説明

搾乳機の動作モード切換方法及び搾乳システム

【課題】 搾乳時又は洗浄時に、対応する搾乳動作モード又は洗浄動作モードに、自動で切換可能にして作業工数の低減及び作業能率の向上を図るとともに、切換を忘れるなどの不具合及び設備の煩雑化を回避し、かつ低コスト性を高める。
【解決手段】 交流電源Pp又はこの交流電源Ppを整流した整流電源Phの、一方を搾乳ゾーンHsにおける搾乳機Uを接続するタップ2sに供給し、かつ他方をメンテナンスゾーンHcにおける搾乳機Uを接続するタップ2mに供給するとともに、搾乳機Uをタップ2s,2mに接続した際に、搾乳機Uに備えるコントローラ3により、タップ2s,2mから供給される電源が交流電源Ppであるか又は整流電源Phであるかを判別処理し、搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搾乳動作モードと洗浄動作モードを備える搾乳機の当該動作モードを切換えるための搾乳機の動作モード切換方法及び搾乳システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のストールに係留された乳牛を搾乳する搾乳機を備える搾乳システムは知られており、例えば、特許文献1には、搾乳ユニットの自動搬送装置を備える搾乳システムが開示されている。
【0003】
この搾乳システムは、乳牛を係留する複数のストールの配列方向に沿って配した主レール及びこの主レールから分岐してストール間に配した複数の分岐レールを有するガイドレール部,主待機レールから所定間隔おきに分岐することによりホームポジションに配した複数の分岐待機レールを有する待機レール部,及び主待機レールとガイドレール部を接続する配送レール部を備えるとともに、各レール部を自走して搾乳ユニットを搬送する複数の搬送機(搾乳機)を備えている。これにより、搾乳機をガイドレール部に沿って移動させ、所定の分岐レールまで移動させたなら、搾乳ユニット(搾乳機)に備えるディストリビュータを、ストール側のミルクラインに付設したミルクタップに接続して搾乳を行うとともに、全搾乳が終了したなら搾乳機をホームポジションにおける分岐待機レールまで移動させて搾乳ユニットの洗浄を行うことができる。
【0004】
一方、搾乳ユニットには、通常、乳量計を付設することにより搾乳時における乳量の測定を行っている。搾乳ユニットに付設する乳量計としては、送乳ラインとなるミルクチューブの内部に臨ませた一対の電極を用いて流れる乳を検出する比較的簡易な構成によるフリーフロー式の乳量計が知られているが、近時、より正確な乳量測定が要請され、既に、本出願人も、この要請に応える貯留式の乳量計を特許文献2により提案した。
【0005】
この乳量計は、搾乳機に搭載可能であり、高い測定精度により乳量を測定することができるものであり、基本構成として、送乳ラインの中途に接続し、流入口から流入する乳を貯留可能な計量容器部と、この計量容器部の内部に配し、かつ貯留される乳の低位置の液面を検知する低位置電極部及び貯留される乳の高位置の液面を検知する高位置電極部を有する液面検知部と、計量容器部の下部に設けた流出口を開閉可能な弁機構部と、低位置電極部の検知により流出口を閉じ、かつ高位置電極部の検知により流出口を開くように弁機構部を制御する制御系とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−055122号公報
【特許文献2】特開2011−103813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来における乳量計を搭載した搾乳機及びこの搾乳機を備える搾乳システムは、次のような解決すべき課題が存在した。
【0008】
第一に、洗浄を行う場合、フリーフロー式の乳量計は、ミルクチューブに洗浄液を流すのみで電極の洗浄も可能となるが、貯留式の乳量計は、弁機構部を備えるため、洗浄時には、弁機構部を駆動制御する必要があり、しかも、十分な洗浄を行うには搾乳時に対して異なる制御により動作させることも必要となる。このため、搾乳ユニットのコントローラには、異なる制御パターンにより動作する搾乳動作モードと洗浄動作モードを設定しているが、搾乳時と洗浄時に、その都度、各動作モードに切換操作する必要があり、作業工数の増加及び作業能率の低下を招くとともに、切換を忘れた場合には、乳量の測定が不能になったり十分に洗浄できなくなるなどのトラブル要因となる虞れがある。
【0009】
第二に、搾乳動作モード又は洗浄動作モードを自動で切換えるようにすればよいが、自動切換を実現するためには、例えば、搾乳機に、移動した場所が搾乳ゾーンであるか洗浄や搾乳動作設定の変更などを行うメンテナンスゾーンであるかを識別する識別機能を設け、この識別結果により動作モードを自動で切換えるための別途のシステムを設ける必要があるなど、設備の煩雑化を招くとともに、無視できないコストアップ要因となる。
