説明

撥水性木材及びその製造方法

【課題】 耐久性に優れた撥水性木材及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 木木材表面に未露出の木材細胞の細胞壁内部にオルガノシランの反応物を含有する、撥水性木材が提供される。このような撥水性木材は、オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスを木材と接触させる製造方法により製造可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥水性木材及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築材料や家具、工芸品などに幅広く使用されている木材は、吸水することにより、膨張(伸張)して寸法変化が生じたり、カビ、腐食の原因の一つとなることがある。
【0003】
そこで、木材の吸水性を低減する方法として、特許文献1において、シランカップリング剤に木材を含浸させる方法、特許文献2において、トリアルコキシシランに木材を含浸させる方法が開示されている。
【0004】
特許文献2において、シランカップリング剤に木材を含浸させる方法について、「有機機能性基のもつ架橋性や撥水性に効果を期待しているので、有機基は鎖長が長く、分子の疎水性が高いため、前記の高分子モノマーからなる処理材と同様に木材の細胞壁内までは含浸させることができず、木材のOH基とアルコキシ基との間でSi−O結合を形成する反応も遅いために期待されたほどの効果を発揮できないという問題点を有していた」と記載されている。
【0005】
特許文献3においては、金属アルコキシド溶液に加水分解性アルコキシシリル基含有有機ケイ素化合物に木材を含浸させる方法が開示されている。特許文献3は、直接木材の吸水性を低減させる方法ではないものの、金属アルコキシドを木材に含浸させる際に、加水分解性アルコキシシリル基含有の有機ケイ素化合物を併用し、ゾル−ゲル法により加水分解又は加熱分解、続いて重縮合させることによって、金属アルコキシドを難燃性の金属酸化物に変化させ、しかも金属酸化物に変化する過程で、撥水性を有する有機ケイ素化合物と金属酸化物とを化学結合させながら包囲し、溶脱性のある金属酸化物が水の作用で溶出することを防止することができる、と記載されている。
【0006】
また、特許文献3において、加水分解性アルコキシシリル基含有有機ケイ素化合物の分布場所については、詳細に記載されていないが、非特許文献1(著者は特許文献3の発明者でもある)において以下の記載がある。すなわち、ケイ素アルコキシドを用いたゾル−ゲル反応系にこの有機ケイ素化合物を少量添加すると、細胞壁内に生成するSiOゲルと末端にアルコキシシリル基を有する有機ケイ素化合物とが加水分解を経て、Si−O−Siの共有結合が生じる。具体例として、テトラエトキシシランに長鎖アルキル基を有する有機ケイ素化合物(2−ヘプタデカフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン)を添加した系において、SiOゲルが細胞壁内に均一に分布しているのに対し、該有機ケイ素化合物残基は細胞壁と内腔部との界面に位置しており、末端にトリメトキシシリル基を有するため、細胞壁内に生成したSiOゲルと加水分解を経て化学結合し、細胞内腔表面に固定されると共に、該有機ケイ素化合の分子量が大きく疎水性であるため、細胞壁内への浸透が困難で、細胞内腔表面に固着したのであろう、と記載されている。
【0007】
また、非特許文献1には、該有機ケイ素化合を木材と直接反応させると、木材成分中の水酸基との間でC−O−Si結合が形成されるが、この結合は不安定で解離し、有効成分が経時的に溶脱する、ことも記載されている。
【特許文献1】特開平1−136704号公報
【特許文献2】特許第3196188号公報
【特許文献3】特許第2962191号公報
【非特許文献1】坂志朗、「ゾル−ゲル法による無機質複合化木材の耐久性能能」木材保存、2000年、Vol.20−3、p.113−122
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、耐久性に優れた撥水性木材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、木材表面に未露出の木材細胞の細胞壁内部にオルガノシランの反応物を含有する、撥水性木材を提供する。
【0010】
このような撥水性木材は、表面に露出していない木材細胞の細胞壁内部までもオルガノシランの反応物が存在するために、上記文献に記載されたものに比較して格段に耐久性に優れる。本発明において、オルガノシランの反応物は、少なくとも細胞壁内部に存在するが、同時に細胞壁表面や細胞内腔中に存在してもよい。
【0011】
