説明

携帯電話端末およびその制御方法

【課題】SIMカードに対応するオペレータ向けのネットワーク関連アプリケーションを容易に利用することが可能な携帯電話端末を提供する。
【解決手段】SIMコネクタ15にSIMカード18が装着されると、CPU17が、そのSIMカード内の識別情報にて特定されるオペレータに対応したネットワーク関連アプリケーションを外部装置からダウンロードし、そのネットワーク関連アプリケーションをインストールして動作可能な状態に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SIM(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)カードを装着することで通信機能が使用可能となる携帯電話端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末では、通常、通信サービスを提供するオペレータ(通信キャリア)等を特定するためのSIMカードが装着されることで、通信機能が使用可能となる。このような携帯電話端末は、装着されたSIMカードにて特定されるオペレータの通信サービスを利用して通信を行う。
【0003】
また、携帯電話端末には、特定のSIMカードのみを利用可能とするSIMロック(SIM Lock)と呼ばれる機能を備えたものがある。SIMロックを備えた携帯電話端末では、特定のSIMカード以外のSIMカードが挿入されても通信機能を使用することができない。一方、SIMロックが解除された携帯電話端末や、SIMロックを元々備えていない携帯電話端末では、使用者はSIMカードを交換することで、所望のオペレータの通信サービスを利用することができる。
【0004】
しかしながら、現在の携帯電話端末では、ブラウザやメーラーのような通信機能を利用するアプリケーションプログラムであるネットワーク関連アプリケーションは、携帯電話端末のメーカが想定したオペレータ向けに設計され、かつ、携帯電話端末に予めインストールされていることが多い。特定のオペレータ向けに設計されているネットワーク関連アプリケーションは、特定のオペレータ以外のオペレータの通信サービスを利用することができないことがある。このため、SIMカードの交換が可能な携帯電話端末でも、メーカが想定したオペレータ以外のオペレータに対応したSIMカードが挿入されると、ネットワーク関連アプリケーションが使用できず、通信機能の利用が制限されてしまうことがあった。
【0005】
これに対して特許文献1には、SIMカードがアプリケーションのダウンロード先を記憶する携帯端末が記載されている。この携帯端末は、SIMカードが装着されると、そのSIMカード内のダウンロード先から、アプリケーションをダウンロードする。
【0006】
このため、上記の携帯端末では、SIMカードに対応したオペレータ向けのネットワーク関連アプリケーションのダウンロード先が、SIMカードに記憶されていれば、オペレータ向けのネットワーク関連アプリケーションをダウンロードすることが可能になる。したがって、メーカが想定したオペレータ以外のオペレータ用のSIMカードが挿入されても、ネットワーク関連アプリケーションを使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−294976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の携帯端末では、ネットワーク関連アプリケーションをダウンロードすることができるが、ダウンロードされたネットワーク関連アプリケーションの設定を自動で行うことができないため、使用者がネットワーク関連アプリケーションを手動で設定しなければならず、手間が多い。このため、使用者が気軽にSIMカードを交換して、オペレータを気軽に変更することができない。
【0009】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、SIMカードに対応するオペレータ向けのネットワーク関連アプリケーションを容易に利用することが可能な携帯電話端末およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による携帯電話端末は、通信キャリアを特定する識別情報が記憶されたSIMカードを装着することで通信機能が使用可能となる携帯電話端末であって、記憶部と、外部装置との通信を行う通信部と、前記SIMカードが着脱可能な着脱部と、前記着脱部にSIMカードが装着されると、当該SIMカード内の識別情報にて特定される通信キャリアに対応したアプリケーションを、前記通信部を介して前記外部装置からダウンロードして前記記憶部に記憶させ、当該アプリケーションをインストールして動作可能な状態に設定する制御部と、を有する。
【0011】
