説明

携帯電話機及びその機能設定方法、機能設定システム

【課題】機能の設定操作の履歴を記憶し、簡便にその設定操作の履歴に対応する機能の設定を行うことができる携帯電話機及びその機能設定方法、機能設定システムを提供する。
【解決手段】本発明の一態様にかかる携帯電話機100は、複数の機能を有する携帯電話機100であって、携帯電話機100の機能を設定する設定操作の履歴に基づく機能設定操作データを記憶するメモリ105を有し、メモリ105に記憶された機能設定操作データを読み出し、携帯電話機100に設定操作の履歴に対応する機能の設定を行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機及びその機能設定方法、機能設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコンピュータ技術の進歩に伴い情報端末が普及している。情報端末の中でも、基地局との間で無線通信を行う、携帯電話機やPHS(Personal Handy phone System)(以下、PHSも含めて携帯電話機とする)の普及率は、爆発的に上昇している。
【0003】
近年の携帯電話機は、単なる音声通信機能だけを有するのでは無く、カメラ機能、メール送受信機能、WEB閲覧機能、スケジュール管理機能などといった、付加的な多くの機能を有している。このため、これらの機能を設定するための操作が複雑化しており、ユーザが戸惑いを覚える場面も少なくない。
【0004】
上述した問題を解決するために、従来から様々な技術が提案されている。例えば、使用頻度が高い機能を少ない操作で起動できるように、待ち受け画面に当該機能を設定するショートカットを自動的に作成する技術が知られている。また、ユーザ自身が使用頻度の高い機能を専用の機能設定メニューに登録し、利便性をあげることが知られている。また、携帯電話機を買い替えた場合には、前の携帯電話機において設定されていた機能を、サーバを介して新しい携帯電話機に設定可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−165005号公報
【0005】
ところで、着信ランプの色がRGB3色のLEDの組み合わせにより詳細に設定可能な携帯電話機において、RGBそれぞれのLEDが8bitで制御されている場合、着信ランプの色は256(8bit)の3乗、約16.8M通りの色が設定可能となる。ユーザは、この着信ランプの配色の変化を見ながらRGBのLEDの設定値を任意に変更する。そして、気に入った配色になったところで、そのときのRGBのLEDの設定を保存する。しかしながら、一旦、別の配色に変更してしまうと、元の配色のRGBのLEDそれぞれの設定値は記憶されておらず、元の配色に戻すことが困難となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、設定した機能の内容を記憶し、簡便にその設定内容に切り替えることが可能な携帯電話機が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる携帯電話機は、複数の機能を有する携帯電話機であって、前記携帯電話機の機能を設定する設定操作の履歴に基づく機能設定操作データを記憶する機能設定操作データ記憶部を有し、前記機能設定操作データ記憶部に記憶された前記機能設定操作データを読み出し、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に対応する機能の設定を行うものである。このような構成を有することによって、複雑な機能設定を行うことなく、機能設定操作データを読み出すだけで、簡便に機能の設定を行うことができる。
【0008】
本発明にかかる携帯電話機の機能設定方法は、複数の機能を有する携帯電話機の機能設定方法であって、前記携帯電話機を機能設定操作記録状態とし、前記機能設定記録状態の間に機能の設定操作を行い、前記設定操作の履歴に基づく機能設定操作データを記憶し、前記機能設定操作データを読み出し、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に対応する機能の設定を行う。これによって、複雑な機能設定を行うことなく、機能設定操作データを読み出すだけで、簡便に機能の設定を行うことができる。
【0009】
本発明にかかる携帯電話機の機能設定システムは、複数の機能を有する携帯電話機であって、機能の設定操作の履歴に基づく機能設定操作データを作成する携帯電話機と、前記携帯電話機と通信網を介して接続され、前記携帯電話機から送信される前記機能設定操作データを記憶するサーバ装置とを有し、前記サーバ装置に記憶された機能設定操作データを読み出し、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に対応する機能の設定を行うものである。このような構成を有することによって、複雑な機能設定を行うことなく、機能設定操作データを読み出すだけで、簡便に機能の設定を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機能の設定操作の履歴を記憶し、簡便にその設定操作の履歴に対応する機能の設定を行うことができる携帯電話機及びその機能設定方法、機能設定システムを提供することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1にかかる情報端末について、図1を参照して説明する。図1は、実施の形態にかかる情報端末の一例である携帯電話機100の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる携帯電話機100は、送受信アンテナ101、無線部102、マイク103、制御部104、メモリ105、表示部106、操作部107、スピーカ108を備えている。本発明において注目すべき点は、携帯電話機100における機能の設定方法である。携帯電話機100の機能としては、表示機能、送信機能、受信機能、マイク機能、スピーカ機能などがある。