本発明はまた、オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスを木材と接触させて、木材の細胞壁内部に前記オルガノシランの反応物を含有させた、撥水性木材を提供する。
【0012】
このような撥水性木材は、オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスと木材を接触させてなるものであるため、細胞壁内部においてオルガノシランの反応物が存在するようになり、撥水性能及び耐久性が優れるようになる。なお、上記公知文献に記載されているように、液相で含浸する公知の方法(以下、「液相含浸法」と呼ぶ場合がある。)では、細胞壁内部にオルガノシランやその反応物を存在させることは従来不可能であった。
【0013】
撥水性木材は、オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスを木材と接触させて、木材の細胞壁内部にオルガノシランの反応物を含有させる工程を備える、製造方法により製造可能である。
【0014】
当該製造方法により、木材細胞の細胞壁内部へ混合ガスが浸透可能となり、液相含浸法で得られる木材に比較して、格段に優れた耐久性を示す撥水性木材を得ることができるようになる。
【0015】
オルガノシランは、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
SiX4−n …(1)
[式中、Rは炭素数1〜18の有機基、Xは加水分解性基、nは1〜3の整数、をそれぞれ示す。]
【0016】
炭素数が18までの有機基を有するオルガノシランは、蒸気として使用しやすく、キャリアガスと容易に混合して、細胞壁内部に侵入するため、撥水性に特に優れる撥水性木材を得ることができる。
【0017】
キャリアガスは、水蒸気であることが好ましい。
【0018】
オルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスの圧力は、オルガノシラン単独の蒸気圧に比べ非常に高くすることができるため、木材の細胞壁内部まで速やかにオルガノシランを到達させることができる。また、オルガノシランは、水蒸気との接触により加水分解反応を開始して、反応性の高い中間体として細胞壁に接触することが考えられ、細胞壁を構成するセルロース等の水酸基と迅速に加水分解・縮合反応を生じるため、オルガノシランの反応物が細胞壁内部に迅速且つ確実に形成される。
【0019】
混合ガスの温度は60〜240℃であるであることが好ましい。
【0020】
上記の温度範囲の混合ガスが木材と接触することによって、より短時間で撥水性木材を製造することができる。
【0021】
オルガノシランは、炭素数1〜4のアルキル基を有するオルガノシランの少なくとも1種と、炭素数6〜18のアルキル基を有するオルガノシランの少なくとも1種との混合物とすることもできる。
【0022】
撥水性能は高いが、蒸気圧が低い長鎖アルキル基を有するオルガノシランと、撥水性能はやや劣るが、蒸気圧の高いアルキル基を有するオルガノシランを混合することによって、撥水性能の高い長鎖アルキル基を有するオルガノシランを木材内部まで浸透させることができる。
【0023】
耐久性に特に優れた撥水性木材を得ることができることから、オルガノシランの導入量は、接触する木材の絶乾重量を基準として、0.1〜40.0重量%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、木材表面から内部に至るまで耐久性に優れた撥水性を発揮する撥水性木材及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率は説明のものとは必ずしも一致しない。
【0026】
図1(a)は、実施形態に係る撥水性木材の斜視図であり、(b)は図1(a)のI−I断面図である。図2は図1(b)のAで表される部分を拡大した模式図である。
【0027】
図1(a)に示す撥水性木材100は直方体状の形状をなしており、そのI−I断面は(b)に示すように矩形状である。図2は、図1(b)の撥水性木材100の外表面を含む領域Aを拡大したものであり、木材細胞を模式的に示すものである。図2において、xで表される領域に存在する木材細胞(例えば、木材細胞2a)は木材表面4に露出したもので、yで表される領域に存在する木材細胞(例えば、木材細胞2b)は木材表面4に露出していない未露出のものである。ここで、実際の細胞は、細胞同士を連通する図示しない通路(ピット)を有しており、樹液や水分の流動経路の役割を果たしている。樹液や水分は、この通路(ピット)を介して、細胞内腔に浸入する。
【0028】
