携帯電話
【課題】携帯電話において、交通機関の移動開始を検出して、電話の着信時に鳴らす着信音を、鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定する。
【解決手段】加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、移動開始時加速度範囲に含まれているか否かを判別する加速度範囲判別手段(KC14B)と、前記加速度が、移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、加速度継続時間以上であるか否かを判別する加速度継続判別手段(KC14D)と、加速度センサ(SN3)で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、加速度継続時間以上である場合に、交通機関が移動開始したと判別する交通機関移動開始判別手段(KC14)と、交通機関の移動開始を検出された場合に、電話の着信時に鳴らす着信音を鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定するマナーモード設定手段(KC19)と、を備えた携帯電話。
【解決手段】加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、移動開始時加速度範囲に含まれているか否かを判別する加速度範囲判別手段(KC14B)と、前記加速度が、移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、加速度継続時間以上であるか否かを判別する加速度継続判別手段(KC14D)と、加速度センサ(SN3)で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、加速度継続時間以上である場合に、交通機関が移動開始したと判別する交通機関移動開始判別手段(KC14)と、交通機関の移動開始を検出された場合に、電話の着信時に鳴らす着信音を鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定するマナーモード設定手段(KC19)と、を備えた携帯電話。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に関し、特に、ユーザが電車や地下鉄などの交通機関を使用して移動する際に、交通機関の移動開始を検出して、電話の着信時に鳴らす着信音を、鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定するようにした携帯電話に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電車や地下鉄等の交通機関に乗車したユーザが、降りる駅が分からなかったり、寝過ごしたりして乗り過ごすことがある。このような乗り過ごしを防止するための技術として、以下の従来技術(1)〜(3)が提案されている。
(1)目的駅(降車駅)の到着予定時刻を使用する技術
到着予定時刻を使用する技術としては、例えば、特許文献1(特開平5−2087号公報)、特許文献2(特開2002−178923号公報)記載の技術がある。
特許文献1、2には、電車の時刻表により電車が乗換駅や降車駅に到着する時刻を求め、時刻表から算出された時刻と内蔵時計から得られる現在時刻とに基づいて、乗換駅や降車駅に到着することをユーザに告知している。
【0003】
(2)駅や車両といった交通機関の施設に設置された信号発信装置から通知を受けて降車駅を検出する技術
このような技術としては、例えば、特許文献3(特開平5−284069号公報)、特許文献4(特開平6−138821号公報)、特許文献5(特開2002−67959号公報)記載の技術がある。
特許文献3には、移動する車両の車内に設置された信号送信装置から送信された駅名を示すコード信号を受信機で受信して、受信した駅名を示すコードと予め設定された降車駅のコードとに基づいて降車駅に近づいたか否かの告知を行う技術が記載されている。
特許文献4には、走行中の列車内や駅の周辺に設置された送信手段から送信された駅の識別情報を携帯端末装置で受信し、予め記憶された目的駅の識別情報に基づいて、降車駅であるか否かの判別を行う技術が記載されている。
特許文献5には、車両内に配置された停車駅情報発信機から発信された駅の情報を携帯端末機で受信し、予め記憶された降車すべき駅の情報に基づいて警報を発する技術が記載されている。
【0004】
(3)携帯電話の基地局やGPS(Global Positioning System、全地球無線側位システム)等との交信を利用して降車駅を検出する技術
このような技術としては、例えば、特許文献6(特開平5−37460号公報)、特許文献7(特開平9−23477号公報)、特許文献8(特開2002−204467号公報)、特許文献9(特許第3206477号明細書)記載の技術がある。
特許文献6には、降車駅を含むエリアをカバーする無線基地局のエリアコードを無線端末機に予め登録しておき、無線基地局から無線電波で発信されたエリアコードを受信し、比較することにより降車駅(目的地)に近づいたことを告知する技術が記載されている。
特許文献7には、予め降車駅の駅名または降車駅付近の基地局のパラメータを移動機に登録しておき、基地局から送信される駅名または基地局のパラメータを含む報知情報を受信し、登録情報と報知情報とを比較して降車駅に近づいたかを判別して、降車駅に近づいた場合にユーザに告知する技術が記載されている。
特許文献8には、駅の改札機またはGPSからの受信信号に基づいて降車駅の手前になると警報を発する携帯乗り越し防止機に関する技術が記載されている。
特許文献9には、携帯端末装置がGPSからの電波を受信可能な場合には、GPSを使用して現在位置を検出し、受信不可能な場合には、3軸ジャイロ(加速度センサ)を使用して推測航法により現在位置を検出し、予め記憶された路線データと現在位置とに応じて、駅の情報を表示する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−2087号公報(「0012」〜「0013」)
【特許文献2】特開2002−178923号公報(「0064」〜「0068」、第11図〜第14図)
【特許文献3】特開平5−284069号公報(「0006」〜「0008」、第1図、第3図)
【特許文献4】特開平6−138821号公報(「0019」〜「0022」、「0026」〜「0028」、第2図)
【特許文献5】特開2002−67959号公報(「0017」〜「0035」)
【特許文献6】特開平5−37460号公報(「0012」〜「0020」)
【特許文献7】特開平9−23477号公報(「0034」〜「0048」、第1図〜第8図)
【特許文献8】特開2002−204467号公報(「0008」〜「0010」、第1図〜第3図)
【特許文献9】特許第3206477号明細書(「0014」〜「0040」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載された従来技術(1)では、時刻表に基づいて降車駅の案内を行っているため、事故や混雑等によって電車の遅延や運休等が発生すると、実際の運行状況に応じた案内を行うことができない。
【0007】
特許文献3〜5に記載された従来技術(2)では、駅や車両といった施設や設備に情報を送信するための装置を新たに設置する必要がある。このような装置を、全ての駅や全ての車両に新たに設置することは膨大なコストが必要になる。
【0008】
特許文献6〜8に記載された従来技術(3)では、基地局やGPSから送信された信号を受信できる環境でしか使用できない。例えば、GPSを使用する場合、GPSからの電波を受信できない地下鉄では使用できない。また、基地局からの電波を利用する場合、基地局からの電波が受信できない受信圏外に電車が移動した場合には、降車駅の案内ができない。
また、交通機関が発達した都市部では、狭いエリア内に複数の駅が接近して存在する場合があり、1つの基地局エリアに複数の駅が含まれる場合があり、基地局からの電波では駅を特定できない場合がある。
【0009】
特許文献9に記載された技術では、3軸ジャイロを使用して加速度を検出し、加速度に基づいて推測航法による現在位置の検出を行っているが、推測航法を開始する時、即ち、GPSによる現在位置の検出から推測航法による現在位置の検出に切り替わる瞬間に、どの程度の速度で移動しているかが問題となる。特許文献9記載の推測航法では、加速度を2回積分して推測航法を開始した位置からの相対移動距離を計算して現在位置の検出を行っているが、切り替わる瞬間の速度(初速度)が正確でないと、初速度が誤差として累積され、現在位置の検出に誤差が生じる。例えば、初速度を4km/h誤って推測航法を開始した場合、30分後には誤差が2kmとなり、案内する駅が1駅〜3駅程度ずれてしまう可能性がある。したがって、特許文献9記載の技術では、駅の案内を正確に行うことができない。特に、携帯電話等の携帯型の装置では、人と共に移動し、推測航法に切り替わる瞬間に固定されることが無いので、初速度(歩行速度)を正確に求めることは非常に困難である。
【0010】
前述の事情に鑑み、本発明は、ユーザが携帯電話を所持して電車や地下鉄などの交通機関を使用して移動する際に、携帯電話単体で交通機関の移動開始を検出して、電話の着信時に鳴らす着信音を、鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに自動的に設定することができる携帯電話を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の具体例(実施例)の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0012】
前記技術的課題を解決するために本発明の携帯電話は、
携帯電話の移動時の加速度を検出する加速度センサ(SN3)と、
移動開始時に所定の範囲の加速度で加速する交通機関の移動開始加速度範囲を記憶する加速度範囲記憶手段(KC14A)と、
前記交通機関が移動を開始したか否かを判別するための加速度継続時間を記憶する加速度継続時間記憶手段(KC14C)と、
前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、前記移動開始時加速度範囲に含まれているか否かを判別する加速度範囲判別手段(KC14B)と、
前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する加速度継続判別手段(KC14D)と、
前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上である場合に、交通機関が移動開始したと判別する交通機関移動開始判別手段(KC14)と、
前記交通機関の移動開始が検出された場合に、電話の着信時に鳴らす着信音を鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定するマナーモード設定手段(KC19)と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記構成要件を備えた本発明の携帯電話では、加速度センサ(SN3)は携帯電話の移動時の加速度を検出する。加速度範囲判別手段(KC14B)は、前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、加速度範囲記憶手段(KC14A)に記憶された移動開始時加速度範囲に含まれているか否かを判別する。加速度継続判別手段(KC14D)は、前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、加速度継続時間記憶手段(KC14C)に記憶された移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する。交通機関移動開始判別手段(KC14)は、前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上である場合に、交通機関が移動を開始したと判別する。そしてマナーモード設定手段(KC19)は、携帯電話をマナーモードに設定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の携帯電話では、前記交通機関の移動開始が検出された場合に、マナーモード設定手段(KC19)は、電話の着信時に鳴らす着信音を鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定する。したがって、ユーザが交通機関に乗車すると、他の乗客の迷惑になる着信音が鳴らないように自動的に設定することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の携帯電話を用いた経路案内システムの実施例の説明図である。
図1において、実施例の経路案内システムSは、ユーザが携帯可能な携帯型案内装置としての携帯電話1を有する。前記携帯電話1は、携帯電話ネットワーク2を介して携帯電話事業者のデータ通信装置3と接続している。そして、前記データ通信装置3は、専用線4やインターネット6を介して、経路案内データ配信サーバ(路線情報提供サーバ)7やその他の情報配信業者(コンテンツプロバイダ、アプリケーションサービスプロバイダ)の情報配信サーバ8に接続されている。なお、実施例では、経路案内データ配信サーバ7は、専用線4を介してデータ通信装置3に接続されているが、インターネット6を介して接続することも可能である。
【0017】
前記携帯電話1は、表示画像が表示される情報表示画面(告知装置)11や、ユーザが各種入力を行う入力キー12を有し、内部にプログラム等が記録された記憶装置(記録媒体)を備えている。そして、実施例の携帯電話1は、携帯電話の現在位置を三次元側位可能なGPS(Global Positioning System、全地球無線側位システム)装置を内蔵している。また、前記携帯電話1は電話機能を有しており、電話の通話時や電話の着信時に着信音を発する際に使用されるスピーカや、携帯電話1を振動させる振動装置(バイブレーション装置)も内蔵されている。
また、前記経路案内データ配信サーバ7は、サーバ本体16及びディスプレイ(図示せず)、キーボードやマウス等の入力装置(図示せず)、ハードディスクドライブ(記録媒体、図示せず)、CDドライブ等の光学ドライブ(記録媒体読み取り装置、図示せず)等を有している。
【0018】
(携帯電話1の制御部の説明)
図2は前記図1に示す経路案内システムの携帯端末の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図3は実施例の携帯端末のブロック図であり、前記図2の続きの図である。
図2、図3において、携帯電話1のコントローラKCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、記録媒体)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0019】
(携帯電話のコントローラKCに接続された信号入力要素)
前記携帯電話1のコントローラKCは、前記入力キー12やGPS装置、3次元地磁気センサ(地磁気センサ)SN1、傾斜センサSN2、加速度センサSN3、その他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記入力キー12は、ユーザによりそれらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラKCに入力する。
前記GPS装置は、側位開始の入力信号に応じて、衛星から発射された時刻信号の電波の到達時間等から地球上の携帯電話1の位置を側位し、側位結果をコントローラKCに入力する。
【0020】
前記3次元地磁気センサSN1は、磁方位を検出する。実施例の3次元地磁気センサSN1は、高感度、高精度の地磁気センサを直交する3軸(X,Y,Z軸)方向に配置したセンサである。このような地磁気センサは従来公知なので(例えば、特開2002-090432号公報、特開平8−278137号公報等参照)、詳細な説明は省略する。
前記傾斜センサSN2は、携帯電話1の水平面に対する傾斜量を検出する。実施例の傾斜センサSN2は、従来公知(例えば、特開平8−278137号公報等参照)であり、種々の傾斜センサを使用可能なので、詳細な説明は省略する。
【0021】
前記加速度センサSN3は、携帯電話1の移動時の加速度を検出する。実施例の加速度センサSN3は、直交する3軸(X,Y,Z軸)方向の加速度を検出可能な従来公知の加速度センサ(例えば、特許第3359781号明細書等参照)を使用しているので、詳細な説明は省略する。また、実施例の前記加速度センサSN3から出力される加速度データAx,Ay,Azは、8bitのデジタル出力に変換されており、加速度が−1G(=−9.8m/s2、即ち、重力加速度)の場合を0、加速度が0の場合を128、加速度が+1Gの場合を255としたデジタルデータが出力される。即ち、実施例の加速度センサSN3は、−1G〜+1Gの加速度を0〜255の範囲内のデジタルデータに調整して、加速度データAx,Ay,Azとして出力する。前記出力データの調整方法等は、設計に応じて適宜変更可能である。
【0022】
(携帯電話のコントローラKCに接続された制御要素)
また、携帯電話1のコントローラKCは、液晶駆動回路KD1、GPS駆動回路KD2、振動装置駆動回路KD3、スピーカ駆動回路KD4や図示しない電源回路、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記液晶駆動回路KD1は、液晶表示パネルの表示用電極のオン・オフを制御して情報表示画面(告知装置)11に表示画像を表示する。
前記GPS駆動回路KD2は、前記GPS装置に側位開始の信号を出力してGPSを駆動する。
前記振動装置駆動回路KD3は、携帯電話1を振動させる振動装置(告知装置)を駆動する。
前記スピーカ駆動回路KD4は、通話時や着信音の発生時にスピーカ(告知装置)を駆動させる。
【0023】
(携帯電話のコントローラKCの機能)
携帯電話1のコントローラKCは、経路案内用プログラム(ナビゲーションソフトウェア)P1、通話制御プログラムP2や、その他のプログラム等を有しており、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラKCの経路案内プログラムP1の機能(制御手段)を次に説明する。なお、前記通話制御プログラムP2は、携帯電話1の通話を制御する従来公知のプログラムであり、従来公知の種々の技術を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0024】
KC1:液晶駆動回路制御手段(告知装置制御手段)
図2において、液晶駆動回路制御手段KC1は、前記液晶駆動回路KD1を制御して、前記情報表示画面11に画像を表示する。
KC2:GPS制御手段
GPS制御手段KC2は、GPS駆動回路KD2を介してGPS装置の駆動を制御して、所定の入力信号または所定の時間間隔で携帯電話1の現在位置をGPS装置により計測する。
【0025】
図4は実施例の経路探索条件画像の説明図である。
KC3:経路検索条件入力画像表示手段