【0010】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した搾乳機の動作モード切換方法及び搾乳システムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る搾乳機の動作モード切換方法は、上述した課題を解決するため、搾乳ゾーンHsで搾乳を行う搾乳動作モードXsとメンテナンスゾーンHcで洗浄を行う洗浄動作モードXcを備える搾乳機Uにおける動作モードを切換えるための動作モード切換方法であって、交流電源Pp又はこの交流電源Ppを整流した整流電源Phの、一方を搾乳ゾーンHsにおける搾乳機Uを接続するタップ2sに供給し、かつ他方をメンテナンスゾーンHcにおける搾乳機Uを接続するタップ2mに供給するとともに、搾乳機Uをタップ2s,2mに接続した際に、搾乳機Uに備えるコントローラ3により、タップ2s,2mから供給される電源が交流電源Ppであるか又は整流電源Phであるかを判別処理し、搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る搾乳システム1は、上述した課題を解決するため、搾乳ゾーンHsで搾乳を行う搾乳動作モードXsとメンテナンスゾーンHcで洗浄を行う洗浄動作モードXcを設定した搾乳機Uを備える搾乳システムであって、交流電源Pp又はこの交流電源Ppを整流した整流電源Phの、一方を搾乳ゾーンHsにおける搾乳機Uを接続するタップ2sに供給し、かつ他方をメンテナンスゾーンHcにおける搾乳機Uを接続するタップ2mに供給する電源供給手段Fpを備えるとともに、搾乳機Uに備えるコントローラ3に、タップ2s,2mから供給される電源が交流電源Ppであるか又は整流電源Phであるかを判別処理する電源判別手段Fdと、この電源判別手段Fdの判別処理の結果に基づいて、搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理する動作モード切換手段Fcとを備えてなることを特徴とする。
【0013】
一方、本発明は、好適な実施の態様により、電源供給手段Fpには、交流電源Ppを全波整流して整流電源Phを得る全波整流回路4を設けることができる。他方、コントローラ3に備える電源判別手段Fdには、交流電源Ppを整流処理して半波成分Ppsを出力し、かつ整流電源Phを整流処理して0成分Phoを出力する整流出力回路5を設けることができる。したがって、この整流処理により、半波成分Ppsを得るときは交流電源Ppと判別し、かつ0成分Phoを得るときは整流電源Phとして判別できる。さらに、搾乳機Uには、タップ2s,2mから供給される交流電源Pp又は整流電源Phを直流化することにより搾乳機Uの動作用電源として出力する直流電源回路6を設けることができる。なお、本発明は、計量容器部21に乳Mを一定量貯留して排出する動作を繰り返して計量を行う貯留式の乳量計20を搭載する搾乳機Uに適用することが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
このような本発明に係る搾乳機Uの動作モード切換方法及び搾乳システム1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0015】
(1) 搾乳機Uをタップ2s,2mに接続した際に、搾乳機Uに備えるコントローラ3により、タップ2s,2mから供給される電源が交流電源Ppであるか又は整流電源Phであるかを判別処理し、搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理するようにしたため、搾乳時又は洗浄時には、それぞれ対応する搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに、自動で切換えることができ、作業工数の低減及び作業能率の向上を実現できる。しかも、切換を忘れるなどの不具合を回避できるため、乳量の測定が不能になったり十分に洗浄できなくなるなどのトラブル要因も解消できる。
【0016】
(2) 交流電源Pp又はこの交流電源Ppを整流した整流電源Phの、一方を搾乳ゾーンHsにおける搾乳機Uを接続するタップ2sに供給し、かつ他方をメンテナンスゾーンHcにおける搾乳機Uを接続するタップ2mに供給する電源供給手段Fpを備えるとともに、搾乳機Uに備えるコントローラ3に、タップ2s,2mから供給される電源が交流電源Ppであるか又は整流電源Phであるかを判別処理する電源判別手段Fdと、この電源判別手段Fdの判別処理の結果に基づいて、搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理する動作モード切換手段Fcとを設けたため、構成上は、既存の電源供給設備及びコントローラ3を備えれば足り、別途追加する構造上の部材や装置が不要となる。したがって、設備の煩雑化を招く虞れがないとともに、少数の電子部品追加により実現できることから低コスト性に優れる。
【0017】
(3) 好適な態様により、電源供給手段Fpに、交流電源Ppを全波整流して整流電源Phを得る全波整流回路4を設けて構成すれば、基本的には、一個のダイオードスタックの追加で足りるため、電源供給手段Fpの実施容易化及び低コスト化を図る観点から最も望ましい形態により実施できる。
