説明

摂食抑制作用を有する豚肉由来ペプチドを含有する組成物

【課題】経口的に投与又は摂取可能であり、ヒトにも適用できる、摂食抑制作用を有するペプチド、特に、低コストで実用的な、安全で摂取しやすいペプチド、及びこれを含有する摂食抑制剤、食品、医薬組成物、飼料等を提供する。
【解決手段】豚肉又は豚肉由来タンパクをペプシンによって分解して得られるペプチドであって、コレシストキニン分泌促進活性又は摂食抑制活性を有するペプチドを含有する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口摂取することにより、摂食を抑制し、空腹感を低減させるペプチド及びそれを含有する各種組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病予防は、現代の先進国社会における重要な課題であり、これらの大きな原因である肥満を予防又は改善することが望まれている。規則正しい食事摂取及び摂取カロリーの制限こそが肥満を予防、改善する最善策と考えられるが、食物がありふれた現代社会において、その実行は困難である場合が少なくない。
【0003】
肥満治療のために食欲を抑制する薬剤として、アンフェタミン類のマジンドールが実用化されている。しかし、この薬剤に付随する中枢への直接作用や習慣性などの危険性から、高度肥満患者のみにその使用は限られており、より安全な手法が望まれている。
【0004】
消化管の内分泌細胞より分泌される種々のホルモン(消化管ホルモン)が食欲を抑制する機能を有することが知られている(非特許文献1〜4)。これらのペプチドホルモンは、経口投与の場合、消化管管腔内において容易に分解されるので、経口投与によって吸収させてその効果を発揮させることは困難であり、血中投与せざるを得ない。その場合、ペプチド合成にかかる高いコストと投与法の煩雑さといった課題が存在する。
【0005】
しかし、これらの消化管ホルモンは、食事摂取が強い分泌刺激となって分泌されることから、これらのホルモンの分泌を効果的に刺激できれば、食品成分の経口投与という安全な手法により食欲を抑制することが可能となる。
【0006】
コレシストキニン(Cholecystokinin、以下「CCK」と略称することがある)は、他の消化管ホルモン(GLP−1、PYY)などに先駆けて食欲を抑制する作用を有することが見い出された消化管ホルモンであり、食事中の脂質、タンパク質、アミノ酸などにより分泌が刺激される(非特許文献2)。しかし、摂取カロリーの制限を目指す上で、エネルギー効率の高い脂質を用いるのは不適である。
【0007】
動物試験において、大豆β−コングリシニン由来のペプチド(ペプシン分解物及び合成ペプチド)によりCCK放出を刺激することができることは報告されている(特許文献1、非特許文献5〜6)。
【0008】
【特許文献1】特開2004−10569
【非特許文献1】Woods SC, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol, 286(1):G7-13, 2004
【非特許文献2】Moran TH, et al, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol, 286(2):G183-8, 2004
【非特許文献3】Moran TH, et al, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol, 286(5):G693-7, 2004
【非特許文献4】Tso P, et al, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol, 286(6):G885-90, 2004
【非特許文献5】Nishi T, et al, J Nutr, 133(2):352-7, 2003
【非特許文献6】Nishi T, et al, J Nutr, 133(8):2537-42, 2003
【非特許文献7】Logsdon CD., J Biol Chem., 261(5):2096-101, 1986
