説明

摂取可能な治療起動装置システムおよび方法

【課題】摂取可能な治療起動装置システムおよび方法を提供する。
【解決手段】摂取可能な治療起動装置102は、エフェクタ指示204を送信するためのエフェクタモジュール202と、治療デバイス108に関連する応答機モジュール206とを有する摂取可能なデバイス200を含む。応答機モジュールは、エフェクタ指示を受信し、処理することができ、治療デバイスによる応答をもたらす。治療デバイスによる応答の例は、治療の起動、治療の終了、治療の調節と、治療の中止が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2008年11月13日に出願された、米国特許仮出願第61/114,442号の利益を主張し、その全体の開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、内科的治療システム、デバイス、および方法に関連する。より具体的には、本発明は、摂取可能な電子デバイスを使用する種々の内科的治療の起動および/または調節のためのシステム、デバイス、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の健康関連の病状、事象、および欠陥のための、複数の治療が存在する。そのような治療は、埋込デバイス、例えば、心調律管理デバイス、神経刺激/神経調節デバイス、髄腔内薬物送達ポンプ、ならびに蝸牛インプラント、網膜インプラント、および人工関節、四肢、および臓器等の機能的神経調節人工装具として実装することができる。しかしながら、埋込まれると、そのようなデバイスは、制御された起動または調節を促進する機能性を提供しない場合がある。
【0004】
一例では、神経刺激デバイスは、脊柱に疼痛制御治療を送達する場合があるが、神経刺激デバイスが、要求に応じて起動されない場合がある。換言すれば、神経刺激デバイスは、埋込後は常に起動されている。その結果、患者は、そのような治療が必要ではない時に、神経刺激とともに、その関連する望ましくない副作用にさらされる場合がある。
【0005】
別の例では、脊髄刺激装置等の神経調節デバイスは、疼痛のための治療効果を提供する場合があるが、刺激の割合は、例えば、高活動期中により高い強度、および低活動期中により低い強度等、刺激を患者の生活様式に合わせるように調節可能でない場合がある。その結果、患者は、最適な治療結果を得るために、刺激強度に一致しない活動を制限する、または、一致しない活動に従事する時は、低下した治療結果に耐える必要がある場合がある。
【0006】
したがって、治療を制御するための、治療結果を最適化するための、および患者に制限を課さずに患者の治療を強化するためのシステム、デバイス、および方法を有することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、治療デバイスに指示を提供するためのシステムを含む。治療デバイスは、心臓治療デバイス、神経刺激デバイス、髄腔内薬物送達ポンプ、胃腸デバイス、および神経刺激人工装具等の任意の種類のデバイスであることが可能である。システムは、摂取可能ユニットおよび応答機モジュールを含む。摂取可能ユニットは、応答機モジュールにエフェクタ指示を提供する、出力またはエフェクタモジュールを含む。応答機モジュールは、エフェクタ指示を受信し、処理し、かつ治療デバイスの動作を変更するために治療デバイスにエフェクタ指示を通信する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
治療デバイスに指示を提供するためのシステムであって、
筐体と、
エフェクタ指示を提供するために、前記筐体内に固着される出力モジュールと、
を備える、摂取可能ユニットであって、
前記摂取可能ユニットは、所望事象の発生に応じて、起動すると、前記出力モジュールに前記エフェクタ指示を提供する、摂取可能ユニットと、
前記エフェクタ指示を受信し、処理するために、前記治療デバイスと通信している応答機モジュールであって、前記エフェクタ指示は、前記治療デバイスの少なくとも一動作を変更する、応答機モジュールと、
を備える、システム。
(項目2)
前記筐体は、密封され、前記摂取可能ユニットは、前記筐体内に固着され、かつ前記出力モジュールに電力を供給するために、前記出力モジュールに電気的に連結される、電源をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記筐体は、前記出力モジュールを放出するために、所望の標的部位の周辺流体と接触すると分解し、前記出力モジュールは、
その上に堆積される2つの異種材料を含む、支持構造であって、前記異種材料は、電圧電位差を表し、前記流体と接触すると前記摂取可能ユニットに電力を提供する、支持構造と、