経路検索条件入力画像表示手段KC3は、経路検索条件記憶手段KC3Aを有し、情報表示画面11に出発地及び目的地を含む経路探索条件を入力するための経路検索条件入力画像(図4参照)を表示する。図4において、実施例の経路検索条件入力画像には、出発地を入力するための出発地入力欄、目的地を入力するための目的地入力欄、経路案内の出発日時または到着日時を入力するための日時入力欄、検索する経路の数を入力するための検索経路入力欄、経路案内時に利用する交通手段を入力するための交通手段入力欄、および、サーバ7へ検索条件の送信を実行するための検索条件送信アイコンが表示されている。なお、図4に示す経路検索条件入力画像は、出発地がGPSで計測した現在位置に設定され、目的地が東京タワーに設定された状態を示している。
【0026】
KC3A:経路検索条件記憶手段
経路検索条件記憶手段KC3Aは、前記経路検索条件入力画像(図4参照)への入力により設定された経路検索条件(出発地や目的地、出発日時等)を記憶する。
KC4:端末側データ送信手段
端末側データ送信手段KC4は、経路検索条件データ送信手段KC4Aを有し、経路案内データ配信サーバ7に対して、経路検索条件等のデータを送信する。
【0027】
KC4A:経路検索条件データ送信手段
経路検索条件データ送信手段KC4Aは、前記経路検索条件入力画像(図4参照)に表示された検索条件送信アイコンが選択された場合に、経路検索条件記憶手段KC3Aに記憶された経路検索条件のデータをサーバ7に送信する。
KC5:端末側データ受信手段
端末側データ受信手段KC5は、経路データ受信手段KC5Aと、地図データ受信手段KC5Bと、路線情報受信手段KC5Cとを有し、経路案内データ配信サーバ7から送信された地図データ等を受信する。
【0028】
KC5A:経路データ受信手段
経路データ受信手段KC5Aは、携帯電話1から送信した経路検索条件に応じて経路案内データ配信サーバ7が作成した経路データであって、交通機関を利用して出発地から目的地までの経路を特定する経路データを受信する。
KC5B:地図データ受信手段
地図データ受信手段KC5Bは、サーバから送信された地図データを受信し、記憶する。実施例の地図データ受信手段KC5Bは、携帯電話1の現在位置に応じて、サーバから送信された所定の範囲の複数の単位地図のデータを受信する。なお、地図を単位地図に分割し、必要な単位地図データを送受信する技術は従来公知(例えば、特開2003−214860号公報等参照)であるので、詳細な説明は省略する。また、実施例の地図データ受信手段KC5Bは、前記単位地図データと共にサーバ7から送信される地磁気の偏角データを受信し、記憶する。
【0029】
KC5C:路線情報受信手段
路線情報受信手段KC5Cは、経路案内データ配信サーバ7から送信された路線情報を受信する。実施例の路線情報受信手段KC5Cが受信する路線情報には、駅を特定する駅識別情報(実施例では駅名)と、乗車駅、乗換駅及び降車駅を特定する乗降駅識別情報と、各駅間の駅間距離を示す駅間距離情報とが含まれている。例えば、地下鉄の淡路町駅から神谷町駅までの路線情報の場合には、「淡路町0.9−大手町0.6−東京1.1−銀座1.0−霞ヶ関(乗り換え)1.3−神谷町(降車)」のような路線情報を受信する。なお、駅名の後にある数字は次の駅までの駅間距離(km)を示す駅間距離情報である。
KC6:経路記憶手段
経路記憶手段KC6は、路線情報記憶手段KC6Aを有し、検索結果受信手段KC5Aが受信した経路データや路線情報受信手段KC5Cが受信した路線情報を記憶する。
【0030】
KC6A:路線情報記憶手段
路線情報記憶手段KC6Aは、乗車駅記憶手段KC6A1を有し、前記路線情報受信手段KC5Cで受信した路線情報を記憶する。
KC6A1:乗車駅記憶手段
乗車駅記憶手段KC6A1は、前記路線情報受信手段KC5Cで受信した路線情報に含まれる駅識別情報の最初の駅を乗車駅として記憶する。
【0031】
KC7:現在位置検出手段
現在位置検出手段KC7は、GPS受信不可判別手段KC7Aと、携帯電話1の現在位置を検出する。実施例の現在位置検出手段KC7は、GPS衛星からの電波を受信可能な状態では、GPSに基づいて現在位置を検出する。そして、GPS衛星からの電波が受信不可能、かつ、受信できなくなる前に駅の近傍に携帯電話1が位置していた状態では、駅構内に入ったものと判別する。
【0032】
KC7A:GPS受信不可判別手段
GPS受信不可判別手段KC7Aは、GPS衛星からの電波が受信できなくなったか否かを判別する。即ち、地下街やトンネル、建築物内に移動したか否かを判別する。実施例のGPS受信不可判別手段KC7Aは、GPS装置から所定の間隔で出力されるGPS衛星からの電波データが連続して所定のGPS受信不可判別時間tg(例えば、10秒間)受信できなかった場合に、GPS衛星からの電波が受信できなくなったと判別する。
【0033】
KC8:経路案内用画像作成手段
経路案内用画像作成手段KC8は、GPSで検出した現在位置と、経路記憶手段KC6に記憶された検索結果の経路データと、前記地図データ受信手段KC5Bに記憶された地図データとに基づいて、経路の候補の一覧を表示する経路候補一覧画像(後述する図12A参照)や、経路案内を行う際に表示される経路案内用画像(後述する図12B参照)、経路周辺の地図を確認する際に表示される経路確認用地図画像(後述する図12C参照)を作成する。
【0034】
KC9:経路案内用画像表示手段
経路案内用画像表示手段KC9は、前記経路案内用画像作成手段KC8で作成された経路候補一覧画像や経路案内用画像等を情報表示画面11に表示する。
KC10:徒歩案内時残り距離判別手段
徒歩案内時残り距離判別手段KC10は、交通機関を利用せず、徒歩による案内(ナビゲーション)を行っている場合に、目的地までの残り距離(徒歩案内時残り距離)を演算し、目的地周辺に到達したか否かの判別を行う。したがって、例えば、現在位置から乗車駅まで徒歩のナビゲーションを行う場合には、駅が第1の目的地となり、降車駅から最終目的地まで徒歩のナビゲーションを行う場合には、最終目的地が目的地となる。実施例の徒歩案内時残り距離判別手段KC10は、目的地までの残りの距離が30m以下である場合に目的地周辺に到着したと判別する。
【0035】
図5は、携帯電話の水平面からの傾斜角の説明図である。
KC11:傾斜角検出手段
傾斜角検出手段KC11は、傾斜データ記憶手段KC11Aを有し、前記傾斜センサSN2から出力された傾斜データに基づいて、携帯電話1の傾斜角を演算する。図5において、実施例の傾斜角検出手段KC11は、携帯電話1の加速度センサSN3や3次元地磁気センサSN1で加速度や磁方位等を観測する設定された観測座標系のX軸、Y軸、Z軸の中のX軸、Y軸と、水平面に投影した座標系のX′軸、Y′軸、Z′軸の中のX′軸、Y′軸との傾斜角α、βを演算する。なお、前記傾斜角α、βの演算方法は、従来公知なので(例えば、特開平8−278137号公報等参照)、詳細な説明は省略する。
KC11A:傾斜データ記憶手段
傾斜データ記憶手段KC11Aは、前記傾斜センサSN2から出力された傾斜データと、前記傾斜角検出手段KC11で検出された傾斜角α、βを記憶する。
【0036】
KC12:方位検出手段
方位検出手段KC12は、地磁気データ記憶手段KC12Aと、磁方位演算手段KC12Bと、真方位演算手段KC12Cとを有し、前記3次元地磁気センサSN1から出力された地磁気データ等に基づいて、方位を検出する。
KC12A:地磁気データ記憶手段
地磁気データ記憶手段KC12Aは、前記3次元地磁気センサSN1から出力された地磁気データを記憶する。
【0037】
図6は、携帯電話と磁方位の北及び真方位の北との関係を示す説明図である。
KC12B:磁方位演算手段(磁方位検出手段)
磁方位演算手段KC12Bは、前記地磁気データと、傾斜角度α、βとに基づいて、水平面上において、磁方位の北(Nmg)と携帯電話1のX′軸との角度(磁方位)Θmg(図6参照)を演算する。なお、この磁方位Θmgの演算方法は、従来公知であるので(例えば、特開平8−278137号公報等参照)、詳細な説明は省略する。
KC12C:真方位演算手段
真方位演算手段KC12Cは、前記磁方位Θmgと、前記地図データ受信手段KC5Bに記憶された真方位と磁方位との成す角(偏角)Θhとに基づいて、真方位の北(Ntr)と携帯電話1のX′軸との角度(真方位)Θtr(図6参照)を演算する。即ち、実施例の携帯電話1では、磁方位Θmgそのものを使用せず、磁方位Θmgに基づいて演算される真方位Θtrを使用する。
【0038】
KC13:加速度データ管理手段
加速度データ管理手段KC13は、加速度演算手段KC13Aと、加速度データ記憶手段KC13Bと、サンプリング間隔記憶手段KC13Cと、サンプリング間隔計測タイマTM1と、加速度データシフト手段KC13Dとを有し、加速度センサSN3から出力される加速度データAx〜Azの読取、演算、記憶等の管理を行う。
【0039】
KC13A:加速度演算手段
加速度演算手段KC13Aは、前記傾斜角度α、βと、加速度センサSN3から出力され、読取った読取加速度データAx,Ay,Azに基づいて、水平面の座標系(X′、Y′、Z′軸)上の加速度データax、ay、azを演算する(座標変換を行う)。なお、実施例の加速度演算手段KC13Aは、加速度データax、ay、azを演算する際に、小数点以下は切り捨て、0〜255の値を演算結果として演算する。なお、前記座標変換は従来公知なので(例えば、特開平8−278137号公報の「0037」の「数3」参照)、詳細な説明は省略する。
【0040】
KC13B:加速度データ記憶手段
加速度データ記憶手段KC13Bは、前記加速度演算手段KC13Aで演算された加速度データax〜azを記憶する。実施例の加速度データ記憶手段KC13Bは、演算されたX′軸、Y′軸、Z′軸の3軸方向の加速度データax,ay,azを各軸毎に記憶する。また、実施例の加速度データ記憶手段KC13Bは、各軸毎に、M0〜M1499までの合計1500個分の履歴を記憶可能な記憶領域を有しており、M1499に最新の加速度データが記憶される。なお、前記記憶領域の個数は設計に応じて適宜変更可能である。
【0041】
KC13C:サンプリング間隔記憶手段
サンプリング間隔記憶手段KC13Cは、前記加速度データを取得する間隔(サンプリング間隔)t1を記憶する。実施例のサンプリング間隔記憶手段KC13Cは、前記サンプリング間隔t1として10msを記憶している。
TM1:サンプリング間隔計測タイマ
サンプリング間隔計測タイマTM1は、前記サンプリング間隔t1がセットされ、サンプリング間隔t1が経過するとタイムアップする。
KC13D:加速度データシフト手段
加速度データシフト手段KC13Dは、新たな加速度データを記憶する際に、M1〜M1499に記憶された加速度データを、M0〜M1498に記憶させる(シフトさせる)。
【0042】
KC14:交通機関移動開始判別手段
交通機関移動開始判別手段KC14は、加速度範囲記憶手段KC14Aと、加速度範囲判別手段KC14Bと、加速度継続時間記憶手段KC14Cと、加速度継続判別手段KC14Dと、を有する。そして、交通機関移動開始判別手段KC14は、加速度センサSN3で検出された加速度が、加速度範囲記憶手段KC14Aに記憶された移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、加速度継続時間記憶手段KC14Cに記憶された加速度継続時間以上である場合に、移動開始時に所定の加速度で加速する交通機関が移動開始したと判別する。
【0043】
KC14A:加速度範囲記憶手段
加速度範囲記憶手段KC14Aは、移動開始時に所定の範囲の加速度で加速する交通機関の移動開始加速度範囲を記憶する。実施例の加速度範囲記憶手段KC14Aは、前記移動開始加速度範囲の下限値(移動開始判別加速度下限値)ah1として1km/h/sを記憶し、上限値(移動開始判別加速度上限値)ah2として4km/h/sを記憶している。
【0044】
図7は交通機関としての電車の駅間の加速度及び速度、移動距離の履歴の説明図であり、図7Aは加速度の履歴図、図7Bは速度の履歴図、図7Cは移動距離の履歴図である。
図7Aに示すように、交通機関としての電車は、立って乗車している人が転倒しない加速度の範囲で、且つ全体としてなるべく早く加速をするために、許容範囲の上限付近の加速度で所定時間加速するという特徴がある。電車の加速は、かつてはモータに直列に抵抗を挿入して、その抵抗を徐々に抵抗値の小さなものに切り替えていく手動進段方式や自動進段方式があり、最近はPWM(Pulse Width Modulation)制御方式(パルス幅制御方式)で滑らかな加速を実現している。したがって、これに対応して、実施例の加速度範囲記憶手段KC14Aは、一般的な電車の加速度の範囲である1km/h/s〜4km/h/sを移動開始時加速度範囲として記憶している。なお、前記移動開始時加速度範囲は、利用する交通機関に応じて変更可能である。
【0045】
KC14B:加速度範囲判別手段
加速度範囲判別手段KC14Bは、加速センサSN3で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に含まれるか否かを判別する。実施例の加速度範囲判別手段KC14Bは、加速度センサSN3で検出された3軸方向の加速度から計算される加速度の絶対値、即ち、加速度の大きさが前記移動開始時加速度範囲内であるか否かを判別する。即ち、加速度データ記憶手段KC13BのM1499に記憶された0〜255の最新の加速度データax〜azを、−9.8m/s2(=−1G)〜+9.8m/s2(=+1G)の加速度データA′x,A′y,A′zに逆変換する。そして、加速度の大きさである{(A′x)2+(A′y)2+(A′z)2}1/2が1km/h/s〜4km/h/sの範囲内であるか否かを判別する。なお、3軸方向の特定の1軸方向の加速度に基づいて判別することも可能であるし、3軸の内いずれか1軸方向の加速度が所定の加速度範囲に入っている場合に移動開始時加速度範囲内であると判別することも可能である。
【0046】
KC14C:加速度継続時間記憶手段
加速度継続時間記憶手段KC14Cは、発車判別カウント値N1を記憶する発車判別カウント値記憶手段KC14C1を有し、前記交通機関が移動を開始したか否かを判別するための加速度継続時間を記憶する。実施例の加速度継続時間記憶手段KC14Cの発車判別カウント値記憶手段KC14C1は、発車判別カウント値N1として1500を記憶しており、加速度継続時間記憶手段KC14Cは前記加速度継続時間として15秒を記憶している。
KC14D:加速度継続判別手段
加速度継続判別手段KC14Dは、発車検出カウンタKC14D1を有し、加速度センサSN3で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する。
【0047】
KC14D1:発車検出カウンタ
発車検出カウンタKC14D1は、最新の加速度が移動開始時加速度範囲に含まれていると加速度範囲判別手段KC14Bが判別した連続回数をカウントする。
KC15:移動速度検出手段(速度検出記憶手段)
移動速度検出手段KC15は、移動速度記憶手段KC15Bと、移動速度演算手段KC15Aとを有し、前記加速度データax,ay,azに基づいて、携帯電話1の移動速度Vx,Vy,Vzを検出する。
KC15B:移動速度記憶手段
移動速度記憶手段KC15Bは、携帯電話1の移動速度Vx,Vy,Vzを記憶する。
【0048】
KC15A:移動速度演算手段
移動速度演算手段KC15Aは、M1499に記憶された最新の加速度データax,ay,azに基づいて、携帯電話1の移動速度Vx,Vy,Vzを演算する。なお、実施例の移動速度演算手段KC15Aは、交通機関の移動開始が検出された場合には、初速度を0として、M0〜M1499に記憶された加速度データを積分して移動速度Vx〜Vzを演算する。即ち、M0〜M1499に記憶された加速度データax〜azを各軸毎に全て加算した後、サンプリング間隔t1を乗算した値が移動速度Vx〜Vzとして計算され移動速度記憶手段KC15Bに記憶される。そして、それ以後は、移動速度記憶手段KC15Bに記憶された移動速度Vx〜Vzと、M1499に記憶された最新の加速度データとに基づいて最新の移動速度Vx〜Vzが計算され、更新される。なお、移動速度Vx〜Vzを演算する際には、先ず、0〜255の加速度データax〜azを、−9.8m/s2(=−1G)〜+9.8m/s2(=+1G)の加速度データA′x,A′y,A′zに逆変換する。そして、移動速度を更新する場合、移動速度記憶手段KC15Bに記憶された移動速度Vx,Vy,Vzと、加速度データA′x,A′y,A′zと、サンプリング間隔t1とに基づいて、最新の移動速度Vx,Vy,Vzを以下の式(1)により演算し、更新する。
V(x,y,z)=V(x,y,z)+A′(x,y,z)×t1
………(1)
【0049】
KC16:移動距離検出手段
移動距離検出手段KC16は、移動方向演算手段KC16Aと、移動距離算出手段KC16Bとを有し、携帯電話1の移動方向Θv及び移動距離Lを検出する。
図8は、携帯電話の移動方向の説明図である。
KC16A:移動方向演算手段(移動方向検出手段)
移動方向演算手段KC16Aは、前記移動速度Vx〜Vzに基づいて、水平面上の移動方向を演算する。図8において、実施例の移動方向演算手段KC16Aは、前記水平面上でのX′軸方向の移動速度Vxと、Y′軸方向の移動速度Vyから、水平面上において、X′軸と移動方向との成す角Θvを演算する。
【0050】
KC16B:移動距離算出手段
移動距離算出手段KC16Bは、交通機関の移動開始が検出した場合に、加速度センサSN3で検出された加速度ax〜azに基づいて、前記交通機関の移動距離L(図7C参照)を算出する。実施例の移動距離演算手段KC16Bは、移動開始が検出された場合には、M0〜M1499に記憶された加速度データを2回積分して計算される各軸方向の移動距離Lx,Ly,Lzから移動距離L(=((Lx)2+(Ly)2+(Lz)2)1/2)を計算する。即ち、M0〜M1499に記憶された加速度データax〜azを各軸毎に全て加算した後、サンプリング間隔t1の二乗を乗算し且つ1/2を乗算した値が移動距離Lx〜Lzとして計算される。そして、それ以後は、最新の加速度データとサンプリング間隔t1に基づいて最新の移動距離Lx〜Lzが計算され、更新される。
【0051】
KC17:駅接近・到着判別手段
駅接近・到着判別手段KC17は、案内対象駅記憶手段KC17Aと、残り距離計算手段KC17Bと、駅接近判別手段KC17Cと、駅到着判別手段KC17Dと、駅通過判別手段KC17Eと、を有する。そして、駅接近・到着判別手段KC17は、案内対象駅に対して、交通機関が接近、到着、通過したか否かの判別を行う。
KC17A:案内対象駅記憶手段
案内対象駅記憶手段KC17Aは、前記路線情報記憶手段KC6Aに記憶された路線情報に基づいて、経路上で次に到着する駅を、案内を行う対象の駅(案内対象駅)を記憶する。
【0052】
KC17B:残り距離計算手段
残り距離計算手段KC17Bは、前記案内対象駅までの駅間距離と、前記移動距離Lとに基づいて、案内対象駅までの残りの距離Lnを計算する。
KC17C:駅接近判別手段
駅接近判別手段KC17Cは、交通機関が案内対象駅に接近したか否かを判別するための接近判別距離Ls(図7C参照)を記憶する接近判別距離記憶手段KC17C1を有し、前記残り距離Lnと接近判別距離Lsとに基づいて、交通機関が案内対象駅に接近したか否かを判別する。実施例の接近判別距離記憶手段KC17C1は接近判別距離Lsとして200mを記憶している。したがって、次の駅(案内対象駅)までの残り距離Lnが200mを切った場合に接近したと判別する。
【0053】
KC17D:駅到着判別手段
