携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法並びにコンピュータプログラム
【課題】キー操作の「長押し」や「二重押し」といった場合を検出することを可能にして、暗証番号入力の際の選択候補を増やすことで、携帯電話機のセキュリティをより一層向上させること。
【解決手段】暗証番号のキー入力時、押下により入力される数字に対して、さらに短押し(例えば1秒未満の押下)か、それとも長押しかの情報を付与したものをキー入力情報として、図4(b)の領域に格納すると共に、図4(a)に示す登録済み暗証番号と比較するものである。よって、例えば、1桁目は1のキーの短押し、2桁目は2のキーの長押し、3桁目は3のキーの長押し、として入力した場合には、これらの情報がそっくり入力情報として図4(b)の領域に記録され、図4(a)に示す登録済の暗証番号(各桁の数値には短押し/長押しの区別が付随している)と比較される。
【解決手段】暗証番号のキー入力時、押下により入力される数字に対して、さらに短押し(例えば1秒未満の押下)か、それとも長押しかの情報を付与したものをキー入力情報として、図4(b)の領域に格納すると共に、図4(a)に示す登録済み暗証番号と比較するものである。よって、例えば、1桁目は1のキーの短押し、2桁目は2のキーの長押し、3桁目は3のキーの長押し、として入力した場合には、これらの情報がそっくり入力情報として図4(b)の領域に記録され、図4(a)に示す登録済の暗証番号(各桁の数値には短押し/長押しの区別が付随している)と比較される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法並びにコンピュータプログラムに係り、特に、暗証番号入力時のセキュリティをアップさせることができる携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法、並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機の操作方法としては、例えば図11に示すようなものがある。
以下、図11を参照して、従来の携帯電話機の操作方法(使用例)を説明する。
セキュリティ機能が無ければ、ユーザの携帯電話機(図11では他人の携帯電話機としている)が保持する情報は、該ユーザ以外の操作者によって容易に盗み見られてしまうことになる。そこで、一般に、携帯電話機には、暗証番号を入力させる方法のセキュリティ対策が実施されている。即ち、このセキュリティ対策として、携帯電話機に、暗証番号を用いたロックを掛ける方法がある。この場合の暗証番号は、一般に4桁の数字で表されている。
【0003】
この暗証番号によりロックを掛ける方法は、一見安全なように見えるが、10進数の4桁で構成されている暗証番号の入力候補は高々1万通り(10の4乗)に過ぎない。
よって、図11に示すように、携帯電話機の状態200で表示される「暗証番号を入力して下さい」の表示以後に、該ユーザ以外の操作者が、何らかのデータを入力することにより、該データが、該4桁の暗証番号と一致しさえすれば、該携帯電話機の暗証番号は解除され、該携帯電話機が保持する情報は盗み見られ、以後、自由に操作される危険性を有している。
【0004】
即ち、4桁の暗証番号を使用して携帯電話機にロックを掛ける上記の方法では、前述のとおり、入力候補は高々1万通り(10の4乗)に過ぎないのであるから、前記操作者が、暗証番号の解除に何度失敗しても、図11に示すように、「暗証番号が違います」が表示された状態から、携帯電話機の状態200で表示される「暗証番号を入力して下さい」の表示タイミングに戻して、再び該ユーザ以外の操作者が、何らかのデータを入力する操作を根気よく継続すれば、やがては該4桁の暗証番号は解除できてしまって、携帯電話機の状態202(即ち、「解除しました」を表示する状態)に至ってしまうことになる。
【0005】
この分野の公知技術としては、例えば、特許文献1には、携帯電話機などに記憶されているユーザの個人情報のセキュリティを向上する技術が開示されている。具体的には、数字キー“1”が押下されたとき、表示操作部から該当するキー押下信号が制御部へ出力され、タイマにより押下時間を計測する。この押下時間が1秒のとき、制御部により数字“1”と押下時間(1秒)とが符号化され、表示部に表示される暗証コード入力欄の7桁目に「1」が表示される。同様に、数字キー“0”が押下され、押下時間が3秒のとき、暗証コード入力欄の4乃至6桁目に「000」が表示される。数字キー“8”が押下され、押下時間が1秒のとき、暗証コード入力欄の3桁目に「8」が表示される。数字キー“5”が押下され、押下時間が2秒のとき、暗証コード入力欄の1乃至2桁目に「55」が表示される。よって、暗証コード入力欄に「コード:1000855」が表示されるものとしている。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、施解錠用暗証番号操作装置の構成を簡略化して、その装置の製造コストを比較的安価になし得ると共に、このように装置を簡略化して製造コストを安価にしながらも、所定のセキュリティは確実に得られる施解錠用暗証番号の操作装置が開示されている。具体的には、施解錠用暗証番号の操作装置であって、少なくとも2個あるいは3個の操作キーの実装で足り、錠装置の施解錠用暗証番号登録及び登録された暗証番号による施錠の解操作が、前記2個あるいは3個の操作キーでの押し操作を任意に組み合わせて行えると共に、前記操作キーの配置部には、当該操作キーの押し操作が操作者の手のひら内に隠れて行える様キー配置された、ことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−052416号公報
【特許文献2】特開2008−121191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記背景技術で述べた従来の携帯電話機にあっては、前述のとおり、暗証番号の桁数が少ないので、不正な使用者が暗証番号の候補を根気良く入力し続ければ、短時間でロックが解除されてしまうという問題点が有った。
なお、前述の特許文献1に開示されている技術の場合、押下により入力される数字を、押下した秒数(1秒、2秒、3秒の3種類) だけの桁数を有する該数字とし、この数字を暗証番号の候補に組み入れるものである。従って、例えば、1を1秒、2を2秒、3を3秒に対応させた場合は、1秒押下、2秒押下、3秒押下とすれば、「122333」という暗証番号が入力されたことになる。
【0009】
これに対し、本発明に係る携帯電話機では、暗証番号のキー入力時、押下により入力される数字だけではなく、該数字のキーに対し、さらに短押し(例えば1秒未満の押下)か、それとも長押し(1秒以上の押下)かを区別し、押下により入力される数字と、この区別を示す2値情報との組合せとして成る二項組みの情報を暗証番号の入力情報とするものである。よって、例えば、1桁目は1のキーの短押し、2桁目は2のキーの長押し、3桁目は3のキーの長押し、として入力した場合には、これらの情報がそっくり入力情報として記録され、登録済の暗証番号(各桁の数値には短押し/長押しの区別が付随している)と比較される。
よって前述の特許文献1に開示されている技術は、本発明とは異なるものであると考えられる。
【0010】
また、前述の特許文献2に開示されている技術の場合、制御部は、複数のキー各々の押し操作により、機械構成の錠前を開ける制御を行うものであり、本発明のように予め暗証番号を登録しておいて認証するものではない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、キー操作の「長押し」や「二重押し」といった場合を検出することを可能にして、暗証番号入力の際の選択候補を増やすことで、携帯電話機のセキュリティをより一層向上させることができる携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法並びにコンピュータプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯電話機は、本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力手段と、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証手段と、を備え、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る携帯電話機のセキュリティ向上方法は、本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、を有し、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係るコンピュータプログラムは、携帯電話機が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、を有し、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することにより、前記携帯電話機を制御するものである。
