説明

携帯電話

【課題】 簡単な操作で互いに関連するメールを分割画面に表示できるように構成した携帯電話を提供する。
【解決手段】 メールの送受信機能を有する携帯電話10において、前記携帯電話10は、メールを表示する表示部23と、メール表示制御部28と、表示メモリ29と、を備え、予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になった複数のメールに対して、前記メール表示制御部28は前記表示メモリ29を分割し、分割された表示メモリに前記メールのそれぞれを展開して表示部23に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面を分割してそれぞれに受信メールと送信メールを表示するようにした携帯電話に関するものであり、特に、簡単なキー操作で受信メールと送信メールを分割画面に表示でき、また、分割表示する受信メールと送信メール間の関連付けを容易にし、関連するメールを分割画面に表示できるようにした携帯電話に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理技術、通信技術の発展に伴い種々の携帯型の情報通信端末装置(以下、携帯端末装置という)が広く普及している。このような携帯端末装置により、利用者が外出先からインターネットなどのネットワークを介して種々サービスを提供する情報配信サーバや所望のウェブサイトに接続して当該サービスを受け、あるいは情報を取得したり、自社のネットワークに接続したりして業務上必要な情報を取得することができる。
【0003】
最近では、携帯電話のハード、ソフト機能が充実し、従来の携帯端末装置の機能を兼ねるようになってきており、携帯電話の普及率の拡大にはめざましいものがある。携帯電話を利用したデータ通信サービスを提供する事業者も増加しており、携帯電話を利用してバンキング、インターネット販売、ナビゲーション、自動販売機、交通機関やコンビニエンスストアなどの代金決済など、様々なサービスを受けることができるようになってきている。特に携帯電話においては種々のオプションやアプリケーションが搭載可能であり、利用できるサービスの種類も豊富になってきている。
【0004】
また、第3世代と称される携帯電話にはGPS受信機が搭載され、携帯電話自体が位置する現在位置(緯度・経度)を測定することができ、携帯電話を端末装置としたナビゲーションシステムも実用化されている。このような測位システムを利用して、高齢者や児童などの位置確認や、犯罪や火災などの事件、事故における通報時の位置確認などに利用できるシステムも種々検討されている。
【0005】
更に、利用者は、サービス事業者が提供するブラウザやアプリケーション、ゲームソフトのように携帯電話用として開発された様々なアプリケーションなどを自身が所有する携帯電話にインストールして所望のサービスや機能を追加するためカスタマイズすることができる。
【0006】
携帯電話の主要な機能は通話機能であるが、通話に変わる手段としてインターネットを利用した電子メール(以下、単にメールと称する)を他用する利用者は多い。これは通話料金に対して、インターネットを利用したデータ通信料金が低くまた、料金の定額化が定着したこと、メールの場合には送信者と受信者との間の回線接続が必要なく、送受信者の双方が任意に都合のよい時にメール送受信操作をすることができることなどの理由による。
【0007】
一般的な携帯電話においては、メール送受信機能を指定し、着信した受信メールを表示部に表示して内容を読むことができる。また、メール送信時にはメール作成機能を選択してメール作成画面を表示し、メール宛先や本文を入力した後、送信操作をすることによって所望の相手先にメールを送信することができる。
【0008】
送信メールや受信メールは削除処理を行わない限り記憶容量の範囲内でメール記憶部に自動的に保存され、また、送信メール一覧や受信メール一覧もメール記憶部に保存される。利用者はこれらのメール一覧から任意のメールを選択し、メール本文を表示部に表示することもできる。
【0009】
メールによる通信においては、利用者が受信したメールに対して返信機能を利用してメール本文を作成し、返信メールを相手方に送信することも多い。通常受信メールを表示部に表示した状態で、メール返信機能を指定すると、返信メール作成画面に切り替わり、利用者はこの返信メール作成画面にメール本文を入力する。
【0010】
返信メール作成画面でメール本文を作成した後、送信操作すれば、送信先アドレスや送信先の氏名等に受信メールの送信者のアドレスや氏名が自動的に設定され、返信メールを相手方に送信することができる。このように返信メール機能を利用してメール作成をする場合、受信メールを参照しながらメール入力することはできない。従って、返信メール作成中に元の受信メールを参照するためには、表示するメールを切り替える操作を行い、その後、作成中の返信メール作成画面に切り替えるという操作が必要になる。
【0011】