前記エフェクタ指示を表す一意的電流署名を生成するために、前記異種材料の間の導電性を制御するための、前記異種材料のそれぞれに電気的に連結される密封導電性制御モジュールと、
を備える、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記電流署名は、制御されたイオン放射を介して生成される、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記摂取可能ユニットは、経口薬をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記摂取可能ユニットは、第2のエフェクタ指示を提供するために、前記筐体内に固着される第2の出力モジュールをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記応答機モジュールは、ハードウエア構成要素およびソフトウエア構成要素のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載のシステム。
(項目8)
摂取可能なデバイスを使用して、治療ユニットに指示を提供するための方法であって、
前記摂取可能なデバイスのエフェクタモジュールをプログラムするステップと、
前記摂取可能なデバイスを摂取するステップと、
標的部位に到達時、前記摂取可能なデバイスを起動するステップであって、前記標的部位は、導電性流体の存在を特徴とする、ステップと、
前記エフェクタモジュールを介してエフェクタ指示を送信するステップと、
前記治療デバイスに関連する応答機モジュールを介して、前記エフェクタ指示を受信し、処理し、前記治療デバイスによる応答をもたらすステップと、
を含む、方法。
(項目9)
治療送達を制御するためのシステムであって、
カプセルと、
イオン放射を介して電流を生成するための前記カプセル内に位置付けられるイオン放射ユニットであって、前記イオン放射モジュールは、導電性流体に曝露されると、電圧電位を生成する一対の材料を含む、イオン放射ユニットと、
エフェクタ指示を運搬する一意的電流署名を生成するために導電性を制御するための、前記一対の材料の間に位置付けられ、それらに電気的に連結される導電性制御モジュールと、
を備える、システム。
(項目10)
治療デバイスと通信している応答機モジュールをさらに備え、前記応答機モジュールは、前記エフェクタ指示を受信し、処理する、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記エフェクタ指示は、前記治療デバイスの少なくとも一動作を変更する、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記一対の材料は、電流経路を増大させる非導電性材料によって分離される、項目10に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】摂取可能な治療起動装置を含む、摂取可能な起動装置環境を例証する図である。
【図2】図1の摂取可能な治療起動装置をより詳細に例証する図である。
【図3】図2の治療起動装置の摂取可能なデバイスをより詳細に例証する図である。
【図4】図3の摂取可能なデバイスのエフェクタモジュールをより詳細に例証する図である。
【図5】図2の摂取可能な治療起動装置のエフェクタ指示をより詳細に例証する図である。
【図6】図2の摂取可能な治療起動装置の応答機モジュールをより詳細に例証する図である。
【図7】図1の摂取可能な治療起動装置環境の治療デバイスを例証する図である。
【図8】摂取可能な治療起動装置を介する、治療デバイスの摂取および起動を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一般に、本発明は、埋込型医療デバイスまたは関連治療の制御された起動および/または調節を提供する場合がある。より具体的には、本発明は、埋込可能な医療デバイスに関連するデバイス/治療の起動および/または調節を生じさせるための摂取可能なデバイスの使用を含む。典型的には、患者は、摂取可能なデバイスの摂取を制限する。摂取可能なデバイスの摂取は、患者の医療デバイスおよび/または治療の起動および/または調節をもたらす。代替として、摂取可能なデバイスの摂取は、デバイス/治療を終了、または中止する場合がある。したがって、本発明の新規かつ有益な結果として、患者および/または他の当事者は、摂取可能なデバイスの条件に基づく種々の埋込型医療デバイスおよび関連治療に関連する種々の成果を意のままに制御する場合があり、医療機関または他の当事者は、例えば、処方により、摂取可能なデバイスの供給を制御する場合がある。
【0010】
