説明

撮像デバイス

【課題】被写体距離によらず被写体の鮮明な画像を得ることができる撮像デバイスを提供すること。
【解決手段】撮像デバイスであって、瞳面における複数の領域毎に焦点距離が異なるレンズ系と、互いに異なる偏光方向の光を透過し、複数の領域のそれぞれを通過する光をそれぞれ透過する複数の偏光子と、複数の偏光子のそれぞれが透過する偏光方向の光をそれぞれ透過する複数の検光子と、複数の検光子のそれぞれが透過した光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像デバイスに関する。本発明は、特に、偏光子を備える撮像デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
二つの二重焦点レンズを含むレンズ群を対物レンズおよび結像レンズの少なくとも一方に備えた光学系と、光学系の結像位置に置かれた偏光板を透過した光線が結像レンズにより結像されることで生じた像を観察することができる顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、複屈折結晶である水晶を硝材として用いた二重焦点光学系の焦点位置を、液晶素子による液晶の配向切換えにより偏光板を透過される光の偏光方向を回転させることで切換えて、二重焦点光学系で得られる画像を撮像する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平11―271628号公報
【特許文献2】特開平11―32251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の技術によると、高倍観察と低倍観察を同時にすることができるが、被写体までの距離が変わると簡単に被写体像がぼけてしまう。特許文献2の発明では、異なる距離にある被写体の双方の鮮明な画像を1ショットで得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、撮像デバイスであって、瞳面における複数の領域毎に焦点距離が異なるレンズ系と、互いに異なる偏光状態の光を透過し、複数の領域のそれぞれを通過する光をそれぞれ透過する複数の第1偏光素子と、複数の第1偏光素子のそれぞれが透過する偏光状態の光をそれぞれ透過する複数の第2偏光素子と、複数の第2偏光素子のそれぞれが透過した光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを備える。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0007】
図1は、一実施形態における撮像装置10の構成の一例を示す。撮像装置10は、レンズ110および絞り部120を含むレンズ系100、偏光板135、検光子アレイ145、および受光素子アレイ150を備える。
【0008】
レンズ110は、部分領域111と部分領域112とで異なる焦点距離を有する。例えば、レンズ110は、部分領域111と部分領域112とで異なる屈折率を有してよい。他にも、レンズ110は、部分領域111と部分領域112とで異なる形状を有してもよい。このように、レンズ110は、部分領域111を通過する光と部分領域112を通過する光とを異なる位置に結像すべく、部分領域111と部分領域112とで異なる光学特性を有する。なお、レンズ110は、複数のレンズを有するレンズ系であってよい。
【0009】
絞り部120は、レンズ110を通過した光を絞る。絞り部120を通過した光は、偏光板135に入射する。偏光板135は、絞り部120の近傍に設けられており、互いに異なる偏光状態の光を透過する複数の第1偏光素子の一例としての複数の偏光子130aおよび130b(以下、偏光子130と総称する場合がある。)を有する。複数の偏光子130は、互いに略直交する透過軸を有しており、略直交する偏光方向に偏光した光を透過する。
【0010】
偏光子130aは、レンズ110の部分領域111および絞り部120を通過する光が通過する位置に設けられる。偏光子130aは、レンズ110の部分領域111および絞り部120を通過した光のうち、偏光子130aが有する特定の透過軸方向に偏光した光を透過する。また、偏光子130bは、レンズ110の部分領域112および絞り部120を通過する光が通過する位置に設けられる。偏光子130bは、レンズ110の部分領域112および絞り部120を通過した光のうち、偏光子130bが有する特定の透過軸方向に偏光した光を透過する。このように、偏光板135は、互いに略直交する、特定の偏光方向の光を透過する。
【0011】