木材細胞における細胞壁6はセルロース、ヘミセルロース、リグニン等によって構成され、一般に、一次壁、二次壁等の多層構造を有している。撥水性木材100においては、木材表面4に未露出の細胞(例えば、木材細胞2b)の細胞壁6内に、オルガノシランの反応物が含有されており(木材細胞2bについて、オルガノシランの反応物を含有している領域を斜線で示す。)、この反応物は、好ましくは、細胞壁6を構成するセルロース等の水酸基と反応して、細胞壁6内部で細胞壁6と結合している。ここで、オルガノシランの反応物としては、オルガノシランの加水分解物、当該加水分解物の縮合物が挙げられ、反応物は好ましくは、オルガノシロキシ骨格を有している。撥水性木材100において、オルガノシランの反応物は、少なくとも細胞壁6内部に存在するが、同時に細胞壁表面8や細胞内腔10中に存在してもよい。
【0029】
撥水性木材100は、以下に詳述するように、例えば、オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスを用いて得ることができる。使用されるオルガノシランは、例えば、RSiX4−n(n=1,2,3)の基本構造を有する有機ケイ素化合物である。Rはアルキル基またはフルオロアルキル基などの有機基、Xはハロゲン基またはアルコキシル基などの加水分解性基、nは有機官能基の個数を表す。ここで、オルガノシランが有機基を2個以上有する(n=2,3)場合、この有機基は、同一でも異なっていてもよい。同様に、オルガノシランがXを2個以上有する(n=1,2)場合も、Xは同一でも異なっていてもよい。
【0030】
オルガノシランにおける有機基としては、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アリール基、ハロゲノアリール基、アラルキル基、ハロゲノアラルキル基が挙げられるが、撥水性の観点から、アルキル基、ハロゲノアルキル基が好ましい。ここで、「ハロゲノ」としては、フルオロ、クロロ、ブロモが好ましく、フルオロがより好ましい。
【0031】
有機基がアルキル基の場合、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられるが、一般的にアルキル基は長鎖になるに従い、加水分解反応が遅くなるだけでなく、処理後も木材中に残存し、可燃成分の原因となる場合があるため、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
【0032】
オルガノシランにおける加水分解性基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基、アミノ基、メルカプト基、ケトキシメート基、アミノオキシ基、カルバモイル基が挙げられるが、反応性の観点から、ハロゲン原子、アルコキシ基が好ましい。
【0033】
オルガノシランとして好ましいものは、オルガノクロロシラン及びオルガノアルコキシシラン、フルオロアルキルクロロシラン、フルオロアルキルアルコキシシランであり、中でも、オルガノアルコキシシランが好ましい。
【0034】
オルガノクロロシランとしては、アルキルクロロシランが好ましい。アルキルクロロシランとしては、例えば、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリオクタデシルクロロシランなどのメチルクロロシランやトリフェニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシランなどのフェニルクロロシランまたはフルオロアルキルクロロシランなどを挙げることができる。
【0035】
フルオロアルキルクロロシランとしては、例えば1H,1H,2H,2H−パーフルオロプロピルトリクロロシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリクロロシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリクロロシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルメチルジクロロシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルジメチルクロロシランなどを例示でき、フルオロアルキルアルコキシシランとしては、1H,1H,2H,2H−パーフルオロプロピルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルメチルジメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルジメチルメトキシシランなどを例示できる。
【0036】
オルガノアルコキシシランとしては、アルキルアルコキシシランが好ましく、中でも、アルキルトリアルコキシシラン(n=1)が特に好ましい。アルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0037】
撥水性木材は、好ましくはオルガノシランを蒸気として使用して製造するため、気化しないオルガノシランの使用は適用が困難である。このような観点から、オルガノシランにおける有機基(R)の炭素数は、加水分解性基(X)にも影響されるが、1〜18が好ましい。
