説明

撓みモードの圧電性変換器を用いる増強された超音波画像診断用プローブ

【課題】本発明は、圧電性変換器による増強された撓みモードの信号を生み出す方法、及びそれを用いた超音波画像診断用プローブに関する。
【解決手段】圧電性超音波変換器から増強された受信信号を生み出す方法が述べられる。前記方法は、撓みモードで操作可能な圧電性素子を備えている圧電性超音波変換器を提供する段階と、前記圧電性素子によって音響信号を受信する段階と、前記音響信号を受信する段階に先立って、及び/または前記音響信号を受信する段階と同時に、前記圧電性素子にDCバイアスを印加する段階と、及び前記圧電性素子による前記音響信号を受信する段階の結果として、前記圧電性素子から増強された受信信号を生成する段階と、を備えている。上記方法を用いるpMUTベースの画像診断プローブが同様に述べられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電性変換器による増強された撓みモードの信号を生み出す方法、及びそれを用いた超音波画像診断用プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波変換器は、非侵襲的、及び生体内での医療画像診断に対して特に有用である。従来の超音波変換器は、一次元または二次元配列に配列された複数の個別の要素を形成するためにさいの目に切られるか、またはレーザーカットされる変換器材料を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)またはPZT‐ポリマー複合物のような圧電性セラミック材料から一般的に製造される。音響レンズ、整合層、バッキング層、及び電気相互接続部(例えば、フレックスケーブル、金属ピン/ワイヤ)は、変換器アセンブリまたはプローブを形成するために各変換器素子に一般的に取り付けられる。前記プローブはそれから、ワイヤハーネスまたはケーブルを利用する制御回路に接続され、前記ケーブルは、各個別の要素からの信号を伝播または受信するための個々のワイヤを含んでいる。超音波変換器技術において行われている調査の重要な目的は、変換器のサイズ、消費電力、及び配線に起因するシグナルロスを減らすと同時に、変換器の性能、及び制御回路との集積可能性を増加させることである。これらの要素は、三次元超音波画像診断にとって必要とされる二次元配列に対して、特に重要である。
【0003】
変換器配列の最小化は、カテーテルベースの2D配列変換器に対して特に重要である。重要な課題は複雑化と、製造コストと、及び従来の2D変換器配列の制限された性能である。商用の2D変換器プローブは、素子のピッチが200から300μmで配列され、及び5MHz未満の操作振動数に一般的に制限される。小さなサイズのこれらの素子は、素子キャパシタンスを10pF未満まで大幅に減少させ、これは高い電源インピーダンスを作り出し、及びシステムエレクトロニクスに一致する電気インピーダンスと共に重大な課題を示す。さらに、カテーテルベースの血管内画像診断プローブ(IVUS)または心臓内画像診断プローブ(ICE)に対する将来的な2D配列の製造は、商業的に達成されていない。カテーテルのサイズは6または7‐Frenchかそれより小さく、前記変換器は直径で2mmより小さくすべきである。適切な解像度のために、10MHzかそれより大きい振動数が利用される。これは組織内で150μmの波長を生み出す。素子ピッチは適切な画像性能に対する波長よりも小さくすべきなので、100μmかそれ未満の素子ピッチで決定される。加えて、高周波操作は、前記変換器内で薄い圧電性層を必要とする。今まで、従来の変換器配列は、低コスト、製造可能な工程、及び適切な画像診断性能と共にこれらの必要性を満たさなかった。
【0004】
適切な性能を有する小型変換器の製造は、マイクロマシニング技術によって容易にされる。医療装置の分野は、例えば、微小電気機械システム(MEMS)技術から恩恵を得ている。MEMS技術は医療装置、またはそれらの構成要素が、大幅なサイズの減少と共に製造されることを可能にしている。圧電性マイクロマシン超音波変換器(pMUTs)は、MEMSベースの変換器技術の一つである。pMUTsは、超音波エネルギーを生み出すか、または伝送するが、これは撓みモード共鳴を受けるためにそれを引き起こすサスペンドされた圧電性材料にAC電圧の印加を通して起こる。これは、前記デバイスからの音響伝送出力を生み出すために、前記薄膜の曲げ引張力動作を引き起こす。微細加工された薄膜の撓みモード共鳴振動に起因して、圧電性電圧(“信号受信”)を生み出す超音波エネルギーを有して、受信した超音波エネルギーはpMUTによって変換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮出願特許第11/068,776号明細書
【特許文献2】米国特許第6,464,645号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Belgacem, B.; Calame, F.; Muralt, P,Piezoelectric Micromachined Ultrasonic Transducers based on PZT films,Applications of ferroelectrics, 2006. isaf '06. 15th ieee international symposium on the,2006年 7月30日,pp.326-331
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のセラミックベースの変換器と比較してマイクロマシンpMUTの利点は、特に、より小さく、より高密度な2D配列に対する製造の容易性及び拡張性と、2D配列に対するシンプルな統一化及び相互接続と、広い操作振動の範囲のための変換器設計における多くの柔軟性と、より低い電源インピーダンス及び電子工学にさらに合う高い素子キャパシタンスと、を含む。2D配列はリアルタイム3D画像診断システムに対して必要とされ、及びセラミック変換器は、より小さなカテーテルプローブ(直径が2‐3mmまたはそれより小さい)内への挿入に対して製造可能限界に既に到達している。他のマイクロマシンの取り組みは、薄膜電極に適切なDC及びAC電圧信号を印加することにより、静電的に駆動された基板上の表面マイクロマシン薄膜で構成される容量性のマイクロマシン超音波変換器(cMUTs)である。しかしながら、これらのデバイスは、十分な音響出力を提供するために平行に接続された複数の要素を必要とするが、これは、非常に小さな素子サイズを有する2D配列に対して性能を制限する。相当な大きさの増幅(典型的に60dB)が、cMUTsで超音波信号を得るために必要とされる。
【0008】
cMUTとpMUTの間には機能的及び構造的な違いがある。pMUTsは高いエネルギー変換メカニズム(すなわち圧電性層)を有しているので、圧電性素子は一般的にcMUTsよりも高い超音波出力容量性を有している。75マイクロメートル幅を有する2D配列pMUT素子は、8MHzの振動数で1から5MPあの音響出力を生み出す。従来の変換器配列は、1MPaより大きい音響圧力を生み出すことはできるが、ずっと大きな素子を必要とし、低振動数で操作する。cMUTの2D配列素子に対する典型的な音響出力は、1MPaよりずっと小さい。pMUT配列内の素子は同様に、配線及び電子機器に一致する低い電源インピーダンス、及びよりよいインピーダンスを生み出す従来の変換器配列及びcMUTsより高い容量(100から1,000pFのオーダ)を有している。従来の変換器配列の素子は、10pF未満の容量を有し、及びcMUT要素は1pF未満の容量を有している。
【0009】
pMUTsは、従来の変換器及びcMUTsよりも低い電圧で一般的に操作する。前記セラミック平板の厚さに依存して、従来の変換器は、音響エネルギーを生み出すために高い電圧の両極性信号(ピーク・トゥ・ピークが100Vより大きい)を必要とする。cMUTsは、前記薄膜を振動させるためのAC信号(ピーク・トゥ・ピークが一般的に数十V)に加えて、前記薄膜の間隙距離を制御するために大きなDC電圧(100Vより大きい)を必要とする。pMUTsは音響エネルギーの伝送に対して圧電性振動を駆動するために低いAC電圧(ピーク・トゥ・ピークが一般的に30Vの双極性信号)を必要とし、及び受信した超音波エネルギーは、電圧を印加する必要性も無く、受信した信号を生み出す撓みモード共鳴をもたらす。
【0010】
マイクロマシン超音波変換器は、制御電気回路に直接集積されうる小型化されたデバイスを提供する。例えば、cMUTsは、シリコンウェーハ内のエッチングビアにより作られた接続を経て、貫通ウェーハに制御電気回路と共に集積され、絶縁領域のために熱二酸化シリコン、及び電気接続のためにポリシリコンで前記ウェーハを被覆し、及びそれから前記ウェーハの表面頂部上にcMUT薄膜要素を積み重ねる。金属パッド及び半田バンプは、前記cMUTチップを半導体デバイス電気回路に半田付けするために前記ウェーハの表面下部に堆積されうる。
【0011】
しかしながら、そのようなcMUTデバイスの一つの不利な点は、cMUT構造に固有の処理制限のために、金属と比較して相対的に高い抵抗性ポリシリコンがビア内で導体金属として利用される。受信モードでcMUTsにより生み出された非常に低い信号のために、前記信号対ノイズ比はポリシリコンビアを有するcMUTの操作の間に問題がある。同様に、cMUT素子の低容量は、高いインピーダンスを作り出し、及びそれ故、電子機器及び配線とのインピーダンス不整合がより大きくなり、これは増加した信号損失及びノイズに寄与する。貫通ウェーハのビア内の高い抵抗は、高い素子インピーダンスの問題を悪化させる。加えて、伝送のためにcMUTsに駆動信号を適用するとき、前記ビア内の大きな抵抗はより大きな出力消費、及び熱発生をもたらす。
【0012】
ポリシリコン貫通ウェーハの相互接続を有するcMUTデバイスの他の不利な点は、前記熱二酸化シリコン絶縁体及び前記ポリシリコン導電体の形成の処理温度である。これらの段階の処理温度は比較的高く(600‐1000℃)、このようにして、熱量の生成が前記デバイスの残部に対して発生する。これらの処理温度のために、前記cMUT素子は、貫通ウェーハのビアが形成された後で、形成されるべきであり、及びこの順序は、前記ウェーハを通してエッチングされた現存するホールを有する基板上に、表面マイクロマシニングを実行しようと試みるとき、難しい処理問題を生み出す。
【0013】
従来の変換器配列は、制御回路に直接集積されうる。しかしながら、これは比較的高い温度処理(おおよそ300℃)であるハンダバンプを一般的に必要とする。及び前記配列素子(最低でも200から300マイクロメートルピッチ)の大きなサイズに起因して高い密度集積は実現可能でない。
【0014】
このようにして、pMUTデバイスは、従来の超音波変換器及びcMUTsよりも機能的及び製造的利点を提供する。血管内画像診断及び診療は、小型デバイスが望ましく、及びMEMSデバイスが魅力的な特定領域である。MEMS型医療デバイスの応用の実施例は、血管内超音波画像診断(IVUS)及び心臓内反響画像診断(ICE)のような画像診断デバイスである。IVUSデバイスは血管断面積のリアルタイム断層画像を提供し、例えば、内腔の真の形態、及びアテローム性動脈硬化症血管の貫壁性の構成要素を解明する。そのようなデバイスは、大きな期待を提供すると同時に、受信モードの感度のような特定の機能に依存的な性能の領域における改善に影響を受けやすい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一つの実施形態において、圧電性超音波変換器から増強された受信信号を生み出す方法が提供される。前記方法は、圧電性超音波変換器を提供する段階を備えており、前記圧電性超音波変換器は、撓みモードで操作可能な圧電性素子を備えており、前記圧電性要素によって音響エネルギーを受信する。前記音響エネルギーは、前記圧電性素子の撓みモード共鳴により電圧に変換可能である。前記印加された伝送電圧は追加の励起の半サイクルを含む正弦波信号である。圧電性変換器により生成された結果としての増強された受信信号は、追加の励起の半サイクルのない場合の印加された伝送電圧に対する圧電性変換器により生成された受信信号より大きい。
