説明

携帯電話機及びそのバックライト制御方法

【課題】 携帯電話機の傾きを変えるという操作者の意図する動きを利用してバックライトを点灯させ、操作性の向上を図った携帯電話機を提供する。
【解決手段】 LCD表示部112を視認しやすい水平に置いた状態を携帯電話機100の基準角度と定めた場合、携帯電話機100が水平以外の状態から水平状態に変化し基準角度に達したとき、傾斜センサ103は制御部104にオン信号を出力する。同様に携帯電話機100が水平状態から水平以外の状態に変化し基準角度ではなくなったとき、傾斜センサ103は制御部104にオフ信号を出力する。制御部104は、傾斜センサ103がオフからオンに状態変化したことを検出すると、バックライト部113を点灯し、LCD表示部112の表示面を照明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部及び操作部を有するとともに、表示部及び操作部を照明する手段としてバックライトを有する携帯電話機、及び携帯電話機のバックライト制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機のLCD(液晶ディスプレイ)表示部には、カラーLCDが用いられている。カラーLCDの表示時、視認性を確保するため、バックライトを点灯させる。特に、透過重視型のカラーLCDにおいては、バックライトの点灯状態がLCD表示の視認性に大きく影響する。
【0003】
しかし、従来の携帯電話機では、消費電流を低減させるために、ある一定時間操作を検出しない場合には、バックライトを消灯させるようになっている。
【0004】
即ち従来の携帯電話機では、ユーザが操作したことを検出した場合のみ、バックライト部を点灯する。図6のフローチャートに示すように、ユーザが操作したことを検出し(S301)、バックライト部が非点灯中の場合(S302)、バックライト部を点灯し(S303)、タイマの動作を開始する(S304)。タイマの動作が終了したことを検出した場合(S305)、バックライト部を消灯する(S306)。S305でタイマ動作終了を検出していない場合、ユーザが操作したかどうかを確認する(S307)。ユーザが操作した場合、S302に遷移するが、ユーザが操作していない場合、S305に遷移する。
【0005】
しかしこの場合、携帯電話機を衣服のポケットやバックから取り出した時などは、バックライトが消灯したままであり、すぐにLCD表示を視認することができない。
【0006】
また従来の携帯電話機において、消費電流を低減させる目的のために、光センサや振動センサを利用して、バックライトの点灯・消灯を制御する技術が開示されている。以下に示す特許文献1には光センサを利用した技術が、また特許文献2には振動センサを利用した技術がそれぞれ開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−171340号公報(第4−10頁、図3−6)
【特許文献2】特開2003−179686号公報(第3−5頁、図1−2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように従来の携帯電話機では、消費電流を低減させるために、ある一定時間操作を検出しない場合には、バックライトを消灯させていた。図6のフローチャートに示す従来例では、携帯電話機を衣服のポケットやバックから取り出したとき、バックライトが消灯したままであり、すぐにLCD表示を視認することができない。LCD表示を視認するためには、一度任意のキーを押下するなどの操作をして、バックライトを点灯する必要がある。さらに、暗闇において、メール等を編集中にLCD表示部が暗くなった場合は、手探りで任意のキーを押下し、バックライトを点灯させ、LCD表示部を明るくした後に、手探りで入力した不要な文字を削除する必要がある、など操作性に問題がある。
【0009】
また、特許文献1に開示された光センサを利用する技術では、周囲の明るさに応じたバックライトの点灯・消灯を自動的に制御することができ、消費電流の低減がはかれる。しかし、周囲の明るさに依存するため、周囲が暗い状況下ではバックライトを点灯するためには何らかの光が得られる場所に操作者自身が移動しなければならないという運用上の問題がある。
【0010】
さらに、特許文献2に開示された振動センサを利用する技術では、振動検出によってバックライトの点灯・消灯を制御しているが、不用意な振動、例えば携帯電話機を持った手を無意識に振ったときや、携帯電話機を落下させてしまったときの振動、あるいは携帯電話機を入れた鞄の取り扱いなどに起因する振動によってもバックライトが点灯してしまう恐れがあり、これも運用上の問題がある。
