説明

携帯電話装置及び携帯電話装置の使用管理方法

【課題】予め設定された初期設定値に拘らず、携帯電話装置の各機能の使用制限を自由且つ容易に変更することができる携帯電話装置及び携帯電話装置の使用管理方法を提供する。
【解決手段】所定の機能の使用制限の内容を記憶する記憶手段40と、記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用を制限する第1ロック手段36Aと、第1ロック手段36Aにより所定の機能の使用が制限された状態で、記憶手段40に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更する第2ロック手段36Bと、を有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話機能、電子メール送受信機能及びインターネット接続機能などを備えた携帯電話装置及び携帯電話装置の使用管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、本来の通話機能以外に、電子メールを送受信することができる電子メール送受信機能及びインターネットに接続することができるインターネット接続機能などを備えた携帯電話装置が知られている。また、このような多機能の携帯電話装置の使用年齢も年々低下する傾向にあり、今では小学生が自分の携帯電話装置を持っていることも珍しくない。
【0003】
ところで、このような多機能の携帯電話装置は便利な反面、屋外に携帯して使用するという性質上、紛失したり盗難の被害に遭う危険がある。携帯電話装置を盗難者に使用されると、その使用料を事業者から請求されたり、携帯電話装置のメモリに格納されている個人情報が知られてしまうことになる。このため、上記携帯電話装置では、所定の操作を行うことにより、各機能の使用を制限することができるようになっている(ジュニアモード(登録商標))。
【0004】
具体的には、親が子供に携帯電話装置を使用させる場合には、各種機能を全てロックするという訳には行かず、子供に必要な最低限の機能を使用できるようにロックを解除させる必要がある。子供に必要な最低限の機能を使用できるようにロックを解除させた状態が上記ジュニアモード(登録商標)であり、このジュニアモード(登録商標)により、子供が携帯電話装置の上記機能を使用することができる。
【0005】
なお、上記従来技術は公用の技術であり、本発明は公用の技術をもとに開発したものである。このため、出願人は、特許出願の時において本発明に関連する文献公知発明の存在を知らず、文献公知発明の名称その他の文献公知発明に関する情報の所在の記載を省略する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ジュニアモード(登録商標)における電子メールの送信回数、電話の通話時間及びインターネットの接続時間などの使用制限については、予め初期設定されており、その使用状態を月毎に管理しているが、例えば、ある月の電子メールの送信回数、電話の通話時間及びインターネット接続時間が初期設定値よりも少ない場合には、公平の観点及び使用料金を一定に維持する観点から、翌月にその少ない分だけ初期設定値よりも増やす必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、予め設定された初期設定値に拘らず、携帯電話装置の各機能の使用制限を自由且つ容易に変更することができる携帯電話装置及び携帯電話装置の使用管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、所定の機能の使用制限の内容を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用を制限する第1ロック手段と、前記第1ロック手段により所定の機能の使用が制限された状態で、前記記憶手段に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更する第2ロック手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯電話装置において、前記第2ロック手段により前記記憶手段に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更されてから所定の期間経過後に、前記第2ロック手段によるロック状態を解除し前記第1ロック手段によるロック状態に戻す自動制御手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の携帯電話装置において、前記記憶手段に記憶された使用制限の内容は使用量であり、その使用量とユーザにより実際に使用された使用量との差分を算出する演算手段と、前記記憶手段に記憶された使用制限の内容に前記差分を加算し前記内容を補正する補正手段と、を有し、前記第2ロック手段により、補正された内容の使用制限に変更されることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用が第1ロック手段により制限される第1ロック工程と、前記第1ロック手段により所定の機能の使用が制限された状態で、第2ロック手段により前記記憶手段に記憶された使用制限の内容が別の内容の使用制限に変更される第2ロック工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の携帯電話装置の使用管理方法において、前記第2ロック工程が終了してから所定の期間経過後に、自動制御手段により前記第2ロック手段によるロック状態が解除され前記第1ロック手段によるロック状態に戻される自動制御工程を有することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の携帯電話装置の使用管理方法において、前記記憶手段に記憶された使用制限の内容は使用量でありその使用量とユーザにより実際に使用された使用量との差分が演算手段により算出される演算工程と、前記記憶手段に記憶された使用制限の内容に補正手段により前記差分が加算され前記内容が補正される補正工程と、を有し、前記第2ロック工程では、前記第2ロック手段により、補正された内容の使用制限に変更されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用が第1ロック手段により制限される。