説明

携帯電話機

【課題】特定の個人からの電話やメールを一切着信拒否したい場合、その登録を簡便に済ませられる携帯電話機を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は制御部20と記憶部22を備える。制御部20は記憶部22の電話帳23に個人データ30を記憶させる。個人データ30は、相互に関連づけて記憶される、個人識別情報31と、電話番号34と、メールアドレス35を含む。制御部20は、特定の個人識別情報31につき着信拒否登録がなされた場合は、その個人識別情報31に関連する電話番号34とメールアドレス35からの通信を自動的に着信拒否対象とする。着信拒否登録を行う際は当該個人の画像33を個人識別情報として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着信拒否機能を備えた携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯電話機の多くは着信拒否機能を備えている。これは、着信させたくない電話番号を登録しておくと、その電話番号の電話機から電話があった場合、例えば「この電話番号からの電話は受け付けません」といったメッセージを発呼側に送り、着信を許さないという機能である。
【0003】
特許文献1には、特定のメールアドレスから送信された電子メールを受信拒否する移動体通信端末が記載されている。
【特許文献1】特開平11−252252号公報([0011]、図1−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の携帯電話機では、着信拒否の登録をする際、電話番号やメールアドレスを個別に登録する必要があり、手間がかかっていた。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、特定の個人からの電話やメールを一切着信拒否したい場合、その登録を簡便に済ませられる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するために本発明は、制御部と記憶部を備え、前記制御部は前記記憶部に、個人識別情報と、電話番号と、メールアドレスとを相互に関連づけて記憶させる携帯電話機において、前記制御部は、特定の個人識別情報につき着信拒否登録がなされた場合は、その個人識別情報に関連する電話番号とメールアドレスからの通信を自動的に着信拒否対象とすることを特徴としている。
【0007】
この構成によると、個人識別情報に着信拒否登録の処理を行うだけでその個人識別情報に関連する電話番号とメールアドレスからの通信を自動的に着信拒否対象とできるから、電話番号やメールアドレスに個別に着信拒否登録作業を行う必要がなく、使用者の手間を省くことができる。着信拒否したい個人が複数の電話機を所有していたり、複数のメールアドレスを使い分けている場合など、本発明の効果は特に顕著である。また、着信拒否登録後に電話番号やメールアドレスを変えられても、電話番号やメールアドレスのデータを更新することにより、着信拒否の効力は新しい電話番号やメールアドレスに引き継がれ、それらからの通信が着信することはない。
【0008】
(2)また本発明は、上記構成の携帯電話機において、着信拒否登録を行う際の個人識別情報として当該個人の画像を用いることを特徴としている。
【0009】
この構成によると、着信拒否したい人物を画像で特定できるから、うっかり名前を取り違えて他の人物を着信拒否登録してしまうというミスを防ぐことができる。
【0010】
(3)また本発明は、複数の画像を表示して、ユーザが複数の画像から所望の画像を選択することにより、着信拒否相手先として登録することを可能としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、個人識別情報に着信拒否登録の処理を行うことにより、関連する電話番号とメールアドレスを一括して自動的に着信拒否対象とすることができ、携帯電話機の使い勝手が向上する。また着信拒否登録を行う際の個人識別情報として当該個人の画像を用いることにより、誤り無く着信拒否登録を行ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図1−5に基づき説明する。図1は携帯電話機の斜視図、図2は携帯電話機のブロック構成図、図3はデータ構成の概念図、図4は着信拒否登録時の表示画面例、図5は着信拒否登録後の表示画面例である。
【0013】
携帯電話機1のケースはクラムシェルタイプ、すなわち折り畳み式であって、表示部ケース2と操作部ケース3をヒンジ部4で連結した構造を備える。
【0014】
表示部ケース2と操作部ケース3に配置される構成要素を、図2を参照しつつ説明する。
折り畳んだとき内側になる面、すなわち内面側には次の構成要素が設けられる。表示部ケース2には、液晶表示パネルにより構成される主表示部5と、内蔵された受話ユニット6の音を出す聴話孔7が設けられている。操作部ケース3には、テンキーや各種のファンクションキーを配置したキー入力部8と、内蔵された送話ユニット9に音声を届かせる通話孔10が設けられている。
【0015】
折り畳んだとき外側になる面、すなわち外面側には次の構成要素が配置される。表示部ケース2には、液晶表示パネルにより構成される副表示部11と、内蔵されたカメラユニット12のレンズ部分が設けられている。操作部ケース3には着信音などを鳴らす拡声スピーカ13が配置されている。
【0016】
