説明

携帯電話機及び携帯電話機本体並びに装着用ユニット

【課題】 利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する部材の配置位置を自在に変えることを可能にする。
【解決手段】 携帯電話機において、携帯電話機本体1に公衆回線通信網を介して通信を行うための通信機能を設ける一方、表示機能を実現する表示ユニット10cや、操作機能を実現する操作ユニット20a〜20eを携帯電話機本体に着脱可能なように構成する。表示ユニットや操作ユニットには、ヘアピン形状のユニット装着手段51が設けられており、ユニット装着手段を用いて、表示ユニットや操作ユニットを携帯電話機本体の筐体上の任意の位置に配置することが可能となる。また、表示ユニットや操作ユニットと携帯電話機本体との間の信号のやり取りは無線によって行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話機能を有する携帯電話機の改良に関し、特に、通話機能以外にも様々な機能を実現する多機能の携帯電話機の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電話回線網に接続して通話をすることが可能な携帯電話機は、多機能化の傾向にあり、例えば、カメラの設置による撮像機能やテレビ電話機能、楽曲再生機能、ゲーム機能などを、1台の携帯電話機で実現することが可能となってきている。
【0003】
一方、上述の様々な機能に応じて、携帯電話機を構成する部材の配置位置を変えられるようにすることによって、携帯電話機に係る利便性や携帯性(小型化)を向上させるという工夫も行われている。例えば、携帯電話機には、ストレートタイプと呼ばれる携帯電話機の形状が変化しない構造のものに加え、携帯電話機を構成する2つの主要な部材がヒンジによって回動する折り畳みタイプの構造や、携帯電話機を構成する2つの主要な部材のうちの一方の部材が他方の部材に対してガイドレールなどによってスライドするスライドタイプの構造などが存在する。
【0004】
一方、下記の特許文献1に開示されている携帯電話機本体に対して着脱可能な着脱操作キーが設けられている携帯電話機が記載されている。図12は、従来の技術における着脱操作キーを有する携帯電話機の外観図である。なお、この図12は、特許文献1に記載されている携帯電話機であり、(a)は携帯電話機本体に着脱操作キーが装着された状態を示す図、(b)は携帯電話機か着脱操作キーが離脱された状態を示す図である。
【0005】
図12に示す携帯電話機では、着脱操作キー202から入力された入力文字情報や指示情報が無線通信を介して携帯電話機本体201に供給されるように構成されており、着脱操作キー202を携帯電話機本体201から離した状態で操作入力に係る動作が行えるようになっている。また、携帯電話機本体201から着脱操作キー202を離脱した際に外部に露出される着脱操作キー202の収納場所には、第1表示部203とは異なる第2表示部204が配置されており、携帯電話機本体201から着脱操作キー202を離脱した状態で、第2表示部204が使用可能となるように構成されている。
【0006】
また、下記の特許文献2に開示されている携帯電話機は、所定の通信方式に従った無線通信処理機能のみを単体で発揮しうる薄型略平板形状の無線通信モジュールと、操作ボタン、液晶表示パネル、スピーカ、マイクが配設され、無線通信処理以外の電話機としての機能処理全般を行う薄型略平板形状の共通本体モジュールとにより構成されている。この携帯電話機は、無線通信モジュールと共通本体モジュールとが相互に嵌合された場合には、ユーザによる情報入力や情報閲覧などが可能となる一方、無線通信モジュール単体でも、無線通信処理(例えば、メールの受信)が可能となる。
【特許文献1】特開2002−247162号公報(図1、図2、段落0038〜0051)
【特許文献2】特開2001−102951号公報(図1、図4、段落0023〜0028)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、携帯電話機本体における着脱操作キーの装着場所(収納場所)が定められており、携帯電話機本体に着脱操作キーを装着した場合には、操作キーの位置が固定された状態となってしまう。すなわち、特許文献1に記載の携帯電話機は、着脱操作キーの装着時には、例えば、通常のストレートタイプの携帯電話機と同様の形状となり、着脱操作キーの装着時における利便性に関しては、従来の携帯電話機と全く変わらないという問題点がある。また、特許文献2に記載の携帯電話機に関しても同様であり、無線通信モジュールと共通本体モジュールとを相互に嵌合させた場合には、従来の携帯電話機と利便性に関しては全く変わらないという問題点がある。
【0008】