これにより、いわゆるジュニアモード(登録商標)となり、第1ロック手段を解除しないと、所定の機能を使用できなくなる。
【0015】
ここで、第1ロック手段により所定の機能の使用が制限された状態で、第2ロック手段により記憶手段に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更することができる。このため、第1ロック手段を作動させることにより記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用を制限することができるが、ユーザの都合等により記憶手段に記憶された使用制限の内容を変更したくなる場合には、第2ロック手段により別の内容の使用制限に変更することができる。このように、予め設定された初期設定値に拘らず、携帯電話装置の各機能の使用制限を自由且つ容易に変更させることができ、利便性を格段に向上させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、第2ロック手段により記憶手段に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更されてから所定の期間経過後に、自動制御手段により第2ロック手段によるロック状態が解除され、第1ロック手段によるロック状態に戻される。これにより、自動的に記憶手段に記憶された使用制限の内容に戻すことができ、第1ロック手段による使用制限を実現することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、演算手段により記憶手段に記憶された使用制限の内容とユーザにより実際に使用された使用量との差分が算出される。例えば、記憶手段に記憶された通話時間からユーザが実際に通話した通話時間を引いた値(差分)、あるいは記憶手段に記憶された電子メール送信回数からユーザが実際に送信した電子メールの送信回数を引いた値(差分)、あるいは記憶手段に記憶されたインターネット接続時間からユーザが実際にインターネット接続したインターネット接続時間を引いた値(差分)が演算手段により算出される。
【0018】
また、補正手段により記憶手段に記憶された使用制限の内容に上記差分が加算される。例えば、記憶手段に記憶された通話時間からユーザが実際に通話した通話時間を引いた値、あるいは記憶手段に記憶された電子メール送信回数からユーザが実際に送信した電子メールの送信回数を引いた値、あるいは記憶手段に記憶されたインターネット接続時間からユーザが実際にインターネット接続したインターネット接続時間を引いた値が、補正手段により、記憶手段に記憶された通話時間、あるいは電子メール送信回数、あるいはインターネット接続時間にそれぞれ加算される。これにより、差分がプラスになれば、記憶手段に記憶された通話時間、電子メール送信回数、インターネット接続時間が当初のそれらよりそれぞれ多くなる。そして、第2ロック手段により、補正された内容の使用制限に変更される。
【0019】
以上のように、携帯電話装置の所定の機能の一定期間における使用が記憶手段に記憶された使用制限の内容と比較して一時的に少なくなった場合でも、その差分が自動的に算出されかつ記憶手段に記憶された使用制限の内容に加算されることにより、ユーザの所定の機能の使用量を一定に保つことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、第1ロック工程において、記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用が第1ロック手段により制限される。これにより、第1ロック手段を解除しないと、所定の機能を使用できなくなる。
【0021】
次に、第2ロック工程において、第1ロック手段により所定の機能の使用が制限された状態で、第2ロック手段により記憶手段に記憶された使用制限の内容が別の内容の使用制限に変更される。このため、第1ロック手段を作動させることにより記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用を制限することができるが、ユーザの都合等により記憶手段に記憶された使用制限の内容を変更したくなる場合には、第2ロック手段により別の内容の使用制限に変更することができる。このように、予め設定された初期設定値に拘らず、携帯電話装置の各機能の使用制限を自由且つ容易に変更させることができ、利便性を格段に向上させることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、第2ロック工程が終了してから所定の期間経過後に、自動制御工程において、自動制御手段により第2ロック手段のロック状態が解除されて第1ロック手段によるロック状態に戻される。これにより、記憶手段に記憶された使用制限の内容に戻すことができ、第1ロック手段による使用制限を実現することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、演算工程において、演算手段により記憶手段に記憶された使用制限の内容とユーザにより実際に使用された使用量との差分が算出される。例えば、記憶手段に記憶された通話時間からユーザが実際に通話した通話時間を引いた値(差分)、あるいは記憶手段に記憶された電子メール送信回数からユーザが実際に送信した電子メールの送信回数を引いた値(差分)、あるいは記憶手段に記憶されたインターネット接続時間からユーザが実際にインターネット接続したインターネット接続時間を引いた値(差分)が演算手段により算出される。