また、本発明による制御方法は、通信キャリアを特定する識別情報が記憶されたSIMカードが着脱可能な着脱部に前記SIMカードを装着することで通信機能が使用可能となる携帯電話端末の制御方法であって、前記着脱部にSIMカードが装着されると、当該SIMカード内の識別情報にて特定される通信キャリアに対応したアプリケーションを外部装置からダウンロードして記憶させ、前記ダウンロードしたアプリケーションをインストールして動作可能な状態に設定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、SIMカードに対応するオペレータ向けのネットワーク関連アプリケーションを容易に利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の通信システムを示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図3】メーカ判別用ファイルを説明するための図である。
【図4】既存の携帯電話端末におけるソフトウェア構成を示す構成図である。
【図5】第1の実施形態の携帯電話端末におけるソフトウェア構成を示す構成図である。
【図6】第1の実施形態の携帯電話端末の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態の通信システムを示すブロック図である。図1において、通信システムは、携帯電話端末(以下、UEと称する)1と、無線基地局2と、外部装置3とを有する。なお、無線基地局2および外部装置3は、通信ネットワーク4を介して相互に接続されている。また、外部装置3は複数あってもよい。
【0016】
UE1では、SIMカードが装着されることで通信機能が使用可能となる。ここで、通信機能とは、無線基地局2を介して通信ネットワークと接続することにより通信を行う機能であり、赤外線通信やBluetooth(登録商標)などの短距離無線通信機能や、USBケーブルを介した有線通信機能は含まれない。
【0017】
UE1は、SIMカードが装着されると、無線基地局2および通信ネットワーク4を介して外部装置3と通信を行うことが可能となる。なお、UE1および無線基地局2間の通信は無線通信である。
【0018】
外部装置3は、UE1で使用される種々のアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションと略す)を格納するサーバである。
【0019】
図2は、UE1の構成を示すブロック図である。図1において、UE1は、表示部11と、操作部12と、無線部13と、アンテナ14と、SIMコネクタ15と、記憶部16と、CPU(Central Processing Unit)17とを有する。
【0020】
表示部11は、電子メールデータやブラウザの表示画面のような種々の情報を表示する。
【0021】
操作部12は、UE1の使用者によって操作され、その操作に応じた操作情報をCPU17に通知する。使用者によって行われる操作は、例えば、発信するための発信操作、着信するための着信操作、電子メールを送受信するための送受信操作、および、ブラウザの表示画面を表示する表示操作などである。
【0022】
無線部13は、アンテナ14を介して無線基地局2に無線通信を行うことで、無線基地局2を介して外部装置3との通信を行う通信部である。
【0023】
SIMコネクタ15は、SIMカード18が着脱可能な着脱部である。SIMカード18は、通信サービスを提供するオペレータを特定する識別情報を記録する記録媒体である。
【0024】
識別情報は、IMSI(International Mobile Subscriber Identity:国際移動体加入者識別子)と呼ばれ、基本ファイル(Elementary File:EF)の形式でSIMカード18に記憶されている。また、基本ファイル形式のIMSIは、メーカ判別用ファイル(EF−IMSI)と呼ばれる。なお、基本ファイルは当業者にとって自明であるので、その詳細な説明は省略する。
【0025】
図3は、メーカ判別用ファイルを説明するための図である。図3で示したように、メーカ判別用ファイル19「EF#IMSI」は、15ビットのビット列「001010000000111」で表され、SIMカード18に予め記憶されている。メーカ判別用ファイル19において、左から0から3桁目までのビット「001」は、国を特定する国番号であり、左から4および5桁目のビット「01」は、オペレータを特定するオペレータ識別コードである。
【0026】
なお、国番号が異なれば、互いに異なるオペレータでも同じオペレータ識別コードが使用されることがあるので、オペレータを正確に特定するためには、国番号およびオペレータ識別コードの両方が必要となる。また、左から6桁目以降は、国番号およびオペレータ識別コードとは異なる固有IDであるが、本実施形態では使用しないので、その詳細な説明は省略する。
【0027】
図2の説明に戻る。本実施形態では、SIMカード18は、上記のメーカ判別用ファイルの他にも、WEBアドレス情報をさらに記憶している。WEBアドレス情報は、メーカ判別用ファイルにて特定されるオペレータに対応した通信用のアプリケーションであるネットワーク関連アプリケーションの格納場所を示す。例えば、WEBアドレス情報は、URL(Uniform Resource Locator)である。
【0028】
