説明

摂取に適する圧縮凝集物

摂取するのに適する圧縮凝集物(圧縮物質)、その製造方法、製品の芳香付におけるその使用、およびそのような圧縮凝集物を含む製品を開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、摂取するのに適する圧縮凝集物(締め固め物質)、その製造方法、製品の芳香付けにおけるその使用、並びにそのような圧縮凝集物を含む製品に関する。
(背景技術)
摂取に適する製品の芳香付けは、長いこと知られている。液体香料、固形香料(即ち、固形担体に適用する香料、例えば、スプレー乾燥香料または固形担体中に封入した香料)または乾燥植物片のいずれかを、この目的において通常使用している。乾燥植物片は、例えば、凍結乾燥によって得ることができる。
本発明に関連しての香料は、少なくとも1種の芳香物質、通常は2種以上の種々の芳香物質を含む。香料は、通常、揮発性成分の複雑な組成の混合物(芳香物質)である。
凍結乾燥植物片は、多くの植物、とりわけ多くの種類の果実に由来する植物片であり、例えば、ミューズリ混合物またはチョコレート充填物のような多くの摂取に適する製品に含ませている。そのような凍結乾燥植物片は、好ましいことに、軟質で咀嚼可能であり、特徴的質感を有する。凍結乾燥植物片は、摂取に適する製品中に、視覚的に、嗜好的に且つ印象的に含ませている。欠点は、比較的高価な調製物であること以外に、とりわけ、その弱い香味特性および凍結乾燥植物片の僅かに不適切な香味プロフィールであり、その結果として、これら植物片を含有する摂取可能な製品中のその香味貢献度は低い。
スプレー乾燥香料をベースとし圧縮によって製造するある種の圧縮凝集物は、既に商業的に入手可能である。これらの凝集物は、明白且つ洗練された香味プロフィールを実際に有し得るが、極めて堅くて咀嚼可能ではない。これらの凝集物は、その質感の点で凍結乾燥植物片とは比較し得ない。しかも、これらの2つの製品間には有意な視覚的差異が存在する。
【0002】
(発明の開示)
従って、本発明の第1の目的は、その質感において凍結乾燥植物片と同様であり、且つ好ましくはこれら凍結乾燥植物片と比較して改良された香味特性を有する粒子を提供することであった。さらに、これらの粒子は、製造するのに可能な限り容易でなければならない。
本発明に従う第1の選択枝によれば、本目的は、摂取するのに適し、且つ下記を含むまたは下記からなる圧縮凝集物によって達成される:
a) スプレー乾燥香料、並びに下記の群c)および/またはd)から選ばれた1種以上の成分:
c) 果実繊維、植物繊維、穀類繊維およびこれらの混合物からなる群から選ばれる繊維物質;
d) 摂取するのに適する1種以上の油脂。
成分a) (スプレー乾燥香料)の成分c) (繊維物質)および成分d) (油脂)の総計に対する質量比は、好ましくは、30:1〜1:2の範囲、好ましくは20:1〜1:1の範囲、とりわけ好ましくは10:1〜2:1、極めてとりわけ好ましくは8:1〜3:1の範囲である。
また、第2の選択枝に従う目的は、摂取するのに適し、且つ下記を含むまたは下記からなる圧縮凝集物によって達成される:
a) 香料(スプレー乾燥したまたはしていない);
b) マルトデキストリン(例えば、香料をスプレー乾燥した場合の担体物質として);
c) 果実繊維、植物繊維、穀類繊維およびこれらの混合物からなる群から選ばれる繊維物質;および、
d) 任意成分としての、摂取するのに適する1種以上の油脂。
【0003】
本発明に従う圧縮凝集物は、その質感において凍結乾燥植物片に極めて類似していること;これらの圧縮凝集物は、好ましいことに、軟質で咀嚼可能であり且つ凍結乾燥植物片に匹敵する質感を有することを見出した。しかしながら、凍結乾燥植物片を上回る本発明に従う圧縮凝集物の重要な利点は、本発明に従う圧縮凝集物の香味を力価(強度)およびプロフィールにおいてほぼ望み通りに調整して、必要に応じて、本発明に従う圧縮凝集物が、これら凝集物を含有する摂取に適する(摂取可能な)製品において有意の香味への貢献をなし得るようにできることである。本発明に従う圧縮凝集物によれば、驚くべきことに、摂取可能な製品を完全且つ総合的に、即ち、さらなる必要に応じての液体香料を添加することなく芳香付けすることが可能である。さらにまた、本発明に従う圧縮凝集物は、製造するのが容易である(以下を参照されたい)。
さらにまた、本発明に従う圧縮凝集物は凍結乾燥植物片よりも酸化に対して著しく安定であることも見出した。20℃での約12ヶ月の保存時間を模擬した酸化的ストレス試験の終了後(実施例13も参照されたい)、本発明に従う圧縮凝集物は、官能的品質の有意に低めの低下を示した。上記酸化的ストレス試験の終了時に味見したとき、凍結乾燥植物片は多くの劣った兆候を有し、初めの香味はもはや検出され得なかったのに対し、本発明に従う圧縮凝集物の場合、初めの香味は、依然として明白に検出可能であった。
【0004】
本発明に関連してのスプレー乾燥香料は、少なくとも1種の芳香物質(揮発性)と少なくとも1種のそれ自体芳香性物質であり得るがそうでなければならないことはない不揮発性担体物質(例えば、好ましいマルトデキストリンのような)を含む。通常のスプレー乾燥香料は、少なくとも1種の担体物質、香料(個々の芳香物質でもあり得る)、および、例えば、乳化用物質のようなさらなる物質を含む。
例えば、米国特許第3,159,585号、米国特許第3,971,852号、米国特許第4,532,145号または米国特許第5,124,162号に記載されているようなスプレー乾燥による香料カプセル化は、通常この範疇である。スプレー乾燥香料は、多くの種々の香味指向および粒度で商業的に入手可能である。
本発明に従う圧縮凝集物において使用するスプレー乾燥香料の香料負荷量は、必要性および所望する官能的プロフィールに応じて、広範囲で変動し得る。香料負荷量は、スプレー乾燥香料の総質量基準で、通常1〜70質量%の範囲、おおむね5〜40質量%の範囲である。
【0005】