【0018】
(4) 好適な態様により、コントローラ3に備える電源判別手段Fdに、交流電源Ppを整流処理して半波成分Ppsを出力し、かつ整流電源Phを整流処理して0成分Phoを出力する整流出力回路5を設ければ、一個のダイオードを基本とした整流回路により実現できるため、電源判別手段Fdの実施容易化及び構成簡易化を図る観点から最も望ましい形態により実施できる。
【0019】
(5) 好適な態様により、搾乳機Uに、タップ2s,2mから供給される交流電源Pp又は整流電源Phを直流化することにより搾乳機Uの動作用電源として出力する直流電源回路6を設ければ、交流電源Pp又はこの交流電源Ppを整流した整流電源Ph、特に、交流電源Ppを全波整流した整流電源Phにより、搾乳機Uの動作用電源となる直流電源回路6からは同一の大きさ(容量)の出力を得れるため、常に安定した動作を行わせることができる信頼性の高い電源を確保できる。
【0020】
(6) 好適な態様により、搾乳機Uに、計量容器部21に乳Mを一定量貯留して排出する動作を繰り返して計量を行う貯留式の乳量計20を搭載すれば、搾乳機Uにおいて乳量を正確に測定という基本的なニーズに確実に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の好適実施形態に係る動作モード切換方法を実施できる搾乳システムの要部の構成を示すブロック系統図、
【図2】同搾乳システムにおける電源判別手段の回路例を含む搾乳機(搾乳ユニット)の制御系のブロック回路図、
【図3】同搾乳システムにおける電源供給手段の回路例を示す構成図、
【図4】同搾乳システムの各部における信号波形のタイミングチャート、
【図5】同動作モード切換方法の処理手順を説明するためのフローチャート、
【図6】同動作モード切換方法を実施できる搾乳システムにおける搾乳機搬送系の概要図、
【図7】同搾乳システムに備える搾乳機の全体側面図、
【図8】同搾乳システムに備える搾乳機に搭載する乳量計の原理的構成図、
【図9】同搾乳システムにおける送乳系の概要図、
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
まず、本発明の理解を容易にするため、搾乳システム1の概要について、図1〜図9を参照して説明する。
【0024】
図6は、繋留牛舎H内に設置された搾乳システム1における搾乳機U…を搬送する搬送系の概要を示す。繋留牛舎Hは多数のストールAs…が配列するストール群A1…が設けられた搾乳ゾーンHsとこの搾乳ゾーンHsに隣接したメンテナンスゾーンHcを有する。搾乳ゾーンHsでは、各ストールAs…が通路52に沿って順次配されるとともに、各ストールAs…には乳牛C…が繋留される。例示した繋留牛舎Hは、二つの平行したストール群A1,A2を備える。一方、メンテナンスゾーンHcには、図9に示す洗浄装置61等のメンテナンス設備をはじめ、送乳系におけるレシーバジャー62及びバルククーラ63等を備えるとともに、管理コンピュータ等を設置する管理室を備える。
【0025】
そして、ストール群A1(A2も同じ)の上方には、当該ストール群A1に沿った搾乳システム1のガイドレール51を設置する。ガイドレール部51は、ストール群A1に沿って配した主レール51mと、この主レール51mの中途位置から直角方向に分岐し、かつストールAsとAs…間に配した複数の分岐レール51s…を備える。この場合、分岐レール51s…は、配列するストールAs…に対して一つ置き、即ち、相隣る分岐レール51sと51s…間に二つのストールAs…が入るように配する。また、メンテナンスゾーンHcにはホームレール51hを配し、このホームレール51hの端部と主レール51m…の端部を移送レール51tにより連結する。これにより、ガイドレール51の全体が構成される。
【0026】
一方、図6及び図7に示すように、ストール群A1における分岐レール51sの先端近傍には、ストール群A1に沿ったミルクライン(ミルクパイプ)Lm及び真空ライン(真空パイプ)Lvを配設するとともに、ミルクラインLm及び真空ラインLvにおける各分岐レール51sに対向する位置には搾乳用タップ(ミルクタップ)2s…を付設する。この搾乳用タップ2s…には、後述する搾乳機Uの先端に設けたディストリビュータ33が着脱する。搾乳用タップ2sは、ミルクラインLm及び真空ラインLvとの接続口を有するとともに、電源ラインLe(図3参照)の接続端子を有する。この場合、電源ラインLeは、後述する搾乳ユニットUa,Ubの電源となる交流電圧24〔V〕を供給する。具体的には、図1及び図3に示すように、商用交流電源AC100〔V〕に、電源プラグ14等を介して降圧トランス15tを用いた電圧変換部15の一次側を接続し、電圧変換部15の二次側にAC24〔V〕の交流電源Ppを得ている。
【0027】
