説明

撓み要素を統合したタビング支保

長手方向に相前後して配設されたチューブ部分を備え、これらチューブ部分が、それぞれ1つのタビングリング(2)によって構成され、その端面側のリング面(7)が、リング接合部(3)において向き合うように位置調整され、各タビングリング(2)が、周方向に隣接させたタビング(4)を備え、これらタビングが、その2つの端面(10)間にそれぞれ1つの突合せ接合部(9)を構成し、2つのタビング(4)間の少なくとも1つの突合せ接合部(9)内に、変形可能な撓み要素(6a,6b,6c,6d)が配設されている、トンネル又はシャフトのチューブ状の内部シェルとしてのタビング支保が、タビング(4)の少なくとも一方が、撓み要素(6a,6b,6c,6d)と共に、1つの共通の完成要素を構成し、この完成要素が、コンクリートによって取り囲まれた、スチール製の補強フレームワークから構成され、この補強フレームワークと、撓み要素(6a,6b,6c,6d)が、荷重作用により結合され、突合せ接合部(9)に対して平行な、撓み要素(6a,6b,6c,6d)の外側の横断面輪郭が、端面(10)の外側の輪郭に相当し、これにより、撓み要素(6a,6b,6c,6d)が、タビング(4)の両端面(10)の少なくとも一方を全面的にカバーするとの構成を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載のタビング支保に関する。
【背景技術】
【0002】
近代的な色々な建造物を装置するための技術的基盤は、採掘の確実な知識に基づく。トンネル建造物によって実務から公知の、地形学的に要求の多い地域における山岳貫通路以外に、特に、人口密度の高い人口集中地域において、地表下に基幹的建造物を移設する将来の必要性が高まっている。但し、この場合に時には実施可能な開放した工法は、様々に、建設段階中に、地上利用の著しい侵害を伴うので、閉じた鉱山のような掘削が優先される。少なくとも静的負荷能力を有する内部支保を有するスペースを得るために必要な内張りをすることが一般的である。載っている地層の確実な荷重除去以外に、特に、例えば周囲の土及び岩石による動的な応力とコンバージェンス特性は、設置すべきトンネル及びシャフトの内部シェルに対して高い要求を課す。
【0003】
19世紀の半ば以来既に、負荷を支持する内部シェルのために長手方向に相前後して配設された、時には個々のセグメント、例えば個々のタビングから成るチューブ状のリング部分を使用することが知られている。利点は、プロセスが確実な、高い寸法安定性と結びついた、連続的な掘削速度で導入できる必要な部品のプレファブリケーションにある。個々のセグメントは、例えば鋳鉄又はコンクリートから製造することができ、鋳鉄のバリエーションは、引き続く現場打ちコンクリート内張りのための見えなくなる型枠としても使用される。傾向として、外観的及び静的な要求を、浸入する水に対するシール性と同時に満足するシングルシェル工法が好まれる。
【0004】
近代的なタビングは、今日ではプレハブのコンクリートセグメントであるが、閉じたシールド掘削部の後に仕上がった支持支保として挿入される。静的負荷能力を有する閉じたタビング支保を得るため、個々のタビングは、穴の開いたチューブ内でそれぞれ1つの環状のタビングリングに互いに組み立てられる。静的な耐水性の全体作用を得るため、閉じたタビングリングは、同様に互いに連結される。
【0005】
この場合、結局、内部シェルの予め固定された強固な周囲が得られ、この周囲は、変形及びその他の山岳のコンバージェンスへのいかなる適合の可能性を許容しない。但し、このような運動は、大抵は、トンネルチューブの掘削後に生じ、チューブを包囲する岩石編成の圧縮を生じさせる。この工程は、異なった速さで進行し、2〜3か月まで続く。これにより、負荷能力を有する要素の明らかな過負荷が生じ、この過負荷は、前段階で既に静的に検出され、個々の部品の相応に大きな寸法設定を要求する。従って、タビング支保を経済的に形成するため、周囲の力の再編成を行なうために、そのそれぞれの横断面を変更することによって、個々のタビングリングをこの過負荷から遠ざけることが必要である。
【0006】
特許文献1には、長く伸びた地下空間のための撓み要素が開示されている。この構成の場合、撓み要素が、トンネルチューブの周方向に配設された互いに分離された2つのコンクリートシェル間に統合される。生じる力は、環状の周方向力に分配され、撓み要素に伝達され、この撓み要素は、圧縮されることによって、生じる土圧下で撓む。この構成は、そのスペースが圧縮中に小さくなる本質的に蜂の巣状の構造を示す。基本的に、この要素は、その撓みの課題を良好に満足する。
【0007】
特許文献2には、特許文献1から公知の撓み要素の発展形が記載されている。撓み要素は、既存のスペースを別の中空体を使用することにより補強することによって、向上させた抵抗能力を発生させることができるとの範囲内で、コンクリートシェル間に既に取り付けられた状態で後から変更することができる。これにより、実際に、場所の実状への個々の適合能力が改善される。
【0008】
前記解決策は、特に、現場打ちコンクリートシェルと組み合わせた溝形鋼又は格子サポートから成る地下の複合支保における局所的な使用のために適している。この場合、撓み要素は、それぞれ互いに撓むように形成すべき2つの現場打ちコンクリートシェル間に挿入され、これら現場打ちコンクリートシェルに、接続用ラインフォースメントによって両側を現場でコンクリート固定する。確かに、タビング支保での使用に関する指摘があるが、但し、この場合、実際への転換は、記載されていない。これは、公知のタビングが、仕上がった要素として組立ての場所に運ばれ、固まったコンクリート体へのいかなる後からの導入も可能にしないからである。加えて、タビングの使用は、実際の適用では、周方向に向かい合う2つのタビング間に撓み要素を局所的に導入によって不正確さを生じさせ、実現すべき負荷能力を有する結合部を生じさせないスケジューリングされた方法として行なわれる。更に、撓み要素は、近代的なタビングの正確な製造に継ぎ目なく統合できるコンパクトな形態を備えない。
【0009】
更に、特許文献3には、弾性変形可能な材料から成るタビングリングのタビングのためのコントロール式の圧縮可能な圧力支持部材が開示されている。この圧力支持部材は、それぞれ、周方向に相前後して端面でタビングリングに組み立てられる2つのタビング間の突合せ接合部に配設される。撓み要素の構造は、長穴付ブロックの公知の構成に準拠している。この長穴付ブロックは、主に、互いに交差し、かつ貫通する多数の矩形のスペースを構成する互いに平行に延在するウェブから成る。スペースは、取付け状態で、タビングの向かい合う端面間に延在する。弾性撓みのコントロールは、塑性変形可能な充填材をスペースに充填することによって得られ、個々のスペースは、時には、配管によって互いに接続され、圧縮により過剰となった押しのけられる充填材の流出を可能にする。タビングと圧力支持部材間の必要な結合は、接着によって行なわれる。マノメータの統合により、圧力支持部材内の静圧を検知することができ、必要時に充填材の排出を低下させることができる。
