説明

携帯電話

【課題】電話やメールの未確認の着信がある場合に、その旨をユーザに報知すること。
【解決手段】複数種類の報知手段140、150、160、170と、各報知手段140、150、160、170の動作を制御する制御手段110と、通信相手の電話番号やメールアドレスを示す通信相手データを格納するデータ格納手段であって、任意の通信相手データに対して、当該通信相手データによって示される通信相手の電話番号やメールアドレスからの未確認の着信があった場合の各報知手段の動作方法の設定を格納するデータ格納手段130とを備え、制御手段110は、未確認の着信があった通信相手の電話番号やメールアドレスに対して、各報知手段140、150、160、170の動作方法の設定がデータ格納手段130に格納されている場合、当該設定による動作方法に従って動作するよう各報知手段140、150、160、170を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に関する。特に、本発明は、電話やメールの未確認の着信がある場合に、その旨をユーザに報知する携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話には、不在着信や未読メールがあった場合、携帯電話が自発的にLEDの点滅を行う機能や、ユーザが意識的に不在着信又は未読メールが存在するか確認するためにボタンを押す等自発的に確認行為を行うことで、バイブレータの動作、着信音の鳴動等により存在を知らせる機能があった。
【0003】
しかし、LEDの点滅では視覚のみの利用という点で、携帯電話をポケット又はかばん等に入れている場合等ではLEDの点滅に気付くことができず、ユーザが不在着信又は未読メールの存在を知る機会が遅れてしまう恐れがあった。また、ユーザが意識的に不在着信又は未読メールが存在するか確認するためにボタンを押す等自発的に確認行為を行うことで、バイブレータの動作又は着信音の鳴動等でユーザへ存在を知らせる手段では、自発的に不在着信又は未読メールの確認行為を行うことをしない場合に、大切な電話やメールがあったことを知る機会が遅くなってしまうという恐れがあった。
【0004】
このような問題を解決するための技術としては、自機宛の着信信号を無線部で受信し、バイブレータによる振動で着信報知を行うことのできる無線電話装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−016671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術によっては、いつまでも不在着信があったことを気付かずに放置される状態をより早く解消できるという効果がある。ところで、不在着信の中には、急を要する相手からのものと、そうでない相手からのものとがある。急を要する相手からの不在着信は、他の用を差し置いても、できるだけ早く確認したいものである。一方、急を要さない相手からの不在着信は、他の用がある場合、できれば、その確認を後回しにしたいものである。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、このような急を要する相手からの不在着信であるか否かによらず、全ての不在着信について、同じように報知する。そのため、ユーザは、他の用を行っている場合に、急を要さない相手からの不在着信をも確認しなければならないことにもなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、電話やメールの未確認の着信がある場合に、その旨をユーザに報知する携帯電話であって、複数種類の報知手段と、各報知手段の動作を制御する制御手段と、通信相手の電話番号やメールアドレスを示す通信相手データを格納するデータ格納手段であって、任意の通信相手データに対して、当該通信相手データによって示される通信相手の電話番号やメールアドレスからの未確認の着信があった場合の各報知手段の動作方法の設定を格納するデータ格納手段とを備え、制御手段は、未確認の着信があった通信相手の電話番号やメールアドレスに対して、各報知手段の動作方法の設定がデータ格納手段に格納されている場合、当該設定による動作方法に従って動作するよう各報知手段を制御する。
【0008】
なおまた、上記のように発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、この発明においては、電話番号やメールアドレス毎に、不在着信又は未読メールが存在する時の動作を予め設定しておくことによって、特定の相手からの不在着信や未読メールの存在を視覚、聴覚、触覚を利用して的確に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】携帯電話100のブロック構成の一例を示す。
【図2】不在着信時、未読メール存在時に図1の制御部110が行うLED140、ディスプレイ150、バイブレータ160、スピーカー170に対しての制御動作を示す図である。
【図3】個別の制御動作の設定を示す図である。
【図4】汎用の制御動作の設定を示す図である。
【図5】携帯電話の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、携帯電話100のブロック構成の一例を示す。携帯電話100は、不在着信や未読メールがある場合に、その旨をユーザに報知する機能を持っている。
【0013】
携帯電話100は、制御部110、無線通信部120、メモリ130、LED(Light Emitting Diode)140、ディスプレイ150、バイブレータ160、及びスピーカー170を備える。なお、制御部110は、この発明における「制御手段」の一例であってよい。また、メモリ130は、この発明における「データ格納手段」の一例であってよい。また、LED140、ディスプレイ150、バイブレータ160、及びスピーカー170は、この発明における「報知手段」の一例であってよい。
【0014】
制御部110は各部と接続されている。このうちメモリ130は、制御部110が実行するための各種の制御用プログラムや電話番号、メールアドレス等の電話帳データを格納している。本発明で使用する電話番号と不在着信が存在する時の動作、メールアドレスと未読メールが存在する時の動作の情報もメモリ130に保存される。無線通信部120は、音声発着信やメール受信等、無線通信を行うブロックである。スピーカー170は、制御部110から出力される着信音等を出力する。ディスプレイ150は、図示しない装置本体の前面、又は背面に配置されており、白黒あるいはカラーの液晶パネルあるいは有機EL(電子蛍光)等の表示装置である。LED140及びバイブレータ160は、制御部110によって点灯/消灯、回転/停止を制御される。
【0015】