【0014】
また、本発明に係る携帯電話機は、本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力手段と、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証手段と、を備え、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る携帯電話機のセキュリティ向上方法は、本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、を備え、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、携帯電話機が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、を有し、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することにより、前記携帯電話機を制御するものである。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の携帯電話機によれば、暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせ(二項組)として認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用するので、暗証番号の候補を増やすことが可能となり、携帯電話機のセキュリティをより一層向上させることができる効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の全体構成を示す構成図である。
【図2】長押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
【図3】短押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る形態電話機の暗証番号の記憶形態を示し、図4(a)は登録済の暗証番号の記憶形態、図4(b)は暗証番号入力用メモリの記憶形態を、それぞれ示すものである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイ130の表示内容とを示す説明図である。
【図7】二重押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る形態電話機の暗証番号の記憶形態を示し、図8(a)は登録済の暗証番号の記憶形態、図8(b)は暗証番号入力用メモリの記憶形態を、それぞれ示すものである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイ130の表示内容とを示す説明図である。
【図11】従来の携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイの表示内容とを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、携帯電話機のユーザ操作ロックや、ロック解除などに入力する暗証キーとして、長押しのキー(後述する「長押し」操作で押下されたキー)や二重押しのキー(同時的に押下された2つのキー)を判断し、使用する処理を追加することで携帯電話機が保持する情報のセキュリティを向上させるものである。より具体的には、長押しキーや二重押しのキーを追加する判断手段を具備し、暗証番号の入力候補の数を増やすことで、携帯電話機が保持する情報のセキュリティを向上させる。
【0020】
以下、本発明の携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法並びにコンピュータプログラムの実施形態について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。
なお、それぞれの実施形態の説明では、本発明に係る携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法について詳述するが、本発明に係るコンピュータプログラムについては、本発明の携帯電話機に含まれる各構成要素として実現するためのプログラムであることから、当該プログラムに関する説明は以下の説明に含まれる。
【0021】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の全体構成を示す構成図である。
同図において、本実施形態の携帯電話機は、主要な構成要素として、操作用のキーボード100と、データやプログラムを記憶するメモリ110と、全体を制御する制御部120と、データやコマンドや状態を表示するディスプレイ130と、を備える。
なお、制御部120は、判別部125を有する。また、メモリ110は、一時保存メモリ115を有する。
【0022】
以下、本実施形態の携帯電話機が有する各構成要素について説明する。
キーボード100は、操作用のキーを備え、コマンドや、ディスプレイ130に表示すべきデータを選択/決定する場合に、ユーザ(操作者)によって使用される。
メモリ110は、ユーザが事前に登録した暗証番号を保持するための記憶装置である。
一時保存メモリ115は、ユーザが入力した暗証番号を一時的に保持するための記憶装置である。
制御部120は、入力された暗証番号を一時メモリ115に保存する仕事と、事前に登録していた暗証番号とユーザが入力した暗証番号とを比較する仕事とを制御する。
また、ユーザが携帯電話機に入力した暗証番号が事前に登録していた暗証番号と一致していた場合には、当該携帯電話機のロックを解除する仕事を制御する。
【0023】
判別部125は、制御部120が制御する機能モジュールの1つであり、キー入力を受けた場合に、どのキーが押下されたかを検知したり、キーが長押し(後述)されたか、それとも短押し(後述)されたかを判別する。
ディスプレイ130は、データ、コマンド、及び操作中の該携帯電話機の内部状態を表示する。また、ユーザがキーボード100を操作してデータを入力する場合には、該入力中に入力されたデータ列を逐次表示する。
【0024】
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の動作について詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態では、ユーザが事前に携帯電話機の操作にロックを掛けている場合、このロックを解除するための暗証番号を入力する動作として、キーを長押しする動作を可能な動作の1つとして設けている。よって、この長押しで形成されたデータも、後述する「短押し」操作で入力されたデータに追加して暗証番号と照合することで、携帯電話機のセキュリティを向上させている。
ここで、上記の「長押し」とは、簡単のためにキーを少なくとも1秒以上押し続ける動作とする。また、このような押し方ではない通常のキーの押下を「短押し」と呼ぶことにする。以下、この長押しと短押しとについて、より具体的に説明する。
【0025】
図2は、長押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
先ず、図2に示すタイミングチャートを参照して、長押しの動作の具体例について説明する。但し、ここでは、キーボード100に備えられている「1」キーを使用例として説明する。
図2に示すタイミングチャートでは、全てのキーが開放状態から、t1のタイミングで「1」キーだけが押下される。そこでキーが押下されたまま1秒経過すると、t2のタイミングで「1」の長押しが確定する。さらに、t1のタイミングから1秒以上経過したt3のタイミングで、この「1」のキーが前記の押下から開放される。
【0026】
図3は、短押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
次に、図3を参照して、短押しの動作の具体例について説明する。但し、ここでは、キーボード100に備えられている「2」キーを例として説明する。