【0016】
さらにもう一つの実施形態において、圧電性超音波変換器からの増強された受信信号を生成する方法が提供される。前記方法は圧電性超音波変換器を提供する段階を備えており、前記圧電性超音波変換器は、撓みモードで操作可能な圧電性素子を備えており、及び前記圧電性素子による音響エネルギーを受信する。DCバイアスは、前記音響エネルギーの受信に先立ち、及び/または前記音響エネルギーの受信と同時に、前記圧電性素子に印加される。増強された受信信号は、前記圧電性素子の撓みモード共鳴により前記受信した音響エネルギーを電圧に変換することにより前記圧電性変換器から生成される。前記圧電性変換器により生成された前記増強された受信信号は、DCバイアスの印加のない場合の前記圧電性変換器により生成された受信信号より大きい。
【0017】
他の実施形態において、圧電性超音波変換器からの増強された受信信号を生成する方法が提供される。前記方法は、圧電性超音波変換器(前記圧電性超音波変換器は撓みモードで操作可能な圧電性素子を備えている)を提供する段階と、音響反響を提供する音響信号を作り出すために前記圧電性素子に正弦波双極性伝達サイクルパルスを印加する段階と、を備えている。前記正弦波双極性伝達サイクルパルスは最大ピーク電圧を有する。前記音響反響は、前記圧電性素子により受信され、これは前記圧電性素子のモード共鳴により受信される。DCバイアスは、前記音響反響の受信に先立って、及び/または前記音響の受信と同時に、前記圧電性素子に印加され、及び、前記圧電性素子の撓みモード共鳴により前記受信した音響反響を電場に変換することにより増強された受信信号は、前記圧電性変換器から生成される。前記圧電性変換器より生成された増強された受信信号は、DCバイアスの印加の無い場合の前記圧電性変換器により生成された受信信号より大きい。
【0018】
さらにもう一つの実施形態において、超音波画像診断カテーテルが提供される。前記カテーテルは基板と、前記基板を通る複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、及び前記基板上に相隔下部電極と、を備えている。それぞれの相隔下部電極は、前記複数の開口の一つ、及びそれぞれの前記下部電極上の相隔圧電性素子に及んでいる。前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな導電性フィルムは、前記下部電極の一つ以上と接触し、及び開口キャビティは前記開口のそれぞれに維持されている。DCバイアスを前記圧電性変換器に印加する手段が含まれる。
【0019】
さらにもう一つの実施形態において、超音波画像診断プローブが提供される。前記カテーテルは基板と、前記基板を部分的に通る複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、及び前記基板上に相隔圧電性素子と、を備えている。それぞれの相隔圧電性素子は、前記複数の開口のうちの一つを越えて配置される。基板上の相隔下部電極の対は、前記相隔圧電性素子のそれぞれと接触する。前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな導電フィルムは、一つ以上の前記下部電極と電気的に相互接続し、開口キャビティは前記開口のそれぞれで維持されている。
【0020】
さらにもう一つの実施形態において、圧電性超音波変換器からの受信信号を生成する方法が提供される。前記方法は、圧電性超音波変換器を提供する段階を備えており、前記圧電性超音波変換器は、撓みモードで操作可能な圧電性素子を備えており、及び強誘電性の抗電圧を有している。伝送電圧が前記圧電性変換器に印加され、これは前記圧電性素子に対する前記強誘電性の抗電圧より上である。音響エネルギーは、音響反響を提供する前記圧電性素子によって生成される。増強された受信信号は、前記圧電性素子の撓みモード共鳴によって前記受信音響反響を電気的電圧に変換することにより前記圧電性変換器から生成される。前記圧電性変換器によって生成された前記結果としての増強された受信信号は、前記抗電圧より小さく印加された伝送電圧に対する前記圧電性変換器によって生成された受信信号より大きい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】受信信号を増強する方法の実施形態をグラフを使って示している。
【図2】変換器が本発明の実施形態による半導体デバイスに取り付けられた圧電性マイクロ加工超音波変換器デバイスを図示している。
【図3】変換器が本発明の実施形態による半導体デバイスに取り付けられた圧電性マイクロ加工超音波変換器デバイスを図示している。
【図4】変換器が本発明の実施形態による半導体デバイスに取り付けられた圧電性マイクロ加工超音波変換器デバイスの形態を図示している。
【図5】変換器が本発明の実施形態による半導体デバイスに取り付けられた圧電性マイクロ加工超音波変換器デバイスの形態を図示している。
【図6】変換器が本発明の実施形態による半導体デバイスに取り付けられた圧電性マイクロ加工超音波変換器デバイスの形態を図示している。
【図7】ドープされたシリコンオンインシュレータ基板上に圧電性素子が形成された圧電性マイクロ加工超音波変換器デバイスを図示している。
【図8】変換器が本発明の実施形態による半導体デバイスに取り付けられた圧電性マイクロ加工超音波変換器デバイスを図示している。
【図9】本発明の実施形態による圧電性マイクロ加工超音波変換器を備えている画像診断カテーテルを図示している。
【図10】本発明の実施形態による圧電性マイクロ加工超音波変換器を備えている画像診断カテーテルを図示している。
【図11】本発明の実施形態による圧電性マイクロ加工超音波変換器を備えている画像診断カテーテルを図示している。
【図12】本発明の実施形態による圧電性マイクロ加工超音波変換器を備えている画像診断カテーテルを図示している。
【図13】本発明の実施形態による圧電性マイクロ加工超音波変換器を備えている画像診断カテーテルを図示している。
【図14】本発明の実施形態による圧電性マイクロ加工超音波変換器を備えている画像診断カテーテルを図示している。
【図15】本発明の実施形態による圧電性マイクロ加工超音波変換器を備えている画像診断カテーテルを図示している。
【図16】画像診断プローブの実施形態を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで開示された実施形態は、前記強誘電体の抗電界より上にあり、及び/または正弦波信号における追加の半波長励起を含む伝送電圧正弦波信号を印加することによって超音波撓みモード変換器の少なくとも一つの圧電性素子の感度を増強する方法に関している。前記実施形態はさらに、前記超音波撓みモード変換器の前記圧電性素子の受信撓みモード共鳴より前、及び/またはそれと共にDCバイアスを印加することによって超音波撓みモード変換器で操作する画像診断デバイスの感度を増強する方法に関している。前記実施形態はさらに、前記超音波撓みモード変換器の少なくとも一つの圧電性素子の前記受信撓みモード共鳴でDCバイアスを印加することによって、超音波撓みモード変換器で操作する画像診断デバイスの感度を増強する方法に関している。前記実施形態はここでさらに、改善されたシリコンオンインシュレータpMUT(SOI‐pMUT)素子であって、抗電界より上にある伝送電圧、追加の半波長励起、及び/またはDCバイアスを前記SOI‐pMUT素子の受信撓みモード共鳴に印加することによって、それらの感度を増強する方法と共に、前記素子、それらの製造、及びそれらの使用に関連している。前記実施形態はここでさらに、撓みモード変換素子を備えている画像診断デバイス、及び坑電界より上にある伝送電圧、追加の半波長励起、及び/またはDCバイアスを印加することによって、それらの感度を増強する方法に関している。ここで述べられた実施形態は、pMUTsのような撓みモード変換器を備えている医療用超音波診断画像診断プローブに一般的に応用可能である。
【0023】
用語「マイクロ加工」、「マイクロマシニング」、及び「MEMS」は、相互に利用され、及び集積回路(IC)製造で利用される製造方法に一般的に関連している。
【0024】
用語「撓みのモード」、「撓みモード」、「フレックスモード」及び「曲げ引張力モード」は、相互に利用され、及び前記圧電性薄膜の撓み及び/または振動をもたらすサスペンドされた圧電性薄膜の拡大及び縮小に一般的に関連している。
【0025】
ここで使用されるように、前記用語「撓みモード共鳴」は、特定振動数の超音波音響エネルギーを生み出すか、または特定振動数の超音波音響エネルギーの受信により引き起こされる撓みモード変換素子の励起された線対称共鳴モードを一般的に参照している。
【0026】
ここで使用されるように、前記用語「強誘電体の抗電圧」、「抗電圧」及び「抗電界」は相互に利用され、及び圧電性材料の強誘電性双極子スイッチングが起こるものより上の電圧を参照している。抗電界は、1から10V/μmの範囲でありうる。例えば、1μmの厚さを有する圧電性薄膜は一般的に、おおよそ3から5Vの抗電圧を有している。
【0027】
撓みモード変換器の増強された受信信号を生み出すための方法が提供される。前記方法は、圧電性素子の撓みモード共鳴の受信の間またはそれに先立ってDCバイアスを印加する段階を備えている。前記方法は、pMUTのような撓みモード変換器のパルス反響操作の間に一般的に応用可能である。前記方法は、垂直に集積されたpMUT配列を利用する撓みモード変換器に適用されうる。前記方法はさらに、パルス反響操作の間に受信信号を増強するpMUT配列、及び/または垂直に集積されたpMUT配列を備えているカテーテルベースの画像診断デバイスに適用されうる。
【0028】
撓みモード変換器の増強された受信信号を生み出すための方法が提供される。前記方法は、圧電性材料の強誘電体の抗電圧より上の伝送電圧正弦波信号を印加する段階を備えている。前記方法は同様に、印加された伝送正弦波信号における追加の半波長励起を印加する段階を備えている。前記方法は、音響反響の受信に先立って、及び/または音響反響を受信すると同時に前記圧電性素子にDCバイアスを印加する段階と結びつけられる。前記方法は一般的に、厚さ依存の抗電圧を有する撓みモード変換器に応用可能である。
【0029】
撓みモード操作は、厚みモード振動で一般的に操作する従来の超音波変換器で用いられる方法とは大きく異なる音響エネルギーを生み出すための特有の方法を示している。従来の変換器は、平板の厚さ方向の振動を生み出すために、抗電圧より下で操作する事前に分極した圧電性セラミック平板を備えている。従来の変換器は、相対的に厚い(数百マイクロメートルの厚さである)圧電性セラミック平板を含んでおり、このようにして、数百ボルトの伝送電圧信号を要する抗電圧より上で操作することは実用的でない。さらに、抗電界より上の操作は、前記セラミックをデポールし、十分な受信感度を達成するために高電圧(数百ボルト)でリポールすることを要しうる。
【0030】
pMUTデバイスは、PZT薄膜内の90°のドメインスイッチングを引き起こすために抗電界より上の電圧で双極性信号を印加することによって操作されうる。前記PZT薄膜は非常に薄く(1から数マイクロメートルの厚さ)、それによって抗電界より上の操作は比較的低い操作電圧(数十ボルト)で達成されうる。圧電性薄膜内の内側の応力は、前記圧電性材料の強誘電体の分極を減少させる。前記圧電性薄膜内の前記内側の応力は前記強誘電体の双極子を制限し、これは、電圧を印加することもなく前記強誘電体の双極子の非理想的な配列をもたらしうる。強誘電体の双極子の配列を強要することによって、いくらかの極性回復は、抗電圧より大きな電圧を印加することによって達成されうる。しかしながら、前記電圧が除去されたとき、内部の応力は前記強誘電体の双極子の前記配列を減少させる。このようにして、従来のバルクセラミック圧電性変換器のように、膜の事前のポーリングは最大の双極子配列を達成しない。
