説明

摩擦材

【課題】
本発明は、ウォータフェード現象を効果的に抑制することができ、かつ、効き、耐摩耗性が良好で、対面攻撃性が小さい摩擦材を、生産工数を増加させることなく提供することを目的とする。
【解決手段】
無機研削材と潤滑剤とを含有してなる摩擦材において、無機研削材として、モース硬度5〜8、平均粒径0.5〜10μmの無機粒子を摩擦材全量に対し0.5〜10体積%含有し、潤滑剤の一部として黒鉛と石油コークスを合計で摩擦材全量に対し8〜15体積%含有し、かつ、黒鉛と石油コークスの比率が体積比で2:8〜3:7となるように含有する。
また、石油コークスは平均粒径が400〜900μmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の制動装置に使用される摩擦材に関し、特に、ウォータフェード現象を効果的に抑制することができる摩擦材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の制動装置として、ディスクブレーキ、ドラムブレーキが使用されており、その摩擦部材として、金属製のベース部材に摩擦材が貼り付けられたブレーキパッド、ブレーキシューが使用されている。
【0003】
特にブレーキパッドに使用される摩擦材は、繊維基材がスチール繊維であるセミメタリック材、繊維基材の一部にスチール繊維を含むロースチール材、繊維基材としてスチール繊維を含まないNAO(Non-Asbestos-Organic)材の3種に分類されている。
セミメタリック材は高耐摩耗性、ロースチール材は高い効き、NAO材は低ブレーキノイズ特性を有することを特徴としている。
【0004】
低ブレーキノイズ特性を要求される近年では、スチール繊維を含まず、非鉄金属繊維,有機繊維,無機繊維などの繊維基材、熱硬化性樹脂などの結合剤、有機充填材,無機充填材,無機研削材,潤滑剤,金属粒子などの摩擦摩耗調整剤を用いた、NAO材の摩擦材を使用したブレーキパッドが広く使用されるようになってきている。
【0005】
NAO材の摩擦材は低ブレーキノイズ特性を有する一方、自動車が水溜りを走行した時などに、相手材であるブレーキディスクやブレーキドラムと、摩擦材の間に水が浸入すると、水が相手材の摩擦面と摩擦材の摩擦面の間で薄膜を形成し、ブレーキの効きが低下する、いわゆる、ウォータフェード現象が発生するという問題がある。
【0006】
ウォータフェードを解消する手段として、摩擦材をブレーキディスクに押圧する押圧力を制御することにより積極的に解消する技術も知られている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1の方法ではより精度の高い制御機構を備えなければならず、制御手段に頼らずに、ブレーキパッドなどの摩擦部材を改良することによって、ウォータフェードを抑制する技術が求められていた。
【0007】
ウォータフェード現象は、ブレーキディスクやブレーキドラムの摩擦面に適度な粗さを形成し、水の表面張力を低下させ、水の薄膜を形成しにくくすることで抑制することが可能である。
研削力の大きいスチール繊維を含むセミメタリック材やロースチール材は、ブレーキディスクやブレーキドラムの摩擦面に適度な粗さを形成できるので、ウォータフェード現象が発生することは少ない。
しかし、スチール繊維を含まず、研削力が小さいNAO材は、ブレーキディスクやブレーキドラムの摩擦面に適度な粗さを形成しにくいので、ウォータフェード現象が発生しやすいという問題があった。
【0008】
研削力を大きくするためには、摩擦材に添加する無機研削材の硬度を高くしたり、粒径を大きくしたり、添加量を増やしたりすれば良いが、摩擦材の耐摩耗性が低下したり、対面攻撃性(相手材への攻撃性)が大きくなったりするので、他の要求性能を満たせなくなるという問題が生じる。
【0009】
ウォータフェード現象の発生を抑制したブレーキパッドとして、特開平8−227866号公報(特許文献2)に、ブレーキパッドの摩擦材表面に該摩擦材の長手方向の略中心線から両外縁に向って、相手材の摩擦方向に傾斜した溝をそれぞれ複数本設け、排水性を向上させたブレーキパッドが開示されている。
しかし、この文献の技術の場合、特殊な溝を形成する必要があり、生産工数が増加するという問題があるものであった。
【0010】
また、酸化ジルコニウムなど高硬度の無機研削材を配合した摩擦材として、特開2007−326999号公報(特許文献3)があり、その実施例に、無機研削材、黒鉛を5体積%、コークスを0.5〜3体積%含む摩擦材が開示されている。しかし、特許文献3の摩擦材はウォータフェード現象の抑制効果は期待できない。
これは、黒鉛の添加量が多すぎることが原因と考えられる。黒鉛はハニカム構造の2次元黒鉛シートが層状に積層した結晶構造を持っており、せん断力が働くと層間滑りが生じて良好な潤滑作用を示すので、摩擦材の潤滑剤として広く使用されているが、黒鉛は結晶質であるため、相手材の摩擦面に形成される被膜が成長しやすく、被膜が厚くなりやすい。この厚くなった被膜が無機研削材の研削作用を阻害するため、相手材の摩擦面に適度な粗さを形成できず、水の薄膜が形成されやすくなり、ウォータフェード現象が発生しやすくなるのである。