図3に示すタイミングチャートでは、全てのキーが開放状態から、t4のタイミングで「2」キーだけが押下される。その後、該「2」キーが押下されてから1秒以内に、T5のタイミングで、この「2」キーが前記の押下から開放されると、「2」キーの短押しが確定する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る形態電話機の暗証番号の記憶形態を示し、図4(a)は登録済の暗証番号の記憶形態、図4(b)は暗証番号入力用メモリの記憶形態を、それぞれ示すものである。
ここでは、暗証番号は図4(a)に示すように登録済みであるものとする。
なお、この暗証番号の登録方法は、本発明に係る暗証番号の解除方法と同様に、キーの短押しと長押しとを行って、ユーザが自ら登録することができる。
【0027】
また、ここでは、登録済みの暗証番号は10進数の4桁であり、具体的には「9900」とする。また、1桁目と4桁目は短押し、2桁目と3桁目は長押しで、それぞれ形成されるものとする。この登録済みの暗証番号は、メモリ110(図4(a)参照)に保持するものとする。
さらに、ここでは、暗証番号の入力候補となる数字は、「0」〜「9」の10種類に限定されているものとする。
【0028】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を示すフローチャート図である。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイ130の表示内容とを示す説明図である。
以下、図1〜4,6を参照しながら、図5に示すフローチャートを使用して、本実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を説明する。
(ステップS300)
先ず、ステップS300では、携帯電話機は暗証番号入力待ち状態であるとする。この暗証番号入力待ち状態は、図6に示す状態700に対応する。
【0029】
(ステップS302)
次に、ステップS302では、ユーザはキーボード100を使用して暗証番号の最初の1桁を入力する。これを受けて、制御部120は、長押しを判定するタイマをスタートさせる。本発明の実施例では該タイマの計時時間を1秒とする。
(ステップS304)
次に、ステップS304では、制御部120は、押下されたキーが開放されるか、若しくは前記タイマがタイムアウトする時間経過を待つ。
(ステップS304)
ステップS304では、制御部120は、押下されたキーが開放されるたか、若しくは前記タイマがタイムアウトされたか、のいずれであるかを判別し、押下されたキーが開放された場合はステップS307に移り、また、前記タイマがタイムアウトされた場合はステップS306に進む。
【0030】
(ステップS306)
ステップS306では、制御部120は、1秒が経過したことにより、タイムアウトが発生したことを判定したので、前述の最初の1桁の入力は「長押し」であったと判断し、長押しの情報と値とをメモリ115の所定領域(図4(b)参照)に格納する。また、ディスプレイ130に長押しの入力確定を表示する(図6の状態702参照)。ここではディスプレイ130に表示する長押しの確定表示を文字「#」とする。その後、ステップS310に進む。
(ステップS310)
ステップS310では、制御部120は、ユーザが暗証番号を全桁入力したか否かを判断し、ユーザが暗証番号を全桁入力していない場合はステップS302に戻り、ユーザに続けて暗証番号の入力を促す(ここで、図6の状態702での表示は不変である)。また、制御部120は、ユーザが暗証番号を全桁入力し、決定キーを押下するなどして暗証番号の入力が確定した場合は、ステップS312に移る。
【0031】
(ステップS312)
ステップS312では、制御部120は、メモリ110に保持している登録済み暗証番号とメモリ115(図4(b)参照)に保持している入力済の全桁の暗証番号とを比較し、前記登録済み暗証番号と前記入力済の暗証番号とが一致しなかった場合はステップS316に移る。また、前記登録済み暗証番号と前記入力済の暗証番号とが一致した場合はステップS314に進む。
(ステップS314)
ステップS314では、制御部120は、携帯電話機に仕掛けられたロックを解除し、ディスプレイ130にはロックを解除した旨のメッセージを表示し(図6の状態706参照)。その後、処理を終了する。
【0032】
(ステップS316)
ステップS316では、制御部120は、携帯電話機に仕掛けられたロックの解除が失敗した場合として、ディスプレイ130に、「暗証番号が違う」旨のメッセージを表示し(図6の状態704参照)、その後、ステップS300の暗証番号入力待ち状態に戻る。
(ステップS307)
ステップS307では、制御部120は、タイマが1秒を経過せずにキー押下を開放するイベントが発生したので、「短押し」と判断し、タイマを停止する。
(ステップS308)
ステップS308では、制御部120は、短押しの情報と入力された値とをメモリ115の所定領域(図4(b)参照)に格納すると共に、ディスプレイ130に短押しの入力確定を表示する(図6の状態702参照)。ここでは、短押し確定の表示を文字「※」とする。その後、ステップS310に移る。
【0033】
この実施形態では、長押しを1秒以上キーを押下することとしたが、他の数値で規定しても問題ない。
また、この実施形態では、暗証番号の桁数を4とし、長押しに対応する入力値を、桁位置に対応した1桁の数字(図4(a)参照)としたが、一般に、本発明に係る携帯電話機では、暗証番号の桁数を任意の数とし、長押しに対応する入力値を、桁位置に対応した任意の桁数の、任意の文字列及び数字列とすることができる。
【0034】
本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機によれば、暗証番号の候補を増やすことで携帯電話機のセキュリティをより一層向上させることができる効果が有る。即ち、キー操作時には、1桁の押下動作でもって、短押しか、若しくは長押しかの2通りの選択が可能であり、また、数字(10進数の場合は10通り)の選択とを加えると、20通りの選択が可能となり、暗証番号は10進数の4桁の場合は16万通りの入力候補が存在することになる。
【0035】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の全体構成は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の全体構成と同じであるが、キー操作時の動作が異なる。
本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機では、ユーザが事前に携帯電話機の操作にロックを掛けている場合において、解除のために暗証番号を入力する動作として、キーを二重押しする処理を追加することで、セキュリティを、さらに向上させるものである。
ここで、前記二重押しとは、1つのキーを押下している間に他のキーも押下する〔即ち、同時に2つのキーを押している)状態である。なお、どちらのキーを先に押下したかは問題としない。
【0036】
以下、前記の二重押しについて、「1」キーと「2」キーを押下する場合を例にして具体的に説明する。
図7は、二重押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
先ず、図7に示すタイミングチャートを参照して、二重押しの動作の具体例について説明する。但し、ここでは、キーボード100に備えられている「1」と「2」キーを使用例として説明する。
先ず、キーが開放状態から、t21のタイミングで「1」キーが押下される。その後、「1」キーが押下されたまま1秒以内のt22のタイミングで「2」キーが押下される。
t21のタイミングから1秒経過したt23のタイミングか、若しくは、「1」キーまたは「2」キーのどちらかのキーが押下状態から開放されたタイミングで、この「1」キーと「2」キーの二重押しが確定する。
【0037】
その後、t24のタイミングで「2」キーが開放され、t25のタイミングで「1」キーが開放されるが、制御部120は、t22のタイミングで「2」キーが押下されると、その後、t25のタイミングで「1」キーが開放されるまでの間は、これ以上の他のキーの押下を受け付けない。
図7に示すタイミングチャートでは、t21のタイミングから1秒経過で二重押しが確定するものとしたが、本発明では、一般に、t21のタイミングから1秒経過前に「1」キーや「2」キーが押下状態から開放されても、「1」キーと「2」キーとの二重押しは確定するものとする。
【0038】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る形態電話機の暗証番号の記憶形態を示し、図8(a)は登録済の暗証番号の記憶形態、図8(b)は暗証番号入力用メモリの記憶形態を、それぞれ示すものである。
ここでは、暗証番号は図8(a)に示すように登録済みであるものとする。
なお、この暗証番号の登録方法は、本発明に係る暗証番号の解除方法と同様に、キーの単押しと二重押しとを行って、ユーザが自ら登録することができる。