携帯電話における返信メール作成の操作を簡単化するため、例えば、下記の特許1(特開2001−22657号公報)に開示されたメールデータ処理装置が提案されている。このメールデータ処理装置は、受信メールの表示状態から送信文書の入力を簡便に行い得るようにしたものである。
【0012】
すなわち、特許文献1に開示されたメールデータ処理装置は、受信メールの表示時に文字入力のためのキーが操作されると、これに応じて、送信メール作成モードに切り替え制御される。まず、受信メールが表示される。かかる状態から、所定のキーが入力されると)、当該キーが文字キーであるかが判別される。ここで、文字キーならば、当該文字キーに対応するテキストデータを送信メールデータバッファに書き込む。そして、当該送信メールデータバッファのテキストデータをビットマップデータに変換して表示するように構成されている。これにより受信メール表示中に文字キーを操作するだけで、送信メール作成モードに切り替わり、送信メール作成画面に表示が切り替わるようになる。
【特許文献1】特開2001−22657号公報(図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたメールデータ処理装置では受信メール表示中に、文字キーを操作することで自動的に送信メール作成モード(返信メールの作成)に切り替えが行われるが、送信モード作成中に元の受信メールを参照したい場合には、再度、受信メールの表示モードに切り替える操作が必要になるという問題点が存在する。また、逆に返信したメールに対する元の受信メールを参照したい場合にも送信メール表示から受信メール表示に切り替える操作が必要になる。
【0014】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、近年の携帯電話の表示手段が大きくなってきていることに着目し、表示画面を分割し、受信メールと返信メールのように互いに関連するメールに関連付け(リンク付け)をしておくことにより分割した表示画面に関連するメールを表示することにより上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
すなわち、本発明は、上記問題点を解消することを課題とし、簡単な操作で互いに関連するメールを分割画面に表示できるように構成した携帯電話を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
メールの送受信機能を有する携帯電話において、
前記携帯電話は、メールを表示する表示部と、メール表示制御部と、表示メモリと、を備え、
予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になった複数のメールに対して、前記メール表示制御部は前記表示メモリを分割し、分割された表示メモリに前記メールのそれぞれを展開して前記表示部に表示することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、
前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、受信メールに対する返信メールキーまたは返信メール処理の操作であることを特徴とする。
【0018】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、
前記携帯電話は、更に、各メールごとに関連するメールとの間を関連付けるリンク記録部を有する送信メールおよび/または受信メールのメール一覧記憶部と、メール処理制御部と、を備え、
前記メール処理部は、予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になったメールに対して前記リンク記録部にリンク設定を行うことを特徴とする。
【0019】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、
前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、受信メールに対する返信メールキーまたは返信メール処理の操作であることを特徴とする。
【0020】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、
前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、メールの関連付けのためのリンクキーまたはメールのリンク設定処理の操作であり、該操作が行われた場合、前記メール処理制御部は、メール一覧を表示部に表示し、当該メール一覧からリンク設定するメールを選択し得るように構成したことを特徴とする。
【0021】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、