治療を起動および/または調節するための摂取可能なデバイスの使用は、心調律管理、神経刺激および/または神経調節(しばしば、本明細書において「神経刺激」として集合的に称される)、髄腔内薬物送達ポンプおよび治療、ならびに蝸牛インプラント、網膜インプラント、および人工の関節、四肢、および臓器等の機能的神経調節人工装具を含むように、任意の埋込型デバイスまたは治療のための広範な潜在的用途を有するかもしれない。
【0011】
治療の起動は、例えば、事象または状態を誘発するためのデバイスの起動を含む。例えば、神経刺激電極を有する胃バンディングデバイスの起動は、増大した満腹感を誘発し、かつ/または胃運動の速度の向上を誘発する場合がある。さらに、摂取可能なデバイスは、例えば、バンドを収縮して、胃バンディングデバイスのバンド部分を起動する場合がある。摂取可能なデバイスが、食事の摂取前に摂取される場合、患者は、食欲、満腹感、カロリー摂取量、および最終的体重管理結果への影響等を制御する場合がある。
【0012】
ある態様は、体内療法に関してもよく、例えば、埋込型医療デバイスを含んでもよい。本明細書で使用する場合、「埋込型医療デバイス」という用語は、少なくとも部分的に生体上で、少なくとも部分的に生体内で、またはそれらの組み合わせで位置付けられるように構成されるデバイスを指す。
【0013】
例えば、埋込型医療デバイスは、制御器回路、電源等と通信可能に関連付けられた、種々の電極構成を有するリード線を含んでもよい。より具体的に、かつ例示的に、埋込型医療デバイスは、複数のインライン分割電極サテライトを有する1つ以上のリード線を備えてもよく、各電極は、独立して制御可能であり、複数の分割電極サテライトを多重化するための電力/データ線である。本発明と併用されてもよいデバイスの種々の構成は、国際公開第WO2004/052182号として公開されたPCT出願第PCT/US2003/039524号、国際公開第WO2006/029090号として公開されたPCT出願第PCT/US2005/031559号、国際公開第WO2006/069322号として公開されたPCT出願第PCT/US2005/046811号、国際公開第WO2006/069323号として公開されたPCT出願第PCT/US2005/046815号、国際公開第WO2007/075974号として公開されたPCT出願第PCT/US2006/048944号、US2008−0114230 A1号として公開された米国出願整理番号第11/939,524号に記載/開示されている場合がある。
【0014】
本発明と併用されてもよいデバイスの種々の構成は、国際公開第WO/2008/095183号として公開されたPCT出願第PCT/US2008/052845号および国際公開第WO/2006/116718号として公開されたPCT出願第PCT/US2006/016370号に記載/開示されている場合がある。上記の出願のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。上記の構成は例示目的であるにすぎず、種々の他のコンポーネントおよび構成が可能である。
【0015】
図1は、摂取可能な治療起動装置102を含む、摂取可能な治療起動装置環境100を例証する。種々の態様では、摂取可能な治療起動装置環境は、ヒトを含む哺乳類等の生物であってもよい。種々の態様では、摂取可能な治療起動装置102は、1つもしくは複数の治療デバイス108、例えば、埋込デバイスまたは他のデバイス等の体内デバイスと通信可能に相互動作してもよい。通信可能な相互作用は、治療デバイス108の起動および/または調節、例えば、治療デバイス108の即時の起動、治療デバイス108の遅延起動、治療デバイス108の即時の調節、治療デバイス108に関連する活動の遅延調節等をもたらす場合がある。このようにして、患者は、摂取可能起動装置102の摂取を介して治療結果を制御する場合がある。
【0016】
図2は、図1の摂取可能な治療起動装置102をより詳細に例証する。種々の態様では、摂取可能な治療起動装置102は、エフェクタモジュール202と、エフェクタ指示204と、任意選択で応答機モジュール206とを有する、摂取可能なデバイス200を含む。摂取可能なデバイス200の摂取時、エフェクタモジュール202は、エフェクタ指示204を送信、例えば、伝達し得る。エフェクタ指示204は、例えば応答機モジュール206を介して、受信される場合があり、治療デバイス108および/または治療デバイス108に関連する治療の起動および/または調節を引き起こす場合がある。さらに、複数の摂取可能なデバイス200が、同時に、または時間的に接近して摂取されてもよく、複数の摂取された摂取可能なデバイス200のそれぞれは、1つもしくは複数の治療デバイス108と相互作用し得る。
【0017】
摂取可能なデバイス200は、以下に説明する、生物による摂取が可能であり、エフェクタモジュール202と機械的、電子的、および/または通信可能な相互動作がさらに可能である、任意のデバイス、構成要素、ハードウエア、および/またはソフトウエア、ならびにそれらの組み合わせを含む。