【0031】
ここで述べられる前記方法は、強誘電体の抗電圧より下の電圧を伝送する圧電性変換器(従来のまたはpMUT)を用いる超音波変換器の一般的な操作とは対照的である。抗電圧より上の電圧の伝送は、圧電性材料に強誘電体の90°のドメインスイッチングを受けることを強要し、このようにして、撓みの動作を通した前記薄膜の撓みを最大化する。前記方法は同様に、好ましい双極性配列を強要して、パルス反響受信感度を増強するために、正弦波信号において追加の半波長励起を印加することを述べている。
【0032】
ここで述べた前記方法は同様に、電圧を印加することなく反響信号を受信する圧電性変換器(従来またはpMUT)の超音波変換器の一般的な操作とは対照的である。撓みモード圧電性変換器の受信信号を改善するための前記方法は、圧電性素子による音響信号の受信の前に、及び/またはその間にDCバイアス電圧を印加する段階を含んでいる。撓みモード変換器の圧電性素子の撓みモード共鳴の前に、及び/またはその間でのDCバイアスの印加は、圧電性素子の受信信号(例えば出力電流)を増加させる。音響信号を受信するとき、pMUT内の圧電性層は、その最大の範囲まで分極される必要はない。この減少した分極の一つの原因は、前記伝送電圧自身が前記圧電性層の全体または一部をデポールしうる。このようにして、DCバイアスの印加は、双極性配列と結果としてのパルス反響受信信号を増強する。
【0033】
増強された受信信号を生み出す前記方法は、特別な設計のpMUTに関連して以下で議論されるが、前記方法は、撓みモードで操作するいかなるマイクロ加工の圧電性素子及び圧電性超音波素子に一般的に応用可能である。
【0034】
前記方法が、以下のように例として実施されうる。pMUT素子の方向に向かわせられた音響エネルギーが提供される。音響エネルギーは、前記音響エネルギーを受信する同一の圧電性素子から生み出された反射エネルギー、配列の異なる圧電性素子からの反射エネルギー、または他の源からの反射エネルギー、でありうる。例として、音響反響(パルス反響)として、圧電性素子からの反射エネルギーが議論される。
【0035】
前記方法の一つの態様において、圧電性材料の抗電圧より上である双極性伝送電圧が印加される。この高い電場レベルは、薄膜の振幅を増加させる、圧電性層における強誘電体の90°のドメインスイッチングを増強する。これは、前記薄膜からより高い音響エネルギー出力をもたらし、それ故、より高い伝送エネルギー出力に起因して、より高いパルス反響信号が受信される。前記パルス反響信号は同様に、伝送信号において前記圧電性素子に追加の半サイクル励起を印加することによって増強されうる。一般的な伝送電圧パルスは、1、2、または3のフルサイクルパルスを含んでいる。パルスの数の増加は、解像度を犠牲にして前記変換器の伝送出力を増加させる。1、2、または3のサイクルパルスと比較して、分解能を大幅に犠牲にすることなく、pMUT素子の感度を増加するために、例えば1.5、2.5または3.5のサイクルの追加の半サイクル励起を適用することは、この方法の一つの態様である。pMUT素子は、全サイクルの励起に比べて前記追加の半サイクル伝送励起の結果としてより高いパルス反響受信信号を作り出すことを示している。これは前記pMUT素子の圧電性層における増強された双極性配列に起因する。
【0036】
前記方法の他の態様において、音響反響が変換器に到達する前に、DCバイアスが圧電性素子に印加され、及びそれから、圧電性素子が受信した反響から撓み共鳴モードにある間に、保たれている。前記DCバイアスは、圧電性材料においては双極子配列を改善させ、及びそれから前記薄膜によって生み出された受信信号を増加させる。前記双極子配列は改善されるので、薄膜において機械的な振動を生み出す受信音響波の結果として、より高い圧電性電流が生み出される。DCバイアスは同様に、圧電性素子の配列に印加されることができ、前記印加されたDCバイアスはすべての素子に対して同一であるか、または素子から素子へ変化してもよい。pMUT素子は、それらのパルス反響の受信特性においていくらか変動性を有しうる。それ故、受信撓みモード共鳴の間に、校正されたDCバイアスを、前記配列においてそれぞれの素子へ印加することは、結果としての超音波画像の質を増強するための所望の音響圧力に対して、前記配列に渡って受信信号の均一性を増強しうる。
【0037】
前記方法の他の態様において、音響エネルギーを放出するために、双極性伝送電圧が前記pMUTに印加されうる。前記音響エネルギーは音響反響として前記ターゲットから反射され、前記pMUTの方向に向かって戻る。前記音響信号が前記変換器に到達する前に、DCバイアスパルスが、前記受信撓み共鳴モードに先立って前記変換器に印加され、及び前記圧電性素子の前記受信撓み共鳴モードに先立って除去される。理論によって制限されることなく、前記DCバイアスパルスは前記双極性配列を一時的に改善させ、及び前記DCバイアスパルスを取り除くと、前記双極性配列は、その内部的に圧力を受けた状態にすぐさま戻らないことと一般的に信じられている。このようにして、受信撓み共鳴モードに起因する圧電性電流出力は、双極性配列からの残りの極性に起因して増加される。前記双極性配列は受信撓み共鳴モードの間に最大化されないので、圧電性出力は、前に述べられた前記方法の態様よりも低い。しかしながら、この方法は、追加の信号調整回路の必要性を取り除きうる。さらに、前記パルスは、前記圧電性素子が受信反響からの撓み共鳴モードにある間に、前記DCバイアスは保たれている方法の前に説明した態様よりも短い期間でありうるとして、全体の出力消費は減少されうる。従来の伝送電圧が圧電性材料をデポールするので、この方法は、増強された受信信号を提供する周知の極性(DCバイアスの極性の方向に)の増強されたドメイン配列を提供する。
【0038】
前記方法の他の態様において、双極性伝送電圧は音響エネルギーを放出するために前記pMUTに印加される。前記双極性伝送電圧は、最大ピーク電圧で止められる。前記双極性伝送電圧は、正弦波伝送サイクルパルスか、または他の周期パルスでありうる。前記音響エネルギーは、音響エネルギーとしてターゲットから反射され、及び前記pMUTに向かって戻る。前記伝送サイクルの前記電圧をピーク電圧で止めることにより、双極性配列の保持力が得られ、前記反響信号からの前記圧電性素子の受信撓み共鳴モードにより生み出された前記圧電性電流を増加しうる。前記双極性伝送電圧は、前記伝送サイクルの間に、最大電圧とゼロ電圧の間の電圧で止められうる。前記方法のこの態様は、前記pMUTからの前記受信信号を増強するために前記方法の他の態様と結合されうる。
【0039】
前記方法の他の態様において、双極性伝送電圧は音響エネルギーを放出するために前記pMUTに印加される。前記双極性伝送電圧は、最大ピーク電圧で止められる。前記双極性伝送電圧は、正弦波伝送サイクルパルスまたは他の周期パルスでありうる。前記音響エネルギーは、音響エネルギーとしてターゲットから反射され、及び前記pMUTに向かって戻る。前記音響信号が前記変換器に到達する前に、前記伝送ピーク電圧とは反対信号を有するDCバイアスが、前記変換器に印加され、及びそれから、前記圧電性素子の受信撓み共鳴モードの間に保持される。理論によって拘束されることなく、前記方法のこの態様は、前記受信反響からの前記圧電性素子の受信撓み共鳴モードの間に、強誘電体の双極子を、強制的に切り替える。双極子のスイッチングは、前記受信反響により生み出された信号を増幅させうる追加の圧電体の電流を生み出しうる。前記双極性伝送電圧は、止められた伝送サイクル電圧とは反対信号を有するDCバイアスが利用されるという条件で、伝送サイクルの間に、最大電圧とゼロ電圧の間で止められうる。前記上の態様の組み合わせは、前記方法の範囲に含まれる。
【0040】
前記DCバイアスの印加のタイミングは、前記pMUTデバイスの振動数、及びイメージ領域のターゲット深さを基に計算されうる。前記DCバイアスは、前記圧電性薄膜層の内部応力を計上するために調整されるか、または選ばれる。前記DCバイアスは、0から正、または0から負に掃引されうる。前記伝送パルスはナノセカンドのオーダであり、前記反響返送は一般的にマイクロセカンドのオーダであり、前記DCバイアスの期間はパルス状であり、定期的に印加され、他の方法で印加されるか、または前記受信信号が増強されるようにここで述べられた方法の態様の組み合わせで印加されうる。
【0041】
信号調整電子回路は、前記DCバイアス信号を前記生み出された圧電性受信信号から分離し、及び/または前記受信信号におけるノイズを減少するかまたは避けるために実装されうる。信号調整回路は、前記pMUT基板に直接隣接して集積されるか、または垂直に積み重ねられたASICデバイス内に集積されうる。貫通ウェーハ相互接続スキームを利用するASICデバイスの集積は、特許文献1において述べられるように、その全体を参照することにより組み込まれる。前記pMUT基板に集積された信号調整回路は、前記受信信号においてノイズを減少させる。信号調整は、前記受信信号を増幅させるために印加されうる。多重ICは、信号調整及び増幅回路が、DCバイアスの増幅に起因しうる信号の最大化及び/またはノイズの減少のために前記pMUTデバイスと共に近接近で集積されるように、貫通ウェーハ相互接続処理を利用して、前記pMUTと共に積み重ねられうる。信号調整はリモートで実行されうる。前記DCバイアスを前記圧電性素子に印加する手段は、電位源によって駆動され、及び電位源と電気的連絡にある一対の導電性コンタクトを含む。前記電気的連絡は、ワイヤ、フレックスケーブルなどを含む。電位源はバッテリー、ACまたはソース/ドレインなどを含む。電位源と連絡している前記導電性コンタクトは、能動電気回路が作り出され、及び制御されるように、前記圧電性素子に接続されうる。そのような導電性コンタクトは、前記素子と直列または並列にあってもよい。それに関する手段及び同等物は、フィルタリングまたは低ノイズ増幅器のような、当業者の通常の知識の範囲内で、信号の伝送及び受信と同時にDCバイアスを制御するために設計された追加の電気回路及び/または電子部品を含んでいる。
【0042】
増強された受信信号の上記の方法の応用は、例えば以下で述べられるように、前記pMUT、及びシリコンオンインシュレータ(SOI)基板pMUTデバイス(SOI‐pMUT)、及び/または特許文献1で述べられた垂直に積み重ねられたASIC‐pMUTデバイスと共に集積されうる。
【0043】
図2を参照すると、垂直に集積されたpMUTデバイス90を形成するために半導体デバイス44に接続されたpMUTデバイス構造80が示されている。例として、前記接続は、コンフォーマルな導体層42を前記半導体デバイス44上の半田パッド48に接続しているハンダバンプ46を通してなされる。
【0044】
頂部電極32及び下部電極20は、第2誘電体28により分離された圧電体配列素子22を挟み、前記第2誘電体28は前記素子22の端部58と重畳している。下部電極20は、第1誘電層14によって分離されており、前記第1誘電層14は、基板12の背面側における後続のエアーバックキャビティ50の形成の間にエッチングされる。エアーバックキャビティ50は、コンフォーマルな絶縁膜36と、半導体デバイス44の貫通ウェハビア相互接続を前記圧電体配列素子22に提供するコンフォーマルな導体膜42で被覆された側壁を有している。前記パターン化された貫通ウェーハ相互接続42は、圧電体薄膜35から前記半導体デバイス44へ、及び開口30内の接地パッド24への直接の電気接続を提供する。前記エアーバックキャビティ50は、最適な音響性能を提供する。前記エアーバックキャビティ50は、表面微細加工MUTsと比較して、最小の音響漏れと共に、前記圧電体薄膜35においてより大きな振動を可能にしている。