個々の物質または物質混合物を、香料(前記第1または第2選択枝に従う圧縮凝集物の成分a)用の担体物質として使用し得る。有利な担体物質は、炭水化物類および/または炭水化物ポリマー類(多糖類)である。例示し得る担体物質としては、例えば、澱粉、分解澱粉、化学的または物理的に変性した澱粉のような親水性コロイド類;変性セルロース類、アラビアゴム、ガティガム、トラガカント、カラヤゴム、カラギーナン、グアー豆粉末、カロブ豆粉末、アルギン酸塩、ペクチン、イヌリンまたはキサンタンゴムである。
澱粉の分解度は、“デキストロース当量”(DE)指数によって測定し、この指数は、長鎖グルコースポリマーにおける限界値0および純粋グルコースにおける100を前提とし得る。
【0006】
香料(前記第1または第2選択枝に従う圧縮凝集物の成分a)用の好ましい担体物質は、マルトデキストリンであり、この場合、5〜20範囲のDE値を有するマルトデキストリンが有利である。マルトデキストリンの含有量は、圧縮凝集物の総質量基準で、好ましくは30〜85質量%の範囲、好ましくは40〜70質量%の範囲である。
この場合、如何なる植物が澱粉加水分解用の澱粉を原料として供給したかは重要ではない。トウモロコシ系原材料が適切であり且つ容易に入手し得、遺伝子的に変性した成分を含まない製品を確保するためには、例えば、タピオカ、米、小麦およびポテト由来の原材料も使用し得る。
【0007】
また、用語マルトデキストリンは、各種マルトデキストリンの混合物も包含する。とりわけ如何なるDE値を有する如何なるマルトデキストリンを使用するかは、とりわけ、本発明に従う圧縮凝集物を製造する圧縮すべき乾燥混合物(以下を参照されたい)の残りの成分による。果実粉末をとりわけ以下で詳述するようにして使用する場合、比較的低いDE値を有する、好ましくは5〜10範囲のDE値を有するマルトデキストリンが推奨される。果実粉末は吸湿作用を部分的に有し且つ圧縮すべき乾燥混合物の加工性に悪影響を及ぼし得る注目すべき含有量の低分子量糖類(とりわけ、単糖類および二糖類)を含有するので、この場合、5〜10範囲のDE値を有する低含水性のマルトデキストリンが有利である。
【0008】
可能性ある香料は、例えば、エッセンシャルオイル、その画分、または個々の芳香物質である。例示し得る例は、エッセンシャルオイル、芳香性蝋成分(concrete)、純油(absolute)、樹脂、樹脂状物、バルサム、およびアニス油のようなチンキ剤のような、天然原材料からの抽出物;バジル油;ベルガモット油;苦扁桃油;樟脳油;レモン油;ユーカリ油;ゼラニウム油;グレープフルーツ油;ジンジャー油;カモミール油;スペアミント油;カラウェー油;ライム油;マンダリン油;丁子(花)油;オレンジ油;ペパーミント油;バラ油;ローズマリー油;セージ油;ノコギリソウ油;スターアニス油;タイム油;バニラ抽出物;ネズノミ油;冬緑油;シナモン葉油;桂皮油;並びに、これらの画分およびこれらから分離した成分である。
【0009】
香料の成分であり得る個々の芳香物質は、例えば、以下の群の物質に由来する:脂肪族エステル類(飽和および不飽和型)、例えば、酪酸エチル、カプロン酸アリル;芳香族エステル類、例えば、酢酸ベンジル、サリチル酸メチル;有機脂肪族酸類(飽和および不飽和)、例えば、酢酸、カプロン酸;有機芳香族酸;脂肪族アルコール類(飽和および不飽和型);環状アルコール類、例えば、メントール;芳香族アルコール類、例えば、ベンジルアルコール;脂肪族アルデヒド類(飽和および不飽和型)、例えば、アセトアルデヒド;芳香族アルデヒド類、例えば、ベンズアルデヒド;バニリン;ケトン類、例えば、メントン;環状エーテル類、例えば、4-ヒドロキシ-5-メチルフラノン;芳香族エーテル類、例えば、p-メトキシベンズアルデヒド、グアヤコール;ラクトン類、例えば、ガンマ-デカラクトン;テルペン類、例えば、リモネン、リナロール、テルピネン、テルピネオール、シトラール。
【0010】
本発明に従う第2の選択枝の場合には、香料は、ジュース濃縮物、果実パルプまたは果実裏ごし物の形で、即ち、濃縮天然果実製品の形でも導入し得る。ジュース濃縮物、果実パルプまたは果実裏ごし物のスプレー乾燥後、得られたスプレー乾燥香料を果実粉末と称する;これらの果実粉末は、本発明に従う第1および第2の選択枝に従って使用し得る。
また、ジュース濃縮物、果実パルプまたは果実裏ごし物をaにおける天然および/または天然同等香料と一緒に或いは本発明に従って使用すべきスプレー乾燥香料の製造用スプレー溶液として使用する手順にも従い得る。
本発明の好ましい実施態様においては、圧縮凝集物は、果実粉末と、果物に由来しない1種以上の芳香物質とを含む。
【0011】
本発明に関連しての好ましい香料および香味指向は、ベリー類、柑橘類、仁果類、バニラ、スパイス類、ハーブ類およびミント類である。とりわけ好ましい香料は、パイナップル、リンゴ、アンズ、バナナ、西洋ナシ、ブラックベリー、レモン、ストロベリー、グレープフルーツ、グアバ、バラの実、ブルーベリー、ラズベリー、エルダーベリー、フサスグリ(アカまたはブラック)、サクランボ、キーウィ、マンダリン、マンゴ、イエロープラム、オレンジ、パパイヤ、パッションフルーツ、モモ、スモモ、タマリンド、ブドウおよびプラムの香味指向の香料である。
また、通常の添加剤および成分、例えば、食品染料、甘味化剤、酸化防止剤、グルタミン酸ナトリウムのような香味影響物質、ビタミン類、ミネラル類も、本発明に従って使用するスプレー乾燥香料の製造用スプレー溶液に添加して、本発明に従って使用するスプレー乾燥香料がそのような添加剤も含有し得るようにすることができる。
本発明に従って使用し得るスプレー乾燥香料は、好ましくは、20〜500マイクロメートル範囲の粒度、好ましくは70〜300マイクロメートル範囲の平均粒度(中央値)を有する。
【0012】
本発明に従う圧縮凝集物は、成分c)として、繊維物質を含有し得る。本発明によれば、繊維物質は、果実繊維、植物繊維および/または穀物繊維からなる群から選ばれ、果実繊維が好ましく、さらにまた、生物学的栽培に由来する植物も可能性がある。勿論、繊維物質の混合物も使用し得る。
果実繊維は、とりわけ、これらの繊維が本発明に従う圧縮凝集物の香味に悪影響を及ぼさない僅かに果物風の臭味を有することから好ましい。一方、穀物繊維、例えば、小麦繊維は、繊維含有量および本発明に従う圧縮凝集物の組成によっては、個々の場合で僅かに実質のない香味効果を有し得る。
【0013】