他方、図9には、搾乳した乳Mを送る搾乳システム1における送乳系の概要を示す。ミルクラインLmは、上述したように、各ストールAs…に沿って配するとともに、一端側及び他端側を、それぞれレシーバジャー62に接続する。なお、図9中、2s…は、ミルクラインLmの中途に付設した前述の搾乳用タップを示す。また、メンテナンスゾーンHcに配したミルクラインLmの中途には、洗浄用タップ2m…を付設する。この洗浄用タップ2m…も基本的には前述した搾乳用タップ2sと同様に構成する。さらに、レシーバジャー62には、モイスチャートラップ65を介して真空ポンプ66を接続するとともに、レシーバジャー62の近傍に位置するミルクラインLmにはエアインジェクタ67を接続する。また、エアインジェクタ67とレシーバジャー62間のミルクラインLmには開閉バルブ68を直列に接続するとともに、洗浄用タップ2m…とエアインジェクタ67間におけるミルクラインLmには、エアインジェクタ67側が低くなる段差部Lpを形成する。さらに、レシーバジャー62の底部に設けた乳出口にはミルクポンプ69の吸入口を接続するとともに、このミルクポンプ69の吐出口は、ミルクパイプLsを介してバルククーラ63に接続する。また、61は洗浄装置を示し、洗浄液Wを収容する洗浄液槽71及びこの洗浄液槽71に洗浄剤を供給する洗浄剤供給部72等を備える。洗浄剤供給部72から供給される洗浄剤には、アルカリ洗浄剤,酸リンス剤及び殺菌剤が含まれる。
【0028】
一方、図6及び図7に示すように、ガイドレール51には、搾乳機U…を装填する。例示の場合、二台の搾乳機U,Uが装填されており、各搾乳機U…はそれぞれガイドレール51に沿って独立して移動できる。搾乳機Uは、ガイドレール部51上を駆動モータにより走行するキャリア部31及びこのキャリア部31に一体の主コントローラ32を備え、キャリア部31は主コントローラ32により駆動制御される。この場合、キャリア部31の停止や移動方向の制御は、キャリア部31に設けた検出部(検出センサ)がガイドレール部51の所定位置に配した被検出部を検出することにより行われる。また、搾乳機Uの先端には、前述した洗浄用タップ2m…に対して着脱するディストリビュータ33を備える。
【0029】
さらに、搾乳機Uは、キャリア部31の両側に吊下げた左右一対の搾乳ユニットUa,Ubを備える。搾乳ユニットUa(搾乳ユニットUbも同じ)は自動離脱装置41を備えるとともに、乳牛Cの各乳頭に装着する四つのティートカップ42…,ミルククロー43等を備える。そして、ティートカップ42…,ミルククロー43,自動離脱装置41及びディストリビュータ33間はミルクチューブLmt…により接続するとともに、ティートカップ42…,自動離脱装置41及びディストリビュータ33間は真空チューブLvt…により接続する。
【0030】
また、自動離脱装置41はハウジング41hにより覆われ、このハウジング41h内には、搾乳ユニットUaの全体の制御を司るコンピュータ機能を有する図2に示す搾乳ユニットコントローラ3を内蔵する。このコントローラ3は、CPU,メモリ(ROM,RAM等)11m等のハードウェアを有するコントローラ本体11を備え、メモリ11mには、各種データを登録するデータエリア11md及び各種プログラム(ソフトウェア)を格納するプログラムエリア11mpを有し、少なくとも各種プログラムには、搾乳ゾーンHsで搾乳を行うための搾乳動作モードXsとメンテナンスゾーンHcで洗浄を行うための洗浄動作モードXcに係わる処理プログラム(シーケンス制御プログラム)が含まれるとともに、各動作モードXs,Xcを切換えるための本実施形態に係る動作データ切換方法を実行する処理プログラムが含まれる。一方、ハウジング41hの正面側に設けた制御パネルには、図2に示す表示部11v及び操作部11sを配設し、この表示部11v及び操作部11sはコントローラ本体11に接続する。さらに、自動離脱装置41の内部には、巻上モータ46を配設する。この巻上モータ46により、ミルククロー43に接続した離脱用ワイヤ45を巻上げることができる。
【0031】
他方、自動離脱装置41の内部には、タップ2s(ディストリビュータ33)から供給される交流電源Ppを直流化することにより搾乳ユニットUaの動作用電源として出力する整流回路6a及び平滑回路6bからなる直流電源回路6を備える。具体的には、図2に示すように、入力側から、サージアブソーバSA1、ノイズ除去用のリアクタンスL1,L2及びコンデンサC1、整流用のダイオードスタックDs、平滑コンデンサC2を備え、図示のように結線される。これにより、直流電源回路6の入力には、ディストリビュータ33(タップ2s)からAC24〔V〕が印加され、直流電源回路6の出力には、直流化されたDC電源を得ることができ、このDC電源は搾乳ユニットUaにおける動作用電源として用いられる。なお、図2中、17はドライブ回路、18はパルセータ(バルブ)を示す。
【0032】
