信側の携帯電話機の位置情報検出装置により検出される送信側位置情報と、受信側の携帯電話機の位置情報検出装置により検出される受信側位置情報とから、それら送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を算出する距離算出手段と、予め定められた関係から、その距離算出手段により算出される前記送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間を決定する電子メール配信制御手段とを、備えたものであることから、送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を電子メール到達までの時間に反映することで、その相対距離に応じて敢えて電子メール到達までに時間をかける全く新しいコンセプトの電子メール送受信制御システムを実現することができる。すなわち、携帯電話機相互間で遣り取りされる電子メールに関して娯楽性の高い新たな電子メール送受信制御システムを提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記距離算出手段及び電子メール配信制御手段は、前記公衆電話回線に接続されて、前記携帯電話機からの電子メールを受け付けると共にその電子メールの配信を制御するサーバ装置に備えられたものである。このようにすれば、携帯電話機相互間における電子メールの送受信を制御するメールサーバにより、娯楽性の高い新たな電子メール送受信制御システムを実用的な態様で実現することができる。
【0010】
また、好適には、前記電子メール配信制御手段は、前記距離算出手段により算出される前記送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離が大きいほど対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間を長くするものである。このようにすれば、送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離に応じて敢えて電子メール到達までに要する時間を長くとる全く新しいコンセプトの電子メール送受信制御システムを実現することができる。
【0011】
また、好適には、前記電子メール配信制御手段は、予め定められた関係から、前記送信側の携帯電話機からの電子メールの送信回数に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間を補正するものである。このようにすれば、送信側の携帯電話機からの電子メールの送信回数に応じて電子メール到達までに要する時間を補正することで、より娯楽性の高い電子メール送受信制御システムを実現することができる。
【0012】
また、好適には、前記電子メール配信制御手段は、前記送信側の携帯電話機からの電子メールの送信回数が多いほど対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間が短くなるように前記補正を行うものである。このようにすれば、電子メールを多く送信するほど電子メール到達までに要する時間が短くなっていく娯楽性の高い電子メール送受信制御システムを実現することができる。
【0013】
また、好適には、前記距離算出手段は、前記送信側の携帯電話機から対象となる電子メールが受け付けられた時点においてその送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を算出するものである。このようにすれば、実用的な態様で送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を算出することができる。
【0014】
また、好適には、前記距離算出手段は、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの間におけるその受信側の携帯電話機の移動に応じて前記送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を補正するものである。このようにすれば、電子メール到達時点までに受信側の携帯電話機が移動した場合にはその移動距離を加算(又は減算)することで、より現実的で娯楽性の高い電子メール送受信制御システムを実現することができる。
【0015】
また、好適には、対象となる電子メールの前記送信側の携帯電話機と受信側の携帯電話機との間における仮想的な位置を算出する仮想位置算出手段を備え、前記携帯電話機は、その携帯電話機が送信側の携帯電話機である場合に、自身が送信した電子メールに対応して前記仮想位置算出手段により算出される仮想的な位置に基づく映像を表示させる映像表示制御手段を備えたものである。このようにすれば、自身が送信した電子メールが現在どのあたりまで進んでいるか視覚的に確認できる、娯楽性の高い電子メール送受信制御システムを実現することができる。
【0016】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の電子メール送受信制御システムに好適に用いられる携帯電話機10の操作部12を説明する図である。この携帯電話機10は、後述する公衆電話回線68に接続されてその公衆電話回線68を介して通話を行う電話機としての機能に加えて、インターネット情報を閲覧するためのブラウザとしての機能及び電子メールの送受信機能を有するものである。
【0018】
