説明

携帯電話機及びその制御方法並びにプログラム

【課題】 簡便に様々な着信制限を行うことができる携帯電話機を得る。
【解決手段】 発信者端末から通知される発信者電話番号が電話帳メモリに登録されていない場合(ステップA6,No)や発信者電話番号が通知されない場合(ステップA4,No)に、着信拒否動作を実行するようにする(ステップA5)。このとき、複数の着信拒否モードの中から任意に選択設定されている一の着信拒否モードに従った着信拒否動作が実行される。これにより、簡便に様々な着信制限を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話機及びその制御方法並びにプログラムに関し、特に着信時の着信動作の制御を行う携帯電話機及びその制御方法並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】特開2001−61001号公報に記載の従来の携帯電話機について説明する。上記公報に記載の従来の携帯電話機では、電話帳メモリに電話番号を新規登録する際に属性と優先ランクを併せて登録するようにしている。そして、携帯電話機が着信制限モードに設定されている場合、着呼時に交換機側から送られてくる発信者電話番号と電話帳メモリ内の電話番号との一致不一致を検出し、一致する電話番号が検出される場合、当該電話番号の属性及び優先ランクと着信制限モードで規定されている属性及び優先ランクとに基づいて、着信呼出しを行うか否かを判断するようにしている。なお、着信呼出しを許可しないと判断される場合、着呼に対してリンガを鳴動させることなく、発信者端末に合成音声で通話不可能であることを告げて伝言メッセージを促す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載の従来の携帯電話機では、着信の制限を行うために電話帳メモリ内の電話番号に属性及び優先ランクを加える必要があり、この操作はユーザにとって煩雑である。また、電話帳メモリに登録される電話番号は基本的にはユーザにとって着信制限の必要がない電話番号であるので、このような電話番号に対して着信制限を行うようにした上記従来の携帯電話機では、着信制限モードで規定すべき着信呼出しを許可する属性及び優先ランクをその時々の状況によって頻繁に設定し直す必要があり、これまたユーザにとっては煩雑である。
【0004】なお、上記公報には、発信者電話番号が電話帳に存在しない場合、電話帳にない局は日頃のアクセスが少ない局であり、そのような局からタイムリーな情報が得られる確率は低いと考えて着信を拒否する旨が記載されているが、その具体的な着信拒否動作については記載されていない。
【0005】本発明の第1の目的は、簡便に着信制限を行うことができる携帯電話機及びその制御方法並びにプログラムを提供することである。
【0006】本発明の第2の目的は、簡便に様々な着信制限を行うことができる携帯電話機及びその制御方法並びにプログラムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の携帯電話機は、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含むことを特徴とする。
【0008】本発明による第2の携帯電話機は、電話番号が複数登録される電話帳メモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、メッセージメモリと、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含むことを特徴とする。
【0009】本発明による第3の携帯電話機は、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含むことを特徴とする。
【0010】本発明による第4の携帯電話機は、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含むことを特徴とする。
【0011】本発明による第5の携帯電話機は、電話番号が複数登録される電話帳メモリと、メッセージメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない第1の場合であって、第1の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなし、第2の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなし、第3の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなし、第4の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含み、前記第1〜第4の着信拒否モードのいずれか1つを任意に選択し設定することが可能であることを特徴とする。
【0012】また、前記第5の携帯電話機において、前記着信動作制御手段は、着呼時に前記発信者電話番号が通知されない第2の場合にも、設定されている着信拒否モードに応じた着信動作制御をなすことを特徴とする。
【0013】また、前記第5の携帯電話機において、前記第2の場合における前記着信動作制御手段の着信動作制御は、前記第1の場合とは別に任意に選択され設定される前記第1〜第4の着信拒否モードのいずれか1つに応じてなされることを特徴とする。
【0014】本発明による制御方法は、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする。
【0015】本発明による制御方法は、電話番号が複数登録される電話帳メモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、メッセージメモリとを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする。
【0016】本発明による制御方法は、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする。
【0017】本発明による制御方法は、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする。
【0018】本発明による制御方法は、電話番号が複数登録される電話帳メモリと、メッセージメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合であって、第1の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなし、第2の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなし、第3の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなし、第4の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含み、前記第1〜第4の着信拒否モードのいずれか1つを任意に選択し設定することが可能であることを特徴とする。
