説明

携帯電話端末およびメール送信方法

【課題】 携帯電話端末で通話中にメールアドレス等のアドレス情報が伝えられた場合に、そのアドレス情報が正しく伝えられたか否かを簡易に確認する。
【解決手段】 携帯電話端末100は、メール送受信機能を有し、通話中の音声データを入力する音声入力部118と、音声入力部118が入力した音声データを解析し、音声データにネットワークを介して通信可能なアドレス情報が含まれる場合に、当該アドレス情報を抽出して文字情報に変換する音声認識部106と、通話中に、文字情報に変換されたアドレス情報を宛先とした通信を行う送受信処理部114とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末に関し、とくに、データ送受信機能を有する携帯電話端末および当該携帯電話端末を用いたメール送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メール送受信機能付きの携帯電話端末が増えている。このような携帯電話端末で、お互いに携帯電話端末のメールアドレスを知らない人同士が通話する場合、通話中にメールアドレスを音声で伝えるというような状況が生じ得る。その際、メールアドレスを聞いている人は、相手がメールアドレスを話している間にメモを取る必要がある。携帯電話端末が音声録音機能を有する場合、音声を録音しておくこともできるが、最終的にはその音声を聞きながらメモを取る必要がある。そのため、メモ用紙や筆記用具を準備する等の手間が煩雑だったり、誤記のため正しいメールアドレスを把握できないというおそれがある。
【0003】
特許文献1には、音声を入力する音声入力手段と、前記音声入力手段が入力した音声を音声信号に変換する音声信号生成手段と、前記音声信号生成手段が生成した音声信号および 通信回路を経由して入力された音声信号を音声認識し、文字情報に変換する音声認識手段と、前記音声認識手段が変換した文字情報をもとに記録データを作成する記録データ作成手段と、前記記録データ作成手段が作成した記録データを記録媒体へ記録する記録手段とを具えることを特徴とする携帯電話が開示されている。これにより、屋外等、メモの取りづらい環境でも、通話内容を容易に記録することができると記載されている。
【特許文献1】特開2003−8732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通話相手からメールアドレスを聞いた場合、自分が把握したメールアドレスが正しいかどうかは、実際に相手にメールを送り、相手が受信できたことを確認しなければわからない。その場合、確認のためにメールを送った後に相手にメールが無事に届いたかどうか再度電話をして確認するか、相手から返信のメールを送ってもらう必要があり手間がかかる。また、確認のためにメールを送るのが面倒でそのままにしておいた場合、実際にメールを送る用事ができてメールを送ろうとしたときにメモを紛失していたり、メールアドレスが間違っていてメールが送れないということもある。
【0005】
本発明は上記事情を踏まえてなされたものであり、本発明の目的は、携帯電話端末で通話中にメールアドレス等のアドレス情報が伝えられた場合に、そのアドレス情報が正しく伝えられたか否かを簡易に確認する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、データ送受信機能を有する携帯電話端末であって、通話中の音声データを入力する音声入力部と、前記音声入力部が入力した音声データを解析し、前記音声データにネットワークを介して通信可能なアドレス情報が含まれる場合に、当該アドレス情報を抽出して文字情報に変換する音声認識部と、前記通話中に、前記文字情報に変換されたアドレス情報を宛先とした通信を行う送受信部と、を含むことを特徴とする携帯電話端末が提供される。
【0007】
ここで、アドレス情報は、メールアドレスや所定のウェブサーバにアクセスするためのURLやドメイン名とすることができる。メールアドレスは、通話相手の携帯電話端末自体のメールアドレスとすることもできるが、当該携帯電話端末にメールが転送されるように設定されている電子メールアドレス等とすることもできる。
【0008】
通話中に、通話中の音声データに含まれるアドレス情報を宛先とした通信を行うことにより、アドレス情報を正しく把握できたか否かを容易に判断することができる。たとえば、アドレス情報が通話相手のメールアドレスの場合、通話中に確認メールを送信することができ、相手にメールが届いた場合は、相手から通話中にメールが届いたことを知らせてもらうことにより、把握したメールアドレスが正しいことを確認することができる。また、たとえばアドレス情報がURLやドメイン名の場合、通話中にそのURL等にアクセスすることにより、把握したURL等が正しいことを確認することができる。また、そのウェブサイトの情報を見ながら通話を行うことができ、会話を楽しむこともできる。