【0018】
例証するために、摂取可能なデバイス200は、プラシーボ構造を含む、プラシーボ構造から成る、プラシーボ構造に統合されてもよい。プラシーボ構造は、例えば、カプセル、錠剤等から成ってもよい。さらに例証するために、摂取可能なデバイス200は、摂取可能薬物を含む、摂取可能薬物から成る、摂取可能薬物に統合される等であってもよい。摂取可能薬物は、例えば、カプセル、錠剤、液体等をから成ってもよく、処方される、市販される等であってもよい。
【0019】
種々の摂取可能なデバイス200は、第WO/2008/095183号として公開されるPCT出願第PCT/US2008/052845号および国際公開第WO/2006/116718号として公開されるPCT出願第PCT/US2006/016370号に説明されるもの等のデバイスから成る、デバイスを含む、デバイスと統合されてもよく、その全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。加えて、本明細書に引用される参照のすべては、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0020】
2006年4月28日に出願されたPCT出願第PCT/US2006/016370号に説明される、組成物を含む情報薬学システムは、身体への医薬品の実際の物理的送達の検出を可能にするシステムおよび方法を含む。
【0021】
2008年2月1日に出願されたPCT出願第PCT/US2008/52845号、および2009年9月21日に出願された米国特許出願整理番号第12/564,017号(それらの両方が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に記載されるイオン放射モジュールまたは摂取可能事象マーカー(IEM)システムは、IEMおよび個人用信号受信機を含む。IEMの態様は、生理的に許容される担体内に存在してもよく、または存在しなくてもよい識別子を含む。識別子は、消化管体内標的部位等の身体の標的体内生理部位と接触すると起動することを特徴とする。個人用信号受信機は、物理的位置、例えば、身体の内部またはその上に関連し、IEMの信号を受信するように構成される。使用中、IEMは、個人用信号受信機によって受信される信号を配信する。
【0022】
IEMはまた、電気化学電位を形成し、電源を形成するために陰極および陽極として機能するように、IEMの2つの側面上に配置される2つの異種材料を含む。異種材料は、電流路を増大することによって信号を増幅する非導電性材料またはスカートによって分離されていてもよい。より具体的には、異種材料は、IEMが動作する環境に適切な2つの材料のうちのいずれかから作製することができる。例えば、摂取可能なデバイスとともに使用される時、異種材料は、摂取可能である異なる電子化学電位を有する、任意の対の材料であり得る。例証的例は、IEMが、下記の図8に示すように、胃酸等のイオン溶液と接触している時の例を含む。好適な材料は、金属に制限されず、ある態様では、対の材料は、金属および非金属、例えば、金属(Mg等)および塩(CuClまたはCul等)から成る対から選択される。活性電極材料に関して、好適に異なる電気化学電位(電圧)および低界面抵抗を伴う、任意の対合の物質(金属、塩、または層間化合物)が好適である。加えて、制御モジュール(図示せず)は、電力を受信し、起動されるとともに、導電性、したがって、2つの異種材料の間の電流路を制御するために、2つの異種材料のそれぞれに電気的に連結される。制御モジュールは、独自の方法で異種材料の間の導電性を変更する。異種材料間の導電性経路を変更することによって、制御モジュールは、IEMまたは摂取可能なデバイス200を囲繞する導電性流体/液体を通る電流の大きさを制御することが可能である。これは、エフェクタ指示を運搬する、または符号化する一意的電流署名を生成し、体内または体外に位置付けることができる応答機モジュール206等の受信機によって検出し、測定することができる。
【0023】
2007年10月17日に出願されたPCT出願第PCT/US07/82563号に説明される制御された起動の摂取可能な識別子は、情報薬学対応組成等の摂取可能な組成を含む。制御された起動の摂取可能な識別子は、対象の標的部位における所定の刺激の存在に応じて識別子の起動を提供する、制御された起動要素を含む。
【0024】