上記問題点に鑑み、本発明では、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する部材の配置位置を自在に変えることが可能な携帯電話機及び携帯電話機本体並びに装着用ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の携帯電話機は、携帯電話機本体と、前記携帯電話機本体に着脱可能な操作ユニットとにより構成されている携帯電話機であって、
前記携帯電話機本体が、
公衆電話回線網を介した通信を行うための通信手段と、
筐体上の任意の位置に装着されている前記操作ユニットから無線信号を受信する信号受信手段と、
前記操作ユニットから受信した前記無線信号に係る処理を行う信号処理手段とを有し、
前記操作ユニットが、
ユーザが操作入力を行うための操作入力手段と、
前記操作入力手段における操作入力を前記無線信号に変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段において生成された前記無線信号を前記携帯電話機本体に送信する信号送信手段と、
前記携帯電話機本体の前記筐体上の前記任意の位置に装着可能とするユニット装着手段とを有している。
上記の構成により、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する操作ユニットの配置位置を自在に変えたり、必要な操作ユニットを選択的に配置させたりすることが可能な携帯電話機を実現することができる。
【0010】
さらに、本発明の携帯電話機は、上記の構成に加えて、複数の前記操作ユニットを有している。
上記の構成により、ユーザが、複数の操作ユニットを選択的に携帯電話機本体に装着することが可能となる。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の携帯電話機は、携帯電話機本体と、前記携帯電話機本体に着脱可能な出力ユニットとにより構成されている携帯電話機であって、
前記携帯電話機本体が、
公衆電話回線網を介した通信を行うための通信手段と、
所定の出力信号を、前記出力ユニットに対して送信する無線信号に変換する信号変換手段と、
筐体上の任意の位置に装着されている前記出力ユニットに対して前記無線信号を送信する信号送信手段とを有し、
前記出力ユニットが、
前記携帯電話機本体から前記無線信号を受信する信号受信手段と、
前記携帯電話機本体から受信した前記無線信号に係る処理を行う信号処理手段と、
前記信号処理手段による処理後の信号を外部に出力する出力手段と、
前記携帯電話機本体の前記筐体上の前記任意の位置に装着可能とするユニット装着手段とを有している。
上記の構成により、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する出力ユニットの配置位置を自在に変えたり、必要な出力ユニットを選択的に配置させたりすることが可能な携帯電話機を実現することができる。
【0012】
さらに、本発明の携帯電話機は、上記の構成に加えて、複数の前記出力ユニットを有している。
上記の構成により、ユーザが、複数の出力ユニットを選択的に携帯電話機本体に装着することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の携帯電話機は、上記の構成に加えて、前記出力手段が、情報を視覚的に表示するための表示手段であるように構成されている。
上記の構成により、携帯電話機本体に、表示手段を選択的に、かつ、任意の配置位置に配置することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明の携帯電話機は、上記の構成に加えて、前記ユニット装着手段が、前記携帯電話機本体を把持できるように構成されている。
上記の構成により、操作ユニット又は出力ユニットを携帯電話機本体に確実に装着することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明の携帯電話機は、上記の構成に加えて、前記ユニット装着手段が、ヘアピン状に形成されている。
上記の構成により、操作ユニット又は出力ユニットを携帯電話機本体に確実に装着することが可能となる。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明の携帯電話機本体は、ユーザが操作入力を行うための操作ユニットの着脱が可能な携帯電話機における携帯電話機本体であって、
公衆電話回線網を介した通信を行うための通信手段と、
筐体上の任意の位置に装着されている前記操作ユニットから無線信号を受信する信号受信手段と、
前記操作ユニットから受信した前記無線信号に係る処理を行う信号処理手段とを有している。
上記の構成により、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する操作ユニットの配置位置を自在に変えたり、必要な操作ユニットを選択的に配置させたりすることが可能な携帯電話機のための携帯電話機本体を実現することができる。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明の携帯電話機本体は、情報を外部に出力するための出力ユニットの着脱が可能な携帯電話機における携帯電話機本体であって、
