説明

摺動式トリポード型等速ジョイント

【課題】外輪の外周面の縁角部付近の面圧を確保することにより、シール性能を良好にすることができる摺動式トリポード型等速ジョイントを提供する。
【解決手段】ブーツ120は、ブーツ本体121と、ブーツ本体121より硬質材料により形成され、ブーツ本体121における外輪20の縁角部24に対向する位置に埋設される硬質部材122とを備える。この硬質部材122は、外輪20の凸条22の縁角部24の径方向外側に配置され、クランプ部材130による締め付け時にブーツ本体121における径方向内側部分を縁角部24に向かって圧縮する圧縮部122aと、圧縮部122aから周方向両側に張り出して設けられ、クランプ部材130による締め付け時にブーツ本体121における圧縮部122aと縁角部24との間の部分の周方向への流動を規制する流動規制部122b,122cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動式トリポード型等速ジョイントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2に記載されているように、摺動式トリポード型等速ジョイントにおいて、外輪の内周面には、軸方向に延びる3本の軌道溝が形成されている。そして、外輪の径方向の厚みをほぼ均一にするために、外輪の外周面形状が、軸方向に向かって3本の凸条および周方向に隣り合う凸条の間に3本の溝を有する形状に形成されている。つまり、外輪の外周面は、周方向に凹凸形状に形成されている。また、ブーツの内周面形状は、外輪の周方向に凹凸の外周面形状に対応する凹凸状に形成され、ブーツの外周面形状は、円形の径方向断面形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-169726号公報
【特許文献2】特開平10-196673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、外輪の外周面およびブーツの内周面を周方向に凹凸形状に形成した場合、外輪の外周面の凸条の縁角部付近におけるブーツの面圧が、他の部位に比べて低い状態となる。そして外輪の内部に封入されているグリースが当該縁角部付近から外部へ漏れるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、外輪の外周面の縁角部付近の面圧を確保することにより、シール性能を良好にすることができる摺動式トリポード型等速ジョイントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1)本発明に係る摺動式トリポード型等速ジョイントは、内周面に3本の軌道溝を形成し、外周面に軸方向に向かって3本の凸条および周方向に隣り合う前記凸条の間に3本の溝を形成した外輪と、一端を前記外輪の外周面に配置され、前記外輪の外周面形状に対応する内周面を有し、円形の径方向断面の外周面を有するブーツと、前記ブーツの外周面を締め付けるクランプ部材とを備え、前記ブーツは、ブーツ本体と、前記ブーツ本体より硬質材料により形成され、前記ブーツ本体における前記外輪の縁角部に対向する位置に埋設される硬質部材とを備え、前記硬質部材は、前記外輪の凸条の縁角部の径方向外側に配置され、前記クランプ部材による締め付け時に前記ブーツ本体における径方向内側部分を前記縁角部に向かって圧縮する圧縮部と、前記圧縮部から周方向両側に張り出して設けられ、前記クランプ部材による締め付け時に前記ブーツ本体における前記圧縮部と前記縁角部との間の部分の周方向への流動を規制する流動規制部とを備える。
【0007】
(請求項2)また、前記硬質部材は、弾性板材により一体形成され、前記圧縮部の径方向断面形状は、径方向内側に向かって湾曲凸状に形成され、前記流動規制部の径方向断面形状は、前記湾曲凸状の両端から前記周方向に張り出して形成されるようにしてもよい。
(請求項3)また、前記ブーツ本体は、ゴム弾性体により形成され、前記硬質部材は、金属または樹脂により形成されるようにしてもよい。
(請求項4)また、前記流動規制部の径方向断面形状は、径方向内側に湾曲凹状に形成され、前記湾曲凹状の曲率半径は、前記クランプ部材の曲率半径より小さく形成されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