図3は、図2の治療起動装置の摂取可能なデバイス200を詳細に例証する。より具体的には、摂取可能なデバイス200は、これまで説明するように、プラシーボ、薬物、カプセル等の種々の媒体300に関連してもよい。種々の態様では、複数の摂取可能なデバイス200は、単一の媒体300と関連することができ、例えば、2つの摂取可能なデバイス200が、単一のカプセルに含まれてもよく、3つ以上の摂取可能なデバイス200が、ピル等の上に加えられる/その中に加工されてもよい。エフェクタモジュール202に加えて、摂取可能なデバイスは、種々の他の構成要素302から成る、それらと完全または部分的に統合される、それらと一体で、等であってもよい。種々の他の構成要素302の例は、対象の生理学的パラメータの検出のためのモジュールを含む。エフェクタモジュール202は、図2のエフェクタ指示204の受信、処理、記憶、生成、および/または通信が可能な、任意のデバイス、構成要素、ハードウエア、および/またはソフトウエア、およびそれらの組み合わせを備える。種々の態様では、例えば、エフェクタモジュール202は、受信する、生成する、記憶する等の処理能力を有する、集積回路(IC)、マイクロ回路、マイクロチップ、シリコーンチップ、小型電子回路等、および例えば、送信機等を介してエフェクタ指示204を転送するための手段を備えてもよい。
【0025】
図4は、図3の摂取可能なデバイスのエフェクタモジュール202を詳細に例証する。エフェクタモジュール202は、マイクロチップ400と、電源402と、送信機404とを備えてもよい。マイクロチップ400は、種々の構成要素、例えば、エフェクタ指示204を受信する、生成する、信号処理を実行する、および/または記憶するために必要な、ソフトウエア、記憶デバイス、メモリ、処理指示等を含み、かつ/またはそれらに関連している場合がある。
【0026】
電源402は、例えば、湿電池等、種々に構成され得る。一態様では、電源402は、標的生理部位と接触すると起動する場合がある、不完全電源であってもよい。したがって、電源402は、起動され、それによってマイクロチップ400に電源を供給する。換言すれば、電源402は、胃液、血液、または他の体液等のイオン溶液およびいくつかの組織内の電子化学反応を利用してもよい。
【0027】
摂取可能なデバイス200の構造によって、標的生理部位または位置は、異なる場合があり、対象の代表的な標的生理部位は、口、食道、胃、小腸、大腸等の胃腸管内の位置を含むがそれらに限定されない。ある態様では、識別子は、標的部位の特定の組成にかかわらず、標的部位における流体、例えば、胃液と接触すると起動するように構成される。いくつかの態様では、識別子は、標的生理部位と組成の接触後、問い合わせによって起動するように構成される。いくつかの態様では、識別子は、標的部位において起動するように構成され、標的部位には、特定の期間の後に到達される。
【0028】
マイクロチップ400は、次に、エフェクタ指示204を組み込む信号を、送信機404を介して、例えば、直接治療デバイス108に、応答機モジュール206を介して治療デバイス108に転送する。
【0029】
種々の態様では、種々の通信モード、通信チャネル、およびそれらの組み合わせが使用されてもよい。一例では、エフェクタ指示204は、無線周波(RF)信号を介して通信されてもよい。別の例では、エフェクタ指示204は、導電を介して、例えば、通信媒体として体内電気信号を使用して、通信されてもよい。さらに別の例では、エフェクタ指示204は、患者の外部に装着される受信機、例えば、順に、種々の通信モードを介して、1つもしくは複数の治療デバイス108、例えば、埋込型治療デバイスにエフェクタ指示を通信する応答機モジュールへの導電を介して通信されてもよい。したがって、理解できるように、体内および体外チャネルの種々の組み合わせ、および種々の通信モードが使用されてもよい。
【0030】
エフェクタ指示204は、これまで説明した機能性を持つ、例えば、治療デバイスおよび/または治療デバイスに関連する治療の起動/調節をもたらす起動および/または調節を引き起こすことが可能な任意の手段を含む。
【0031】
図5は、図2の摂取可能な治療起動装置のエフェクタ指示を詳細に例証する。種々の態様では、エフェクタ指示204は、ソフトウエア指示500、信号502、データ504等のうちのいずれか1つ、またはそれらの組み合わせを含む。さらに、これまで説明したように、前述のうちのいずれかまたはすべては、種々に具現化されてもよく、以下に説明するように種々のモードおよびチャネルを介して通信されてもよい。
【0032】
図6は、エフェクタ指示204の受信、処理、記憶、生成、および/または通信が可能な、任意のデバイス、構成要素、ハードウエア、および/またはソフトウエア、およびそれらの組み合わせを備える、応答機モジュール206を例証する。種々の態様では、応答機モジュール206は、治療デバイス108に直接関連し得る、例えば、治療デバイス108と機械的な通信をしている場合がある。そのような応答機モジュール204の例は、心臓デバイス、胃腸デバイス、リードデバイス、電極デバイス等の構成要素として物理的に構成される、指示受信および/または処理ユニットを含む。
【0033】