【0024】
また、補正工程において、補正手段により記憶手段に記憶された使用制限の内容に上記差分が加算される。例えば、記憶手段に記憶された通話時間からユーザが実際に通話した通話時間を引いた値、あるいは記憶手段に記憶された電子メール送信回数からユーザが実際に送信した電子メールの送信回数を引いた値、あるいは記憶手段に記憶されたインターネット接続時間からユーザが実際にインターネット接続したインターネット接続時間を引いた値が、補正手段により、記憶手段に記憶された通話時間、あるいは電子メール送信回数、あるいはインターネット接続時間にそれぞれ加算される。これにより、上記差分がプラスになれば、記憶手段に記憶された通話時間、電子メール送信回数、インターネット接続時間が当初のそれらよりそれぞれ多くなる。そして、第2ロック工程では、第2ロック手段により、補正された内容の使用制限に変更される。
【0025】
以上のように、携帯電話装置の所定の機能の一定期間における使用が記憶手段に記憶された使用制限の内容と比較して一時的に少なくなった場合でも、その差分が自動的に算出されかつ記憶手段に記憶された使用制限の内容に加算されることにより、ユーザの所定の機能の使用量を一定に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明の一実施形態に係る携帯電話装置について、図面を参照して説明する。
【0027】
図1に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0028】
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0029】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0030】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0031】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0032】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0033】
また、通信部12、ベースバンド部14及び切替回路22には、制御回路36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。また、制御回路36は、制御回路36の動作に必要な所定の情報が記憶されているRAM40と接続されている。
【0034】
ここで、制御回路(制御手段)36の構成について詳細に説明する。
【0035】
図2に示すように、制御回路(制御手段)36は、後述するRAM10に記憶された携帯電話装置10の所定の機能(例えば、通話機能、電子メール送受信機能、インターネット接続機能など)の使用を制限する内容に基づいて、所定の機能の使用を制限する第1ロック回路(第1ロック手段)36Aを備えている。
【0036】
具体的には、第1ロック回路36Aの作動により通話機能による通話時間の短縮、電子メール送受信機能による電子メール送信回数の減少、インターネット接続機能によるインターネット接続時間の短縮などが実現され、いわゆるジュニアモード(登録商標)になる。
【0037】
また、制御回路36は、第1ロック回路36Aによる使用制限を解除する第1ロック解除回路(第1ロック解除手段)36Eを備えている。この第1ロック解除回路36Eの作動により、第1ロック回路36Aによる使用制限(上記ジュニアモード(登録商標))が解除され、携帯電話装置10の所定の機能を自由に使用することができる。
【0038】
また、制御回路36は、第1ロック回路36Aにより所定の機能の使用が制限された状態で、後述のRAM40に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更する第2ロック回路(第2ロック手段)36Bを備えている。この第2ロック回路36Bの作動により、所定の機能の使用制限が変更される。
【0039】
具体的には、変更された使用制限の内容の一例として、通話機能による通話時間のさらなる短縮、電子メール送受信機能による電子メール送信回数のさらなる減少、インターネット接続機能によるインターネット接続時間のさらなる短縮などがある。
【0040】
また、制御回路36は、第2ロック回路36Bによる使用制限を解除する第2ロック解除回路(第2ロック解除手段)36Fを備えている。この第2ロック解除回路36Fの作動により、第2ロック回路36Bによる使用制限が解除され、第1ロック回路36Aによる使用制限の内容(当初においてRAM40に記憶されていた使用制限の内容)に戻される。
【0041】