携帯電話機1の制御を統括するのは制御部20である。制御部20には、主表示部5、副表示部11、受話ユニット6、カメラユニット12、キー入力部8、送話ユニット9、拡声スピーカ13といった既出要素の他、送受信部21と、制御部20を機能させるのに必要な情報あるいは携帯電話機1の動作に必要な情報を記憶する記憶部22が接続されている。記憶部22の内部には電話帳23が設定される。
【0017】
電話帳23は図3にデータ構成の概念を示すような複数の個人データ30の集合からなる。個人データ30は個人識別情報31を含む。個人識別情報31には、氏名やあだ名などの文字データ32と、カメラユニット12で撮影した画像や外部から送信された画像などの画像33が含まれる。この個人識別情報31に関連する電話番号34とメールアドレス35が個人データ30の一環として記憶される。制御部20が電話帳23のデータ管理を司る。
【0018】
図4は電話帳23の中の特定個人情報を表示する、主表示部5の画面例である。画面40には、当該個人の画像33の他、電話番号34とメールアドレス35が表示される。電話番号やメールアドレスが複数あれば、それらは予備表示欄41を利用して表示される。画面40にはこの他に「戻る」キー42と「メニュー」キー43が表示されている。
【0019】
画像33の人物からの通信一切を着信拒否したい場合は、「メニュー」キー43を選択する。すると「着信拒否登録」キー51を含む複数のキーを表示するメニュー画面50が出現する。メニュー画面50で「着信拒否登録」キー51を選択すると、図5のように、そのことを表すアイコンが画像33、電話番号34、メールアドレス35の全てに表示される。以後、電話番号34とメールアドレス35のいずれから通信があったとしても、それは着信拒否される。
【0020】
このように、画像につき着信拒否登録の処理を行うことにより、その画像の人物に関連する電話番号とメールアドレスを一括して自動的に着信拒否対象とすることができ、手間がかからない。また画像を見て人物を特定することにより、名前を取り違えて他人を着信拒否登録してしまうといった事態を避けることができる
着信拒否登録後、その人物が電話番号やメールアドレスを変えたことを知ったときは、直ちに電話番号やメールアドレスのデータを更新する。着信拒否の効力は新しい電話番号やメールアドレスに引き継がれ、それらからの通信が着信することはない。
【0021】
尚、本実施例では、着信拒否登録のアイコンを選択することにより着信拒否登録を行うことが可能であるが、例えば、カーソルを画像33に移動させ(画像33を選択させ)た後に、着信拒否登録の操作を行うことにより、画像33の相手先を着信拒否相手先として登録することも可能である。
【0022】
又、画像(縮小画像でも可)を複数一覧表示した状態で、カーソルを移動させて所望の画像を選択し、続いて着信拒否登録の操作を行うことにより、カーソルが指示している相手先を着信拒否相手として登録することも可能である。
【0023】
更に、本実施例では画像33を見て着信拒否相手先とするか否かをユーザが判断することが可能であるか、例えば、画像33を得られないいたずら電話の相手先等の場合には、画像33の表示部分に、「いたずら電話」や「変な電話」といった文字を表示させ、ユーザがその文字を見て、着信拒否相手先とするか否かを判断することも可能である。
【0024】
又、本実施例では、図5に示すように着信拒否であることを示すアイコンが表示されるが、着信拒否登録すると画像33のみを表示させないようにしても良い。このような構成とすることによって、ユーザにとって顔も見たくない相手の場合に、相手の顔を表示することによりユーザが不快に思うことを回避することが可能である。
【0025】
更に、着信拒否登録すると画面40自体を表示させないようにすることも可能である。
【0026】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は着信拒否機能を備えた携帯電話機に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】携帯電話機の斜視図
【図2】携帯電話機のブロック構成図
【図3】データ構成の概念図
【図4】着信拒否登録時の表示画面例
【図5】着信拒否登録後の表示画面例
【符号の説明】
【0029】
1 携帯電話機
5 主表示部
8 キー入力部
20 制御部
22 記憶部
23 電話帳
30 個人データ
31 個人識別情報
32 文字データ
33 画像
34 電話番号
35 メールアドレス
40 画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部を備え、前記制御部は前記記憶部に、個人識別情報と、電話番号と、メールアドレスとを相互に関連づけて記憶させる携帯電話機において、
前記制御部は、特定の個人識別情報につき着信拒否登録がなされた場合は、その個人識別データに関連する電話番号とメールアドレスからの通信を自動的に着信拒否対象とすることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
着信拒否登録を行う際の個人識別情報として当該個人の画像を用いることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
請求項2記載の携帯電話機であり、
前記個人の画像を一度に複数表示することを特徴とする携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−235322(P2007−235322A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51977(P2006−51977)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】