前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、メール受信キーまたはメール受信処理の操作であり、受信したメールに前記設定されたリンクが付加されている場合、前記メール処理制御部は、該受信メールに付加されたリンクに基づいて関連するメールにリンク設定を行うことを特徴とする。
【0022】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、
前記リンク記録部に複数のリンクが記録されている場合、前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作に応じて受信日付または送信日付が新しいメールから順に前記表示部に表示することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項8にかかる発明は、
メールを表示する表示部と、メール表示制御部と、表示メモリと、メールごとに関連するメールとの間を関連付けるリンク記録部を有する送信メールおよび/または受信メールのメール一覧記憶部と、を備え、予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になった複数のメールに対して、前記メール表示制御部は前記表示メモリを分割し、前記リンク記録部にリンクが設定されたメールのそれぞれを前記分割された表示メモリに展開して表示部に表示する携帯電話と通信する携帯電話と通信する携帯電話であって、
該携帯電話は、メール送信に際して当該メールに関連する他の送信メールまたは受信メールとの間を関連付けるリンクを設定して前記表示メモリを分割して表示する携帯電話に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1にかかる発明においては、携帯電話は、メールを表示する表示部と、メール表示制御部と、表示メモリと、を備え、予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になった複数のメールに対して、前記メール表示制御部は前記表示メモリを分割し、分割された表示メモリに前記メールのそれぞれを展開して表示する。
【0025】
このような構成によれば、受信メールと該受信メールに対する返信メールのように関連するメールを分割された表示に同時に表示することができるので、関連する複数のメールを同時に参照することができ、受信メールを参照しながら返信メールを作成したり、返信メールに対する受信メールの確認をしたりすることができるようになる。
【0026】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、受信メールに対する返信メールキーまたは返信メール処理の操作である。
【0027】
このような構成によれば、受信メールと該受信メールに対する返信メールのように関連するメールを分割された表示に同時に表示することができるので、関連する複数のメールを同時に参照することができ、受信メールを参照しながら返信メールを作成したり、返信メールに対する受信メールの確認をしたりすることができるようになる。
【0028】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記携帯電話は、更に、各メールごとに関連するメールとの間を関連付けるリンク記録部を有する送信メールおよび/または受信メールのメール一覧記憶部と、メール処理制御部と、を備え、前記メール処理部は、予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になったメールに対して前記リンク記録部にリンク設定を行う。
【0029】
このような構成によれば、受信メールと該受信メールに対する返信メールのように関連するメールをリンク付けすることができるようになる。そしてリンク付けされたメールを分割された表示に同時に表示することができるので、関連する複数のメールを同時に参照することができ、受信メールを参照しながら返信メールを作成したり、返信メールに対する受信メールの確認をしたりすることができるようになる。
【0030】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項3にかかる発明において、前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、受信メールに対する返信メールキーまたは返信メール処理の操作である。
【0031】
このような構成によれば、受信メールと該受信メールに対する返信メールのように関連するメールをリンク付けすることができるようになる。そしてリンク付けされたメールを分割された表示に同時に表示することができるので、関連する複数のメールを同時に参照することができ、受信メールを参照しながら返信メールを作成したり、返信メールに対する受信メールの確認をしたりすることができるようになる。
【0032】