【0045】
前記パターン化された圧電体層の頂端部58上の第2誘電体膜28を含む垂直に集積されたpMUTデバイス90は、前記圧電体素子22に接続された二つの電極32,20の改善された電気的分離を提供する。この実施形態は、前記ポリマー誘電体28と前記圧電体素子22の端部間のギャップであって、前記頂部電極32が前記下部電極20とショートすることを引き起こすギャップを不注意に引き起しうるフォトリソグラフィーのずれをなくすことを手助けする。前記第2誘電体膜28は同様に、他の実施形態において必要とされうる如何なる平坦化工程の必要性を消去する。この実施形態はさらに、前記パターン化された圧電体素子22の大きさ及び形状とは異なる前記頂部電極32の大きさ及び形状を形成する方法を提供する。厚さが十分な場合(圧電体の厚さのオーダ)、前記圧電体素子22よりもずっと低い誘電定数を有する前記第2誘電体膜28は、pMUTデバイス90に印加された電圧が、前記誘電体を通してのみ主として降下することを引き起こす。このようにして前記誘電体で覆われた前記圧電体層の部分58を電気的に分離する。印加された電圧に関連する前記圧電体素子22の有効形状は、前記誘電体で覆われていない前記圧電体素子22の部分だけである。例えば、圧電体の幾何学的領域の全体の50%を電気的に活性化させることだけが望まれるなら、前記ポリマー誘電体28は、圧電性領域の残りの50%を物理的に被覆し、及び電気的に分離し、及び活性化できないようにする。同様に、互いにいり込んだ構造のような複雑な電極パターンが望まれる場合、ポリマー誘電体が前記第2誘電体層28のために利用され、及び互いに入り込んだ構造を提供するためにパターン化されてもよい。これは、前記頂部電極32が前記pMUT配列全体に渡って連続的な接地電極である特定の実施形態に対して重要である。よりシンプルな工程は、下部電極20及び圧電体膜をパターニングするよりも、前記ポリマー誘電体28をパターニングすることによって電気的な活性領域を作り出すことにより提供され、このようにして前記活性領域は、前記圧電性素子22と接触する前記頂部電極領域の形状を担う。
【0046】
表面微細加工薄膜からの振動エネルギーは、前記薄膜より下に直接備わっているバルクシリコン基板内に消え、これによって超音波伝送出力及び受信感度を制限している。本発明の前記エアーバックキャビティ50は、前記振動薄膜35がバルク基板12上に直接または前記バルク基板12一面に存在していないので、このエネルギー分散を減少または消去しうる。
【0047】
前記半導体デバイス44は、フリップチップアセンブリ、トランジスタ、キャパシタ、マイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ、マルチプレクサ、電圧/電流増幅器、高電圧駆動装置、等のような電子デバイスの多種を含む従来技術で知られたいかなる半導体デバイスでありうる。一般的に、半導体デバイスは、半導体を備えているいかなる電気的なデバイスを参照する。例として、前記半導体デバイス44は、相補型金属酸化膜半導体チップ(CMOS)である。
【0048】
各圧電体素子22は、隣接する圧電体素子22から分離されているので、前記個々の素子は変換器伝送モードにおいて分離的に駆動されうる。加えて、受信信号は、前記半導体デバイス44によって独立的に、各圧電体膜から測定されうる。受信信号は、前記半導体デバイス44によって、それぞれ、または全ての圧電体素子に対してDCバイアスを印加する方法によって増強される。
【0049】
前記貫通ウェーハ相互接続42の形成の利点は、電気的な接続が前記相互接続42によって直接提供されるので、前記薄膜35と半導体44との間で電気的伝送信号及び受信信号を運ぶための分離ワイヤやフレックスケーブルなどを必要としないことである。これは、超音波プローブを制御ユニットに接続するのに必要なワイヤの数やケーブルのサイズを減少させる。さらに、従来のケーブルまたはワイヤハーネス(メートルのオーダの長さ)と比較して、前記貫通ウェーハ相互接続42のより短い物理的長さ(1mm未満)は、変換器受信信号の損失を最小化し、及び伝送のために変換器を駆動するために必要とされる出力を低下させるより低い抵抗及びより短い信号経路との接続を提供する。
【0050】
金属相互接続42及び電極20、32の利用は、ポリシリコンの相互接続及び電極を利用するデバイスよりも高い電気的導電性及びより高い信号対ノイズ比を有する圧電性デバイスを提供する。加えて、前記コンフォーマルな絶縁層36及びコンフォーマルな導体42を堆積する低温工程の利用は、前記デバイス処理の熱量を減少させ、このようにして熱への過度の露出の損失効果を制限する。これは同様に、前記圧電体素子22が、前記基板内に貫通ウェーハビアホール50をエッチングする前に形成されることを可能にし、このようにして、前記全体の処理を単純化させる。
【0051】
pMUTデバイス構造が半導体デバイス基板に直接取り付けられる場合、音響エネルギーが前記半導体デバイスに反射され、及び前記圧電体膜の方に引き返して向かわれるpMUT素子の反響音が観測される。前記反響音は前記pMUT信号においてノイズを引き起こし、超音波画像の質を減少させる。同様に、前記音響エネルギーは、前記回路にノイズを導くことで半導体デバイスの操作に影響を与えうる。例として、前記半導体デバイスの接続面上、またはpMUTデバイスのエアーバックキャビティの基部に、音響弱化ポリマー被覆を用いることで、前記圧電性薄膜から反射された音響エネルギーは弱められる。前記音響弱化ポリマー層は、好ましくはより低い音響インピーダンスを有し、高い音響インピーダンスを有する半導体デバイスの裸のシリコン表面より少ない超音波エネルギーを反射する。例として、前記音響弱化ポリマー層は、pMUTデバイス構造を半導体デバイスへの取り付けのための接着剤として機能しうる。
【0052】
前記pMUTデバイスの圧電性素子22の前記厚さは、約0.5μmから約100μmの範囲でありうる。例として、前記圧電性素子22の前記厚さは約1μmから約10μmの範囲である。
【0053】
前記圧電性素子22の幅または直径は、約15μmから約1000μmの中心間距離を有して約10μmから約500μmの範囲でありうる。例として、前記圧電性素子22の前記幅または直径は、1から20MHzの範囲での超音波操作に対して、約75μmから450μmの中心間距離を有して約50μmから約300μmの範囲でありうる。50μm未満のより小さい素子は20MHzより大きいより高い振動数の操作に対してパターン化されうる。例として、高い振動数の操作を維持すると同時に、より高い超音波エネルギー出力を提供するために、複数の素子が電気的に接続されうる。
【0054】
前記第1誘電フィルム14の厚さは、約10nmから約10μmの範囲でありうる。例として、前記コンフォーマルな絶縁フィルム36の厚さは、約10nmから10μmの範囲でありうる。前記下部電極20、頂部電極32、及びコンフォーマルな導電層42の厚さは、約20nmから25μmの範囲でありうる。前記開口キャビティ50の深さは、約10μmから数ミリメートルの範囲でありうる。
【0055】
一つの実施形態において、pMUTデバイス構造10は、図3に図示されるように、垂直に集積されたpMUTデバイス70を形成する前記半導体デバイス44上の前記エポキシ層56内に形成された金属コンタクト54を通して前記半導体デバイス44に接続される。音響エネルギー減衰器としての機能に加えて、前記エポキシ層56は、前記pMUTデバイス構造10を前記半導体デバイス44に接着させるための接着剤としての機能しうる。前記エポキシ層56はフォトリソグラフィー及び/またはエッチング技術を利用してパターン化され、及び金属コンタクトは、電気めっき、スパッタリング、電子ビーム(e‐ビーム)エバポレーション、CVD、または他の堆積方法によって堆積されうる。
【0056】
特定の実施形態において、受信信号を増強する上の方法の応用は、図4から6において示されるように、特許文献1で前に述べられた基板と同じシリコンオンインシュレータ(SOI)基板と共に製造されたpMUT、及び図7を参照することで以下に述べられるような改善されたSOI‐pMUTデバイスで一体化されうる。
【0057】
図4で示されるように、シリコンウェーハのような基板12は、前記基板12上に形成された埋め込み二酸化シリコン層64と重複する薄いシリコン層62と共に提供される。第1誘電フィルム14は、前記シリコン層62と重複して形成され、及び下部電極層16は前記第1誘電フィルムと重複して形成される。圧電性材料18の層はSOIpMUTデバイス構造100を提供するために前記下部電極層16と重複して形成される。SOI基板を用いる少なくともひとつの利点は、前記シリコン基板のエッチングストップとして前記埋め込み酸化物を用いる深い反応イオンエッチング(DRIE)のよりよい制御を含む。前記SOIは同様に、前記薄膜の厚さが前記SOI基板の前記薄いシリコン層62の厚さによって定義されるとき、配列における前記個々の素子の前記共鳴振動数のよりよい制御と均一性のために、前記pMUT薄膜35の厚さのよりよい制御を提供する。特定の実施形態に従って、前記薄いシリコン層62は、約200nmから50μmの厚さを有し、及び前記埋め込み酸化物層64は約200nmから1μmの厚さを有する。本発明の他の実施形態において、前記薄いシリコン層62は、約2μmから20μmの厚さを有し、及び前記埋め込み酸化物層は約500nmから1μmの厚さを有する。
【0058】
図5を参照すると、前記圧電性材料の層18、下部電極層16、第1誘電フィルム14、シリコン層62、及び埋め込み酸化シリコン層64は、別個の圧電性素子22と接地パッド24を提供するため、及び前記基板12の前面13を露出するために次にエッチングされる。前記圧電体18及び下部電極16層は、開口68によって分離されたpMUT素子形状22を形成するためにエッチングされる。前記第1誘電体14、薄いシリコン層62、及び埋め込み酸化物64層はさらに、前記基板12を露出する相隔ビア69を形成するためにエッチングされる。導電性フィルム66は、前記下部電極20とその次に形成されるpMUTデバイス構造相互接続との間の電気的接続を提供するために、図5に図示されたように、前記相隔ビア69内に堆積される。前記pMUTデバイス構造100のパターニングは、従来のフォトリソグラフィ及びエッチング技術を利用することでなされる。例として、前記導電性フィルム66は、前記下部電極20、頂部電極32、及びコンフォーマルな導電性層42に関連して、Cr/Au,Ti/Au,Ti/Pt,Au,Ag,Cu,Ni,Al,Pt,In,Ir,InO,In:SnO(ITO)及び(La,Sr)CoOのような金属でありうる。
【0059】
前記SOI‐pMUTデバイス構造100はさらに、前記第2誘電膜28、及び頂部電極32を形成するために処理される。貫通ウェーハビア34は、例えば、深い反応イオンエッチング(DRIE)によって形成される。前記コンフォーマルな絶縁層36及びコンフォーマルな導電膜42は図6で図示されたように前記貫通ウェーハ内に形成される。前記導体フィルム66と前記コンフォーマルな導体フィルム42の間の電気的接触は、垂直に集積されたpMUTデバイスを形成するために、図6で示されるような、半田バンプ46を介するように、半導体デバイス44に接続される。他の実施形態において、前記半導体で44は、前に述べたように、前記半導体デバイスにpMUTデバイスを取り付ける前記半導体デバイスの前記表面上に堆積されたエポキシ層内に形成された金属コンタクトを通って前記コンフォーマルな導電性フィルムに接続されうる。
【0060】
前記上述の受信信号を増強する方法の応用は、改善されたシリコンオンインシュレータ(SOI)基板pMUTデバイス及び/または次のように垂直に積み重ねられたASICデバイスと一体化されうる。