繊維物質は、好ましくは、例えば、果実または植物からのジュースの製造において得られるような高バラスト植物成分から製造する。これらの植物成分は、機械的に精製し、一定粒度に磨砕する;微細粉末から粗い顆粒物までの種々の度合の磨砕物が、商業的に入手可能である(例えば、Rettenmaier & Sohne GmbH & Co. KG社またはHerbafood Ingredients GmbH社より)。その場合、繊維物質は、主として可溶性および不溶性のバラスト物質(例えば、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン物質、ベータ-グルカン)を、さらにまた、植物固有の糖類および二次植物成分に決定的に基づく残留量の植物特異性香味を含有する。
【0014】
そのように、リンゴ繊維は、例えば、45%の不溶性バラスト物質、15%の可溶性バラスト物質(9.3%のペクチンを含む)、24.2%の糖類(これら糖類のうちでは、3.5%のスクロース、3.2%のグルコース、7.7%のフルクトース、1.2%のソルビトール)、8%を越えない水分、4.6%を越えないタンパク質、2.5%の油脂類および1.6%の酸類を含有する(全て質量%でのデータ)。さらに、リンゴ繊維は、カリウム(3,200mg/kg)、カルシウム(900mg/kg)、マグネシウム(350mg/kg)およびナトリウム(320mg/kg)のようなミネラル類も含有する。
【0015】
好ましい果実繊維は、リンゴ繊維、花木繊維、柑橘類繊維、フサスグリ繊維、マンダリン繊維、オレンジ繊維、レモン繊維またはこれらの混合物である。リンゴ繊維が、とりわけ好ましい。
好ましい植物繊維は、エンドウマメ繊維およびトマト繊維である。
好ましい穀物繊維は、オートムギ繊維およびコムギ繊維である。
【0016】
繊維物質中に含有させる香料(物質)、油脂および(固形)酸の量は、成分a)、d)およびe)の含有量(この点については、下記および特許請求の範囲を参照されたい)を決定する場合に考慮する必要はない、即ち、繊維物質は、本発明に関連しては、成分c)のみとしてみなす。一方、実際には、繊維物質の組成は天然出発物質次第で変動し、他方で、繊維物質は、本発明の関連においては、本発明に従う圧縮凝集物の所望する質感、硬度および/または咬合感覚を得るために主として使用し、例えあったとしても、圧縮凝集物の香味特性に対しては極めて微小な程度のみである。
【0017】
本発明に従う圧縮凝集物は、成分d)として、摂取に適する1種以上の油脂を含有し得る。本発明によれば、油脂は、20℃で半固体または固体である。油脂は、一般に、モノ-、ジ-またはトリグリセリドであり、その脂肪酸基は、ジ-またはトリグリセリドの場合、同一または異なるものであり得る。動物油脂、植物油脂、水素化植物油および/または合成油脂を、この関連においては使用し得る。有利な油脂は、例えば、ココナツ油脂、ココアバター、ババス油脂、パーム核油脂、ブタ油脂、牛脂、または20℃で半固体または固体であるこれらの画分である。ミリスチン酸、パルミチン酸またはステアリン酸のトリグリセリド、さらにまた、グリセリンモノステアレートが同様に有利である。
【0018】
好ましい圧縮凝集物は、各々場合に圧縮凝集物の総質量基準で下記を含むまたは下記からなる圧縮凝集物である:
a) 0.1〜40質量%の香料;
b) 30〜80質量%のマルトデキストリン;
c) 1〜40質量%の、果実繊維、植物繊維および穀類繊維からなる群から選ばれる繊維物質;および、
d) 0.2〜10質量%の、摂取するのに適する1種以上の油脂。
【0019】
本発明に従う圧縮凝集物は、好ましくは、成分e)として、摂取するのに適し且つ好ましくは固体(25℃で)である1種以上の酸を、圧縮凝集物の総質量基準で、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、とりわけ好ましくは0.5〜5質量%の範囲の量で含有する。酸の含有量は、実質的には、所望する香味指向および求める香味プロフィールによる。好ましい酸は、クエン酸、アジピン酸、リンゴ酸、コハク酸および酒石酸、とりわけ、クエン酸およびリンゴ酸である。
本発明に従う好ましい圧縮凝集物は、成分c)繊維物質とd)油脂の和が、圧縮凝集物の総質量(存在する成分a)、b)、c)、d)およびe)の総和)基準で、少なくとも5質量%、好ましくは少なくとも10質量%である圧縮凝集物である。
【0020】
摂取するのに適するとりわけ好ましい圧縮凝集物は、下記を含むまたは下記からなる圧縮凝集物である:
a) 1〜30質量%の香料;
b) 40〜70質量%のマルトデキストリン;
c) 5〜30質量%の、好ましくはリンゴ繊維を含むまたはからなる1種以上の果実繊維;
d) 0.3〜5質量%の油脂(1種以上);および、
e) 0.5〜5質量%の、摂取するのに適する固形酸。
本発明に従う圧縮顆粒は、好ましくは破壊顆粒の形状であり、好ましくは、0.3〜8mm、好ましくは1〜5mm範囲の平均粒度を有する。破壊顆粒の製造については、後記を参照されたい。
摂取時には、直接の摂取時および摂取に適する製品の双方において、本発明に従う圧縮凝集物は、強力な香味感を提供し、その香味感の強さおよび香味プロフィールは、(必要に応じてスプレー乾燥させた)香料(成分a))の混入量および組成によって調整し得る。
本発明に従う圧縮凝集物は、圧縮凝集物の総質量基準で、0.1〜5質量%範囲の、好ましくは0.1〜3質量%範囲の水分を有する。
【0021】
本発明に従う圧縮凝集物は、例えば、防腐剤、酸化防止剤、乳化剤、希釈剤、発泡防止剤、糖類、糖代替物、糖アルコール、甘味化剤、染料、着色剤、顔料、香味強化剤、栄養補給剤、微量元素、ミネラル類、ビタミン類および植物抽出物のようなさらなる成分を含み得る。
本発明に従う圧縮凝集物は、例えば、以下の防腐剤を含有し得る:塩化ナトリウム;スクロース;硝酸塩、とりわけ、Na、KおよびCa硝酸塩;亜硫酸塩、とりわけ、Na、KおよびCa亜硫酸塩。さらにまた、有機酸またはその塩類、とりわけ、ソルビン酸、安息香酸、ギ酸、およびこれらの酸のNa、KおよびCa塩、並びに4-ヒドロキシ安息香酸エステル類、サリチル酸およびデヒドロ酢酸も使用し得る。
【0022】