前記携帯電話機本体が、
公衆電話回線網を介した通信を行うための通信手段と、
所定の出力信号を、前記出力ユニットに対して送信する無線信号に変換する信号変換手段と、
筐体上の任意の位置に装着されている前記出力ユニットに対して前記無線信号を送信する信号送信手段とを有している。
上記の構成により、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する出力ユニットの配置位置を自在に変えたり、必要な出力ユニットを選択的に配置させたりすることが可能な携帯電話機のための携帯電話機本体を実現することができる。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明の装着用ユニットは、携帯電話機本体に対して着脱可能なよう構成されている装着用ユニットであって、
ユーザが操作入力を行うための操作入力手段と、
前記操作入力手段における操作入力を前記無線信号に変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段において生成された前記無線信号を前記携帯電話機本体に送信する信号送信手段と、
前記携帯電話機本体の筐体上の任意の位置に装着可能とするユニット装着手段とを、
有している。
上記の構成により、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する装着用ユニットの配置位置を自在に変えたり、必要な装着用ユニットを選択的に配置させたりすることが可能な携帯電話機における操作入力のための装着用ユニットを実現することができる。
【0019】
また、上記目的を達成するため、本発明の装着用ユニットは、携帯電話機本体に対して着脱可能なよう構成されている装着用ユニットであって、
前記携帯電話機本体から無線信号を受信する信号受信手段と、
前記携帯電話機本体から受信した前記無線信号に係る処理を行う信号処理手段と、
前記信号処理手段による処理後の信号を外部に出力する出力手段と、
前記携帯電話機本体の筐体上の前記任意の位置に装着可能とするユニット装着手段とを有している。
上記の構成により、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する装着用ユニットの配置位置を自在に変えたり、必要な装着用ユニットを選択的に配置させたりすることが可能な携帯電話機における情報出力のための装着用ユニットを実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記の構成を有しており、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する部材の配置位置を自在に変えることを可能とするという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における携帯電話機の内部構成の一例を示すブロック図である。図1に示す携帯電話機は、携帯電話機本体1と、携帯電話機本体1に着脱可能な表示ユニット10、操作ユニット20、表示/操作ユニット30を有している。なお、表示ユニット10、操作ユニット20、表示/操作ユニット30をまとめて装着用ユニットと呼ぶこともある。
【0022】
携帯電話機本体1は、装着用ユニットとの間で無線信号の送受信処理や無線信号と電気信号との相互変換処理などを行う無線I/F(インターフェイス)部2と、公衆電話回線網を介して、データ通信や通話などの通信を行うための通信部3と、着信音声などの出力を行うための音声出力部(図3に示すスピーカ部42に対応)4と、通話音声の出力を行うための通話音声出力部(図2に示すレシーバ部41に対応)5と、通話音声の入力を行うための通話音声入力部(図3に示すマイクロホン部43に対応)6と、各構成手段から供給される信号又は各構成手段に供給する信号に係る処理を行う中央処理制御部7とを有している。なお、中央処理制御部7によって、装着用ユニットから受信した信号及び装着用ユニットに送信する信号に係る処理が行われる。また、図1では、無線I/F部2は1つしか図示されていないが、各装着用ユニットに対応するように複数設けられてもよい。また、携帯電話機本体1の無線I/F部2と、後述の装着用ユニットの無線I/F部との間で信号のやり取りが行えるのであれば、その通信における通信方式は任意の方式を採用することが可能である。
【0023】