種々の態様では、応答機モジュール206は、例えば、治療デバイス108と電気に通信していてもよいが、それと機械的に通信していなくてもよい、治療デバイス108に間接的に関連してもよい。そのような応答機モジュール204の例は、上記のPCT出願第PCT/US2008/52845号に説明される受信機、例えば、パッチ受信機等の着用可能な受信機と/として物理的に構成される、指示受信および/または処理ユニットを含む。
【0034】
図6は、図2の摂取可能な治療起動装置の応答機モジュールを詳細に例証する。種々の態様では、応答機モジュール206は、エフェクタ指示204を受信するための受信機600と、エフェクタ指示204を処理および/記憶するため等のマイクロチップ400と、任意選択で、エフェクタ指示を以後転送するための送信機404とを備え得る。
【0035】
受信機600は、例えば、専用であってもよく、すなわち、エフェクタ指示のみを受信する、または汎用であってもよく、すなわち、エフェクタ指示に加えて、信号、データ等を受信し得る。汎用受信機の場合では、複数の種類の通信のそのような受信状態は、総合的デバイスの機能性、例えば、ペーシング信号およびエフェクタ指示を受信する心臓ペーシングデバイスを提供してもよい。
【0036】
ここで図4を参照すると、マイクロチップ400は、例えば、エフェクタ指示に対する種々の処理活動を実行してもよい。一例は、1つもしくは複数の摂取可能なデバイスからの複数のエフェクタ指示の情報集約を含む。別の例は、エフェクタ指示を有する、他の発信源、例えば、他のデバイスからの情報集約データを含む。別の例は、他のデータに基づきエフェクタ指示を修正することを含む。例証するために、応答機モジュール206は、心臓デバイスから心臓ペーシングに関連するデータを受信し、記憶してもよい。例えば、エフェクタ指示は、心臓ペーシングの速度を、一分当たり70の心拍数から一分当たり60の心拍数に遅くする。エフェクタ指示が受信される時に、マイクロチップは、データを分析し、分析結果に基づき、一分当たり65の心拍数に速度を遅らせるようにエフェクタ指示を修正してもよい(最初に予想されるように、データの分析後、この速度は、一分当たり65の心拍数が好ましいと見出され得る)。このようにして、応答機モジュール206およびエフェクタモジュール202は、協力して最適な治療に影響を及ぼす場合がある。
【0037】
送信機404は、例えば、エフェクタ指示204、データ、またはそれらの組み合わせを、宛先デバイス、例えば、治療デバイス108に送信してもよい。通信モードおよびチャネルは、これまで説明するように、種々の種類およびそれらの組み合わせであってもよい。
【0038】
治療デバイス108は、少なくとも1つの内科的治療を生物に提供する、または促進することが可能な任意のデバイスである場合がある。具体的には、治療デバイス108は、埋込可能なデバイスを含む。
【0039】
図7は、図1の摂取可能な起動装置環境の治療デバイスを例証する。治療デバイスは、例えば、心臓デバイス、リードデバイス、電極デバイス、偏頭痛デバイス、尿デバイス、胃腸デバイス等を含む。
【0040】
治療デバイスは、種々の方法、例えば、機械的起動、電気的起動、それらの組み合わせ等で起動、および/または調節されてもよい。機械的起動の一例では、胃バンディングデバイス(GBD)等の胃腸デバイスによって受信されたエフェクタ指示は、GBDにGBDの締め付けデバイスに関連するコントローラ回路に信号を伝えさせる。コントローラ回路は、次に、締め付けデバイスを膨張するために必要な制御を生成し、したがって、食道を収縮し、より高い満腹感、食事を摂取する能力の低下、胃運動の向上等をもたらす。
【0041】
電気的起動の一例では、神経刺激デバイス(NSD)等の電極デバイスによって受信されたエフェクタ指示は、NSDにそれに関連するコントローラ回路に信号を伝えさせる。コントローラ回路は、次に、電極を介して電気刺激を提供するために必要な指示を生成し、したがって、疼痛を表に出さず、心収縮を刺激する等を行う。
【0042】
図8は、摂取可能な治療起動装置を介する治療デバイスの摂取および起動を例証する。例証するように、ヒト800による摂取可能な治療起動装置200の摂取は、胃液による摂取可能な治療起動装置200の起動をもたらす。起動すると、摂取可能な治療起動装置200は、心臓ペーシングデバイス804に関連するコントローラ回路808にエフェクタ指示204を送信する。コントローラ回路808によってエフェクタ指示204が受信および処理されると、指示は、心臓ペーシングデバイス804に送信され、それは、心臓ペーシングデバイス804を介して心臓のペーシング速度の変化をもたらす。このようにして、患者は、患者の心臓治療のある特徴、態様、およびパラメータを制御し、最終的に最適化することができる。
【0043】