【0012】
送受信アンテナ101は、電波を送受信する。無線部102は、送受信アンテナ101において送受信される電波の復調処理及び変調処理を行う。マイク103は、ユーザの音声を集音する。制御部104は、携帯電話機100の各部の動作制御を行う。メモリ105は、各機能の設定に必要な設定データなどを記憶する。また、メモリ105は、携帯電話機100において、ユーザが機能の設定をする際に作成される機能設定操作データについても記憶する。表示部106は、液晶などを用いた表示パネルからなる。表示部106は、各機能を設定するためのメニュー表示を行う。操作部107は複数のキーを備え、当該キーの押下によって各機能の設定を確定する。スピーカ108は、音声情報を出力する。
【0013】
送受信アンテナ101は、無線部102を介して、制御部104に接続されている。マイク103、メモリ105、表示部106、操作部107及びスピーカ108は、それぞれ制御部104に接続されている。
【0014】
上記の携帯電話機100の送受信動作について説明する。受信時においては、送受信アンテナ101は、基地局からの電波を受信する。無線部102は、送受信アンテナ101において受信された電波の復調処理を行う。スピーカ108は、復調処理された音声情報を出力する。一方、送信時においては、マイク103はユーザの音声を集音し、無線部102に音声情報を送信する。無線部102は、音声情報の変調処理を行う。送受信アンテナ101は、変調処理された音声信号を送信する。
【0015】
ここで、図2を参照して、本実施の形態にかかる携帯電話機100の機能設定方法について説明する。図2は、本実施の形態にかかる携帯電話機100の機能設定方法を説明するフローチャートである。図2に示すように、本実施の形態にかかる携帯電話機100において機能の設定をする場合、機能設定操作を記録するか否かを決定する(ステップS11)。機能設定操作を記録しない(No)場合は、機能設定操作の記録を実施せずに、通常の機能設定を行うことができる。
【0016】
一方、機能設定操作を記録する(Yes)場合、機能設定操作の記録を開始する(ステップS12)。この機能設定操作の記録の保存方法については、後に詳述する。そして、ユーザが、機能設定操作の記録停止を実行するまで、機能設定操作を記録し続ける。その後、ユーザが機能設定操作の記録停止を実行する(ステップS13)と、記録した機能設定操作データをメモリ105に保存する(ステップS14)。すなわち、機能の設定を行う際の複数の操作の履歴が機能設定操作データとして保存される。
【0017】
そして、保存した機能設定操作データを用いて機能の設定を行う場合、制御部104は、操作部107の操作に応じてメモリ105から機能設定操作データを読み出し、表示部106上に表示する。そして、ユーザはその機能設定操作データを選択し、操作部107の操作によって携帯電話機100に機能の設定を実行させる。これによって、複数の操作を経ることなく、機能設定を行うことができる。また、機能設定操作データはメモリ105に記憶されているので、一旦別の設定にしたとしても、再び機能設定操作データを選択するだけで、簡単にもとの設定に戻すことができる。
【0018】
ここで図3を参照して、機能設定操作データの保存方法について説明する。図3は、保存した機能設定操作データを説明する図である。携帯電話機100の設定を種類に分類し、階層分けを行っている。その分類、階層分けされた設定のそれぞれに番号を付加している。図3において、縦方向に設定の種類を示している。また、横方向には設定の階層を示し、右側に行くほど階層が深くなる。
【0019】
例えば、携帯電話機100に設けられた背面液晶ディスプレイのバックライトの発光色がRGB3色のLEDの組み合わせにより設定可能な携帯電話機において、「RのLEDに設定」する場合、まず「メインメニュー」(0x00)を選択すると、「電話帳」、「スケジュール」、「各種設定」などが表示部106に表示される。その後、「各種設定」(0x03)を選択すると、「フォントサイズ」、「ディスプレイ設定」が表示部106に表示される。そして、「ディスプレイ設定」(0x02)を選択した後、「背面液晶設定」(0x03)を選択する。その後、「RGB設定」を選択した後に「R設定(0x01)」という操作を行う。したがって、背面液晶ディスプレイのバックライトの発光色をRに設定する操作を記録した場合、メモリ105に保存される機能設定操作データは、「0x01,0x03,0x02,0x03,0x01,0x01」となる。このように、機能設定操作データを簡易なテキストフォーマットとしてメモリ105に保存する。