図1に示すように、上記携帯電話機10における折り畳まれることで相対向する1対の面には、複数個(図1では12個)の文字入力釦14、開始釦16、電源釦18、アドレス帳釦19、左右上下の移動釦20、アプリ釦21、メール釦22、インターネット釦23、クリア釦24、決定釦26、及び画像表示装置として機能する表示部28が設けられている。上記文字入力釦14は、所望の文字を入力するための釦(スイッチ)であり、その文字入力釦14が押されることにより、また必要に応じて所定の文字変換操作が行われることにより、所望の文字が上記表示部28に表示される。上記開始釦16は、電話をかけたりメールを送信したりするための釦であり、上記表示部28に所定の電話番号が表示されている際にその開始釦16が押されることにより、その電話番号に電話をかけることができる。また、その表示部28に所定のメールアドレスに対応する電子メール編集画面が表示されている際にその開始釦16が押されることにより、そのメールアドレスに電子メールが送信される。上記電源釦18は、通話を中止したり電源を入れたりするための釦であり、通話中にその電源釦18が押されることにより、その通話が中止される。また、電源がオフである際にその電源釦18が一定時間押されることにより、電源がオンの状態となる一方、電源がオンである際にその電源釦18が一定時間押されることにより、電源がオフの状態となる。上記アドレス帳釦19は、後述する記憶部48に記憶(登録)されたアドレス帳を表示させるための釦であり、そのアドレス帳釦19が押されることにより、上記記憶部48に記憶されたアドレス帳の内容が上記表示部28に表示される。上記移動釦20は、上記表示部28に表示されるカーソルを左右上下に移動させるため等に押される釦である。上記アプリ釦21は、上記記憶部48に記憶(インストール)されたアプリケーションソフト(application software)操作を開始するための釦であり、そのアプリ釦21が押されることにより、アプリケーションを起動するための開始画面が上記表示部28に表示される。上記メール釦22は、後述するメール管理モードに入る(メーラを立ち上げる)ため等に押される釦である。上記インターネット釦23は、上記公衆電話回線68を介してのインターネットを開始する(ブラウザを立ち上げる)ため等に押される釦である。上記クリア釦24は、上記表示部28に表示された文字を消すため等に押される釦である。上記決定釦26は、上記表示部28に表示された内容で各種設定の項目を決定したり、文字変換を決定したりするため等に押される釦である。
【0019】
図2は、前記携帯電話機10の電気的構成を説明するブロック線図である。この図2に示す制御部30は、ROM32に予め記憶されたプログラムに従って入力信号を処理するマイクロコンピュータであり、前記操作部12からの入力に従って文字入力が実行されるように制御したり、前記操作部12から入力された電話番号に従って通信或いは通話チャンネルを成立させると共に相互の通信或いは通話が可能となるように制御したり、前記公衆電話回線68を介してのインターネットへの接続や、電子メールの作成及び送受信等の制御を実行する。通話状態においては、アンテナ34を介して送受信部36に受けた通話信号等がモデム部38を介して音声コーディック部40においてデジタルコード信号から音声信号に変換され、アナログフロントエンド42により音声出力装置であるスピーカ44が駆動されて音声が出力される。同時に、音声入力装置であるマイクロフォン46により音声から変換された音声信号が上記アナログフロントエンド42を介して上記音声コーディック部40に送られてそこでデジタル信号に変換され、上記モデム部38、送受信部36、及びアンテナ34を介して送信される。また、通信状態において、上記制御部30は、前記操作部12から入力された信号を通信先へ送信すると同時に、通信先から受信された信号を前記表示部28に表示させる。また、他の通信端末からの着信があったと判定される場合には、記憶部48に予め記憶された着信メロディ情報等に基づいて所定のメロディ(呼出音)を上記スピーカ44から出力させるようにメロディ発生部43を動作させたり、呼出音非出力モードにおいては図示しないバイブレータ部を駆動させて振動を発生させたりする。また、前記携帯電話機10は、所定のGPS衛星からの電波に基づいてその携帯電話機10の位置(緯度及び経度)を検出する位置情報検出装置としてのGPS(Global Positioning Systems)47を備えている。
【0020】
上記記憶部48は、好適には、電気的に内容を書き換えることが可能な所謂フラッシュメモリ(flash memory)であり、前記携帯電話機10により送受信される電子メールに関する情報を記憶する電子メールデータベース50を備えている。この電子メールデータベース50には、前記携帯電話機10により受信された電子メール、下書き保存された電子メール、送信に失敗した(未送信)電子メール、及び送信済みの電子メール等が格納されるようになっている。ここで、前記携帯電話機10により送受信される電子メールとは、前記公衆電話回線68によるネットワークを通じて遣り取りされる電子的なメッセージであり、宛先メールアドレス、差出人(送信元)メールアドレス、メールタイトル、及び本文等を含むテキスト情報やHTML(Hypertext Markup Language)情報等から成るものである。また、画像ファイルや音声ファイル等の添付ファイルが添付されて遣り取りされることもある。更に、この電子メールは、前記携帯電話機10相互間のみならず、パーソナルコンピュータやコンシューマゲーム機等、前記公衆電話回線68を介して電子メールを送受信し得る種々の端末との間で遣り取りが可能とされるものであるが、本実施例では携帯電話機10相互間における電子メールの遣り取りについて説明する。