また、請求項5にかかる発明によれば、請求項3にかかる発明において、前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、メールの関連付けのためのリンクキーまたはメールのリンク設定処理の操作であり、該操作が行われた場合、前記メール処理制御部は、メール一覧を表示部に表示し、当該メール一覧からリンク設定するメールを選択し得るように構成される。
【0033】
このような構成によれば、リンク設定処理の操作を行うことにより利用者は任意のメールを選択して関連付けのリンクを設定することができるようになる。
【0034】
また、請求項6にかかる発明によれば、請求項3にかかる発明において、前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、メール受信キーまたはメール受信処理の操作であり、受信したメールに前記設定されたリンクが付加されている場合、前記メール処理制御部は、該受信メールに付加されたリンクに基づいて関連するメールにリンク設定を行う。
【0035】
このような構成によれば、リンクが設定されたメールを受信することによって当該受信メールと関連する他のメールにリンクを設定することができるようになる。
【0036】
また、請求項7にかかる発明によれば、請求項3にかかる発明において、前記リンク記録部に複数のリンクが記録されている場合、前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作に応じて受信日付または送信日付が新しいメールから順に前記表示部に表示する。
【0037】
このような構成によれば、メールに複数のリンクが階層的に設定された場合でも、日付の新しい順に表示することができるようになる。
【0038】
また、請求項8にかかる発明によれば、携帯電話は、メール送信に際して当該メールに関連する他の送信メールまたは受信メールとの間を関連付けるリンクを設定して前記表示メモリを分割して表示する携帯電話に送信する。
【0039】
このような構成によれば、表示メモリを分割して関連するメールを同時に表示する携帯電話に、メールを関連付けるリンクを設定して送信することができる携帯電話を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための画面分割機能を有する携帯電話を例示するものであって、本発明をこの携帯電話に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の携帯電話にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0041】
図1は、本発明の実施例にかかる携帯電話10の構成を示すブロック図、図2は図1の携帯電話10の外観を示す外観図である。
【0042】
携帯電話10は、通話部11と本発明にかかる機能制御部21から構成されている。通話部11は、マイク12とスピーカ13と無線部14とから構成されている。無線部14は、アンテナ、送受信回路、変復調回路、圧縮伸長回路、音声コーデック等を含んでおり、該無線部14を介してマイク12から入力された音声を音声信号として送信し、通話の相手方の音声信号を受信してスピーカ13に出力する。
【0043】
機能制御部21は、主制御部22、表示部23、操作部24、受信メール記憶部25、送信メール記憶部26、メール一覧記憶部27、メール表示制御部28、表示メモリ29、メール処理制御部30などを備えて構成されている。主制御部22は、マイクロコンピュータ、RAM、ROM等からなりコンピュータ装置として機能し、無線部14および機能制御部21の上記各部を制御する。
【0044】
表示部23、操作部24は、携帯電話10における通話のための表示および操作の他に、インターネット網を介したデータ通信のための操作および表示にも使用される。操作部24は、通話時に電話番号入力をするため、また、電子メールをはじめとするインターネット網を介した各種のデータ通信サービスを利用するために所望の文字列を入力するために使用される。例えば、メール受信機能を起動している場合には、操作部24は当該携帯電話10に着信したメールを受信し、表示部23は受信したメールを表示するために使用される。
【0045】
本発明においては、表示部23の表示画面を分割し、受信メールと返信メールのように互いに関連するメールの場合、メールを受信して返信メール処理の操作が行われると、自動的に分割画面に当該受信メールと返信メール作成画面を表示し、両メールを同時に参照できるようにする。メールは画面分割されて表示されるので、夫々に表示を独立してスクロールさせることができる。なお、本画面分割は表示部に複数の画面領域を設けることであり、パーソナルコンピュータのマルチウィンドウのような表示も含む。
【0046】
また、受信メールと返信メールのように互いに関連するメールの場合、相互に関連付け(リンク付け)をしておくことにより、分割した表示画面に関連するメールを表示するように構成している。このため、メール処理制御部30はメール一覧記憶部27に受信メール、送信メールのリストを記憶する際に、後述する簡単なキー操作でメール間の関連付け(リンク付け)をする。