さらに、自動離脱装置41のハウジング41hの背面側には乳量計20を搭載する。この乳量計20は、計量容器部21に乳Mを一定量貯留して排出する動作を繰り返して計量を行う貯留式の乳量計を用いる。搾乳ユニットUaに、このような乳量計20を搭載すれば、搾乳機Uにおいて乳量を正確に測定という基本的なニーズに確実に応えることができる。乳量計20の構成を図8に示す。例示の乳量計20は、ミルクチューブLmtの中途に接続する計量容器部21を備える。計量容器部21は、縦方向中間部の二カ所に括れ部を有し、この括れ部により区画された、中間部を計量室Rm,上部を気液分離室Rs,下部を気液混合緩衝室Rdとして機能させる。また、上側の括れ部により中間口21mが形成され、下側の括れ部により流出口21eが形成されるため、この中間口21mと流出口21e間に、上下に一対の弁体を有する弁部22を配する。さらに、気液分離室Rsの上部には乳Mの流入口21iを臨ませ、この流入口21iに上流側のミルクチューブLmtを接続するとともに、気液混合緩衝室Rdの底部には乳Mの排出口21oを設け、この排出口21oに下流側のミルクチューブLmtを接続する。他方、計量容器部21には上下方向の三つの位置(高さ)に電極を配した液面検出部23を設けるとともに、計量容器部21の上端には弁駆動部24を設ける。液面検出部23は、検出処理部25を介してコントローラ本体11に接続するとともに、弁駆動部24と弁部22は通気シャフト26により接続する。弁駆動部24は負圧が付与されることにより弁部22を上昇させ、負圧が解除されることにより弁部22を下降させる。このため、この負圧の付与(ON)又は解除(OFF)を行う電磁駆動式の三方バルブ19を備えており、この三方バルブ19はコントローラ3から付与されるバルブ切換信号により切換えられる。なお、この三方バルブ19もハウジング41hの内部に配設される。その他、乳量計20において、27は通気筒部、28はサンプリング口をそれぞれ示す。
【0033】
このような搾乳システム1により、搾乳時には、搾乳ユニットコントローラ3の動作モードを搾乳動作モードXsに切換える。これにより、少なくとも乳量計20は乳量を測定する動作を行う。また、搾乳機Uは、ホームポジションからホームレール51h,移送レール51t,主レール51mに沿って分岐レール51sまで移動し、分岐レール51sの定位置に達すれば、先端のディストリビュータ33が搾乳用タップ2sに装着される。自動搬送方式の場合、ディストリビュータ33が搾乳用タップ2sに装着されるまでは自動で行われる。そして、一方の搾乳ユニットUa(他方の搾乳ユニットUbも同じ)における各ティートカップ42…を乳牛Cの乳頭に装着すれば、搾乳ユニットUaにより搾乳が行われ、搾乳された乳Mは、ミルクチューブLmtを通して乳量計20に送られる。乳量計20は、上述したように、搾乳動作モードXsにより乳量の測定を行う。
【0034】
即ち、乳量計20に送られた乳Mは、流入口21iから計量容器部21の内部に流入する。流入初期では、弁部22が下降位置にあり、中間口21mは開き、かつ流出口21eは閉じているため、乳Mは、計量容器部21の内部に貯留され、乳Mの液面が液面検出部23の高位置(最上位置)の電極に達すれば、コントローラ3は、三方バルブ19を切換制御して弁部22を上昇位置へ変位させる。これにより、中間口21mが閉じ、かつ流出口21eが開き、計量室Rm内の乳Mは流出口21eを通って気液混合緩衝室Rdに流入し、排出口21oから排出される。排出された乳MはミルクチューブLmtを通ってディストリビュータ33に至り、搾乳用タップ2sを介してミルクラインLmに流入する。一方、弁部22を上昇位置へ変位させた後、予め設定した設定時間が経過すれば、三方バルブ19を切換制御して弁部22を下降位置に復帰させる。以上の動作(処理)は搾乳が終了するまで繰り返される。コントローラ3では、計量室Rmにより計量した回数をカウントすることにより全乳量、更には流量(速度)等を演算処理により求める。さらに、ミルクラインLm内に流入した乳Mは、ミルクラインLm内を送乳され、レシーバジャー62に流入する。レシーバジャー62に乳Mが満たされれば、ミルクポンプ69がONし、レシーバジャー62の乳Mは、ミルクポンプ69及びミルクパイプLsを送乳されてバルククーラ63に収容される。
【0035】
他方、全ての搾乳が終了すれば、搾乳機Uはホームポジションに戻され、洗浄装置71により搾乳機U…を含めた搾乳システム1全体の洗浄処理が行われる。洗浄時には、搾乳機Uを洗浄用タップ2mに装着するとともに、搾乳ユニットコントローラ3の動作モードを洗浄動作モードXcに切換える。これにより、少なくとも乳量計20は洗浄のための動作を行う。
【0036】
洗浄時には、図9に示すように、搾乳ユニットUa…の各ティートカップ42…を洗浄液Wを収容した洗浄液槽71に浸漬する。また、エアインジェクタ67及び開閉バルブ68をそれぞれ閉側に切換え、真空ポンプ66を作動させる。これにより、ミルクラインLmには、負圧が生じ、洗浄液槽71の洗浄液Wはティートカップ42…により吸入され、乳量計20に送られる。乳量計20は、上述したように、洗浄動作モードXcにより洗浄のための動作が行われる。具体的には、三方バルブ19が予め設定した設定時間(例えば、10〔秒〕)間隔で切換制御されることにより、乳量計20の弁部22が10〔秒〕毎に下降位置又は上昇位置に変位する制御が行われる。この結果、洗浄時には、洗浄液Wが計量容器部21の内部に満ちるとともに、オーバフローした洗浄液Wは通気シャフト26の上端口から排出される状態を10〔秒〕間経過するまで継続する第一の洗浄態様と、洗浄液Wが計量容器部21に満ちることなく流れ落ち、排出口21oからそのまま排出される状態を10〔秒〕間継続する第二の洗浄態様が繰り返して行われる。