【0061】
エアーバックキャビティを有する前述のpMUTデバイスは、直接前記エアーバックキャビティ内の前記コンフォーマルな金属層に接する前記下部電極、または、前記コンフォーマルな金属層に前記プラグ金属を接触させるSOI層を通して金属化されたプラグを提供する。改善されたSOIエアーバックキャビティpMUTの製造は、振動数が膜の厚さに依存するのでより正確に特定の共鳴振動数を対象とすることを提供し、エアーバックキャビティを通して圧電体素子と直接の電気的接続を提供する膜としてのSiOまたはデバイスシリコン構造層を提供する。このようにして、前記エアーバックキャビティを通して前記下部電極とコンフォーマルな金属層との間の電気的な相互接続を提供する前記SOI基板内に高濃度にドープされた導電性のデバイスシリコン層が想定された。この実施形態のpMUTは、図7を参照することで以下に例示される。
【0062】
高濃度にドープされた(0.1未満のオーム‐cm抵抗率)デバイスシリコン層162を有するSOI基板120が、前記基板120の前面上の埋め込み酸化物層164上に提供される。SiOパッシベイション層175は、次の段階において、ドープされたデバイスシリコン層162内に下部電極層116が拡散することを避けるためにデバイスシリコン層162の前記表面上に熱的に成長される。SiO層175はフォトリソグラフィ及びエッチングによってパターン化される。下部電極層116はスパッタリングまたは電子ビーム蒸発によって堆積され、及びPtまたはPt/Tiでありうる。TiはSiO層に対して前記Ptの粘着力のために利用されうる。好ましくは、前記下部電極の金属は、圧電性材料のアニール温度に耐えることができる。前記下部電極はフォトリソグラフィ及びエッチングまたはリフトオフ工程によってパターン化されうる。前記下部電極は上で述べられたようになりうる。
【0063】
パターン化された圧電体素子22は、スピンコーティング、スパッタリング、レーザーアブレーション、またはCVD及び一般的に700℃の温度でのアニーリング、によって圧電性材料の堆積によって形成される。パターンニングは例えばフォトリソグラフィ及びエッチングによって実行されうる。パターン化された圧電体素子22は前記圧電体層の幅が前記下部電極の幅未満であるようにエッチングされる。これは、後続の金属接続が形成されるように前記下部電極へのアクセスを提供する。
【0064】
金属接続層180は、フォトリソグラフィ及びエッチングまたはリフトオフ工程によって堆積され、パターン化されうる。前記金属接続層180はTi/Pt,Ti/Au,または上で述べたような他の金属でありうる。Tiは、PtまたはAuの高濃度にドープされたデバイスシリコン層162への粘着力のために利用されうる。金属接続層180は、前記下部電極116と高濃度にドープされたデバイスシリコン層162との間の電気的接続を提供する。
【0065】
デバイスシリコン層162はフォトリソグラフィによってパターン化され、配列の範囲内で互いに前記圧電体素子22の電気的な分離を提供する各圧電体素子22に隣接する分離トレンチ130を提供するためにエッチングされる。分離トレンチ130は前記埋め込みSiO層164までエッチングされる。
【0066】
ポリマー誘電体層128はトレンチ130を含む圧電体素子22の頂部上に堆積され、及びスピンコーティング、フォトリソグラフィ、及びエッチングによりパターン化される。フォトイメージ形成可能なポリマー誘電材料が前記ポリマー誘電体層128のために用いられうる。ポリマー誘電体材料はポリイミド、パリレン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリベンゾシクロブテン(BCB)または他の適切なポリマーでありうる。
【0067】
金属接地平面層132は、例えば、電子ビーム蒸発、スパッタリング、または電気めっきによって堆積される。Ti/AuまたはTi/Cuは金属接地平面層132のために利用されうる。
【0068】
ポリマーパッシベイション層190が、例えば蒸着やスピンコーティングによって堆積される。ポリマーパッシベイション層190は、使用の間にデバイス表面に接触しうる流体(例えば、血液、水、シリコーンゲル)から電気的及び化学的絶縁を提供し、変換器面と流体との間のより低い音響インピーダンスを提供する音響調和層としても作用する。
【0069】
シリコン基板120の背面のエッチングはエアーバックキャビティ150を提供する。接地ビア131がエッチングされ、コンフォーマルな導体143をドープされたシリコン層162及び金属接地平面層132への接続を提供する。エッチングはディープ反応イオンエッチング(DRIE)によるものでありうる。
【0070】
コンフォーマルな絶縁層136は、サイドウォール137及び前記エアーバックキャビティ150の基部125、及び基板120の背面上に堆積されうる。相互接続のために、ビアが必要とされる場合、基部125のコンフォーマルな絶縁層136はエッチングされる。コンフォーマルな絶縁層136はポリマー、酸化物、または窒化物材料でありうる。
【0071】
コンフォーマルな金属層142はサイドウォール137及び基部125及び基板120の背面111を含むエアーバックキャビティ150の内側に堆積される。コンフォーマルな金属層142は、スパッタリング、電子ビーム蒸発、またはCVD堆積されうる。
【0072】
コンフォーマルな金属層142は、フォトリソグラフィによって基板120の背面111上でパターン化され、及び圧電体素子22及び接地ビア131を互いに電気的に分離するためにエッチングされる。コンフォーマルな金属層142は同様に、前記pMUTデバイスをICデバイスへ電気的に接続するための相互接続パッド143を提供する。このようにして、SOI‐pMUTデバイスの前記エアーバックキャビティを通した前記圧電体素子からの電気的接続は、可能な処理の利点、及び性能利益と共に提供される。
【0073】
特定の実施形態において、増強された受信信号を生み出す上記方法の応用は、前記pMUTデバイス、またはASICデバイスに結合されてSOI基板で製造されたpMUTデバイスを利用することで実行されうる。そのような、垂直に集積されたデバイスは特許文献1において前に述べた内容を含んでいる。例えば小さな直径のカテーテルのような画像診断プローブにおける応用に対する前記pMUT‐ASICの小型化を提供するための改良された結合構造は以下のようである。
【0074】
pMUT基板は図3に示されたような例えばASICデバイスのようなIC基板に機械的に取り付けられ、及び電気的に接続されうる。pMUTの前記IC基板への接続は、エポキシ結合、または半田バンプ結合によるものでありうる。ハンダバンプにより結合されたIC基板は一般的にIC層の数に依存して、倍数のミリメートルの厚さを有している。全体の厚さを減少させ、及び前記pMUT‐ICアセンブリの小型化を増加させることがさらに望まれる。pMUT及びIC基板の結合に対する好ましい方法は、エポキシ結合である。エポキシ結合は、前記集積されたデバイスにおいて、より大きな物理的小型化とより低い全体の厚さを提供し、半田バンプと比較してより低い温度処理を提供しうる。
【0075】
改良されたエポキシ結合pMUT‐ICスタック220の例が図8において示される。エポキシ相互接続層256はIC基板320の表面上に堆積され、pMUTデバイス10との結合を提供する。コンフォーマルな誘電体52は、貫通ウェーハ電気的相互接続230とIC基板320とを分離するために堆積される。貫通ウェーハ相互接続230は、前記pMUTデバイス10の背面上で金属相互接続パッド242を露出するために、IC層内、及びエポキシ相互接続層256を通してエッチングされうる。前記エッチングはDRIEによるものであり、及び前記貫通ウェーハ相互接続230はCVD及び/または金属めっきによるものでありうる。第2のIC基板420は、同様に形成されたビア及び同様に形成された電気接続で結合されうる。電気リード301(例えば、ワイヤ、フレックスケーブル)は、前記pMUT‐ICスタックから前記システムエレクトロニクス、またはカテーテル電気コネクタへの電気接続を提供するために、背面または一つ以上のIC基板に取り付けられうる。
【0076】
前記IC基板は、化学的機械的研磨(CMP)によって薄化されうる。CMPを用いる前記ICシリコン基板の薄化は、前記スタックの全体の厚さを大幅に減少させ、及び前記全体のスタックに対して1mm未満の厚さを提供する。CMPは、より浅くしうるビアエッチング、及びより小さくしうるビアサイズを提供しうる。一般的にわずか10:1のアスペクト比が、従来のシリコーンエッチング及びCVD金属ビア形成工程を利用して形成されうる。前記pMUT基板は、エアーバックキャビティ250の形成に先立ってCMPや他のプロセスによって薄化されうる。
【0077】
半田バンプまたはワイヤ結合スタッキング(例えば、システム・オン・チップまたはシステム・オン・パッケージ)は、ダイハンドリング及びワイヤ結合の制約に起因して追加の側面領域を必要とする。基準がIC基板の背面上に形成され、及び二つの基板の配列及び結合が精密な配列結合装置によって形成されるとき、前記エポキシ結合方法は、追加の側面領域を必要としない。このようにして、ビアが前記シリコン基板内にエッチングされるとき、前記ビアは前の基板の前記相互接続パッドに事前配列される。それ故、前記全体のpMUT‐ICスタック220は、pMUT配列自身より大きな側面積を必要としない。
【0078】
上で述べられたような制御回路と結合された貫通ウェーハ相互接続で形成されたpMUTsは、超音波画像プローブのような超音波プローブを形成する外部ケーブルを含むハウジングアセンブリ内にさらに集積されうる。制御回路を有するpMUTsの前記集積は、前記超音波プローブにおいて必要とされたケーブルを大幅に減少しうる。前記超音波プローブは様々な音響レンズ材料、調整層、ブロック層、及びデマッチング層を同様に含みうる。前記ハウジングアセンブリは外部超音波画像診断のための超音波プローブ、または生体内での画像診断のためのカテーテルプローブを形成しうる。前記超音波カテーテルプローブハウジングの形状は、直角、実質的に円形、または完全に円形のような如何なる形状でありうる。前記超音波カテーテルプローブのハウジングは、金属、非金属、不活性プラスチック、または同様な樹脂材料のような如何なる適切な材料から作られうる。例えば、前記ハウジングは、ポリオレフィン、サーモプラスチック、サーモプラスチックエラストマー、サーモセットまたは工学サーモプラスチックまたはその組み合わせ、コポリマー、またはそれらの混合よりなる生体適合性材料を含みうる。
【0079】
超音波カテーテルプローブの増強された受信信号を生み出す方法が提供される。前記方法は、pMUTまたは特定用途向け集積回路(ASIC)デバイスアセンブリに集積されたpMUTを備えている超音波カテーテルプローブを提供する段階と、及び画像診断デバイス内に前記アセンブリを組み込む段階と、及び前記pMUTから増強された受信信号を生み出すために前記pMUTの受信撓み共鳴モードの間にDCバイアスを印加する段階と、を備えている。そのような実施形態は、図9から15を参照することでさらに述べられる。
【0080】
pMUTデバイス90は、図9‐10で示されるような画像診断カテーテルデバイス500、600を提供するフレックスケーブル507または他のフレキシブルワイヤ接続に結合されうる。これは、半田バンプ結合、エポキシ(導電性エポキシまたは導電性及び非導電性エポキシの組み合わせ)、z軸エラストマー相互接続、またはカテーテルベースの超音波変換器に利用される他の相互接続技術によってなされる。
【0081】