【0010】
実際、弾性材料は、タビング支保の全寿命を超えて望ましくない特性を受けることがある劣化の支配下にある。細長い支保内に配設された個々の圧力支持部材のそれぞれに対する吐出側がコントロールされる充填材の使用は、高い整備費用を要求する。弾性特性を弱めることは、個々の中空チャンバを構成するウェブの、例えばタビングリングの見ることのできない外側に向かう気付くことのない穿孔を生じさせることがある。これにより、充填材量の自由な流出がもたらされ、これにより、タビング支保の全体的なジオメトリがコントロールされずに変化することがある。しかしながらまた充填材を使用しなくても、弾性材料の使用が、ある程度のリスクをもたらす。これは、圧力負荷下での弾性部品の動きのコントロールが困難だからである。よって、タビングリングの下側のリング半体内でスラスト荷重によって生じる、突合せ接合部に対して平行な2つのタビングの互いの滑りが、上側のリング半体のリングの静力学を危険にさらす。これは、タビングと弾性的な圧力支持部材間の周方向側の結合が、接着だけに基づくからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1 762 698号明細書
【特許文献2】欧州特許第2 042 686号明細書
【特許文献3】欧州特許第0 631 034号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、従来技術から出発して本発明の根底にある課題は、その革新を近代的なタビングリングのプレファブリケーション及び迅速な組立てに継ぎ目なく統合することができる、コントロールされた継続的に負荷能力のある限定的な変形能力を周方向に可能にする、トンネル又はシャフトのチューブ状の内部シェルであるタビング支保を提供ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を有するタビング支保によって解決される。
【0014】
有利な発展形は、従属請求項2〜12に記載されている。
【0015】
本発明は、長手方向に相前後して配設されたチューブ部分を備えるトンネル又はシャフトのチューブ状の内部シェルとしてのタビング支保を提供する。チューブ部分が、それぞれ1つのタビングリングによって構成され、その端面側のリング面が、リング接合部において向き合うように位置調整されている。この場合、個々の各タビングリングが、周方向にその端面を隣接させたタビングを備え、これらタビングが、その2つの端面間にそれぞれ1つの突合せ接合部を構成する。この場合、2つのタビング間の少なくとも1つの突合せ接合部内に、変形可能な撓み要素が配設されている。本発明によれば、タビングの少なくとも一方が、撓み要素と共に、1つの共通の完成要素を構成し、この完成要素が、コンクリートによって取り囲まれた、スチール製の補強フレームワークから構成され、この補強フレームワークと、撓み要素が、荷重作用により結合されている。この場合、突合せ接合部に対して平行な、撓み要素の外側の横断面輪郭が、端面の外側の輪郭に相当し、これにより、撓み要素が、タビングの両端面の少なくとも一方を全面的にカバーする。
【0016】
特別な利点は、一方のタビングの静的に必要な及び/又は構造的な補強と撓み要素の荷重作用による結合にあり、これにより、プレハブすべきタビングの成形的コンクリート固定に直接的に組み込むことができる簡単に次処理可能な基本形が提供される。撓み要素を、例えば合成樹脂のような異なった材料から製造できる場合でも、撓み要素は、有利に、例えば金属のような劣化に強い耐火性の材料から製造される。種々の合金以外に、合金が、例えば亜鉛のような表面保護を備えることもできる。
【0017】
従って、一方のタビングと組み合わせた撓み要素の同じ輪郭変化と共に、直接的に組立ての場所に運ばれて統合されるそれぞれ1つのコンパクトな個々の完成要素が提供される。このようにして、例えば、それぞれ1つの半分の撓み要素を備える2つのタビングが、両撓み要素を突合せ接合部において向い合せに配置して、共に、組み立てられた個々の1つの撓み要素に組み合わせるように、周方向に隣接させられる。この場合に必要な互いの連結は、例えば溶接、クランプによるか、解放可能な結合手段及びこれらすべての組合せを介して行なうことができる。
【0018】
本発明の好ましい形成では、撓み要素が、本質的に、それぞれのタビングリングの周向に対して横に配設された一貫した中空チャンバを備えるボックス成形部材を構成する。ボックス形状により、ほぼそれ自身閉じた1つのユニットを構成するコンパクトで簡単に統合すべき形態が得られる。明確な成形の利点は、突合せ接合部を埋める簡単な、撓み要素のタビング支保への統合にある。特に隣接するタビングリングへの形状適合は、水密に形成する費用を最小限に低減する。一貫した中空チャンバは、土圧によって撓み要素の塑性変形が生じた場合、その容積をコントロールされた圧縮によって一方向に縮小されることによって、犠牲になる。中空チャンバの大きさ及び総和を介して、前段階で既に後からの撓みの形成に影響を及ぼすことができる。周方向に対して横に可能な中空チャンバのトンネル長手方向の変化以外に、中空チャンバは、有利に、半径方向に延在するので、中空チャンバは、タビング支保の内側から挿入可能である。このようにして可能な、変形の迅速な外観評価以外に、特に、例えば弾性変形可能又は塑性変形可能な物質及び部品の中空チャンバ内への後からの導入と、コンクリートで埋めることによるタビングと特性が同じになるような強化に、利点がある。
【0019】
撓み要素の形成では、中空チャンバが、互いに平行に延在する複数のウェブによって構成され、これらウェブが、それぞれ、タビングの端面に対して平行に延在する2つの向かい合う長手方向壁間と、タビングリングのリング面の平面内にそれぞれ延在する2つの横方向壁間とに延在するとのバリエーションが可能である。この場合、個々のウェブは、互いに直角に交差しているので、格子構造が生じる。この場合、利点は、圧力負荷の開始時に高まる抵抗にある。これは、個々のウェブが、まず、その長手方向に向かって負荷を受け、塑性変形を生じさせるために、折れ曲がらなければならないからである。
【0020】