また、制御回路36は、第2ロック回路36BによりRAM40に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更されてから所定の期間経過後に、第2ロック回路36Bを制御して第2ロック回路36Bによる使用制限を自動的に解除する自動制御回路(自動制御手段)36Gを備えている。この自動制御回路36Gの作動により、第2ロック回路36Bによる使用制限が解除され、第1ロック回路36Aによる使用制限の内容(当初においてRAM40に記憶されていた使用制限の内容)に戻される。
【0042】
また、制御回路36は、当初からRAM40に記憶されていた使用制限の内容とユーザが実際に使用した使用量との所定期間(あるいは所定時間)当りの差分を算出する演算回路(演算手段)36Cを備えている。
【0043】
具体的には、予めRAM40に記憶されていた通話時間からユーザにより実際に通話された通話時間を引いた値(差分)、あるいは予めRAM40に記憶されていた電子メール送信回数からユーザにより実際に送信された電子メール送信回数を引いた値(差分)、あるいは予めRAM40に記憶されていたインターネット接続時間からユーザにより実際にインターネット接続されたインターネット接続時間を引いた値(差分)が、演算回路36Cによりそれぞれ算出される。
【0044】
さらに、制御回路36は、RAM40に記憶された使用制限の内容に前記差分を加算する補正回路(補正手段)36Dを備えている。
【0045】
具体的には、例えば、予めRAM40に記憶されていた通話時間からユーザにより実際に通話された通話時間を引いた値、あるいは予めRAM40に記憶されていた電子メール送信回数からユーザにより実際に送信された電子メール送信回数を引いた値、あるいは予めRAM40に記憶されていたインターネット接続時間からユーザにより実際にインターネット接続されたインターネット接続時間を引いた値が、補正回路36Dにより、予めRAM40に記憶されていた通話時間、あるいは電子メール送信回数、あるいはインターネット接続時間にそれぞれ加算される。これにより、上記差分がプラスになれば、予めRAM40に記憶されていた通話時間、電子メール送信回数、インターネット接続時間が当初のそれらよりもそれぞれ多くなる。
【0046】
また、RAM40には、携帯電話装置10の所定の機能(例えば、通話機能、電子メール送受信機能、インターネット接続機能など)の使用を制限する内容が記憶されている。例えば、通話機能による通話時間、電子メール送受信機能による電子メール送信回数、インターネット接続機能によるインターネット接続時間などが記憶されている。これらの使用制限の内容は、ユーザが自由に設定することができ、適宜変更することもできる。
【0047】
また、制御回路36には、液晶のディスプレイ42が接続されている。このディスプレイ42には、現在の時刻、通信相手の氏名、電話番号、電子メールの内容などが表示される。
【0048】
また、制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、各種機能の設定を行う機能キー54と、を有している。ユーザがテンキー48と機能キー54を操作することにより、第1ロック回路36A、第1ロック解除回路26E、第2ロック回路36B、第2ロック解除回路36F、自動制御回路36G、演算回路46C、補正回路36Dを作動させることができる他、予めRAM40に記憶されている使用制限の内容を自由に変更することができ、さらに第2ロック回路36Bの作動により変更される使用制限の内容を入力し決定することができる。
【0049】
次に、本実施形態に係る携帯電話装置10を用いた使用管理方法について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0050】
先ず、図3に示すように、ユーザが携帯電話装置10のテンキー48と機能キー54を操作することにより所定の第1ロックナンバが入力されたか否かが第1ロック回路36Aにより判断される(ステップ100)。この第1ロックナンバが入力されると、第1ロック回路36Aが作動し(ステップ110)、いわゆるジュニアモード(登録商標)となる(ステップ120)。このジュニアモード(登録商標)では、予めRAM40に記憶された携帯電話装置10の所定の機能の使用制限の内容に基づいて、所定の機能が使用制限される。例えば、通話機能による通話時間が短縮され、あるいは電子メール送受信機能による電子メール送信回数が減少し、さらにはインターネット接続機能によるインターネット接続時間が短縮される。このジュニアモード(登録商標)により、携帯電話装置10の所定の機能の使用を管理することができる。
【0051】
なお、ユーザにより第1ロックナンバが入力されず、第1ロック回路36Aにより第1ロックナンバが入力されていないと判断された場合には、第1ロック回路36Aが作動しない。
【0052】
次に、第1ロック解除ナンバが入力されたか否かが第1ロック解除回路36Eにより判断される(ステップ130)。ユーザが携帯電話装置10のテンキー48と機能キー54を操作して第1ロック解除ナンバを入力することにより、第1ロック解除回路36Eにより第1ロック解除ナンバが入力されたと判断された場合には、第1ロック解除回路36Eが作動し(ステップ140)、第1ロック回路36Aによるロック状態が解除される(ステップ150)。これにより、ジュニアモード(登録商標)が解除される。
【0053】
なお、ユーザにより第1ロック解除ナンバが入力されず、第1ロック解除回路36Eにより第1ロック解除ナンバが入力されていないと判断された場合には、第1ロック回路36Aによるロック状態が解除されず、後述のステップ160に移動する。
【0054】