図9を参照すると、前方視画像診断カテーテルデバイス500は、音響窓540を通した画像診断のためのフレックスケーブル507と一体化された関連したpMUT90を含んでいる。側視カテーテル600は、図10で描写されたように、フレックスケーブル507及び音響窓640と統合された関連するpMUTを含む。カテーテル500及び600は、pMUT90に直接接触して、音響的な調整材料550、650をそれぞれ含む。音響調整材料550、650は低い弾性係数のポリマー、水またはシリコンゲルでありうる。
【0082】
カテーテル700は、マルチプレクサ、増幅器、または信号調整ASICデバイスまたはそれらの組み合わせでありうる垂直に集積されたASICデバイス720、730を有するpMUTを含む。追加のASICデバイスは、高電圧ドライバ、ビーム形成またはタイミング回路のようなものを同様に含みうる。音響窓740は、pMUTに直接接触して音響調整材料750を含みうる。
【0083】
画像診断カテーテルデバイス500、600、700は、3フレンチから6フレンチ(1‐2mm)の範囲の外径を有するだけでなく、特定の応用に対して12フレンチ(すなわち4mm)と同様の大きさともなりうる。そのようなデバイスは、小さな冠状動脈にアクセスすることが可能となりうる。最小数の電気ワイヤが小さなカテーテルプローブ内に集積されることが望まれ、このようにして、小型の集積回路スイッチは(例えばマルチプレクサ)は、前記カテーテルの内側で電気ワイヤの減少を提供することができる。画像診断カテーテルデバイス500、600、700の前記ハウジング509は、高度に柔軟であり、及び、例えば心外膜の冠状動脈におけるガイドワイヤとして進歩している。
【0084】
信号ワイヤまたはフレックスケーブルリードは、図9で示されるように、前記pMUT基板の前記背面上の貫通ウェーハ相互接続で直接接続される。前記ワイヤまたはフレックスケーブルは、前記カテーテル本体を通して送られ、及び外部制御回路に前記カテーテルの後端で1/0コネクタを通して接続される。しかしながら、血管を通したカテーテルの導入/誘導に対して素晴らしく機械的な柔軟性を可能にするために、前記カテーテルシース内に含まれた電気的リードを減らすことは有利となる。例えば、7F(3mm直径)カテーテル、20×20の素子のpMUT配列が高画質を提供するために利用される。この場合、素子あたり最低1ワイヤで、少なくとも総計400のワイヤが、前記カテーテルの先端でpMUT配列を駆動するために必要とされる。これは、前記カテーテルの移動を指示するガイドワイヤのための空間、及び前記カテーテルを曲げるための柔軟性をほとんど残さない。
【0085】
このようにして、前記カテーテル内の信号リード及び信号ノイズの数を減らすために、前記pMUTデバイスは、前記カテーテルチップにおける制御回路と共に集積されうる。例えば、図8に示されるように、前記読み出し回路は貫通ウェーハ相互接続を利用して前記変換器配列に直接集積される。各pMUT素子によって受信された超音波信号が、信号対ノイズ比を最大化させるために独立して増幅されるように、増幅器ASICは前記pMUT基板に結合され、及び各pMUT素子の貫通ウェーハ相互接続に接続されうる。この直接の集積は、さらに信号ノイズを減少するために前記pMUT素子と前記増幅器との間の導線の長さを大幅に減少しうる。第2マルチプレクサASICの集積によって、各変換器により受信され、及び各増幅器に送られた前記信号は、前記カテーテルの終端で、減少された数のI/Oコネクタへの信号ワイヤを通して多重化されうる。このようにして、より少ないワイヤが前記カテーテルシースの内部に必要とされる。前記多重化の速度は、達成されうる減少された信号ワイヤの数を決定するだろう。リードの数の減少は、素子間のクロストークを減少する。
【0086】
貫通ウェーハ相互接続は、前記ASICのシリコン基板をエッチングし、コンフォーマルな誘電体及び金属層で前記エッチングされたホールを被覆し、及び上で述べたように、充填された導体ビアを製造するために金属メッキすることにより形成されうる。多重回路は整列された貫通ウェーハ相互接続でエポキシ結合することによって重ねられうる。
【0087】
前記変換器配列の受信機能の集積に加えて、作動または伝送機能は同様の方法で前記pMUT基板に集積されうる。前記ASICスタック内に含有された高電圧ドライバは、前記変換器素子を駆動する必要性を生み出し、及び多重化回路は、個々のpMUT素子をアドレスするために利用される。このようにして、2D配列の操作は、適切なタイミングで駆動信号の多重化によって達成されうる。前記伝送機能を直接集積する少なくとも一つの利点は、高電圧が前記pMUT配列に隣接して直接生み出されることである。前記カテーテルの本体を通して伝送される高電圧信号は、減少されるか除かれるので、前記カテーテルの電気的安全性を改善する。低電圧信号(3‐5V)はI/Oコネクタから集積された多重化電圧及び高電圧ドライバ回路へ送られ、及び前記ドライバは、電荷ポンプ及び/または誘導変圧器を通してより高い伝送電圧を生み出す。
【0088】
伝送/受信信号を制御するため、及び前記未処理のpMUT信号からの超音波イメージ信号を作り出すために、タイミング及び/またはビーム形成回路のような他の回路が前記ASICスタック内に集積される。この集積は、外部の制御ユニットにおいて必要とされる電子機器の数とサイズを減らし、より小さいハンドヘルドな超音波画像診断システム、またはポータブルカテーテルベースの超音波画像診断システムを可能にする。
【0089】
ここで述べられた前記実施形態は、2D、1.5D、または1D配列での前方または側視カテーテル操作へ応用可能である。
【0090】
図12‐15を今参照すると、カテーテル800、900のpMUTデバイス990は操作部材807または光学ファイバ907を提供するために構成されている。前記操作部材はカテーテルガイドワイヤでありうる。前記操作部材は、外科用メス、針、または注射器のような外科的な道具を含みうる。前記操作部材は、前記カテーテルまたはハウジングアセンブリを通してリモートで操作されうる。操作部材807または光学ファイバ907はボアホール870、970内にそれぞれ配置される。前記操作部材は、外部から制御されうる。ボア970は、操作部材807を保護するため、及び前記カテーテル内への流体の浸潤を避けるためにシール880を含む。操作部材807は同様に、ボア870及びシール880に対して可動であり、及び格納可能でありうる。光学ファイバ907はボア970の側壁に直接取り付けられ、エポキシまたは他の密封または粘着物質で密封される。ガイドワイヤ、外科的手段または光学ファイバのようなそのような操作手段は、同様の方法で、積み重ねられたpMUT‐ICデバイスに適用されうる。ボアホール870、970は、前記pMUT、またはエッチング工程、例えばDRIEを用いるpMUT‐ICスタックの工程間に提供されうる。前記ボアホールは、前記カテーテルの遠位端における適切なサイズの開口513と共同して配列される。前記ボア及び開口513と連接可能な前記カテーテルハウジングの内部を通る内部経路517は、前記操作部材の挿入及び触診を提供する。
【0091】
前記画像診断カテーテルデバイス600、700、800、900は、前記コンジットの近接部に結合されたステアリング機構505をさらに備えている。例として、少なくとも一つのステアリング機構は、参照により本願に組み込まれている特許文献2で開示されている。前記超音波変換器アセンブリのための制御要素が同様に提供され、前記制御要素での安定な及び効果的な片手での制御操作を提供するために人間の手に形成される。
【0092】
ここで述べられた前記カテーテルプローブ及びpMUT変換器素子は、従来的に医療デバイスとして実行されている消毒に適用されうる。ここで述べられた前記pMUTデバイス及び増強された受信信号を生み出す方法は、リアルタイム、三次元心臓内または血管内イメージング、低侵襲またはロボットによる手術のためのイメージング、カテーテルベース、携帯超音波プローブ、及び小型水中聴音器のイメージングのような工程に対して利用されうる。前記pMUTは約1‐20MHzの範囲の振動数での操作に対して最適化されうる。
【0093】
ここで述べられた前記超音波カテーテルプローブは、冠状動脈の冠状血栓症のIVUS及びICEに特に適している。そのような処理は、冠状動脈疾患、アテローム性動脈硬化、または他の血管に関する疾患を処理するか、またはあるいは減らすことが必要となりうる。
【0094】
ここで述べられた方法及び実施形態は、増強された感度を有する外部の超音波プローブを製造するために利用されうる。このようにして、前記垂直に積み重ねられたpMUTデバイスは、例えば、心臓学、産科学、血管、または泌尿器学の画像診断のための外部の超音波プローブにおける使用に対して適しうる。このようにして、図16で示されるように、前方視画像診断プローブデバイス1000は音響窓1740を通した画像診断のためのフレックスケーブル1507で集積された関連したpMUT90を含む。プローブ1000は、pMUT90と共に、マルチプレクサ、増幅器、または信号調整ASICデバイス、またはそれらの組み合わせとなりうる垂直に集積されたASICデバイス1720、1730を含む。高電圧ドライバ、ビーム形成またはタイミング回路のような追加のASICデバイスが同様に含まれる。音響窓1740はpMUTに直接接触している音響調整材料1750を含みうる。
【0095】
1D、1.5D、または2D配列のpMUT配列は、前記変換器プローブのハンドルにおける電子信号処理を提供するために、製造され及びASICデバイスと統合されることができる。前記pMUT‐ICスタックは、前記pMUT面と前記ハウジング壁の間の低弾性率ポリマー、水、またはシリコンゲルよりなる音響調整層と共に外部のプローブハウジング内に設置されうる。前記pMUT‐ICスタックは、前記画像診断システム電子機器へのインターフェイスのためのフレックスケーブル、リボン・ケーブル、または標準の信号ワイヤに装着されうる。
【0096】
外部超音波プローブのための集積化電子機器を有する従来の超音波変換器配列は、高価な、複雑な製造技術を必要とする。外部のpMUTベースのプローブは、半導体のバッチ製造及び集積技術に起因して、より低い価格、より多くの製造できる製品を提供しうる。
【0097】
(実施例)
超音波圧電性変換器からの増強された受信信号を生み出す方法は、以下の例を参照することで述べられる。
【0098】
単一のpMUT素子は−20Vdcから+20VdcのDCバイアスを受けた。分離ピストン変換器により提供された音響信号は、前記pMUT素子に向けられた。前記pMUT素子により受けた信号は、印加されたDCバイアスに応じて測定された。図1を参照すると、ミリボルトでピーク・トゥ・ピークの受信信号対バイアス電圧を描写するグラフが示される。図1におけるデータは、DCバイアス電圧の異なるレベルに対して、前記pMUT素子の出力応答を示している。前記DCバイアス電圧は、0Vから+20V、0Vに戻って、それから0Vから−20Vに変化した。受信信号(mV)は各DCバイアス増加量で測定された。図1は、この特定の圧電性薄膜における抗電界のレベルに対して、受信感度を増加させるための最適なDCバイアス電圧を描写している。DCバイアスが前記pMUT素子における前記圧電体膜の抗電圧(おおよそ−5V)に近いとき、受信感度は減少した。前記印加した電圧が増加したとき、前記pMUT素子の出力信号は増加した。このようにして、pMUT素子の増強された受信信号を生み出すためのDCバイアスを印加する方法が実演された。受信信号における増強の最適化は、既知の厚さの圧電体膜からの受信信号をモニタリングすると同時に、前記DCバイアスを調整することによって得られうる。
【0099】
本発明がここで詳細に述べられ、具体的な実施形態が参照されると同時に、様々な変更及び修正が本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされることは当業者であれば明らかであろう。
【符号の説明】
【0100】
10、70、90、100 pMUTデバイス構造