【0009】
本発明の携帯電話端末は、メール送受信機能を有することができ、前記音声認識部は、前記音声データにメールアドレスが含まれる場合に、当該メールアドレスを抽出して文字情報に変換することができ、前記送受信部は、前記文字情報に変換されたメールアドレスを送信先とした確認メールを送信することができる。
【0010】
このようにすれば、通話中にメールアドレスを聞いた場合に、メールアドレスを正しく把握できたか否かを簡単に確認することができる。
【0011】
本発明の携帯電話端末は、前記送受信部が前記メールアドレスを送信先としたメールを送信した後に前記通話が終了した場合に、ユーザから前記メールアドレスの登録指示を受け付ける登録指示受付部と、前記登録指示受付部が前記登録指示を受け付けた前記メールアドレスを登録する登録部と、をさらに含むことができる。
【0012】
ユーザは、通話中に通話相手から確認メールを取得したか否かを聞くことにより、送受信部が送信した確認メールのメールアドレスが正しかったか否かを確認することができる。この結果、メールアドレスが正しかった場合、登録指示を入力することにより、登録部にメールアドレスが登録されるので、簡易な操作で相手のメールアドレスを取得することができる。
【0013】
ここで、確認メールの送信先の携帯電話端末は、メール送受信機能を有し、通話中にメール受信が可能であればどのようなものであってもよい。また、確認メールの送信先の携帯電話端末は、受信した確認メールを登録する登録部を有することが好ましい。これにより、この携帯電話端末においても、相手側の携帯電話端末のメールアドレスを取得することができる。
【0014】
本発明の携帯電話端末は、ユーザからの音声認識処理の開始指示を受け付ける開始指示受付部をさらに含むことができ、前記音声認識部は、前記開始指示受付部が前記開始指示を受け付けると、前記音声入力部が入力した音声データを解析する処理を開始することができる。
【0015】
これにより、携帯電話端末において、音声解析をするべき箇所を絞り込むことができ、音声認識の精度を高めることができる。また、携帯電話端末の処理を簡易にすることができる。
【0016】
本発明によれば、メール送受信機能を有する携帯電話端末を用いたメール送信方法であって、通話中の音声データを入力する音声入力ステップと、前記音声入力ステップにおいて入力された音声データを解析し、前記音声データにメールアドレスが含まれる場合に、当該メールアドレスを抽出して文字情報に変換する音声認識ステップと、前記通話中に、前記文字情報に変換されたメールアドレスを送信先とした確認メールを送信するステップと、を含むことを特徴とするメール送信方法が提供される。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように、本発明によれば、携帯電話端末で通話中にメールアドレス等のアドレス情報が伝えられた場合に、そのアドレス情報が正しく伝えられたか否かを簡易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の実施の形態における携帯電話端末を用いた通信手順の一例を模式的に示す図である。本発明の実施の形態において、携帯電話端末はメール送受信機能を有する。
【0020】
携帯電話端末AのユーザAと携帯電話端末BのユーザBとが通話中に(S10)、ユーザAが携帯電話端末Aのメールアドレスを含む発話をすると(S11)、携帯電話端末Bは、ユーザAの発話に基づき、音声認識機能により携帯電話端末Aのメールアドレスを抽出する(S12)。つづいて、携帯電話端末Bは、抽出したメールアドレスを宛先とした確認メールを自動的に作成し(S14)、確認メールを送信する(S16)。ここで、携帯電話端末Bにおいて、確認メールを作成した後、作成した確認メールをユーザに表示し、ユーザからの送信指示に基づき確認メールを送信するようにしてもよい。携帯電話端末Bでは、送信した確認メールの送信履歴が登録される(S18)。
【0021】
携帯電話端末Aが、携帯電話端末Bからの確認メールを受信すると、受信した確認メールの受信履歴が登録される(S20)。また、携帯電話端末Aが、携帯電話端末Bからの確認メールを受信すると、携帯電話端末Aにおいて、確認メールを受信したことが通知される(S22)。この通知に基づき、ユーザAが確認メールを受信したことをユーザBに通話中に報告することにより(S24)、ユーザBは、携帯電話端末Aの正しいメールアドレスを取得できたことを確認することができる。携帯電話端末Aにおいて、携帯電話端末Bからの確認メールの受信履歴により、携帯電話端末Bのメールアドレスを確認することができる。また、携帯電話端末Bにおいて、携帯電話端末Aへの確認メールの送信履歴により、携帯電話端末Aのメールアドレスを確認することができる。