【0011】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、携帯電話機の傾きを変えるという操作者の意図する動きを利用してバックライトを点灯させ、操作性の向上を図った携帯電話機及びそのバックライト制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の携帯電話機は、表示部と、操作部と、少なくとも前記表示部の照明を行うバックライトとを有する携帯電話機において、
前記携帯電話機の姿勢が予め定めた基準角度ではない状態から前記基準角度の状態に変化したことを検出する傾斜検出手段と、前記傾斜検出手段による状態変化が検出されるか又は前記操作部に対する操作が行われると、前記バックライトを点灯させるとともに前記バックライトの点灯から消灯までの時間をタイマに設定するように制御する制御手段とを備えている。
【0013】
この携帯電話機において、前記タイマを二つ設け、第1のタイマには前記操作部に対する操作により前記バックライトの点灯から消灯までの時間を設定する機能を、第2のタイマには前記傾斜検出手段による状態変化の検出により前記バックライトの点灯から消灯までの時間を設定する機能をそれぞれ有することが好ましく、また前記第1及び第2のタイマのいずれか一方が起動中で且つ前記バックライトが点灯中のときは、他方のタイマによる前記バックライトの点灯起動を開始しないことが好ましい。
【0014】
また本発明の他の携帯電話機は、表示部と、操作部と、本体部と蓋部とが互いに折り畳み開閉できる開閉構造とを有する携帯電話機において、
前記本体部と蓋部が折り畳まれたとき正面となる部位及び背面となる部位にそれぞれ設けた第1及び第2の表示部ならびにこれら第1及び第2の表示部の照明を行う第1及び第2のバックライトと、前記開閉構造の折り畳み開閉の状態を検出する開閉検出手段と、前記携帯電話機の姿勢が予め定めた基準角度ではない状態から前記基準角度の状態に変化したことを検出する傾斜検出手段と、前記開閉検出手段により開閉状態が検出され且つ前記傾斜検出手段による状態変化が検出されるか又は前記操作部に対する操作が行われると、前記第1及び第2のバックライトの点灯/消灯を制御するとともに点灯から消灯までの時間をタイマに設定するように制御する制御手段とを備えている。
【0015】
これらの携帯電話機において、前記予め定める基準角度を、前記携帯電話機が水平に置かれた姿勢状態に設定するようにしてもよいし、または前記予め定める基準角度を、前記携帯電話機が水平に置かれた姿勢状態から可変しうるようにしてもよい。
【0016】
また本発明の携帯電話機のバックライト制御方法は、表示部と、操作部と、少なくとも前記表示部の照明を行うバックライトとを有する携帯電話機のバックライト制御方法において、
傾斜検出手段により前記携帯電話機の姿勢が予め定めた基準角度ではない状態から前記基準角度の状態に変化したことを検出する工程と、前記傾斜検出手段による状態変化が検出されるか又は前記操作部に対する操作が行われると、制御手段により前記バックライトを点灯させるとともに前記バックライトの点灯から消灯までの時間をタイマに設定するように制御する工程とを備えている。
【0017】
さらに本発明の他の携帯電話機のバックライト制御方法は、表示部と、操作部と、本体部と蓋部とが互いに折り畳み開閉できる開閉構造とを有し、且つ前記本体部と蓋部が折り畳まれたとき正面となる部位及び背面となる部位にそれぞれ設けた第1及び第2の表示部ならびにこれら第1及び第2の表示部の照明を行う第1及び第2のバックライトとを有する携帯電話機のバックライト制御方法において、
開閉検出手段により前記開閉構造の折り畳み開閉の状態を検出する工程と、傾斜検出手段により前記携帯電話機の姿勢が予め定めた基準角度ではない状態から前記基準角度の状態に変化したことを検出する工程と、前記開閉検出手段により開閉状態が検出され且つ前記傾斜検出手段による状態変化が検出されるか又は前記操作部に対する操作が行われると、制御手段により前記第1及び第2のバックライトの点灯/消灯を制御するとともに点灯から消灯までの時間をタイマに設定するように制御する工程とを備えている。
【0018】
このような本発明によれば、携帯電話機の傾きが所定角度に達した場合にオン/オフ出力する傾斜センサを使用して、LCD表示部のバックライトの点灯/消灯を制御することができ、従ってLCD表示部が暗い場合など、携帯電話機の傾きを変えることのみによってLCD表示部を明るくすることができるため、操作性の向上が図れる。
【発明の効果】
【0019】
第1の効果は、LCD表示部が暗い場合などに、携帯電話機の傾きを変えるという操作者の意図する動きのみによって、バックライト部を点灯させLCD表示部を明るくすることができ、操作性の向上が図れることである。
【0020】
その理由は、携帯電話機の傾きの変化を検出する傾斜検出手段を設け、そのオン/オフ出力によってバックライト部の点灯/消灯を制御するようにしたからである。
【0021】
第2の効果は、携帯電話機のバックライト部点灯において消費電流の低減が図れることである。