【0021】
図3は、本発明の一実施例である携帯電話機の電子メール送受信制御システム60を説明する図である。この図3において、多数の前記携帯電話機10は、複数の中継基地局62を介して無線の通信チャンネルに接続され、その複数の中継基地局62に接続された中央演算処理装置64によりそれぞれの接続が制御されるようになっている。この中央演算処理装置64には、プロトコルを翻訳することによりチェックする機能を有するゲートウェイ66及び公衆電話回線68を介して複数(図3では2つ)のサーバ装置70が接続されている。このサーバ装置70は、前記公衆電話回線68を介して前記携帯電話機10からの電子メールを受け付けると共にその電子メールの配信を制御するメールサーバであり、例えば、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)に従って電子メールの送受信を行うSMTPサーバである。この複数のサーバ装置70は、好適には、複数の電子メール送受信サービス提供会社による電子メール送受信制御のために各サービス提供会社毎に備えられたものであるが、1つのサービス提供会社が複数のサーバ装置70を運営するものであっても構わない。なお、一般的な電子メール送受信制御システムでは、SMTPサーバ相互間における電子メールの受け渡しに際してPOP(Post Office Protocol)サーバによる問い合わせが行われるが、本実施例では斯かるPOPサーバの動作を省略して以下の説明を行う。
【0022】
図4は、上記サーバ装置70の構成を説明するブロック線図である。この図4に示すように、上記サーバ装置70は、中央演算処理装置であるCPU72によりRAM76の一時記憶機能を利用しつつROM74に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂ノイマン型コンピュータであり、前記携帯電話機10等に対する電子メールの受信制御及び配信制御を行う。また、映像表示制御装置としてのビデオボード80により制御されるCRT等の映像表示装置78と、インターフェイス84を介して接続されるキーボード等の入力装置82と、上記CPU72を前記公衆電話回線68に接続するための装置であるモデム86とを、備えて構成されている。また、前記携帯電話機10等から受信された電子メールを管理するための電子メール管理データベース88等の各種データベースが設けられている。この電子メール管理データベース88には、例えば、前記携帯電話機10等から受信された電子メールを前記電子メール送受信システム60の利用者(顧客)毎或いはメールアドレス毎にそれぞれ個別に記憶(保管)するメールボックスが設けられている。なお、上記サーバ装置70の構成は、通常、電子メール送受信サービス提供会社によってそれぞれ異なるものであるが、本実施例では、何れも図4に示すような同様の構成を有するものとして以下の説明を行う。
【0023】
図5は、前記携帯電話機10の制御部30及び前記サーバ装置70のCPU72にそれぞれ備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図5に示す電子メール送受信制御手段90、位置情報送信手段98、及び電子メール映像表示制御手段106は、前記携帯電話機10の制御部30に、電子メール転送制御手段92、電子メール分配制御手段94、位置情報取得手段96、距離算出手段100、電子メール配信制御手段102、及び仮想位置算出手段104は、前記サーバ装置70のCPU72にそれぞれ機能的に備えられたものである。以下、これらの制御機能による制御の詳細について文説する。
【0024】
上記電子メール送受信制御手段90は、前記携帯電話機10による電子メールの送信及び受信を制御する所謂メーラ(Mailer)である。この電子メール送受信制御手段90は、前記サーバ装置70と同一のプロトコルにより電子メールの送受信を行うものであり、例えば送信にSMTP、受信にPOP3を用いるMUA(Mail User Agent)である。前記操作部12による入力操作に応じて作成された電子メールは、この電子メール送受信制御手段90により前記公衆電話回線68を介して前記サーバ装置70へ、延いては受信側の携帯電話機10へ送信される。ここで、前記電子メール送受信制御手段90は、前記サーバ装置70への電子メールの送信に際して、位置情報検出装置としての前記GPS47により検出される位置情報をその電子メールに含まれる情報或いは添付情報として送信する。また、送信側の他の携帯電話機10から送信された電子メールは、前記公衆電話回線68を介してこの電子メール送受信制御手段90により受信され、前記記憶部48の電子メールデータベース50に格納される。
【0025】
前記電子メール転送制御手段92は、前記携帯電話機10から受信される電子メールを宛先のメールアドレスに対応するメールボックスを有するサーバ装置70へ転送する。すなわち、送信先に対応するサーバ装置70への電子メールの中継を制御する。この際、受信された電子メールを一端ハードディスク等の記憶装置に記憶するようにしてもよいし、直接(即時的に)対象となるサーバ装置70へ転送するものであってもよい。なお、電子メールの宛先メールアドレスに対応するメールボックスが自身の電子メール管理データベース88内に存在する場合には、その電子メールに関して上記転送は行わず、以下に詳述する電子メール分配制御手段94により直接自身の電子メール管理データベース88内における宛先のメールアドレスに対応するメールボックスにその電子メールを格納する。