【0019】本発明によるプログラムは、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする。
【0020】本発明によるプログラムは、電話番号が複数登録される電話帳メモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、メッセージメモリとを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする。
【0021】本発明によるプログラムは、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする。
【0022】本発明によるプログラムは、電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする。
【0023】本発明によるプログラムは、電話番号が複数登録される電話帳メモリと、メッセージメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合であって、第1の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなし、第2の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなし、第3の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなし、第4の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含み、前記第1〜第4の着信拒否モードのいずれか1つを任意に選択し設定することが可能であることを特徴とする。
【0024】本発明の作用は次の通りである。第1〜第4の4つの着信拒否モードがあり、それら着信拒否モードから任意に選択設定された一の着信拒否モードに従って、着呼時に通知される発信者電話番号が電話帳メモリにない場合に、着信動作の制御が行われる。第1の着信拒否モードが設定されている場合、報知手段のうち着信ランプのみが駆動され、第2の着信拒否モードが設定されている場合、いわゆる留守番電話機能が起動され発信者のメッセージがメッセージメモリに録音される。また、第3の着信拒否モードが設定されている場合、通話接続が行われて瞬時に切断され、第4の着信拒否モードが設定されている場合、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から発信者端末へ送出させる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施例による携帯電話機の構成を示すブロック図である。図1において、本発明の実施例による携帯電話機は、アンテナ1と、無線部2と、音声合成処理部3と、電話帳メモリ4と、メッセージメモリ5と、スピーカ6と、操作部7と、着信ランプ8と、バイブレータ9と、制御部10とを有している。
【0026】アンテナ1は、図示せぬ基地局との間で電波の送受信を行うものである。無線部2は、アンテナ1を介して無線信号を送受信するためのものである。音声合成処理部3は、留守番電話機能起動時に発信者端末へ送出する音声メッセージを合成するためのものである。電話帳メモリ4は、複数の電話番号が格納されるメモリである。メッセージメモリ5は、留守番電話機能が起動されることにより送出された音声メッセージに応答して発せられた発信者の伝言メッセージを格納するメモリである。
【0027】スピーカ6は、着信がある旨をユーザに報知するためのものであり、通常の着信動作時にその時の設定に応じて起動され着信音を出力する。操作部7は、電話帳メモリ4への電話番号の登録や着信拒否モードの設定など入力操作を行うためのものである。着信ランプ8は、着信がある旨をユーザに報知するためのものであり、通常の着信動作時にその時の設定に応じて起動され発光する。バイブレータ9は、着信がある旨をユーザに報知するためのものであり、通常の着信動作時にその時の設定に応じて起動され振動することにより、携帯電話機本体を振動させる。制御部10は、無線部2、音声合成処理部3、電話帳メモリ4、メッセージメモリ5、スピーカ6、操作部7、着信ランプ8及びバイブレータ9を制御するものである。
【0028】このような構成の図1に示した携帯電話機では、電話帳メモリ4に登録されていない電話番号からの着信や発信者電話番号が通知されていない着信に対する着信動作を制限するようにし、さらに、着信動作の制限の方法として複数の着信拒否モード(着信制限モード)を備え、それらのモードの内からユーザが任意に選択した一のモードに従った着信拒否動作(着信制限動作)を実行することにより、着信動作を制限するようにする。図2は図1に示した携帯電話機における着信拒否動作について説明するための図である。
【0029】図2及び1において、着信拒否モードとして第1から第4の4つの着信拒否モードがあり、ユーザは操作部7を操作することにより第1〜第4の着信拒否モードの内から1つの着信拒否モードを任意に選択し設定することができる。第1の着信拒否モードが設定されている場合の着信拒否動作は、報知手段(スピーカ6、着信ランプ8及びバイブレータ9)のうち着信ランプ8のみが駆動されるというものである。このように、スピーカ6による着信音の鳴動及びバイブレータ9の振動はオフで、着信ランプ8の点灯あるいは点滅によってのみユーザに着信がある旨を報知することにより、ユーザは着信に気付いて電話を受けることもできるし、容易に着信を無視することも可能となる。なお、着信ランプ8として複数色の発光が可能なものを用いるならば、第1の着信拒否モードでは、通常の着信動作における発光色と異なる発光色で着信ランプ8が発光するよう設定することができるようにしてもよい。
【0030】第2の着信拒否モードが設定されている場合の着信拒否動作は、携帯電話機に内蔵されている留守番電話機能が起動されるというものである。すなわち、留守番電話機能が起動されると、音声合成処理部3により生成された音声メッセージが発信者端末へ送出され、この音声メッセージに応答して伝えられる発信者の伝言メッセージがメッセージメモリ5に記録される。発信者端末へ送出される音声メッセージが発信者の名前及び電話番号を伝えるよう促すメッセージであれば、ユーザはメッセージメモリ5に記録されている伝言メッセージを後から再生することにより、必要に応じて発信者電話番号を電話帳メモリ4に登録することができ、以降はその発信者からの着信に対する着信動作を制限しないようにすることができる。なお、この着信拒否動作では、基本的には報知手段の全てを駆動しないようにするが、勿論、着信ランプ8は駆動するようにしてもよい。