【0022】
その理由は、上述した傾斜検出によるバックライト部の点灯にタイマを組み合わせ、バックライト部の点灯から消灯までの時間を任意に設定できるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は本発明の第1の実施の形態の携帯電話機の構成を示すブロック図、図2はこの第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0025】
第1の実施の形態の携帯電話機100は、図1に示すように、アンテナ101、無線部102、傾斜センサ103、制御部104、音声処理部108、レシーバ109、マイク110、操作部111、LCD表示部112、バックライト部113とで構成され、制御部104はCPU105、メモリ106、タイマ107及び周辺ブロックの制御回路を有する。
【0026】
この携帯電話機100は、制御部104の制御により無線部102、アンテナ101を介して図示しない基地局と通信を行う。無線部102は、アンテナ101にて受信した信号を、受信したい信号周波数を選択し周波数変換を行い増幅し復調して受信データを制御部104に出力する。制御部104は、受信データを処理して音声信号を音声処理部108に出力し、音声処理部108は、音声信号をアナログ信号に変えてレシーバ109より音声を出力する。また、マイク110より入力された音声は、音声処理部108にて、デジタル信号に変換され、制御部104は、その信号を送信データに変換し、無線部102にて変調し規定の周波数の搬送波として増幅し、アンテナ101より送信を行う。
【0027】
制御部104は、操作部111を監視してユーザ(操作者)の操作を判断し、操作に基づく処理を行う。LCD表示部112は、制御部104の制御により各種表示を行う。バックライト部113は、制御部104の制御により設定された輝度値にて点灯を行い、LCD表示部112の表示面の照明を行う。制御部104は、LCD表示部112の表示オン/オフ等に合わせて、バックライト部113の点灯/消灯の制御を行う。
【0028】
LCD表示部112を視認しやすい様に水平に置いた状態を携帯電話機100の基準となる角度と定めた場合、携帯電話機100が水平ではない状態から水平の状態に変化し、基準角度に達したと判断したとき、傾斜検出手段である傾斜センサ103は制御部104にオン信号を出力する。同様に、携帯電話機100が水平の状態から水平ではない状態に変化し、基準角度ではなくなったと判断した場合、傾斜センサ103は制御部104にオフ信号を出力する。制御部104は、傾斜センサ103がオフからオンの状態に状態変化したことを検出すると、バックライト部113を点灯し、LCD表示部112の表示面を照明する。
【0029】
次に、この第1の実施の形態の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0030】
第1の実施の形態においては、操作者が操作したことを検出した場合(S201)、もしくは傾斜センサ103がオフからオンへの状態変化を検出した場合(S202)、バックライト部113が点灯中であるか否かを確認する(S203)。バックライト部113が非点灯中ならば、バックライト部113を点灯し(S204)、タイマ107の動作を開始する(S205)。タイマ107の動作終了を検出した場合(S206)、バックライト部113を消灯する(S207)。
【0031】
また、S203において、バックライト部113が点灯中ならば、タイマ107をリスタートする。さらに、S206でタイマ107が動作終了していない場合、S208で操作者が操作したことを検出すれば、S203に遷移する。またS208において、操作者が操作したことを検出しなかった場合、S209で傾斜センサ103がオフからオンに状態変化したかどうかを確認する。S209で傾斜センサ103がオフからオンに状態変化したならば、S203でバックライト部113が点灯中であるか否かを確認する。S209で傾斜センサ103がオフからオンに状態変化していないならば、S206でタイマ107が動作終了したかどうかを判定する。
【0032】
このように操作開始時など、LCD表示部112が暗い場合、携帯電話機100の傾きを変えることによって傾斜センサ103をオフからオンに状態変化させることにより、バックライト部113を点灯させてLCD表示部112を明るくすることができる。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3はこの第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0034】
この第2の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態におけるタイマ107を二つ使用するものとする。即ち、第2の実施の形態の構成は、図1に示すブロック図に対しタイマ107を1個追加しただけのものであり、従って個々の構成要素の説明は省略する。