駅到着判別手段KC17Dは、交通機関が案内対象駅に到着したか否かを判別するための到着判別速度Vt(図7B参照)を記憶する到着判別速度記憶手段KC17D1を有し、移動速度Vx〜Vzと到着判別速度Vtとに基づいて交通機関が案内対象駅に到着したか否かの判別を行う。実施例の到着判別速度記憶手段KC17D1は、到着判別速度Vtとして5km/hを記憶する。したがって、移動速度の絶対値V(={(Vx)2+(Vy)2+(Vz)2}1/2)が到着判別速度Vtより小さくなった場合に、駅に到着したと判別する。
【0054】
KC17E:駅通過判別手段
駅通過判別手段KC17Eは、交通機関が案内対象駅を通過したか否かを判別するための通過判別距離Ltを記憶する通過判別距離記憶手段KC17E1を有し、前記残り距離Lnと通過判別距離Ltとに基づいて、交通機関が案内対象駅を通過したか否かを判別する。実施例の通過判別距離記憶手段KC17E1は、通過判別距離Ltとして−200mを記憶している。したがって、移動距離Lが駅間距離よりも大きくなり、残り距離Lnが−200mよりも小さくなった場合に、ユーザが乗車した交通機関が案内対象駅を通過したと判別する。
【0055】
KC18:駅案内画像作成手段
駅案内画像作成手段KC18は、乗換駅判別手段KC18Aと、降車駅判別手段KC18Bと、乗り過ごし判別手段KC18Cと、中間表示画像作成手段KC18Dと、接近表示画像作成手段KC18Eと、到着表示画像作成手段KC18Fと、を有する。そして、駅案内画像作成手段KC18は、乗換駅や降車駅である案内対象駅に接近、到着したことをユーザに告知するための駅案内画像を作成する。
KC18A:乗換駅判別手段
乗換駅判別手段KC18Aは、乗車駅、乗換駅及び降車駅を特定する乗降駅識別情報に基づいて、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。
【0056】
KC18B:降車駅判別手段
降車駅判別手段KC18Bは、前記乗降駅識別情報に基づいて、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。
KC18C:乗り過ごし判別手段
乗り過ごし判別手段KC18Cは、案内対象駅が降車駅であり且つ降車駅までの残り距離Lnが通過判別距離Ltよりも小さくなり、降車駅を通過したと判別された場合や、降車駅で交通機関が停車しなかった場合に、ユーザが降車駅を乗り過ごしたと判別する。
【0057】
KC18D:中間表示画像作成手段
中間表示画像作成手段KC18Dは、ユーザが乗車した交通機関が案内対象駅に接近していない場合に、ユーザに対して路線上の次の駅を告知する中間表示画像を作成する。実施例の中間表示画像作成手段KC18Dは、案内対象駅が乗換駅や降車駅の場合には、その旨を告知する中間表示画像を作成する。
KC18E:接近表示画像作成手段
接近表示画像作成手段KC18Eは、ユーザが乗車した交通機関が案内対象駅に接近した場合に、ユーザに対して案内対象駅に接近したことを告知する接近表示画像を作成する。実施例の接近表示画像作成手段KC18Eは、案内対象駅が乗換駅や降車駅の場合には、その旨を告知する接近表示画像を作成する。
【0058】
KC18F:到着表示画像作成手段
到着表示画像作成手段KC18Fは、ユーザが乗車した交通機関が案内対象駅に到着した場合に、ユーザに対して案内対象駅に到着したことを告知する到着表示画像を作成する。実施例の到着表示画像作成手段KC18Fは、案内対象駅が乗換駅や降車駅の場合には、その旨を告知する到着表示画像を作成する。
KC19:マナーモード設定手段
マナーモード設定手段KC19は、交通機関の移動開始が検出された場合に、携帯電話1の電話の着信時に鳴らす着信音を鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに自動的に設定する。
【0059】
FL0:駅到着フラグ
駅到着フラグFL0は、初期値は「0」であり、徒歩での経路案内(ナビゲーション)時に、目的地としての駅の周辺に到着したと徒歩案内時残り距離判別手段KC10が判別した場合に「1」となり、それ以外の場合に「0」となる。
FL1:駅表示フラグ
駅表示フラグFL1は、初期値は「0」であり、乗車駅に到着して駅の案内表示が開始されると「1」となり、降車駅に到着しGPSによる現在位置の検出が開始されると「0」となる。
FL2:発車検出フラグ
発車検出フラグFL2は、初期値は「0」であり、ユーザが乗車した交通機関の移動開始(発車)が検出されると「1」となり、案内対象駅に到着すると「0」となる。
【0060】
(経路案内データ配信サーバ7の制御部の説明)
図9は実施例の経路案内システムのサーバの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図9において、経路案内データ配信サーバ7のコントローラSCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、ハードディスク等の記録媒体)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0061】
(サーバのコントローラSCに接続された信号入力要素)
前記経路案内データ配信サーバ7のコントローラSCは、キーボードやマウス等の入力装置やその他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記入力装置は、ユーザによりそれらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラSCに入力する。
【0062】
(サーバのコントローラSCに接続された制御要素)
また、経路案内データ配信サーバ7のコントローラSCは、ディスプレイや図示しない電源回路、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記ディスプレイには、ユーザの操作に応じた表示画像が表示される。
【0063】
(サーバのコントローラSCの機能)
経路案内データ配信サーバ7のコントローラSCは、携帯電話1のナビゲーションソフト(経路案内用プログラムP1)から送信された各データの処理を行う経路案内用データ配信アプリケーションプログラムP3や、その他のプログラム等を有しており、前記各信号出力要素等からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素等に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。次に、前記コントローラSCの経路案内用データ配信アプリケーションプログラムP3の機能(制御手段)を説明する。
【0064】
SC1:サーバ側データ受信手段
サーバ側データ受信手段SC1は、検索条件データ受信手段SC1Aを有し、前記携帯電話1から送信された経路検索条件のデータ等を受信する。
SC1A:検索条件データ受信手段
検索条件データ受信手段SC1Aは、前記携帯電話1から送信された前記経路検索条件のデータを受信し、記憶する。
【0065】
SC2:地図データ記憶手段
地図データ記憶手段SC2は、地図データを記憶する。実施例の地図データ記憶手段SC2に記憶された地図データは、緯度・経度に基づいて所定の範囲の単位地図に分割した単位地図データにより構成されている。また、各単位地図データには、磁方位の北と真方位の北との成す角(偏角)Θhが関連づけられて記憶されている。なお、実施例の地図データは、ベクタ地図データが使用されている。
SC3:駅データ記憶手段(路線情報記憶手段)
駅データ記憶手段SC3は、路線や、前記路線上の駅名(駅識別情報)、各駅間の駅間距離、駅の位置情報等の駅に関連する駅データ(路線情報)を記憶する。
【0066】
SC4:経路作成手段
経路作成手段SC4は、受信した前記経路検索条件に応じて、前記出発地を出発してから前記目的地に到着するまでの経路を決定し、前記出発地の位置を示す出発地位置データと、前記目的地の位置を示す目的地位置データとを含む最適な経路のデータ(経路データ)を作成する。なお、経路検索条件において、交通機関を利用することが指定されている場合、交通機関を含めた最適経路が作成され、検索する経路の数が複数指定されている場合には、指定された数に応じた複数の経路を作成する。前記交通機関を利用する場合には、交通機関の乗車駅、乗換駅(乗り換えがある場合)、降車駅の駅識別情報及び乗降駅識別情報や、利用する路線上の全ての通過駅の駅識別情報を含む路線情報が経路データと共に作成される。なお、前記最適経路データを作成する技術は、従来公知であるので(例えば、特開2003−214860号公報等参照)、詳細な説明は省略する。
【0067】
SC5:サーバ側データ送信手段
サーバ側データ送信手段SC5は、経路検索結果送信手段SC5Aと、地図情報送信手段SC5Bとを有し、経路案内データ配信サーバ7から携帯電話1に検索した経路データや地図データ等を送信する。
SC5A:経路検索結果送信手段
経路検索結果送信手段SC5Aは、経路作成手段SC4で作成された経路データを前記携帯電話1に送信する。また、交通機関を利用する場合には、経路データと路線情報とを含む経路検索結果のデータを送信する。
SC5B:地図情報送信手段
地図情報送信手段SC5Bは、携帯電話1の現在位置に応じた地図データを前記携帯電話1に送信する。
【0068】
(フローチャートの説明)
(経路案内データ配信サーバ7のフローチャートの説明)
図10は実施例の経路案内システムの経路案内データ配信サーバが備えている経路案内用データ配信アプリケーションプログラムの案内経路作成処理のメインフローチャートである。
図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、サーバ7のコントローラSCの経路案内用データ配信アプリケーションプログラムP3に従って行われる。また、この処理はサーバ7の他の各種処理と並行して実行される。
図10の案内経路作成処理はサーバ7の電源オン時に開始される。
【0069】
図10のST1において、携帯電話1から送信された経路検索条件を受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST1を繰り返し、イエス(Y)の場合はST2に移る。
ST2において、前記経路作成手段SC4により経路の検索、作成が行われる。そして、ST3に移る。
ST3において、作成された経路データと、経路上の交通機関の路線情報を携帯電話1に送信する。そして、ST1に戻る。
【0070】
(携帯電話1のフローチャートの説明)
図11は実施例の経路案内システムの携帯電話が備えている経路案内プログラムの経路検索処理のメインフローチャートである。
図11のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、携帯電話1のコントローラKCの経路案内用プログラムP1に従って行われる。また、この処理は携帯電話1の他の各種処理と並行して実行される。
図11に示すフローチャートは、携帯電話1の電源オン時に開始される。
【0071】
図11のST21において、経路案内用プログラムP1が実行されたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST21を繰り返し、イエス(Y)の場合はST22に移る。
ST22において、経路検索条件入力画像(図4参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST23に移る。
ST23において、「探索開始」のアイコン(検索条件送信アイコン)の入力があったか否かを判別する。ノー(N)の場合はST24に移り、イエス(Y)の場合はST26に移る。
【0072】
ST24において、その他の入力(出発地入力欄や目的地入力欄、日時入力欄等への入力)がされたか否かの判別を行う。イエス(Y)の場合はST25に移り、ノー(N)の場合はST23に戻る。
ST25において、入力に応じて経路検索条件入力画像(図4参照)の画像表示を更新する。そして、ST23に移る。
ST26において、経路検索条件のデータを経路案内データ配信サーバ7に送信する。そして、ST27に移る。
ST27において、経路検索条件に対応する経路検索結果を受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST27を繰り返し、イエス(Y)の場合はST28に移る。
ST28において、受信した経路検索結果のデータ(経路データや路線情報、地図データ等)を記憶する。そして、ST29に移る。
【0073】
図12は、実施例の経路案内時の画像の説明図であり、図12Aは経路候補一覧画像の説明図、図12Bは経路案内用画像の説明図、図12Cは経路確認用地図画像の説明図である。
ST29において、受信した経路検索結果のデータに基づいて作成した経路候補一覧画像(図12A参照)を情報表示画面11に表示し、ST30に移る。図12Aには、具体例として、淡路町付近から東京タワーまでの経路検索を行った場合の経路候補一覧画像21が表示されている。前記経路候補一覧画像21は、徒歩による経路案内を開始する「ルート案内開始」アイコン21aと、徒歩による経路案内を行う場合に出発地周辺を確認するための地図を表示する「ルート地図確認」アイコン21bと、利用する交通機関を表示する交通機関表示画像21cとを有している。
【0074】
ST30において、前記経路候補一覧画像21において、「ルート地図確認」アイコン21bの入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST31に移り、ノー(N)の場合はST32に移る。
ST31において、地図データに基づいて、出発地周辺の経路確認用地図画像22(図12C参照)を作成し、情報表示画面11に表示する。そしてST34に移る。
ST32において、前記経路候補一覧画像21において、「ルート案内開始」アイコン21aの入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST33に移り、ノー(N)の場合はST34に移る。
【0075】
ST33において、GPS装置により計測した現在位置や地図データに基づいて、徒歩や交通機関を利用して目的地までユーザを案内(ナビゲーション)する経路案内処理(後述する図13のサブルーチン参照)を実行する。そして、ST34に移る。
ST34において、経路案内プログラムを終了する入力があったか否かを判別する。ノー(N)の場合はST30に戻り、イエス(Y)の場合はST21に戻る。
【0076】
(経路案内処理(ST33のサブルーチン)のフローチャートの説明)
図13は、実施例の経路案内処理のフローチャートの説明図であり、図11のST33のサブルーチンの説明図である。
図13のST41において、GPS装置がGPS衛星からの電波を受信可能であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST42に移り、ノー(N)の場合はST47に移る。
ST42において、現在位置をGPS装置により側位された位置に更新する。そして、ST43に移る。
【0077】
ST43において、更新された現在位置と徒歩による案内経路の経路データとに基づいて作成された経路案内用画像23(図12B参照)を、情報表示画面11に表示し、ST44に移る。図12Bにおいて経路案内用画像23には、現在位置を中心とする地図画像と23aと、案内する経路を示す経路画像23bと現在位置を示す人型アイコン画像23cとを有する。
ST44において、目的地が乗車駅である場合に、現在位置と目的地までの距離(徒歩案内時残り距離)が30m以下であるか否かの判別を行う。イエス(Y)の場合はST45に移り、ノー(N)の場合はST46に移る。
ST45において、駅到着フラグFL0を「1」とする。そして、ST50に移る。
ST46において、駅到着フラグFL0を「0」とする。そして、ST50に移る。
【0078】
ST47において、駅到着フラグFL0=「1」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST48に移り、ノー(N)の場合はST41に戻る。
ST48において、乗車駅から降車駅までユーザをガイドする駅間案内処理を実行して、ST49に移る。実施例の駅間案内処理では、駅案内表示処理(後述する図14のサブルーチン参照)と交通機関出発検出処理(後述する図16のサブルーチン参照)とが並行して実行される。
ST49において、駅到着フラグFL0を「0」にする。そして、ST50に移る。
ST50において、経路案内を終了して、経路候補一覧画像21に戻る入力がされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST41に戻り、イエス(Y)の場合は図13の処理を終了して、図11の経路検索処理に戻る。
【0079】
(駅案内表示処理のフローチャートの説明)
図14は実施例の駅案内表示処理のフローチャートの説明図であり、図13のST48の駅間案内処理のサブルーチン(1)の説明図である。
図15は実施例の駅案内画像の説明図であり、図15Aは乗車駅を告知する乗車駅表示画像の説明図、図15Bは次に到着する通過駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Cは通過駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Dは通過駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Eは次に到着する乗換駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Fは乗換駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Gは乗換駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Hは次に到着する降車駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Iは降車駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Jは降車駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Kは乗り過ごしたことを告知する乗り過ごし表示画像の説明図である。
【0080】
図14のST61において、駅表示フラグFL1が「1」であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST62に移り、イエス(Y)の場合はST63に移る。
ST62において、次の処理(1)〜(3)を実行し、ST63に移る。
(1)現在位置を乗車駅記憶手段KC6A1に記憶された乗車駅に設定し、乗車駅表示画像(図15A参照)を情報表示画面11に表示する。
(2)駅表示フラグFL1を「1」とする。
(3)案内対象駅を経路上の次の駅に設定する。
ST63において、発車検出フラグFL2が「1」であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST63を繰り返し、イエス(Y)の場合はST64に移る。
【0081】
ST64において、移動距離Lが0であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST65に移り、ノー(N)の場合はST66に移る。
ST65において、次の処理(1)〜(3)が実行され、ST67に移る。
(1)移動速度Vを0にリセットする。
(2)M0〜M1499に記憶された加速度データax〜azに基づいて、移動速度Vx〜Vzを計算する。
(3)M0〜M1499に記憶された加速度データax〜azに基づいて、移動距離Lを計算する。