【非特許文献8】Hira T, et al, Biosci Biotechnol Biochem, 5(5):1007-15, 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、経口的に投与又は摂取可能であり、ヒトにも適用できる、摂食抑制作用を有するペプチド、特に、低コストで実用的な、安全で摂取しやすいペプチド、及びこれを含有する摂食抑制剤、食品、医薬組成物、飼料等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、各種畜肉、鶏卵、魚介食品をペプシン分解したペプチド組成物を調製し、ラット小腸粘膜との結合活性を指標としたスクリーニングを行ない、さらにラットにおいて食欲抑制作用を確認することにより、豚肉のペプシン分解物(ペプトン)が高いCCK放出活性及び顕著な摂食抑制作用を有することを見い出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、
〔1〕豚肉又は豚肉由来タンパクをペプシンによって分解して得られるペプチドであって、コレシストキニン分泌促進活性又は摂食抑制活性を有するペプチドを含有する組成物;
〔2〕前記ペプチドが、豚肉又は豚肉由来タンパクをペプシンによって分解し、ペプシン分解物を得る工程及び前記ペプシン分解物を陰イオン交換樹脂に適用し、非吸着画分を回収する工程を含む方法によって得られるペプチドである、前記〔1〕記載の組成物;
〔3〕豚肉又は豚肉由来タンパクをペプシンによって分解し、ペプシン分解物を得る工程、及び前記ペプシン分解物を陰イオン交換樹脂に適用し、非吸着画分を回収する工程を含む、コレシストキニン分泌促進活性又は摂食抑制活性を有するペプチドの製造方法;
〔4〕前記〔1〕又は〔2〕記載の組成物を含有する摂食抑制剤;
〔5〕前記〔1〕又は〔2〕記載の組成物を含有するコレシストキニン分泌促進剤;
〔6〕前記〔4〕又は〔5〕記載の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤を含有する医薬組成物;
〔7〕前記〔4〕又は〔5〕記載の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤を含有する食品;
〔8〕前記〔4〕又は〔5〕記載の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤を含有する飼料、
を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の組成物、摂食抑制剤、コレシストキニン分泌促進剤及びこれらを含有する医薬組成物、食品、飼料(以下、「(本発明の)組成物等」と総称することがある)は、食欲抑制作用を有するコレシストキニンの分泌を刺激する活性を有するため、経口摂取することにより、空腹感を低減させることができる。特に、本発明の組成物等は、摂食抑制活性を有することが知られているβ−コングリシニンよりも強力な活性を有するので、少量の摂取で充分な摂食抑制効果を得ることができる。
また、本発明の組成物等は、安全な食品素材を食品加工用の酵素で処理することにより得られるので、安全性が高く、低コストである。
【0013】
本発明の組成物は、その高い溶解性により、カプセル等の固体形態による摂取のみならず、飲料等に溶解して摂取することも可能である。
【0014】
さらに、本発明の組成物等は、摂取後約15分でその効果が発揮されることから、食事の15分ほど前に本発明のペプチド組成物を摂取して予め満腹感を惹起することにより、その後の過剰なカロリー摂取を予防することができる。また、食事開始と同時に摂取する場合には、実際の食事によって惹起される満腹感との相乗効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の組成物の製造に用いられる豚肉及びペプシンは、特に制限はなく、市販のものを適宜用いることができる。
豚肉のペプシンによる分解は、例えば以下のようにして行なうことができる。豚肉を、細かく切断する、挽く、つぶす等した後に、ペプシン含有溶液を添加し、ペプシンの作用可能な条件下で処理する。ペプシン処理の前に、エタノール等を用いて脱脂することが好ましい。
ペプシン処理におけるペプシンの濃度、反応時間、温度は、適宜選択して決定することができるが、一般的には、対基質濃度0.01〜1%程度のペプシンを用い、4〜40℃程度の温度で、5分〜20時間程度で処理することができる。なお、本明細書においては、特に断らない限り「%」は重量%である。