(請求項1)本発明によれば、硬質部材がブーツ本体のうち外輪の縁角部に対向する部位に埋設されている。そして、硬質部材の圧縮部によって、ブーツ本体における圧縮部と外輪の縁角部との間の部分を局所的に径方向に圧縮している。ここで、硬質部材はブーツ本体に埋設されている。従って、硬質部材の圧縮部と外輪の縁角部との離間距離は、外輪の縁角部とクランプ部材との離間距離に比べて短い。従って、圧縮部による局所的な圧縮により、外輪の縁角部に対するブーツ本体の面圧を高くすることができる。
【0009】
さらに、硬質部材の流動規制部によって、圧縮部と外輪の縁角部との間に存在しているブーツ本体の部分が、周方向に流動することを規制できる。従来のように硬質部材がブーツ本体に埋設されていないブーツにおいて、クランプ部材によってブーツを締め付けた場合に、外輪の縁角部付近におけるブーツの部分が周方向に流動する。その結果、外輪の縁角部付近の面圧が低下する。しかし、本発明によれば、流動規制部によってブーツ本体の流動を規制しているため、圧縮部によってブーツ本体を外輪の縁角部に対して確実に圧縮することができる。従って、確実に、外輪の縁角部に対するブーツ本体の面圧を高くすることができる。
【0010】
(請求項2)本発明によれば、クランプ部材によりブーツを締め付けた場合に、流動規制部が径方向内側へ移動することに伴って、圧縮部が弾性変形する。当該変形によって、圧縮部が圧縮するブーツ本体の部位をより局所的にすることができる。その結果、外輪の縁角部に対するブーツ本体の面圧をより高くすることができる。
【0011】
(請求項3)本発明のように、ブーツ本体がゴム弾性体により形成される場合には、クランプ部材を締め付けることによりブーツ本体の材料の流動が生じやすい。しかし、金属または樹脂により形成される流動規制部によって、確実にブーツ本体の局所的な流動を規制することができる。
(請求項4)本発明によれば、一対の流動規制部により囲まれた領域におけるブーツ本体の部分が、外部に流動することをより効果的に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における摺動式トリポード型等速ジョイントの軸方向断面図である。
【図2】図1におけるブーツの大径部の部分における径方向断面の拡大図であって、外輪にブーツを嵌め込んでクランプ部材を締め付ける前の状態である。
【図3】図2の状態における硬質部材の拡大図である。
【図4】図2の状態に対してクランプ部材を締め付けた後におけるブーツの大径部の部分の径方向断面の拡大図である。
【図5】図4の状態における硬質部材の拡大図である。
【図6】他の実施形態の硬質部材の拡大図であり、ブーツの大径部の部分における径方向断面の拡大図であって、外輪にブーツを嵌め込んでクランプ部材を締め付ける前の状態の硬質部材の拡大図である。
【図7】図6において、クランプ部材を締め付けた後における硬質部材の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(摺動式トリポード型等速ジョイントの全体構成)
摺動式トリポード型等速ジョイントについて、図1を参照して説明する。摺動式トリポード型等速ジョイントは、例えば、車両の動力伝達シャフトの連結に用いられる。具体的には、ディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトとの連結部位に用いられる。
【0014】
摺動式トリポード型等速ジョイントは、ジョイント本体10と、ドライブシャフトの中間シャフト100と、ブーツユニット110とを備えて構成される。そして、摺動式トリポード型等速ジョイントは、ジョイント本体10を構成する外輪20と中間シャフト100とのジョイント角を付与した状態で、外輪20と中間シャフト100との間でトルクを伝達することができる。また、外輪20に対して中間シャフト100が軸方向に摺動することができる。
【0015】