【0031】第3の着信拒否モードが設定されている場合の着信拒否動作は、いたずら電話を撃退することができるものである。すなわち、報知手段の全てを駆動することなく自動的に通話接続し、瞬時に切断する。これにより、発信者に対して通話費用の負担を与えることができるので、この着信拒否動作はいたずら電話に対して有効であるといえる。このように、いたずら電話を撃退することができるので、ユーザがいたずら電話に応対する時間を短くし、携帯電話機を有効に使用することができる。
【0032】第4の着信拒否モードが設定されている場合の着信拒否動作は、一切の着信動作を行わず着信を無視するというものである。すなわち、報知手段の全てを駆動することなく、電波の届かない所に居るか電源が入っていないとのアナウンスをシステム側(交換機側)から発信者端末に送出させるようにする。
【0033】次に、本発明の実施例による携帯電話機の着信時の動作例について図面を用いて説明する。図3は図1に示した携帯電話機の動作例を示すフローチャートである。図3及び1において、まず、制御部10は着信を検出すると(ステップA1)、図2に示した着信拒否モードが設定されているか否かを判断する(ステップA2)。ここで、着信拒否モードが設定されていなければ(ステップA2,No)、制御部10は通常の着信動作を実行する(ステップA3)。
【0034】ステップA3における通常の着信動作は、着信拒否モードとは別のモードとして存在する着信動作モードの設定に基づいて実行されるものである。したがって、設定されている着信動作モードに従って、例えば、スピーカ6による着信音の鳴動及び着信ランプ8の点灯あるいは点滅がなされ、バイブレータ9の振動はオフとされる。また、着信動作モードの設定において、スピーカ6による着信音の鳴動及びバイブレータ9の振動がオフとなるよう設定すれば、ステップA3における通常の着信動作であっても、着信拒否モードに準じた動作が可能である。
【0035】ステップA2において、着信拒否モードが設定されていれば(ステップA2,Yes)、制御部10は、発番号通知によりアンテナ1及び無線部2を介して発信者電話番号を受信したか否かを判断する(ステップA4)。発信者端末から発信者電話番号が届いていない場合(ステップA4,No)、制御部10は、第1〜第4の着信拒否モードのうち設定されている着信拒否モードに従って着信拒否動作を実行する(ステップA5)。なお、ステップA5において実行される着信拒否動作は、図2を用いて既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0036】ステップA4において、発信者端末から発信者電話番号が届いている場合(ステップA4,Yes)、制御部10は、電話帳メモリ4を参照して、受信した発信者電話番号と合致する電話番号が電話帳メモリ4に登録されている否かを判断する(ステップA6)。発信者電話番号が電話帳メモリ4に登録されていれば(ステップA6,Yes)、制御部10は通常の着信動作を実行する(ステップA3)。また、発信者電話番号が電話帳メモリ4に登録されていなければ(ステップA6,No)、設定されている着信拒否モードに従って着信拒否動作を実行する(ステップA5)。
【0037】次に、本発明の実施例による携帯電話機の着信時の別の動作例について図面を用いて説明する。図4R>4は図1に示した携帯電話機の別の動作例を示すフローチャートであり、図3と同等部分は同一符号にて示している。図3に示した動作例では、発信者電話番号が届いていない場合(ステップA4,No)に実行される着信拒否動作と、発信者電話番号が電話帳メモリ4に登録されていない場合(ステップA6,No)に実行される着信拒否動作とは、同一の動作であり、発信者電話番号が届いていない場合(ステップA4,No)と発信者電話番号が電話帳メモリ4に登録されていない場合(ステップA6,No)とで異なる着信拒否動作を実行することはできない。
【0038】そこで、着信拒否モードの設定の際に、発信者電話番号が届いていない場合の着信拒否モードと発信者電話番号が電話帳メモリ4に登録されていない場合の着信拒否モードとを別々にユーザに設定させるようにする。これにより、図4に示したように、発信者電話番号が届いていない場合(ステップA4,No)には、制御部10はこの場合用に設定された着信拒否モードに従って着信拒否動作(第1の着信拒否動作)を実行し(ステップB7)、発信者電話番号が電話帳メモリ4に登録されていない場合(ステップA6,No)には、制御部10はこの場合用に設定された着信拒否モードに従って着信拒否動作(第2の着信拒否動作)を実行する(ステップB8)。
【0039】したがって、図4に示した動作例では、第1の着信拒否動作と第2の着信拒否動作とは、異なる動作とすることもできるし同一の動作とすることもできるようになる。
【0040】このように、本発明の実施例による携帯電話機では、電話帳メモリ4に登録されていない電話番号について着信を制限するようにしているので、着信を制限したい相手の電話番号を電話帳メモリ4に登録する必要がなく、メモリ資源を有効に使用することができる。
【0041】また、着信拒否モードを一度設定しておけば、その後は特別な操作を行うことなく着信制限動作が維持され、また、電話帳メモリ4に登録されていない電話番号について着信を制限するようにしているので、上記公報に記載の従来の携帯電話機と異なり頻繁に設定を変更する必要もなく、さらに、設定可能な着信拒否モードとして複数の着信拒否モードを用意し、ユーザはそれら着信拒否モードから任意に一のモードを選択設定可能であるので、簡便に様々な着信制限を行うことができる。
【0042】なお、上記図3及び4に示したフローチャートに従った各処理動作は、予めROM等の記憶媒体に格納されたプログラムを、CPU(制御部)となるコンピュータに読み取らせて実行せしめることにより、実現できることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】本発明による第1の効果は、簡便に着信制限を行うことができることである。その理由は、電話帳メモリに登録されていない電話番号について着信を制限するようにしているので、電話帳メモリに電話番号を登録する際に併せて属性及び優先ランクを登録する必要もなく、頻繁に設定を変更する必要もないためである。
【0044】本発明による第2の効果は、簡便に様々な着信制限を行うことができることである。その理由は、電話帳メモリに登録されていない電話番号について着信を制限するようにし、さらに、設定可能な着信拒否モードとして複数の着信拒否モードを用意し、それら着信拒否モードから任意に一のモードを選択設定可能としているためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯電話機における着信拒否動作について説明するための図である。
【図3】図1の携帯電話機の動作例を示すフローチャートである。
【図4】図1の携帯電話機の別の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 無線部
3 音声合成処理部
4 電話帳メモリ