【0020】
機能設定操作データの保存例を図4に示す。図4(a)は、フォントサイズを大きいサイズに変更した場合の、機能設定操作データを示している。また、図4(b)は、背面液晶ディスプレイのバックライトの発光色を変更した場合の、機能設定操作データを示している。図4(c)は、フォントサイズを大きいサイズに変更し、かつ、背面液晶ディスプレイのバックライトの発光色を変更した場合の、機能設定操作データを示している。図4(c)に示すように、機能設定操作の記録開始から記録終了までの間に、複数の機能の設定を行った場合においても、その機能設定操作データは1つのデータとして保存される。
【0021】
従来、背面液晶ディスプレイの発光色をRに設定する場合、上述のように「メインメニュー」を選択し、「各種設定」を選択する。そして、「ディスプレイ設定を選択した後、「背面液晶設定」を選択する。さらに、「RGB設定」を選択した後に「R設定」を選択するという6段階の機能設定操作を行わなければならなかった。しかし、本発明においては、複数の機能設定操作であっても、それを連続して1つの機能設定操作データとして保存しておくため、メモリ105から所望の機能設定操作データを選択するだけで、簡便に機能設定を行うことができる。
【0022】
また、例えば、この着信ランプの配色の変化を見ながらユーザがRGBのLEDの設定値を任意に変更するような複雑な機能設定操作であっても、その機能設定操作を記録しておけば、一旦、別の配色に変更しても、元の配色のRGBのLEDそれぞれの設定値に容易に戻すことが可能である。また、複数の機能設定操作データを保存しておき、切り替えて使用することも可能である。
【0023】
また、従来、上述の着信ランプの配色設定のようなRGBの詳細な設定内容などを第三者に伝達するのが困難であった。しかしながら、本発明によれば、複雑な機能設定操作であっても、容易なフォーマットのテキストデータとして保存することができるため、容易に第三者に伝達することが可能となる。また、例えば、サポートセンターなどにおいては、ユーザから機能の設定方法について電話で質問されることがある。このような質問に対して、口頭で的確に設定方法を伝える事が困難である。しかしながら、本発明によれば、様々な設定操作の段階を経ることなく、機能設定操作データのみを伝えることで、容易に設定操作を伝えることができる。また、保存した機能設定操作データのみをメールなどに添付して、第三者に送信することも可能である。
【0024】
また、携帯電話機100本体において保存した機能設定操作データをパソコン上で編集することも可能である。図5に、保存した設定データをパソコンにおいて編集する例を示す。携帯電話機100に保存した機能設定操作データを、メモリカード109に記憶させる。そして、メモリカード109に記憶させた機能設定操作データをパソコン110に展開する。パソコン110では、機能設定操作編集ソフトを用いて、機能設定操作データのバックアップ及び加工をすることができる。
【0025】
機能設定操作データの編集専用のソフトを用いなくてもよい。機能設定操作データは、簡易なテキストフォーマットであるため、機能設定操作データの編集専用のソフトを用いなくても、テキストエディタなどを使用して、簡単に加工・編集が可能である。また、携帯電話機100本体で、機能設定操作データの編集を行ってもよい。
【0026】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2について、図6を参照して説明する。図6は、本実施の形態にかかる機能設定システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる機能設定システムは、携帯電話機100、基地局111、ネットワーク112、機能設定サーバ113から構成される。機能設定サーバ113は、携帯電話機製造メーカA社用の機能設定データベース114、携帯電話機製造メーカB社用の機能設定データベース115、ユーザC用の機能設定データベース116、ユーザD用の機能設定データベース117から構成される。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、ネットワークを介した機能設定サーバ上で機能設定操作データを管理する点である。
【0027】
携帯電話機100は、実施の形態1において説明した機能設定操作データを記憶することができるものである。基地局111は、携帯電話機100と電波で交信し、上述の機能設定操作データを送受信する。機能設定サーバ113は、機能設定操作データを管理する。携帯電話機製造メーカA社用の機能設定データベース114及び携帯電話機製造メーカB社用の機能設定データベース115には、さまざまな機能設定操作データが記憶されている。一方、ユーザC用の機能設定データベース116及びユーザD用の機能設定データベース117は、各ユーザが携帯電話機100において保存した機能設定操作データが記憶されている。
【0028】
ユーザは、携帯電話機製造メーカ用の機能設定データベースに保存されている機能設定操作データを、ネットワークを介してダウンロードすることができる。これを携帯電話機100において実行することによって、複雑な操作を行うことなく、様々な設定を簡単に行うことできる。