予め説明した格子構造を考慮した本発明の発展形では、タビングリングの長手方向軸に対して平行な撓み要素の長手方向壁が、互いに内側に向かってボックス成形部材の内部方向に湾曲している。この場合も、このように形成された撓み要素の長手方向壁が、これに隣接する形状を合致させたタビングの端面との全面的な接触を備える。長手方向壁の互いに両凹に延在する形態と、これにそれぞれ平凸に形状を合致させたタビングの端面によって、撓み要素の一方の側だけに、タビングの一方の端面との固定結合を備えさせ、向かい側には、単に、他方のタビングの端面との形状を合致させた接触をさせるとの可能性が生じる。これにより、角度調整を互いに可能にする、周方向に隣接するタビング間のジョイント作用が得られる。例えばタビング支保の横断面が不当に変化した場合に生じる変形のない可動性を有するにもかかわらず、両タビングの位置は、互いに明確に位置決めされ、推力は、半円形に形成された長手方向壁及び端面間に問題なく伝達される。この効果は、タビングの両端面がその間に存在する撓み要素と結合されている限り、助長的に推力伝達に作用する。
【0021】
長手方向壁の両凹の形成に準拠して、別の有利な形成では、撓み要素の両長手方向壁が、それぞれ1つの側壁から構成され、この側壁が、中空成形部材であり、その横断面形状が、円形セグメントを備える。この場合、円形セグメントは、その円弧が、それぞれ、同様に形状を合致させたタビングの端面内に位置する。この場合もまた、長手方向壁のそれぞれ平凸の形態により、タビングの一方と撓み要素が片側で結合された場合のジョイント作用の前記利点と、改善された推力の伝達が得られる。加えて、中空成形部材として長手方向壁を形成することは、ウェブにより内部に生じた格子構造の簡単な形成を生じさせる。これは、使用される中空成形部材が、円弧の向かい側にそれぞれ1つの、ウェブに対して平行に延在する真直ぐな面を備え、これら面間に、横に延在するウェブが延在し、ちょうど終わることができるからである。
【0022】
格子構造に対するバリエーションにおいて、本発明では、撓み要素が、タビングの両端面に対して平行に延在する2つの向かい合う長手方向壁を備え、その間に位置する中空チャンバが、個々のチューブ体から構成される。この場合、チューブ体は、それぞれ、長手方向壁に対して平行に一列に配設され、互いに周面で接触する。加えて、チューブ体から成る隣接する2つの列間に、少なくとも1つの中間ウェブが配設されており、この中間ウェブのところで、個々のチューブ体が、そのそれぞれの位置を固定されている。チューブ体の円形の横断面形状により、開始時には、格子構造に対して若干小さい抵抗が生じる。これは、チューブ体の外周面が、直接、曲げに対する応力を受けるからである。基本的に、チューブ体は、一列に、例えば半径に応じた外周面の互いの間隔を備えることもでき、これにより、チューブ横断面の撓みは、横断面が平らに変形するまで互いに非接触に経過する。チューブ体を隣接させることにより、外周面が互いに支持されるので、それぞれの変形は、チューブ横断面の内部へと行なわれなければならず、これにより、高い抵抗が生じる。壁の厚さと、チューブ体の直径、間隔、個数及び列数とを介して、撓み要素の抵抗は、それぞれの要求に適合させるために、適切に調整することができる。この場合も、チューブ体内及びチューブ体間のスペースの充填が、格子構造と同様に適用可能である。
【0023】
全体システムとして協働する地下の支保を背景にして、調整要素が、タビングの端面間の突合せ接合部に配設されており、これにより、この調整要素によって生じる端面の互いの間隔が変更可能であることは、有利であると見なされる。調整要素が、隣接する突合せ接合部間に位置する突合せ接合部の外側で、例えばタビング又は一般的にはリング平面の隣に配設でき、適当な結合装置を介してタビングと連結されている場合でも、個々のリング部分のリング平面内に調整要素を本発明により配設することが好まれる。これにより、コンパクトな閉じたシステムが得られ、このシステム内を、生じる周方向力が、静的に有利に伝えられる。加えて、タビングリング内での調整要素の統合は、タビング支保によって提供される内部容積の可能な範囲で最善の利用を生じさせる。
【0024】
選択的に、撓み要素は、前記調整要素の交換可能な部品であるか、調整要素と、個々のタビングリング内で組み合わされる。1つの部品内での組合せにより、プレファブリケーションの程度が高まり、画一的な生産方式を可能にする。
【0025】
タビングリングの周方向側の可変性により、タビング支保の好ましい形成では、タビングリングが、連結ユニットを介して互いに立体的に撓むように結合されている。この場合、タビングリング間及び別のチューブ部分間の連結ユニットは、解体可能な結合装置である。これにより、タビングリングの周囲変化の形態の異なった呼吸が互いに可能にされ、十分に応力なく経過できることが保証される。これは、隣接するタビングリングとの強固な結合によって妨げられることなく、隣接するタビングリングが、異なった直径をとることができるからである。これにより、全体として、個々のセグメントは、同時に立体的な運動の自由を有する場合でも、確実かつ正確に互いに位置決めされる。
【0026】
撓み要素と、タビング支保の長手方向に隣接するタビングリング又はリング接合部内の他の方法で形成されたチューブ部分間の緊密な接触を得るため、好ましい形成では、撓み要素が、タビングリングのリング面に向かってシール用のそれぞれ1つの空所を備える。この場合、この空所が、それぞれ撓み要素の側面にわたってタビングの両端面間に延在し、横断面が、本質的に半分の円形面を構成する。この構成は、基本的に調整要素の場合でも使用することができる。このようにして得られたシール作用以外に、特に空所の成形は、タビングリングが互いに可能な移動をした場合でもリング面の平面内に残っているリング接合部内のシーリングコードの確実かつ位置が正確な位置決めのために役立つ。タビング自身は、その端面に、相応のシールを備え、これらシールは、これにより、直接的に互いに又は突合せ接合部内に存在する部品に対してシールをする。調整要素及び撓み要素使用する場合、これらは、それぞれの要素を外周から把持するシールと直接組み合わせることができる。他の構成では、シール要素が、それ自身既にシールされている。
【0027】
撓み要素の空所と組み合わせて、タビングリング及び別のチューブ部分間のリング接合部内に、全体的に、リング面にわたって延在するシールが組み込まれている。Oリングの形態の閉じた形成により、リング面は、取り囲む水の可能な浸入に対して互いに確実にシールをする。もしかすると浸入する地下水以外に、これは、基本的に水面下の全ての構成でも予想できる。例えば個々の部分から成るシールがそのシール作用を発揮する場合でも、有利には、このために一部材の円形の中実ゴムシールが使用される。タビングリングの互いの連結によるリング接合部内のプレス圧力は、必要な気密度を得るために十分である。撓み要素と調整要素の空所と同様にリング面内の環状のリング溝を形成することにより、チューブ部分の互いのそれぞれの運動も、シールの変形及び位置の正確な固定によって確実に吸収される。
【0028】