次に、ユーザが携帯電話装置10のテンキー48と機能キー54を操作することにより所定の第2ロックナンバが入力されたか否かが第2ロック回路36Bにより判断される(ステップ160)。この第2ロックナンバが入力されると、第2ロック回路36Bが作動し(ステップ170)、第1ロック回路36Aにより所定の機能の使用が制限された状態で、RAM40に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更される(ステップ180)。この変更される使用制限の内容は、ユーザがテンキー48と機能キー54を操作して、自由に設定することができる。
【0055】
例えば、ジュニアモード(登録商標)において許可された使用量(予めRAM40に記憶されていた各機能の使用制限の内容)と実際にユーザが使用した使用量とを比較し、ユーザの実際の使用量が予め許可された使用量と比較して少ない場合には、ユーザがテンキー48と機能キー54を操作して、その少ない分だけ多く使用できるように設定することができる。なお、この変更後の使用制限の内容は、RAM40に一時的に記憶される。
【0056】
このように、ジュニアモード(登録商標)における電子メールの送信回数、電話の通話時間及びインターネットの接続時間などの使用制限については、予め初期設定されており、その使用状態を月毎に管理しているが、例えば、ある月の電子メールの送信回数、電話の通話時間及びインターネット接続時間が初期設定値(ジュニアモード(登録商標)設定値)よりも少ない場合には、第2ロック回路36Bを作動させることにより、翌月の上記各使用量をその少ない分だけ増やすことができる。このように、第2ロック回路36Bを作動させることにより、例えば月ごとの所定の機能の使用量を一定にすることができ、使用料金を一定にすることができる。
【0057】
次に、第1ロック解除ナンバが入力されたか否かが第1ロック解除回路36Fにより判断される(ステップ190)。第1ロック解除回路36Fにより第1ロック解除ナンバが入力されたと判断された場合には、第2ロック解除回路36Fが作動し(ステップ200)、ステップ240において、第2ロック回路36Bによるロック状態が解除される。これにより、第1ロック回路36Aによる使用制限の内容(当初においてRAM40に記憶されていた使用制限の内容)に戻される。
【0058】
なお、ユーザにより第1ロック解除ナンバが入力されず、第1ロック解除回路36Fにより第1ロック解除ナンバが入力されていないと判断された場合には、第2ロック回路36Bによるロック状態が解除されず、後述のステップ220に移動する。
【0059】
次に、ユーザにより第1ロック解除ナンバが入力されず、第1ロック解除回路36Fにより第1ロック解除ナンバが入力されていないと判断された場合には、第2ロック回路36Bによるロック状態から所定の期間(例えば1ヶ月)が経過したか否かが自動制御回路36Gにより判断され(ステップ220)、所定の期間が経過したと判断されれば、自動制御回路36Gが作動し(ステップ230)、第2ロック回路36Bによるロック状態が解除され(ステップ240)、第1ロック回路36Aによるロック状態(ジュニアモード(登録商標)の状態)に戻る。これにより、ユーザが所定の操作をしなくても、自動的にジュニアモード(登録商標)の設定に戻すことができる。
【0060】
なお、本実施形態の携帯電話装置10の使用管理方法において、第1ロックナンバと第1ロック解除ナンバとは、同じナンバでも良いし、異なるナンバでも良い。
【0061】
次に、本実施形態の携帯電話装置10の使用管理方法の変形例について説明する。なお、第1実施形態の携帯電話装置10の使用管理方法と重複するステップの説明は適宜省略する。
【0062】
図4に示すように、ステップ110で第1ロック回路36Aが作動し、ステップ120でジュニアモード(登録商標)に設定される。このジュニアモード(登録商標)の設定において、ユーザが、所定の期間、携帯電話装置10の所定の機能を使用する。
【0063】
次に、演算回路36Cにより所定の期間が経過したか否かが判断される(ステップ300)。ステップ300で所定の期間が経過したと判断されると、第1ロック回路36Aが作動することにより制限された携帯電話装置10の所定の機能の使用制限の内容(予めRAM40に記憶されていた使用制限の内容)と、ユーザが実際に所定の機能を使用した使用量とが演算回路36Cにより比較され、その差分がそれぞれ算出される(ステップ310)。
【0064】
例えば、予めRAM40に記憶されていた通話時間からユーザにより実際に通話された通話時間を引いた値(差分)、あるいは予めRAM40に記憶されていた電子メール送信回数からユーザにより実際に送信された電子メール送信回数を引いた値(差分)、あるいは予めRAM40に記憶されていたインターネット接続時間からユーザにより実際にインターネット接続されたインターネット接続時間を引いた値(差分)がそれぞれ算出される。
【0065】
次に、補正回路36Dにより予めRAM40に記憶されていた使用制限の内容に前記差分が加算され、予めRAM40に記憶されていた使用制限の内容が補正される(ステップ320)。
【0066】
具体的には、例えば、予めRAM40に記憶されていた通話時間から第2ロック回路36Bにより変更された通話時間を引いた値、あるいは予めRAM40に記憶されていた電子メール送信回数から第2ロック回路36Bにより変更された電子メール送信回数を引いた値、あるいは予めRAM40に記憶されていたインターネット接続時間から第2ロック回路36Bにより変更されたインターネット接続時間を引いた値が、補正回路36Dにより、予めRAM40に記憶されていた通話時間、あるいは電子メール送信回数、あるいはインターネット接続時間にそれぞれ加算される。これにより、差分がプラスになれば、予めRAM40に記憶されていた通話時間、電子メール送信回数、インターネット接続時間がそれぞれその差分だけ多くなる。