【0011】
特開2004−155843号公報(特許文献4)、特開2007−056063号公報(特許文献5)、特開2007−112952号公報(特許文献6)には、ロースチール材からなる摩擦材の発明が開示され、耐摩耗性を向上させることを目的として、潤滑剤として黒鉛の他に、更に石油コークスを添加している。
しかしながら、ロースチール材であるから、ウォータフェード現象が発生する問題が少ないため、摩擦材組成とウォータフェード現象との関係に言及してはいない。
【0012】
【特許文献1】特開2007−191010号公報
【特許文献2】特開平8−227866号公報
【特許文献3】特開2007−326999号公報
【特許文献4】特開2004−155843号公報
【特許文献5】特開2007−056063号公報
【特許文献6】特開2007−112952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、ウォータフェード現象を効果的に抑制することができ、かつ、効き、耐摩耗性が良好で、対面攻撃性が小さい摩擦材を、生産工数を増加させることなく提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、無機研削材の研削力を大きくするよりも、研削作用を阻害する要因を取り除くことに主眼を置き、従来は、耐摩耗性を向上させるため黒鉛の添加量は摩擦係数を著しく低下させない範囲で、可能な限り多い方が良いとされていたところを、黒鉛が形成する被膜が無機研削材の研削作用を阻害する要因となっているという考えに基づき、逆に黒鉛の添加量を減らす検討を行った。
【0015】
黒鉛を減らすことで効きが不安定になったり、耐摩耗性が低下するので、潤滑剤として石油コークスを添加した。石油コークスは非晶質であり、研削材の研削作用を阻害する被膜が成長しにくい。
【0016】
そして、黒鉛と石油コークスを合計で摩擦材全量に対し8〜15体積%、かつ黒鉛と石油コークスの比率が体積比で2:8〜3:7となるように含有させることで、耐摩耗性が低下せず、対面攻撃性が大きくならない程度の研削力でも相手材の摩擦面に適度な粗さを形成することができ、ウォータフェード現象を効果的に抑制できることを知見した。
【0017】
本発明は、特定の無機研削材と潤滑剤とを含有し、かつ特定の比率で含有してなる摩擦材であって、以下の技術を基礎とするものである。
【0018】
(1)無機研削材と潤滑剤とを含有してなる摩擦材であって、前記無機研削材として、モース硬度5〜8、平均粒径0.5〜10μmの無機粒子を摩擦材全量に対し0.5〜10体積%含有し、前記潤滑剤の少なくとも一部として黒鉛と石油コークスを合計で摩擦材全量に対し8〜15体積%含有し、かつ、黒鉛と石油コークスの比率が体積比で2:8〜3:7となるように含有することを特徴とする摩擦材。
【0019】
(2)前記石油コークスは平均粒径が400〜900μmであることを特徴とする(1)に記載の摩擦材。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ウォータフェード現象を効果的に抑制することができ、かつ、効き、耐摩耗性が良好で、対面攻撃性が小さい摩擦材を、生産工数を増加させることなく提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明においては、無機研削材として、モース硬度5〜8、平均粒径0.5〜10μmの無機粒子を使用し、摩擦材全量に対し0.5〜10体積%配合する。
【0022】
モース硬度5〜8の無機研削材としては、ケイ酸ジルコニウム(モース硬度7.5)、二酸化ケイ素(モース硬度7)、酸化ジルコニウム(モース硬度7)、二酸化チタン(モース硬度6)、四三酸化鉄(モース硬度5)等から選択されるものを単独、または組み合わせて使用することができる。
モース硬度が5未満であると、相手材の摩擦面に適度な粗さを形成することができずウォータフェード現象の抑制効果が得られず、モース硬度が8を超えると、耐摩耗性が低下し、対面攻撃性が大きくなる。なお、本発明においてモース硬度は10段階のモース硬度を使用する。
【0023】
また、無機研削材の平均粒径が0.5μm未満であると、相手材の摩擦面に適度な粗さを形成することができずウォータフェード現象の抑制効果が得られない。平均粒径が10μmを超えると、耐摩耗性が低下し、対面攻撃性が大きくなる。
【0024】
そして、添加量が0.5体積%未満であると、相手材に適度な粗さを形成することができずウォータフェード現象の抑制効果が得られず、添加量が10体積%を超えると、耐摩耗性が低下し、対面攻撃性が大きくなる。
なお、本発明において均粒子径は、レーザー回折粒度分布法により測定した50%粒径の数値を用いた。