【0022】
これにより、従来は、お互いにメールアドレスがわからない携帯電話端末のユーザ同士が通話中にメールアドレスを教えあうような場合、たとえば携帯電話端末AのユーザAが携帯電話端末Aのメールアドレスを含む発話をすると、携帯電話端末BのユーザBは、聞き取ったメールアドレスを手書きでメモを取る等の必要があったが、このような手間を省くことができる。また、携帯電話端末BのユーザBは、聞き取ったメールアドレスが正しいかどうかを確認するためには、通話終了後にメモのメールアドレスを携帯電話端末Bに打ち込み、確認メールを作成して送信する必要があった。このとき、聞き取ったメールアドレスが間違っていたり、打ち込んだメールアドレスが間違っていると、携帯電話端末Aへメールが届かないということになってしまう。そのような場合でも、携帯電話端末A側では、携帯電話端末Bからメールが送信されていないためにメールが届かないのか、メールアドレスが間違っているためにメールが届かないのかを把握することができず、確認するためには、再び携帯電話端末Bに電話をかけて確認しなければならなかった。また、メールアドレスが正しかった場合でも、携帯電話端末AのユーザAが、携帯電話端末Bに返信メールを送らないと、携帯電話端末B側でも、送信したメールのメールアドレスが正しかったのか否かを判断することができなかった。本実施の形態における携帯電話端末を用いた通信手順によれば、以上のような手間や問題を省くことができる。
【0023】
図2は、本実施の形態における携帯電話端末を含むシステムの構成を示すブロック図である。
携帯電話端末100は、メールアドレス確認機能を有する。携帯電話端末200は、通話中にメール受信が可能であれば、どのようなものであってもよい。携帯電話端末200は、携帯電話端末100と同様の構成を有し、メールアドレス確認機能を有するものとすることもできる。携帯電話端末100と携帯電話端末200とは、ネットワーク150を介して通信する。ネットワーク150は、無線通信網である。携帯電話端末100や携帯電話端末200は、それぞれ、無線基地局(不図示)を介してネットワーク150に接続される。
【0024】
携帯電話端末100は、指示受付部102、メールアドレス確認制御部104、音声認識部106、メール作成部108、アドレス登録部110、通知処理部112、送受信処理部114、音声出力部116、音声入力部118、送信履歴記憶部120、アドレス帳122、表示部124、自端末情報記憶部126、受信メール記録部128、および受信履歴記憶部130を含む。
【0025】
携帯電話端末100の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。実施の形態で説明する各図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。なお、図1において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略している。たとえば、携帯電話端末100は、携帯電話端末100の各構成要素への電力を供給する電源部等を含むが、ここでは記載を省略している。
【0026】
指示受付部102は、図示しない操作部を介してユーザからの指示を受け付ける。送受信処理部114は、無線基地局(不図示)との間で無線によるデータの送受信を行う。
【0027】
音声入力部118は、マイク(不図示)から入力される携帯電話端末100のユーザの音声を入力する。マイクから入力された携帯電話端末100のユーザの音声は、送話音声データとして送受信処理部114を介して通話相手の携帯電話端末(本実施の形態において携帯電話端末200)に送信される。音声出力部116は、送受信処理部114を介して入力される音声データを出力する。このとき、送受信処理部114は、通話相手の携帯電話端末200のユーザからの受話音声データと、携帯電話端末100のユーザの送話音声データとを入力する。
【0028】
音声認識部106は、送受信処理部114が入力した音声データの音声解析を行う。本実施の形態において、音声認識部106は、送受信処理部114が入力した音声データ中にメールアドレスが含まれる場合に、そのメールアドレスを認識して抽出する。
【0029】
メールアドレス確認制御部104は、音声認識部106がメールアドレスを抽出した場合に、そのメールアドレスが正しく認識されたか否かを確認する処理の制御を行う。なお、本実施の形態において、指示受付部102およびメールアドレス確認制御部104により、登録指示受付部および開始指示受付部の機能が実現される。
【0030】
