説明

摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置および方法並びに寿命試験プログラム

【課題】寿命試験の精度が高く、しかも試験が安価に実施できる摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置の提供。
【解決手段】プッシャベース4が図の左向きに移動することにより、ばね3でプッシャベース4に連結されたプッシャ1の端が上部筐体100の一端に当接し、上部筐体100を図の左方向に押す。プッシャ1が上部筐体100をその方向に押すとき、上部筐体100と下部筐体101とを連結する摺動機構における摺動抵抗に応じた荷重が上部筐体100に加えられる。ばね3は、その荷重(摺動抵抗)に応じて、圧縮される。摺動抵抗が規定値を超えるとセンサ6が検知する。寿命試験中に荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたことがセンサ6(又は6a)で検知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機等の携帯端末の寿命試験装置および方法に関し、特に摺動(スライド)機構を有する摺動式携帯端末における該摺動構造の寿命を試験する装置および方法並びに寿命試験プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スライド式携帯電話機は、液晶ディスプレイ等の表示部を表面に有する上部筐体と、テンキーやファンクションキー等の操作部を表面に有する下部筐体とをスライド機構で相互に摺動可能に連結した筐体構造を有する。
【0003】
スライド機構のような摺動部を有する構造の寿命を試験する装置としては、例えば特開2002−228567(特許文献1)に開示された寿命試験機がある。この寿命試験機は、電気コネクタの機械的および電気的寿命を試験するものである。
【0004】
この特許文献1記載の寿命試験機は、その図1を参照して段落0006−0009,0018に説明されているように、供試体(電気コネクタ)に繰返し荷重をかける押棒(2a,2b)と、押棒(2a,2b)に所定の荷重をかけるバネ(3a,3b)と、バネ圧調整機構(4a,4b)と、押棒(2a,2b)を往復運動させるリニアモータ(7)と、往復運動のストロークを決める位置決め機構を有してなる。この特許文献1記載の寿命試験機によれば、荷重試験中に供試体の電気特性を測定して、電気特性が規格に合致しなければリニアモータを停止させ試験を終了させる(段落0018,0019)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−228567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に記載された寿命試験機では、規格で定められた回数の試験をしたら自動的に試験を停止することが望ましいので、カウンタ(9)を用いて荷重試験の回数を数え、所定の試験回数で停止信号を出し、リニアモータ(7)を停止させて試験を終了し、試験を終了した供試体を検査し、製品規格を満足していれば寿命試験には合格と判定し、製品規格を満足していなければ不合格とする(段落0012,0013)。ここでいう製品規格は、電気特性の規格であり(段落0018)、電気特性が規格に合致しなければリニアモータを停止させ試験を終了させる。
【0007】
そこで、特許文献1に記載された寿命試験機では、摺動部の機械的特性、例えば摺動面の円滑度が低下したとしても、寿命試験(荷重試験)はその段階で中止することなく、所定の回数だけ行われる。このような特許文献1の寿命試験機を用いて摺動構造の寿命試験を行うときは、まず寿命試験機で所定の回数だけ荷重試験が行い、次に供試体を寿命試験機から取り外し、供試体における摺動面に手を触れて摺動面の円滑度を感覚的に確認したり、或いは改めて別の荷重試験機で摺動抵抗を測定し、規格を満たすか否かを確かめたりして、摺動機構に関する寿命試験の合否を判定することとなる。
【0008】
この特許文献1の寿命試験機では、予め定めた回数だけの摺動作動を終了するまでに機械的特性において不良に至った供試体もそのまま試験を継続するので、試験の効率がよくなく、ひいては寿命試験のコストが高価となる。
【0009】
例えば、スライド式携帯電話機において、上部筐体と下部筐体とを相互に摺動させながら往復させる往復動作を何回まで実行可能かを試験するスライド機構の寿命試験では、10万回の往復動作まで所定の荷重以下で往復動作ができことが求められる。即ち、この例では、スライド機構には10万回の往復動作寿命が要求されるのである。
【0010】