また、ここでは、登録済みの暗証番号は10進数の4桁であり、1桁目は「9」と「0」のキーの、それぞれ二重押し、2〜4桁目はそれぞれ「9」,「0」,「0」のキーの、それぞれ単押しとする。この入力済の暗証番号は、メモリ110(図8(b)参照)に保持するものとする。
【0039】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を示すフローチャート図である。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイ130の表示内容とを示す説明図である。
以下、図1〜8,10を参照しながら、図9に示すフローチャートを使用して、本実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を説明する。
(ステップS500)
先ず、ステップS500では、携帯電話機は暗証番号入力待ち状態であるとする。この暗証番号入力待ち状態は、図10に示す状態1100に対応する。
(ステップS502)
【0040】
次に、ステップS502では、制御部120は、ユーザがキーボード100を使用して暗証番号を一つ入力する際の制御を行う。この時、最初に押下したキーは押下されたままの状態で、もう1つのキーの押下待ち状態に入る。
(ステップS504)
次に、ステップS504では、制御部120は、最初に押下されたキーが他のキーの押下が無いままの1秒経過後に該押下状態から開放されたか、それとも最初のキーの押下時点から1秒以内に2つ目のキーが押下されたのかを検証し、最初に押下されたキーが他のキーの押下が無いままの1秒経過後に該押下状態から開放された場合はステップS508に移る。また、2つ目のキーが最初のキーの押下時点から1秒以内に押下された場合はステップS506に進む。
【0041】
(ステップS506)
ステップS506では、制御部120は、2つ目のキーが最初のキーの押下時点から1秒以内に押下された場合の処理として、「二重押し」を確定し、二重押しのキー情報(二重押し:YES)と、2つのキーの各々の値とを、メモリ115の所定領域(図8(b)参照)に格納する。その後、ディスプレイ130に二重押し入力が確定したことを表示する(図10の状態1102)。ここでは二重押しの確定表示を文字「◎」とする。
(ステップS509)
ステップS509では、制御部120は、キー情報のメモリ115への格納が完了した後で、押下されたキーを解除する。
【0042】
(ステップS510)
次に、ステップS510では、制御部120は、ユーザが暗証番号を全桁入力したか否かを判断し、ユーザが暗証番号を全桁入力していない場合は、ステップS502に戻り、ユーザに暗証番号の入力継続を促す(図10の状態1100参照)。また、ユーザが暗証番号を全桁入力した後、決定キーを押下するなどすることにより、暗証番号の入力が確定した場合は、制御部120は、ステップS512に進む。
(ステップS512)
ステップS512では、制御部120は、メモリ110に保持している登録済み暗証番号と、メモリ115に保持している暗証番号とを比較し、前記登録済み暗証番号とメモリ115に保持している暗証番号とが一致する場合はステップS514に進む。また、前記登録済み暗証番号とメモリ115に保持している暗証番号とが一致しない場合はステップS516に移る。
【0043】
(ステップS514)
ステップS514では、制御部120は、携帯電話機のロックを解除し、その後、ディスプレイ130に、ロックを解除した旨のメッセージを表示して処理を終了する(図10の状態1106)。
(ステップS516)
ステップS516では、制御部120は、前記登録済み暗証番号とメモリ115に保持している暗証番号とが一致しない場合として、ディスプレイ130に、「暗証番号が違う」旨のメッセージを表示した後、ステップS500に戻り、暗証番号の入力待ち状態に戻る(図10の状態1104)。
【0044】
(ステップS508)
ステップS508では、制御部120は、最初に押下されたキーが他のキーの押下が無いままの1秒経過後に該押下状態から開放された場合として、単押しを決定し、「単押し」の情報と1つ目のキーの値とをメモリ115の所定領域(図8(b)参照)に格納すると共に、ディスプレイ130に単押しの入力確定を表示する(図10の状態1102参照)。ここでは、単押しの確定表示を文字「※」とする。その後、ステップS509に移る。
【0045】
本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機によれば、照合する暗証番号の候補を大規模に増やすことで、セキュリティをより一層向上させることができる効果が有る。即ち、1桁分の入力であっても、1つ目のキー選択(10通り)と、2つ目のキー選択(10通り)とで、計100通りの選択肢を有し、しかも、この各選択肢において、入力可能な暗証番号は4桁で構成されているので、計1億通りの入力候補が存在することになる。
【0046】
なお、本発明に係る携帯電話機の各構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図5,9の各フローチャートで示した手順によりコンピュータに実行せしめるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して、実行するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
100 キーボード
110 メモリ
115 一時保存メモリ
120 制御部
125 判別部
130 ディスプレイ
140 無線部
145 アンテナ
150 マイク
160 スピーカ
170 カメラ
180 GPSモジュール
190 電池
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法並びにコンピュータプログラムに係り、特に、暗証番号入力時のセキュリティをアップさせることができる携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法、並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機の操作方法としては、例えば図11に示すようなものがある。
以下、図11を参照して、従来の携帯電話機の操作方法(使用例)を説明する。
セキュリティ機能が無ければ、ユーザの携帯電話機(図11では他人の携帯電話機としている)が保持する情報は、該ユーザ以外の操作者によって容易に盗み見られてしまうことになる。そこで、一般に、携帯電話機には、暗証番号を入力させる方法のセキュリティ対策が実施されている。即ち、このセキュリティ対策として、携帯電話機に、暗証番号を用いたロックを掛ける方法がある。この場合の暗証番号は、一般に4桁の数字で表されている。
【0003】
この暗証番号によりロックを掛ける方法は、一見安全なように見えるが、10進数の4桁で構成されている暗証番号の入力候補は高々1万通り(10の4乗)に過ぎない。
よって、図11に示すように、携帯電話機の状態200で表示される「暗証番号を入力して下さい」の表示以後に、該ユーザ以外の操作者が、何らかのデータを入力することにより、該データが、該4桁の暗証番号と一致しさえすれば、該携帯電話機の暗証番号は解除され、該携帯電話機が保持する情報は盗み見られ、以後、自由に操作される危険性を有している。
【0004】
即ち、4桁の暗証番号を使用して携帯電話機にロックを掛ける上記の方法では、前述のとおり、入力候補は高々1万通り(10の4乗)に過ぎないのであるから、前記操作者が、暗証番号の解除に何度失敗しても、図11に示すように、「暗証番号が違います」が表示された状態から、携帯電話機の状態200で表示される「暗証番号を入力して下さい」の表示タイミングに戻して、再び該ユーザ以外の操作者が、何らかのデータを入力する操作を根気よく継続すれば、やがては該4桁の暗証番号は解除できてしまって、携帯電話機の状態202(即ち、「解除しました」を表示する状態)に至ってしまうことになる。
【0005】