記憶部16は、CPU17などのコンピュータにて読み取り可能な記録媒体であり、CPU17の動作を規定するプログラムを記憶する。本プログラムは、OS(Operating System:オペレーティングシステム)とアプリケーションを含む。
【0029】
CPU(Central Processing Unit)17は、記憶部16に記憶されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行して種々の処理を行う制御部である。
【0030】
具体的には、CPU17は、SIMコネクタ15にSIMカード18が装着されると、SIMカード18を認識し、SIMカード18からメーカ判別用ファイルおよびWEBアドレス情報を読み出す。CPU17は、その読み出した参照したメーカ判別用ファイルにて特定されるオペレータに対応したネットワーク関連アプリケーションを、無線部13およびアンテナ14を介して、WEBアドレス情報が示す格納場所に応じた外部装置3からダウンロードする。
【0031】
CPU17は、そのダウンロードしたネットワーク関連アプリケーションを記憶部16に記憶させるとともに、そのネットワーク関連アプリケーションをUE1にインストールして、そのネットワーク関連アプリケーションを動作可能な状態に設定する。
【0032】
次に本実施形態のソフトウェア(以下、SWと称する)構成について説明する。
【0033】
先ず、既存のUEと本実施形態のUE1との相違点を明確にするために、既存のUEにおけるSW構成について説明する。
【0034】
図4は、既存のUEにおけるSW構成を示すSW構成図である。図4に示されたように、既存のUEのSWは、OS21と、OS21上で動作するソフトウェアで構成される。
【0035】
OS21上で動作するソフトウェアとしては、一般的なブラウザ22と、オペレータ独自ブラウザ23と、オペレータ独自メールアプリケーション24と、ダウンロード型アプリケーション25と、組み込み型アプリケーション26と、電話・テレビ電話アプリケーション27と、ダウンロード型アプリケーションインタフェース28とがある。
【0036】
一般的なブラウザ22は、WEBデータの閲覧用のアプリケーション(ブラウザ)であり、オペレータが提供する通信サービスに依らずに使用できる。例えば、一般的なブラウザ22は、パーソナルコンピュータなどで使用可能な複数の言語が全て使用可能なブラウザである。
【0037】
オペレータ独自ブラウザ23は、特定のオペレータが提供する通信サービスのみで使用可能な機能を有するブラウザである。例えば、オペレータ独自ブラウザ23では、使用可能な言語が限定されていたり、オペレータ独自のサービスが提供できたり、無線通信データのデータ量が一般的なブラウザ22と比べて小さいブラウザなどである。
【0038】
オペレータ独自メールアプリケーション24は、電子メールを送受信するためのアプリケーション(メーラー)であり、特定のオペレータが提供する通信サービスのみ使用可能な機能を有するメーラーである。例えば、オペレータ独自メールアプリケーション24は、オペレータ独自のアイコン、GIF(Graphics Interchange Format)画像およびネットワーク連帯機能を有していたり、電子メールの送付先として特定のオペレータが管理するメールサーバなどが設定されているメーラーである。
【0039】
ダウンロード型アプリケーション25は、外部装置3からダウンロードしてUE1にインストール可能なアプリケーションである。
【0040】
組み込み型アプリケーション26は、メーカがUE1を販売した時点でUE1に組み込まれているアプリケーションであり、通常、追加や削除を行うことができないアプリケーションである。
【0041】
電話・テレビ電話アプリケーション27は、電話やテレビ電話を行うためのアプリケーションであり、組み込み型アプリケーション26と同様に、通常、追加や削除を行うことができない。
【0042】
ダウンロード型アプリケーションインタフェース28は、ダウンロードされたアプリケーション、つまりダウンロード型アプリケーション25を使用するためのソフトウェアインタフェースである。
【0043】
SIMロックが解除されて、UE1のメーカが想定したオペレータと異なるオペレータのSIMカードが装着された場合に使用またはダウンロードすることができなくなるアプリケーションとしては、上記のアプリケーション22〜28のうち、オペレータ独自ブラウザ23、オペレータ独自メールアプリケーション24およびダウンロード型アプリケーション25が該当する。
【0044】
図5は、本実施形態のUE1におけるSW構成を示すSW構成図である。図5に示されたように、UE1のSWは、OS31と、OS31上で動作するソフトウェアで構成される。
【0045】
OS31上で動作するソフトウェアとしては、一般的なブラウザ32と、オペレータ独自ブラウザ33と、オペレータ独自メールアプリケーション34と、ダウンロード型アプリケーション35と、組み込み型アプリケーション36、電話・テレビ電話アプリケーション37と、ダウンロード型アプリケーションインタフェース38とがある。
【0046】