【0047】
図3、図4は、メール一覧記憶部27に記憶される受信メール一覧、送信メール一覧のデータ構成を示す図である。受信メール一覧には、図3に示すように新しいメールから順にメールIDが付され、送信者/アドレス(メールアドレス)、メールの表題、受信日時が記憶され、他のメールとの関連付けを示すリンクLK1〜LKNが設定できるように構成されている。
【0048】
送信メール一覧も受信メール一覧と同様のデータ構成であり、図4に示すように、宛先/アドレス(メールアドレス)、メールの表題、送信日時が記憶され、他のメールとの関連付けを示すリンクLK1〜LKNが設定できるように構成されている。
【0049】
関連付けは受信メールに対する返信メールを送信した場合にはメール処理制御部30が自動的に両メールにリンクLKNを設定する。また、利用者がメール処理制御部30を介して任意のメールを選択して手動で関連付けのリンクLKNを設定することができる。このため、操作部24の特定のキー、例えば、機能キー243の1つにメールのリンクキーを割り当てておき、利用者がこのリンクキーを操作するとメール処理制御部30が関連付け処理を行うように構成されている。
【0050】
関連付けされたメールを表示する際、メール表示制御部28は、受信メール記憶部25、送信メール記憶部26から関連付けられたメールを読み出し、表示メモリ29に展開して表示部23に表示する。この場合、メール表示制御部28は表示メモリ29を分割して画面を上下2つに分け、例えば、一方には受信メールのデータを、他方には返信メールのデータを展開して表示部23に表示する。受信メールを表示中に当該受信メールに対する返信メール作成操作がされた場合には、一方に受信メールを表示し、他方に返信メール作成画面を表示する。この手順の詳細については後述する。
【0051】
操作部24には、通話キー241、機能選択キー243、テンキー245が設けられ、通話時にはテンキー245を操作して電話番号を入力し、通話キー241を操作すると発信できる。また、テンキー245には英数字、カタカナ、ひらがなの文字が割り当てられ、図示していない英数カナ変換制御部により文字コード変換が行われる。文字コード変換は、入力モードが英数カナあるいはかな漢字変換モードであるかによりそれぞれ操作されたキーに応じた入力文字コードに変換される。機能選択キー243は携帯電話10の所定の機能を有効にするキーであり、メーカー、機種によりこのキーに割当てられる機能は異なる。
【0052】
図2は、図1に示す携帯電話10の外観を示す図である。携帯電話10は液晶表示ユニットなどで構成された表示部23と操作部24とを備えており、操作部24には通話キー241と機能選択キー243と複数のテンキー245が設けられ、また、参照番号を付していないモードキーや表示部23に表示された画面の特定表示画像を操作するためのカーソルキーなどを備えている。
【0053】
機能キー243の1つにメール機能が割り当てられており、メール機能が選択されると表示部23にメール処理のメニュー画面が表示され、利用者は表示画面に表示されたメニューから所望のメール処理を選択する。例えば、メール送信やメール受信を選択してメールの送受信をしたり、送受信メールの一覧を表示して所望のメールを指定して表示させたり、削除、転送などのメール処理をしたりすることができる。また、携帯電話の機種によっては、着信メール履歴を表示させると自動的にメール機能に切り替わるように構成された機種もある。
【0054】
次に、本発明の実施例にかかる携帯電話10のメール操作の手順について説明する。図5は、受信メールの表示中におけるメールの関連付け処理の手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS11において受信メールを表示部23に表示中であるか否かを判定する。受信メールを表示中でなければステップS11の処理を繰り返す。
【0055】
ステップS11の処理において受信メールを表示部23に表示中であれば、ステップS12の処理に進み、返信キーまたは返信メール作成の操作があったか否かを判別する。返信の操作がなければステップS17の処理において終了キー操作がなされたか否かを判別し、終了キー操作があればリターンし、終了キー操作がなければステップS12の処理に戻る。
【0056】
ステップS12の処理において、返信キーまたは返信メール作成の操作があれば、ステップS13の処理に進み、受信メールとそれに対する返信メールそれぞれにリンクを設定する(メールの関連付けを行う)。例えば、返信メールのリンクLK1にリンク番号「1」を付加し、対応する受信メールのリンクLK1にリンク番号「2」を付加する。この時、表示部23の表示画面は、例えば、上下に2分割され、上部に受信メールが表示され、下部には返信メール作成画面が表示される。画面分割は、前述したように表示メモリ29を2分割してそれぞれに表示画像を展開することによって行うことができる。
【0057】