【0035】
タイマ107を二つ有することにより、操作者が操作したことを検出したときのバックライト部113の点灯時間と、傾斜センサ103がオフからオンに状態変化したときのバックライト部113の点灯時間を別々に設けることが可能となる。これにより、携帯電話機100を傾け基準角度に戻すことでバックライト部113を点灯させ、LCD表示部112にて現在時刻を確認するような使用用途の場合、バックライト部113の点灯時間を少なく設定することができる。また、傾斜センサ103がオフからオンに状態変化する時に起動するタイマ107が起動中に、再度傾斜センサ103がオンを検出した場合は、そのタイマ107をリスタートしないようにすること等で、傾斜センサ検出におけるバックライト点灯制御を他のバックライト点灯条件時とは別に行う。これにより、操作者が携帯電話機100を衣服のポケットやバックに入れた場合などに、傾斜センサ103が頻繁にオン/オフする状況における不要なバックライト部113の点灯を抑制することが可能となる。
【0036】
図3に示すフローチャートを用いて第2の実施の形態の動作を説明する。なお上述したように、タイマ107を二つ有しており、それぞれタイマA及びタイマBと表現するものとする。
【0037】
S401で操作者が操作したことを検出した状態にて、バックライト部113を点灯していない場合(S402)、タイマAを使用してバックライト部113を点灯し(S403)、タイマAの動作を開始する(S404)。S405でタイマAがタイムアウトしていない場合、操作者が操作したかどうかを確認し(S413)、操作者が操作していなければ、傾斜センサ103がオフからオンに状態変化したかどうかを確認する(S414)。また、S405でタイマAがタイムアウトした場合、バックライトを消灯する(S406)。
【0038】
S401で操作者が操作したことを検出していない状態にて、傾斜センサ103がオフからオンへの状態変化を検出した場合(S407)、バックライト部113の点灯状態を確認する(S408)。S408にて、タイマBが起動中であれば傾斜センサ103がオフからオンに状態変化した直後と判断して、再度タイマを開始させないようにする。つまり、S408でバックライト部113が未点灯だった場合、タイマBを使用してバックライト部113を点灯し(S409)、タイマBの動作を開始する(S410)。S411にてタイマBがタイムアウトした場合、バックライト部113を消灯する(S412)。S411にてタイマBがタイムアウトしていない場合、操作者が操作したかどうかを確認し(S415)、操作者が操作していなければ、傾斜センサ103がオフからオンに状態変化したかどうかを確認する(S416)。S416で傾斜センサ103がオフからオンへの状態変化を検出していない場合、S411に戻りタイマBがタイムアウトしているか
確認する処理に戻る。また、S416で傾斜センサ103がオフからオンへの状態変化を検出した場合、S408に戻りバックライト部113の点灯状態を確認する処理に戻る。
S408でバックライト部113が点灯中であった場合、S417でタイマBが起動中か否かを確認する。S417でタイマBがタイムアウトしていないならS401に遷移し、S401で操作者が操作したかどうかを確認し、操作していないならばS407に遷移する。タイマBがタイムアウトしたならば、S405に遷移する。
【0039】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図4は本発明の第3の実施の形態の携帯電話機の構成を示すブロック図、図5はこの第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0040】
第3の実施の形態では、正面と背面の両方にLCD表示部とバックライト部を持つ折り畳み式の携帯電話機にて、傾斜センサによる正面と背面のバックライト制御方法を提案する。これにより、傾斜センサによる折り畳み式の携帯電話機において、正面バックライトを点灯する必要がない場合、背面バックライトのみを点灯することができ、また背面バックライトを点灯する必要がない場合、正面バックライトのみを点灯することができる。
【0041】
この第3の実施の形態の携帯電話機500は、図4に示すように、アンテナ501、無線部502、傾斜センサ503、制御部504、音声処理部508、レシーバ509、マイク510、操作部511、正面LCD表示部512、正面バックライト部513、背面LCD表示部514、背面バックライト部515、開閉検出部516とで構成され、制御部504はCPU505、メモリ506、タイマ507及び周辺ブロックの制御回路を有する。
【0042】