5 メッセージメモリ
6 スピーカ
7 操作部
8 着信ランプ
9 バイブレータ
10 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含むことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】 電話番号が複数登録される電話帳メモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、メッセージメモリと、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含むことを特徴とする携帯電話機。
【請求項3】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含むことを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含むことを特徴とする携帯電話機。
【請求項5】 電話番号が複数登録される電話帳メモリと、メッセージメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない第1の場合であって、第1の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなし、第2の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなし、第3の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなし、第4の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御手段とを含み、前記第1〜第4の着信拒否モードのいずれか1つを任意に選択し設定することが可能であることを特徴とする携帯電話機。
【請求項6】 前記着信動作制御手段は、着呼時に前記発信者電話番号が通知されない第2の場合にも、設定されている着信拒否モードに応じた着信動作制御をなすことを特徴とする請求項5記載の携帯電話機。
【請求項7】 前記第2の場合における前記着信動作制御手段の着信動作制御は、前記第1の場合とは別に任意に選択され設定される前記第1〜第4の着信拒否モードのいずれか1つに応じてなされることを特徴とする請求項6記載の携帯電話機。
【請求項8】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項9】 電話番号が複数登録される電話帳メモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、メッセージメモリとを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項10】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項11】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項12】 電話番号が複数登録される電話帳メモリと、メッセージメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法であって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合であって、第1の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなし、第2の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなし、第3の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなし、第4の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含み、前記第1〜第4の着信拒否モードのいずれか1つを任意に選択し設定することが可能であることを特徴とする制御方法。
【請求項13】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項14】 電話番号が複数登録される電話帳メモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段と、メッセージメモリとを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項15】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項16】 電話番号が複数登録されるメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記メモリにない場合や着呼時に前記発信者電話番号が通知されない場合、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項17】 電話番号が複数登録される電話帳メモリと、メッセージメモリと、着信がある旨をユーザに報知する報知手段とを含む携帯電話機の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、着呼時に通知される発信者電話番号が前記電話帳メモリにない場合であって、第1の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段のうち着信ランプのみを駆動せしめる着信動作制御をなし、第2の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、前記発信者がその名前及びその電話番号を伝えるよう促すメッセージを前記発信者端末に送出し、前記メッセージに応答して伝えられた前記発信者のメッセージを前記メッセージメモリに記録する着信動作制御をなし、第3の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、通話接続を行い瞬時に切断する着信動作制御をなし、第4の着信拒否モードが設定されているときには、前記報知手段を駆動せしめることなく、着信不可能である旨のメッセージを交換機側から前記発信者端末へ送出せしめる着信動作制御をなす着信動作制御ステップを含み、前記第1〜第4の着信拒否モードのいずれか1つを任意に選択し設定することが可能であることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2003−125066(P2003−125066A)
【公開日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−320088(P2001−320088)
【出願日】平成13年10月18日(2001.10.18)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】