本発明に従う圧縮凝集物は、例えば、以下の香味強化剤を含有し得る:マルトール、甘味を改良するためのフランオール、並びにL-グルタミン酸ナトリウム(MSG、グルタミン酸)、イノシン5'-モノホスフェート(IMP)、5-グアノシンモノホスフェート(GMP)、加水分解植物タンパク質(HVP)および酵母抽出物。
本発明に従う圧縮凝集物の成分として適し得る酸化防止剤または酸化防止作用を増強し得る物質は、天然産トコフェロール類およびその誘導体;トコトリエノール類;フラボノイド類;アスコルビン酸およびその塩類;アルファ-ヒドロキシ酸類(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸)およびそれらのNa、KおよびCa塩;植物、例えば、茶、緑茶、藻、ブドウの種、コムギ麦芽、ローズマリーおよびオレガノから分離した成分、抽出物およびこれらの画分;フラボノイド類、ケルセチンおよびフェノール系ベンジルアミン類である。さらにまた、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン類、クエン酸でエステル化した食用脂肪酸のモノ-またはジグリセリド類、正リン酸塩および一リン酸のNa、KおよびCa塩、並びにパルミチン酸アスコルビルも、酸化防止剤として適している。
【0023】
本発明に従う圧縮凝集物の成分であり得る乳化剤は、例えば、レシチン類;食用脂肪酸のNa、K、Al、MgおよびCa塩;ヒドロキシル化レシチン;酢酸、乳酸、クエン酸またはモノアセチル-またはジアセチル酒石酸でエステル化した食用脂肪酸のモノ-またはジグリセリド類;スクシニル化モノグリセリド類;アンモニウムホスファチド類;食用油脂または食用油脂を形成する脂肪酸のモノ-およびジグリセリドのリン酸一ナトリウム誘導体;エトキシ化モノ-およびジグリセリド類;糖エステル(スクロースと食用脂肪酸のエステル)類、ポリグリセリンポリリシノレート;食用脂肪酸のプロピレングリコールエステル類;食用脂肪酸のラクチルエステル類;ステアロイルラクチル2-乳酸ナトリウム;ステアロイルラクチル2-乳酸カルシウム;酒石酸ステアリル;モノステアリン酸ソルビタン;トリステアリン酸ソルビタン;モノラウリル酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタン;モノパルミチン酸ソルビタン;ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80;クエン酸ステアリルモノグリセリジル;スクシステアリン;エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのコポリマー縮合物;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;ステアリルフマル酸ナトリウム、並びにグリセリンおよび1,2-プロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル類である。
【0024】
本発明に従う圧縮凝集物の成分であり得る典型的な糖類としては、グルコースシロップ、グルコース-フルクトースシロップ、イソメロースシロップ、イソグルコースシロップ、転化糖シロップ、並びにスクロース、グルコース、ラクトース、加水分解ラクトース、ソルボース、アラビノース、キシロース、マンノース、マルトース、ガラクトース、マルトトリオースまたはフルクトースのような結晶糖を挙げることができる。
本発明に従う圧縮凝集物の成分であり得る適切な糖代替物は、例えば、マンニトール、ソルビトールおよびソルビトールシロップ、イソマルト(例えば、PalatinitR)、マルチトールおよびマルチトールシロップ、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、ロイクロース、アラビノール、アラビトール、アドニトール、アルジトール、ズルシトールおよびイジトールのような糖アルコール類、さらにまた、フルクト-オリゴ糖類(例えば、RaftiloseR)、オリゴフルクトースまたはポリデキストロースである。
【0025】
本発明に従う圧縮凝集物の成分であり得る典型的な甘味化剤としては、サッカリン(必要に応じて、NaまたはCa塩として)、アスパルテーム(例えば、NutraSweetR)、チクロ(必要に応じて、Na、KまたはCa塩として)、アセスルファムK (例えば、SunettR)、タウマチンまたはネオヘスペリジンジヒドロカルコンを挙げることができる。勿論、ステビオシド、レバウジオシドA、グリシルリジン、ウルトラスウィート、オスラジン、ブラゼイン、ミラクリン、ペンタジン、ピロダルシン、ジヒドロカルコン類、アリール尿素類、トリ置換グアニジン類、グリシルリジン、スーパーアスパルテーム、ソーサン(suosan)、スクラロース(トリクロロガラクトスクロース、TGS)、アリテーム、モネリンまたはNeotameRを挙げることができる。
【0026】
本発明に従う圧縮凝集物は、例えば、以下の染料、着色剤または顔料を含有し得る:ラクトフラビン(リボフラビン)、ベータ-カロテン、リボフラビン5'-ホスフェート、アルファ-カロテン、ガンマ-カロテン、カラメル、カンタキサンチン、エリスロシン、クルクミン、キノリンイエロー、イエローオレンジS、タートラジン、ビキシン、ノルビキシン(アンナット、オーリアン(orlean))、カプサンチン、カプソルビン、リコピン、ベータ-アポ-8'-カロテナール、ベータ-アポ-8'-カロテン酸エチルエステル、キサントフィル類(フラボキサンチン、ルテイン、クリプトキサンチン、ルビキサンチン、ビオラキサンチンおよびロドキサンチン)、ファーストカルミン(カルミン酸、コチニール)、アゾルビン、コチニールレッドA (Ponceau 4R)、ビートルートレッド、ベタニン、アントシアン類、アマランス、パテントブルーV、インジゴチンI (インジゴカルミン)、クロロフィル類、クロロフィル類の銅化合物、ブリリアントアシッドグリーンBS (リスアミングリーン)、ブリリアントブラックBN、カルボメジシナリスベジタビリス、二酸化チタン、酸化および水酸化鉄類、炭酸カルシウム、アルミニウム、銀、金、ルビンピグメントBK (リトールルビンBK)、メチルバイオレットB、ビクトリアブルーR、ビクトリアブルーB、アシランブリリアントブルーFFR (ブリリアントウールブルーFFR)、ナフトールグリーンB、アシランファーストグリーン10 G (アルカリファーストグリーン10 G)、ケレスイエローGRN、スダンブルーII、ウルトラマリン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンおよびファーストアシッドバイオレットR。さらに、天然に得られる抽出物(例えば、パプリカ抽出物、クロニンジン抽出物、レッドキャベツ抽出物)も着色目的において使用し得る。