特に極端な条件下で、本発明の別の形成では、シールが、中実材料又は異なった媒体を充填可能な半径方向に柔軟なホースから構成されている。ホースの内部に媒体を導入することにより、ホースシールの弾性的な横断面変化が生じさせられるが、この横断面変化が、リング接合部内で押付け圧力が不足した又は僅かしかない場合でも、ホースシール自身が必要な押付け力を容積増大によって生じさせることによって、そのシール作用を達成する。分岐ラインとしてシールの内部への接続を提供するタビング支保の内側から到達可能な弁を介して、後でシールの充填及びプレスを行なうこともできる。ガス状の媒体以外に、例えば持続的弾性を有する材料又は硬化する材料をシール内に導入することもできる。有利には、このため、ホースシールは、第2の分岐ラインを備え、この第2の分岐ラインを介して、シール内に存在する、再プレス時に押しのけられる媒体が流出できる。
【0029】
従って、本発明によるタビング支保は、取扱いが柔軟な近代的なシングルシェルの内部支保に対する高い要求を満足する。隣接する2つのリング部分の互いの立体的に撓む連結以外に、連結ユニット又はその一部への良好な到達性及び問題のない後からの交換が可能である。調整要素又は撓み要素と組み合わせて、又は、これら両方を組み合わせて、立体的に撓む連結によって、個々のリング部分の周囲変化の形態の異なった呼吸が互いに可能であり、十分に応力なく経過できることが保証される。これにより、隣接するリング部分との強固な結合によって妨げられることなく、隣接するリング部分が異なった直径をとることができる。これにより、全体として、個々のセグメントは、同時に立体的な運動の自由を有する場合でも、確実かつ正確に互いに位置決めされる。
【0030】
それぞれ個々のリング部分をそれぞれの実情に周方向側を能動的に適合可能に形成するとの可能性により、実際の使用で、簡単な取扱いと明らかに高い形成の余地を生じさせるそれぞれ個々の付加価値が得られる。全体として、組立ては、容易化され、時には加速される。これは、リング部分のそれぞれ個々の連結ユニットを容易に得ることができ、内部シェルのさもなければ硬直した形状を、問題なく確実に適合させることができるからである。受動的な撓み要素と立体的に撓む連結ユニットの組合せにより、当業者に、地下の支保、特にトンネル及びシャフトの近代的な内部支保のための現場で適合能力のある高性能のモジュールシステムが提供される。
【0031】
本発明を、図面に概略的に図示した複数の実施例に基づいて以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】一貫したトンネルチューブの一部である本発明によるタビング支保を側面図で示す。
【図2】図1のタビング支保を、支保の内部に向かう長手方向軸の方向に見た正面図で示す。
【図3】圧縮可能な撓み要素の半体のそれぞれ一方を有する、1つのタビングリング内で隣接する2つのタビングを部分的に示す。
【図4】タビングの一方と、内部形状を変更した図3のバリエーションの撓み要素を示す。
【図5】タビングの一方と組み合わせた図4のバリエーションの撓み要素を部分的に示す。
【図6】側面を変更した図5のバリエーションの撓み要素を示す。
【図7】2つのタビングリングの一部内の本発明による調整要素を斜視図で示す。
【図8】タビングリングから抜き出した図9の調整要素を、部分的に分解して示す。
【図9】図8の調整要素を別の斜視図で示す。
【図10】図7〜9のバリエーションの調整要素とタビングの一方を部分的に斜視図で示す。
【図11】部品を部分的に切断した図10の調整要素を別の斜視図で示す。
【図12】部分的に分解した図10及び11の調整要素と部分的に断面にしたコンポーネントを別の斜視図で示す。
【図13】隣接する2つのタビングリングの一部と部分的に分解した連結ユニットを斜視図で示す。
【図14】固定部が変更された図13のバリエーションの連結ユニットを平面図で示す。
【図15】棒状の結合要素を有するバリエーションの図13の連結ユニットを示す。
【図16】連結面が変更されたバリエーションの図15の連結ユニットを示す。
【図17】結合装置が変更された図15及び16の連結ユニットを示す。
【図18】連結面を変更したバリエーションの図17の連結ユニットを示す。
【図19】タビングリングの端面のシールを斜視図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、一部として、長手方向に相前後して配設された3つの識別可能なタビングリング2とその隣に暗示的に図示したタビングリング2とから構成されたトンネルチューブを横から見たタビング支保1の個々の部品を示す。個々のタビングリング2間に、それぞれ1つの環状のリング接合部3が存在する。タビングリング2は、周方向に隣接させたタビング4から成り、周方向の、いくつかの隣接するタビング4間に、それぞれ1つの調整要素5a,5b又はそれぞれ1つの撓み要素6a,6b,6c,6dが配設されている。
【0034】
図2には、トンネル長手方向に見た円形のタビングリング2が図示されている。タビングリング2の頂部の前に配置された部分は、図示したように、端面側の環状のリング面7を備え、このリング面を介して、タビングリング2が向き合うように位置調整されている。リング面7の領域に、環状もしくは円形のシール8が認められるが、このシールは、リング接合部3内に延在し、タビングリング2を互いにシールする。それぞれ2つのタビング4間には、タビングリング2の周方向に、それぞれ1つの突合せ接合部9が存在し、この突合せ接合部内に、調整要素5a,5b又は撓み要素6a,6b,6c,6dが配設されている。突合せ接合部9は、それぞれ半径方向にタビングリング2の外側Aから内側Bに延在する。
【0035】
図3には、突合せ接合部9内で向かい合う2つのタビング4の一部が図示されており、その両端面10は、それぞれ、撓み要素6aの1つの半体と結合されている。この場合、タビング4は、撓み要素6aの1つの半体と共に、それぞれ1つの共通の完成要素を構成し、撓み要素6aのそれぞれの半体が、ここでは詳細には図示してない、タビング4の鉄筋コンクリート体のスチール製の補強フレームワークと荷重作用により結合されている。この場合、突合せ接合部9に対して平行な撓み要素6aの外側の横断面輪郭は、端面10の外側の輪郭に一致し、これにより、両端面10が、全面的にカバーされている。この場合、撓み要素6aの両半体は、それぞれボックス成形部材から構成され、このボックス成形部材は、それぞれ、内側Bから外側Aに一貫して延在する中空チャンバ11を備える。この場合、中空チャンバ11は、それぞれ、互いに平行に延在するウェブ12によって構成され、これらウェブは、それぞれ、それぞれのボックス成形部材の、端面10に対して平行に延在する2つの向かい合う長手方向壁13a間と、それぞれリング面7の平面内を延在する横方向壁14a間に延在する。この場合、ウェブ12は、互いに直角に交差している。この場合、横方向壁14aは、それぞれ1つの空所15aを備え、この空所は、タビングリング2の、リング面7上の環状のリング溝16に形状が適合している。
【0036】