【0026】
前記電子メール分配制御手段94は、前記サーバ装置70から転送されてきた電子メール(或いは携帯電話機10から受信された電子メール)を、前記電子メール管理データベース88における宛先のメールアドレスに対応するメールボックスに格納する。この電子メール分配制御手段94により前記電子メール管理データベース88に格納された時点では、まだ宛先の携帯電話機10への配信は許可されず、例えば各電子メール毎に設定された配信許可フラグがオフとされる。
【0027】
前記位置情報取得手段96は、前記電子メール分配制御手段94により新たな電子メールが前記電子メール管理データベース88に分配されるのと相前後して、その電子メールの宛先であるメールアドレスに対応する携帯電話機10の位置情報を取得する。具体的には、その携帯電話機10に備えられた位置情報送信手段98にその携帯電話機10の位置情報の送信を要求する。その位置情報送信手段98では、前記位置情報取得手段96から位置情報の要求があった場合には、位置情報検出装置としての前記GPS47により検出される位置情報を前記公衆電話回線68を介して前記サーバ装置70へ送信する。
【0028】
前記距離算出手段100は、前記電子メール分配制御手段94により新たな電子メールが前記電子メール管理データベース88に分配されるのと相前後して、その電子メールに付属する送信側(差出人)の携帯電話機10の位置情報である送信側位置情報と、その電子メールに対応して前記位置情報取得手段96により取得された受信側(宛先)の携帯電話機10の位置情報である受信側位置情報とから、それら送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を算出する。例えば、送信側位置情報に対応する二次元位置座標(緯度及び経度)と受信側位置情報に対応する二次元位置座標(緯度及び経度)との直線距離を算出する。また、予め地図情報を記憶しておき、それら送信側位置と受信側位置との間の幹線道路等を通った場合の距離を算出するものであってもよい。
【0029】
ここで、前記距離算出手段100は、好適には、前記送信側の携帯電話機10から対象となる電子メールが受け付けられた時点においてその送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を算出する。すなわち、対象となる電子メールの受信(受付)時点における相対距離を算出する。また、好適には、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの間におけるその受信側の携帯電話機10の移動に応じて前記送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を補正する。例えば、対象となる電子メールの配信許可フラグがオフである段階において、所定時間毎に受信側の携帯電話機10の位置情報を取得し、その取得された受信側位置情報に基づいて送信側の携帯電話機10との相対距離を随時算出(更新)する。
【0030】
前記電子メール配信制御手段102は、予め定められた関係から、前記距離算出手段100により算出される前記送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を決定する。すなわち、上述したように、本実施例の電子メール送受信制御システム60において、前記電子メール分配制御手段94により前記電子メール管理データベース88に格納された時点では、まだ宛先の携帯電話機10への配信は許可されず、例えば各電子メール毎に設定された配信許可フラグがオフとされている。前記電子メール配信制御手段102は、前記送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離に基づいて対象となる電子メールの配信を許可するタイミング、例えば上記配信許可フラグをオンとするタイミングを制御する。この電子メール配信制御手段102により設定された時間は、前記電子メール管理データベース88に対象となる電子メールと関連づけられて記憶され、例えば、その設定された時間になった時点で上記配信許可フラグがオンとされる。
【0031】
ここで、前記電子メール配信制御手段102は、好適には、前記距離算出手段100により算出される前記送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離が大きいほど対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を長くするものである。例えば、距離5kmにつき1時間というように、送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離に比例してその電子メールが受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間が長くなるようにその時間を設定する。
【0032】