場合によっては、上記のようにして得られた分解物を、さらに精製してもよい。精製は、上記のようなペプシンによる分解の後、分解物をイオン交換樹脂カラム(陰イオン交換樹脂カラムが好ましい)に適用することにより容易に行なうことができる。本発明の摂食抑制活性ペプチドは、陰イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィにより非吸着画分に回収される。必要があれば、この画分を公知の方法によってさらに濃縮又は乾燥することができる。
【0016】
本発明に関して、「ペプチド」は、2以上のアミノ酸残基からなり、もとのタンパク質又はポリペプチドよりも小さいものであれば、すべて包含する用語として使用される。ここでいうペプチドは、好ましくは分子量200〜20,000(2〜200アミノ酸残基)程度の大きさである。また、本発明の「組成物」は、1種のペプチドのほかに、少なくとも1つの成分(別のペプチドであってもよい)を含むものであることを意味する。
【0017】
コレシストキニン分泌促進活性の有無又は程度は、以下のようにして調べることができる(CCK分泌試験)。
【0018】
CCK産生細胞のモデルとして広く用いられるマウス十二指腸由来の細胞株STC−1を用いる。48−wellプレートに培養したSTC−1細胞を、各種サンプル溶液(1mg/ml)中で60分間反応させ、上清中に放出されたCCK量を、ラット膵腺房細胞株を用いたバイオアッセイ(非特許文献7、8)にて測定する。具体的には、ラット膵腺房細胞株AR−42Jを48-wellプレートにて培養し、100nM デキサメタゾン(dexamethasone)を添加し、48時間分化誘導する。この細胞を、STC−1細胞に30分間暴露し、上清中に放出されたアミラーゼ活性を測定する。アミラーゼ放出量に基づいてCCK濃度を算出する。陰性対照としては、サンプルを添加していないバッファー(10mM Hepes、pH7.4)を用いる。なお、陽性対照として、β−コングリシニン加水分解物を用いてもよい。
【0019】
本発明に関して、「コレシストキニン分泌促進活性を有する」とは、上記の試験方法によって調べた場合に、陰性対照と比較して有意にコレシストキニンの分泌を促進することを意味する。
【0020】
摂食抑制活性の有無又は程度は、以下のようにして調べることができる。
【0021】
15週齢のSprague-Dawley系雄ラットを、精製飼料にて予備飼育後、一夜絶食させ、フィーディングチューブにより各種サンプル溶液(50mg/ml、1ml)を胃内投与する。対照群には、水1mlを投与する。投与30分後に精製飼料を再給餌し、60分間の摂食量を測定する。
【0022】
本発明に関して、「摂食抑制活性を有する」とは、上記の試験方法によって調べた場合に、対照と比較して有意に摂食を抑制することを意味する。
【0023】
本発明の組成物等は、経口的に投与したり、摂取させることができる。一般的には、投与又は摂取量としては、上記のようなペプシン分解物にして0.1g〜5gであることができ、好ましくは0.5g〜5gに相当する量である。このような摂取量は、充分安全である。
【0024】
本発明のペプチド含有組成物は、これを含有する摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤として使用することができる。
【0025】
さらに、本発明の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤は、医薬的に許容されうる一般的な担体又は賦形剤などの成分と一緒にして医薬組成物とすることができる。なお、本発明に関して、「医薬」という用語は、人に適用するものだけでなく、動物に適用するもの(獣医薬)をも包含する概念として使用される。
【0026】
また、本発明の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤を食品に添加することにより、摂食抑制作用又はコレシストキニン分泌促進作用を有する各種の食品(飲料であってもよい)とすることができる。
【0027】
本発明のペプチド含有組成物、及び摂食抑制剤及びコレシストキニン分泌促進剤の効果は、動物に対しても有効であるので、公知の一般的な栄養成分と組み合わせて、又はさらに他の有効成分と組み合わせて、本発明の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤を含有する飼料(ペットフード、家畜用飼料など)とすることもできる。
【0028】
次いで、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