【0027】
本発明に従う圧縮凝集物製造のための各成分(上述したような)は、通常、圧縮凝集(締め固め)を実施する前に、混合し、均質化して乾燥混合物を調製する。通常のミキサー類、有利には流動化ミキサー、例えば、プローシェアミキサー(製造業者:Lodige社)を圧縮すべき乾燥混合物の調製において使用し得る。
圧縮凝集方法は、一般に、小さめの粒子の乾燥バルク材料をプレス機器によって圧縮して大きめの粒子、即ち、圧縮凝集物を形成させる乾燥凝集法を意味するものと理解されたい。この手法においては、湿式凝集法とは対照的に、材料ブリッジは形成されず、バインダー類を添加することもない。外力をプレス機器により粒子上に行使して、小接触間隔による多くの接触を確立し、その結果として、相互作用により、圧縮凝集物中の凝結を分子レベルで、とりわけファンデルワールス力によってもたらすようにする。
圧縮凝集は、圧縮によりまたは押出により実施し得る。
押出の場合、例えば、ラム、ストランドまたは穿孔金型押出を使用し得る。
【0028】
本発明によれば、圧縮凝集は、好ましくは、ロール圧力装置またはプレスによる圧縮によって実施する。この手順においては、圧縮は、通常、ラムまたはテンプレート或いは反対方向に作動する平滑または形状化表面を有するロール間のいずれかによって実施する。さらに、穿孔テンプレートによるロールプレスまたは歯形車輪穿孔プレスのような実施態様も有利である。
平滑ロールまたは成形用ロール(例えば、タブレット製造用またはブリケット製造用)を有するロール圧縮機によるロール圧縮がとりわけ好ましい。この場合も有利である平滑ロールによるロール圧縮においては、スカブを先ず形成し、その後、これを造粒する。スカブの厚さはロール間の距離に依存し、スカブの厚さは、典型的には0.1〜3mmの範囲である。タブレット製造またはブリケット製造の場合、圧縮すべき乾燥混合物を第1工程において比較的大きいタブレットまたはブリケットに圧縮し得、その後、これを、第2工程において、造粒により破壊する。
【0029】
スカブ、ブリケットまたはタブレットの造粒(破壊)において形成された顆粒は、破壊顆粒と称する。一般に、破壊顆粒は、さらなる処理工程において篩分けし、上限および下限粒度は、篩いのメッシュ幅によって確立させる。それによって得られた微細画分は圧縮工程にリサイクルし得、篩分けによって分別した大きめの粒子は破壊工程中に再度導入し得る。
破壊顆粒は、好ましくは、とりわけ篩分け後、0.3〜8mmの範囲、好ましくは1〜5mmの範囲の平均粒度を有する。好ましい破壊顆粒は、粒度および組成によるが、0.3〜0.8kg/lの範囲の嵩密度を有する。
本発明によれば、ロール圧縮中の圧縮圧は、通常30〜250バールの範囲、好ましくは50〜120バールの範囲にある。
ロール圧縮機は、例えば、Hosokawa Bepex GmbH社(ドイツ)またはGerteis Maschinen- und Processengineering社(スイス)から商業的に入手可能である。
【0030】
さらにまた、本発明は、本発明に従う圧縮凝集物または本発明に従う相応する各種圧縮凝集物の混合物を含む製品、とりわけ、摂取するのに適する製品を提供する(各々の場合において、好ましくは、好ましい実施態様の1つにおいて)。
摂取するのに適する製品は、人の口腔内に入れ、そこで一定時間残存させ、その後、吸収、即ち、摂取させるか(例えば、食品)または口腔から再び取出させるかのいずれか(例えば、チューインガム)を意図する製品である。また、製品は、加工した、部分的に加工したまたは加工していない状態で人が摂取することを意図する物質または製品も包含する。さらにまた、製品は、その製造、加工または処理中に食品に添加する全ての物質も包含する。
【0031】
本発明に従う好ましい圧縮凝集物または相応する各種圧縮凝集物の混合物は、直接摂取するのに適する。また、これらの圧縮凝集物または混合物は、例えば、製菓、焼き製品、アイスクリームまたはチョコレート製品の表面処理用のふりかけ粒子またはふりかけ混合物(トッピング)としても使用し得る。
摂取するのに適する本発明に従う好ましい製品は、例えば、焼き製品(ビスケット、ケーキ、マフィン、ワッフル、焼き混合物)、製菓(硬質キャラメル、軟質キャラメル、咀嚼用甘味物、圧縮製品)、乳製品(ヨーグルト、プリン、アイスクリーム)、チョコレート製品(ホワイト、ミルクまたは平板チョコレート、チョコレートバー)、油脂組成物(例えばビスケット充填物のような焼き製品用充填物、チョコレート用油脂充填物、バー用油脂充填物)、チューインガム(無糖、糖含有)、シリアル(押しオート麦、コーンフレーク)、ミューズリ混合物(通常のバラミューズリ、スチューデンツミックス)、ミューズリバー、スナック類およびスナック混合物(スウィートポップコーン、果実片混合物、ナッツ類、ナッツバー、フルーツ・アンド・ナッツバー)、粉末製品(プリン粉末またはアムブロウシャ(ambrosia)類のような粉末形の即席デザート類)およびふりかけ混合物(トッピング)である。
【0032】
製品のタイプによるが、本発明に従う製品(摂取するのに適する)中の本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、製品の総質量基準で、通常0.1〜30質量%の範囲、好ましくは0.5〜25質量%の範囲である。
製菓においては、製品の総質量基準で、本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、通常0.5〜10質量%の範囲、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