以下本発明の動作を説明する。ユーザは事前に任意で電話番号と不在着信が存在する時の携帯電話の動作、メールアドレスと未読メールが存在する時の携帯電話の動作を設定することができる。不在着信が存在する時の携帯電話の動作及び未読メールが存在する時の携帯電話の動作の具体的な例として図2に示した。図2では、不在着信時、未読メール存在時に図1の制御部110が行うLED140、ディスプレイ150、バイブレータ160、スピーカー170に対しての制御動作を示している。この設定は図1のメモリ130に保存される。
【0016】
LED140、ディスプレイ150、バイブレータ160、スピーカー170に対する動作はそれぞれ個別に設定することができるため、図3に示すように、LEDのみ点滅させるパターンやバイブレータ動作と着信音の鳴動を連動させるパターン等、相手によって不在着信又は未読メールが存在する時の携帯電話の動作を変化させて設定することができる。
【0017】
また、電話番号とメールアドレス毎への設定は任意であるため、図4に示すように、設定を行っていない電話番号からの着信やメールアドレスからのメール受信時の動作は、汎用の動作として一括で設定を行うことができる。
【0018】
図5のフローチャートに従い、不在着信が存在する時の携帯電話の動作、未読メールが存在する時の携帯電話の動作を説明する。電話又はメール着信があり(S101)、相手が切断動作を行うと(S102)、不在着信有り又は未読メール有りの状態となる。
【0019】
上記のとおり、ユーザは事前に任意で電話番号と不在着信が存在する時の携帯電話の動作、メールアドレスと未読メールが存在する時の携帯電話の動作を設定しているため、着信のあった電話番号又は受信メールのメールアドレスに不在着信が存在する時の携帯電話の動作又は未読メールが存在する時の携帯電話の動作が設定されているか制御部110はメモリ130を確認する(S103)。
【0020】
メモリ130に設定が保存されている場合は(S103:Yes→S104)、その設定内容のとおりの動作を実行する(S105)。メモリ130に設定が保存されていない場合は(S103:No→S106)、メモリ130に保存されている汎用設定動作を実行する(S107)。設定動作はユーザが不在着信又は未読メールを確認するまで継続され(S108:No→S109の繰り返し)、確認されると(S108:Yes)、動作は終了となる。
【0021】
更に本発明では、図2の設定に追加して継続時間の設定を設けても良い。継続時間の設定を設けることでユーザが都合により長い期間不在着信や未読メールを確認できなかった場合に継続してLED点滅、LCD表示、バイブレータ動作、着信音鳴動等の動作を行い続けることによる電池の消耗を防ぐことができる。
【0022】
以上説明したように本発明によれば、LED点滅に加えて、LCD表示、バイブレータ、着信音鳴動等の手段によって不在着信や未読メールの存在を知らせる方法をとるため、視覚に加え、聴覚、触覚を利用して携帯電話をポケット又はかばん等に入れている場合等での不在着信又は未読メールの存在をより気づきやすくすることができる効果がある。
【0023】
また、あらかじめ電話番号及びメールアドレス毎に不在着信又は未読メールが存在する時の動作(LED点滅、LCD表示、バイブレータ動作、着信音鳴動)を設定しておくことによって、特定の相手からの不在着信や未読メールの存在を視覚、聴覚、触覚を利用して的確に知らせることができるという効果がある。また、重要でない相手からの不在着信や未読メール等、存在を積極的に知らせる必要がない場合にも、個別設定又は汎用設定を可能にしていることにより携帯電話から不在着信や未読メール等、存在を積極的に知らせることを防止することも可能である。
【0024】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0025】
100 携帯電話
110 制御部
120 無線通信部
130 メモリ
140 LED
150 ディスプレイ
160 バイブレータ
170 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話やメールの未確認の着信がある場合に、その旨をユーザに報知する携帯電話であって、
複数種類の報知手段と、
前記各報知手段の動作を制御する制御手段と、
通信相手の電話番号やメールアドレスを示す通信相手データを格納するデータ格納手段であって、任意の前記通信相手データに対して、当該通信相手データによって示される通信相手の電話番号やメールアドレスからの未確認の着信があった場合の前記各報知手段の動作方法の設定を格納するデータ格納手段と
を備え、
前記制御手段は、未確認の着信があった通信相手の電話番号やメールアドレスに対して、前記各報知手段の動作方法の設定が前記データ格納手段に格納されている場合、当該設定による動作方法に従って動作するよう前記各報知手段を制御することを特徴とする携帯電話。
【請求項2】
前記制御手段は、未確認の着信があった通信相手の電話番号やメールアドレスに対して、前記各報知手段の動作方法の設定が前記データ格納手段に格納されていない場合、予め定められた汎用の設定による動作方法に従って動作するよう前記各報知手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話。
【請求項3】
前記制御手段は、前記各報知手段の動作方法の設定として、当該各報知手段を動作させるべき時間が設定されている場合、当該設定の時間の間動作するよう前記各報知手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電話。
【請求項4】
前記制御手段は、前記設定された時間が経過していなくても、ユーザによって前記未確認の着信について確認する旨の操作がなされた場合、前記各報知手段の動作を停止させることを特徴とする請求項3に記載の携帯電話。
【請求項5】
前記複数種類の報知手段のうち少なくとも一の報知手段はLEDであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯電話。
【請求項6】
前記複数種類の報知手段のうち少なくとも一の報知手段はディスプレイであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯電話。
【請求項7】
前記複数種類の報知手段のうち少なくとも一の報知手段はバイブレータであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯電話。
【請求項8】
前記複数種類の報知手段のうち少なくとも一の報知手段はスピーカーであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−84963(P2012−84963A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227278(P2010−227278)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】