この分野の公知技術としては、例えば、特許文献1には、携帯電話機などに記憶されているユーザの個人情報のセキュリティを向上する技術が開示されている。具体的には、数字キー“1”が押下されたとき、表示操作部から該当するキー押下信号が制御部へ出力され、タイマにより押下時間を計測する。この押下時間が1秒のとき、制御部により数字“1”と押下時間(1秒)とが符号化され、表示部に表示される暗証コード入力欄の7桁目に「1」が表示される。同様に、数字キー“0”が押下され、押下時間が3秒のとき、暗証コード入力欄の4乃至6桁目に「000」が表示される。数字キー“8”が押下され、押下時間が1秒のとき、暗証コード入力欄の3桁目に「8」が表示される。数字キー“5”が押下され、押下時間が2秒のとき、暗証コード入力欄の1乃至2桁目に「55」が表示される。よって、暗証コード入力欄に「コード:1000855」が表示されるものとしている。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、施解錠用暗証番号操作装置の構成を簡略化して、その装置の製造コストを比較的安価になし得ると共に、このように装置を簡略化して製造コストを安価にしながらも、所定のセキュリティは確実に得られる施解錠用暗証番号の操作装置が開示されている。具体的には、施解錠用暗証番号の操作装置であって、少なくとも2個あるいは3個の操作キーの実装で足り、錠装置の施解錠用暗証番号登録及び登録された暗証番号による施錠の解操作が、前記2個あるいは3個の操作キーでの押し操作を任意に組み合わせて行えると共に、前記操作キーの配置部には、当該操作キーの押し操作が操作者の手のひら内に隠れて行える様キー配置された、ことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−052416号公報
【特許文献2】特開2008−121191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記背景技術で述べた従来の携帯電話機にあっては、前述のとおり、暗証番号の桁数が少ないので、不正な使用者が暗証番号の候補を根気良く入力し続ければ、短時間でロックが解除されてしまうという問題点が有った。
なお、前述の特許文献1に開示されている技術の場合、押下により入力される数字を、押下した秒数(1秒、2秒、3秒の3種類) だけの桁数を有する該数字とし、この数字を暗証番号の候補に組み入れるものである。従って、例えば、1を1秒、2を2秒、3を3秒に対応させた場合は、1秒押下、2秒押下、3秒押下とすれば、「122333」という暗証番号が入力されたことになる。
【0009】
これに対し、本発明に係る携帯電話機では、暗証番号のキー入力時、押下により入力される数字だけではなく、該数字のキーに対し、さらに短押し(例えば1秒未満の押下)か、それとも長押し(1秒以上の押下)かを区別し、押下により入力される数字と、この区別を示す2値情報との組合せとして成る二項組みの情報を暗証番号の入力情報とするものである。よって、例えば、1桁目は1のキーの短押し、2桁目は2のキーの長押し、3桁目は3のキーの長押し、として入力した場合には、これらの情報がそっくり入力情報として記録され、登録済の暗証番号(各桁の数値には短押し/長押しの区別が付随している)と比較される。
よって前述の特許文献1に開示されている技術は、本発明とは異なるものであると考えられる。
【0010】
また、前述の特許文献2に開示されている技術の場合、制御部は、複数のキー各々の押し操作により、機械構成の錠前を開ける制御を行うものであり、本発明のように予め暗証番号を登録しておいて認証するものではない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、キー操作の「長押し」や「二重押し」といった場合を検出することを可能にして、暗証番号入力の際の選択候補を増やすことで、携帯電話機のセキュリティをより一層向上させることができる携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法並びにコンピュータプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯電話機は、本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力手段と、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証手段と、を備え、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る携帯電話機のセキュリティ向上方法は、本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、を有し、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係るコンピュータプログラムは、携帯電話機が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、を有し、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することにより、前記携帯電話機を制御するものである。
【0014】
また、本発明に係る携帯電話機は、本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力手段と、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証手段と、を備え、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る携帯電話機のセキュリティ向上方法は、本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、を備え、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、携帯電話機が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、を有し、前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することにより、前記携帯電話機を制御するものである。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の携帯電話機によれば、暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせ(二項組)として認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用するので、暗証番号の候補を増やすことが可能となり、携帯電話機のセキュリティをより一層向上させることができる効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の全体構成を示す構成図である。
【図2】長押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
【図3】短押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る形態電話機の暗証番号の記憶形態を示し、図4(a)は登録済の暗証番号の記憶形態、図4(b)は暗証番号入力用メモリの記憶形態を、それぞれ示すものである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイ130の表示内容とを示す説明図である。
【図7】二重押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る形態電話機の暗証番号の記憶形態を示し、図8(a)は登録済の暗証番号の記憶形態、図8(b)は暗証番号入力用メモリの記憶形態を、それぞれ示すものである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイ130の表示内容とを示す説明図である。
【図11】従来の携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイの表示内容とを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、携帯電話機のユーザ操作ロックや、ロック解除などに入力する暗証キーとして、長押しのキー(後述する「長押し」操作で押下されたキー)や二重押しのキー(同時的に押下された2つのキー)を判断し、使用する処理を追加することで携帯電話機が保持する情報のセキュリティを向上させるものである。より具体的には、長押しキーや二重押しのキーを追加する判断手段を具備し、暗証番号の入力候補の数を増やすことで、携帯電話機が保持する情報のセキュリティを向上させる。
【0020】
以下、本発明の携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法並びにコンピュータプログラムの実施形態について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。