【0025】
また、本発明において無機研削材とは、相手材に対し大きな研削力を有する、角のある不定形形状のものと定義する。
モース硬度が5〜8の無機粒子であっても、熔融法・電融法などで製造された形状が略球状で相手材に対し研削力が小さいものは本発明では無機研削材には含まれない。
【0026】
本発明においては、潤滑剤の一部として黒鉛と石油コークスを合計で摩擦材全量に対し8〜15体積%配合する。
黒鉛と石油コークスの合計が8体積%未満であると、十分な潤滑作用が得られず、耐摩耗性が悪くなり、黒鉛と石油コークスの合計が15体積%を超えると、摩擦係数が安定せず、十分な効きが得られなくなる。
また、黒鉛の量が少な過ぎると、高温時の耐摩耗性が低下し、黒鉛の量が多すぎると、ウォータフェード現象の抑制効果が低下するので、黒鉛と石油コークスは体積比で2:8〜3:7の範囲となるように添加する。
【0027】
本発明において、黒鉛は平均粒径が200〜500μmのものを使用するのが好ましく、300〜400μmのものがより好ましい。平均粒径が小さすぎると相手材との接触面積が小さくなるため、潤滑剤としての効果が不十分となり耐摩耗性が低下し、平均粒径が大きすぎると、相手材への接触面積が大きくなるため、相手材に被膜を形成しやすくなり、ウォータフェード現象の抑制効果が低下する。また、黒鉛は、天然黒鉛、人造黒鉛を単独、または組み合わせて使用することができる。
【0028】
本発明において、石油コークスは平均粒径が400〜900μmのものを使用するのが好ましく、600〜700μmのものがより好ましい。平均粒径が小さすぎると相手材との接触面積が小さくなるため、潤滑剤としての効果が不十分となり耐摩耗性が低下し、平均粒径が大きすぎると、石油コークスが摩擦材表面から脱落しやすくなり、耐摩耗性が低下する。
【0029】
また、本発明の摩擦材は、上記の無機研削材、黒鉛、石油コークスの他に、通常摩擦材に使用される非鉄金属繊維,有機繊維,無機繊維などの繊維基材、熱硬化性樹脂などの結合剤、有機充填材,無機充填材,潤滑剤,金属粒子などの摩擦摩耗調整剤を含んでなる。
【0030】
繊維基材としては、銅繊維、真鍮繊維、青銅繊維等の非鉄金属繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、カーボン繊維等の有機繊維、セラミック繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維等の無機繊維が挙げられ、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。繊維基材の含有量は、充分な機械強度を確保するため、摩擦材全量に対し5〜60体積%とすることが好ましく、10〜50体積%とすることがより好ましい。
【0031】
結合剤としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、これらをカシューオイル、シリコーンオイル、各種エラストマー等で変性した熱硬化性樹脂、各種エラストマー、フッ素ポリマー等を分散させた熱硬化性樹脂等が挙げられ、これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。結合剤の含有量は、充分な機械強度、耐摩耗性を確保するため、摩擦材全量に対し、10〜30体積%とすることが好ましく、12〜25体積%とすることがより好ましい。
【0032】
摩擦摩耗調整剤としては、カシューダスト、ゴムダスト(タイヤトレッドゴムの粉砕粉)、未加硫の各種ゴム粒子、加硫された各種ゴム粒子等の有機充填材、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、バーミキュライト、マイカ、形状が略球状の無機粒子等の無機充填材、二硫化モリブデン、硫化錫、硫化亜鉛、硫化鉄等の潤滑剤、銅粒子、黄銅粒子、亜鉛粒子、アルミニウム粒子等の金属粒子が挙げられ、これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。摩擦摩耗調整剤の含有量は、所望する摩擦摩耗特性に応じて摩擦材全量に対し40〜70体積%とすることが好ましく、50〜70体積%とすることがより好ましい。
【0033】
本発明の摩擦材は、所定量配合した上記の無機研削材、黒鉛、石油コークスと、繊維基材、結合剤、摩擦摩耗調整剤をレディゲミキサー、アイリッヒミキサー等の混合機を用いて均一に混合する混合工程、得られた原料混合物を予備成形型に投入し、予備成形物を成形する予備成形工程、予備成形物を熱成形型に投入し、成形温度130〜180℃、成形圧力15〜49MPaで、3〜10分成形する加熱加圧成形工程、得られた成形品を140〜250℃の温度で2〜12時間熱処理(後硬化)する熱処理工程、摩擦面を形成する研磨処理工程を経て製造され、適宜、塗装、塗装焼き付け工程、スコーチ工程が実施される。