【0082】
ST66において、前回の移動速度の計算時からサンプリング間隔t1が経過してM1499に記憶された最新の加速度データax〜azに基づいて移動速度Vx〜Vzと、移動距離Lを計算する。
ST67において、移動距離Lと案内対象駅まで駅間距離とに基づいて、案内対象駅までの残り距離Lnを計算する。そして、ST68に移る。
ST68において、残り距離Lnが接近判別距離Ls未満であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST69に移り、イエス(Y)の場合はST74に移る。
ST69において、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST70に移り、ノー(N)の場合はST71に移る。
【0083】
ST70において、降車駅を対象とした中間表示画像(図15H参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST71において、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST72に移り、ノー(N)の場合はST73に移る。
ST72において、乗換駅を対象とした中間表示画像(図15E参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST73において、案内対象駅を対象とした中間表示画像(図15B参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
【0084】
ST74において、残り距離Lnが通過判別距離Lt未満であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST75に移り、ノー(N)の場合はST79に移る。
ST75において、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST76に移り、イエス(Y)の場合はST77に移る。
ST76において、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST77に移り、ノー(N)の場合はST78に移る。
ST77において、乗り過ごしたことを表示する乗り過ごし表示画像(図15K参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST78において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST61に戻る。
(1)案内対象駅を路線上(経路上)の次の駅に設定する。
(2)移動距離Lを通過判別距離Ltの大きさ(即ちLtの絶対値)に設定する。
【0085】
ST79において、移動速度Vx〜Vzの大きさVが停止判別速度Vt未満であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST80に移り、イエス(Y)の場合はST85に移る。
ST80において、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST81に移り、ノー(N)の場合はST82に移る。
ST81において、降車駅を対象とした接近表示画像(図15I参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST82において、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST83に移り、ノー(N)の場合はST84に移る。
ST83において、乗換駅を対象とした接近表示画像(図15F参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST84において、案内対象駅を対象とした接近表示画像(図15C参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
【0086】
ST85において、発車検出フラグFL2を「0」にする。そして、ST86に移る。
ST86において、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST87に移り、イエス(Y)の場合はST91に移る。
ST87において、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST88に移り、ノー(N)の場合はST89に移る。
ST88において、乗換駅を対象とした到着表示画像(図15G参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST90に移る。
ST89において、案内対象駅を対象とした到着表示画像(図15D参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST90に移る。
ST90において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST61に戻る。
(1)案内対象駅を経路上の次の駅に設定する。
(2)移動距離Lを0にリセットする。
【0087】
ST91において、降車駅を対象とした到着表示画像(図15J参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST92に移る。
ST92において、GPS衛星からの電波を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST93に移り、ノー(N)の場合はST61に戻る。
ST93において、駅表示フラグFL1を「0」にする。そして、図14の駅案内表示処理を終了し、図13の経路案内処理に戻る。
【0088】
(交通機関出発検出処理の説明)
図16は実施例の交通機関出発検出処理のフローチャートの説明図であり、図13のST48の駅間案内処理のサブルーチン(2)の説明図である。
図16のST101において、サンプリング間隔計測タイマTM1にサンプリング間隔t1をセットする。そして、ST102に移る。
ST102において、サンプリング間隔計測タイマTM1がタイムアップしたか、即ち、サンプリング間隔t1が経過したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST102を繰り返し、イエス(Y)の場合はST103に移る。
【0089】
ST103において、加速度データ記憶手段KC13BのM1〜M1499に記憶された加速度データをM0〜M1498にシフトする。そして、ST104に移る。
ST104において、以下の(1)、(2)の処理を実行してST105に移る。
(1)傾斜センサSN2からの出力に基づいて、傾斜角α、βを演算する。
(2)3次元加速度センサSN3から出力された加速度データAx、Ay、Azを読取り、読取加速度データAx、Ay、Azと、傾斜角α、βとに基づいて、水平面上の加速度ax、ay、azを演算し、加速度データ記憶手段KC13BのM1499に記憶する。
【0090】
ST105において、発車検出フラグFL2が「0」であるか否か、即ち、交通機関が移動中であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST106に移り、ノー(N)の場合はST111に移る。
ST106において、加速度の大きさ{(A′x)2+(A′y)2+(A′z)2}1/2が移動開始判別加速度下限値ah1(=1km/h/s)以上、移動開始判別加速度下限値ah2(=4km/h/s)以下であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST107に移り、ノー(N)の場合はST110に移る。
ST107において、発車検出カウンタKC14D1のカウント値Nh=Nh+1とする。即ち、カウント値Nhに1を加算する。そして、ST108に移る。
【0091】
ST108において、カウント値Nhが発車判別カウント値N1(=1500回)以上であるか否かを判別する。即ち、15秒間(加速度継続時間)連続して移動開始時加速度範囲の加速度が検出されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST109に移り、ノー(N)の場合はST111に移る。
ST109において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST111に移る。
(1)発車検出フラグFL2を「1」にする。
(2)携帯電話1をマナーモードに設定する。
ST110において、発車検出カウンタKC14D1のカウント値Nhを0にリセットする。そして、ST111に移る。
ST111において、GPS衛星からの電波を受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST101に戻り、イエス(Y)の場合は、図16の交通機関出発検出処理を終了し、図13の経路案内処理に戻る。
【0092】
前記構成を備えた実施例の経路案内システムSでは、経路案内プログラムにより経路の検索が行われ、徒歩時には、GPSや地磁気センサSN1等を利用して現在位置や移動方向等を検出する。そして、経路案内用画像23(図12B参照)を表示してユーザをナビゲーションする。
携帯電話1を携帯したユーザが駅構内や地下街に入り、GPSの電波が受信できなくなると、駅案内表示画像(図15参照)が表示され、駅に関する案内表示がされる。このとき、経路検索結果から乗車駅が自動的に設定され、ユーザが手動で入力する必要がない。そして、加速度センサSN3で検出した加速度に基づいて、15秒間(加速度継続時間)連続して移動開始時加速度範囲の加速度が検出された場合、交通機関の移動開始(発車)が検出される。
【0093】
前記移動開始が検出される15秒前には、交通機関が停止しているので、15秒前の初速度を0として移動速度V及び移動距離Lを計算することにより、誤差がなく正確な移動距離Lを計算できる。したがって、GPSや基地局からの電波が受信できない状態でも、正確に移動距離を算出でき、駅までの残りの距離Lnの計算等を精度良く行うことができる。この結果、ユーザに正確に駅の案内を行うことができる。
また、時刻表を使用せず、実際に乗車した交通機関の移動開始を検出して正確に移動距離Lを計算し、正確な移動距離Lに基づいて案内を行っているので、交通機関が駅間で停車したり、遅延や運休等によりダイヤの乱れが発生しても、これらに影響されることなく、実際の運行状況に応じた駅の案内を行うことができる。
【0094】
さらに、移動距離Lが通過判別距離Lt(=−200m)未満になったか否かを判別することにより、ユーザが快速電車や特急電車等に乗車して、案内対象駅で電車が停車せず通過しても、これに対応して正確な駅の案内表示を行うことができる(ST78参照)。
また、停車せずに通過した駅が乗換駅や降車駅である場合には、乗り過ごしたことを表示してユーザに乗り過ごしを告知することができる(ST77参照)。同様に、降車駅に電車が停車しても、ユーザが乗り過ごした場合には、移動距離Lがさらに加算されていくので、通過判別距離Lt未満になるので、乗り過ごしを告知することができる。
【0095】
さらに、実施例の携帯電話(携帯型案内装置)1では、サーバ7で検索された経路に応じた路線情報が送信されるので、携帯電話1には、全国の路線情報を記憶する必要がなくなる。したがって、大容量の記憶媒体を備える必要がなくなり、携帯電話1のコストを抑えることができる。
また、実施例の経路案内システムSでは、既存の携帯電話網を利用して路線情報等の送受信を行うことができる。したがって、車両や駅等に新たな装置を設置せず、既存のシステム(インフラストラクチャー)を利用して駅の案内を行うことができる。
【0096】
以上、詳細に説明したように本発明にかかる携帯電話1では、交通機関の移動開始が検出された場合、即ち、ユーザが交通機関に乗車したことが検出されると、自動的にマナーモードに設定される。したがって、着信音等が鳴って、他の乗客の迷惑を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
上記実施例において、ユーザへの告知装置として、情報表示画面11への画像表示や振動装置を挙げたが、アラーム音やブザー音、所定のメロディーを流したり、発光素子を点滅させたり等任意の告知装置により告知を行うように構成することも可能である。
さらに、実施例において、交通機関の出発を検出する際に使用される移動開始時加速度範囲(1km/h/s〜4km/h/s)や加速度継続時間(15秒)を所定の値に設定したが、例えば、駅間距離が非常に短く加速度継続時間が短い区間では加速度継続時間を通常よりも短く設定したり、寝台列車や気動車に乗車することが分かっている場合移動開始時加速範囲を低く(例えば、0.5km/h/s〜3km/h/s)設定することも可能である。
【0098】
また、実施例において、加速度センサSN3自体の検出精度により誤差が発生する可能性があり、駅間が長くなるに連れて誤差が蓄積する傾向がある。したがって、これに対応して、検出可能な状態変化が起こる場所を通過することが分かっている場合に、その場所を通過した場合に残り距離Lnを補正するように構成することができる。例えば、走行中にトンネルがあり、携帯電話1の基地局からの電波が途切れる(圏外になる)ことが分かっている場合に、途切れる場所を予め登録しておいて、携帯電話1の電波の受信状況を確認し、途切れた場合に次の駅までの残り距離Lnを補正するように構成することも可能である。また、新幹線等のように車両が高速でトンネルに進入する際には、気圧の変化が発生するので、携帯電話1に気圧センサを組み込み、急激な気圧変化の発生する場所を予め登録しておき、急激な気圧変化を検出した場合に、次の駅までの残り距離Lnを補正するように構成することも可能である。
【0099】
さらに、実施例では、傾斜センサSN2を設けたが、傾斜センサSN2を省略し、3次元加速度センサSN3により、鉛直方向の重力加速度G(9.8m/s2)を検出して傾斜角α、βを演算することも可能である。
また、実施例では、真方位を使用したが、磁方位を使用して移動方向等を演算することも可能である。
【0100】
また、実施例では、加速度センサSN3から出力された読取加速度データAx〜Azを座標変換した加速度データax〜azを記憶し、このデータに基づいて処理を行ったが、これに限定されず、座標変換前のデータAx〜Azを記憶し、このデータに基づいて各処理を実行することも可能である。
さらに、実施例において、携帯電話1は、路線情報をサーバ7から受信して記憶していたが、路線情報提供サーバ7が有する全ての機能を携帯電話1に内蔵して、携帯電話1のみで経路の検索や通過駅の検出等を実行するように構成することも可能である。
【0101】
また、実施例において、サンプリング間隔t1や接近判別別距離Ls、通過判別距離、到着判別速度等の値は設計や利用する交通機関に応じて変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は、本発明の経路案内システムの実施例の説明図である。
【図2】図2は前記図1に示す経路案内システムの携帯端末の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図3】図3は実施例の携帯端末のブロック図であり、前記図2の続きの図である。
【図4】図4は実施例の経路探索条件画像の説明図である。
【図5】図5は、携帯電話の水平面からの傾斜角の説明図である。
【図6】図6は、携帯電話と磁方位の北及び真方位の北との関係を示す説明図である。
【図7】図7は交通機関としての電車の駅間の加速度及び速度、移動距離の履歴の説明図であり、図7Aは加速度の履歴図、図7Bは速度の履歴図、図7Cは移動距離の履歴図である。
【図8】図8は、携帯電話の移動方向の説明図である。
【図9】図9は実施例の経路案内システムのサーバの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図10】図10は実施例の経路案内システムの経路案内データ配信サーバが備えている経路案内用データ配信アプリケーションプログラムの案内経路作成処理のメインフローチャートである。
【図11】図11は実施例の経路案内システムの携帯電話が備えている経路案内プログラムの経路検索処理のメインフローチャートである。
【図12】図12は、実施例の経路案内時の画像の説明図であり、図12Aは経路候補一覧画像の説明図、図12Bは経路案内用画像の説明図、図12Cは経路確認用地図画像の説明図である。
【図13】図13は、実施例の経路案内処理のフローチャートの説明図であり、図11のST33のサブルーチンの説明図である。
【図14】図14は実施例の駅案内表示処理のフローチャートの説明図であり、図13のST48の駅間案内処理のサブルーチン(1)の説明図である。
【図15】図15は実施例の駅案内画像の説明図であり、図15Aは乗車駅を告知する乗車駅表示画像の説明図、図15Bは次に到着する通過駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Cは通過駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Dは通過駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Eは次に到着する乗換駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Fは乗換駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Gは乗換駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Hは次に到着する降車駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Iは降車駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Jは降車駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Kは乗り過ごしたことを告知する乗り過ごし表示画像の説明図である。
【図16】図16は実施例の交通機関出発検出処理のフローチャートの説明図であり、図13のST48の駅間案内処理のサブルーチン(2)の説明図である。
【符号の説明】
【0103】
7…路線情報提供サーバ、
11…告知装置、
KC1…告知装置制御手段、
KC4B…移動方向情報送信手段、
KC4C…設定駅情報送信手段、
KC5C…路線情報受信手段、
KC5D…入場情報受信手段、
KC6…経路記憶手段、
KC6A…路線情報記憶手段、
KC6A1…乗車駅記憶手段、
KC14A…加速度範囲記憶手段、
KC14…交通機関移動開始判別手段、
KC14B…加速度範囲判別手段、
KC14C…加速度継続時間記憶手段、
KC14D…加速度継続判別手段、
KC16A…移動方向検出手段、
KC16B…距離算出手段、
KC19…マナーモード設定手段、
SN3…加速度センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に関し、特に、ユーザが電車や地下鉄などの交通機関を使用して移動する際に、交通機関の移動開始を検出して、電話の着信時に鳴らす着信音を、鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定するようにした携帯電話に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電車や地下鉄等の交通機関に乗車したユーザが、降りる駅が分からなかったり、寝過ごしたりして乗り過ごすことがある。このような乗り過ごしを防止するための技術として、以下の従来技術(1)〜(3)が提案されている。