なお、それぞれの実施形態の説明では、本発明に係る携帯電話機及び携帯電話機のセキュリティ向上方法について詳述するが、本発明に係るコンピュータプログラムについては、本発明の携帯電話機に含まれる各構成要素として実現するためのプログラムであることから、当該プログラムに関する説明は以下の説明に含まれる。
【0021】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の全体構成を示す構成図である。
同図において、本実施形態の携帯電話機は、主要な構成要素として、操作用のキーボード100と、データやプログラムを記憶するメモリ110と、全体を制御する制御部120と、データやコマンドや状態を表示するディスプレイ130と、を備える。
なお、制御部120は、判別部125を有する。また、メモリ110は、一時保存メモリ115を有する。
【0022】
以下、本実施形態の携帯電話機が有する各構成要素について説明する。
キーボード100は、操作用のキーを備え、コマンドや、ディスプレイ130に表示すべきデータを選択/決定する場合に、ユーザ(操作者)によって使用される。
メモリ110は、ユーザが事前に登録した暗証番号を保持するための記憶装置である。
一時保存メモリ115は、ユーザが入力した暗証番号を一時的に保持するための記憶装置である。
制御部120は、入力された暗証番号を一時メモリ115に保存する仕事と、事前に登録していた暗証番号とユーザが入力した暗証番号とを比較する仕事とを制御する。
また、ユーザが携帯電話機に入力した暗証番号が事前に登録していた暗証番号と一致していた場合には、当該携帯電話機のロックを解除する仕事を制御する。
【0023】
判別部125は、制御部120が制御する機能モジュールの1つであり、キー入力を受けた場合に、どのキーが押下されたかを検知したり、キーが長押し(後述)されたか、それとも短押し(後述)されたかを判別する。
ディスプレイ130は、データ、コマンド、及び操作中の該携帯電話機の内部状態を表示する。また、ユーザがキーボード100を操作してデータを入力する場合には、該入力中に入力されたデータ列を逐次表示する。
【0024】
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の動作について詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態では、ユーザが事前に携帯電話機の操作にロックを掛けている場合、このロックを解除するための暗証番号を入力する動作として、キーを長押しする動作を可能な動作の1つとして設けている。よって、この長押しで形成されたデータも、後述する「短押し」操作で入力されたデータに追加して暗証番号と照合することで、携帯電話機のセキュリティを向上させている。
ここで、上記の「長押し」とは、簡単のためにキーを少なくとも1秒以上押し続ける動作とする。また、このような押し方ではない通常のキーの押下を「短押し」と呼ぶことにする。以下、この長押しと短押しとについて、より具体的に説明する。
【0025】
図2は、長押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
先ず、図2に示すタイミングチャートを参照して、長押しの動作の具体例について説明する。但し、ここでは、キーボード100に備えられている「1」キーを使用例として説明する。
図2に示すタイミングチャートでは、全てのキーが開放状態から、t1のタイミングで「1」キーだけが押下される。そこでキーが押下されたまま1秒経過すると、t2のタイミングで「1」の長押しが確定する。さらに、t1のタイミングから1秒以上経過したt3のタイミングで、この「1」のキーが前記の押下から開放される。
【0026】
図3は、短押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
次に、図3を参照して、短押しの動作の具体例について説明する。但し、ここでは、キーボード100に備えられている「2」キーを例として説明する。
図3に示すタイミングチャートでは、全てのキーが開放状態から、t4のタイミングで「2」キーだけが押下される。その後、該「2」キーが押下されてから1秒以内に、T5のタイミングで、この「2」キーが前記の押下から開放されると、「2」キーの短押しが確定する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る形態電話機の暗証番号の記憶形態を示し、図4(a)は登録済の暗証番号の記憶形態、図4(b)は暗証番号入力用メモリの記憶形態を、それぞれ示すものである。
ここでは、暗証番号は図4(a)に示すように登録済みであるものとする。
なお、この暗証番号の登録方法は、本発明に係る暗証番号の解除方法と同様に、キーの短押しと長押しとを行って、ユーザが自ら登録することができる。
【0027】
また、ここでは、登録済みの暗証番号は10進数の4桁であり、具体的には「9900」とする。また、1桁目と4桁目は短押し、2桁目と3桁目は長押しで、それぞれ形成されるものとする。この登録済みの暗証番号は、メモリ110(図4(a)参照)に保持するものとする。
さらに、ここでは、暗証番号の入力候補となる数字は、「0」〜「9」の10種類に限定されているものとする。
【0028】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を示すフローチャート図である。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイ130の表示内容とを示す説明図である。
以下、図1〜4,6を参照しながら、図5に示すフローチャートを使用して、本実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を説明する。
(ステップS300)
先ず、ステップS300では、携帯電話機は暗証番号入力待ち状態であるとする。この暗証番号入力待ち状態は、図6に示す状態700に対応する。
【0029】
(ステップS302)
次に、ステップS302では、ユーザはキーボード100を使用して暗証番号の最初の1桁を入力する。これを受けて、制御部120は、長押しを判定するタイマをスタートさせる。本発明の実施例では該タイマの計時時間を1秒とする。
(ステップS304)
次に、ステップS304では、制御部120は、押下されたキーが開放されるか、若しくは前記タイマがタイムアウトする時間経過を待つ。
(ステップS304)
ステップS304では、制御部120は、押下されたキーが開放されるたか、若しくは前記タイマがタイムアウトされたか、のいずれであるかを判別し、押下されたキーが開放された場合はステップS307に移り、また、前記タイマがタイムアウトされた場合はステップS306に進む。
【0030】
(ステップS306)
ステップS306では、制御部120は、1秒が経過したことにより、タイムアウトが発生したことを判定したので、前述の最初の1桁の入力は「長押し」であったと判断し、長押しの情報と値とをメモリ115の所定領域(図4(b)参照)に格納する。また、ディスプレイ130に長押しの入力確定を表示する(図6の状態702参照)。ここではディスプレイ130に表示する長押しの確定表示を文字「#」とする。その後、ステップS310に進む。
(ステップS310)
ステップS310では、制御部120は、ユーザが暗証番号を全桁入力したか否かを判断し、ユーザが暗証番号を全桁入力していない場合はステップS302に戻り、ユーザに続けて暗証番号の入力を促す(ここで、図6の状態702での表示は不変である)。また、制御部120は、ユーザが暗証番号を全桁入力し、決定キーを押下するなどして暗証番号の入力が確定した場合は、ステップS312に移る。
【0031】
(ステップS312)
ステップS312では、制御部120は、メモリ110に保持している登録済み暗証番号とメモリ115(図4(b)参照)に保持している入力済の全桁の暗証番号とを比較し、前記登録済み暗証番号と前記入力済の暗証番号とが一致しなかった場合はステップS316に移る。また、前記登録済み暗証番号と前記入力済の暗証番号とが一致した場合はステップS314に進む。
(ステップS314)
ステップS314では、制御部120は、携帯電話機に仕掛けられたロックを解除し、ディスプレイ130にはロックを解除した旨のメッセージを表示し(図6の状態706参照)。その後、処理を終了する。
【0032】
(ステップS316)
ステップS316では、制御部120は、携帯電話機に仕掛けられたロックの解除が失敗した場合として、ディスプレイ130に、「暗証番号が違う」旨のメッセージを表示し(図6の状態704参照)、その後、ステップS300の暗証番号入力待ち状態に戻る。
(ステップS307)
ステップS307では、制御部120は、タイマが1秒を経過せずにキー押下を開放するイベントが発生したので、「短押し」と判断し、タイマを停止する。
(ステップS308)