リンクが付加されたメールが更に他のメールと関連付けられる場合は、次のリンクLK2に次のリンク番号「3」が付加され、順次リンクLKNまでリンク番号を付加して複数のメールとの関連付けを設定(リンク設定)することができる。
【0058】
ステップS14の処理において返信メール作成画面を用いて利用者は返信メールを作成する。返信メールの作成が完了し、ステップS15の処理において送信キーが操作されると、ステップS16の処理において、リンクが設定された返信メールが受信メールの送信者に対して返信される。この時、受信メール一覧の該当する受信メールに対してリンクLK1に返信メールのリンク番号「2」が記録され、送信メール一覧の該当する返信メールに対してリンク番号「1」が記録される。この関係を図8Aに概念的に図示している。
【0059】
リンク番号「1」が付加された返信メールを受信した利用者は、このリンク番号「1」を自身の保存手段に保存するとともに、該当する送信メールにリンク番号「2」を記憶する。
【0060】
ステップS15の処理において送信キーが操作されていない場合、ステップS18の処理に進み、リンクキーの操作がなされたか否が判別される。リンクキーの操作がなければステップS15の処理に戻る。ここで、リンクキーとしては、操作部24の機能キーあるいは表示画面に表示されるソフトキーあるいは特定のテンキーの何れかが割り当てられているものとする。このリンクキーは、返信メール処理により自動的にリンク付けする機能に対して、利用者が手動によりメール間のリンク付けをする機能キーである。
【0061】
リンクキーの操作があればステップS19の処理においてリンクLK1〜LKNを順次参照して次のリンク有無が判別され、次のリンク付けされたメールがなければステップS21の処理に進み、返信メール作成画面が表示され、返信メールを作成することができる。返信メールの作成が終了するとステップS15の処理に戻り送信キー操作の有無を判別する。ステップS19の処理において次のリンク有りの場合、ステップS20の処理に進みリンクを設定してステップS15の処理に戻り、送信キー操作の有無を判別する。リンクキーが操作された場合の動作手順については、後述する。
【0062】
図6は、メールの受信操作時に関連するメール間の関連付け(リンク付け)を行う場合の手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS31の処理においてメール受信があるか否かを判別する。メール受信があればステップS32の処理において、受信メールにリンク番号が付加されているか否かを判別する。受信メールにリンク番号が付加されていなければリターンする。
【0063】
受信メールにリンク番号が付加されていればステップS33の処理においてリンクを設定してリターンする。リンクを設定する処理とは、先に述べたように、受信メールに付加されたリンク番号に基づいて、受信一覧または送信一覧のリンクLK1〜LKNの記憶位置に順次該当するリンク番号を記憶する処理である。
【0064】
例えば、図8Bに示すように、Bから受信したメール「2」にリンク番号「1」が付加されていれば、受信したAは受信メール「2」のリンク先を該当する送信メール「1」に設定する。更に、Aの送信メール「1」にリンク番号「2」を設定して受信メール「2」をリンクさせる。これにより、Aの送信メール「1」と受信メール「2」が互いにリンク付けられる。
【0065】
一方、ステップS31の処理において、メール受信でなければステップS34の処理に進み、返信操作がなされたか否かを判別する。返信操作がなされていたならば、ステップS33の処理に進みリンク設定してリターンする。返信操作がなければステップS35の処理において手動リンク設定操作(リンクキー操作)されたか否かを判別する。
【0066】
ステップS35の処理において、手動リンク設定操作がなければリターンし、手動リンク操作があれば、ステップS33の処理において利用者はメール間のリンクを設定しリターンする。このような手動リンク設定操作を行うことにより、送信メールや受信メールの任意のメールにリンクさせることができる。
【0067】
図7は、リンクキーを操作して関連付けされたメールの表示を行う手順を示すフローチャートである。まず、ステップS41の処理においてリンクキーの操作があるか否かを判別する。リンクキーの操作がなければリターンし、リンクキーの操作があればステップS42の処理に進む。
【0068】
ステップS42の処理においてメール画面を表示中かを判別する。メール画面表示中であれば、ステップS43の処理において次のリンク有無(リンク番号が記録されたリンクLK1〜LKNの有無)が判別される。次のリンク付けされたメールがなければステップS45の処理に進みメール画面の表示に戻りリターンする。
【0069】
ステップS43処理において、次のリンク付けされたメールがあればステップS44の処理においてリンク設定画面が表示され、任意のメールを選択すると関連付けのリンク番号が自動的に割り振られ、リンク設定が行われリターンする。