図4には、既に図3に図示した撓み要素6aのバリエーションが図示されているが、この場合、タビング4の一方だけを、撓み要素6bの半体と組み合わせて示す。この場合、撓み要素6bは、向かい合う2つの長手方向壁13bによって構成され、これら長手方向壁は、端面10の一方に対して平行に配設されている。この場合、長手方向壁13bの一方の外側の横断面輪郭は、同様に端面10の一方を全面的にカバーする。この場合、両長手方向壁13b間に存在する中空チャンバ11は、個々のチューブ体17から構成されており、これらチューブ体は、それぞれ一列に長手方向壁13bに対して平行に配設されており、互いに周面で接触している。この場合、チューブ体17は、中間ウェブ18である幅の狭い板ストリップによって互いに分離された2つの列を構成する。この場合、リング面7に沿った環状のリング溝16の経過は、撓み要素6bの両側の空所15bによって形状の合致により、それぞれリング面7の平面内に収容される。
【0037】
図5には、本質的に一部材のボックス成形部材を備える撓み要素6cのバリエーションが図示されている。この場合も、図3と同様に、個々の中空チャンバ11が、直角に互いに交差するウェブ12によって構成される。突合せ接合部9に対して平行な2つの長手方向壁19は、それぞれ中空成形部材から構成され、その横断面形状が、円形セグメントを備える。この場合、長手方向壁19の一方の円弧は、形状の合致により端面10の一方内に位置し、タビング4の一方のここでは詳細には図示してない補強装置と荷重作用により結合されている。撓み要素6cの、リング面7の平面内に存在する側が、閉じた横方向壁14bを備え、これら横方向壁内の、環状のリング溝16の延長部内に、それぞれ1つの空所15cが配設されている。この場合、空所は、横方向壁14bを超えて、それぞれの長手方向壁19の外側の両円弧にまで延在する。
【0038】
図6には、中空チャンバ11のその配設が図5に図示した実施例に一致する撓み要素6dの別のバリエーションが図示されている。この場合、端面10に対して平行に延在する両側壁は、中空成形部材によって構成されるのではなく、撓み要素6dの内側領域内で向き合うように湾曲させた長手方向壁13cによって構成される。リング面7の平面内に存在する横方向壁14cは、図5と同様に、環状のリング溝16の形状を適合させた延長部を生じさせる空所15dを備える。
【0039】
図7は、間隔Cを置いてその端面10が向かい合う2つのタビング4間に配設された、2つのタビング4間の突合せ接合部9内に配設された調整要素5aを示す。調整要素5aは、本質的に、突合せ接合部9の平面内で鏡面対称に向かい合う2つの側壁20aと、外側の両リング面7に向かうそれぞれ1つの楔状の拡開要素21aとを備える。拡開要素21aは、他方の拡開要素21aに、突合せ接合部9に対して直角に鏡面対称に向かい合っている。リング面7の平面内に、リング面7に形成された環状のリング溝16が認められる。リング溝16の経過は、調整要素5aの、リング面7の平面内に位置する部分を経て延在し、両側壁20a内で、それぞれ1つの空所22aを構成する。リング溝16の環状形状は、円形のシール8の挿入を可能にする。
【0040】
調整要素5aの個々のコンポーネントを良好に図示するため、図8に、側壁20aが引き離された調整要素が図示されている。側壁20aは、それぞれ1つの細長いボックス成形部材を備え、このボックス成形部材が、その結合面23aで、図7では、タビング4の端面10を完全に覆う。更に、結合面23aは、板材から形成されたそれぞれ1つの湾曲部を有し、この湾曲部は、横断面が、円形セグメントを構成し、円形セグメントの頂点が、それぞれ端面10の後に、図4ではこのために形状を合致させて図示したタビング4内に延在する。
【0041】
ボックス成形部材の、結合面23aと向かい合う側に、ボックス成形部材は、それぞれ、斜めに延在する2つの平面を有するように形成されており、これにより、両側壁20aは、向き合うように整向された斜面24aを備え、この斜面の、最高位の共通のエッジ領域が、それぞれ側壁20aの中心に位置し、タビングリング2の両側のリング面7に向かって直線的に位置が低下し、これにより、側壁20aのそれぞれの横断面が、周縁部に配置された空所22aに向かって先細りになる。
【0042】
側壁20a間のそれぞれ端面側のリング面7に向かって開放する楔状の間隙は、それぞれ、楔状の拡開要素21aによって、少なくとも部分的に埋められ、これら拡開要素は、既に図7に図示したように、それぞれ頂部を切り落としたその楔先端25aで向かい合っている。
【0043】
拡開要素21aの、楔先端25aと向かい合う側は、アンカープレート26aとして形成されている。楔状の拡開要素21aの、斜面24aに対して平行に延在する両面は、それぞれ、側壁20aの斜面24aと全面的に接触した加圧面27aを備える。拡開要素21aは、解放可能な結合手段を介して、それぞれ調整要素5aの側壁20aと連結されている。両側壁20a間の拡開要素21aの直線的な可動性のため、側壁は、それぞれ、その斜面24aに配設された2つの長穴を備え、その長手方向は、それぞれ、端面側の両リング面7間に延在し、その途中に、解放可能な結合手段が、従ってそれぞれの拡開要素21aが、移動可能に支承されている。拡開要素21aは、向かい合う拡開要素21aと、2つのアンカー28aによって結合されており、これらアンカー28aは、互いに平行に配設され、それぞれアンカープレート26aからアンカープレート26aへとそれぞれの拡開要素21aとそれぞれのアンカープレート26aを経て延在する。アンカー28aは、拡開要素21a内に回転可能に支承され、一端に、通常の工具で荷重作用により把持可能な六角ヘッドを備え、アンカー28aの向かい合う端部は、外ネジを備え、この外ネジが、それぞれ、アンカープレート26aと結合された、相応の内ネジを有する要素に係合している。タビングリング2のリング面7に向かう調整要素5aのそれぞれの端部に、側壁20aは、それぞれ1つの空所22aを備え、この空所が、それぞれ、リング面7の平面内の側壁20aの結合面23aから向かい合う結合面23aへと延在する。
【0044】
図9に、タビングリング2の内側Bから到達すべき、調整要素5aの側壁20a内の整備口29aが認められる。これら整備口を介して、拡開要素21aをそれぞれ側壁20aと可動に連結する、解放可能な結合手段に到達することができる。側壁20a内の整備口29aは、タビングリング2の内側Bからしか到達可能でないが、側壁20aは、タビングリング2の外側Aに向かって全面的に閉鎖されている。
【0045】