また、前記電子メール配信制御手段は、好適には、予め定められた関係から、前記送信側の携帯電話機10からの電子メールの送信回数に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を補正する。例えば、前記送信側の携帯電話機10からの電子メールの送信回数が多いほど対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間が短くなるように前記補正を行う。この補正は、電子メールの送信回数に比例して前記時間を短縮するものであってもよいし、10回以上では1時間短縮、50回以上では2時間短縮、100回以上では3時間短縮というように、電子メールの送信回数に応じて段階的に時間を短縮するものであっても構わない。斯かる制御を行うために、前記電子メール管理データベース88には、各メールアドレス毎にそのメールアドレスを差出人(送信元)とする電子メールの送信回数が記憶されるようになっている。
【0033】
前記仮想位置算出手段104は、対象となる電子メールの前記送信側の携帯電話機10と受信側の携帯電話機10との間における仮想的な位置を算出する。具体的には、対象となる電子メールの前記電子メール分配制御手段94による分配時(受信時)と、前記電子メール配信制御手段102により算出される配信予定時とから、対象となる電子メールがその時点において時間を距離に換算した場合に前記送信側の携帯電話機10と受信側の携帯電話機10との間におけるどの程度の位置にいるのかを示す指標として上記仮想的な位置を算出する。この仮想的な位置は、前記送信側の携帯電話機10から受信側の携帯電話機10へ何km近づいたかといったものであってもよいし、地図情報に基づいて相対距離を算出している場合には、その地図上における具体的な座標を示すものであっても構わない。
【0034】
前記電子メール映像表示制御手段106は、その携帯電話機10が送信側の携帯電話機10である場合に、自身が送信した電子メールに対応して前記仮想位置算出手段104により算出される仮想的な位置に基づく映像を前記表示部28に表示させる。図6は、この電子メール映像表示制御手段106により表示される、送信側の携帯電話機10から受信側の携帯電話機10までの道のりを飛脚が電子メールを運ぶ様子を示す仮想位置表示映像108を例示する図である。前記携帯電話機10において、前記表示部28に仮想位置表示映像108を表示させるための所定の操作が前記操作部12により行われた場合、前記公衆電話回線68を介して前記サーバ装置70に対象となる電子メールに関する上記仮想的な位置の算出が要求される。その要求を受けたサーバ装置70では、前記仮想位置算出手段104により対象となる電子メールに関して上記仮想的な位置の算出処理が行われ、その算出結果としての仮想的な位置に関する情報が要求元の前記携帯電話機10へ送信(返信)される。そして、その仮想的な位置に関する情報を受信した要求元の携帯電話機10の電子メール映像表示制御手段106により、その仮想的な位置に関する情報に基づいて図6に示すような仮想位置表示映像108が生成されて前記表示部28に視認可能に表示される。
【0035】
図7は、前記携帯電話機10の制御部30による電子メール送受信制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0036】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記操作部12により新規電子メールの送信操作が行われたか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、SA3以下の処理が実行されるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA2において、前記GPS47により検出される位置情報が送信側位置情報として電子メールに付加され、前記公衆電話回線68を介して前記サーバ装置70へ送信される。次に、SA3において、前記操作部12により電子メール映像(仮想位置表示映像)を前記表示部28に表示させるための操作が行われたか否かが判断される。このSA3の判断が否定される場合には、SA5以下の処理が実行されるが、SA3の判断が肯定される場合には、前記電子メール映像表示制御手段106の動作に対応するSA4において、前記サーバ装置70へ対象となる電子メールの仮想的な位置に関する情報の要求が行われ、そのサーバ装置70から送信(返信)される仮想的な位置に関する情報に基づいて図6に示すような仮想位置表示映像108の表示制御が行われる。次に、SA5において、前記サーバ装置70からGPS位置情報の要求があったか否かが判断される。このSA5の判断が否定される場合には、SA7以下の処理が実行されるが、SA5の判断が肯定される場合には、前記位置情報送信手段98の動作に対応するSA6において、前記GPS47により検出される位置情報が受信側位置情報として前記サーバ装置70へ送信される。次に、SA7において、前記サーバ装置70から電子メールの配信があり、新規電子メールが受信されたか否かが判断される。このSA7の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA7の判断が肯定される場合には、SA8において、受信された電子メールが前記記憶部48の電子メールデータベース50に格納された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SA2及びSA8が前記電子メール送受信制御手段90の動作に対応する。
【0037】