【0037】
一方、排出口21oから排出された洗浄液Wは、ディストリビュータ33に至り、さらに洗浄用タップ2mを介してミルクラインLmに流入するとともに、この際、洗浄液Wは段差部Lpに貯留される。洗浄液Wが段差部Lpに満たされる時間(設定時間)に達したなら、エアインジェクタ67を開側に切換える。この結果、空気がミルクラインLmに進入し、段差部Lpに貯留された洗浄液Wは、スラグ流となってミルクラインLmを一巡するように流れた後、レシーバジャー62に流入する。以上の動作を繰り返し、レシーバジャー62に洗浄液が満たされれば、ミルクポンプ69がONする。これにより、レシーバジャー62の洗浄液Wは、ミルクポンプ69及びミルクパイプLsを流れてバルククーラ63に流入し、バルククーラ63の出口から外部に排出される。なお、ミルクパイプLsを流れる洗浄液Wは、バルククーラ63に流入されることなく、切換バルブ等を介して洗浄液槽71に戻してもよい。このような洗浄処理は、洗浄液Wを、水道水(すすぎ)、アルカリ洗浄剤、酸リンス剤及び殺菌剤を用いて順番に行われる。
【0038】
ところで、以上の説明から明らかなように、貯留式の乳量計20を備える場合、搾乳時には搾乳動作モードXsに切換え、洗浄時には洗浄動作モードXcに切換える必要があり、特別な手段を講じない限り、作業者が、その都度切換操作を行う必要がある。本発明(本実施形態)は、このような切換を自動で行えるようにしたものである。
【0039】
次に、本実施形態に係る動作モード切換方法を実施できる搾乳機U及び搾乳システム1の要部構成について、図1〜図9を参照して説明する。
【0040】
まず、搾乳用タップ2s…側には、図1及び図3に示すように、交流電源Ppを整流し、この整流した整流電源Phを洗浄用タップ2m…に供給するための電源供給手段Fpを設ける(追加する)。この場合、電源供給手段Fpには、交流電源Ppを全波整流して整流電源Phを得る全波整流回路4を設ける。具体的には、図3に示すように、整流用のダイオードスタックDcを使用し、電源ラインLe(AC24〔V〕)にダイオードスタックDcの一次側を並列接続するとともに、ダイオードスタックDcの二次側を電源ラインLetを介して洗浄用タップ2m…に接続する。このように、電源供給手段Fpに、交流電源Ppを全波整流して整流電源Phを得る全波整流回路4を設けて構成すれば、基本的には、一個のダイオードスタックの追加で足りるため、電源供給手段Fpの実施容易化及び低コスト化を図る観点から最も望ましい形態により実施できる利点がある。
【0041】
他方、搾乳ユニットUa(搾乳ユニットUbも同じ)のコントローラ3には、図1及び図2に示すように、タップ2s,2mから供給される電源が交流電源Ppであるか又は整流電源Phであるかを判別処理する電源判別手段Fdと、この電源判別手段Fdの判別処理の結果に基づいて搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理する動作モード切換手段Fcとを設ける。この場合、電源判別手段Fdは、判別回路Fdcとして構成する。判別回路Fdcは、交流電源Ppを整流処理して半波成分Ppsを出力し、かつ整流電源Phを整流処理して0成分Phoを出力する整流出力回路5を備える。この整流出力回路5として、具体的には、図2に示すように、整流用のダイオードDpを使用することができる。このように、電源判別手段Fdに、交流電源Ppを整流処理して半波成分Ppsを出力し、かつ整流電源Phを整流処理して0成分Phoを出力する整流出力回路5を設ければ、一個のダイオードを基本とした整流回路により実現できるため、電源判別手段Fdの実施容易化及び構成簡易化を図る観点から最も望ましい形態により実施できる利点がある。
【0042】
なお、5cはダイオードDpの出力を安定化させる安定化回路である。この安定化回路5cは機能上、必須ではないが、設けることにより、より確実かつ安定した判別を行うことができる。安定化回路5cは、ダイオードDpの出力が入力する入力側から、平滑用のコンデンサC3、分圧抵抗R1,R2、オペアンプOP1、基準電圧部Esを備える。したがって、ダイオードDpは、前述した直流電源回路6のリアクタンスL2の二次側から整流出力回路5の入力側に対して順方向に接続する。また、オペアンプOP1の出力部はコントローラ本体11に接続する。これにより、整流出力回路5と安定化回路5cは判別回路を構成し、電源判別手段Fdとして機能する。さらに、コントローラ3は、オペアンプOP1の出力部から付与される「1」信号又は「0」信号に基づいて搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理するモード切換機能Fccを有する動作モード切換手段Fcを構成する。