図4にて明らかなように、第3の実施の形態の構成においては第1の実施の形態の場合と比較して、開閉検出部516が追加となり、また1箇所のみであったLCD表示部とバックライト部が、正面LCD表示部512と正面バックライト部513、及び背面LCD部514と背面バックライト部515としてそれぞれ2箇所で構成する。
【0043】
第3の実施の形態では、折り畳み式の携帯電話機500の開閉状態が変化した場合、開閉検出部516が変化を検出し、制御部504に開閉状態が変化したことを伝える。また制御部504は、正面LCD表示部512の表示オン/オフに合わせて、正面バックライト部513の点灯/消灯の制御を実施する。背面LCD表示部514と背面バックライト部515の点灯/消灯の制御についても同様である。その他の構成要素の作用は、第1の実施の形態にて説明したのと同じであるため、説明は省略する。
【0044】
次に、この第3の実施の形態の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
折り畳み式携帯電話機500が開いたことを開閉検出部516で検出してない状態(閉じたままの状態、及び開いたままの状態)(S601)で、操作者が操作したことを検出した場合(S602)、もしくは傾斜センサ503がオフからオンへの状態変化を検出した場合(S603)、携帯電話機500の開閉状態によって、正面バックライト部513と背面バックライト部515の点灯/消灯が異なる(S604)。
【0046】
S604で携帯電話機500を開いた状態ならば、背面バックライト部515を消灯し(S605)、正面バックライト部513が点灯中か否かを確認する(S606)。S606で正面バックライト部513が点灯していない場合、正面バックライト部513を点灯し(S607)、タイマ507をスタートし(S608)、S609でタイマ507がタイムアウトしたかどうかを確認する。S609でタイムアウトしたならば、正面バックライト部513を消灯し(S610
)、タイマ507を停止する(S611)。S609でタイムアウトしていないならば、折り畳み式の携帯電話機500の開閉状態の変化を確認する(S618
)。S618で開閉状態の変化がないならば、操作者が操作したかどうかを検出する(S619)。S619で操作者が操作していないならば、傾斜センサ503がオフからオンに状態変化したかどうかを検出する(S620)。S620で変化を検出していないならば、S609に遷移する。
【0047】
また、S604で携帯電話機500を閉じた状態ならば、正面バックライト部513を消灯し(S612)、背面バックライト部515が点灯中か否かを確認する(S613)。S613で背面バックライト部515が点灯していない場合、背面バックライト部515を点灯し(S614)、タイマ507をスタートし(S615)、S616でタイマ507がタイムアウトしたかどうかを確認する。S616でタイムアウトしたならば、背面バックライト部515を消灯し(S617)、タイマ507を停止する(S611)。S616でタイムアウトしていないならば、折り畳み式の携帯電話機500の開閉状態の変化を確認する(S621)。S621で開閉状態の変化がないならば、操作者が操作したかどうかを検出する(S622)。S622で操作者が操作していないならば、傾斜センサ503がオフからオンに状態変化したかどうかを検出する(S623)。S623で変化を検出していないならば、S616に遷移する。
【0048】
このように、折り畳み式の携帯電話機500で正面と背面の両方にLCD表示部とバックライト部を持つ場合、折り畳み式の開閉状態の検出と傾斜センサによる検出との組み合わせにより、正面バックライトのみの点灯又は背面バックライトのみの点灯を行うことができる。
【0049】
なお、上述した第1ないし第3の実施の形態においては、傾斜センサ103、503による状態変化検出の基準角度を、携帯電話機100、500が水平に置かれた姿勢状態に設定するように説明したが、これに限定することなく、基準角度を操作者が最も認識しやすい携帯電話機の傾き姿勢角度に調整可能に設定できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施の形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図5】第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】従来の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
100、500 携帯電話機
101、501 アンテナ
102、502 無線部
103、503 傾斜センサ
104、504 制御部
105、505 CPU
106、506 メモリ
107、507 タイマ
108、508 音声処理部
109、509 レシーバ
110、510 マイク
111、511 操作部