上述の特許文献1の方法で、スライド式携帯電話機におけるスライド機構の寿命試験をするとすれば、より具体的には、その寿命試験は例えば次のように行われることになる。先ず、供試体(スライド式携帯電話機)の往復動作を1万回実施し、往復動作を一旦停止し、供試体を試験機から一旦取り外す。そして手感触による摺動面の平滑度の点検をしたり、あるいは別の荷重試験機で摺動に要する荷重を試験し、その荷重が規格値を超えているか否かの点検をし、これらの点検により合格であれば、再度供試体を寿命試験機に装着する。次に、第2回目の1万回の往復動作を行い、同様な点検をする。以下同様に、第10回目までの1万回分の往復動作を順次に行う。それら各1万回分の往復動作試験における何れかの試験において規格を満たさないときは、その往復動作試験が第何回目であるかによって、その供試体の寿命を判定する。
【0011】
このような特許文献1の寿命試験機を応用した方法でスライド式携帯電話機のスライド機構の寿命を試験するときは、第何回目の試験で規格外となったかという大まかな往復動作回数による寿命しか知ることができないので、寿命試験の精度が低いし、供試体を寿命試験機に何回も着脱するという面倒な操作を要するので、試験のコストが高くなる。このように、特許文献1の寿命試験機を応用した方法によるスライド式携帯電話機の摺動機構の寿命試験には、寿命試験の精度および試験コストにおいて解決するべき課題がある。そこで、本発明は、寿命試験の精度が高く、しかも試験が安価に実施できる摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置および方法並びに寿命試験プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の課題を解決するため、本発明による摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置および方法並びに寿命試験プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0013】
(1)本発明による摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置は、
筐体Aと筐体Bとを互いに摺動可能に連結する摺動機構を有する摺動機構付き携帯端末における該摺動機構の寿命の試験をする装置であって、
前記筐体Bに対する前記筐体Aの往復摺動をさせながら、該往復摺動の回数の計数をするとともに、該筐体Aに加える荷重が規格値を超えたときに該往復摺動を停止させ、該往復摺動を停止させたときにおける該計数を前記寿命として出力する
ことを特徴とする。
(2)本発明による摺動機構付き携帯端末の寿命試験方法は、
筐体Aと筐体Bとを互いに摺動可能に連結する摺動機構を有する摺動機構付き携帯端末における該摺動機構の寿命の試験をする方法であって、
前記筐体Bに対する前記筐体Aの往復摺動をさせながら、該往復摺動の回数の計数をするとともに、該筐体Aに加える荷重が規格値を超えたときに該往復摺動を停止させ、該往復摺動を停止させたときにおける該計数を前記寿命として出力する
ことを特徴とする。
(3)本発明による摺動機構付き携帯端末の寿命試験プログラムは、
上記(2)に記載の寿命試験方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上述の本発明によれば、寿命試験の精度が高く、しかも試験が安価に実施できる摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置および方法並びに寿命試験プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1にかかる摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置の構成を示す図である。
【図2】図1の寿命試験装置におけるスライドプレート20を矢印201の方向に移動させるときの様子を示す図である。
【図3】図1の寿命試験装置におけるスライドプレート20を矢印202の方向に移動させるときの様子を示す図である。
【図4】実施の形態2にかかる摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置および方法並びに寿命試験プログラム好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置および方法について説明するが、かかる摺動機構付き携帯端末の寿命試験方法をコンピュータにより実行可能な摺動機構付き携帯端末の寿命試験プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、摺動機構付き携帯端末の寿命試験プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置の構成を示す図である。図2は、図1の寿命試験装置におけるスライドプレート20を矢印201の方向に移動させるときの様子を示す図である。図3は、図1の寿命試験装置におけるスライドプレート20を矢印202の方向に移動させるときの様子を示す図である。