ステップS308では、制御部120は、短押しの情報と入力された値とをメモリ115の所定領域(図4(b)参照)に格納すると共に、ディスプレイ130に短押しの入力確定を表示する(図6の状態702参照)。ここでは、短押し確定の表示を文字「※」とする。その後、ステップS310に移る。
【0033】
この実施形態では、長押しを1秒以上キーを押下することとしたが、他の数値で規定しても問題ない。
また、この実施形態では、暗証番号の桁数を4とし、長押しに対応する入力値を、桁位置に対応した1桁の数字(図4(a)参照)としたが、一般に、本発明に係る携帯電話機では、暗証番号の桁数を任意の数とし、長押しに対応する入力値を、桁位置に対応した任意の桁数の、任意の文字列及び数字列とすることができる。
【0034】
本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機によれば、暗証番号の候補を増やすことで携帯電話機のセキュリティをより一層向上させることができる効果が有る。即ち、キー操作時には、1桁の押下動作でもって、短押しか、若しくは長押しかの2通りの選択が可能であり、また、数字(10進数の場合は10通り)の選択とを加えると、20通りの選択が可能となり、暗証番号は10進数の4桁の場合は16万通りの入力候補が存在することになる。
【0035】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の全体構成は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の全体構成と同じであるが、キー操作時の動作が異なる。
本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機では、ユーザが事前に携帯電話機の操作にロックを掛けている場合において、解除のために暗証番号を入力する動作として、キーを二重押しする処理を追加することで、セキュリティを、さらに向上させるものである。
ここで、前記二重押しとは、1つのキーを押下している間に他のキーも押下する〔即ち、同時に2つのキーを押している)状態である。なお、どちらのキーを先に押下したかは問題としない。
【0036】
以下、前記の二重押しについて、「1」キーと「2」キーを押下する場合を例にして具体的に説明する。
図7は、二重押しの動作の具体例を示すタイミングチャート図である。
先ず、図7に示すタイミングチャートを参照して、二重押しの動作の具体例について説明する。但し、ここでは、キーボード100に備えられている「1」と「2」キーを使用例として説明する。
先ず、キーが開放状態から、t21のタイミングで「1」キーが押下される。その後、「1」キーが押下されたまま1秒以内のt22のタイミングで「2」キーが押下される。
t21のタイミングから1秒経過したt23のタイミングか、若しくは、「1」キーまたは「2」キーのどちらかのキーが押下状態から開放されたタイミングで、この「1」キーと「2」キーの二重押しが確定する。
【0037】
その後、t24のタイミングで「2」キーが開放され、t25のタイミングで「1」キーが開放されるが、制御部120は、t22のタイミングで「2」キーが押下されると、その後、t25のタイミングで「1」キーが開放されるまでの間は、これ以上の他のキーの押下を受け付けない。
図7に示すタイミングチャートでは、t21のタイミングから1秒経過で二重押しが確定するものとしたが、本発明では、一般に、t21のタイミングから1秒経過前に「1」キーや「2」キーが押下状態から開放されても、「1」キーと「2」キーとの二重押しは確定するものとする。
【0038】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る形態電話機の暗証番号の記憶形態を示し、図8(a)は登録済の暗証番号の記憶形態、図8(b)は暗証番号入力用メモリの記憶形態を、それぞれ示すものである。
ここでは、暗証番号は図8(a)に示すように登録済みであるものとする。
なお、この暗証番号の登録方法は、本発明に係る暗証番号の解除方法と同様に、キーの単押しと二重押しとを行って、ユーザが自ら登録することができる。
また、ここでは、登録済みの暗証番号は10進数の4桁であり、1桁目は「9」と「0」のキーの、それぞれ二重押し、2〜4桁目はそれぞれ「9」,「0」,「0」のキーの、それぞれ単押しとする。この入力済の暗証番号は、メモリ110(図8(b)参照)に保持するものとする。
【0039】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を示すフローチャート図である。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の操作手順とディスプレイ130の表示内容とを示す説明図である。
以下、図1〜8,10を参照しながら、図9に示すフローチャートを使用して、本実施形態に係る携帯電話機の暗証番号入力時の動作を説明する。
(ステップS500)
先ず、ステップS500では、携帯電話機は暗証番号入力待ち状態であるとする。この暗証番号入力待ち状態は、図10に示す状態1100に対応する。
(ステップS502)
【0040】
次に、ステップS502では、制御部120は、ユーザがキーボード100を使用して暗証番号を一つ入力する際の制御を行う。この時、最初に押下したキーは押下されたままの状態で、もう1つのキーの押下待ち状態に入る。
(ステップS504)
次に、ステップS504では、制御部120は、最初に押下されたキーが他のキーの押下が無いままの1秒経過後に該押下状態から開放されたか、それとも最初のキーの押下時点から1秒以内に2つ目のキーが押下されたのかを検証し、最初に押下されたキーが他のキーの押下が無いままの1秒経過後に該押下状態から開放された場合はステップS508に移る。また、2つ目のキーが最初のキーの押下時点から1秒以内に押下された場合はステップS506に進む。
【0041】
(ステップS506)
ステップS506では、制御部120は、2つ目のキーが最初のキーの押下時点から1秒以内に押下された場合の処理として、「二重押し」を確定し、二重押しのキー情報(二重押し:YES)と、2つのキーの各々の値とを、メモリ115の所定領域(図8(b)参照)に格納する。その後、ディスプレイ130に二重押し入力が確定したことを表示する(図10の状態1102)。ここでは二重押しの確定表示を文字「◎」とする。
(ステップS509)
ステップS509では、制御部120は、キー情報のメモリ115への格納が完了した後で、押下されたキーを解除する。
【0042】
(ステップS510)
次に、ステップS510では、制御部120は、ユーザが暗証番号を全桁入力したか否かを判断し、ユーザが暗証番号を全桁入力していない場合は、ステップS502に戻り、ユーザに暗証番号の入力継続を促す(図10の状態1100参照)。また、ユーザが暗証番号を全桁入力した後、決定キーを押下するなどすることにより、暗証番号の入力が確定した場合は、制御部120は、ステップS512に進む。
(ステップS512)
ステップS512では、制御部120は、メモリ110に保持している登録済み暗証番号と、メモリ115に保持している暗証番号とを比較し、前記登録済み暗証番号とメモリ115に保持している暗証番号とが一致する場合はステップS514に進む。また、前記登録済み暗証番号とメモリ115に保持している暗証番号とが一致しない場合はステップS516に移る。
【0043】
(ステップS514)
ステップS514では、制御部120は、携帯電話機のロックを解除し、その後、ディスプレイ130に、ロックを解除した旨のメッセージを表示して処理を終了する(図10の状態1106)。
(ステップS516)
ステップS516では、制御部120は、前記登録済み暗証番号とメモリ115に保持している暗証番号とが一致しない場合として、ディスプレイ130に、「暗証番号が違う」旨のメッセージを表示した後、ステップS500に戻り、暗証番号の入力待ち状態に戻る(図10の状態1104)。
【0044】
(ステップS508)
ステップS508では、制御部120は、最初に押下されたキーが他のキーの押下が無いままの1秒経過後に該押下状態から開放された場合として、単押しを決定し、「単押し」の情報と1つ目のキーの値とをメモリ115の所定領域(図8(b)参照)に格納すると共に、ディスプレイ130に単押しの入力確定を表示する(図10の状態1102参照)。ここでは、単押しの確定表示を文字「※」とする。その後、ステップS509に移る。
【0045】