12 基板
13 前面
14 第1誘電層
20 下部電極
22 圧電体配列素子
28 第2誘電体膜
32 頂部電極
34 ビア
35 圧電体膜
36 絶縁膜
42 導電膜 44 半導体デバイス
46 半田バンプ
48 半田パッド
50 エアーバックキャビティ
58 端部
62 薄いシリコン層
64 二酸化シリコン層
68 開口
69 相隔ビア
80 pMUTデバイス構造
120 SOI基板
125 基部
136 絶縁層
137 サイドウォール
142 金属層
150 エアーバックキャビティ
162 デバイスシリコン層
175 SiO
230 電気的相互接続
256 相互接続層
320 IC基板
500、600 カテーテル
507、1507 フレックスケーブル
509 ハウジング
540、640、1740 音響窓
550、650、1750 音響調整材料
1000 前方視画像診断プローブデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波画像診断カテーテルであって、
血管生体内部への挿入及び内部での操作のための遠位端、及び血管生体内部での前記カテーテルの前記遠位端の操作を通して利用者に制御を提供する近位端を有するハウジングと、
前記遠位端の近位にあるハウジング内部に位置された圧電性超音波変換機と、を備えており、
前記変換機は、
基板と、
前記基板を通して複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、
前記基板上の相隔下部電極であって、それぞれが複数の開口の一つに及んでいる相隔下部電極と、
それぞれの前記下部電極上の相隔圧電性素子と、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな導電性フィルムであって、それぞれが前記基板を通して前記下部電極と接触している導電性フィルムと、
を備えており、開口キャビティがそれぞれの前記開口内に維持されていることを特徴とする超音波画像診断カテーテル。
【請求項2】
前記圧電性超音波変換器はpMUTである請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項3】
前記圧電性変換器にDCバイアスを印加するための手段をさらに備えている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項4】
前記カテーテルハウジングの遠位端の近位にあり、及び前記圧電性超音波変換器に隣接する音響窓をさらに備えている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項5】
前記音響窓の間に位置され、前記圧電性超音波変換器に接触している整合音響層をさらに備えている請求項4に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項6】
前記カテーテルハウジングの遠位端は開口を備えている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項7】
前記カテーテルハウジングは、前記カテーテルハウジングの前記遠位端で前記開口と連結している内部経路をさらに備えている請求項6に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項8】
前記圧電性超音波変換器の前記基板は、前記基板を通るボアを備えており、前記ボアは前記内部経路、及び前記カテーテルハウジングの前記遠位端で前記開口と連接可能である請求項7に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項9】
前記内部経路、開口及びボアと連接可能な操作部材をさらに備えている請求項8に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項10】
前記操作部材は、ガイドワイヤである請求項9に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項11】
前記操作部材は、外科的機器または光学的な画像診断ファイバーである請求項9に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項12】
前記圧電性超音波変換器は、前方または側方画像診断のために構成された請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項13】
前記コンフォーマルな導体フィルムの下に横たわる前記複数の開口の前記サイドウォールのそれぞれの上のコンフォーマルな絶縁フィルムをさらに備えている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項14】
前記下部電極の下に横たわる前記基板上の第1誘電フィルムをさらに備えている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項15】
前記圧電性素子の間に第2誘電フィルムをさらに備えている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項16】
前記第2誘電フィルムは前記圧電性素子の上端上に配置された請求項15に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項17】
前記基板上に接地パッドをさらに備えている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項18】
前記圧電性素子、及び前記接地パッドに接触している頂部電極をさらに備えている請求項17に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項19】
前記頂部電極及び前記コンフォーマルな導体フィルムは金属フィルムを備えている請求項18に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項20】
前記圧電性素子は、一次元または二次元配列を形成する請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項21】
前記基板はシリコンウェーハを備えている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項22】
前記シリコンウェーハはシリコン・オン・インシュレータウェーハである請求項21に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項23】
前記圧電性素子の前記下部電極と前記開口の前記コンフォーマルな導体フィルムとの間の電気的な接触にある、ドープされたシリコン層をさらに備えている請求項22に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項24】
半導体デバイスに垂直に集積された前記圧電性超音波変換器をさらに備えており、前記変換器は、前記半導体デバイスに電気的に接続され取り付けられている請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項25】
前記半導体デバイスは、相補型金属酸化膜半導体チップである請求項24に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項26】
前記半導体デバイスは前記圧電性変換器へDCバイアスを印加するための手段をさらに備えている請求項24に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項27】
前記開口キャビティに面している前記半導体デバイスの表面上にポリマーフィルムをさらに備えている請求項24に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項28】
前記超音波変換器と前記半導体デバイスとの間に粘着層をさらに備えている請求項24に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項29】
前記超音波変換器を前記半導体デバイスに電気的に接続する前記粘着層において金属接触をさらに備えている請求項28に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項30】
前記金属接触は、前記超音波変換器と前記半導体デバイスとの間の前記粘着層を通してエッチングされたビアである請求項29に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項31】
前記複数の圧電性素子のそれぞれは独立して操作され、全ての素子が同時に操作され、または素子のサブセットが、配列においてより大きく独立に操作された素子のサブセットを形成するために電気的に接続されうる請求項1に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項32】
超音波画像診断カテーテルであって、
血管生体内部への挿入及び内部での操作のための遠位端、及び血管生体内部での前記カテーテルの前記遠位端の操作を通して利用者に制御を提供する近位端を有するハウジングと、
前記遠位端の近位にあるハウジング内部に位置された圧電性超音波変換機と、を備えており、
前記変換機は、
基板と、
前記基板を部分的に通っている複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、
前記基板上に相隔圧電性素子であって、それぞれが前記複数の開口の一つの上に位置された相隔圧電性素子と、
前記基板上の相隔下部電極の対であって、それぞれは前記相隔圧電性素子のそれぞれと接触している前記相隔下部電極の対と、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな導電フィルムであって、それぞれは前記基板を通して前記下部電極と電気的相互接続にあり、それぞれの前記開口内に開口キャビティが維持された導電フィルムと、
前記基板上の接地パッドと、
前記圧電性素子の間の第2誘電フィルムと、
前記圧電性素子と前記接地パッドと接触している頂部電極と、
前記超音波変換機に取り付けられた半導体デバイスであって、前記コンフォーマルな導電フィルムに電気的に接続されている前記半導体デバイスと、
を備えている超音波画像診断カテーテル。
【請求項33】
前記圧電性超音波変換器は、pMUTである請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項34】
前記圧電性変換器にDCバイアスを印加する手段をさらに備えている請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項35】
前記圧電性変換器にDCバイアスを印加する手段は、前記半導体デバイスに集積された請求項34に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項36】
前記カテーテルハウジングの遠位端に近位し、及び前記圧電性超音波変換器に隣接する音響窓をさらに備えている請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項37】
前記音響窓の間に配置され、及び前記圧電性超音波変換器に接触している整合音響層をさらに備えている請求項36に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項38】
前記カテーテルハウジングの前記遠位端は開口を備えている請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項39】