【0018】
図1の寿命試験装置は、第1及び第2の荷重検出手段、供試体である摺動機構付き携帯端末を本寿命試験装置本体に固定する携帯端末固定手段、スライダープレート20並びに支柱21,21aを有してなる。
【0019】
図において、摺動機構付き携帯端末は上部筐体100及び下部筐体101で表してある。上部筐体100及び下部筐体101は、摺動機構により相対的に摺動可能に互いに連結されている。この種の摺動機構は、スライド機構(例えば、特開2008−205606参照。)とか、スライドヒンジとか称されることもある(例えば、特開2007−132508参照。)。
【0020】
第1の荷重検出手段は、プッシャ1、センサドグ2、ばね3、プッシャベース4、ガイドレール51及びスライダ52でなる直動ガイド、センサ6及び調整ねじ7でなる。また、第2の荷重検出手段は、プッシャ1a、センサドグ2a、ばね3a、プッシャベース4a、ガイドレール51a及びスライダ52aでなる直動ガイド、センサ6a及び調整ねじ7aでなる。携帯端末固定手段は、本寿命試験装置本体に固定されたベース10、下部筐体101をベース10に固定する携帯端末固定ブロック11及び11aでなる。
【0021】
スライダープレート20は、モータにより回転力を得て、モータの回転を直線往復運動に変換するボールネジから直線往復駆動力を得て、図の矢印200で示す方向に往復動する。スライダープレート20の周期およびストロークは、モータ又はボールネジの調整により任意に調整できる。スライダープレート20は、ボールネジに代えて、エアシリンダから直線往復駆動力を得ることもできる。
【0022】
支柱21及び21aは、下端をスライダープレート20に固定され、上端をプッシャベース4及び4aに夫々固定されている。ベース10には、図の上下方向に貫通し、図の左右方向に細長い溝が設けてある。支柱21、21aは、そのベース10の溝を上下方向に貫通しており、その溝に案内されて、スライダープレート20と一体となって、矢印200で示す方向に往復動をする。支柱21及び21aに夫々固定されているプッシャベース4及び4aも、スライダープレート20と一体となって、矢印200で示す方向に往復動をする。
【0023】
ガイドレール51はプッシャベース4に固定してある。スライダ52はプッシャ1に固定してある。スライダ52は、ガイドレール51に案内されて、矢印200と同じ方向に摺動可能である。同様に、スライダ52が固定されているプッシャ1は、ガイドレール51が固定されているプッシャベース4に対し、矢印200と同じ方向に摺動可能である。
【0024】
同様に、ガイドレール51aはプッシャベース4aに固定してある。スライダ52aはプッシャ1aに固定してある。スライダ52aは、ガイドレール51aに案内されて、矢印200と同じ方向に摺動可能である。そこで、スライダ52aが固定されているプッシャ1aは、ガイドレール51aが固定されているプッシャベース4aに対し、矢印200と同じ方向に摺動可能である。
【0025】
ばね3は、片端(図において右端)を調整ネジ7により、プッシャベース4に固定され、他端(図において左端)をプッシャ1に固定されている。プッシャ1は、片端(図において右端)をばね3の他端(図において左端)に固定されている。プッシャ1がばね3に押されて、図2の矢印201の方向に移動するとき、プッシャ1の他端は、上部筐体100の一端(図において右端)に当接する。
【0026】
ばね3aは、片端(図において左端)を調整ネジ7aにより、プッシャベース4aに固定され、他端(図において右端)をプッシャ1aに固定されている。プッシャ1aは、片端(図において左端)をばね3aの他端(図において右端)に固定されている。プッシャ1aがばね3aに押されて、図3の矢印202の方向に移動するとき、プッシャ1aの他端は、上部筐体100の他端(図において左端)に当接する。
【0027】
センサドグ2は、プッシャ1に固定された不透明な板状体である。センサ6はコの字状の形をなし、該コの字状の形の開口は図において上を向いており、該コの字状の形における対向面(図において、手前側内壁面と奥側内壁面)間で光の送受をし、その開口にセンサドグ2が進入すると、該開口の対向面間の光が遮断され、受光ができなくなるので、センサドグ2の進入を検知できる。センサ6は、このようにして、センサドグ2がコの字状の形の開口に進入したことを検知する。