【0038】
以上説明した撥水性木材の製造方法としては、オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスを木材と接触させて、木材の細胞壁内部に前記オルガノシランの反応物を含有させる工程を備える、製造方法が挙げられる。
【0039】
キャリアガスとしては、水蒸気、アルコール蒸気、ハロゲンガス、窒素ガスなどが挙げられるが、反応性だけでなく汎用性、経済性及び安全性などの観点から水蒸気が好ましい。また、オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスは、加熱加圧可能なチャンバ内で発生させることが好ましく、このようなチャンバとしてはオートクレーブが挙げられる。
【0040】
オートクレーブ内で少なくとの1種のオルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスを形成する方法としては、特に限定される必要はないが、例えば、予め別の容器や配管等で形成した少なくとも1種のオルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスをオートクレーブ内に注入する方法、オートクレーブ内に少なくとも1種のオルガノシランが存在する状態において、オートクレーブ内に水蒸気を注入する方法、オートクレーブ内に少なくとも1種のオルガノシラン及び水が存在する状態において、オートクレーブを外部からの熱源により加熱する方法、オートクレーブ内に少なくとも1種のオルガノシラン蒸気と水蒸気を別々に注入する方法、などがある。
【0041】
予め別の容器や配管等で少なくとも1種のオルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスを形成する方法としては、例えば、別の容器内に少なくとも1種のオルガノシランが存在する状態で、水蒸気を注入し、該容器内を高温高圧にして、オルガノシランを気化させる方法やオートクレーブ内に注入する水蒸気の配管途中に設けたオルガノシランの注入口から気化ノズルなどを介して、プランジャーポンプなどでオルガノシランを直接水蒸気配管内に圧入する方法などがある。ここで、注入するオルガノシランは、液体、ミスト、蒸気などいずれの状態でも良く、液体やミストで圧入された場合、高温高圧の水蒸気配管内で気化する。
【0042】
予めオートクレーブ内に少なくとも1種のオルガノシランを入れておく方法としては、例えば、オルガノシランをオートクレーブ内にそのまま直接入れておく方法、オルガノシランを密閉されていない開放容器に入れておく方法、自動開閉が可能な密閉容器内にオルガノシランを入れておき、密閉容器を開放する方法などがある。自動開閉が可能な密閉容器内にオルガノシランを入れておく場合には、水蒸気を注入する前から開放しておくだけでなく、水蒸気を注入している途中の任意のタイミングで密閉容器を開放しても構わない。
【0043】
また、オートクレーブ内に少なくとも1種のオルガノシラン及び水が存在する状態で、オートクレーブを外部からの熱源により加熱する方法において、オートクレーブ内にオルガノシラン及び水を入れておく方法としては、例えば、オートクレーブ内にオルガノシランと水をそのまま直接入れておく方法、それぞれ別々の開放容器内に入れておく方法、水は開放容器に入れ、オルガノシランは自動開閉が可能な密閉容器内に入れ、加熱過程の任意のタイミングで密閉容器を開放する方法などがある。ここで、外部からの熱源は、特に限定される必要はないが、電気、ガス、重油、軽油、水蒸気などがある。
【0044】
オルガノシランとして2種以上のオルガノシランを使用する場合、予め2種以上のオルガノシランを混ぜ合わせた混合溶液を気化させて水蒸気との混合ガスとしてもいし、各々をそれぞれ別々に気化させて水蒸気との混合ガスとしても構わない。
【0045】
水蒸気を利用してオルガノシランを蒸発気化させる方法においては、水蒸気がオルガノシランを気化させる熱源となるだけでなく、得られたオルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスの圧力は、オルガノシラン単独の蒸気圧に比べ非常に高くなるため、木材の内部まで速やかに到達することができる。また、水蒸気を利用すれば木材やオートクレーブ本体、配管などを加熱する熱源になるだけでなく、オルガノシラン蒸気が木材以外の場所で一端凝縮し液体になっても、水蒸気の熱により、再び蒸発気化するため、オルガノシランを無駄なく効率的に、木材内部に到達させることが可能なばかりか、オルガノシランと木材の反応を促進するため、オルガノシランが速やかに木材と化学結合し、撥水層を形成する。尚、必要に応じて、オートクレーブを外部の熱源を利用して、予備加熱や補助加熱をしても構わない。
【0046】
オルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスを用いて木材を高温高圧で処理する場合、すなわち、オルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスを高温高圧で木材と接触させる場合において、混合ガスを接触させる前後の圧力差は、0.02〜3.0MPaであることが好ましく、0.05〜2.0MPaであることがより好ましく、更には0.1〜1.5MPaであることが特に好ましい。混合ガスを接触させる温度は、60〜240℃が好ましく、80〜215℃がより好ましく、更には100〜200℃が特に好ましい。また、木材をオルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスで処理する前にオートクレーブ内の空気を真空ポンプなどで除去することは好ましい態様である。
【0047】
ここで、オルガノシランの木材内部への浸透は、オルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスが、オートクレーブ中を高温高圧にする際の大きな圧力差が推進力となって生じるため、単独では蒸気圧の低い種類のオルガノシランでも速やかにかつ確実に木材内部まで浸透させることができる。また、撥水性能は高いが、蒸気圧が低い長鎖アルキル基を有するオルガノシランと、撥水性能はやや劣るが、蒸気圧の高いアルキル基を有するオルガノシランを混合することにより、撥水性能の高い長鎖アルキル基を有するオルガノシランを木材内部に浸透させることが可能となるため、このようなオルガノシランの混合は好ましい実施形態である。具体的なオルガノシランの組み合わせとしては、炭素数1〜4のアルキル基を有するオルガノシランの少なくとも1種と、炭素数6〜18のアルキル基を有するオルガノシランの少なくとも1種との混合物などが挙げられる。
【0048】
高温高圧のオルガノシラン蒸気と水蒸気を含有する混合ガスで木材を処理する時間は、0.5〜5時間でよい。一部未反応のオルガノシランが存在して十分に撥水性が発現していない場合には、未反応のオルガノシランと木材を反応さて撥水性を発現させるために室温で数日〜数週間放置しておくだけでもよいが、更には60℃〜180℃で0.5〜5時間程度加熱するのが好ましい。ここで、加熱方法は、特に限定されないが一般的な熱風加熱や遠赤外線加熱または水蒸気加熱などを使用することができる。
【0049】
十分な撥水性を発現させるためのオルガノシラン量は、処理する木材の絶乾重量を基準にして、0.1〜40.0重量%が好ましく、0.5〜20.0重量%がより好ましく、更には1.0〜10.0重量%が特に好ましい。
【0050】
オルガノシランにより耐久性の高い優れた撥水性が生じる理由は、必ずしも明らかではないが、以下の要因が推察される。すなわち、オルガノシランの木材内部への浸透が、分子運動性の高い気体であると共に、拡散でなく圧力差が推進力となるため、非常に速やか、かつこれまで浸透が困難とされていた細胞壁内部へも浸透することが可能となる点、オルガノシランが高温であるため、反応が促進され、オルガノシランの加水分解基が加水分解されて生成したシラノール基(Si−OH基)と木材の水酸基(OH基)が迅速に反応し、Si−O−C結合を形成するだけでなく、オルガノシラン同士も自己縮合することにより、三次元的なネットワーク構造を形成している点、にあると推察される。このネットワーク構造は、オルガノシランを細胞表面及び細胞内部で固定化すると共に、非常に耐久性の高い撥水性を付与するものと推察される。
【0051】
本発明で使用される木材は、特に限定される必要はないが、例えば原木丸太、製材品、スライス単板、合板などが挙げられ、乾燥品や湿潤品(飽水品)でも構わない。
【実施例】
【0052】
以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
本実施例において、オルガノシランの浸透量及び撥水性、オルガノシランと木材のネットワーク構造の指標となるオルガノシラン重量増加率、水の接触角、オルガノシラン溶出率は次のように測定した。
【0053】
<オルガノシラン重量増加率>
木材に対するオルガノの浸透量は、処理前後の重量増加率から求められ、具体的にオルガノシランによる重量増加率は、同一寸法、同一材料の木材を105℃で24時間乾燥した処理前の絶乾重量(W)に対して、オルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスで処理した後、105℃で24時間乾燥後、更に40℃で24時間真空乾燥した処理木材の絶乾重量(W)から次式により求めた。
重量増加率={(W−W)/W}×100 [重量%]
【0054】
<水の接触角>
縦40mm、横40mm、長さ200mmの木材サンプルを長さ100mmの位置で切断し、40mm角の切断面上を縦方向及び横方向に10mm間隔で各点の合計16箇所を、温度20℃、湿度65%の条件下で協和界面科学株式会社製の接触角計(CA−DT型)により測定した。