一方、表示ユニット10は、視覚的な情報出力を行う液晶ディスプレイなどの表示部11と、携帯電話機本体1との間で無線信号の送受信処理や無線信号と電気信号との相互変換処理などを行う無線I/F部12とを有している。また、操作ユニット20は、ユーザによる操作や情報入力を可能とする操作ボタンなどの操作部21と、携帯電話機本体1との間で無線信号の送受信処理や無線信号と電気信号との相互変換処理などを行う無線I/F部22とを有している。また、表示/操作ユニット30は、表示ユニット10と操作ユニット20とが一体化したものであり、視覚的な情報出力を行うとともに、ユーザによる操作や情報入力を可能とするタッチパネル式ディスプレイなどの表示/操作部31と、携帯電話機本体1との間で無線信号の送受信処理や無線信号と電気信号との相互変換処理などを行う無線I/F部32とを有している。なお、図1では、表示ユニット10、操作ユニット20、表示/操作ユニット30は、それぞれ1つずつしか図示されていないが、複数設けられてもよい。また、装着用ユニットの各構成手段への給電は、装着用ユニットに設けられた電源から行われてもよく、また、例えば、非接触型IC(Integrated Circuit)カードなどで利用されている非接触型給電システムが用いられてもよい。また、表示ユニット10又は表示/操作ユニット30による視覚的な情報の出力の際には、適切な表示方向(表示画面の上下方向)となるように自動的に方向の認識が行われるか、又は、ユーザによって表示方向の設定が可能であることが望ましい。
【0024】
なお、図1には、音声出力に係る機能(例えば、音声出力部4)は携帯電話機本体1に設けられているが、他の装着用ユニットと同様に、音声出力ユニットとして携帯電話機本体1から分離することも可能である。また、逆に、表示ユニット10、操作ユニット20、表示/操作ユニット30に係る機能のうちのいくつかをあらかじめ携帯電話機本体1に組み込むことも可能であり、例えば、表示ユニット10に係る表示機能をあらかじめ携帯電話機本体1に組み込んでおき、操作ユニット20のみを装着用ユニットとすることも可能である。また、例えば、音声出力ユニットと表示ユニット10(これらをまとめて出力ユニットと呼ぶ)とをまとめて1つのユニットにするなど、いくつかの機能をまとめて1つの装着用ユニットに収めるようにすることも可能である。
【0025】
次に、本発明に係る携帯電話機の外観について説明する。まず、携帯電話機本体1について説明する。図2及び図3は、本発明の実施の形態における携帯電話機本体の外観を示す図であり、図2(a)は携帯電話機本体の正面図、図2(b)は携帯電話機本体の背面図、図3(a)は携帯電話機本体の上面図、図3(b)は携帯電話機本体の底面図である。図2(a)及び(b)を参照すれば分かるように、携帯電話機本体1は、正面(表面)と背面(裏面)の両方にレシーバ部41の通話音声の出力孔が設けられており、すなわち、正面と背面は区別されていない。また、図3(a)及び図3(b)を参照すれば分かるように、上面及び底面のそれぞれにスピーカ部42及びマイクロホン部43が設けられている。したがって、通常、ユーザが通話を行う場合には、携帯電話機本体1のレシーバ部41を耳に近づける一方、携帯電話機本体1の底面に設けられているマイクロホン部43を口元周辺に近づける。なお、携帯電話機本体1の材質に制限はなく、また、ここでは折り畳み型携帯電話機やスライド型携帯電話機を実現できるように、携帯電話機本体1は、複数の筐体がヒンジ部によって結合された構造でもよい。なお、図1に示す無線I/F部2は、例えば、携帯電話機本体1の表面全体及び/又は裏面全体の内部に存在しており、すなわち、携帯電話機本体1の表面及び/又は裏面の任意の位置に配置される装着用ユニットと無線によって信号のやり取りを行うことが可能である。
【0026】
続いて、装着用ユニットについて説明する。図4は、本発明の実施の形態における操作ユニットの外観を示す図であり、図4(a)は操作ユニットの正面図、図4(b)は操作ユニットの背面図、図4(c)は操作ユニットの底面図である。なお、図4には、数字の7や英文字のpqrsを入力するための「7pqrs」、数字の8や英文字のtuvを入力するための「8tuv」、数字の9や英文字のwxyzを入力するための「9wxyz」の3つの操作ボタンを有する操作ユニット20が図示されている。例えば、図4(c)を参照すれば分かるように、操作ユニット20の背面には、携帯電話機本体1の筐体上の任意の位置に装着可能とするユニット装着手段51が設けられている。このユニット装着手段51は、携帯電話機本体1を把持できるように構成されている。なお、ここでは、ユニット装着手段51がヘアピン状に形成されており、ユニット装着手段51と、操作ボタンが配置されている装着用ユニット本体52との間の嵌合部53によって携帯電話機本体1を挟み込み、ユニット装着手段51及び装着用ユニット本体52のそれぞれが、携帯電話機本体1の表面(又は裏面)及び携帯電話機本体1の裏面(又は表面)を把持できるように構成されている。
【0027】
次に、携帯電話機で実現される複数の機能のそれぞれに応じた装着用ユニットの種類について説明する。図5は、本発明の実施の形態における各種の操作ユニットの外観を示す図である。図5には、装着用ユニットの一例として、各種の表示ユニット10(表示ユニット10a〜10d)と各種の操作ユニット20(操作ユニット20a〜20e、20p〜20s、20x、20y)と、表示/操作ユニット30(表示/操作ユニット30a)が図示されている。これらの各種の装着用ユニットは、ユーザの好みや使用形態に応じて、携帯電話機本体1に選択的に装着可能である。