【0028】
同様に、センサドグ2aは、プッシャ1aに固定された不透明な板状体である。センサ6aはコの字状の形をなし、該コの字状の形の開口は図において上を向いており、該コの字状の形における対向面(図において、手前側内壁面と奥側内壁面)間で光の送受をし、その開口にセンサドグ2aが進入すると、該開口の対向面間の光が遮断され、受光ができなくなるので、センサドグ2aの進入を検知できる。センサ6aは、このようにして、センサドグ2aがコの字状の形の開口に進入したことを検知する。
【0029】
このような構造の図1の寿命試験装置において、スライダプレート20が図2の矢印201の方向に移動し、スライダプレート20と一体のプッシャベース4が矢印201の方向に移動することにより、ばね3でプッシャベース4に連結されたプッシャ1の端が上部筐体100の一端に当接し、上部筐体100を矢印201の方向に押す。プッシャ1が上部筐体100を矢印201の方向に押すとき、上部筐体100と下部筐体101とを連結する摺動機構における摺動抵抗に応じた荷重が上部筐体100に加えられる。ばね3は、その荷重に応じて、即ちその摺動抵抗に応じて、圧縮される。
【0030】
同様に、図1の寿命試験装置において、スライダプレート20が図3の矢印202の方向に移動し、スライダプレート20と一体のプッシャベース4aが矢印202の方向に移動することにより、ばね3aでプッシャベース4aに連結されたプッシャ1aの端が上部筐体100aの他端に当接し、上部筐体100を矢印202の方向に押す。プッシャ1aが上部筐体100を矢印202の方向に押すとき、上部筐体100と下部筐体101とを連結する摺動機構における摺動抵抗に応じた荷重が上部筐体100に加えられる。ばね3aは、その荷重に応じて、即ちその摺動抵抗に応じて、圧縮される。
【0031】
スライダプレート20のストロークは、上部筐体100の摺動距離に一致するように調整してある。そこで、スライダプレート20のストロークにより、上部筐体100と下部筐体101とを連結する摺動機構における摺動抵抗は、摺動機構における全摺動範囲(摺動距離)に亘って試験される。その全摺動範囲に亘って1回往復すること(携帯端末を1回開閉することに相当する。)を1回分の往復摺動とする。供試体である携帯端末の摺動機構に要求される寿命が10万回の往復摺動であるとすると、本第1実施形態の寿命試験装置は少なくとも10万回の往復摺動を試験する。
【0032】
その寿命試験において、スライダプレート20の各ストロークに対応したプッシャ1の各ストロークにおいて、上部筐体100と下部筐体101とを連結する摺動機構における摺動抵抗に応じた荷重がばね4に加えられ、その荷重が予め定めた規格値を超えると、センサドグ2がセンサ6の開口に進入し、荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたことが検知される。
【0033】
同様に、その寿命試験において、スライダプレート20の各ストロークに対応したプッシャ1aの各ストロークにおいて、上部筐体100と下部筐体101とを連結する摺動機構における摺動抵抗に応じた荷重がばね4aに加えられ、その荷重が予め定めた規格値を超えると、センサドグ2aがセンサ6aの開口に進入し、荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたことが検知される。
【0034】
図1の寿命試験装置は、往復摺動の回数を計数する往復摺動計数手段(図示省略)を備える。この往復摺動計数手段で往復摺動の回数を計測しながら寿命試験を実施し、試験中に荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたことがセンサ6又は6aで検知されると、荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたときの往復摺動の回数を往復摺動計数手段から出力し、往復摺動の回数を往復摺動回数記憶手段(図示省略)に記憶すると共に、スライダプレート20の駆動を停止し、寿命試験を終了する。往復摺動回数記憶手段に記憶された往復摺動回数が、供試体である携帯端末における摺動機構の寿命である。
【0035】
このように、図1の寿命試験装置では、荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたことがセンサ6又は6aで検知されると、荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたときの往復摺動の回数を往復摺動回数記憶手段(図示省略)に記憶すると共に、スライダプレート20の駆動を停止するので、供試体(携帯端末)における摺動機構の寿命が正確に測定できる。また、寿命試験の途中に供試体を取り出して、手感触による摺動面の平滑度の点検をしたり、あるいは別の荷重試験機で摺動に要する荷重を試験し、その荷重が規格値を超えているか否かの点検をしたりするといった手間を要しないから、寿命試験が安価に実施できる。