112 LCD表示部
113 バックライト部
512 正面LCD表示部
513 正面バックライト部
514 背面LCD表示部
515 背面バックライト部
516 開閉検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、操作部と、少なくとも前記表示部の照明を行うバックライトとを有する携帯電話機において、
前記携帯電話機の姿勢が予め定めた基準角度ではない状態から前記基準角度の状態に変化したことを検出する傾斜検出手段と、前記傾斜検出手段による状態変化が検出されるか又は前記操作部に対する操作が行われると、前記バックライトを点灯させるとともに前記バックライトの点灯から消灯までの時間をタイマに設定するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記タイマを二つ設け、第1のタイマには前記操作部に対する操作により前記バックライトの点灯から消灯までの時間を設定する機能を、第2のタイマには前記傾斜検出手段による状態変化の検出により前記バックライトの点灯から消灯までの時間を設定する機能をそれぞれ有することを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記第1及び第2のタイマのいずれか一方が起動中で且つ前記バックライトが点灯中のときは、他方のタイマによる前記バックライトの点灯起動を開始しないことを特徴とする請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
表示部と、操作部と、本体部と蓋部とが互いに折り畳み開閉できる開閉構造とを有する携帯電話機において、
前記本体部と蓋部が折り畳まれたとき正面となる部位及び背面となる部位にそれぞれ設けた第1及び第2の表示部ならびにこれら第1及び第2の表示部の照明を行う第1及び第2のバックライトと、前記開閉構造の折り畳み開閉の状態を検出する開閉検出手段と、前記携帯電話機の姿勢が予め定めた基準角度ではない状態から前記基準角度の状態に変化したことを検出する傾斜検出手段と、前記開閉検出手段により開閉状態が検出され且つ前記傾斜検出手段による状態変化が検出されるか又は前記操作部に対する操作が行われると、前記第1及び第2のバックライトの点灯/消灯を制御するとともに点灯から消灯までの時間をタイマに設定するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項5】
前記予め定める基準角度を、前記携帯電話機が水平に置かれた姿勢状態に設定することを特徴とする請求項1または4記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記予め定める基準角度を、前記携帯電話機が水平に置かれた姿勢状態から可変しうることを特徴とする請求項1または4記載の携帯電話機。
【請求項7】
表示部と、操作部と、少なくとも前記表示部の照明を行うバックライトとを有する携帯電話機のバックライト制御方法において、
傾斜検出手段により前記携帯電話機の姿勢が予め定めた基準角度ではない状態から前記基準角度の状態に変化したことを検出する工程と、前記傾斜検出手段による状態変化が検出されるか又は前記操作部に対する操作が行われると、制御手段により前記バックライトを点灯させるとともに前記バックライトの点灯から消灯までの時間をタイマに設定するように制御する工程とを備えることを特徴とする携帯電話機のバックライト制御方法。
【請求項8】
表示部と、操作部と、本体部と蓋部とが互いに折り畳み開閉できる開閉構造とを有し、且つ前記本体部と蓋部が折り畳まれたとき正面となる部位及び背面となる部位にそれぞれ設けた第1及び第2の表示部ならびにこれら第1及び第2の表示部の照明を行う第1及び第2のバックライトとを有する携帯電話機のバックライト制御方法において、
開閉検出手段により前記開閉構造の折り畳み開閉の状態を検出する工程と、傾斜検出手段により前記携帯電話機の姿勢が予め定めた基準角度ではない状態から前記基準角度の状態に変化したことを検出する工程と、前記開閉検出手段により開閉状態が検出され且つ前記傾斜検出手段による状態変化が検出されるか又は前記操作部に対する操作が行われると、制御手段により前記第1及び第2のバックライトの点灯/消灯を制御するとともに点灯から消灯までの時間をタイマに設定するように制御する工程とを備えることを特徴とする携帯電話機のバックライト制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−14056(P2006−14056A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189968(P2004−189968)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】