【0070】
一方、ステップS42の処理において、メール画面の表示でなければステップS46の処理に進み受信メールまたは送信メールのメール一覧画面を表示中か否かを判別する。メール一覧画面を表示中でなければリターンする。メール一覧画面を表示中であれば、ステップS47の処理において次のリンク有無が判別される。次のリンク付けされたメールがなければステップS49の処理に進み元のメールの一覧画面表示に戻る。この時、カーソルの位置は元のメールの位置(該当するリンク番号のメール位置)に表示される。
【0071】
ステップS47の処理において次のリンク付けされたメールがあればステップS48の処理に進みリンクされたメールの一覧画面が表示される。この時、カーソルの位置は元のメールの位置(該当するリンク番号のメール位置)に表示される。
【0072】
図8は、返信メール操作およびリンク付メール受信によってメール間のリンクを設定する処理を説明する模式図であり、図8Aは返信メール操作によりリンク設定する処理、図8Bはリンク付メール受信によってリンク設定する処理、図8Cは更に返信メール操作によってリンク設定を追加する処理、図8Dは更にリンク付メール受信によってリンク設定する処理を説明する模式図である。
【0073】
図8においてAは一方の携帯電話、Bは他方の携帯電話を示している(以下単にA、Bという)。図8Aは、AからBに送信されたメール「1」をBが受信して、BがA宛に返信メール「2」を作成して送信する場合を示している。図5のフローチャートで説明したように、Bにおいてメール「1」を受信、表示中に返信キーまたは返信メール作成の操作があれば、返信メール「2」のリンクLK1にリンク番号「1」を付加し、対応する受信メール「1」のリンクLK1にリンク番号「2」を付加する。この時、表示部23の表示画面は、例えば、上下に2分割され、上部に受信メールが表示され、下部には返信メール作成画面が表示される。
【0074】
一方、図8Bに示すようにBからAに対して返信操作によってリンク設定された返信メール「2」を受信したAは、リンク付メールを受信したことによって、図6のフローチャートにおいて説明したように、返信メール「2」に付加されたリンク番号「1」を受信メールに付加し、該当する送信メール「1」にリンク番号「2」を付加する。
【0075】
BからAに送信された返信メール「2」に対して、更にAからB宛に返信メール「3」を作成して送信すると、図8Cに示すように返信メール「3」における次のリンクLKNにリンク番号「2」が設定され、受信メール「2」における次のリンクLKNにリンク番号「3」が設定される。また、AからBに送信された元の送信メール「1」における次のリンクLKNにもリンク番号「3」が追加される。
【0076】
このリンク設定された返信メール「3」をBが受信すると、図8Dに示すように自動的にリンク設定がなされ、それぞれのメールにおける次のリンクLKNにリンク番号「3」が追加される。このようなリンク設定は、リンクキーを操作して手動で関連付けするメールを選択してリンク設定する場合も同様である。
【0077】
このようにして受信メールに対する返信メール、リンク設定されたメール受信、リンクキー操作により選択したメールの間でリンク設定し、表示画面を分割してそれぞれの画面にリンク設定された関連するメールを表示することができる。
【0078】
なお、リンク設定の方法は、上記実施例に説明した方法に限ることはなく、他の方法によってもよい。例えば、送受信メールのそれぞれにメールIDを付しておき、関連付けを行うメールのメールIDをリンクLK1〜LKNに記憶してリンク設定する方法であってもよい。
【0079】
また、返信メールの作成操作やリンク情報が付加された受信メールや手動リンク設定操作によりリンクされたメールの表示方法は、上記実施例では基のメールも表示する画面分割であったが、基のメールとリンクされたメールをトグルで切り替える方法でもよく、単にリンクされたメールを表示するだけでも、簡単な操作で所望するメール表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施例にかかる携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯電話の外観を示す図である。
【図3】受信メール一覧のデータ構成を示す図である。
【図4】送信メール一覧のデータ構成を示す図である。
【図5】受信メールの表示中におけるメールの関連付け処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】メール受信時にメール間の関連付け処理を行う手順を示すフローチャートである。
【図7】リンクキーを操作し、任意のメール間の関連付け処理を行う手順を示すフローチャートである。