【0036】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2にかかる摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置の構成を示す図である。この実施の形態では、ばね3、3aに代えて、圧力センサ16、16aを備え、センサドグ2,2a及びセンサ6,6aを省いた構成である。本実施の形態の作動は、図1に示した第1の実施形態と同様であり、部筐体100と下部筐体101とを連結する摺動機構における摺動抵抗に応じた荷重をばね4,4aを介して加えるのに代えて、圧力センサ16、16aを介して加え、またその荷重をセンサ6,6aに代えて圧力センサ16、16aで検出するようにしている。
【0037】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の第1の実施形態では、試験中に荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたことがセンサ6又は6aで検知されると、荷重(摺動抵抗)が規格値を超えたときの往復摺動の回数を往復摺動計数手段から出力し、往復摺動の回数を往復摺動回数記憶手段(図示省略)に記憶すると共に、スライダプレート20の駆動を停止し、寿命試験を終了すると説明したが、センサ6及び6aのうちの一方だけが規格値を超えたときのみならず、両センサがともにほぼ同時に規格値を超える荷重を検知したときも、同様に試験終了としても差し支えない。。
【符号の説明】
【0038】
1,1a プッシャ
2,2a センサドグ
3,3a ばね
4,4a プッシャベース
51 ガイドレール
52 スライダ
6,6a センサ
7,7a 調整ねじ
11,11a 携帯端末固定ブロック
16,16a 圧力センサ
20 スライダープレート
21,21a 支柱
100 上部筐体
101 下部筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体Aと筐体Bとを互いに摺動可能に連結する摺動機構を有する摺動機構付き携帯端末における該摺動機構の寿命の試験をする装置であって、
前記筐体Bに対する前記筐体Aの往復摺動をさせながら、該往復摺動の回数の計数をするとともに、該筐体Aに加える荷重が規格値を超えたときに該往復摺動を停止させ、該往復摺動を停止させたときにおける該計数を前記寿命として出力する
ことを特徴とする摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置。
【請求項2】
任意のストロークと任意の速度で往復運動をするスライドプレートと、
前記筐体Bを固定する携帯端末固定手段と、
第1及び第2の荷重検出手段と
を有してなり、
前記第1の荷重検出手段は、
前記スライドプレートに固定された第1のプッシャベースと、
前記第1のプッシャベースに片端を固定された第1のばねと、
前記スライドプレートの往復運動の方向に摺動可能に前記第1のプッシャベースに連結され、前記第1のばねの他端に固定され、該スライドプレートが第1の方向に摺動するときに前記筐体Aの一端に当接する第1のプッシャと、
前記第1のばねを圧縮する方向における、前記第1のプッシャベースに対する前記第1のプッシャの相対移動距離が、所定距離を超えたことを検知する第1のセンサと
を有してなり、
前記第2の荷重検出手段は、
前記スライドプレートに固定された第2のプッシャベースと、
前記第2のプッシャベースに片端を固定された第2のばねと、
前記スライドプレートの往復運動の方向に摺動可能に前記第2のプッシャベースに連結され、前記第2のばねの他端に固定され、該スライドプレートが第2の方向に摺動するときに前記筐体Aの他端に当接する第2のプッシャと、
前記第2のばねを圧縮する方向における、前記第2のプッシャベースに対する前記第2のプッシャの相対移動距離が、所定距離を超えたことを検知する第2のセンサと
を有してなり、
前記第1又は第2のセンサのうちの少なくとも何れか一方が前記所定距離を超えたことを検知したときは、前記筐体Aに加える荷重が前記規格値を超えたとする
ことを特徴とする請求項1に記載の摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置。
【請求項3】
任意のストロークと任意の速度で往復運動をするスライドプレートと、
前記筐体Bを固定する携帯端末固定手段と、