【0055】
<オルガノシラン溶出率>
オルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスで処理した後、105℃で24時間乾燥後、更に40℃で24時間真空乾燥した処理木材の重量(M)を測定し、該処理木材1g当たり、水(蒸留水)またはトルエン10gの割合で混合し、8時間及び24時間攪拌後、該処理木材を取り出し、105℃で24時間乾燥後、更に40℃で24時間真空乾燥して重量(M)を測定し、溶出率を次式より求めた。
溶出率={(M−M)/(W−W)}×100 [重量%]
【0056】
<オルガノシランの同定>
オルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスで処理した木材サンプルを、日本電子株式会社(JEOL)製のエネルギー分散形X線分析装置(JED−2300)を具備した電子顕微鏡(JSM−6060−LV)で、該木材の細胞壁断面のSEM写真と、該細胞壁断面のKαX線によるケイ素(Si)のマッピング像により、オルガノシランの反応物の存在場所を同定した。
【0057】
[実施例1]
縦40mm、横40mm、長さ200mmの杉及びスプルース各々10本を、予め150℃に加熱した容積1.25mのオートクレーブに入れ、次に該オートクレーブ中をゲージ圧−0.095MPaに減圧した状態で、ゲージ圧1.5MPaを有する水蒸気配管に蒸気ノズルを介して、プランジャーポンプでメチルトリエトキシシラン1kgをミスト状に圧入して形成した混合蒸気をゲージ圧1.0MPaまで注入した。その後、圧力を維持するため、水蒸気のみを注入し、ゲージ圧1.0MPaで3時間を保持した。ここで、使用した木材は、いずれも60℃、3日間乾燥品であった。
【0058】
実施例1により得られた、木材5点平均のオルガノシラン重量増加率は、スプルースが8.2重量%、杉が8.5重量%であった。水の接触角は、スプルースが78〜85°、杉が75〜83°であった。24時間後の溶出率は、スプルースが水で1.1重量%、トルエンで2.1重量%、杉が水で0.9重量%、トルエンで1.8重量%であった。この結果から、各々木材内部にメチルトリエトキシシランが浸透し、耐久性に優れた撥水性能を発現していることが確認された。また、実施例1で得られたスプルースの細胞壁断面のSEM写真(図3)と、該細胞壁断面のケイ素(Si)のマッピング像(図4)から、細胞壁内にメチルトリエトキシシラン反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。また、同様な方法で杉の細胞壁断面にも、メチルトリエトキシシラン反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。
【0059】
[実施例2]
縦40mm、横40mm、長さ200mmの杉及びスプルース各々10本を、予め150℃に加熱した容積1.25mのオートクレーブに入れ、該オートクレーブ中をゲージ圧−0.095MPaに減圧した状態で、プロピルトリエトキシシラン0.5kgを容積0.312mの別の圧力容器に入れ、ゲージ圧−0.095MPaに減圧した後、水蒸気を注入し、ゲージ圧1.2MPaとして形成した混合ガスを、該オートクレーブ中にゲージ圧0.5MPaまで注入した。その後、圧力を維持するため、水蒸気のみを注入し、ゲージ圧0.5MPaで1時間を保持した。ここで、使用した木材は、いずれも60℃、3日間乾燥品であった。
【0060】
実施例2により得られた、木材5点平均のオルガノシラン重量増加率は、スプルースが5.1重量%、杉が4.5重量%であった。水の接触角は、スプルースが88〜95°、杉が85〜96°であった。24時間後の溶出率は、スプルースが水で0.9重量%、トルエンで1.5重量%、杉が水で1.0重量%、トルエンで1.4重量%であった。この結果から、各々木材内部にプロピルトリエトキシシランが浸透し、耐久性に優れた撥水性能を発現していることが確認された。また、細胞壁断面のSEM写真と、該細胞壁断面のケイ素(Si)のマッピング像から、スプルース及び杉の細胞壁断面に、プロピルトリエトキシシラン反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。
【0061】
[実施例3]
縦40mm、横40mm、長さ200mmの杉及びスプルース各々2本と、各々別の開放容器に入れたイソブチトリエトキシシラン0.2kgと水2kgを、容積0.02mのオートクレーブに入れ、該オートクレーブ中をゲージ圧−0.095MPaに減圧した後、該オートクレーブが具備する電気ヒータでゲージ圧1.5MPaまで加熱し、その状態で1時間保持した。ここで、使用した木材は、いずれも60℃、3日間乾燥品であった。
【0062】