ブレーキパッドを製造する場合には、加熱加圧成形工程において、予め洗浄、表面処理、接着剤を塗布した金属製のバックプレートと前記予備成形物を重ねた状態で成形が施される。
【実施例】
【0034】
[実施例・比較例の摩擦材の製造方法]
表に示す摩擦材原料組成物(実施例1〜8:表1、実施例9〜15:表2、比較例1〜10:表3)をレディゲミキサーにて10分間混合し、得られた摩擦材原料混合物を予備成形型に投入し、35MPaにて1分加圧して予備成形した。
この予備成形物と、予め洗浄、表面処理を施し、接着剤を塗布した鉄製のバックプレートを熱成形金型に重ねて投入し、成形温度155℃、成形圧力40MPaの条件下で5分間加熱・加圧成形した後、熱処理炉にて200℃で4時間熱処理(後硬化)を行ない、塗装、焼き付け、研磨して、実施例、比較例の乗用車用ブレーキパッドを作成した。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
[評価方法]
<ウォータフェード現象の抑制性能>
実施例1〜15、比較例1〜10の乗用車用ブレーキパッドをダイナモメータに装着し、JASO C406−00(乗用車-ブレーキ装置-ダイナモメータ試験方法)のウォータリカバリ試験に準拠して試験を行い、次式でウォータリカバリ率を算出した。
使用キャリパブレーキ型式:フローティング型キャリパ
イナーシャ : 7.0kg・m
式 : ウォータリカバリ率(%)=リカバリ試験の最低μ/ベースラインチェックの平均μ×100
【0039】
ウォータフェード現象の抑制性能の評価基準は次の通り。
◎ : 90%以上
○ : 90%未満、80%以上
× : 80%未満
【0040】
<耐摩耗性及び対面攻撃性>
実施例1〜15、比較例1〜10の乗用車用ブレーキパッドをダイナモメータに装着し、JASO C427−88(ブレーキライニング,パッド摩耗ダイナモメータ試験方法)の一般摩耗試験(制動前ブレーキ温度200℃)に準拠して試験を行い、ブレーキパッドの摩耗量と、ブレーキディスクの摩耗量を測定した。
使用キャリパブレーキ型式:フローティング型キャリパ
イナーシャ : 7.0kg・m
【0041】
評価基準は、それぞれ次の通り。
<耐摩耗性> 200℃摩耗量
◎ : 0.15mm未満
○ : 0.15mm以上、0.25mm未満
× : 0.25mm以上
<対面攻撃性> ブレーキディスク摩耗量
◎ : 5μm未満
○ : 5μ以上、10μm未満
× : 10μm以上
【0042】
実施例及び比較例の性能評価結果を表4〜6に示す。
【0043】
【表4】

【0044】
【表5】

【0045】
【表6】

【0046】
表4〜6に示された性能評価結果から、本発明の摩擦材である、無機研削材として、モース硬度5〜8、平均粒径0.5〜10μmの無機粒子を摩擦材全量に対し0.5〜10体積%含有し、潤滑剤の一部として黒鉛と石油コークスを合計で摩擦材全量に対し8〜15体積%含有し、かつ、黒鉛と石油コークスの比率が体積比で2:8〜3:7となるように含有した摩擦材は、ウォータフェード現象を効果的に抑制することができ、耐摩耗性が良好で、対面攻撃性が小さいことが確認された。
また、表4の実施例2、4、5と、表5の実施例12、13に示された性能評価結果から、平均粒径が400〜900μmの石油コークスを添加した摩擦材は、耐摩耗性がより良好となることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によって、生産工数を増加させることなく、ウォータフェード現象を効果的に抑制することができ、かつ、効き、耐摩耗性が良好で、対面攻撃性が小さい摩擦材を得ることができるものであり、生産性の上からも有用である。また、摩擦材をブレーキディスクに押圧する押圧力を制御する制御手段に頼らずにウォータフェード現象を効果的に抑制することができる摩擦材として、実用上きわめて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機研削材と潤滑剤とを含有してなる摩擦材であって、
前記無機研削材として、モース硬度5〜8、平均粒径0.5〜10μmの無機粒子を摩擦材全量に対し0.5〜10体積%含有し、
前記潤滑剤の一部として黒鉛と石油コークスを合計で摩擦材全量に対し8〜15体積%含有し、かつ、黒鉛と石油コークスの比率が体積比で2:8〜3:7となるように含有することを特徴とする摩擦材。
【請求項2】
前記石油コークスは平均粒径が400〜900μmであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦材。

【公開番号】特開2009−227768(P2009−227768A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73323(P2008−73323)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)