図8は、前記サーバ装置70のCPU72による電子メール配信制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0038】
先ず、SB1において、前記携帯電話機10等から新規電子メールの送信(受信)があったか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、SB3以下の処理が実行されるが、SB1の判断が肯定される場合には、前記電子メール転送制御手段92の動作に対応するSB2において、受信された電子メールが宛先のメールアドレスに対応するサーバ装置70へ転送される。次に、SB3において、他のサーバ装置70から電子メールの転送があったか否かが判断される。このSB3の判断が否定される場合には、SB8以下の処理が実行されるが、SB3の判断が肯定される場合には、前記電子メール分配制御手段94の動作に対応するSB4において、転送されてきた電子メールが前記電子メール管理データベース88における宛先のメールアドレスに対応するメールボックスに分配されて格納される。次に、前記位置情報取得手段96の動作に対応するSB5において、SB4における分配に係る電子メールの宛先に対応する携帯電話機10の位置情報が取得される。次に、前記距離算出手段100の動作に対応するSB6において、対象となる電子メールに付加された差出人(送信元)の携帯電話機10の位置情報と、SB5にて取得された宛先に対応する携帯電話機10の位置情報とから、それら送信側の携帯電話機10と受信側の携帯電話機10との相対距離が算出される。次に、SB7において、SB6にて算出された相対距離が時間に換算され、その時間が対象となる電子メールの配信までの待機時間としてその電子メールと関連づけられて前記電子メール管理データベース88に記憶される。次に、SB8において、前記携帯電話機10から仮想的な位置に関する情報の要求があったか否かが判断される。このSB8の判断が否定される場合には、SB10以下の処理が実行されるが、SB8の判断が肯定される場合には、前記仮想位置算出手段104の動作に対応するSB9において、対象となる電子メールの仮想的な位置が算出され、その仮想的な位置に関する情報が要求元の携帯電話機10へ送信(返信)される。次に、SB10において、電子メールの配信タイミングであるか否かが判断される。このSB10の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB10の判断が肯定される場合には、SB11において、対象となる電子メールが宛先のメールアドレスに対応する携帯電話機10へ配信(送信)される。次に、SB12において、電子メールを運ぶ仮想的な飛脚の経験値が加算されると共に、その加算により経験値が所定値以上となった場合にはレベルアップが行われ、それらの情報が前記電子メール管理データベース88に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SB7、SB10乃至SB12が前記電子メール配信制御手段102の動作に対応する。
【0039】
このように、本実施例によれば、送信側の携帯電話機10の位置情報検出装置であるGPS47により検出される送信側位置情報と、受信側の携帯電話機10のGPS47により検出される受信側位置情報とから、それら送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を算出する距離算出手段100(SB6)と、予め定められた関係から、その距離算出手段100により算出される前記送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を決定する電子メール配信制御手段102(SB7、SB10乃至SB12)とを、備えたものであることから、送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を電子メール到達までの時間に反映することで、その相対距離に応じて敢えて電子メール到達までに時間をかける全く新しいコンセプトの電子メール送受信制御システム60を実現することができる。すなわち、携帯電話機10相互間で遣り取りされる電子メールに関して娯楽性の高い新たな電子メール送受信制御システム60を提供することができる。
【0040】
また、前記距離算出手段100及び電子メール配信制御手段102は、前記公衆電話回線68に接続されて、前記携帯電話機10からの電子メールを受け付けると共にその電子メールの配信を制御するサーバ装置70に備えられたものであるため、携帯電話機10相互間における電子メールの送受信を制御するメールサーバにより、娯楽性の高い新たな電子メール送受信制御システム60を実用的な態様で実現することができる。
【0041】
また、前記電子メール配信制御手段102は、前記距離算出手段100により算出される前記送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離が大きいほど対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を長くするものであるため、送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離に応じて敢えて電子メール到達までに要する時間を長くとる全く新しいコンセプトの電子メール送受信制御システム60を実現することができる。
【0042】