前述のさらなる例証を続けると、偏頭痛管理、例えば、偏頭痛の疼痛に関連する神経領域の電気刺激を対象とする神経刺激デバイスの遂行は、疼痛の回避または軽減をもたらす場合がある。摂取可能なデバイスが、偏頭痛の前兆、すなわち、しばしば偏頭痛の頭痛に先行する感覚障害の開始に取られる場合、患者は、偏頭痛の頭痛およびそれに関連する激痛を完全に回避する場合がある。
【0044】
放出活動を刺激するための電極を有する尿治療デバイスの遂行は、切迫性尿失禁および問題の調整を補助する場合がある。
【0045】
陰茎勃起に関連する電極デバイスの遂行は、勃起障害を含む、種々の陰萎に関連する疾患の治療の成功をもたらす場合がある。
【0046】
心臓治療を起動/調節するための種々の心臓デバイスの遂行は、心臓治療の向上、心臓治療の最適化、習慣性の低下、習慣性の除去、および習慣性の回避のうちのいずれか1つもしくは複数をもたらすことができる。
【0047】
種々の物理的活動前の脊髄刺激に関連するNSDの遂行は、疼痛制御治療の改善、疼痛制御治療の最適化、習慣性の低下、習慣性の除去、および習慣性の回避のうちの1つ以上をもたらすことができる。
【0048】
当業者が留意するように、種々の態様は、治療の患者による、少なくともある程度の制御を促進する。
【0049】
前述は、本発明に関連する有益な結果の簡単な数例を例証する。本発明の用途、ならびに得られる有益な結果は、本明細書に徹底的に列挙するにはあまりにも多すぎる。
【0050】
種々の態様は、エフェクタモジュールを有する摂取可能なデバイスを摂取するステップと、エフェクタモジュールを介してエフェクタ指示を送信するステップと、治療デバイスに関連する応答機モジュールを介して、エフェクタ指示を受信および処理し、治療デバイスによる反応をもたらすステップと、を含む。
【0051】
種々の態様は、エフェクタモジュールおよびエフェクタ指示を有する摂取可能なデバイスを備える、摂取可能な治療起動装置を含む。
【0052】
種々の態様は、摂取可能な治療起動装置と治療デバイスを備えるキットを含む。さらに、キットはまた、摂取可能な治療起動装置および治療デバイスのうちの少なくとも1つに関連する応答機モジュールを含んでもよい。
【0053】
本発明の1つ以上の態様は、種々の方法、またはその種々のステップを実行するために、そこに記憶されるプログラミングを有する、コンピュータ可読媒体の形態であってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータディスクもしくはCD、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気「ハードカード」、サーバ、または電子的に、磁気的に、光学的に、もしくは他の手段により記憶されたデータ等を含有することが可能な、任意の他のコンピュータ可読媒体の形態であってもよい。したがって、本方法を実行するための記憶されたプログラム具現化ステップは、例えば、コンピュータネットワーク、サーバ、または他のインターフェース接続、例えば、インターネット、または他の中継手段により、プロセッサに転送または通信されてもよい。
【0054】
本発明は、説明される特定の態様に限定されず、可変であってもよいことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明する目的のためのものにすぎず、限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定されることを理解されたい。
【0055】
値の範囲が提供される場合、文脈によって別途明示的に示されない限り、下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限との間の各介在値と、その規定範囲内の任意の他の規定値または介在値とが、本発明の範囲内に包含されることを理解されたい。これらのより小範囲の上限および下限は、独立して、そのより小範囲内に含まれてもよく、また、本発明の範囲内に包含されるが、規定範囲内のあらゆる具体的に除外される限界の対象となる。規定範囲が、限界の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限界のいずれか一方または両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0056】
本明細書において、「約」という用語が先行する数値を用いて、ある範囲が示される。本明細書において、「約」という用語は、それが先行する正確な数、ならびに該用語が先行する数に近いか、または近似する数に対する文字的サポートを提供するために使用される。数が具体的に挙げられた数に近いか、または近似するかどうかを判断する際に、挙げられていない数に近い、または近似する数は、それが提示される文脈において、具体的に挙げられた数の実質的な同等物を提供するものであってもよい。
【0057】