ジョイント本体10は、外輪20と、トリポード30と、ローラ40と、複数の軸状転動体50と、リテーナ60と、スナップリング70とから構成される。外輪20は、筒状(例えば、有底筒状)に形成されており、一端側がディファレンシャルギヤに連結されている。外輪20の筒状部分の内周面には、外輪軸方向(図1の左右方向)に延びる軌道溝21が、外輪軸の周方向に等間隔に3本形成されている。この外輪20の内部領域には、中間シャフト100の端部が収容している。
【0016】
トリポード30は、外輪20の筒状部分の内側に配置されている。このトリポード30は、ボス部31と、3本のトリポード軸部32とを備える。ボス部31は、円環状に形成されており、ボス部31の内周面には雌スプラインが形成されている。このボス部31の雌スプラインは、中間シャフト100の端部の雄スプラインに嵌合される。それぞれのトリポード軸部32は、ボス部31の外周面からそれぞれのボス部31の径方向外方に向かって延びるように立設され、かつ、ボス部31の周方向に等間隔(120°間隔)に形成されている。そして、それぞれのトリポード軸部32の少なくとも先端部は、外輪20のそれぞれの軌道溝21内に挿入されている。
【0017】
ローラ40は、環状に形成され、トリポード軸部32の外周側に複数の軸状転動体50を介して軸支されている。つまり、ローラ40は、それぞれのトリポード軸部32に対して回転可能にかつ軸方向に摺動可能に配置されている。さらに、ローラ40は、軌道溝21に嵌挿され、軌道溝21に転動可能に係合している。
【0018】
リテーナ60は、環状に形成されており、トリポード軸部32の外周側であって、軸状転動体50に対して軸方向に積層するように配置される。このリテーナ60は、軸状転動体50の抜け止めの役割を有している。そして、リテーナ60は、トリポード軸部32のリング溝に係止されるスナップリング70により、トリポード軸部32から抜け落ちないようにされている。
【0019】
ブーツユニット110は、ブーツ120、大径クランプ部材130、小径クランプ部材140により構成される。ブーツ120は、蛇腹筒状に形成されており、外輪20の開口部と中間シャフト100の外周面との間を被覆する。ブーツ120の大径側を外輪20の開口部の外周側に嵌め、その外周側を大径クランプ部材130により締め付ける。また、ブーツ120の小径側を中間シャフト100の外周面に嵌め、その外周側を小径クランプ部材140により締め付ける。なお、外輪20の内部領域にはグリースが封入されており、ブーツ120は、グリースが外輪20の開口部から漏出しないようにシールする。
【0020】
(外輪の開口部とブーツの嵌合部分の詳細構成)
次に、外輪20の開口部とブーツ120の嵌合部分の詳細構成について、図2〜図5を参照して説明する。まずは、図2および図3を参照して、外輪20の開口部にブーツ120の大径部分を嵌めた状態であって、大径クランプ部材130を締め付ける前の状態について説明する。その後に、図4および図5を参照して、大径クランプ部材130を締め付けた後の状態におけるブーツ120の大径部分について説明する。
【0021】
図2に示すように、外輪20の内周面には3本の軌道溝21が形成されている。さらに、外輪20の外周面には、軌道溝21の対応する部分に軸方向に向かって3本の凸条22が形成され、周方向に隣り合う凸条22の間に3本の溝23が形成されている。ブーツ120の大径側端は、外輪20の外周面に配置されており、外輪20の外周面形状に対応する内周面を有する。さらに、ブーツ120の大径側端の外周面は、円形の径方向断面形状に形成されている。
【0022】
このブーツ120は、ゴム弾性体により形成されたブーツ本体121と、複数の硬質部材122とを備える。ブーツ本体121の内周面には、外輪20の外周面の凸条22に当接する溝121aと、外輪20の外周面の溝23に当接する凸条121bとが形成される。さらに、ブーツ本体121の外周面の径方向断面形状は、円形である。
【0023】
硬質部材122は、ブーツ本体121における外輪20の縁角部24(凸条22と溝23の境界線部)に径方向に対向する位置に埋設されている。従って、ブーツ本体121の内部には、6個の硬質部材122が埋設されている。この硬質部材122は、金属または樹脂、すなわちブーツ本体121より硬質材料により形成される。
【0024】