また、前記電子メール配信制御手段102は、予め定められた関係から、前記送信側の携帯電話機10からの電子メールの送信回数に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を補正するものであるため、送信側の携帯電話機10からの電子メールの送信回数に応じて電子メール到達までに要する時間を補正することで、より娯楽性の高い電子メール送受信制御システム60を実現することができる。
【0043】
また、前記電子メール配信制御手段102は、前記送信側の携帯電話機10からの電子メールの送信回数が多いほど対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間が短くなるように前記補正を行うものであるため、電子メールを多く送信するほど電子メール到達までに要する時間が短くなっていく娯楽性の高い電子メール送受信制御システム60を実現することができる。
【0044】
また、前記距離算出手段100は、前記送信側の携帯電話機10から対象となる電子メールが受け付けられた時点においてその送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を算出するものであるため、実用的な態様で送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を算出することができる。
【0045】
また、前記距離算出手段100は、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの間におけるその受信側の携帯電話機10の移動に応じて前記送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離を補正するものであるため、電子メール到達時点までに受信側の携帯電話機10が移動した場合にはその移動距離を加算(又は減算)することで、より現実的で娯楽性の高い電子メール送受信制御システム60を実現することができる。
【0046】
また、対象となる電子メールの前記送信側の携帯電話機10と受信側の携帯電話機10との間における仮想的な位置を算出する仮想位置算出手段104(SB9)を備え、前記携帯電話機10は、その携帯電話機10が送信側の携帯電話機10である場合に、自身が送信した電子メールに対応して前記仮想位置算出手段104により算出される仮想的な位置に基づく映像を表示させる電子メール映像表示制御手段106(SA4)を備えたものであるため、自身が送信した電子メールが現在どのあたりまで進んでいるか視覚的に確認できる、娯楽性の高い電子メール送受信制御システム60を実現することができる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0048】
例えば、前述の実施例において、前記電子メール配信制御手段102は、前記距離算出手段100により具体的に算出される送信側の携帯電話機10及び受信側の携帯電話機10の相対距離に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を決定するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、送信側の携帯電話機10の位置情報及び受信側の携帯電話機10の位置情報から直接的に前記時間を決定するものであってもよい。すなわち、送信側の携帯電話機10の位置情報及び受信側の携帯電話機10の位置情報が定まれば、その相対的な距離は自ずと定まるため、自明であるその相対距離に基づいて対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を決定するものであっても構わない。
【0049】
また、前述の実施例において、前記仮想位置算出手段104は、前記サーバ装置70のCPU72に機能的に備えられたものであったが、この仮想位置算出手段104は、前記携帯電話機10の制御部30に機能的に備えられたものであっても構わない。この態様において、前記携帯電話機10は、その表示部28に図6に示すような仮想位置表示映像108を表示させるための操作が行われた場合、対象となる電子メールに対応する受信側携帯電話機10の位置情報及びその対象となる電子メールに付加された送信側携帯電話機10の位置情報を前記電子メール管理データベース88から読み出し、それらの情報に基づいて仮想的な位置情報を算出する。
【0050】
また、前記距離算出手段100による距離算出に際して、予め記憶された地図情報から送信側携帯電話機10の位置と受信側携帯電話10の位置との間の幹線道路等を通った場合の距離を算出する態様では、その幹線道路において通過される土地における名産品等のアイテムを取得し、そのアイテムに応じて対象となる電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間を補正するといったシステムも考えられる。また、電子メールが送信側の携帯電話機10から受け付けられてから受信側の携帯電話機10へ配信されるまでの時間の長さに応じて、その受信側の携帯電話機10においてその電子メールが受信された際の着信メロディを変化させてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の応用的な電子メール送受信制御システムが実現され得る。
【0051】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の電子メール送受信制御システムに好適に用いられる携帯電話機の操作部を説明する図である。