メール作成部108は、確認メールを作成し、送受信処理部114を介して確認メールを送信する。また、メール作成部108は、送受信処理部114が送信したメールの送信履歴を送信履歴記憶部120に記憶する。アドレス登録部110は、アドレス帳122にメールアドレス等のアドレス情報を記憶する。自端末情報記憶部126は、自端末のメールアドレスを記憶する。メール作成部108は、メールを作成する際に、自端末情報記憶部126から自端末のメールアドレスを読み出し、そのメールアドレスを送信元アドレスとして、メールを作成する。
【0031】
通知処理部112は、表示部124、音声出力部116、および図示しない別の音声出力部等を介して、種々の情報をユーザに通知する。表示部124は、各種情報を可視表示する。
【0032】
受信メール記録部128は、送受信処理部114が受信したメールを受信履歴記憶部130に記録する。これらの機能は、携帯電話端末100が確認メール等を受信する場合に利用される。
【0033】
図3は、本実施の形態における携帯電話端末100における、メールアドレス確認処理の手順を示すフローチャートである。
指示受付部102が、特定のキーの操作を受け付けると(S100のYES)、メールアドレス確認制御部104は、通話中であるか否かを判断する(S102)。通話中の場合(S102のYES)、メールアドレス確認制御部104は、音声認識部106に音声認識処理の開始指示を行う。音声認識部106は、メールアドレス確認制御部104からの指示に基づき、送受信処理部114が入力した音声データの解析を行う(S104)。解析の結果、音声データにメールアドレスが含まれる場合(S106のYES)、音声認識部106はそのメールアドレスを抽出し、メールアドレスを抽出したことをメールアドレス確認制御部104に通知する。メールアドレス確認制御部104は、メール作成部108に、確認メール作成処理の開始指示を行う。メール作成部108は、メールアドレス確認制御部104からの指示に基づき、音声認識部106が抽出したメールアドレスを宛先とするとともに、自端末情報記憶部126から読み出した自端末のメールアドレスを送信元とする確認メールを生成する(S108)。つづいて、通知処理部112は、メール作成部108が生成した確認メールを表示部124に表示させる(S110)。
【0034】
送受信処理部114は、ユーザからの送信指示に基づき(S112のYES)、確認メールを送信する(S114)。
【0035】
この後、通話が終了すると(S116のYES)、通知処理部112は、確認メールの送信先アドレスの登録を行うか否かをユーザに問い合わせる通知を行う。ユーザが確認メールの送信先アドレスの登録を行うとの指示をした場合(S118のYES)、アドレス登録部110は、送信履歴記憶部120を参照して、確認メールの送信先アドレスをアドレス帳122に登録する(S120)。このとき、確認メールの送信先の携帯電話端末200の電話番号がわかっている場合は、送信先アドレスをその電話番号に対応付けて登録することができる。以上によりメールアドレス確認処理を終了する。
【0036】
ステップS102において、通話中でない場合(S102のNO)、メールアドレス確認処理を終了し、他の処理に遷移する。また、ステップS112において、送信指示がない場合(S112のNO)、またはステップS118において、確認メールの送信先アドレスを登録しない場合(S118のNO)、そのままメールアドレス確認処理を終了する。
【0037】
なお、ステップS110の確認メールの表示処理およびステップS112の確認メールの送信指示の受付処理は省略することもでき、送受信処理部114は、メール作成部108が確認メールを作成すると、自動的に確認メールを送信するようにしてもよい。
【0038】
以上の処理において、ステップS114で携帯電話端末100から確認メールが送信されると、携帯電話端末200のユーザは、通話中に確認メールの受信の有無を確認することができる。携帯電話端末200が確認メールを受信した場合、携帯電話端末200のユーザはその旨を携帯電話端末100のユーザに伝える。これにより、携帯電話端末100のユーザも通話中に確認メールが正しく送信されたか否かを確認することができる。そのため、携帯電話端末100において、携帯電話端末200のユーザが発話したメールアドレスを正しく認識できたか否かを確認することができる。
【0039】
次に、携帯電話端末100のユーザと携帯電話端末200のユーザとが通話している場合の具体的な処理を説明する。
【0040】