チョコレート製品においては、本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、製品の総質量基準で、通常0.5〜10質量%の範囲、好ましくは2〜5質量%の範囲である。
油脂組成物においては、本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、製品の総質量基準で、通常0.5〜15質量%の範囲、好ましくは4〜8質量%の範囲である。
チューインガムにおいては、本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、製品の総質量基準で、通常0.2〜5質量%の範囲、好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
焼き製品においては、本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、製品の総質量基準で、通常0.5〜10質量%の範囲、好ましくは2〜5質量%の範囲である。
シリアルおよびミューズリ混合物においては、本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、製品の総質量基準で、通常0.5〜20質量%の範囲、好ましくは5〜15質量%の範囲である。
ミューズリバーおよびスナック混合物においては、本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、製品の総質量基準で、通常0.5〜25質量%の範囲、好ましくは5〜12質量%の範囲である。
【0033】
粉末製品においては、本発明に従う圧縮凝集物の含有量は、製品の総質量基準で、通常0.5〜10質量%の範囲、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
とりわけ、例えば、焼き製品のような、その製造または配合中に加熱に曝される場合には、本発明に従う圧縮凝集物は、ベーキングに対して明白な安定性を有するので、とりわけ有利であることが判明している。
本発明に従う圧縮凝集物が明白な視覚および官能特性を示すさらなる製品群は、シリアル、ミューズリ混合物およびミューズリバーである。
3質量%の(a) ラズベリー香味を有する本発明に従う圧縮凝集物または(b) 通常の凍結乾燥ラズベリー片を含有する即摂取ビスケットの直接の官能性および視覚性の比較においては、本発明に従う圧縮凝集物を含むビスケットは、安定且つ強いラズベリー香味を示し、視覚的に満足し得ることが判明した。一方、凍結乾燥ラズベリー片を含むビスケットは、殆どラズベリー香味を示さず、ベーキング加工(180℃)による色が暗褐色となり、従って、視覚的満足性は低い。
【0034】
また、本発明に従う圧縮凝集物は、摂取中の消費者にとって場合によっては不愉快であることが判明している、凍結乾燥果実片(例えば、ラズベリーまたはストロベリーの場合)に場合によっては含まれる種子粒子のような比較的硬い果実成分を通常含有していない。
本発明に従う圧縮凝集物のさらなる利点は、本発明に従う圧縮凝集物を含有する即摂取製品の調製における明白な加工受容性である。このことは、とりわけ、本発明に従う圧縮凝集物の密度を変化させ得るという事実を含む。一般に、本発明に従う圧縮凝集物は、凍結乾燥植物片よりも高密度を有し且つそれら植物片とは異なる幾何学形状を有し、その結果として、例えば、本発明に従う圧縮凝集物の浮上り(例えば、チョコレート製造中の)または混合不良(例えば、ミューズリ混合物またはシリアル混合物中の)は生じない。
【0035】
さらに、凍結乾燥植物片を上回るさらなる利点は、幾つかの場合において見出されている。即ち、例えば、チョコレートの製造においては、それら凍結乾燥片の好ましくない計量特性およびその吸湿特性並びに即摂取チョコレートにおけるその軟質化質感は、欠点である。一方、本発明に従う圧縮凝集物は、計量するのが容易であり、吸湿性でなく、さらにまた、即摂取チョコレートにおいて比較的口応えがありサクサクした質感を依然として示す。
【0036】
(実施例)
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。特に断らない限り、データは質量による。
実施例1(スプレー乾燥香料)
下記の粒度分布を有するスプレー乾燥ラズベリー香料(マルトデキストリン(DE:18-20)、デキストロース、アラビアゴム、酸化防止剤BHTを含有する)を圧力ノズルにより製造した:
D (0.1の):102マイクロメートル;
D (0.5の):205マイクロメートル;
D (0.9の):370マイクロメートル;
他の香味指向を有するスプレー乾燥香料は、同様にして製造し得る。
【0037】
実施例2(果実粉末)
実施例2a:150マイクロメートルの平均粒度を有する100gのストロベリー果実粉末を、550gのストロベリーピューレ、59gのマルトデキストリン(10DE、ポテト由来)および3gのクエン酸を含むスプレー溶液から、スプレー乾燥後に得た。
実施例2b:165マイクロメートルの平均粒度を有する100gのラズベリー果実粉末を、425gのラズベリーピューレおよび53gのマルトデキストリン(10DE、ポテト由来)を含むスプレー溶液から、スプレー乾燥後に得た。
実施例2c:190マイクロメートルの平均粒度を有する100gのアンズ果実粉末を、425gのストロベリーピューレおよび61gのマルトデキストリン(10DE、ポテト由来)を含むスプレー溶液から、スプレー乾燥後に得た。
【0038】
実施例3:圧縮凝集物の製造
実施例3a
下記の表の各成分を含む乾燥混合物を、平滑ロールを有するロール圧縮機(Hosokawa Bepex GmbH社)内で80バールの圧縮圧下にプレスしてスカブを形成し、その後、このスカブを造粒し、顆粒を2回篩分けした(メッシュ幅:1mmおよび3.1mm)。従って、この方法で得られたラズベリー香味を有する本発明に従う圧縮凝集物は、1〜3.1mmの範囲の粒度を有していた。
【0039】