1.ペプシン分解物の製造
市販の豚ヒレ肉を20分間水煮後、99%(v/v)エタノール溶液中でホモゲナイズした。このホモジネートをろ紙で濾過し、残渣を採取してエタノール洗浄を行なった。この残渣を67%(v/v)クロロホルム・33%(v/v)メタノール溶液中でさらに破砕し、脱脂した。この操作を3回繰り返して、得られた残渣を乾燥、粉砕したものを豚肉タンパクとした。
【0030】
上記で得られた豚肉タンパクを、60mMリン酸溶液(pH1.85)中で懸濁し、対基質濃度0.5%のペプシンを添加して、37℃にて10分処理した。得られた処理物を豚肉ペプトンとした。
上記と同様にして、豚肉の代わりに市販の畜肉、鶏卵、魚介類を用いて、各種ペプシン分解物(ペプトン)を作製した。
【0031】
2.ラット小腸粘膜との結合活性の試験
得られたペプトンを用いて、ラット小腸粘膜との結合活性によるインビトロでのスクリーニングを行なった。
8〜10週齢のSprague-Dawley系雄ラットの上部小腸刷子縁膜可溶化成分(非特許文献7)を、生体分子間相互作用解析装置BIACORE3000のセンサーチップCM5に固定化した。各種ペプトン(100μg/ml)をアナライトとして添加し、センサーチップ上の小腸刷子縁膜成分への結合量(Resonance Unit:RU)を測定した。
【0032】
その結果を表1に示す。鶏卵、魚介類にくらべ、畜肉が高い結合活性を示した。この結果はこれらのペプトンに小腸刷子縁膜との強い相互作用があることを示しており、この中に消化管内分泌細胞からの消化管ホルモンの分泌を強く刺激できる加水分解物が存在することが示唆された。
【0033】
【表1】

【0034】
生体分子間相互作用解析装置のセンサーチップ上に固定化した小腸刷子縁膜成分への各種ペプトン(100μg/ml)の結合量(RU)。数値は3回の測定の平均値を示す。
【0035】
3.摂食抑制効果の確認
インビトロで結合活性が高かった2種(豚肉、鶏肉)のペプトンについて、摂食抑制効果をラット摂食試験により検討した。
15週齢のSprague-Dawley系雄ラットを、精製飼料にて予備飼育後、一夜絶食させ、フィーディングチューブにより各ペプトン溶液(50mg/ml、1ml)を胃内投与した。対照群には、水1mlを投与した。投与30分後に精製飼料を再給餌し、60分間の摂食量を測定した。
【0036】
その結果を図1に示す。豚肉ペプトンの投与により、有意な摂食量の低下が観察された。陽性対照として用いたβ−コングリシニンペプトンによっても有意な摂食量の低下が見られたが、鶏肉ペプトン、水では摂食量の変化は観察されなかった。
【0037】
4.CCK放出活性の確認
CCK産生細胞のモデルとして広く用いられるマウス十二指腸由来の細胞株STC−1を用いて、豚肉ペプトンのCCK放出活性を測定した。48−wellプレートに培養したSTC−1細胞を豚肉ペプトン溶液(1〜5mg/ml)中で60分間反応させ、上清中に放出されたCCK量を、ラット膵腺房細胞株からのアミラーゼ放出を指標としたバイオアッセイ(非特許文献7、8)にて測定した。
すなわち、ラット膵腺房細胞株AR−42Jを48-wellプレートにて培養し、100nM デキサメタゾンを添加し、48時間分化誘導した。この細胞を、STC−1細胞に30分間暴露し、上清中に放出されたアミラーゼ活性を、アミラーゼ測定キット(キッコーマン)にて測定した。既知濃度のCCKに暴露した際のアミラーゼ放出量をもとに標準曲線を作成し、アミラーゼ放出量からCCK濃度を算出した。
【0038】
結果を図2に示す。陰性対照(サンプル無添加群)の場合、3.3±0.8pMの分泌が見られた。図2における数値は、陰性対照に対する相対値である。豚肉ペプトン(「PorkP」)は、濃度依存的にSTC−1細胞からのCCK放出を刺激し、その活性はβ−コングリシニンペプトン(「BconP」)よりも高かった。これにより、豚肉ペプトンがCCK産生細胞からのCCK放出をβ−コングリシニンペプトンよりも強力に刺激することが明らかとなった。
【0039】
5.CCK放出活性ペプチドの濃縮
豚肉ペプトンのCCK放出活性を有するペプチドを濃縮するために、イオン交換樹脂を用いて分画を行なった。
陰イオン交換樹脂(三菱化学 ダイヤイオンWA21)を1.0N NaOH、脱塩水にて平衡化した後、脱塩水に溶解した豚肉ペプトン(10mg/ml)を添加し、非吸着画分(Flow through)、0.1M HCl溶出画分、0.5M HCl溶出画分をそれぞれ回収し、ロータリーエバポレーターにて脱塩酸、濃縮後に凍結乾燥した。