【0067】
次に、ステップ330で第2ロックナンバが入力されると、ステップ340で第2ロック回路36Bが作動し、ステップ350で所定の機能の使用制限の内容が補正後の内容に変更される。これにより、ユーザは、上記補正後の内容の使用制限の下で、携帯電話装置10の所定の機能を使用することができる。
【0068】
なお、その後は、上記実施形態の携帯電話装置10の使用管理方法と同様に、ステップ360で第1ロック解除ナンバが入力されたか否かが判断され、第1ロック解除ナンバが入力されたと判断されると、ステップ370で第2ロック解除回路36Fが作動し、ステップ380で第2ロック回路36Bによるロックが解除される。
【0069】
このように、この変形例となる携帯電話装置10の使用管理方法では、携帯電話装置10の所定の機能の一定期間における使用が一時的に少なくなった場合でも、ユーザがその差分を算出することなく、演算回路36Dによりその差分が算出されかつ、補正回路36DによりRAM40に記憶された使用制限の内容にその差分が加算され補正されることにより、ユーザの所定の機能の使用量を一定に保つことができる。
【0070】
又、第2ロック手段によりロックがかけられている状態で、第1ロック解除ナンバが入力されると第2ロック手段によるロックを解除するのではなく、第2ロック手段によりロックがかけられている状態で、第1ロック解除ナンバが入力されると、第2ロック手段によりロックがかけられた状態で、第2ロック手段によりロックしている内容の内、所定の設定のみ変更する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置を構成する制御手段の概念図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置を用いた使用管理方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置を用いた使用管理方法の変形例となる使用管理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
10 携帯電話装置
36A 第1ロック回路(第1ロック手段)
36B 第2ロック回路(第2ロック手段)
36C 演算回路(演算手段)
36D 補正回路(補正手段)
36G 自動制御回路(自動制御手段)
40 RAM(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能の使用制限の内容を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用を制限する第1ロック手段と、
前記第1ロック手段により所定の機能の使用が制限された状態で、前記記憶手段に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更する第2ロック手段と、
を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
前記第2ロック手段により前記記憶手段に記憶された使用制限の内容とは別の内容の使用制限に変更されてから所定の期間経過後に、前記第2ロック手段によるロック状態を解除し前記第1ロック手段によるロック状態に戻す自動制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶された使用制限の内容は使用量であり、その使用量とユーザにより実際に使用された使用量との差分を算出する演算手段と、
前記記憶手段に記憶された使用制限の内容に前記差分を加算し前記内容を補正する補正手段と、を有し、
前記第2ロック手段により、補正された内容の使用制限に変更されることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話装置。
【請求項4】
記憶手段に記憶された使用制限の内容に基づいて所定の機能の使用が第1ロック手段により制限される第1ロック工程と、
前記第1ロック手段により所定の機能の使用が制限された状態で、第2ロック手段により前記記憶手段に記憶された使用制限の内容が別の内容の使用制限に変更される第2ロック工程と、
を有することを特徴とする携帯電話装置の使用管理方法。
【請求項5】
前記第2ロック工程が終了してから所定の期間経過後に、自動制御手段により前記第2ロック手段によるロック状態が解除され前記第1ロック手段によるロック状態に戻される自動制御工程を有することを特徴とする請求項4に記載の携帯電話装置の使用管理方法。
【請求項6】
前記記憶手段に記憶された使用制限の内容は使用量であり、その使用量とユーザにより実際に使用された使用量との差分が演算手段により算出される演算工程と、
前記記憶手段に記憶された使用制限の内容に補正手段により前記差分が加算され前記内容が補正される補正工程と、を有し、
前記第2ロック工程では、前記第2ロック手段により、補正された内容の使用制限に変更されることを特徴とする請求項4に記載の携帯電話装置の使用管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−54587(P2006−54587A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233523(P2004−233523)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】