【0040】
実施例3b
下記の表の各成分を含む乾燥混合物を、平滑ロールを有するロール圧縮機(Hosokawa Bepex GmbH社)内で80バールの圧縮圧下にプレスしてスカブを形成し、その後、このスカブを造粒し、顆粒を2回篩分けした(メッシュ幅:1mmおよび3.1mm)。従って、この方法で得られたストロベリー香味を有する本発明に従う圧縮凝集物は、1〜3.1mmの範囲の粒度を有していた。
【0041】

【0042】
実施例3c
手順は、実施例1と同様のスプレー乾燥ラズベリー香料および実施例2bに従うラズベリー果実粉末を使用して、実施例3bと同様であった。
実施例3d
下記の表の各成分を含む乾燥混合物を、平滑ロールを有するロール圧縮機(Hosokawa Bepex GmbH社)内で90バールの圧縮圧下にプレスしてスカブを形成し、その後、このスカブを造粒し、顆粒を2回篩分けした(メッシュ幅:2mmおよび4mm)。従って、この方法で得られたアンズ香味を有する本発明に従う圧縮凝集物は、2〜4mmの範囲の粒度を有していた。
【0043】

【0044】
実施例4:混合不良(分離)の判定
固形分混合物の混合不良(分離)は、混合物の1種以上の成分の望ましくない分離を意味するものと理解されたい。
混合不良は、通常、振動、容器間の移し替え、輸送または混合物の他の動きの結果として生じる。
ストロベリー香味を有する本発明に従う圧縮凝集物を4質量%含むミューズリ混合物(種々の含有量の押しオート麦、レーズン、コーンフレーク、ヒマワリの種およびナッツ片を含有する)の混合不良性向を、以下のようにして評価した:
a) 目視評価:各成分の分布に関しての数種のランダムサンプルの目視比較による。
b) 官能味見試験:ミューズリ混合物の種々のランダムサンプルを3点試験においてパネラーによって試験し、香味を強度およびプロフィールについて評価した。
統計的に、注目すべき差異は目視的および官能的に見出せず、このことは、混合不良が関連ある程度には生じてなかったことを実証している。
【0045】
実施例5:本発明に従う圧縮凝集物を含む咀嚼用甘味物
成分目録

【0046】
製造説明
a) ゼラチンを水(ゼラチン量の1.8倍)よって70℃で2時間膨潤させる;
b) 砂糖、シロップ、水、油脂およびレシチンを123℃でボイルする:
c) ゼラチン溶液を上記ボイル混合物とゆっくり混合する;
d) 圧縮凝集物中で撹拌し、必要に応じて着色する;
e) 得られた塊状物の温度を冷却用作業台上で約70℃に調整し、その後、フォンダンを添加し、延伸機上で約3分間通気する;
f) 引続き、切断し、咀嚼甘味塊を包装する。
上記咀嚼用甘味物の摂取時には、強いストロベリー香味が咀嚼中に味わえ、上記圧縮凝集物の質感は満足し得る。
【0047】
実施例6:本発明に従う圧縮凝集物を含む圧縮製品
成分目録:

【0048】
製造説明
全ての成分を混合し、適切な装置内で圧縮製品にプレスする。
【0049】
実施例7:本発明に従う圧縮凝集物を含むショートブレッドビスケット(工業品質)
成分目録

【0050】
製造説明
a) 粉末糖、マルトースシロップ、脱脂粉乳および植物軟質油脂をHobart実験室混練機内でレベル1にて滑らかにする。
b) 重炭酸アルミニウムを若干量の水で溶解し、残りの水を上記aに添加し、簡単に混合する。
c) 残りの成分を圧縮凝集物と一緒に混合物a)に添加し、滑らかなドウに加工する。
d) ドウを回転装置により約3mmの厚さに押し伸し、適切であれば、レリーフ棒で模様付けし、所望の形状に打抜く。
ドウの最終厚:約2.6mm、オーブン温度:200℃、ベーキング時間:6分。
本発明に従う圧縮凝集物を含むこれらのビスケットは、安定且つ強いストロベリー香味を示し、視覚的に満足し得た;本発明に従う圧縮凝集物は、ベーキング加工によって色が暗褐色にならなかった。











【0051】
実施例8:本発明に従う圧縮凝集物を含むプレーンケーキ
成分目録

【0052】
製造説明
油脂を制御した温度に加熱する。乾燥物質の全てをHobart実験室ミキサーの撹拌用ボウル中に導入する。次に、精製油脂、水および卵(卵質量 約60g/卵)を添加する。最後に、4質量%の本発明に従う圧縮凝集物(実施例3cからの)を添加し、レベル1で1分間、レベル3で2分間叩く。ドウをベーキング金型に入れ、180℃で55分間ベーキングする。
【0053】
実施例9:本発明に従う圧縮凝集物を含むワッフル油脂充填物
成分目録

【0054】
製造説明
油脂を室温/約21℃に調整する。粉末糖を細かく篩分けする。香料を含む成分全てをHobart実験室撹拌機内で叩く。密度:650g/リットル。