【0043】
次に、本実施形態に係る動作モード切換方法について、各図を参照しつつ図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0044】
まず、搾乳機Uのディストリビュータ33が、搾乳用タップ2s又は洗浄用タップ2mのいずれかに装着(接続)された場合を想定する(ステップS1)。今、搾乳用タップ2sに接続されたものとすれば、図4(a)に示す交流電源Ppが電源ラインLeから搾乳用タップ2sを介してディストリビュータ33に供給される。そして、直流電源回路6により直流化されることにより、搾乳ユニットUa,Ubの動作用電源(直流電源)として供給される。一方、交流電源Ppは、整流出力回路5に付与され、ダイオードDpにより整流される(ステップS2)。ダイオードDpの出力を図4(c)に示す。この出力は交流電源Ppを半波整流した半波成分Ppsとなる。また、この半波成分PpsはコンデンサC3により平滑された後、分圧抵抗R1,R2により分圧(降圧)される(ステップS3)。さらに、分圧された電圧は、オペアンプOP1の非反転入力部に付与される。オペアンプOP1の反転入力部には基準電圧部Esから基準電圧が付与されるため、オペアンプOP1の出力部には、図4(d)に示す「1」信号が出力し、コントローラ3に付与される(ステップS4,S5)。コントローラ3に「1」信号が付与されれば、モード切換機能Fcc(動作モード切換手段Fc)により、搾乳動作モードXsが選択される(ステップS6,S7)。これにより、搾乳動作モードXsによる処理が行われる(ステップS8,S9)。即ち、コントローラ3は、交流電源Ppが供給されることにより、搾乳処理が行われることを、いわば自動で判別し、搾乳動作モードXsを選択する。
【0045】
他方、ディストリビュータ33を洗浄用タップ2mに接続したものとする(ステップS10,S1)。これにより、図4(b)に示す整流電源Phが電源ラインLetから洗浄用タップ2mを介してディストリビュータ33に供給される。そして、直流電源回路6により直流化されることにより、搾乳ユニットUa,Ubの動作用電源(直流電源)として供給される。この場合、整流電源Phは、交流電源Ppの全波整流波形となるため、搾乳用タップ2sからの交流電源Ppから得る電力と洗浄用タップ2mからの整流電源Phからは、同一の大きさ(容量)の出力を得ることができる。これにより、常に安定した動作を行わせることができる信頼性の高い電源を確保できる。
【0046】
一方、整流電源Phは、ダイオードDpにより整流される(ステップS2)。ダイオードDpの出力を図4(e)に示す。この場合、ダイオードDpは整流電源Phを半波整流するため、ダイオードDpの出力には0成分Phoが出力する。この結果、オペアンプOP1の出力部にも「0」信号が出力し、コントローラ3に付与される(ステップS3,S4,S5)。コントローラ3に「0」が付与されれば、モード切換機能Fcc(動作モード切換手段Fc)により、洗浄動作モードXcが選択される(ステップS6,S11)。これにより、洗浄動作モードXcによる処理が行われる(ステップS12,S13)。即ち、コントローラ3は、整流電源Phが供給されることにより、洗浄処理が行われることを、いわば自動で判別し、洗浄動作モードXcを選択する。
【0047】
よって、このような本実施形態に係る搾乳機Uの動作モード切換方法及び搾乳システム1によれば、搾乳機Uをタップ2s,2mに接続した際に、搾乳機Uに備えるコントローラ3により、タップ2s,2mから供給される電源が交流電源Ppであるか又は整流電源Phであるかを判別処理し、搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理するようにしたため、搾乳時又は洗浄時には、それぞれ対応する搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに、自動で切換えることができ、作業工数の低減及び作業能率の向上を実現できる。しかも、切換を忘れるなどの不具合を回避できるため、乳量の測定が不能になったり十分に洗浄できなくなるなどのトラブル要因も解消できる。
【0048】
また、交流電源Pp又はこの交流電源Ppを整流した整流電源Phの、一方を搾乳ゾーンHsにおける搾乳機Uを接続するタップ2sに供給し、かつ他方をメンテナンスゾーンHcにおける搾乳機Uを接続するタップ2mに供給する電源供給手段Fpを備えるとともに、搾乳機Uに備えるコントローラ3に、タップ2s,2mから供給される電源が交流電源Ppであるか又は整流電源Phであるかを判別処理する電源判別手段Fdと、この電源判別手段Fdの判別処理の結果に基づいて、搾乳動作モードXs又は洗浄動作モードXcに切換処理する動作モード切換手段Fcとを設けたため、構成上は、既存の電源供給設備及びコントローラ3を備えれば足り、別途追加する構造上の部材や装置が不要となる。したがって、設備の煩雑化を招く虞れがないとともに、少数の電子部品追加により実現できることから低コスト性に優れる。