【0029】
また、携帯電話機100において、ユーザ自身が保存した機能設定操作データは、ネットワークを介して、ユーザ用の機能設定データベースに保存することも可能である。このユーザ専用の機能設定データベースを第三者にアクセス可能とすることによって、簡単に第三者に機能の設定を伝達することも可能である。
【0030】
このように、本発明では、機能設定操作データを容易なテキストフォーマットで保存することによって、一度設定した機能の内容に容易に元に戻すことができる。また、保存した設定データをメールやネットワークなどを用いて、第三者に容易に機能の設定方法を伝える事が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態1にかかる携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる携帯電話機の動作を説明するフローチャートである。
【図3】実施の形態1にかかる機能の割付の一例を説明する図である。
【図4】実施の形態1にかかる機能設定操作データのファイル保存例を説明する図である。
【図5】機能設定操作データの編集方法を説明する図である。
【図6】実施の形態2にかかる機能設定システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0032】
100 携帯電話機
101 送受信アンテナ
102 無線部
103 マイク
104 制御部
105 メモリ
106 表示部
107 操作部
108 スピーカ
109 メモリカード
110 PC
111 基地局
112 ネットワーク
113 機能設定サーバ
114 機能設定データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を有する携帯電話機であって、
前記携帯電話機の機能を設定する設定操作の履歴に基づく機能設定操作データを記憶する機能設定操作データ記憶部を有し、
前記機能設定操作データ記憶部に記憶された前記機能設定操作データを読み出し、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に対応する機能の設定を行う携帯電話機。
【請求項2】
前記機能設定操作データのフォーマットは、テキストフォーマットであり、編集可能である請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記機能設定操作データは複数の機能を設定する設定操作の履歴に基づいて作成され、
当該機能設定操作データを読み出し、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に対応する複数の機能の設定を行う請求項1又は2に記載の携帯電話機。
【請求項4】
複数の機能を有する携帯電話機の機能設定方法であって、
前記携帯電話機を機能設定操作記録状態とし、
前記機能設定記録状態の間に機能の設定操作を行い、
前記設定操作の履歴に基づく機能設定操作データを記憶し、
前記機能設定操作データを読み出し、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に対応する機能の設定を行う携帯電話機の機能設定方法。
【請求項5】
前記機能設定操作データをテキストフォーマットで記憶し、編集可能である請求項4に記載の携帯電話機の機能設定方法。
【請求項6】
前記機能設定記録状態の間に複数の機能の設定操作を行い、前記設定操作の履歴に基づく機能設定操作データを記憶し、
当該機能設定操作データを読み出して、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に対応する複数の機能の設定を行う請求項4又は5に記載の携帯電話機の機能設定方法。
【請求項7】
複数の機能を有する携帯電話機であって、機能の設定操作の履歴に基づく機能設定操作データを作成する携帯電話機と、
前記携帯電話機と通信網を介して接続され、前記携帯電話機から送信される前記機能設定操作データを記憶するサーバ装置と、
を有し、
前記サーバ装置に記憶された機能設定操作データを読み出し、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に対応する機能の設定を行う携帯電話機の機能設定システム。
【請求項8】
前記機能設定操作データをテキストフォーマットで記憶し、編集可能である請求項7に記載の携帯電話機の機能設定システム。
【請求項9】
前記機能設定操作データは複数の機能を設定する設定操作の履歴に基づいて作成され、
当該機能設定操作データを読み出して、前記携帯電話機に前記設定操作の履歴に基づいて複数の機能が設定される請求項7又は8に記載の携帯電話機の機能設定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−304181(P2006−304181A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126541(P2005−126541)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】