【0055】
実施例10:本発明に従う圧縮凝集物を含むミューズリ混合物
成分目録

【0056】
製造説明
混合物1:押しオート麦、オート麦フレーク、ライスクリスプ、コーンフレーク、干しブドウ、圧縮凝集物および刻みへーゼルナッツを回転混合ボウル内で混合することによって得た。
混合物2:グルコースシロップ、スクロースおよび水を加熱し、次いで、クエン酸を添加する。
今度は、混合物2も回転混合ボウル内に入れ、混合物1と十分に混合する。その後、ミューズリ混合物を、130℃に加熱したオーブン内で、ベーキングシート上で約8分間乾燥させた。
【0057】
実施例11:本発明に従う圧縮凝集物を含む果実様ミューズリバー
成分目録

【0058】
製造説明
混合物1:押しオート麦、オート麦フレーク、コーンフレーク、ライスクリスプ、干しブドウおよび圧縮凝集物を混合する;
混合物2
a) 植物油脂を溶融する;
b) スクロース、グルコースシロップ、ソルビトール P300、植物油脂および水を120℃まで加熱し、クエン酸粉末を添加する(混合物2)。
混合物2を混合物1に加え、得られた混合物をバーに成形し、これを冷却後に所望サイズに切断した。
【0059】
実施例12:本発明に従う圧縮凝集物を含むアムブロウシャ
成分目録

製造説明
41gのこの混合物を250mlの沸騰水中に撹拌し、冷却させる。
【0060】
実施例13:酸化性ストレス試験
20℃で約12ヶ月の保存期間を、酸化的ストレス試験によって模擬した。
試験するサンプルは、一方が実施例3bからの本発明に従う圧縮凝集物(サンプル1)であり、もう一方が同じ粒度の商業的に入手し得る凍結乾燥ストロベリー片(サンプル2)であった。
各場合において、10gの試験すべきサンプルを、ML OxipresTM 装置(製造業者:Mikrolab Aarhus A/S社、デンマーク)に導入し、約5バールの酸素圧を試験開始時に設定した。酸素圧を168時間に亘って30分毎に測定した。サンプルチャンバー内の温度は、試験中40℃で一定に保った。
【0061】
圧力試験の結果

凍結乾燥ストロベリー片(サンプル2)の場合の酸素圧の低下は、当該サンプルにおける酸化過程の証拠である。
【0062】
サンプルの官能評価
上記2種類のサンプルを、上記酸化的ストレス試験の開始前および終了後の味見により官能的に評価した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
摂取するのに適し、且つ下記を含むことを特徴とする圧縮凝集物:
a) スプレー乾燥香料、並びに下記の群c)および/またはd)から選ばれた1種以上の成分:
c) 果実繊維、植物繊維、穀類繊維およびこれらの混合物からなる群から選ばれる繊維物質;
d) 摂取するのに適する1種以上の油脂。
【請求項2】
摂取するのに適し、且つ下記を含むことを特徴とする圧縮凝集物:
a) 香料;
b) マルトデキストリン;
c) 果実繊維、植物繊維、穀類繊維およびこれらの混合物からなる群から選ばれる繊維物質;および、
d) 任意成分としての、摂取するのに適する1種以上の油脂。
【請求項3】
各々の場合において圧縮凝集物の総質量基準で下記を含むまたは下記からなる、請求項2記載の圧縮凝集物:
a) 0.1〜40質量%の香料;
b) 30〜80質量%のマルトデキストリン;
c) 1〜40質量%の、果実繊維、植物繊維および穀類繊維からなる群から選ばれる繊維物質;および、
d) 0.2〜10質量%の、摂取するのに適する1種以上の油脂。
【請求項4】
さらに下記を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の圧縮凝集物:
e) 好ましくは圧縮凝集物の総質量基準で0.1〜10質量%範囲の量の、摂取するのに適する1種以上の好ましくは固形酸。
【請求項5】
成分c)およびd)の総計が、圧縮凝集物の総質量基準で、少なくとも5質量%、好ましくは少なくとも10質量%である、請求項1〜4のいずれか1項記載の圧縮凝集物。
【請求項6】
摂取するのに適し、且つ下記を含むことを特徴とする圧縮凝集物:
a) 1〜30質量%の香料;
b) 40〜70質量%のマルトデキストリン;
c) 5〜30質量%の、好ましくはリンゴ繊維を含むまたはリンゴ酸からなる1種以上の果実繊維;
d) 0.3〜5質量%の油脂(1種以上);および、
e) 0.5〜5質量%の、摂取するのに適する固形酸。
【請求項7】
破壊顆粒の形状である、請求項1〜6のいずれか1項記載の圧縮凝集物。
【請求項8】
0.3〜8mm、好ましくは1〜5mm範囲の平均粒度を有する破壊顆粒の形状である、請求項1〜7のいずれか1項記載の圧縮凝集物。
【請求項9】
水分含有量が、圧縮凝集物の総質量基準で0.1〜5質量%の範囲である、請求項1〜8のいずれか1項記載の圧縮凝集物。
【請求項10】
下記の工程による、請求項1〜9のいずれか1項記載の圧縮凝集物の製造方法:
前記各成分を圧縮、好ましくはロール圧縮して前記圧縮凝集物を形成する工程。
【請求項11】
圧縮圧が、30〜250バール、好ましくは50〜120バールの範囲である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
製品、とりわけ、摂取するのに適する製品の芳香付けにおける、請求項1〜9のいずれか1項記載の圧縮凝集物の使用。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか1項記載の圧縮凝集物または相応する各種圧縮凝集物の混合物を含む、製品、とりわけ摂取するのに適する製品。
【請求項14】
焼き製品、菓子類、乳製品、チョコレート製品、油脂組成物、チューインガム、シリアル類、ミューズリバー、ミューズリ混合物、スナック類、スナック混合物、粉末製品およびふりかけ混合物からなる群から選ばれる、請求項13記載の製品。

【公表番号】特表2008−516622(P2008−516622A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537277(P2007−537277)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055403
【国際公開番号】WO2006/045742
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】