図10は、片側がタビング4の一方と端面で結合された調整要素5bのバリエーションを示す。調整要素5blは、本質的に細長い2つの楔状の側壁20bを備え、これら側壁は、端面10の一方に対して平行に鏡面対称に向かい合っている。この場合、両側壁20bの一方は、その結合面23bで、端面10と全面的に接触し、端面10を完全にカバーする。側壁20bの向かい合う側は、それぞれ、斜めに延在する平面として形成され、これら平面が、その間に、外側Aから内側Bに向かって先細る楔状の間隙を構成する。この場合、傾斜した平面は、それぞれ、その間に楔状の拡開要素21bが配設された斜面24bによって構成される。拡開要素21bは、同様に、タビングリング2のそれぞれの幅にわたって延在し、斜めに延在する側面は、外側Aと内側B間の半分の高さしか占めず、頂部を切り落とした楔先端25bに接続する。拡開要素21bの、楔先端25bと向かい合う側は、一貫したアンカープレート26bとして形成されている。この場合、拡開要素21bの傾斜した側面は、両側に向かって全面的に調整要素5bの斜面24bと接触した加圧面27bとして形成されている。個々のタビングリング2の環状のリング溝16は、この場合も、調整要素5bの、リング面7の平面内に存在する部分を経て延在し、両側壁20b間に、それぞれ1つの一貫した空所22bを構成する。内側Bの平面内に、対称に分配された3つの横方向連結板30が配設されており、これら横方向連結板自身は、その長さにより、タビングリング2の周方向に延在し、そのそれぞれの端部に長穴を備える。これら長穴は、それぞれ端面10の後に位置し、これにより、横方向連結板30は、解放可能な結合手段31を介してタビング4の一方と連結されている。横方向連結板30の1つは、タビングリング2の中心に延在するが、他の両横方向連結板は、それぞれ外側のリング面7の後に位置し、タビングリング2のそれぞれの幅を超えることはない。
【0046】
図11には、別の斜視図によって、調整要素5bの更なる詳細が図示されており、側壁20bの切断が、内部への視界を開放する。この場合、側壁20bと拡開要素21bは、それぞれ、長手方向に対して横に這セルされた横方向壁32によって補強された中空成形材から構成されている。この場合、調整要素5bは、互いに平行に排泄された3つのアンカー28bを備え、これらアンカーは、それぞれ内側Bから横方向連結板30の中心を経てアンカープレート26bへと延在し、この場合、拡開要素21bを、楔先端25bとアンカープレート26bにおいて貫通する。アンカー28bは、内側Bから到達すべきその端部に、通常の工具と連結可能な六角ヘッドを備え、アンカー28b自身は、横方向連結板30と拡開要素21b内に回転可能に支承されている。
【0047】
図12で、アンカー28bの六角ヘッドと向かい合う端部が、アンカープレート26bと不動に結合された要素の内ネジと係合した外ネジを備えることが明らかになる。部分的に分解して図示することにより、拡開要素21bが、その加圧面27bから突出するガイド壁33を備え、横方向壁32が、タビングリング2のリング面7に対して平行に延在し、斜面24bの相応のスリット34を介して側壁20b内に達することが認められる。側壁20b内に存在する、ガイド壁33のそれぞれの端部に、解放可能な結合手段が配設され、これら解放手段が、更にまた、側壁20bの横方向壁32のガイドスリット35と可動に係合している。
【0048】
図13に、隣接する2つのタビングリング2の結合を示す実施例が図示されている。この場合、良好な明確化のため、リング接合部3が大きい間隙を示し、環状のリング面7の一方と、リング面7内に存在する環状のリング溝16への視界を解放する。リング溝16の平面内に、リング溝内に存在する環状のシール8が、ホース状の本体として図示されている。両タビングリング2を結合するため、分解図で、本質的に結合すべき2つの相互支持部材から成る連結ユニット36aが示されている。この場合、これら相互支持部材は、タビング4のそれぞれ一方に、内側Bの領域のリング面7の近傍にアンカーピン37の形態で配設されている。これらアンカーピン37は、タビング4と不動に結合され、それぞれ垂直に両タビングリング2の内側に立っている。両アンカーピン37を互いに結合するため、リング部品38aの形態の連結要素が配設されており、この連結要素は、タビング4内の形状を合致させた凹部内に位置し、向かい合うアンカーピン37を包囲する。アンカーピン37の隣に、それぞれ2つの別の棒状の要素が配設されており、これら要素は、アンカーピン37のように外ネジを備える。リング部品38aの位置を、それぞれのタビングリング2の内側Bに対して平行に、アンカーピン37の周囲に固定するため、連結ユニット36は、アンカーピン37に沿ってそれぞれ1つの半円形の連結プレート39を備え、これら連結プレートは、相応の穴を介して、アンカーピン37及び連結ユニット36aの棒状の要素に取り付けられ、外ネジにネジ止めされる、六角ナットの形態の解放可能な結合手段を介して固定される。
【0049】
図14には、平面図で、クランプ板40の形態の2つの相互支持部材が形成されている、連結ユニット36bの形態の図13の実施例のバリエーションが図示されている。この場合、タビング4は、連結ユニット36bの領域に、同様に、半円形の切欠きを備え、これら切欠きに、リング接合部3を超えるリング部品38bが統合され、クランプ板40においてクランプ作用を受ける。この場合、両クランプ板40は、それぞれ、解放可能な結合手段を介してタビング4と連結されている。
【0050】
図15には、図13及び14と同様に向かい合う2つの相互支持部材を立体的に撓むように互いに結合する連結ユニット36cの別のバリエーションが図示されている。この場合、相互支持部材は、それぞれ、リング面7の平面内を延在するアンカー板41aによって構成され、このアンカー板は、それぞれ1つの一貫した穴をバカ穴42として備え、タビング4の一方と不動に結合されている。両相互支持部材を互いに結合するため、連結ユニット36cの分解図で、アンカー板41aのそれぞれ個々のバカ穴42によって案内される棒状のボルト43aが示されている。この場合、ボルト43a自身が、解放可能な結合手段であり、明らかな過剰長さを備え、直径は、アンカー板41aのそれぞれの穴の直径よりも少なくとも50%は小さい。相互支持部材の両側に、コイルスプリングの形態のバネ要素44aが、ボルト43a上に挿入されているので、ボルト両端は、これらボルト両端を介して、バカ穴42の分だけそれぞれのアンカー板41aに対してそれぞれ弾性的に支持される。
【0051】
図16には、別のバリエーションで、結合すべき2つの相互支持部材以外に同様にボルト43bと両端のバネ要素44aとを備える連結ユニット36dが図示されている。この場合、ボルト43bは、明らかに長く形成されている。それは、この場合、相互支持部材が、それぞれ、タビング4のウェブ内の一貫したバカ穴42の形態の成形部45aによって構成されるからである。
【0052】