硬質部材122の詳細な形状について、図2および図3を参照して説明する。硬質部材122は、弾性板材を曲げ成形によって形成されている。そして、硬質部材122は、圧縮部122aと、一対の流動規制部122b,122cとを備え、これらを一体形成されている。圧縮部122aは、外輪20の凸条22の縁角部24の径方向外側に配置され、圧縮部122aの径方向断面形状は、ブーツ120の径方向内側に向かって湾曲凸条に形成されている。
【0025】
流動規制部122b,122cは、圧縮部122aから周方向両側に張り出して設けられている。具体的には、流動規制部122b,122cの径方向断面形状は、圧縮部122aの湾曲凸条の両端から、ブーツ120の周方向両側に張り出して形成される。つまり、硬質部材122の径方向断面形状は、ひらがなの「ひ」字に近似した形状に形成されている。そして、流動規制部122b,122cがブーツ120の径方向外側に位置し、圧縮部122aが流動規制部122b,122cの周方向中央部から外輪20の縁角部24に向かって突出しているように形成されている。
【0026】
そして、ブーツ120の大径部分の外周側に、大径クランプ部材130を締め付ける。そうすると、図4に示すように、締め付け前に比べて、ブーツ120の外径が小さくなるように変形する。硬質部材122は、ブーツ本体121の内周面と外周面の間に埋設されているため、径方向内側へ移動しようとする。この移動に伴って、圧縮部122aの湾曲凸状の先端部分は、ブーツ本体121における径方向内側部分を局所的に外輪20の縁角部24に向かって圧縮する。
【0027】
ここで、大径クランプ部材130によっても、ブーツ本体121が径方向に圧縮される。しかし、硬質部材122はブーツ本体121に埋設されているため、硬質部材122の圧縮部122aと外輪20の縁角部24との離間距離は、外輪20の縁角部24と大径クランプ部材130との離間距離に比べて短い。従って、圧縮部122aによる局所的な圧縮力は、大径クランプ部材130による圧縮力に比べて、非常に大きくなる。従って、圧縮部122aによる局所的な圧縮により、外輪20の縁角部24に対するブーツ本体121の面圧を高くすることができる。
【0028】
そして、圧縮部122aによりブーツ本体121を外輪20の縁角部24に向かって圧縮しようとすると、ブーツ本体121の当該部分は周方向に流動しようとする。特に、ブーツ本体121は、ゴム弾性体により形成されているため、ブーツ本体121の材料の流動が生じやすい。しかし、硬質部材122の流動規制部122b,122cが、ブーツ本体121の当該部分の周方向への流動を規制するように作用する。従って、圧縮部122aは、ブーツ本体121の当該部分を確実に径方向に圧縮する。つまり、単に大径クランプ部材130を有する場合、および、圧縮部122aに相当する部分のみがブーツ本体121に埋設されている場合に比べて、流動規制部122b,122cを有することにより、圧縮部122aによる圧縮力を大きくできる。
【0029】
さらに、硬質部材122を弾性板材により一体形成することで、硬質部材122の流動規制部122b,122cが径方向内側へ移動することに伴って、硬質部材122の圧縮部122aの湾曲凸状の両端部が接近するように弾性変形する。当該弾性変形によって、圧縮部122aが圧縮するブーツ本体121の部位をより局所的にすることができる。
【0030】
以上より、上述した硬質部材122をブーツ本体121に埋設することにより、外輪20の縁角部24に対するブーツ本体121の面圧を高くすることができる。従って、ブーツ120による高いシール性能を発揮することができ、内部領域のグリースが外部へ漏出することを防止できる。
【0031】
<第二実施形態>
次に、第二実施形態の硬質部材222について、図6および図7を参照して説明する。ここで、第一実施形態と同一構成は、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態の硬質部材222は、圧縮部122aと、一対の流動規制部222b,222cとを備える。圧縮部122aは、第一実施形態と同一である。流動規制部222b,222cの径方向断面形状は、径方向内側に湾曲凹状に形成されている。この湾曲凹状の曲率半径は、大径クランプ部材130の曲率半径より小さく形成されている。これにより、一対の流動規制部222b,222cにより囲まれた領域におけるブーツ本体121の部分が、周方向の外部に流動することをより効果的に規制することができる。