それぞれの回収率は、非吸着画分65%、0.1M HCl溶出画分7.5%、0.5M HCl溶出画分27.4%であった。
【0040】
上記画分のCCK放出活性を前述と同様に測定した。STC−1細胞を、1mg/mlの豚肉ペプトン溶液、及び上記の陰イオン交換分画サンプル(1mg/ml及び上記の回収率より算出して1mg/mlの豚肉ペプトンに含まれる濃度としたもの)の溶液中で1時間インキュベートして、上清中に放出されたCCK量を測定した。
【0041】
結果を図3に示す。豚肉ペプトン陰イオン交換分画サンプルのうち、非吸着画分(Flow through)に、豚肉ペプトンそのものよりも強いCCK放出活性が見られた。塩酸溶出画分においては、いずれもCCK放出活性は見られず、非吸着画分に含まれる中性及び塩基性のペプチド混合物がCCK放出活性を持つことが示された。
これにより、陰イオン交換樹脂により活性の低い画分を除去し、溶出に酸、塩基を用いない、より簡便な方法により、豚肉ペプトンのCCK放出活性を濃縮することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、各種ペプトン胃内投与による、ラットの摂食量への影響を示す図である。一夜絶食させたラットの胃内にフィーディングチューブを用いて水又はペプトン溶液(50mg/rat、1ml)を投与し、投与30分後から1時間の摂食量を測定した。数値は1時間の摂食量の平均値(n=11)。*:水投与群に対して有意差があることを示す。(P<0.05)
【図2】図2は、豚肉ペプトンとβ−コングリシニンペプトンによる消化管内分泌細胞株STC−1からのCCK放出量を示す図である。数値はサンプル添加60分後の上清中CCK濃度のサンプル無添加群に対する相対値を示す。●は、豚肉ペプトン添加群(n=3〜6)、■はβ−コングリシニンペプトン添加群(n=3〜6)。
【図3】図3は、豚肉ペプトンとその陰イオン交換分画物による消化管内分泌細胞株STC−1からのCCK放出量を示す図である。数値はサンプル添加60分後の上清中CCK濃度のサンプル無添加群に対する相対値を示す。各画分の濃度は、1mg/mlの豚肉ペプトン中に含まれる濃度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
豚肉又は豚肉由来タンパクをペプシンによって分解して得られるペプチドであって、コレシストキニン分泌促進活性又は摂食抑制活性を有するペプチドを含有する組成物。
【請求項2】
前記ペプチドが、豚肉又は豚肉由来タンパクをペプシンによって分解し、ペプシン分解物を得る工程及び前記ペプシン分解物を陰イオン交換樹脂に適用し、非吸着画分を回収する工程を含む方法によって得られるペプチドである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
豚肉又は豚肉由来タンパクをペプシンによって分解し、ペプシン分解物を得る工程、及び前記ペプシン分解物を陰イオン交換樹脂に適用し、非吸着画分を回収する工程を含む、コレシストキニン分泌促進活性又は摂食抑制活性を有するペプチドの製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の組成物を含有する摂食抑制剤。
【請求項5】
請求項1又は2記載の組成物を含有するコレシストキニン分泌促進剤。
【請求項6】
請求項4又は5記載の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤を含有する医薬組成物。
【請求項7】
請求項4又は5記載の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤を含有する食品。
【請求項8】
請求項4又は5記載の摂食抑制剤又はコレシストキニン分泌促進剤を含有する飼料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−230978(P2007−230978A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58172(P2006−58172)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(504173471)国立大学法人 北海道大学 (971)
【Fターム(参考)】