【0049】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の手法,構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、実施形態で示した直流電源回路6や安定化回路5c等の具体的な回路構成は例示であり、同様の機能を有する他の回路構成により置換することができる。また、貯留式の乳量計20を搭載する搾乳機Uに適用した場合を示したが、乳量計の有無は必須の構成要素ではない。要は、搾乳時と洗浄時で異なる処理プログラムを立ち上げるなど、動作を切換える必要がある様々なケースに適用することができる。さらに、搾乳機Uとして、一対の搾乳ユニットUa,Ubを搭載するタイプを例示したが、一つの搾乳ユニットUaを搭載するタイプであってもよい。したがって、この場合には、搾乳ユニットUaが搾乳機Uとなる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る動作モード切換方法は、異なる搾乳動作モードと洗浄動作モードを備える各種の搾乳機及び各種の搾乳システムに利用できる。
【符号の説明】
【0051】
1:搾乳システム,2s:タップ,2m:タップ,3:コントローラ,4:全波整流回路,5:整流出力回路,6:直流電源回路,20:乳量計,21:計量容器部,Hs:搾乳ゾーン,Hc:メンテナンスゾーン,U:搾乳機,Pp:交流電源,Ph:整流電源,Fp:電源供給手段,Fd:電源判別手段,Fc:動作モード切換手段,Pps:半波成分,Pho:0成分,M:乳

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搾乳ゾーンで搾乳を行う搾乳動作モードとメンテナンスゾーンで洗浄を行う洗浄動作モードを備える搾乳機における前記動作モードを切換えるための搾乳機の動作モード切換方法であって、交流電源又はこの交流電源を整流した整流電源の、一方を前記搾乳ゾーンにおける前記搾乳機を接続するタップに供給し、かつ他方を前記メンテナンスゾーンにおける前記搾乳機を接続するタップに供給するとともに、前記搾乳機を前記タップに接続した際に、前記搾乳機に備えるコントローラにより、前記タップから供給される電源が前記交流電源であるか又は前記整流電源であるかを判別処理し、前記搾乳動作モード又は前記洗浄動作モードに切換処理することを特徴とする搾乳機の動作モード切換方法。
【請求項2】
前記整流電源は、前記交流電源を全波整流して得ることを特徴とする請求項1記載の搾乳機の動作モード切換方法。
【請求項3】
前記コントローラにより、前記タップから供給される前記交流電源及び前記整流電源を整流処理し、当該整流処理により、半波成分を得るときは前記交流電源と判別し、かつ0成分を得るときは前記整流電源として判別することを特徴とする請求項1又は2記載の搾乳機の動作モード切換方法。
【請求項4】
搾乳ゾーンで搾乳を行う搾乳動作モードとメンテナンスゾーンで洗浄を行う洗浄動作モードを設定した搾乳機を備える搾乳システムであって、交流電源又はこの交流電源を整流した整流電源の、一方を前記搾乳ゾーンにおける前記搾乳機を接続するタップに供給し、かつ他方を前記メンテナンスゾーンにおける前記搾乳機を接続するタップに供給する電源供給手段を備えるとともに、前記搾乳機に備えるコントローラに、前記タップから供給される電源が前記交流電源であるか又は前記整流電源であるかを判別処理する電源判別手段と、この電源判別手段の判別処理の結果に基づいて、前記搾乳動作モード又は前記洗浄動作モードに切換処理する動作モード切換手段とを備えてなることを特徴とする搾乳システム。
【請求項5】
前記電源供給手段には、前記交流電源を全波整流して前記整流電源を得る全波整流回路を備えることを特徴とする請求項4記載の搾乳システム。
【請求項6】
前記電源判別手段は、前記交流電源を整流処理して半波成分を出力し、かつ前記整流電源を整流処理して0成分を出力する整流出力回路を備えることを特徴とする請求項4又は5記載の搾乳システム。
【請求項7】
前記搾乳機は、前記タップから供給される前記交流電源又は前記整流電源を直流化することにより前記搾乳機の動作用電源として出力する直流電源回路を備えることを特徴とする請求項4,5又は6記載の搾乳システム。
【請求項8】
前記搾乳機は、計量容器部に乳を一定量貯留して排出する動作を繰り返して計量を行う貯留式の乳量計を搭載してなることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の搾乳システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−102699(P2013−102699A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246637(P2011−246637)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)