本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機によれば、照合する暗証番号の候補を大規模に増やすことで、セキュリティをより一層向上させることができる効果が有る。即ち、1桁分の入力であっても、1つ目のキー選択(10通り)と、2つ目のキー選択(10通り)とで、計100通りの選択肢を有し、しかも、この各選択肢において、入力可能な暗証番号は4桁で構成されているので、計1億通りの入力候補が存在することになる。
【0046】
なお、本発明に係る携帯電話機の各構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図5,9の各フローチャートで示した手順によりコンピュータに実行せしめるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して、実行するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
100 キーボード
110 メモリ
115 一時保存メモリ
120 制御部
125 判別部
130 ディスプレイ
140 無線部
145 アンテナ
150 マイク
160 スピーカ
170 カメラ
180 GPSモジュール
190 電池
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力手段と、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証手段と、
を備え、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記キーの押下時間が前記所定の時間長を超えずに該キーが開放された場合は該キーの「短押し」を決定し、前記キーの押下時間が前記所定の時間長を超えてから該キーが開放された場合は該キーの「長押し」を決定し、前記「短押し」か、または「長押し」かの情報でもって前記2値情報を構成したことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記所定の時間長は、1秒または略1秒であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、
を有し、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする携帯電話機のセキュリティ向上方法。
【請求項5】
携帯電話機が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、
を有し、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することにより、前記携帯電話機を制御するコンピュータプログラム。
【請求項6】
装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力手段と、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証手段と、
を備え、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
前記1つ目のキーの押下時間が前記所定の時間長を超えずに該キーが開放され、かつ前記2つ目のキーの押下が検出されなかった場合に該キーの「単押し」を決定すると共に前記1つ目のキーが示す数値情報を当該桁に対応する入力情報として認識し、前記1つ目のキーの押下時点から前記所定の時間長が経過するまでに前記2つ目のキーの押下が検出された場合は該キーの「二重押し」を決定すると共に前記1つ目のキーと前記2つ目のキーとが示す数値情報の各々を当該桁に対応する入力情報として認識することを特徴とする請求項6記載の携帯電話機。
【請求項8】
装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、
を備え、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする携帯電話機のセキュリティ向上方法。
【請求項9】
携帯電話機が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、
を有し、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することにより、前記携帯電話機を制御するコンピュータプログラム。
【請求項1】
本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力手段と、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証手段と、
を備え、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記キーの押下時間が前記所定の時間長を超えずに該キーが開放された場合は該キーの「短押し」を決定し、前記キーの押下時間が前記所定の時間長を超えてから該キーが開放された場合は該キーの「長押し」を決定し、前記「短押し」か、または「長押し」かの情報でもって前記2値情報を構成したことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記所定の時間長は、1秒または略1秒であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
本装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、
を有し、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする携帯電話機のセキュリティ向上方法。
【請求項5】
携帯電話機が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、
を有し、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下されたキーが示す数値情報と、該キーの押下時間が所定の時間長を超えたか否かを示す2値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することにより、前記携帯電話機を制御するコンピュータプログラム。
【請求項6】
装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力手段と、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証手段と、
を備え、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
前記1つ目のキーの押下時間が前記所定の時間長を超えずに該キーが開放され、かつ前記2つ目のキーの押下が検出されなかった場合に該キーの「単押し」を決定すると共に前記1つ目のキーが示す数値情報を当該桁に対応する入力情報として認識し、前記1つ目のキーの押下時点から前記所定の時間長が経過するまでに前記2つ目のキーの押下が検出された場合は該キーの「二重押し」を決定すると共に前記1つ目のキーと前記2つ目のキーとが示す数値情報の各々を当該桁に対応する入力情報として認識することを特徴とする請求項6記載の携帯電話機。
【請求項8】
装置が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、
を備え、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することを特徴とする携帯電話機のセキュリティ向上方法。
【請求項9】
携帯電話機が備える処理機能を操作者が使用するに先立って、該操作者を認証するための暗証番号を該操作者に入力させる暗証番号入力ステップと、
入力された暗証番号を、記憶装置に予め登録された暗証番号と比較することにより、該操作者を認証する暗証番号認証ステップと、
を有し、
前記暗証番号全桁の各々1桁分の入力情報を、当該桁に対応する入力時に押下された1つ目のキーが示す数値情報、若しくは1つ目のキーが示す数値情報と、該キーの押下時点から所定の時間内に押下された、前記1つ目のキーとは異なる2つ目のキーが示す数値情報との組み合わせとして認識し、該認識した入力情報を前記認証に使用することにより、前記携帯電話機を制御するコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−119952(P2012−119952A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268108(P2010−268108)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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