連結ユニット36eの別のバリエーションが、図17に図示されている。この場合、結合すべきタビングリング2の両相互支持部材の一方が、アンカー板41bによって構成されるが、向かい合う相互支持部材は、曲げられたアンカー板41cを備える。アンカー板41aと同様に、アンカー板41bは、バカ穴42を備え、その支持が、アンカー板41bを内側Bに対して緩やかな角度でタビング4の一方に統合したリング接合部3の領域内のタビングリング2の一方内の切欠き内で行なわれる。この場合、向かい合うアンカー板41cは、同様に、隣接するタビングリング2の一方と不動に結合され、固定された板材ストリップとして台形の曲げ形状を備える。この曲げ形状は、緩やかな角度で延在するアンカー板41bと組み合わせた切欠きによって、面平行に支持部に遊びを有するように、向かい合う相互支持部材に収容される。曲げられたアンカー板41cは、アンカー板41bのバカ穴42の領域に内ネジを備える。ボルト43cを介して、アンカー板41bと曲げられたアンカー板41cが互いに結合され、ボルト43cが、図15及び16と同様に予めバネ要素44bを備え、このバネ要素は、ボルト43cの一端でその六角ヘッドに支持され、向かい合う側でアンカー板41bのバカ穴42の周囲に支持される。
【0053】
図18は、図17に図示した連結要素36eのバリエーションを示す。この場合、成形部45bとボルト43d及びアンカー板41dとを備える連結要素36fが図示されている。この場合、成形部45bは、タビングリング2のタビング4の一方に存在し、形状を合致させてアンカー板41cと同様に曲げられた、向かい合うタビング4の一方と結合されたアンカー板41dの遊びを吸収するために使用される。成形部45b以外に、相互支持部材は、不動に統合された内ネジと、ボルト43dが挿入される通し穴46とを備える。このため、曲げられたアンカー板41dは、2つの貫通孔を備え、これら貫通孔を、その端部に存在する外ネジが相互支持部材の内ネジと結合される前に、ボルト43dが案内される。
【0054】
図19には、図2で既に示した環状のシール8が、詳細図で図示されている。この場合、シール8が、半分、横断面図で主に半円形のリング溝16内に配設されていることが明らかである。この場合、シール8は、閉鎖体48によって閉鎖される接続部47を備える。この場合、接続部47は、チューブ状の分岐ラインとして形成されており、この分岐ラインは、媒体が接続部47の開口を介してシール8の内部へも、シール8の内部から外へも達することができるように、中空のホースとして形成されたシール8と接続されている。この場合、接続部47は、リング接合部3内のシール8からタビングリング2の内側Bにまで延在する。
【0055】
実際の適用では、長く伸びた地下のトンネル区間を得るために、通常は、タビングの設置をするための付加的な装置を備えるシールド掘削装置が使用される。
【0056】
この場合、回転する丸い切断工具が、山の構成材料中に前進させられる。シールドと呼ばれるこのフライスは、切り取った構成材料をコンベヤベルトによって搬出する空所を備える。
【0057】
シールドの後のいわゆる追従者において、新たに切り開かれたトンネル開口が、相前後して配設されるチューブ部分で直接内張りされる。これらチューブ部分は、静的な要求以外に不透水性に対する要求も満足するシングルシェルの支持体である。このため、リング部分は、それぞれ、周方向にそのそれぞれの端面10で隣接させたタビング4を備えるタビングリング2から構成される。
【0058】
場所の実状と要求にできるだけ適合させるため、種々に規格化されたタビング4が使用される。モジュールシステムの形態で、タビング4は、それぞれ端面10に調整要素5a,5b及び/又は撓み要素6a,6n,6c,6dを備える。剛性を有する変形不能な鉄筋コンクリートから成るタビング4は、これにより、調整可能なタビングリング2の形態の、適合可能な適合能力を有するシステムへと組み合わされている。
【0059】
高い動的圧力と大きいコンバージェンス特性を計算しなければならない領域では、タビングリング2が、タビング4のそれぞれの端面10間の少なくとも1つの突合せ接合部9内に撓み要素6a,6b,6c,6dを挿入することによって撓むように形成されるので、タビングリング2は、撓み要素6a,6b,6c,6dの圧縮と、これに伴う周囲変化によって土圧から遠ざかる状況にされる。タビング支保1の直径の縮小により、周囲の材料内に生じる力は再編成される。
【0060】
トンネルチューブの掘削時にトンネル穴の直径が大きくなるように切り取らなければならない領域では、タビングリング2は、突合せ接合部9内に挿入される調整要素5a,5bによって調整可能に形成されるので、タビングリング2の周囲、従って直径が拡大され、正しい穴径に適合される。
【0061】
個々のチューブ部分のそれぞれの周囲変化と移動を互いに可能にするため、タビングリング2のそれぞれ個々は、その隣接するチューブ部分と、リング接合部3の領域内の隣接する2つのタビング4間にそれぞれ配設される立体的に撓む連結ユニット36a,36b,36c,36d,36e,36fを介して結合される。撓む結合であるにもかかわらず、個々の部品は、確実かつ正しい位置に互いに連結及び位置決めされる。
【0062】
個々のチューブ部分が、リング接合部3でも確実に互いにシールされるように、それぞれ、タビングリング2の端面側のリング面に、円形のシール8が挿入される環状のリング溝16が配設されている。リング接合部3内の押付け圧力を介して、向かい合うリング面7は、シール8によって確実に侵入する水に対してシールされる。極端な状況では、その王断面が半径方向に弾性的に変化可能な、媒体を充填可能なホースの形態のシール8が使用される。リング接合部3の拡大時に、シール8は、後からのプレスによって、拡大された横断面の要件に適合させることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 タビング支保
2 タビングリング
3 リング接合部
4 タビング
5a 9内の調整要素
5b 9内の調整要素
6a 9内の撓み要素
6b 9内の撓み要素
6c 9内の撓み要素
6d 9内の撓み要素
7 2のリング面
8 3内のシール
9 4間の突合せ接合部
10 4の端面
11 6a,6b,6c,6dの中空チャンバ
12 6a,6c,6dの
13a 6aの長手方向壁
13b 6bの長手方向壁
13c 6dの長手方向壁
14a 6aの横方向壁
14b 6cの横方向壁
14c 6dの横方向壁
15a 6aの空所
15b 6bの空所
15c 6cの空所
15d 6dの空所
16 7内のリング溝
17 6bのチューブ体
18 6bの中間ウェブ
19 長手方向壁
20a 5aの側壁
20b 5bの側壁
21a 5aの拡開要素
21b 5bの拡開要素
22a 5aの空所
22b 5bの空所
23a 20aの結合面
23b 20bの結合面
24a 20aの斜面
24b 20bの斜面
25a 21aの楔先端
25b 21bの楔先端
26a 21aのアンカープレート
26b 21bのアンカープレート
27a 21aの加圧面
27b 21bの加圧面