これらのソフトウェアのうち、CPU17が外部装置3からダウンロードしてインストールするネットワーク関連アプリケーションは、オペレータ独自ブラウザ33と、オペレータ独自メールアプリケーション34と、ダウンロード型アプリケーション35とになる。これらのネットワーク関連アプリケーションは、UE1の販売時にはインストールされておらず、ダウンロードされた後で、OS31上で動作することとなる。このため、UE1は、販売時の時点では、一般的なブラウザ32、組み込み型アプリケーション36、電話・テレビ電話アプリケーション37、ダウンロード型アプリケーションインタフェース38のみのSW構成となっている。
【0047】
なお、各ソフトウェア31〜37の機能は、既存のUEの同名のソフトウェアの機能と同じである。ダウンロード型アプリケーションインタフェース38は、ダウンロードされるアプリケーションがネットワーク関連アプリケーションなので、各ネットワーク関連アプリケーションを使用するためのソフトウェアインタフェースとなる。ここで、ダウンロード型アプリケーションインタフェース38は、各オペレータに対応したネットワーク関連アプリケーションで使用可能とするために、各オペレータにおいて共通の仕様を有することが望ましい。また、ダウンロード型アプリケーションインタフェース38がネットワーク関連アプリケーションとしてダウンロードされるSW構成でもよい。
【0048】
次にUE1の動作について説明する。
【0049】
図6は、UE1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。以下では、UE1に挿入されたSIMカード18が、オペレータAに対応するSIMカードから、オペレータAと異なるオペレータBに対応するSIMカードに変更されるものとする。
【0050】
UE1のSIMコネクタ15には、オペレータAに対応するSIMカード18が挿入されている(ステップ51)。なお、CPU17は、オペレータAに対応するSIMカード18がSIMコネクタ15に挿入された際に、そのSIMカード18からメーカ判別用ファイルを読み出して記憶部16に記憶している。
【0051】
オペレータAのSIMカード18がSIMコネクタ15から抜かれ、その後、オペレータBのSIMカード18が挿入されると、CPU17は、その挿入されたSIMカード18を認識し(ステップ52)、その認識したSIMカード18からメーカ判別用ファイルを読み出す(ステップ53)。
【0052】
CPU17は、SIMカード18から読み出したメーカ判別用ファイルの左から0〜5桁目までの各ビットと、記憶部16に記憶されたメーカ判別用ファイルの左から0〜5桁目までの各ビットとを比較して、これらの各ビットが全て同じか否かを判断する。
【0053】
ここでは、オペレータAとオペレータBとは互いに異なるので、これらの各ビットが全て同じになることはない。このため、CPU17は、これらの各ビットが全て同じではないと判断して、オペレータが変更されたことを認識する(ステップ54)。なお、これらの各ビットが全て同じ場合、CPU17は、オペレータが変更されていないと判断して、処理を終了する。
【0054】
CPU17は、オペレータが変更されたことを認識すると、記憶部16に記憶されたメーカ判別用ファイルを、SIMカード18から読み出したメーカ判別用ファイルに更新する。そして、CPU17は、SIMコネクタ15に装着されたSIMカード18からWEBアドレス情報を読み出し(ステップ55)、一般的なブラウザ32を用いて、そのWEBアドレス情報が示す格納場所に応じた外部装置3に、無線部13、アンテナ14、無線基地局2および通信ネットワーク4を介して接続する。そして、CPU17は、外部装置3から上記の格納場所に格納されているネットワーク関連アプリケーションをダウンロードして記憶部16に記憶させる(ステップ56)。
【0055】
その後、CPU17は、オペレータA向けのネットワーク関連アプリケーションをアンインストールし、さらに、記憶部16から削除する。そして、CPU17は、オペレータB向けのネットワーク関連アプリケーションをインストールして、その後、オペレータBが提供する通信サービスにて通信を行うための通信設定を行うことで、ネットワーク関連アプリケーションを動作可能な状態に設定する(ステップ57)。
【0056】
なお、図6では、SIMカード18を変更した際のUE1の動作について説明したが、SIMカード18が初めてUE1に挿入された場合は、上記の動作において、ステップ52から開始した処理とほぼ同一の処理となる。異なる点は、SIMカード18が初めてUE1に挿入された場合では、記憶部16にメーカ判別用ファイルが記憶されていないので、ステップ54において、CPU17は、記憶部16にメーカ判別用ファイルが記憶されていないことを確認すると、SIMカード18が初めて挿入されたと認識して、ステップ55の処理を実行することである。
【0057】