(1)目的駅(降車駅)の到着予定時刻を使用する技術
到着予定時刻を使用する技術としては、例えば、特許文献1(特開平5−2087号公報)、特許文献2(特開2002−178923号公報)記載の技術がある。
特許文献1、2には、電車の時刻表により電車が乗換駅や降車駅に到着する時刻を求め、時刻表から算出された時刻と内蔵時計から得られる現在時刻とに基づいて、乗換駅や降車駅に到着することをユーザに告知している。
【0003】
(2)駅や車両といった交通機関の施設に設置された信号発信装置から通知を受けて降車駅を検出する技術
このような技術としては、例えば、特許文献3(特開平5−284069号公報)、特許文献4(特開平6−138821号公報)、特許文献5(特開2002−67959号公報)記載の技術がある。
特許文献3には、移動する車両の車内に設置された信号送信装置から送信された駅名を示すコード信号を受信機で受信して、受信した駅名を示すコードと予め設定された降車駅のコードとに基づいて降車駅に近づいたか否かの告知を行う技術が記載されている。
特許文献4には、走行中の列車内や駅の周辺に設置された送信手段から送信された駅の識別情報を携帯端末装置で受信し、予め記憶された目的駅の識別情報に基づいて、降車駅であるか否かの判別を行う技術が記載されている。
特許文献5には、車両内に配置された停車駅情報発信機から発信された駅の情報を携帯端末機で受信し、予め記憶された降車すべき駅の情報に基づいて警報を発する技術が記載されている。
【0004】
(3)携帯電話の基地局やGPS(Global Positioning System、全地球無線側位システム)等との交信を利用して降車駅を検出する技術
このような技術としては、例えば、特許文献6(特開平5−37460号公報)、特許文献7(特開平9−23477号公報)、特許文献8(特開2002−204467号公報)、特許文献9(特許第3206477号明細書)記載の技術がある。
特許文献6には、降車駅を含むエリアをカバーする無線基地局のエリアコードを無線端末機に予め登録しておき、無線基地局から無線電波で発信されたエリアコードを受信し、比較することにより降車駅(目的地)に近づいたことを告知する技術が記載されている。
特許文献7には、予め降車駅の駅名または降車駅付近の基地局のパラメータを移動機に登録しておき、基地局から送信される駅名または基地局のパラメータを含む報知情報を受信し、登録情報と報知情報とを比較して降車駅に近づいたかを判別して、降車駅に近づいた場合にユーザに告知する技術が記載されている。
特許文献8には、駅の改札機またはGPSからの受信信号に基づいて降車駅の手前になると警報を発する携帯乗り越し防止機に関する技術が記載されている。
特許文献9には、携帯端末装置がGPSからの電波を受信可能な場合には、GPSを使用して現在位置を検出し、受信不可能な場合には、3軸ジャイロ(加速度センサ)を使用して推測航法により現在位置を検出し、予め記憶された路線データと現在位置とに応じて、駅の情報を表示する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−2087号公報(「0012」〜「0013」)
【特許文献2】特開2002−178923号公報(「0064」〜「0068」、第11図〜第14図)
【特許文献3】特開平5−284069号公報(「0006」〜「0008」、第1図、第3図)
【特許文献4】特開平6−138821号公報(「0019」〜「0022」、「0026」〜「0028」、第2図)
【特許文献5】特開2002−67959号公報(「0017」〜「0035」)
【特許文献6】特開平5−37460号公報(「0012」〜「0020」)
【特許文献7】特開平9−23477号公報(「0034」〜「0048」、第1図〜第8図)
【特許文献8】特開2002−204467号公報(「0008」〜「0010」、第1図〜第3図)
【特許文献9】特許第3206477号明細書(「0014」〜「0040」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載された従来技術(1)では、時刻表に基づいて降車駅の案内を行っているため、事故や混雑等によって電車の遅延や運休等が発生すると、実際の運行状況に応じた案内を行うことができない。
【0007】
特許文献3〜5に記載された従来技術(2)では、駅や車両といった施設や設備に情報を送信するための装置を新たに設置する必要がある。このような装置を、全ての駅や全ての車両に新たに設置することは膨大なコストが必要になる。
【0008】
特許文献6〜8に記載された従来技術(3)では、基地局やGPSから送信された信号を受信できる環境でしか使用できない。例えば、GPSを使用する場合、GPSからの電波を受信できない地下鉄では使用できない。また、基地局からの電波を利用する場合、基地局からの電波が受信できない受信圏外に電車が移動した場合には、降車駅の案内ができない。
また、交通機関が発達した都市部では、狭いエリア内に複数の駅が接近して存在する場合があり、1つの基地局エリアに複数の駅が含まれる場合があり、基地局からの電波では駅を特定できない場合がある。
【0009】
特許文献9に記載された技術では、3軸ジャイロを使用して加速度を検出し、加速度に基づいて推測航法による現在位置の検出を行っているが、推測航法を開始する時、即ち、GPSによる現在位置の検出から推測航法による現在位置の検出に切り替わる瞬間に、どの程度の速度で移動しているかが問題となる。特許文献9記載の推測航法では、加速度を2回積分して推測航法を開始した位置からの相対移動距離を計算して現在位置の検出を行っているが、切り替わる瞬間の速度(初速度)が正確でないと、初速度が誤差として累積され、現在位置の検出に誤差が生じる。例えば、初速度を4km/h誤って推測航法を開始した場合、30分後には誤差が2kmとなり、案内する駅が1駅〜3駅程度ずれてしまう可能性がある。したがって、特許文献9記載の技術では、駅の案内を正確に行うことができない。特に、携帯電話等の携帯型の装置では、人と共に移動し、推測航法に切り替わる瞬間に固定されることが無いので、初速度(歩行速度)を正確に求めることは非常に困難である。
【0010】
前述の事情に鑑み、本発明は、ユーザが携帯電話を所持して電車や地下鉄などの交通機関を使用して移動する際に、携帯電話単体で交通機関の移動開始を検出して、電話の着信時に鳴らす着信音を、鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに自動的に設定することができる携帯電話を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の具体例(実施例)の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0012】
前記技術的課題を解決するために本発明の携帯電話は、
携帯電話の移動時の加速度を検出する加速度センサ(SN3)と、
移動開始時に所定の範囲の加速度で加速する交通機関の移動開始加速度範囲を記憶する加速度範囲記憶手段(KC14A)と、
前記交通機関が移動を開始したか否かを判別するための加速度継続時間を記憶する加速度継続時間記憶手段(KC14C)と、
前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、前記移動開始時加速度範囲に含まれているか否かを判別する加速度範囲判別手段(KC14B)と、
前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する加速度継続判別手段(KC14D)と、
前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上である場合に、交通機関が移動開始したと判別する交通機関移動開始判別手段(KC14)と、
前記交通機関の移動開始が検出された場合に、電話の着信時に鳴らす着信音を鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定するマナーモード設定手段(KC19)と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記構成要件を備えた本発明の携帯電話では、加速度センサ(SN3)は携帯電話の移動時の加速度を検出する。加速度範囲判別手段(KC14B)は、前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、加速度範囲記憶手段(KC14A)に記憶された移動開始時加速度範囲に含まれているか否かを判別する。加速度継続判別手段(KC14D)は、前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が、加速度継続時間記憶手段(KC14C)に記憶された移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する。交通機関移動開始判別手段(KC14)は、前記加速度センサ(SN3)で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上である場合に、交通機関が移動を開始したと判別する。そしてマナーモード設定手段(KC19)は、携帯電話をマナーモードに設定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の携帯電話では、前記交通機関の移動開始が検出された場合に、マナーモード設定手段(KC19)は、電話の着信時に鳴らす着信音を鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定する。したがって、ユーザが交通機関に乗車すると、他の乗客の迷惑になる着信音が鳴らないように自動的に設定することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の携帯電話を用いた経路案内システムの実施例の説明図である。
図1において、実施例の経路案内システムSは、ユーザが携帯可能な携帯型案内装置としての携帯電話1を有する。前記携帯電話1は、携帯電話ネットワーク2を介して携帯電話事業者のデータ通信装置3と接続している。そして、前記データ通信装置3は、専用線4やインターネット6を介して、経路案内データ配信サーバ(路線情報提供サーバ)7やその他の情報配信業者(コンテンツプロバイダ、アプリケーションサービスプロバイダ)の情報配信サーバ8に接続されている。なお、実施例では、経路案内データ配信サーバ7は、専用線4を介してデータ通信装置3に接続されているが、インターネット6を介して接続することも可能である。
【0017】
前記携帯電話1は、表示画像が表示される情報表示画面(告知装置)11や、ユーザが各種入力を行う入力キー12を有し、内部にプログラム等が記録された記憶装置(記録媒体)を備えている。そして、実施例の携帯電話1は、携帯電話の現在位置を三次元側位可能なGPS(Global Positioning System、全地球無線側位システム)装置を内蔵している。また、前記携帯電話1は電話機能を有しており、電話の通話時や電話の着信時に着信音を発する際に使用されるスピーカや、携帯電話1を振動させる振動装置(バイブレーション装置)も内蔵されている。
また、前記経路案内データ配信サーバ7は、サーバ本体16及びディスプレイ(図示せず)、キーボードやマウス等の入力装置(図示せず)、ハードディスクドライブ(記録媒体、図示せず)、CDドライブ等の光学ドライブ(記録媒体読み取り装置、図示せず)等を有している。
【0018】
(携帯電話1の制御部の説明)
図2は前記図1に示す経路案内システムの携帯端末の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図3は実施例の携帯端末のブロック図であり、前記図2の続きの図である。
図2、図3において、携帯電話1のコントローラKCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、記録媒体)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0019】
(携帯電話のコントローラKCに接続された信号入力要素)
前記携帯電話1のコントローラKCは、前記入力キー12やGPS装置、3次元地磁気センサ(地磁気センサ)SN1、傾斜センサSN2、加速度センサSN3、その他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記入力キー12は、ユーザによりそれらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラKCに入力する。
前記GPS装置は、側位開始の入力信号に応じて、衛星から発射された時刻信号の電波の到達時間等から地球上の携帯電話1の位置を側位し、側位結果をコントローラKCに入力する。
【0020】
前記3次元地磁気センサSN1は、磁方位を検出する。実施例の3次元地磁気センサSN1は、高感度、高精度の地磁気センサを直交する3軸(X,Y,Z軸)方向に配置したセンサである。このような地磁気センサは従来公知なので(例えば、特開2002-090432号公報、特開平8−278137号公報等参照)、詳細な説明は省略する。
前記傾斜センサSN2は、携帯電話1の水平面に対する傾斜量を検出する。実施例の傾斜センサSN2は、従来公知(例えば、特開平8−278137号公報等参照)であり、種々の傾斜センサを使用可能なので、詳細な説明は省略する。
【0021】
前記加速度センサSN3は、携帯電話1の移動時の加速度を検出する。実施例の加速度センサSN3は、直交する3軸(X,Y,Z軸)方向の加速度を検出可能な従来公知の加速度センサ(例えば、特許第3359781号明細書等参照)を使用しているので、詳細な説明は省略する。また、実施例の前記加速度センサSN3から出力される加速度データAx,Ay,Azは、8bitのデジタル出力に変換されており、加速度が−1G(=−9.8m/s2、即ち、重力加速度)の場合を0、加速度が0の場合を128、加速度が+1Gの場合を255としたデジタルデータが出力される。即ち、実施例の加速度センサSN3は、−1G〜+1Gの加速度を0〜255の範囲内のデジタルデータに調整して、加速度データAx,Ay,Azとして出力する。前記出力データの調整方法等は、設計に応じて適宜変更可能である。
【0022】
(携帯電話のコントローラKCに接続された制御要素)
また、携帯電話1のコントローラKCは、液晶駆動回路KD1、GPS駆動回路KD2、振動装置駆動回路KD3、スピーカ駆動回路KD4や図示しない電源回路、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記液晶駆動回路KD1は、液晶表示パネルの表示用電極のオン・オフを制御して情報表示画面(告知装置)11に表示画像を表示する。
前記GPS駆動回路KD2は、前記GPS装置に側位開始の信号を出力してGPSを駆動する。
前記振動装置駆動回路KD3は、携帯電話1を振動させる振動装置(告知装置)を駆動する。
前記スピーカ駆動回路KD4は、通話時や着信音の発生時にスピーカ(告知装置)を駆動させる。
【0023】
(携帯電話のコントローラKCの機能)
携帯電話1のコントローラKCは、経路案内用プログラム(ナビゲーションソフトウェア)P1、通話制御プログラムP2や、その他のプログラム等を有しており、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラKCの経路案内プログラムP1の機能(制御手段)を次に説明する。なお、前記通話制御プログラムP2は、携帯電話1の通話を制御する従来公知のプログラムであり、従来公知の種々の技術を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0024】
KC1:液晶駆動回路制御手段(告知装置制御手段)
図2において、液晶駆動回路制御手段KC1は、前記液晶駆動回路KD1を制御して、前記情報表示画面11に画像を表示する。
KC2:GPS制御手段
GPS制御手段KC2は、GPS駆動回路KD2を介してGPS装置の駆動を制御して、所定の入力信号または所定の時間間隔で携帯電話1の現在位置をGPS装置により計測する。
【0025】
図4は実施例の経路探索条件画像の説明図である。
KC3:経路検索条件入力画像表示手段
経路検索条件入力画像表示手段KC3は、経路検索条件記憶手段KC3Aを有し、情報表示画面11に出発地及び目的地を含む経路探索条件を入力するための経路検索条件入力画像(図4参照)を表示する。図4において、実施例の経路検索条件入力画像には、出発地を入力するための出発地入力欄、目的地を入力するための目的地入力欄、経路案内の出発日時または到着日時を入力するための日時入力欄、検索する経路の数を入力するための検索経路入力欄、経路案内時に利用する交通手段を入力するための交通手段入力欄、および、サーバ7へ検索条件の送信を実行するための検索条件送信アイコンが表示されている。なお、図4に示す経路検索条件入力画像は、出発地がGPSで計測した現在位置に設定され、目的地が東京タワーに設定された状態を示している。
【0026】
KC3A:経路検索条件記憶手段
経路検索条件記憶手段KC3Aは、前記経路検索条件入力画像(図4参照)への入力により設定された経路検索条件(出発地や目的地、出発日時等)を記憶する。
KC4:端末側データ送信手段
端末側データ送信手段KC4は、経路検索条件データ送信手段KC4Aを有し、経路案内データ配信サーバ7に対して、経路検索条件等のデータを送信する。
【0027】
KC4A:経路検索条件データ送信手段
経路検索条件データ送信手段KC4Aは、前記経路検索条件入力画像(図4参照)に表示された検索条件送信アイコンが選択された場合に、経路検索条件記憶手段KC3Aに記憶された経路検索条件のデータをサーバ7に送信する。
KC5:端末側データ受信手段
端末側データ受信手段KC5は、経路データ受信手段KC5Aと、地図データ受信手段KC5Bと、路線情報受信手段KC5Cとを有し、経路案内データ配信サーバ7から送信された地図データ等を受信する。
【0028】
KC5A:経路データ受信手段
経路データ受信手段KC5Aは、携帯電話1から送信した経路検索条件に応じて経路案内データ配信サーバ7が作成した経路データであって、交通機関を利用して出発地から目的地までの経路を特定する経路データを受信する。
KC5B:地図データ受信手段
地図データ受信手段KC5Bは、サーバから送信された地図データを受信し、記憶する。実施例の地図データ受信手段KC5Bは、携帯電話1の現在位置に応じて、サーバから送信された所定の範囲の複数の単位地図のデータを受信する。なお、地図を単位地図に分割し、必要な単位地図データを送受信する技術は従来公知(例えば、特開2003−214860号公報等参照)であるので、詳細な説明は省略する。また、実施例の地図データ受信手段KC5Bは、前記単位地図データと共にサーバ7から送信される地磁気の偏角データを受信し、記憶する。
【0029】
KC5C:路線情報受信手段