【0028】
表示ユニット10a〜10cは表示画面サイズが異なっており、表示ユニット10aは大きな表示画面サイズ、表示ユニット10bは中程度の表示画面サイズ、表示ユニット10cは小さな表示画面サイズを提供する。また、表示ユニット10dは横に長い表示画面であり、後述のように、横向きの使用(図2において紙面の上下方向が水平となるように使用)に好適である。
【0029】
また、操作ユニット20a〜20eは、通常の携帯電話機に配設されている操作ボタンを実現するためのものである。操作ユニット20aには、通話開始ボタン及び通話終了ボタンが設けられている。また、操作ユニット20bには、「1」、「2abc」、「3def」の3つの操作ボタン、操作ユニット20cには、「4ghi」、「5jkl」、「6mno」の3つの操作ボタン、操作ユニット20dには、「7pqrs」、「8tuv」、「9wxyz」の3つの操作ボタン、操作ユニット20eには、「*」、「0」、「#」などの3つの操作ボタンがそれぞれ設けられている。
【0030】
また、操作ユニット20p〜操作ユニット20rは、通常のキーボード配列における各段のキー配列を有している。また、操作ユニット20sには、スペースキーやシフトキーなどの、付加的なキーが配列されている。また、操作ユニット20x、20yには、それぞれゲーム用コントローラに設けられているナビゲーションキー(十字コントロールキー)及び選択ボタン(ABボタン)が設けられている。また、表示/操作ユニット30aは、視覚的な情報出力を行うとともに、ユーザによる操作や情報入力を可能とするタッチパネル式の表示画面である。
【0031】
次に、携帯電話機本体1に装着用ユニットを装着した状態について説明する。図6は、本発明の実施の形態における携帯電話機本体に装着用ユニットが装着された一例を示す図であり、図6(a)は携帯電話機本体の正面図、図6(b)は携帯電話機本体の背面図である。なお、図6に示す携帯電話機では、表示ユニット10cと、操作ユニット20a〜20eが装着されており、通話機能を実現するために通常の携帯電話機における操作ボタンの配置と同様の配置が実現されている。図6に示すように、装着用ユニットは、ユニット装着手段51によって、携帯電話機本体1に嵌合されて装着される。この装着用ユニットの装着においては、携帯電話機本体1の任意の位置に装着用ユニットを装着することが可能であり、携帯電話機では、装着された装着用ユニットに関連した機能のみが使用可能となる。なお、図6では、携帯電話機本体1の正面(表面)上において、装着用ユニットの表面(ユニット装着手段51が設けられている面とは反対側の面であり、操作ボタンや表示画面が配置されている面)が露出されるように装着用ユニットが装着されているが、携帯電話機本体1には表裏の区別がないため、携帯電話機本体1の背面(裏面)上において、装着用ユニットの表面が露出されるように装着されてもよい。また、図7に示すように、携帯電話機本体1の正面及び背面上のそれぞれにおいて、ランダムに装着用ユニットの表面が露出されるように装着されてもよい。
【0032】
また、図8は、本発明の実施の形態における携帯電話機本体に通話用の操作ユニットのみが装着された場合における携帯電話機本体の正面図である。図8に示すように、例えば、携帯電話機において、通話のみ(特に、着信受け付けのみ)が行えるようにする場合には、通話開始ボタン及び通話終了ボタンを有する操作ユニット20aのみを携帯電話機本体1に装着することも可能である。これにより、着信専用の携帯電話機を簡単に実現することが可能となる。
【0033】
また、図9は、本発明の実施の形態における携帯電話機本体に表示/操作ユニットが装着された場合の携帯電話機本体の正面図である。図9に示すように、例えば、表示機能と操作機能とを兼ね備えたタッチパネル式ディスプレイを有する表示/操作ユニット30aを装着することによって、ユーザによる操作を可能としながら、視覚的な情報を表示するための表示画面を大きくすることが可能となる。また、例えば、固定されたチャンネルで、動画ストリーミングやテレビ放送の受信及び視聴を行えるようにするだけならば、単にビューアとしての機能を携帯電話機に設ければよく、大きな表示画面を有する表示ユニット10(例えば、表示ユニット10a)を携帯電話機本体1に装着してもよい。
【0034】
また、図10は、本発明の実施の形態における携帯電話機をゲーム機として利用する場合における装着ユニットの装着状態の一例を示す図である。図10に示すように、携帯電話機をゲーム機として利用する場合には、例えば、携帯電話機本体1を横向きに使用し、中央部分に大きな表示画面を有する表示ユニット10aを配置して、その両側に、ナビゲーションキーを有する操作ユニット20xと、選択ボタンを有する操作ユニット20yとを配置する。これにより、表示画面を閲覧しながら、左手の指でナビゲーションキーを操作し、右手の指で選択ボタンを操作することが可能な従来の携帯型ゲーム機と同様の構成を実現することが可能となる。