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術的および科学的用語はすべて、本発明が属する当該技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同一意味を有する。本明細書に説明されるものと類似または同等の任意の方法および材料もまた、本発明の実践または試験で使用可能であるが、本明細書では、代表的例証方法および材料が説明される。
【0058】
本明細書に引用される刊行物および特許はすべて、各個々の刊行物または特許が、参照することによってその全体として組み込まれる、あたかも具体的かつ個々に示されるかのように、参照することによって本明細書に組み込まれ、それと関連して刊行物が引用される方法および/または材料を開示ならびに説明するように参照することによって本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示のものであって、本発明が、先行発明を理由として、そのような刊行物に先行する権限がないものの承認として解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の公開日と異なる場合があり、個別に確認される必要があるかもしれない。
【0059】
本明細書および添付の請求項で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別途明確に示されない限り、複数参照を含むことに留意されたい。さらに、請求項は、任意の任意選択要素を除外して草案されてもよいことに留意されたい。したがって、本記述は、請求要素の列挙、または「負」の制限の使用と関連する「唯一」、「だけ」等の排他的用語の使用のための先行詞としての役割を果たすことが意図される。
【0060】
本開示の熟読によって当業者には明白となるように、本明細書に説明および例証される個々の実施形態はそれぞれ、個別の構成要素および特徴を有し、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの態様のいずれかの特徴から容易に分離される、またはいずれかの特徴と組み合わせられてもよい。任意の列挙される方法は、列挙される事象の順番または論理的に可能な任意の他の順番で実行可能である。
【0061】
上述の発明は、理解を明確にする目的のために、例証および例として、ある程度詳細に説明されたが、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなく、これに対してある変更および修正が行われてもよいことは、本発明の教示に照らして、当業者には容易に明白である。
【0062】
故に、上述は、本発明の原理を例証するにすぎない。当業者は、本明細書では明示的に説明または図示されないが、本発明の原理を具現化する種々の配列を考案可能であって、それらはその精神および範囲内に含まれることを理解されるであろう。さらに、本明細書に列挙される例および条件的用語はすべて、原則として、発明者らによって貢献される本発明の原理および概念を読者が理解し、本技術分野を促進する際の補助として意図され、そのような具体的に列挙される例および条件に限定されるものではないものと解釈されたい。さらに、本発明の原理、側面、および態様、ならびにその具体的例を列挙する本明細書における記述はすべて、その構造および機能の両方の均等物を包含するものと意図される。加えて、そのような均等物は、現在周知の均等物および将来的に開発される均等物、すなわち、構造にかかわらず、同一機能を果たすように開発される任意の要素の両方を含むものと意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書に図示および説明される例示的実施形態に限定されるものとして意図されない。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の請求項によって具現化される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−179381(P2012−179381A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−113688(P2012−113688)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【分割の表示】特願2011−536542(P2011−536542)の分割
【原出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(505222679)プロテウス バイオメディカル インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】