路線情報受信手段KC5Cは、経路案内データ配信サーバ7から送信された路線情報を受信する。実施例の路線情報受信手段KC5Cが受信する路線情報には、駅を特定する駅識別情報(実施例では駅名)と、乗車駅、乗換駅及び降車駅を特定する乗降駅識別情報と、各駅間の駅間距離を示す駅間距離情報とが含まれている。例えば、地下鉄の淡路町駅から神谷町駅までの路線情報の場合には、「淡路町0.9−大手町0.6−東京1.1−銀座1.0−霞ヶ関(乗り換え)1.3−神谷町(降車)」のような路線情報を受信する。なお、駅名の後にある数字は次の駅までの駅間距離(km)を示す駅間距離情報である。
KC6:経路記憶手段
経路記憶手段KC6は、路線情報記憶手段KC6Aを有し、検索結果受信手段KC5Aが受信した経路データや路線情報受信手段KC5Cが受信した路線情報を記憶する。
【0030】
KC6A:路線情報記憶手段
路線情報記憶手段KC6Aは、乗車駅記憶手段KC6A1を有し、前記路線情報受信手段KC5Cで受信した路線情報を記憶する。
KC6A1:乗車駅記憶手段
乗車駅記憶手段KC6A1は、前記路線情報受信手段KC5Cで受信した路線情報に含まれる駅識別情報の最初の駅を乗車駅として記憶する。
【0031】
KC7:現在位置検出手段
現在位置検出手段KC7は、GPS受信不可判別手段KC7Aと、携帯電話1の現在位置を検出する。実施例の現在位置検出手段KC7は、GPS衛星からの電波を受信可能な状態では、GPSに基づいて現在位置を検出する。そして、GPS衛星からの電波が受信不可能、かつ、受信できなくなる前に駅の近傍に携帯電話1が位置していた状態では、駅構内に入ったものと判別する。
【0032】
KC7A:GPS受信不可判別手段
GPS受信不可判別手段KC7Aは、GPS衛星からの電波が受信できなくなったか否かを判別する。即ち、地下街やトンネル、建築物内に移動したか否かを判別する。実施例のGPS受信不可判別手段KC7Aは、GPS装置から所定の間隔で出力されるGPS衛星からの電波データが連続して所定のGPS受信不可判別時間tg(例えば、10秒間)受信できなかった場合に、GPS衛星からの電波が受信できなくなったと判別する。
【0033】
KC8:経路案内用画像作成手段
経路案内用画像作成手段KC8は、GPSで検出した現在位置と、経路記憶手段KC6に記憶された検索結果の経路データと、前記地図データ受信手段KC5Bに記憶された地図データとに基づいて、経路の候補の一覧を表示する経路候補一覧画像(後述する図12A参照)や、経路案内を行う際に表示される経路案内用画像(後述する図12B参照)、経路周辺の地図を確認する際に表示される経路確認用地図画像(後述する図12C参照)を作成する。
【0034】
KC9:経路案内用画像表示手段
経路案内用画像表示手段KC9は、前記経路案内用画像作成手段KC8で作成された経路候補一覧画像や経路案内用画像等を情報表示画面11に表示する。
KC10:徒歩案内時残り距離判別手段
徒歩案内時残り距離判別手段KC10は、交通機関を利用せず、徒歩による案内(ナビゲーション)を行っている場合に、目的地までの残り距離(徒歩案内時残り距離)を演算し、目的地周辺に到達したか否かの判別を行う。したがって、例えば、現在位置から乗車駅まで徒歩のナビゲーションを行う場合には、駅が第1の目的地となり、降車駅から最終目的地まで徒歩のナビゲーションを行う場合には、最終目的地が目的地となる。実施例の徒歩案内時残り距離判別手段KC10は、目的地までの残りの距離が30m以下である場合に目的地周辺に到着したと判別する。
【0035】
図5は、携帯電話の水平面からの傾斜角の説明図である。
KC11:傾斜角検出手段
傾斜角検出手段KC11は、傾斜データ記憶手段KC11Aを有し、前記傾斜センサSN2から出力された傾斜データに基づいて、携帯電話1の傾斜角を演算する。図5において、実施例の傾斜角検出手段KC11は、携帯電話1の加速度センサSN3や3次元地磁気センサSN1で加速度や磁方位等を観測する設定された観測座標系のX軸、Y軸、Z軸の中のX軸、Y軸と、水平面に投影した座標系のX′軸、Y′軸、Z′軸の中のX′軸、Y′軸との傾斜角α、βを演算する。なお、前記傾斜角α、βの演算方法は、従来公知なので(例えば、特開平8−278137号公報等参照)、詳細な説明は省略する。
KC11A:傾斜データ記憶手段
傾斜データ記憶手段KC11Aは、前記傾斜センサSN2から出力された傾斜データと、前記傾斜角検出手段KC11で検出された傾斜角α、βを記憶する。
【0036】
KC12:方位検出手段
方位検出手段KC12は、地磁気データ記憶手段KC12Aと、磁方位演算手段KC12Bと、真方位演算手段KC12Cとを有し、前記3次元地磁気センサSN1から出力された地磁気データ等に基づいて、方位を検出する。
KC12A:地磁気データ記憶手段
地磁気データ記憶手段KC12Aは、前記3次元地磁気センサSN1から出力された地磁気データを記憶する。
【0037】
図6は、携帯電話と磁方位の北及び真方位の北との関係を示す説明図である。
KC12B:磁方位演算手段(磁方位検出手段)
磁方位演算手段KC12Bは、前記地磁気データと、傾斜角度α、βとに基づいて、水平面上において、磁方位の北(Nmg)と携帯電話1のX′軸との角度(磁方位)Θmg(図6参照)を演算する。なお、この磁方位Θmgの演算方法は、従来公知であるので(例えば、特開平8−278137号公報等参照)、詳細な説明は省略する。
KC12C:真方位演算手段
真方位演算手段KC12Cは、前記磁方位Θmgと、前記地図データ受信手段KC5Bに記憶された真方位と磁方位との成す角(偏角)Θhとに基づいて、真方位の北(Ntr)と携帯電話1のX′軸との角度(真方位)Θtr(図6参照)を演算する。即ち、実施例の携帯電話1では、磁方位Θmgそのものを使用せず、磁方位Θmgに基づいて演算される真方位Θtrを使用する。
【0038】
KC13:加速度データ管理手段
加速度データ管理手段KC13は、加速度演算手段KC13Aと、加速度データ記憶手段KC13Bと、サンプリング間隔記憶手段KC13Cと、サンプリング間隔計測タイマTM1と、加速度データシフト手段KC13Dとを有し、加速度センサSN3から出力される加速度データAx〜Azの読取、演算、記憶等の管理を行う。
【0039】
KC13A:加速度演算手段
加速度演算手段KC13Aは、前記傾斜角度α、βと、加速度センサSN3から出力され、読取った読取加速度データAx,Ay,Azに基づいて、水平面の座標系(X′、Y′、Z′軸)上の加速度データax、ay、azを演算する(座標変換を行う)。なお、実施例の加速度演算手段KC13Aは、加速度データax、ay、azを演算する際に、小数点以下は切り捨て、0〜255の値を演算結果として演算する。なお、前記座標変換は従来公知なので(例えば、特開平8−278137号公報の「0037」の「数3」参照)、詳細な説明は省略する。
【0040】
KC13B:加速度データ記憶手段
加速度データ記憶手段KC13Bは、前記加速度演算手段KC13Aで演算された加速度データax〜azを記憶する。実施例の加速度データ記憶手段KC13Bは、演算されたX′軸、Y′軸、Z′軸の3軸方向の加速度データax,ay,azを各軸毎に記憶する。また、実施例の加速度データ記憶手段KC13Bは、各軸毎に、M0〜M1499までの合計1500個分の履歴を記憶可能な記憶領域を有しており、M1499に最新の加速度データが記憶される。なお、前記記憶領域の個数は設計に応じて適宜変更可能である。
【0041】
KC13C:サンプリング間隔記憶手段
サンプリング間隔記憶手段KC13Cは、前記加速度データを取得する間隔(サンプリング間隔)t1を記憶する。実施例のサンプリング間隔記憶手段KC13Cは、前記サンプリング間隔t1として10msを記憶している。
TM1:サンプリング間隔計測タイマ
サンプリング間隔計測タイマTM1は、前記サンプリング間隔t1がセットされ、サンプリング間隔t1が経過するとタイムアップする。
KC13D:加速度データシフト手段
加速度データシフト手段KC13Dは、新たな加速度データを記憶する際に、M1〜M1499に記憶された加速度データを、M0〜M1498に記憶させる(シフトさせる)。
【0042】
KC14:交通機関移動開始判別手段
交通機関移動開始判別手段KC14は、加速度範囲記憶手段KC14Aと、加速度範囲判別手段KC14Bと、加速度継続時間記憶手段KC14Cと、加速度継続判別手段KC14Dと、を有する。そして、交通機関移動開始判別手段KC14は、加速度センサSN3で検出された加速度が、加速度範囲記憶手段KC14Aに記憶された移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、加速度継続時間記憶手段KC14Cに記憶された加速度継続時間以上である場合に、移動開始時に所定の加速度で加速する交通機関が移動開始したと判別する。
【0043】
KC14A:加速度範囲記憶手段
加速度範囲記憶手段KC14Aは、移動開始時に所定の範囲の加速度で加速する交通機関の移動開始加速度範囲を記憶する。実施例の加速度範囲記憶手段KC14Aは、前記移動開始加速度範囲の下限値(移動開始判別加速度下限値)ah1として1km/h/sを記憶し、上限値(移動開始判別加速度上限値)ah2として4km/h/sを記憶している。
【0044】
図7は交通機関としての電車の駅間の加速度及び速度、移動距離の履歴の説明図であり、図7Aは加速度の履歴図、図7Bは速度の履歴図、図7Cは移動距離の履歴図である。
図7Aに示すように、交通機関としての電車は、立って乗車している人が転倒しない加速度の範囲で、且つ全体としてなるべく早く加速をするために、許容範囲の上限付近の加速度で所定時間加速するという特徴がある。電車の加速は、かつてはモータに直列に抵抗を挿入して、その抵抗を徐々に抵抗値の小さなものに切り替えていく手動進段方式や自動進段方式があり、最近はPWM(Pulse Width Modulation)制御方式(パルス幅制御方式)で滑らかな加速を実現している。したがって、これに対応して、実施例の加速度範囲記憶手段KC14Aは、一般的な電車の加速度の範囲である1km/h/s〜4km/h/sを移動開始時加速度範囲として記憶している。なお、前記移動開始時加速度範囲は、利用する交通機関に応じて変更可能である。
【0045】
KC14B:加速度範囲判別手段
加速度範囲判別手段KC14Bは、加速センサSN3で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に含まれるか否かを判別する。実施例の加速度範囲判別手段KC14Bは、加速度センサSN3で検出された3軸方向の加速度から計算される加速度の絶対値、即ち、加速度の大きさが前記移動開始時加速度範囲内であるか否かを判別する。即ち、加速度データ記憶手段KC13BのM1499に記憶された0〜255の最新の加速度データax〜azを、−9.8m/s2(=−1G)〜+9.8m/s2(=+1G)の加速度データA′x,A′y,A′zに逆変換する。そして、加速度の大きさである{(A′x)2+(A′y)2+(A′z)2}1/2が1km/h/s〜4km/h/sの範囲内であるか否かを判別する。なお、3軸方向の特定の1軸方向の加速度に基づいて判別することも可能であるし、3軸の内いずれか1軸方向の加速度が所定の加速度範囲に入っている場合に移動開始時加速度範囲内であると判別することも可能である。
【0046】
KC14C:加速度継続時間記憶手段
加速度継続時間記憶手段KC14Cは、発車判別カウント値N1を記憶する発車判別カウント値記憶手段KC14C1を有し、前記交通機関が移動を開始したか否かを判別するための加速度継続時間を記憶する。実施例の加速度継続時間記憶手段KC14Cの発車判別カウント値記憶手段KC14C1は、発車判別カウント値N1として1500を記憶しており、加速度継続時間記憶手段KC14Cは前記加速度継続時間として15秒を記憶している。
KC14D:加速度継続判別手段
加速度継続判別手段KC14Dは、発車検出カウンタKC14D1を有し、加速度センサSN3で検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する。
【0047】
KC14D1:発車検出カウンタ
発車検出カウンタKC14D1は、最新の加速度が移動開始時加速度範囲に含まれていると加速度範囲判別手段KC14Bが判別した連続回数をカウントする。
KC15:移動速度検出手段(速度検出記憶手段)
移動速度検出手段KC15は、移動速度記憶手段KC15Bと、移動速度演算手段KC15Aとを有し、前記加速度データax,ay,azに基づいて、携帯電話1の移動速度Vx,Vy,Vzを検出する。
KC15B:移動速度記憶手段
移動速度記憶手段KC15Bは、携帯電話1の移動速度Vx,Vy,Vzを記憶する。
【0048】
KC15A:移動速度演算手段
移動速度演算手段KC15Aは、M1499に記憶された最新の加速度データax,ay,azに基づいて、携帯電話1の移動速度Vx,Vy,Vzを演算する。なお、実施例の移動速度演算手段KC15Aは、交通機関の移動開始が検出された場合には、初速度を0として、M0〜M1499に記憶された加速度データを積分して移動速度Vx〜Vzを演算する。即ち、M0〜M1499に記憶された加速度データax〜azを各軸毎に全て加算した後、サンプリング間隔t1を乗算した値が移動速度Vx〜Vzとして計算され移動速度記憶手段KC15Bに記憶される。そして、それ以後は、移動速度記憶手段KC15Bに記憶された移動速度Vx〜Vzと、M1499に記憶された最新の加速度データとに基づいて最新の移動速度Vx〜Vzが計算され、更新される。なお、移動速度Vx〜Vzを演算する際には、先ず、0〜255の加速度データax〜azを、−9.8m/s2(=−1G)〜+9.8m/s2(=+1G)の加速度データA′x,A′y,A′zに逆変換する。そして、移動速度を更新する場合、移動速度記憶手段KC15Bに記憶された移動速度Vx,Vy,Vzと、加速度データA′x,A′y,A′zと、サンプリング間隔t1とに基づいて、最新の移動速度Vx,Vy,Vzを以下の式(1)により演算し、更新する。
V(x,y,z)=V(x,y,z)+A′(x,y,z)×t1
………(1)
【0049】
KC16:移動距離検出手段
移動距離検出手段KC16は、移動方向演算手段KC16Aと、移動距離算出手段KC16Bとを有し、携帯電話1の移動方向Θv及び移動距離Lを検出する。
図8は、携帯電話の移動方向の説明図である。
KC16A:移動方向演算手段(移動方向検出手段)
移動方向演算手段KC16Aは、前記移動速度Vx〜Vzに基づいて、水平面上の移動方向を演算する。図8において、実施例の移動方向演算手段KC16Aは、前記水平面上でのX′軸方向の移動速度Vxと、Y′軸方向の移動速度Vyから、水平面上において、X′軸と移動方向との成す角Θvを演算する。
【0050】
KC16B:移動距離算出手段
移動距離算出手段KC16Bは、交通機関の移動開始が検出した場合に、加速度センサSN3で検出された加速度ax〜azに基づいて、前記交通機関の移動距離L(図7C参照)を算出する。実施例の移動距離演算手段KC16Bは、移動開始が検出された場合には、M0〜M1499に記憶された加速度データを2回積分して計算される各軸方向の移動距離Lx,Ly,Lzから移動距離L(=((Lx)2+(Ly)2+(Lz)2)1/2)を計算する。即ち、M0〜M1499に記憶された加速度データax〜azを各軸毎に全て加算した後、サンプリング間隔t1の二乗を乗算し且つ1/2を乗算した値が移動距離Lx〜Lzとして計算される。そして、それ以後は、最新の加速度データとサンプリング間隔t1に基づいて最新の移動距離Lx〜Lzが計算され、更新される。
【0051】
KC17:駅接近・到着判別手段
駅接近・到着判別手段KC17は、案内対象駅記憶手段KC17Aと、残り距離計算手段KC17Bと、駅接近判別手段KC17Cと、駅到着判別手段KC17Dと、駅通過判別手段KC17Eと、を有する。そして、駅接近・到着判別手段KC17は、案内対象駅に対して、交通機関が接近、到着、通過したか否かの判別を行う。
KC17A:案内対象駅記憶手段
案内対象駅記憶手段KC17Aは、前記路線情報記憶手段KC6Aに記憶された路線情報に基づいて、経路上で次に到着する駅を、案内を行う対象の駅(案内対象駅)を記憶する。
【0052】
KC17B:残り距離計算手段
残り距離計算手段KC17Bは、前記案内対象駅までの駅間距離と、前記移動距離Lとに基づいて、案内対象駅までの残りの距離Lnを計算する。
KC17C:駅接近判別手段
駅接近判別手段KC17Cは、交通機関が案内対象駅に接近したか否かを判別するための接近判別距離Ls(図7C参照)を記憶する接近判別距離記憶手段KC17C1を有し、前記残り距離Lnと接近判別距離Lsとに基づいて、交通機関が案内対象駅に接近したか否かを判別する。実施例の接近判別距離記憶手段KC17C1は接近判別距離Lsとして200mを記憶している。したがって、次の駅(案内対象駅)までの残り距離Lnが200mを切った場合に接近したと判別する。
【0053】
KC17D:駅到着判別手段
駅到着判別手段KC17Dは、交通機関が案内対象駅に到着したか否かを判別するための到着判別速度Vt(図7B参照)を記憶する到着判別速度記憶手段KC17D1を有し、移動速度Vx〜Vzと到着判別速度Vtとに基づいて交通機関が案内対象駅に到着したか否かの判別を行う。実施例の到着判別速度記憶手段KC17D1は、到着判別速度Vtとして5km/hを記憶する。したがって、移動速度の絶対値V(={(Vx)2+(Vy)2+(Vz)2}1/2)が到着判別速度Vtより小さくなった場合に、駅に到着したと判別する。
【0054】
KC17E:駅通過判別手段
駅通過判別手段KC17Eは、交通機関が案内対象駅を通過したか否かを判別するための通過判別距離Ltを記憶する通過判別距離記憶手段KC17E1を有し、前記残り距離Lnと通過判別距離Ltとに基づいて、交通機関が案内対象駅を通過したか否かを判別する。実施例の通過判別距離記憶手段KC17E1は、通過判別距離Ltとして−200mを記憶している。したがって、移動距離Lが駅間距離よりも大きくなり、残り距離Lnが−200mよりも小さくなった場合に、ユーザが乗車した交通機関が案内対象駅を通過したと判別する。
【0055】
KC18:駅案内画像作成手段
駅案内画像作成手段KC18は、乗換駅判別手段KC18Aと、降車駅判別手段KC18Bと、乗り過ごし判別手段KC18Cと、中間表示画像作成手段KC18Dと、接近表示画像作成手段KC18Eと、到着表示画像作成手段KC18Fと、を有する。そして、駅案内画像作成手段KC18は、乗換駅や降車駅である案内対象駅に接近、到着したことをユーザに告知するための駅案内画像を作成する。
KC18A:乗換駅判別手段
乗換駅判別手段KC18Aは、乗車駅、乗換駅及び降車駅を特定する乗降駅識別情報に基づいて、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。
【0056】
KC18B:降車駅判別手段
降車駅判別手段KC18Bは、前記乗降駅識別情報に基づいて、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。
KC18C:乗り過ごし判別手段
乗り過ごし判別手段KC18Cは、案内対象駅が降車駅であり且つ降車駅までの残り距離Lnが通過判別距離Ltよりも小さくなり、降車駅を通過したと判別された場合や、降車駅で交通機関が停車しなかった場合に、ユーザが降車駅を乗り過ごしたと判別する。
【0057】
KC18D:中間表示画像作成手段
中間表示画像作成手段KC18Dは、ユーザが乗車した交通機関が案内対象駅に接近していない場合に、ユーザに対して路線上の次の駅を告知する中間表示画像を作成する。実施例の中間表示画像作成手段KC18Dは、案内対象駅が乗換駅や降車駅の場合には、その旨を告知する中間表示画像を作成する。
KC18E:接近表示画像作成手段