【0035】
また、図11は、本発明の実施の形態における携帯電話機の文字情報入力機能を向上させる場合における装着ユニットの装着状態の一例を示す図である。図11に示すように、例えば、携帯電話機本体1を横向きに使用し、操作ユニット20p〜20sをキーボード配列と同様に配置するとともに、横向きの使用に適した横長の表示画面を有する表示ユニット10dを配置することによって、一般的に使用されているキーボード配列を実現することが可能となる。これにより、従来の一般的な携帯電話機における文字情報入力用ボタンの配列(通常は、0〜9のテンキーに文字が割り当てられている)よりも効率良く文字入力を行うことが可能なキーボード配列が実現される。なお、こうした文字情報の入力機能を向上させた場合には、例えば、メール入力やスケジュール入力などにおける利便性が向上される。
【0036】
以上、説明したように、本発明では、携帯電話機で実現される様々な機能に応じて、情報入力や情報出力に係るユーザインタフェイス(装着用ユニット)を、ユーザの好みに応じて、自在かつ選択的に配置することが可能であり、携帯電話機における利便性や形態性が向上される。また、個々の装着用ユニットのデザインもそれぞれ独立して行われるため、デザイン的にも多様な携帯電話機が実現可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、利便性、携帯性、更にはデザイン性に優れており、複数の機能のそれぞれの使用形態に応じて、携帯電話機を構成する部材の配置位置を自在に変えることを可能とするという効果を有しており、通話機能を有する携帯電話機や、特に、通話機能以外にも様々な機能を実現する多機能の携帯電話機に係る技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態における携帯電話機の内部構成の一例を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態における携帯電話機本体の外観を示す図であり、(a)は携帯電話機本体の正面図、(b)は携帯電話機本体の背面図
【図3】本発明の実施の形態における携帯電話機本体の外観を示す図であり、(a)は携帯電話機本体の上面図、(b)は携帯電話機本体の底面図
【図4】本発明の実施の形態における操作ユニットの外観を示す図であり、(a)は操作ユニットの正面図、(b)は操作ユニットの背面図、(c)は操作ユニットの底面図
【図5】本発明の実施の形態における各種の操作ユニットの外観を示す図
【図6】本発明の実施の形態における携帯電話機本体に装着用ユニットが装着された一例を示す図であり、(a)は携帯電話機本体の正面図、(b)は携帯電話機本体の背面図
【図7】本発明の実施の形態における携帯電話機本体に装着用ユニットが装着された別の一例を示す図であり、(a)は携帯電話機本体の正面図、(b)は携帯電話機本体の背面図
【図8】本発明の実施の形態における携帯電話機本体に通話用の操作ユニットのみが装着された場合における携帯電話機本体の正面図
【図9】本発明の実施の形態における携帯電話機本体に表示/操作ユニットが装着された場合の携帯電話機本体の正面図
【図10】本発明の実施の形態における携帯電話機をゲーム機として利用する場合における装着ユニットの装着状態の一例を示す図
【図11】本発明の実施の形態における携帯電話機の文字情報入力機能を向上させる場合における装着ユニットの装着状態の一例を示す図
【図12】従来の技術における着脱操作キーを有する携帯電話機の外観図であり、(a)は携帯電話機本体に着脱操作キーが装着された状態を示す図、(b)は携帯電話機から着脱操作キーが離脱された状態を示す図
【符号の説明】
【0039】
1、201 携帯電話機本体
2、12、22、32 無線I/F(インターフェイス)部
3 通信部
4 音声出力部
5 通話音声出力部
6 通話音声入力部
7 中央処理制御部
10、10a〜10d 表示ユニット(装着用ユニット、出力ユニット)
11 表示部
20、20a〜20e、20p〜20s、20x、20y 操作ユニット(装着用ユニット)
21 操作部
30、30a 表示/操作ユニット(装着用ユニット)
31 表示/操作部
41 レシーバ部
42 スピーカ部
43 マイクロホン部
51 ユニット装着手段
52 装着用ユニット本体
53 嵌合部
202 着脱操作キー
203 第1表示部
204 第2表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機本体と、前記携帯電話機本体に着脱可能な操作ユニットとにより構成されている携帯電話機であって、
前記携帯電話機本体が、