28a 5aのアンカー
28b 5bのアンカー
29a 5aの整備口
29b 5bの整備口
30 5bの横方向連結板
31 5bの結合手段
32 20bの横方向壁
33 21bのガイド壁
34 20bのスリット
35 32のガイドスリット
36a 3内の連結ユニット
36b 3内の連結ユニット
36c 3内の連結ユニット
36d 3内の連結ユニット
36e 3内の連結ユニット
36f 2間の連結ユニット
37 36aのアンカーピン
38a 36aのリング部品
38b 36bのリング部品
39 36aの連結プレート
40 36bのクランプ板
41a 36cのアンカー板
41b 36eのアンカー板
41c 36eのアンカー板
41d 36fのアンカー板
42 バカ穴
43a 36cのボルト
43b 36dのボルト
43c 36eのボルト
43d 36fのボルト
44a 36c及び36dのバネ要素
44b 36eのバネ要素
45a 4内の成形部
45b 4内の成形部
46 通し穴
47 8の接続部
48 47の閉鎖体
A 2の外側
B 2の内側
C 10間の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に相前後して配設されたチューブ部分を備え、これらチューブ部分が、それぞれ1つのタビングリング(2)によって構成され、その端面側のリング面(7)が、リング接合部(3)において向き合うように位置調整され、各タビングリング(2)が、周方向に隣接させたタビング(4)を備え、これらタビングが、その2つの端面(10)間にそれぞれ1つの突合せ接合部(9)を構成し、2つのタビング(4)間の少なくとも1つの突合せ接合部(9)内に、変形可能な撓み要素(6a,6b,6c,6d)が配設されている、トンネル又はシャフトのチューブ状の内部シェルとしてのタビング支保において、
タビング(4)の少なくとも一方が、撓み要素(6a,6b,6c,6d)と共に、1つの共通の完成要素を構成し、この完成要素が、コンクリートによって取り囲まれた、スチール製の補強フレームワークから構成され、この補強フレームワークと、撓み要素(6a,6b,6c,6d)が、荷重作用により結合され、突合せ接合部に対して平行な、撓み要素(6a,6b,6c,6d)の外側の横断面輪郭が、端面(10)の外側の輪郭に相当し、これにより、撓み要素(6a,6b,6c,6d)が、両端面(10)の少なくとも一方を全面的にカバーすることを特徴とするタビング支保。
【請求項2】
撓み要素(6a,6b,6c,6d)が、タビングリング(2)の周向に対して横に配設された一貫した中空チャンバ(11)を備えるボックス成形部材を構成することを特徴とする請求項1に記載のタビング支保。
【請求項3】
中空チャンバ(11)が、互いに平行に延在するウェブ(12)によって構成され、これらウェブが、それぞれ、端面(10)に対して平行に延在する2つの向かい合う長手方向壁(13a,13c,19)間と、リング面(7)の平面内にそれぞれ延在する2つの横方向壁(14a,14b,14c)間とに延在し、ウェブ(12)が、互いに直角に交差していることを特徴とする請求項2に記載のタビング支保。
【請求項4】
タビングリング(2)の長手方向軸に対して平行な撓み要素(6d)の長手方向壁(13c)が、互いに内側に向かって湾曲しており、これに隣接する形状を合致させたタビング(4)の端面(10)との全面的な接触を備えることを特徴とする請求項3に記載のタビング支保。
【請求項5】
撓み要素(6c)の長手方向壁(19)が、それぞれ1つの中空成形部材から構成され、その横断面形状が、円形セグメントを備え、円弧が、それぞれ、形状を合致させたタビング(4)の端面内に位置することを特徴とする請求項3に記載のタビング支保。
【請求項6】
撓み要素(6b)が、端面(10)に対して平行に延在する2つの向かい合う長手方向壁(13b)を備え、その間に位置する中空チャンバ(11)が、個々のチューブ体(17)から構成され、これらチューブ体が、それぞれ、長手方向壁(13b)に対して平行に一列に配設され、互いに周面で接触し、隣接する2つの列間に、少なくとも1つの中間ウェブ(18)が配設されていることを特徴とする請求項2に記載のタビング支保。
【請求項7】
調整要素(5a,5b)が、突合せ接合部(9)内に配設されており、これにより、この調整要素(5a,5b)によって生じる端面(10)の互いの間隔(C)が、変更可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のタビング支保。
【請求項8】
撓み要素(6a,6b,6c,6d)が、調整要素(5a,5b)の交換可能な部品であることを特徴とする請求項7に記載のタビング支保。
【請求項9】
タビングリング(2)が、連結ユニット(36a,36b,36c,36d,36e,36f)を介して、隣接するタビングリング(2)と立体的に撓むように結合されており、連結ユニット(36a,36b,36c,36d,36e,36f)が、解体可能な結合装置であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のタビング支保。
【請求項10】
撓み要素(6a,6b,6c,6d)が、タビングリング(2)のリング面(7)に向かってシール(8)用のそれぞれ1つの空所(15a,15b,15c,15d)を備え、この空所(15a,15b,15c,15d)が、両端面(10)間に延在し、横断面が、本質的に半分の円形面を構成することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のタビング支保。
【請求項11】
リング接合部(3)内に、リング面(7)にわたって延在するシール(8)が組み込まれていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のタビング支保。
【請求項12】
シール(8)が、中実材料又は媒体を充填可能なホースから構成されていることを特徴とする請求項11に記載のタビング支保。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2013−513045(P2013−513045A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542360(P2012−542360)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/DE2010/001389
【国際公開番号】WO2011/069480
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(512148506)ボーフマー・アイゼンヒュッテ・ハインツマン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】