実施例3により得られた、木材のオルガノシラン重量増加率は、スプルースが3.2重量%、杉が2.8重量%であった。水の接触角は、スプルースが98〜110°、杉が105〜112°であった。24時間後の溶出率は、スプルースが水で0.8重量%、トルエンで1.4重量%、杉が水で0.8重量%、トルエンで1.4重量%であった。この結果から、各々木材内部にイソブチルトリエトキシシランが浸透し、耐久性に優れた撥水性能を発現していることが確認された。また、細胞壁断面のSEM写真と、該細胞壁断面のケイ素(Si)のマッピング像から、スプルース及び杉の細胞壁断面に、イソブチトリエトキシシラン反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。
【0063】
[実施例4]
縦40mm、横40mm、長さ200mmの杉及びスプルース各々10本を、予め150℃に加熱した容積1.25mのオートクレーブに入れ、該オートクレーブ中をゲージ圧−0.095MPaに減圧した状態で、ゲージ圧1.5Mpaを有する水蒸気配管に蒸気ノズルを介して、プランジャーポンプでヘキシルトリエトキシシラン0.3kgをミスト状に圧入して形成した混合ガスをゲージ圧0.005MPaまで注入し後、水蒸気のみを注入し、ゲージ圧1.0MPaとして、3時間を保持した。ここで、使用した木材は、いずれも60℃、3日間乾燥品であった。
【0064】
実施例4により得られた、木材のオルガノシラン重量増加率は、スプルースが1.5重量%、杉が1.7重量%であった。水の接触角は、スプルースが125〜132°、杉が130〜135°であった。24時間後の溶出率は、スプルースが水で0.4重量%、トルエンで0.9重量%、杉が水で0.4重量%、トルエンで1.0重量%であった。この結果から、各々木材内部にヘキシルトリエトキシシランが浸透し、耐久性に優れた撥水性能を発現していることが確認された。また、細胞壁断面のSEM写真と、該細胞壁断面のケイ素(Si)のマッピング像から、スプルース及び杉の細胞壁断面に、ヘキシルトリエトキシシラン反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。
【0065】
[実施例5]
オクチルトリエトキシシラン0.3kgを使用する以外は、実施例4と同様の方法で処理した。
【0066】
実施例5により得られた、木材のオルガノシラン重量増加率は、スプルースが1.4重量%、杉が1.3重量%であった。水の接触角は、スプルースが130〜138°、杉が129〜138°であった。24時間後の溶出率は、スプルースが水で0.3重量%、トルエンで0.8重量%、杉が水で0.3重量%、トルエンで0.7重量%であった。この結果から、各々木材内部にオクチルトリエトキシシランが浸透し、耐久性に優れた撥水性能を発現していることが確認された。また、細胞壁断面のSEM写真と、該細胞壁断面のケイ素(Si)のマッピング像から、スプルース及び杉の細胞壁断面に、オクチルトリエトキシシラン反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。
【0067】
[実施例6]
プロピルトリエトキシシラン0.2kgとオクチルトリエトキシシラン0.1kgの混合物を使用する以外は、実施例4と同様の方法で処理した。
【0068】
実施例6により得られた、木材のオルガノシラン重量増加率は、スプルースが1.7重量%、杉が1.5重量%であった。水の接触角は、スプルースが135〜142°、杉が138〜142°であった。24時間後の溶出率は、スプルースが水で0.2重量%、トルエンで0.5重量%、杉が水で0.2重量%、トルエンで0.6重量%であった。この結果から、各々木材内部にプロピルトリエトキシシランとオクチルトリエトキシシランが浸透し、耐久性に優れた撥水性能を発現していることが確認された。また、細胞壁断面のSEM写真と、該細胞壁断面のケイ素(Si)のマッピング像から、スプルース及び杉の細胞壁断面に、プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシランの反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。
【0069】
[実施例7]
プロピルトリエトキシシラン0.25kgとオクタデシルトリエトキシシラン0.05kgの混合物を使用する以外は、実施例4と同様の方法で処理した。
【0070】
実施例7により得られた、木材のオルガノシラン重量増加率は、スプルースが1.6重量%、杉が1.7重量%であった。水の接触角は、スプルース及び杉の16点すべてにおいて150°以上であった。24時間後の溶出率は、スプルースが水で0.2重量%、トルエンで0.3重量%、杉が水で0.1重量%、トルエンで0.3重量%であった。この結果から、各々木材内部にプロピルトリエトキシシランとオクタデシルトリエトキシシランが浸透し、耐久性に優れた撥水性能を発現していることが確認された。また、細胞壁断面のSEM写真と、該細胞壁断面のケイ素(Si)のマッピング像から、スプルース及び杉の細胞壁断面に、プロピルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランの反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。