公衆電話回線網を介した通信を行うための通信手段と、
筐体上の任意の位置に装着されている前記操作ユニットから無線信号を受信する信号受信手段と、
前記操作ユニットから受信した前記無線信号に係る処理を行う信号処理手段とを有し、
前記操作ユニットが、
ユーザが操作入力を行うための操作入力手段と、
前記操作入力手段における操作入力を前記無線信号に変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段において生成された前記無線信号を前記携帯電話機本体に送信する信号送信手段と、
前記携帯電話機本体の前記筐体上の前記任意の位置に装着可能とするユニット装着手段とを有する携帯電話機。
【請求項2】
複数の前記操作ユニットを有する請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
携帯電話機本体と、前記携帯電話機本体に着脱可能な出力ユニットとにより構成されている携帯電話機であって、
前記携帯電話機本体が、
公衆電話回線網を介した通信を行うための通信手段と、
所定の出力信号を、前記出力ユニットに対して送信する無線信号に変換する信号変換手段と、
筐体上の任意の位置に装着されている前記出力ユニットに対して前記無線信号を送信する信号送信手段とを有し、
前記出力ユニットが、
前記携帯電話機本体から前記無線信号を受信する信号受信手段と、
前記携帯電話機本体から受信した前記無線信号に係る処理を行う信号処理手段と、
前記信号処理手段による処理後の信号を外部に出力する出力手段と、
前記携帯電話機本体の前記筐体上の前記任意の位置に装着可能とするユニット装着手段とを有する携帯電話機。
【請求項4】
複数の前記出力ユニットを有する請求項3に記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記出力手段が、情報を視覚的に表示するための表示手段であるように構成されている請求項3又は4に記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記ユニット装着手段が、前記携帯電話機本体を把持できるように構成されている請求項1から5のいずれか1つに記載の携帯電話機。
【請求項7】
前記ユニット装着手段が、ヘアピン状に形成されている請求項6に記載の携帯電話機。
【請求項8】
ユーザが操作入力を行うための操作ユニットの着脱が可能な携帯電話機における携帯電話機本体であって、
公衆電話回線網を介した通信を行うための通信手段と、
筐体上の任意の位置に装着されている前記操作ユニットから無線信号を受信する信号受信手段と、
前記操作ユニットから受信した前記無線信号に係る処理を行う信号処理手段とを、
有する携帯電話機本体。
【請求項9】
情報を外部に出力するための出力ユニットの着脱が可能な携帯電話機における携帯電話機本体であって、
前記携帯電話機本体が、
公衆電話回線網を介した通信を行うための通信手段と、
所定の出力信号を、前記出力ユニットに対して送信する無線信号に変換する信号変換手段と、
筐体上の任意の位置に装着されている前記出力ユニットに対して前記無線信号を送信する信号送信手段とを、
有する携帯電話機本体。
【請求項10】
携帯電話機本体に対して着脱可能なよう構成されている装着用ユニットであって、
ユーザが操作入力を行うための操作入力手段と、
前記操作入力手段における操作入力を前記無線信号に変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段において生成された前記無線信号を前記携帯電話機本体に送信する信号送信手段と、
前記携帯電話機本体の筐体上の任意の位置に装着可能とするユニット装着手段とを、
有する前記ユーザが操作入力を行うための装着用ユニット。
【請求項11】
携帯電話機本体に対して着脱可能なよう構成されている装着用ユニットであって、
前記携帯電話機本体から無線信号を受信する信号受信手段と、
前記携帯電話機本体から受信した前記無線信号に係る処理を行う信号処理手段と、
前記信号処理手段による処理後の信号を外部に出力する出力手段と、
前記携帯電話機本体の筐体上の前記任意の位置に装着可能とするユニット装着手段とを、
有する前記外部に情報を出力するための装着用ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−19811(P2006−19811A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192943(P2004−192943)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000187725)パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社 (38)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】