前記カテーテルハウジングは、前記カテーテルハウジングの前記遠位端で前記開口と連接する内部経路をさらに備えている請求項38に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項40】
前記圧電性超音波変換器の前記基板は、前記基板を通るボアを備えており、前記ボアは前記内部経路、及び前記カテーテルハウジングの前記遠位端での前記開口と連接可能である請求項39に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項41】
前記内部経路、開口及びボアと連接可能な操作部材をさらに備えている請求項40に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項42】
前記操作部材はガイドワイヤである請求項41に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項43】
前記操作部材は、外科的機器または光学的な画像診断ファイバーである請求項41に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項44】
前記圧電性超音波変換器は前方または側方画像診断のために構成された請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項45】
前記第1誘電体及び前記基板の一部を通る相隔ビアをさらに備えている請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項46】
前記下部電極と前記コンフォーマルな導電性フィルムの間の電気的な接続を提供するように、前記相隔ビアにおいて金属化をさらに備えている請求項45に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項47】
前記相隔ビアは、前記超音波変換器と前記半導体デバイスの間の前記粘着層を通ってエッチングされる請求項46に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項48】
前記開口キャビィに面する前記半導体デバイスの表面上にポリマーフィルムをさらに備えている請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項49】
前記半導体デバイスは、相補型金属酸化膜半導体チップである請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項50】
前記基板はシリコンウェーハである請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項51】
前記シリコンウェーハは、シリコン・オン・インシュレータウェーハである請求項50に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項52】
前記圧電性素子の前記下部電極と前記開口の前記コンフォーマルな導体フィルムとの間に、ドープされたシリコン層をさらに備えている請求項51に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項53】
前記超音波変換器と前記半導体デバイスとの間に粘着層をさらに備えている請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項54】
前記超音波変換器を前記半導体デバイスに電気的に接続する前記粘着層において、金属接触をさらに備えている請求項53に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項55】
前記金属接触は、前記超音波変換器と前記半導体デバイスの間の前記粘着層を通ってエッチングされたビアである請求項54に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項56】
前記複数の圧電性素子のそれぞれは独立に操作され、全ての素子が同時に操作され、または素子のサブセットが、配列においてより大きく独立に操作された素子のサブセットを形成するために電気的に接続されうる請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項57】
前記圧電性素子は、一次元、または二次元配列を形成する請求項32に記載の超音波画像診断カテーテル。
【請求項58】
超音波画像診断プローブであって、
遠位端を有しているハウジングと、
前記遠位端に近位する前記ハウジング内に配置された圧電性超音波変換器であって、前記変換器は、
基板と、
前記基板を通る複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、
前記基板上の相隔下部電極であって、それぞれは複数の開口のうちの一つに及んでいる相隔下部電極と、
それぞれの前記下部電極の上の相隔圧電性素子と、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォールの上のコンフォーマルな導体フィルムであって、それぞれは前記下部電極の一つ以上と接触しており、開口キャビティがそれぞれの前記開口において維持されているコンフォーマルな導体フィルムと、
前記圧電性変換器にDCバイアスを印加する手段と、
を備えている超音波画像診断プローブ。
【請求項59】
超音波画像診断プローブであって、
遠位端を有しているハウジングと、
前記遠位端に近位する前記ハウジング内に配置された圧電性超音波変換器であって、前記変換器は、
基板と、
前記基板を通る複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、
前記基板上の第1誘電層と、
前記第1誘電層の上の相隔下部電極と、
それぞれの相隔下部電極は、複数の開口のうちの一つに及んでおり、
それぞれの前記下部電極の上の相隔圧電性素子と、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォールの上のコンフォーマルな絶縁フィルムと、
それぞれの前記絶縁フィルムの上のコンフォーマルな導体フィルムであって、それぞれは前記下部電極の一つ以上と接触し、開口キャビティがそれぞれの前記開口において維持されているコンフォーマルな導体フィルムと、
前記基板上の接地パッドと、
前記圧電性素子の間の第2誘電フィルムと、
前記圧電性素子及び前記接地パッドと接触している頂部電極と、
前記超音波変換器に取り付けられた半導体デバイスであって、前記コンフォーマルな導体フィルムが前記半導体デバイスに電気的に接続されている半導体デバイスと、
前記圧電性変換器にDCバイアスを印加する手段と、
を備えている超音波画像診断プローブ。
【請求項60】
超音波画像診断プローブであって、
遠位端を有しているハウジングと、
前記遠位端に近位する前記ハウジング内に配置された圧電性超音波変換器であって、前記変換器は、
基板と、
前記基板を部分的に通る複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、
前記基板上の相隔圧電性素子であって、それぞれは前記複数の開口のうちの一つの上に位置されている相隔圧電性素子と、
前記基板上の相隔下部電極の対であって、それぞれは前記相隔圧電性素子に接触している相隔下部電極の対と、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな導体フィルムであって、それぞれは前記基板を通して前記下部電極と共に電気的な相互接続にあり、及び開口キャビティは前記開口のそれぞれにおいて維持されているコンフォーマルな導体フィルムと、
を備えている超音波画像診断プローブ。
【請求項61】
超音波画像診断プローブであって、
遠位端を有しているハウジングと、
前記遠位端に近位する前記ハウジング内に配置された圧電性超音波変換器であって、前記変換器は、
基板と、
前記基板を部分的に通る複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、
前記基板上の相隔圧電性素子であって、それぞれは前記複数の開口のうちの一つの上に位置されている相隔圧電性素子と、
前記基板上の相隔下部電極の対であって、それぞれは前記相隔圧電性素子に接触している相隔下部電極の対と、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな絶縁フィルムと、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな導体フィルムであって、それぞれは前記基板版を通して前記下部電極に電気的に相互接続しており、及び開口キャビティは、それぞれの前記開口において維持されているコンフォーマルな導体フィルムと、
前記基板上の接地パッドと、
前記圧電性素子の間の第2誘電フィルムと、
前記圧電性素子及び前記接地パッドと接触している頂部電極と、
前記超音波変換器に取り付けられた半導体デバイスであって、前記コンフォーマルな導体フィルムが前記半導体デバイスに電気的に接続されている半導体デバイスと、
を備えている超音波画像診断プローブ。
【請求項62】
圧電性超音波変換器であって、
基板と、
前記基板を部分的に通る複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、
前記基板上の相隔圧電性素子であって、それぞれは前記複数の開口のうちの一つの上に位置されている相隔圧電性素子と、
前記基板上の相隔下部電極の対であって、それぞれは前記相隔圧電性素子に接触している相隔下部電極の対と、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな導体フィルムであって、それぞれは前記基板を通して前記下部電極と共に電気的な相互接続にあり、開口キャビティはそれぞれの前記開口において維持されているコンフォーマルな導体フィルムと、
を備えている圧電性超音波変換器。
【請求項63】
圧電性超音波変換器であって、
基板と、
前記基板を部分的に通る複数の開口を画定する複数のサイドウォールと、
前記基板上の相隔圧電性素子であって、それぞれは前記複数の開口のうちの一つの上に位置されている相隔圧電性素子と、
前記基板上の相隔下部電極の対であって、それぞれは前記相隔圧電性素子に接触している相隔下部電極の対と、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな絶縁フィルムと、
前記複数の開口のそれぞれの前記サイドウォール上のコンフォーマルな導体フィルムであって、それぞれは、前記基板版を通して前記下部電極に電気的に相互接続しており、開口キャビティはそれぞれの前記開口において維持されているコンフォーマルな導体フィルムと、
前記基板上の接地パッドと、
前記圧電性素子の間の第2誘電フィルムと、
前記圧電性素子及び前記接地パッドと接触している頂部電極と、
前記超音波変換器に取り付けられた半導体デバイスであって、前記コンフォーマルな導体フィルムが前記半導体デバイスに電気的に接続されている半導体デバイスと、
を備えている圧電性超音波変換器

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−143615(P2012−143615A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−94831(P2012−94831)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【分割の表示】特願2009−535246(P2009−535246)の分割
【原出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【出願人】(500240896)リサーチ・トライアングル・インスティチュート (36)
【Fターム(参考)】