たとえば、通話中に、携帯電話端末100のユーザが携帯電話端末200のユーザのメールアドレスを知りたい場合、予め設定された特定のキーを操作するとともに、携帯電話端末200のユーザに「メールアドレス教えて」と伝える。これにより、音声認識部106が音声認識処理を開始する。携帯電話端末200のユーザが「私のメールアドレスはエー、ビー、シー、アットマーク、エー、ビー、シー、ドット、エー、ビー、シーです。」と応答すると、音声認識部106は、その音声を解析して、「abc@abc.abc」というメールアドレスを抽出する。ここで、たとえば携帯電話端末100のメールアドレスが「bcd@bcd.bcd」だとすると、メール作成部108は、宛先を「abc@abc.abc」、送信元を「bcd@bcd.bcd」として、たとえば本文情報として「確認メールを送ります」等の所定のフォームを含む確認メールを作成する。通知処理部112は、メール作成部108が作成した確認メールを表示部124に表示させる。これに対して携帯電話端末100のユーザが「送信」のキーを操作すると、送受信処理部114は、確認メールを送信する。この確認メールは送信履歴記憶部120に記憶される。
【0041】
この確認メールが携帯電話端末200に送信されると、携帯電話端末200のユーザは、音声通知等によりメール受信を確認し、「メール届いたよ」と携帯電話端末100のユーザに伝える。これにより、携帯電話端末100のユーザは、送信履歴記憶部120に記憶された確認メールの送信先のメールアドレスが正しく認識されたものであることを知ることができる。
【0042】
また、携帯電話端末100から確認メールを送ってしばらくしても携帯電話端末200に確認メールが送信されない場合、通話をやめる等して処理を終了することもできるが、携帯電話端末100のユーザは再度特定のキーを操作するとともに、携帯電話端末200のユーザに「もう一度メールアドレス教えて」と伝えることもできる。これにより、上記の処理が再度繰り返され、最初にメールアドレスを間違って認識していた場合でも、正しいメールアドレスを取得し直すことができる。
【0043】
以上のように、本実施の形態における携帯電話端末100によれば、互いにメールアドレスを知らないユーザ同士が携帯電話端末で通話中にメールアドレスを口頭で伝えた場合でも、簡単な操作で通話中の音声データをリアルタイム解析することにより、音声データからメールアドレスを抽出することができる。これにより、メモを取る等の手間が省ける。また、確認メールを送ることにより、そのメールアドレスを正しく認識できたか否かを簡単に確認することができる。
【0044】
また、通話中に携帯電話端末100から送信された確認メールにより、送受信側共に送信履歴および受信履歴として相手側端末のメールアドレスが自端末内のメモリに保存される。これに基づき、履歴情報から電話帳へデータを移動することにより、容易に電話帳への登録を行うことができる。
【0045】
以上、本発明を実施の形態および実施例をもとに説明した。この実施の形態および実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0046】
以上の実施の形態の携帯電話端末100においては、特定のキーが操作される等、ユーザからの指示に基づき、音声解析処理が開始され、その端末において確認メールが作成される場合を例として説明した。しかし、たとえば、携帯電話端末100において、通話中には常に音声解析処理が行われており、メールアドレスを抽出した場合に、ユーザに「確認メールを送信しますか?」等の通知を行い、ユーザからの指示を受け付けるようにしてもよい。この場合、たとえば「メールアドレス」、「アドレス」、「メルアド」等のキーワードを認識するようにしておき、これらのキーワードが認識された場合に、メールアドレスを抽出するための音声解析処理を開始するようにしてもよい。
【0047】
また、この場合、携帯電話端末100において、メールアドレス確認制御部104は、自端末情報記憶部126を参照して、音声認識部106が抽出したメールアドレスが自端末情報記憶部126に記憶された自端末のメールアドレスと一致するか否かを判断し、一致しない場合に、音声認識部106が抽出したメールアドレスが相手端末のものであると判断し、メール作成部108に確認メールを作成させるようにしてもよい。
【0048】
また、メールアドレス確認制御部104は、音声入力部118から入力される音声データに基づき、送受信処理部114が入力する音声データに含まれる携帯電話端末100のユーザの送話音声データと携帯電話端末200のユーザの受話音声データとを識別し、メールアドレスがどちらのユーザから発話されたかに基づき、音声認識部106が抽出したメールアドレスが自端末のものか相手端末のものかを判断することもできる。
【0049】
また、以上の実施の形態において、携帯電話端末200において、携帯電話端末200のユーザが確認メールを受信したことを確認して、携帯電話端末100のユーザに口頭で確認メールが届いたことを伝える場合を例として説明した。しかし、たとえば、携帯電話端末200において、確認メールが届いた場合は、音声で「確認メールが届きました」等のメッセージを出力するようにしておき、その音声がネットワーク150を介して携帯電話端末100にも通知されるようにすることもできる。この場合、携帯電話端末100の音声認識部106は、この音声を認識し、メールアドレス確認制御部104に通知することができる。これにより、メールアドレス確認制御部104は、確認メールが携帯電話端末200に届いたことを検知することができ、アドレス登録部110に自動的にメールアドレスを登録させるようにすることもできる。