以上説明したように本実施形態によれば、SIMコネクタ15にSIMカード18が装着されると、CPU17は、そのSIMカード内の識別情報にて特定されるオペレータに対応したネットワーク関連アプリケーションを外部装置からダウンロードし、そのネットワーク関連アプリケーションをインストールして動作可能な状態に設定する。このため、インストールされたネットワーク関連アプリケーションが自動的に動作可能な状態に設定されるので、ネットワーク関連アプリケーションを容易に利用することが可能になり、携帯電話端末の利便性を向上させることが可能になる。
【0058】
次に本発明の他の実施形態について説明する。
【0059】
第1の実施形態では、CPU17は、SIMカード18を認識した後、自発的に外部装置と接続していたが、UE1の使用者からの操作部12への操作に従って、ネットワーク関連アプリケーションをダウンロードする仕組みでもよい。この場合、使用者には煩わしさを感じることもあるかもしれないが、使用者の用途に適合したアプリケーションをダウンロードできるなど、サービスの向上を図ることができる。
【0060】
また、第1の実施形態では、WEBアドレス情報はSIMカード18に記憶されていたが、WEBアドレス情報は記憶部16に記憶されていてもよい。
【0061】
より具体的には、記憶部16は、既存のオペレータごとに、そのオペレータに対応するネットワーク関連アプリケーションの格納場所を示すWEBアドレス情報を記憶する。例えば、記憶部16は、メーカ判別用ファイル、または、メーカ判別用ファイルの左から0〜5桁目までのビット列とWEBアドレス情報とをオペレータごとに対応付けて記憶する。
【0062】
この場合、CPU17は、ステップ55において、メーカ判別用ファイルからオペレータを特定し、その特定したオペレータに対応するWEBアドレス情報を記憶部16から読み出すことになる。
【0063】
このようにWEBアドレス情報が記憶部16に記憶されている場合には、WEBアドレス情報が記憶されているような特別なSIMカード18を使用しなくても、ネットワーク関連アプリケーションを容易に利用することが可能になる。また、SIMカード18のメモリ量を低減することもできる。
【0064】
また、第1の実施形態では、ネットワーク関連アプリケーションのダウンロード先は通信ネットワーク4上の外部装置3であったが、そのダウンロード先は、アプリケーションがダウンロードできれば必ずしも通信ネットワーク4上である必要はない。例えば、ネットワーク関連アプリケーションは、Bluetoothなどの短距離無線通信や、USBケーブルを介した有線通信で接続可能な外部装置からダウンロードされてもよい。この場合、ネットワーク関連アプリケーションを一般的なブラウザ32を用いてダウンロードする必要がないので、一般的なブラウザ32もネットワーク関連アプリケーションとしてダウンロードすることが可能になる。
【0065】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯電話端末
2 無線基地局
3 外部装置
4 通信システム
11 表示部
12 操作部
13 無線部
14 アンテナ
15 SIMコネクタ
16 記憶部
17 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信キャリアを特定する識別情報が記憶されたSIMカードを装着することで通信機能が使用可能となる携帯電話端末であって、
記憶部と、
外部装置との通信を行う通信部と、
前記SIMカードが着脱可能な着脱部と、
前記着脱部にSIMカードが装着されると、当該SIMカード内の識別情報にて特定される通信キャリアに対応したアプリケーションを、前記通信部を介して前記外部装置からダウンロードして前記記憶部に記憶させ、当該アプリケーションをインストールして動作可能な状態に設定する制御部と、を有する携帯電話端末。
【請求項2】
前記SIMカードは、前記アプリケーションの格納場所を示すアドレス情報を記憶し、
前記制御部は、前記アドレス情報が示す格納場所に応じた前記外部装置から、前記アプリケーションをダウンロードする、請求項1に記載の携帯電話端末。
【請求項3】
前記記憶部は、前記アプリケーションの格納場所を示すアドレス情報を通信キャリアごとに記憶し、
前記制御部は、前記識別情報にて特定される通信キャリアに対応するアドレス情報が示す格納場所に応じた前記外部装置から、前記アプリケーションをダウンロードする、請求項1に記載の携帯電話端末。
【請求項4】
通信キャリアを特定する識別情報が記憶されたSIMカードが着脱可能な着脱部に前記SIMカードを装着することで通信機能が使用可能となる携帯電話端末の制御方法であって、
前記着脱部にSIMカードが装着されると、当該SIMカード内の識別情報にて特定される通信キャリアに対応したアプリケーションを外部装置からダウンロードして記憶させ、
前記ダウンロードしたアプリケーションをインストールして動作可能な状態に設定する、制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−119965(P2012−119965A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268242(P2010−268242)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】