【図2】図1の携帯電話機の電気的構成を説明するブロック線図である。
【図3】本発明の一実施例である携帯電話機の電子メール送受信制御システムを説明する図である。
【図4】図3の電子メール送受信制御システムに備えられたサーバ装置の構成を説明するブロック線図である。
【図5】図2の携帯電話機の制御部及び図3のサーバ装置のCPUにそれぞれ備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】図2の携帯電話機の表示部に表示される、送信側の携帯電話機から受信側の携帯電話機までの道のりを飛脚が電子メールを運ぶ様子を示す仮想位置表示映像を例示する図である。
【図7】図2の携帯電話機の制御部による電子メール送受信制御の要部を説明するフローチャートである。
【図8】図3のサーバ装置のCPUによる電子メール配信制御の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
10:携帯電話機
47:GPS(位置情報検出装置)
60:電子メール送受信システム
68:公衆電話回線
70:サーバ装置
100:距離算出手段
102:電子メール配信制御手段
104:仮想位置算出手段
106:電子メール映像表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆電話回線に接続されて該公衆電話回線を介して情報の送受信を行う、位置情報検出装置を有する携帯電話機相互間における電子メールの送受信を制御する携帯電話機の電子メール送受信制御システムであって、
送信側の携帯電話機の位置情報検出装置により検出される送信側位置情報と、受信側の携帯電話機の位置情報検出装置により検出される受信側位置情報とから、それら送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を算出する距離算出手段と、
予め定められた関係から、該距離算出手段により算出される前記送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間を決定する電子メール配信制御手段と
を、備えたものであることを特徴とする携帯電話機の電子メール送受信制御システム。
【請求項2】
前記距離算出手段及び電子メール配信制御手段は、前記公衆電話回線に接続されて、前記携帯電話機からの電子メールを受け付けると共に該電子メールの配信を制御するサーバ装置に備えられたものである請求項1に記載の携帯電話機の電子メール送受信制御システム。
【請求項3】
前記電子メール配信制御手段は、前記距離算出手段により算出される前記送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離が大きいほど対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間を長くするものである請求項1又は2に記載の携帯電話機の電子メール送受信制御システム。
【請求項4】
前記電子メール配信制御手段は、予め定められた関係から、前記送信側の携帯電話機からの電子メールの送信回数に基づいて、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間を補正するものである請求項1から3の何れか1項に記載の携帯電話機の電子メール送受信制御システム。
【請求項5】
前記電子メール配信制御手段は、前記送信側の携帯電話機からの電子メールの送信回数が多いほど対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの時間が短くなるように前記補正を行うものである請求項4に記載の携帯電話機の電子メール送受信制御システム。
【請求項6】
前記距離算出手段は、前記送信側の携帯電話機から対象となる電子メールが受け付けられた時点において該送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を算出するものである請求項1から5の何れか1項に記載の携帯電話機の電子メール送受信制御システム。
【請求項7】
前記距離算出手段は、対象となる電子メールが送信側の携帯電話機から受け付けられてから受信側の携帯電話機へ配信されるまでの間における該受信側の携帯電話機の移動に応じて前記送信側の携帯電話機及び受信側の携帯電話機の相対距離を補正するものである請求項1から6の何れか1項に記載の携帯電話機の電子メール送受信制御システム。
【請求項8】
対象となる電子メールの前記送信側の携帯電話機と受信側の携帯電話機との間における仮想的な位置を算出する仮想位置算出手段を備え、
前記携帯電話機は、該携帯電話機が送信側の携帯電話機である場合に、自身が送信した電子メールに対応して前記仮想位置算出手段により算出される仮想的な位置に基づく映像を表示させる映像表示制御手段を備えたものである請求項1から7の何れか1項に記載の携帯電話機の電子メール送受信制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−86872(P2009−86872A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253937(P2007−253937)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】