【図8】返信メール操作およびリンク付メール受信によってメール間のリンクを設定する処理を説明する模式図であり、図8Aは返信メール操作によりリンク設定する処理、図8Bはリンク付メール受信によってリンク設定する処理、図8Cは更に返信メール操作によってリンク設定を追加する処理、図8Dは更にリンク付メール受信によってリンク設定する処理を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0081】
10・・・携帯電話
11・・・通話部
12・・・マイク
13・・・スピーカ
14・・・無線部
21・・・機能制御部
22・・・主制御部
23・・・表示部
24・・・操作部
25・・・受信メール記憶部
26・・・送信メール記憶部
27・・・メール一覧記憶部
28・・・メール表示制御部
29・・・表示メモリ
30・・・メール処理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールの送受信機能を有する携帯電話において、
前記携帯電話は、メールを表示する表示部と、メール表示制御部と、表示メモリと、を備え、
予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になった複数のメールに対して、前記メール表示制御部は前記表示メモリを分割し、分割された表示メモリに前記メールのそれぞれを展開して前記表示部に表示することを特徴とする携帯電話。
【請求項2】
前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、受信メールに対する返信メールキーまたは返信メール処理の操作であることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話。
【請求項3】
前記携帯電話は、更に、各メールごとに関連するメールとの間を関連付けるリンク記録部を有する送信メールおよび/または受信メールのメール一覧記憶部と、メール処理制御部と、を備え、
前記メール処理部は、予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になったメールに対して前記リンク記録部にリンク設定を行い、前記メール表示制御部は前記表示メモリを分割し、分割された表示メモリに互いに関連付けられてリンク設定されたメールのそれぞれを展開して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話。
【請求項4】
前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、受信メールに対する返信メールキーまたは返信メール処理の操作であることを特徴とする請求項3に記載の携帯電話。
【請求項5】
前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、メールの関連付けのためのリンクキーまたはメールのリンク設定処理の操作であり、該操作が行われた場合、前記メール処理制御部は、メール一覧を表示部に表示し、リンク設定するメールを選択することを特徴とする請求項3に記載の携帯電話。
【請求項6】
前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作は、メール受信キーまたはメール受信処理の操作であり、受信したメールに前記設定されたリンクが付加されている場合、前記メール処理制御部は、該受信メールに付加されたリンクに基づいて関連するメールにリンク設定を行うことを特徴とする請求項3に記載の携帯電話。
【請求項7】
前記リンク記録部に複数のリンクが記録されている場合、前記予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作に応じて受信日付または送信日付が新しいメールから順に前記表示部に表示することを特徴とする請求項3に記載の携帯電話。
【請求項8】
メールを表示する表示部と、メール表示制御部と、表示メモリと、メールごとに関連するメールとの間を関連付けるリンク記録部を有する送信メールおよび/または受信メールのメール一覧記憶部と、を備え、予め定められた特定のキー操作、または、メール処理操作が行われた場合、当該操作の対象になった複数のメールに対して、前記メール表示制御部は前記表示メモリを分割し、前記リンク記録部にリンクが設定されたメールのそれぞれを前記分割された表示メモリに展開して表示部に表示する携帯電話と通信する携帯電話と通信する携帯電話であって、
該携帯電話は、メール送信に際して当該メールに関連する他の送信メールまたは受信メールとの間を関連付けるリンクを設定して前記表示メモリを分割して表示する携帯電話に送信することを特徴とする携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−208445(P2007−208445A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22822(P2006−22822)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】