接近表示画像作成手段KC18Eは、ユーザが乗車した交通機関が案内対象駅に接近した場合に、ユーザに対して案内対象駅に接近したことを告知する接近表示画像を作成する。実施例の接近表示画像作成手段KC18Eは、案内対象駅が乗換駅や降車駅の場合には、その旨を告知する接近表示画像を作成する。
【0058】
KC18F:到着表示画像作成手段
到着表示画像作成手段KC18Fは、ユーザが乗車した交通機関が案内対象駅に到着した場合に、ユーザに対して案内対象駅に到着したことを告知する到着表示画像を作成する。実施例の到着表示画像作成手段KC18Fは、案内対象駅が乗換駅や降車駅の場合には、その旨を告知する到着表示画像を作成する。
KC19:マナーモード設定手段
マナーモード設定手段KC19は、交通機関の移動開始が検出された場合に、携帯電話1の電話の着信時に鳴らす着信音を鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに自動的に設定する。
【0059】
FL0:駅到着フラグ
駅到着フラグFL0は、初期値は「0」であり、徒歩での経路案内(ナビゲーション)時に、目的地としての駅の周辺に到着したと徒歩案内時残り距離判別手段KC10が判別した場合に「1」となり、それ以外の場合に「0」となる。
FL1:駅表示フラグ
駅表示フラグFL1は、初期値は「0」であり、乗車駅に到着して駅の案内表示が開始されると「1」となり、降車駅に到着しGPSによる現在位置の検出が開始されると「0」となる。
FL2:発車検出フラグ
発車検出フラグFL2は、初期値は「0」であり、ユーザが乗車した交通機関の移動開始(発車)が検出されると「1」となり、案内対象駅に到着すると「0」となる。
【0060】
(経路案内データ配信サーバ7の制御部の説明)
図9は実施例の経路案内システムのサーバの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図9において、経路案内データ配信サーバ7のコントローラSCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、ハードディスク等の記録媒体)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0061】
(サーバのコントローラSCに接続された信号入力要素)
前記経路案内データ配信サーバ7のコントローラSCは、キーボードやマウス等の入力装置やその他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記入力装置は、ユーザによりそれらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラSCに入力する。
【0062】
(サーバのコントローラSCに接続された制御要素)
また、経路案内データ配信サーバ7のコントローラSCは、ディスプレイや図示しない電源回路、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記ディスプレイには、ユーザの操作に応じた表示画像が表示される。
【0063】
(サーバのコントローラSCの機能)
経路案内データ配信サーバ7のコントローラSCは、携帯電話1のナビゲーションソフト(経路案内用プログラムP1)から送信された各データの処理を行う経路案内用データ配信アプリケーションプログラムP3や、その他のプログラム等を有しており、前記各信号出力要素等からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素等に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。次に、前記コントローラSCの経路案内用データ配信アプリケーションプログラムP3の機能(制御手段)を説明する。
【0064】
SC1:サーバ側データ受信手段
サーバ側データ受信手段SC1は、検索条件データ受信手段SC1Aを有し、前記携帯電話1から送信された経路検索条件のデータ等を受信する。
SC1A:検索条件データ受信手段
検索条件データ受信手段SC1Aは、前記携帯電話1から送信された前記経路検索条件のデータを受信し、記憶する。
【0065】
SC2:地図データ記憶手段
地図データ記憶手段SC2は、地図データを記憶する。実施例の地図データ記憶手段SC2に記憶された地図データは、緯度・経度に基づいて所定の範囲の単位地図に分割した単位地図データにより構成されている。また、各単位地図データには、磁方位の北と真方位の北との成す角(偏角)Θhが関連づけられて記憶されている。なお、実施例の地図データは、ベクタ地図データが使用されている。
SC3:駅データ記憶手段(路線情報記憶手段)
駅データ記憶手段SC3は、路線や、前記路線上の駅名(駅識別情報)、各駅間の駅間距離、駅の位置情報等の駅に関連する駅データ(路線情報)を記憶する。
【0066】
SC4:経路作成手段
経路作成手段SC4は、受信した前記経路検索条件に応じて、前記出発地を出発してから前記目的地に到着するまでの経路を決定し、前記出発地の位置を示す出発地位置データと、前記目的地の位置を示す目的地位置データとを含む最適な経路のデータ(経路データ)を作成する。なお、経路検索条件において、交通機関を利用することが指定されている場合、交通機関を含めた最適経路が作成され、検索する経路の数が複数指定されている場合には、指定された数に応じた複数の経路を作成する。前記交通機関を利用する場合には、交通機関の乗車駅、乗換駅(乗り換えがある場合)、降車駅の駅識別情報及び乗降駅識別情報や、利用する路線上の全ての通過駅の駅識別情報を含む路線情報が経路データと共に作成される。なお、前記最適経路データを作成する技術は、従来公知であるので(例えば、特開2003−214860号公報等参照)、詳細な説明は省略する。
【0067】
SC5:サーバ側データ送信手段
サーバ側データ送信手段SC5は、経路検索結果送信手段SC5Aと、地図情報送信手段SC5Bとを有し、経路案内データ配信サーバ7から携帯電話1に検索した経路データや地図データ等を送信する。
SC5A:経路検索結果送信手段
経路検索結果送信手段SC5Aは、経路作成手段SC4で作成された経路データを前記携帯電話1に送信する。また、交通機関を利用する場合には、経路データと路線情報とを含む経路検索結果のデータを送信する。
SC5B:地図情報送信手段
地図情報送信手段SC5Bは、携帯電話1の現在位置に応じた地図データを前記携帯電話1に送信する。
【0068】
(フローチャートの説明)
(経路案内データ配信サーバ7のフローチャートの説明)
図10は実施例の経路案内システムの経路案内データ配信サーバが備えている経路案内用データ配信アプリケーションプログラムの案内経路作成処理のメインフローチャートである。
図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、サーバ7のコントローラSCの経路案内用データ配信アプリケーションプログラムP3に従って行われる。また、この処理はサーバ7の他の各種処理と並行して実行される。
図10の案内経路作成処理はサーバ7の電源オン時に開始される。
【0069】
図10のST1において、携帯電話1から送信された経路検索条件を受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST1を繰り返し、イエス(Y)の場合はST2に移る。
ST2において、前記経路作成手段SC4により経路の検索、作成が行われる。そして、ST3に移る。
ST3において、作成された経路データと、経路上の交通機関の路線情報を携帯電話1に送信する。そして、ST1に戻る。
【0070】
(携帯電話1のフローチャートの説明)
図11は実施例の経路案内システムの携帯電話が備えている経路案内プログラムの経路検索処理のメインフローチャートである。
図11のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、携帯電話1のコントローラKCの経路案内用プログラムP1に従って行われる。また、この処理は携帯電話1の他の各種処理と並行して実行される。
図11に示すフローチャートは、携帯電話1の電源オン時に開始される。
【0071】
図11のST21において、経路案内用プログラムP1が実行されたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST21を繰り返し、イエス(Y)の場合はST22に移る。
ST22において、経路検索条件入力画像(図4参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST23に移る。
ST23において、「探索開始」のアイコン(検索条件送信アイコン)の入力があったか否かを判別する。ノー(N)の場合はST24に移り、イエス(Y)の場合はST26に移る。
【0072】
ST24において、その他の入力(出発地入力欄や目的地入力欄、日時入力欄等への入力)がされたか否かの判別を行う。イエス(Y)の場合はST25に移り、ノー(N)の場合はST23に戻る。
ST25において、入力に応じて経路検索条件入力画像(図4参照)の画像表示を更新する。そして、ST23に移る。
ST26において、経路検索条件のデータを経路案内データ配信サーバ7に送信する。そして、ST27に移る。
ST27において、経路検索条件に対応する経路検索結果を受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST27を繰り返し、イエス(Y)の場合はST28に移る。
ST28において、受信した経路検索結果のデータ(経路データや路線情報、地図データ等)を記憶する。そして、ST29に移る。
【0073】
図12は、実施例の経路案内時の画像の説明図であり、図12Aは経路候補一覧画像の説明図、図12Bは経路案内用画像の説明図、図12Cは経路確認用地図画像の説明図である。
ST29において、受信した経路検索結果のデータに基づいて作成した経路候補一覧画像(図12A参照)を情報表示画面11に表示し、ST30に移る。図12Aには、具体例として、淡路町付近から東京タワーまでの経路検索を行った場合の経路候補一覧画像21が表示されている。前記経路候補一覧画像21は、徒歩による経路案内を開始する「ルート案内開始」アイコン21aと、徒歩による経路案内を行う場合に出発地周辺を確認するための地図を表示する「ルート地図確認」アイコン21bと、利用する交通機関を表示する交通機関表示画像21cとを有している。
【0074】
ST30において、前記経路候補一覧画像21において、「ルート地図確認」アイコン21bの入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST31に移り、ノー(N)の場合はST32に移る。
ST31において、地図データに基づいて、出発地周辺の経路確認用地図画像22(図12C参照)を作成し、情報表示画面11に表示する。そしてST34に移る。
ST32において、前記経路候補一覧画像21において、「ルート案内開始」アイコン21aの入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST33に移り、ノー(N)の場合はST34に移る。
【0075】
ST33において、GPS装置により計測した現在位置や地図データに基づいて、徒歩や交通機関を利用して目的地までユーザを案内(ナビゲーション)する経路案内処理(後述する図13のサブルーチン参照)を実行する。そして、ST34に移る。
ST34において、経路案内プログラムを終了する入力があったか否かを判別する。ノー(N)の場合はST30に戻り、イエス(Y)の場合はST21に戻る。
【0076】
(経路案内処理(ST33のサブルーチン)のフローチャートの説明)
図13は、実施例の経路案内処理のフローチャートの説明図であり、図11のST33のサブルーチンの説明図である。
図13のST41において、GPS装置がGPS衛星からの電波を受信可能であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST42に移り、ノー(N)の場合はST47に移る。
ST42において、現在位置をGPS装置により側位された位置に更新する。そして、ST43に移る。
【0077】
ST43において、更新された現在位置と徒歩による案内経路の経路データとに基づいて作成された経路案内用画像23(図12B参照)を、情報表示画面11に表示し、ST44に移る。図12Bにおいて経路案内用画像23には、現在位置を中心とする地図画像と23aと、案内する経路を示す経路画像23bと現在位置を示す人型アイコン画像23cとを有する。
ST44において、目的地が乗車駅である場合に、現在位置と目的地までの距離(徒歩案内時残り距離)が30m以下であるか否かの判別を行う。イエス(Y)の場合はST45に移り、ノー(N)の場合はST46に移る。
ST45において、駅到着フラグFL0を「1」とする。そして、ST50に移る。
ST46において、駅到着フラグFL0を「0」とする。そして、ST50に移る。
【0078】
ST47において、駅到着フラグFL0=「1」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST48に移り、ノー(N)の場合はST41に戻る。
ST48において、乗車駅から降車駅までユーザをガイドする駅間案内処理を実行して、ST49に移る。実施例の駅間案内処理では、駅案内表示処理(後述する図14のサブルーチン参照)と交通機関出発検出処理(後述する図16のサブルーチン参照)とが並行して実行される。
ST49において、駅到着フラグFL0を「0」にする。そして、ST50に移る。
ST50において、経路案内を終了して、経路候補一覧画像21に戻る入力がされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST41に戻り、イエス(Y)の場合は図13の処理を終了して、図11の経路検索処理に戻る。
【0079】
(駅案内表示処理のフローチャートの説明)
図14は実施例の駅案内表示処理のフローチャートの説明図であり、図13のST48の駅間案内処理のサブルーチン(1)の説明図である。
図15は実施例の駅案内画像の説明図であり、図15Aは乗車駅を告知する乗車駅表示画像の説明図、図15Bは次に到着する通過駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Cは通過駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Dは通過駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Eは次に到着する乗換駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Fは乗換駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Gは乗換駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Hは次に到着する降車駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Iは降車駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Jは降車駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Kは乗り過ごしたことを告知する乗り過ごし表示画像の説明図である。
【0080】
図14のST61において、駅表示フラグFL1が「1」であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST62に移り、イエス(Y)の場合はST63に移る。
ST62において、次の処理(1)〜(3)を実行し、ST63に移る。
(1)現在位置を乗車駅記憶手段KC6A1に記憶された乗車駅に設定し、乗車駅表示画像(図15A参照)を情報表示画面11に表示する。
(2)駅表示フラグFL1を「1」とする。
(3)案内対象駅を経路上の次の駅に設定する。
ST63において、発車検出フラグFL2が「1」であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST63を繰り返し、イエス(Y)の場合はST64に移る。
【0081】
ST64において、移動距離Lが0であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST65に移り、ノー(N)の場合はST66に移る。
ST65において、次の処理(1)〜(3)が実行され、ST67に移る。
(1)移動速度Vを0にリセットする。
(2)M0〜M1499に記憶された加速度データax〜azに基づいて、移動速度Vx〜Vzを計算する。
(3)M0〜M1499に記憶された加速度データax〜azに基づいて、移動距離Lを計算する。
【0082】
ST66において、前回の移動速度の計算時からサンプリング間隔t1が経過してM1499に記憶された最新の加速度データax〜azに基づいて移動速度Vx〜Vzと、移動距離Lを計算する。
ST67において、移動距離Lと案内対象駅まで駅間距離とに基づいて、案内対象駅までの残り距離Lnを計算する。そして、ST68に移る。
ST68において、残り距離Lnが接近判別距離Ls未満であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST69に移り、イエス(Y)の場合はST74に移る。
ST69において、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST70に移り、ノー(N)の場合はST71に移る。
【0083】
ST70において、降車駅を対象とした中間表示画像(図15H参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST71において、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST72に移り、ノー(N)の場合はST73に移る。
ST72において、乗換駅を対象とした中間表示画像(図15E参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST73において、案内対象駅を対象とした中間表示画像(図15B参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
【0084】
ST74において、残り距離Lnが通過判別距離Lt未満であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST75に移り、ノー(N)の場合はST79に移る。
ST75において、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST76に移り、イエス(Y)の場合はST77に移る。
ST76において、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST77に移り、ノー(N)の場合はST78に移る。
ST77において、乗り過ごしたことを表示する乗り過ごし表示画像(図15K参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST78において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST61に戻る。