【0032】
特に、図7に示すように、大径クランプ部材130を締め付けた状態においても、流動規制部222b,222cが、圧縮部122aより径方向内側におけるブーツ本体121の部分が、周方向に流動することを規制できる形状となっている。つまり、硬質部材222の変形前および変形後の両者において、流動規制部222b,222cによるブーツ本体121の流動規制効果を発揮できる。従って、硬質部材222をブーツ本体121に埋設することにより、外輪20の縁角部24に対するブーツ本体121の面圧をより高くすることができる。その結果、ブーツ120による高いシール性能を発揮することができ、内部領域のグリースが外部へ漏出することを防止できる。
【0033】
<その他>
上記実施形態において、硬質部材122,222は、金属または樹脂による弾性板材により形成した。この他に、上述した一対の流動規制部122b,122c,222b,222cを一体形成した板状部材に、塊状の圧縮部を接着することにより、硬質部材を形成することもできる。この場合、圧縮部が弾性変形しないため、上記実施形態のように、圧縮部の弾性変形による局所的な圧縮という効果は奏しない。
【符号の説明】
【0034】
10:ジョイント本体、 20:外輪、 21:軌道溝、 22:凸条、 23:溝、 24:縁角部、 30:トリポード、 31:ボス部、 32:トリポード軸部、 40:ローラ、 50:軸状転動体、 60:リテーナ、 70:スナップリング、 100:中間シャフト、 110:ブーツユニット、 120:ブーツ、 121:ブーツ本体、 121a:溝、 121b:凸条、 122,222:硬質部材、 122a:圧縮部、 122b,122c,222b,222c:流動規制部、 130:大径クランプ部材、 140:小径クランプ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に3本の軌道溝を形成し、外周面に軸方向に向かって3本の凸条および周方向に隣り合う前記凸条の間に3本の溝を形成した外輪と、
一端を前記外輪の外周面に配置され、前記外輪の外周面形状に対応する内周面を有し、円形の径方向断面の外周面を有するブーツと、
前記ブーツの外周面を締め付けるクランプ部材と、
を備え、
前記ブーツは、
ブーツ本体と、
前記ブーツ本体より硬質材料により形成され、前記ブーツ本体における前記外輪の縁角部に対向する位置に埋設される硬質部材と、
を備え、
前記硬質部材は、
前記外輪の凸条の縁角部の径方向外側に配置され、前記クランプ部材による締め付け時に前記ブーツ本体における径方向内側部分を前記縁角部に向かって圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部から周方向両側に張り出して設けられ、前記クランプ部材による締め付け時に前記ブーツ本体における前記圧縮部と前記縁角部との間の部分の周方向への流動を規制する流動規制部と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイント。
【請求項2】
請求項1において、
前記硬質部材は、弾性板材により一体形成され、
前記圧縮部の径方向断面形状は、径方向内側に向かって湾曲凸状に形成され、
前記流動規制部の径方向断面形状は、前記湾曲凸状の両端から前記周方向に張り出して形成される摺動式トリポード型等速ジョイント。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記ブーツ本体は、ゴム弾性体により形成され、
前記硬質部材は、金属または樹脂により形成される摺動式トリポード型等速ジョイント。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項において、
前記流動規制部の径方向断面形状は、径方向内側に湾曲凹状に形成され、
前記湾曲凹状の曲率半径は、前記クランプ部材の曲率半径より小さく形成される摺動式トリポード型等速ジョイント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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