第1及び第2の荷重検出手段と
を有してなり、
前記第1の荷重検出手段は、
前記スライドプレートに固定された第1のプッシャベースと、
前記第1のプッシャベースに片端を固定された第1の圧力センサと、
前記第1の圧力センサの他端に固定され、前記スライドプレートが第1の方向に摺動するときに前記筐体Aの一端に当接する第1のプッシャと
を有してなり、
前記第2の荷重検出手段は、
前記スライドプレートに固定された第2のプッシャベースと、
前記第2のプッシャベースに片端を固定された第2の圧力センサと、
前記第2の圧力センサの他端に固定され、前記スライドプレートが第2の方向に摺動するときに前記筐体Aの他端に当接する第2のプッシャと
を有してなり、
前記第1の圧力センサで検知した第1の圧力または前記第2の圧力センサで検知した第2の圧力のうちの少なくとも何れか一方が所定圧力を超えたときは、前記筐体Aに加える荷重が前記規格値を超えたとする
ことを特徴とする請求項1に記載の摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の荷重検出手段が夫々複数も設けてあることを特徴とする請求項2または3の何れかに記載の摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置。
【請求項5】
前記筐体Aに加える荷重が規格値を超えたことにより前記往復摺動を停止したときにおける前記計数は、前記摺動機構付き携帯端末夫々独立に前記寿命として記憶することを特徴とする請求項4に記載の摺動機構付き携帯端末の寿命試験装置。
【請求項6】
筐体Aと筐体Bとを互いに摺動可能に連結する摺動機構を有する摺動機構付き携帯端末における該摺動機構の寿命の試験をする方法であって、
前記筐体Bに対する前記筐体Aの往復摺動をさせながら、該往復摺動の回数の計数をするとともに、該筐体Aに加える荷重が規格値を超えたときに該往復摺動を停止させ、該往復摺動を停止させたときにおける該計数を前記寿命として出力する
ことを特徴とする摺動機構付き携帯端末の寿命試験方法。
【請求項7】
任意のストロークと任意の速度でスライドプレートを往復運動させ、
携帯端末固定手段で前記筐体Bを固定し、
第1及び第2の荷重検出手段により、前記往復運動に基づき第1および第2の方向に前記筐体Aを摺動させるのに要する荷重が規格値を超えたときを検出するようにし、
前記第1の荷重検出手段には、
前記スライドプレートに固定された第1のプッシャベースと、
前記第1のプッシャベースに片端を固定された第1のばねと、
前記スライドプレートの往復運動の方向に摺動可能に前記第1のプッシャベースに連結され、前記第1のばねの他端に固定され、該スライドプレートが第1の方向に摺動するときに前記筐体Aの一端に当接する第1のプッシャと、
前記第1のばねを圧縮する方向における、前記第1のプッシャベースに対する前記第1のプッシャの相対移動距離が、所定距離を超えたことを検知する第1のセンサと
を設けておき、
前記第2の荷重検出手段には、
前記スライドプレートに固定された第2のプッシャベースと、
前記第2のプッシャベースに片端を固定された第2のばねと、
前記スライドプレートの往復運動の方向に摺動可能に前記第2のプッシャベースに連結され、前記第2のばねの他端に固定され、該スライドプレートが第2の方向に摺動するときに前記筐体Aの他端に当接する第2のプッシャと、
前記第2のばねを圧縮する方向における、前記第2のプッシャベースに対する前記第2のプッシャの相対移動距離が、所定距離を超えたことを検知する第2のセンサと
を設けておき、
前記第1のセンサで検知した第1の摺動距離または前記第2のセンサで検知した第2の摺動距離のうちの少なくとも何れか一方が所定距離を超えたときは、前記筐体Aに加える荷重が前記規格値を超えたとする
ことを特徴とする請求項6に記載の摺動機構付き携帯端末の寿命試験方法。
【請求項8】
前記第1及び第2の荷重検出手段が夫々複数も設けておくことを特徴とする請求項7に記載の摺動機構付き携帯端末の寿命試験方法。
【請求項9】
前記筐体Aに加える荷重が規格値を超えたことにより前記往復摺動を停止したときにおける前記計数は、前記摺動機構付き携帯端末夫々独立に前記寿命として記憶することを特徴とする請求項8に記載の摺動機構付き携帯端末の寿命試験方法。
【請求項10】
請求項9に記載の寿命試験方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施することを特徴とする摺動機構付き携帯端末の寿命試験プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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