(1)案内対象駅を路線上(経路上)の次の駅に設定する。
(2)移動距離Lを通過判別距離Ltの大きさ(即ちLtの絶対値)に設定する。
【0085】
ST79において、移動速度Vx〜Vzの大きさVが停止判別速度Vt未満であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST80に移り、イエス(Y)の場合はST85に移る。
ST80において、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST81に移り、ノー(N)の場合はST82に移る。
ST81において、降車駅を対象とした接近表示画像(図15I参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST82において、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST83に移り、ノー(N)の場合はST84に移る。
ST83において、乗換駅を対象とした接近表示画像(図15F参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
ST84において、案内対象駅を対象とした接近表示画像(図15C参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST61に戻る。
【0086】
ST85において、発車検出フラグFL2を「0」にする。そして、ST86に移る。
ST86において、案内対象駅が降車駅であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST87に移り、イエス(Y)の場合はST91に移る。
ST87において、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST88に移り、ノー(N)の場合はST89に移る。
ST88において、乗換駅を対象とした到着表示画像(図15G参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST90に移る。
ST89において、案内対象駅を対象とした到着表示画像(図15D参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST90に移る。
ST90において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST61に戻る。
(1)案内対象駅を経路上の次の駅に設定する。
(2)移動距離Lを0にリセットする。
【0087】
ST91において、降車駅を対象とした到着表示画像(図15J参照)を情報表示画面11に表示する。そして、ST92に移る。
ST92において、GPS衛星からの電波を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST93に移り、ノー(N)の場合はST61に戻る。
ST93において、駅表示フラグFL1を「0」にする。そして、図14の駅案内表示処理を終了し、図13の経路案内処理に戻る。
【0088】
(交通機関出発検出処理の説明)
図16は実施例の交通機関出発検出処理のフローチャートの説明図であり、図13のST48の駅間案内処理のサブルーチン(2)の説明図である。
図16のST101において、サンプリング間隔計測タイマTM1にサンプリング間隔t1をセットする。そして、ST102に移る。
ST102において、サンプリング間隔計測タイマTM1がタイムアップしたか、即ち、サンプリング間隔t1が経過したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST102を繰り返し、イエス(Y)の場合はST103に移る。
【0089】
ST103において、加速度データ記憶手段KC13BのM1〜M1499に記憶された加速度データをM0〜M1498にシフトする。そして、ST104に移る。
ST104において、以下の(1)、(2)の処理を実行してST105に移る。
(1)傾斜センサSN2からの出力に基づいて、傾斜角α、βを演算する。
(2)3次元加速度センサSN3から出力された加速度データAx、Ay、Azを読取り、読取加速度データAx、Ay、Azと、傾斜角α、βとに基づいて、水平面上の加速度ax、ay、azを演算し、加速度データ記憶手段KC13BのM1499に記憶する。
【0090】
ST105において、発車検出フラグFL2が「0」であるか否か、即ち、交通機関が移動中であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST106に移り、ノー(N)の場合はST111に移る。
ST106において、加速度の大きさ{(A′x)2+(A′y)2+(A′z)2}1/2が移動開始判別加速度下限値ah1(=1km/h/s)以上、移動開始判別加速度下限値ah2(=4km/h/s)以下であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST107に移り、ノー(N)の場合はST110に移る。
ST107において、発車検出カウンタKC14D1のカウント値Nh=Nh+1とする。即ち、カウント値Nhに1を加算する。そして、ST108に移る。
【0091】
ST108において、カウント値Nhが発車判別カウント値N1(=1500回)以上であるか否かを判別する。即ち、15秒間(加速度継続時間)連続して移動開始時加速度範囲の加速度が検出されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST109に移り、ノー(N)の場合はST111に移る。
ST109において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST111に移る。
(1)発車検出フラグFL2を「1」にする。
(2)携帯電話1をマナーモードに設定する。
ST110において、発車検出カウンタKC14D1のカウント値Nhを0にリセットする。そして、ST111に移る。
ST111において、GPS衛星からの電波を受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST101に戻り、イエス(Y)の場合は、図16の交通機関出発検出処理を終了し、図13の経路案内処理に戻る。
【0092】
前記構成を備えた実施例の経路案内システムSでは、経路案内プログラムにより経路の検索が行われ、徒歩時には、GPSや地磁気センサSN1等を利用して現在位置や移動方向等を検出する。そして、経路案内用画像23(図12B参照)を表示してユーザをナビゲーションする。
携帯電話1を携帯したユーザが駅構内や地下街に入り、GPSの電波が受信できなくなると、駅案内表示画像(図15参照)が表示され、駅に関する案内表示がされる。このとき、経路検索結果から乗車駅が自動的に設定され、ユーザが手動で入力する必要がない。そして、加速度センサSN3で検出した加速度に基づいて、15秒間(加速度継続時間)連続して移動開始時加速度範囲の加速度が検出された場合、交通機関の移動開始(発車)が検出される。
【0093】
前記移動開始が検出される15秒前には、交通機関が停止しているので、15秒前の初速度を0として移動速度V及び移動距離Lを計算することにより、誤差がなく正確な移動距離Lを計算できる。したがって、GPSや基地局からの電波が受信できない状態でも、正確に移動距離を算出でき、駅までの残りの距離Lnの計算等を精度良く行うことができる。この結果、ユーザに正確に駅の案内を行うことができる。
また、時刻表を使用せず、実際に乗車した交通機関の移動開始を検出して正確に移動距離Lを計算し、正確な移動距離Lに基づいて案内を行っているので、交通機関が駅間で停車したり、遅延や運休等によりダイヤの乱れが発生しても、これらに影響されることなく、実際の運行状況に応じた駅の案内を行うことができる。
【0094】
さらに、移動距離Lが通過判別距離Lt(=−200m)未満になったか否かを判別することにより、ユーザが快速電車や特急電車等に乗車して、案内対象駅で電車が停車せず通過しても、これに対応して正確な駅の案内表示を行うことができる(ST78参照)。
また、停車せずに通過した駅が乗換駅や降車駅である場合には、乗り過ごしたことを表示してユーザに乗り過ごしを告知することができる(ST77参照)。同様に、降車駅に電車が停車しても、ユーザが乗り過ごした場合には、移動距離Lがさらに加算されていくので、通過判別距離Lt未満になるので、乗り過ごしを告知することができる。
【0095】
さらに、実施例の携帯電話(携帯型案内装置)1では、サーバ7で検索された経路に応じた路線情報が送信されるので、携帯電話1には、全国の路線情報を記憶する必要がなくなる。したがって、大容量の記憶媒体を備える必要がなくなり、携帯電話1のコストを抑えることができる。
また、実施例の経路案内システムSでは、既存の携帯電話網を利用して路線情報等の送受信を行うことができる。したがって、車両や駅等に新たな装置を設置せず、既存のシステム(インフラストラクチャー)を利用して駅の案内を行うことができる。
【0096】
以上、詳細に説明したように本発明にかかる携帯電話1では、交通機関の移動開始が検出された場合、即ち、ユーザが交通機関に乗車したことが検出されると、自動的にマナーモードに設定される。したがって、着信音等が鳴って、他の乗客の迷惑を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
上記実施例において、ユーザへの告知装置として、情報表示画面11への画像表示や振動装置を挙げたが、アラーム音やブザー音、所定のメロディーを流したり、発光素子を点滅させたり等任意の告知装置により告知を行うように構成することも可能である。
さらに、実施例において、交通機関の出発を検出する際に使用される移動開始時加速度範囲(1km/h/s〜4km/h/s)や加速度継続時間(15秒)を所定の値に設定したが、例えば、駅間距離が非常に短く加速度継続時間が短い区間では加速度継続時間を通常よりも短く設定したり、寝台列車や気動車に乗車することが分かっている場合移動開始時加速範囲を低く(例えば、0.5km/h/s〜3km/h/s)設定することも可能である。
【0098】
また、実施例において、加速度センサSN3自体の検出精度により誤差が発生する可能性があり、駅間が長くなるに連れて誤差が蓄積する傾向がある。したがって、これに対応して、検出可能な状態変化が起こる場所を通過することが分かっている場合に、その場所を通過した場合に残り距離Lnを補正するように構成することができる。例えば、走行中にトンネルがあり、携帯電話1の基地局からの電波が途切れる(圏外になる)ことが分かっている場合に、途切れる場所を予め登録しておいて、携帯電話1の電波の受信状況を確認し、途切れた場合に次の駅までの残り距離Lnを補正するように構成することも可能である。また、新幹線等のように車両が高速でトンネルに進入する際には、気圧の変化が発生するので、携帯電話1に気圧センサを組み込み、急激な気圧変化の発生する場所を予め登録しておき、急激な気圧変化を検出した場合に、次の駅までの残り距離Lnを補正するように構成することも可能である。
【0099】
さらに、実施例では、傾斜センサSN2を設けたが、傾斜センサSN2を省略し、3次元加速度センサSN3により、鉛直方向の重力加速度G(9.8m/s2)を検出して傾斜角α、βを演算することも可能である。
また、実施例では、真方位を使用したが、磁方位を使用して移動方向等を演算することも可能である。
【0100】
また、実施例では、加速度センサSN3から出力された読取加速度データAx〜Azを座標変換した加速度データax〜azを記憶し、このデータに基づいて処理を行ったが、これに限定されず、座標変換前のデータAx〜Azを記憶し、このデータに基づいて各処理を実行することも可能である。
さらに、実施例において、携帯電話1は、路線情報をサーバ7から受信して記憶していたが、路線情報提供サーバ7が有する全ての機能を携帯電話1に内蔵して、携帯電話1のみで経路の検索や通過駅の検出等を実行するように構成することも可能である。
【0101】
また、実施例において、サンプリング間隔t1や接近判別別距離Ls、通過判別距離、到着判別速度等の値は設計や利用する交通機関に応じて変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は、本発明の経路案内システムの実施例の説明図である。
【図2】図2は前記図1に示す経路案内システムの携帯端末の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図3】図3は実施例の携帯端末のブロック図であり、前記図2の続きの図である。
【図4】図4は実施例の経路探索条件画像の説明図である。
【図5】図5は、携帯電話の水平面からの傾斜角の説明図である。
【図6】図6は、携帯電話と磁方位の北及び真方位の北との関係を示す説明図である。
【図7】図7は交通機関としての電車の駅間の加速度及び速度、移動距離の履歴の説明図であり、図7Aは加速度の履歴図、図7Bは速度の履歴図、図7Cは移動距離の履歴図である。
【図8】図8は、携帯電話の移動方向の説明図である。
【図9】図9は実施例の経路案内システムのサーバの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図10】図10は実施例の経路案内システムの経路案内データ配信サーバが備えている経路案内用データ配信アプリケーションプログラムの案内経路作成処理のメインフローチャートである。
【図11】図11は実施例の経路案内システムの携帯電話が備えている経路案内プログラムの経路検索処理のメインフローチャートである。
【図12】図12は、実施例の経路案内時の画像の説明図であり、図12Aは経路候補一覧画像の説明図、図12Bは経路案内用画像の説明図、図12Cは経路確認用地図画像の説明図である。
【図13】図13は、実施例の経路案内処理のフローチャートの説明図であり、図11のST33のサブルーチンの説明図である。
【図14】図14は実施例の駅案内表示処理のフローチャートの説明図であり、図13のST48の駅間案内処理のサブルーチン(1)の説明図である。
【図15】図15は実施例の駅案内画像の説明図であり、図15Aは乗車駅を告知する乗車駅表示画像の説明図、図15Bは次に到着する通過駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Cは通過駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Dは通過駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Eは次に到着する乗換駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Fは乗換駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Gは乗換駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Hは次に到着する降車駅を告知する中間表示画像の説明図、図15Iは降車駅に接近したことを告知する接近表示画像の説明図、図15Jは降車駅に到着したことを告知する到着表示画像の説明図、図15Kは乗り過ごしたことを告知する乗り過ごし表示画像の説明図である。
【図16】図16は実施例の交通機関出発検出処理のフローチャートの説明図であり、図13のST48の駅間案内処理のサブルーチン(2)の説明図である。
【符号の説明】
【0103】
7…路線情報提供サーバ、
11…告知装置、
KC1…告知装置制御手段、
KC4B…移動方向情報送信手段、
KC4C…設定駅情報送信手段、
KC5C…路線情報受信手段、
KC5D…入場情報受信手段、
KC6…経路記憶手段、
KC6A…路線情報記憶手段、
KC6A1…乗車駅記憶手段、
KC14A…加速度範囲記憶手段、
KC14…交通機関移動開始判別手段、
KC14B…加速度範囲判別手段、
KC14C…加速度継続時間記憶手段、
KC14D…加速度継続判別手段、
KC16A…移動方向検出手段、
KC16B…距離算出手段、
KC19…マナーモード設定手段、
SN3…加速度センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話の移動時の加速度を検出する加速度センサと、
移動開始時に所定の範囲の加速度で加速する交通機関の移動開始加速度範囲を記憶する加速度範囲記憶手段と、
前記交通機関が移動を開始したか否かを判別するための加速度継続時間を記憶する加速度継続時間記憶手段と、
前記加速度センサで検出された加速度が、前記移動開始時加速度範囲に含まれているか否かを判別する加速度範囲判別手段と、
前記加速度センサで検出された加速度が、前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する加速度継続判別手段と、
前記加速度センサで検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上である場合に、交通機関が移動開始したと判別する交通機関移動開始判別手段と、
前記交通機関の移動開始が検出された場合に、電話の着信時に鳴らす着信音を、鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定するマナーモード設定手段と、
を備えた携帯電話。
【請求項1】
携帯電話の移動時の加速度を検出する加速度センサと、
移動開始時に所定の範囲の加速度で加速する交通機関の移動開始加速度範囲を記憶する加速度範囲記憶手段と、
前記交通機関が移動を開始したか否かを判別するための加速度継続時間を記憶する加速度継続時間記憶手段と、
前記加速度センサで検出された加速度が、前記移動開始時加速度範囲に含まれているか否かを判別する加速度範囲判別手段と、
前記加速度センサで検出された加速度が、前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する加速度継続判別手段と、
前記加速度センサで検出された加速度が前記移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上である場合に、交通機関が移動開始したと判別する交通機関移動開始判別手段と、
前記交通機関の移動開始が検出された場合に、電話の着信時に鳴らす着信音を、鳴らさずに着信の通知を行うマナーモードに設定するマナーモード設定手段と、
を備えた携帯電話。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−238488(P2006−238488A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131463(P2006−131463)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【分割の表示】特願2004−136957(P2004−136957)の分割
【原出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【分割の表示】特願2004−136957(P2004−136957)の分割
【原出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
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