【0071】
[実施例8]
プロピルトリエトキシシラン0.25kgとトリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.05kgの混合物を使用する以外は、実施例4と同様の方法で処理した。
【0072】
実施例8により得られた、木材のオルガノシラン重量増加率は、スプルースが1.5重量%、杉が1.7重量%であった。水の接触角は、スプルース及び杉の16点すべてにおいて150°以上であった。24時間後の溶出率は、スプルースが水で0.1重量%、トルエンで0.2重量%、杉が水で0.2重量%、トルエンで0.3重量%であった。この結果から、各々木材内部にプロピルトリエトキシシランとトリフルオロプロピルトリメトキシシランが浸透し、耐久性に優れた撥水性能を発現していることが確認された。また、細胞壁断面のSEM写真と、該細胞壁断面のケイ素(Si)のマッピング像から、スプルース及び杉の細胞壁断面に、プロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランの反応物に由来すると推察されるケイ素の存在が確認された。
【0073】
上記実施例のとおり、オルガノシランの浸透量及び撥水性、オルガノシランと木材のネットワーク構造の指標となるオルガノシラン重量増加率、水の接触角、オルガノシラン溶出率は良好であり、耐久性に優れた撥水性能を発現しており、本発明の有効性を実証できた。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】(a)は実施形態に係る撥水性木材の斜視図であり、(b)は(a)のI−I断面図である。
【図2】図1(b)のAで表される部分を拡大した模式図である。
【図3】オルガノシラン蒸気と水蒸気の混合ガスで処理したスプルースの細胞断面のSEM写真である。
【図4】図3と同一の細胞断面のケイ素(Si)マッピング像である。
【符号の説明】
【0075】
2a,2b…木材細胞、4…木材表面、6…細胞壁、8…細胞壁表面、10…細胞内腔、100…撥水性木材。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材表面に未露出の木材細胞の細胞壁内部にオルガノシランの反応物を含有する、撥水性木材。
【請求項2】
オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスを木材と接触させて、前記木材の細胞壁内部に前記オルガノシランの反応物を含有させた、撥水性木材。
【請求項3】
前記オルガノシランが、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1又は2記載の撥水性木材。
SiX4−n …(1)
[式中、Rは炭素数1〜18の有機基、Xは加水分解性基、nは1〜3の整数、をそれぞれ示す。]
【請求項4】
オルガノシランの蒸気とキャリアガスの混合ガスを木材と接触させて、木材の細胞壁内部に前記オルガノシランの反応物を含有させる工程を備える、撥水性木材の製造方法。
【請求項5】
前記オルガノシランが、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項4記載の製造方法。
SiX4−n …(1)
[式中、Rは炭素数1〜18の有機基、Xは加水分解性基、nは1〜3の整数、をそれぞれ示す。]
【請求項6】
前記キャリアガスが水蒸気である、請求項4又は5記載の製造方法。
【請求項7】
前記木材と接触させる前記混合ガスの温度が60〜240℃である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記オルガノシランが、炭素数1〜4のアルキル基を有するオルガノシランの少なくとも1種と、炭素数6〜18のアルキル基を有するオルガノシランの少なくとも1種との混合物である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記オルガノシランの重量が、接触させる木材の絶乾重量に対して、0.1〜40.0重量%である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−89269(P2010−89269A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258558(P2008−258558)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(390018717)旭化成建材株式会社 (249)
【Fターム(参考)】