【0050】
また、以上の実施の形態において、携帯電話端末200のユーザが通話中に伝えるメールアドレスは、携帯電話端末200自体のメールアドレスとすることもできるが、携帯電話端末200にメールが転送されるように設定されている電子メール等のメールアドレスとすることもできる。
【0051】
また、以上の実施の形態において、アドレス情報がメールアドレスである場合を例として説明したが、アドレス情報は、所定のウェブサーバにアクセスするためのURLやドメイン名とすることもできる。アドレス情報がURLやドメイン名の場合、通話中にそのURL等にアクセスすることにより、把握したURL等が正しいことを確認することができる。また、そのウェブサイトをブラウジングしたり、情報を見ながら通話を行うことができ、ウェブサイト上の情報を容易に確認でき、会話を楽しむこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施の形態における携帯電話端末を用いた通信手順の一例を模式的に示す図である。
【図2】実施の形態における携帯電話端末を含むシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態における携帯電話端末のメールアドレス確認処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
100 携帯電話端末
102 指示受付部
104 メールアドレス確認制御部
106 音声認識部
108 メール作成部
110 アドレス登録部
112 通知処理部
114 送受信処理部
116 音声出力部
118 音声入力部
120 送信履歴記憶部
122 アドレス帳
124 表示部
126 自端末情報記憶部
128 受信メール記録部
130 受信履歴記憶部
150 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ送受信機能を有する携帯電話端末であって、
通話中の音声データを入力する音声入力部と、
前記音声入力部が入力した音声データを解析し、前記音声データにネットワークを介して通信可能なアドレス情報が含まれる場合に、当該アドレス情報を抽出して文字情報に変換する音声認識部と、
前記通話中に、前記文字情報に変換されたアドレス情報を宛先とした通信を行う送受信部と、
を含むことを特徴とする携帯電話端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電話端末において、
メール送受信機能を有し、
前記音声認識部は、前記音声データにメールアドレスが含まれる場合に、当該メールアドレスを抽出して文字情報に変換し、
前記送受信部は、前記文字情報に変換されたメールアドレスを送信先とした確認メールを送信することを特徴とする携帯電話端末。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯電話端末において、
前記送受信部が前記メールアドレスを送信先としたメールを送信した後に前記通話が終了した場合に、ユーザから前記メールアドレスの登録指示を受け付ける登録指示受付部と、
前記登録指示受付部が前記登録指示を受け付けた前記メールアドレスを登録する登録部と、
をさらに含むことを特徴とする携帯電話端末。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載の携帯電話端末において、
ユーザからの音声認識処理の開始指示を受け付ける開始指示受付部をさらに含み、
前記音声認識部は、前記開始指示受付部が前記開始指示を受け付けると、前記音声入力部が入力した音声データを解析する処理を開始することを特徴とする携帯電話端末。
【請求項5】
メール送受信機能を有する携帯電話端末を用いたメール送信方法であって、
通話中の音声データを入力する音声入力ステップと、
前記音声入力ステップにおいて入力された音声データを解析し、前記音声データにメールアドレスが含まれる場合に、当該メールアドレスを抽出して文字情報に変換する音声認識ステップと、
前記通話中に、前記文字情報に変換されたメールアドレスを送信先とした確認メールを送信するステップと、
を含むことを特徴とするメール送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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