偏光板135を透過した光は、検光子アレイ145に入射する。検光子アレイ145は、複数の第1偏光素子のそれぞれが透過する偏光状態の光をそれぞれ透過する複数の第2偏光素子の一例としての複数の検光子140aおよび140b(以後、検光子140と総称する場合がある。)を有する。検光子140aおよび140bは、偏光子130aおよび偏光子130bのそれぞれが透過する偏光方向に偏光した光をそれぞれ透過する。具体的には、検光子アレイ145は、偏光子130aが透過した方向の光を透過する複数の検光子140a、および偏光子130bが透過した方向の光を透過する複数の検光子140bを有する。このように、なお、検光子アレイ145が有する検光子の構成は、図3に関連して更に説明する。
【0012】
検光子アレイ145を透過した光は、一例として検光子アレイ145の近傍に設けられた受光素子アレイ150に入射する。受光素子アレイ150は、検光子アレイ145が有する複数の検光子のそれぞれが透過した光をそれぞれ受光する複数の受光素子を有する。受光素子アレイ150は、検光子アレイ145が有する検光子が透過した偏光子130aの透過軸方向に偏光した光と、偏光子130bの透過軸方向に偏光した光とを、異なる受光素子で受光する。このように、受光素子アレイ150は、部分領域111を通過した光と、部分領域112を通過した光とを異なる受光素子で受光する。なお、受光素子アレイ150が有する受光素子の構成は、図3に関連して更に説明する。
【0013】
画像生成部180は、部分領域111を通過した光を受光した受光素子から第1画像を生成する。また、画像生成部180は、部分領域112を通過した光を受光した受光素子から第2画像を生成する。そして、出力部192は、第1画像および第2画像のいずれか一方を画像処理して出力する。
【0014】
以下に、レンズ系100の光軸上における物点からの光がレンズ系100に入射した場合を例に挙げて、撮像装置10の撮像特性を簡単に説明する。物点からのレンズ110に入射してレンズ110の部分領域111を通過した光は、光軸方向における位置z1に結像するとする。また、当該物点からの光のうち、レンズ110の部分領域112を通過した光は、光軸における位置z2に結像するとする。
【0015】
ここで、受光素子アレイ150が位置z1より位置z2に近い位置に設けられているとする。この場合、当該物点と同じ被写体距離に存在する被写体からの光のうち、レンズ110の部分領域112を通過した光、つまり偏光子130bの透過軸方向に偏光した光を受光する受光素子からの信号によって得られた第2画像は、他の受光素子からの信号によって生成された第1画像より鮮明な被写体像を含むことになる。この場合、出力部192は、画像生成部180が生成した第1画像および第2画像のうち、より鮮明な被写体像を有する第2画像を選択して出力してよい。
【0016】
なお、レンズ110の光軸上において、上述した物点よりレンズ系100に近い他の物点からの光において、レンズ110の部分領域111を通過した光は、光軸方向における位置z3に結像するとする。また、当該他の物点からの光のうち、レンズ110の部分領域112を通過した光は、光軸方向における位置z4に結像するとする。
【0017】
ここで、受光素子アレイ150が位置z4より位置z3に近い位置に設けられているとする。この場合には、当該他の物点と同じ被写体距離に存在する被写体からの光のうち、レンズ110の部分領域111を通過した光、つまり偏光子130aの透過軸方向に偏光した光を受光する受光素子からの信号によって生成された第1画像は、他の受光素子からの信号によって生成された第2画像より鮮明な被写体像を含むことになる。
【0018】
なお、出力部192は、第1画像および第2画像のうち、より鮮明な画像をより優先して出力してもよい。これにより、被写体までの距離がある程度変わっても、鮮明な被写体像を得ることができる。また、受光素子アレイ150が位置z2と位置z3の近傍に存在する場合には、上記2つの物点と同じ被写体距離に存在する被写体の合焦画像を1ショットで得ることができる。
【0019】
なお、画像合成部190は、第1画像と第2画像とを重みづけして合成した合成画像を出力してよい。この場合、近傍に存在する被写体と遠方に存在する被写体の双方に合焦した合成画像を得ることができる。このように、本実施形態における撮像装置10によれば、いわば深い被写界深度で被写体を撮像することができる。
【0020】
上記の説明では、略直交する直線偏光を利用する場合における撮像装置10の構成を用いて、撮像装置10の動作および機能を説明した。しかしながら、撮像装置10は、略直交する直線偏光の光の他に、例えば右回り円偏光および左周り円偏光等のような、互いに略直交する偏光状態の光を利用する構成によっても、上記と同様の動作により上記と同様の機能を達成することができる。すなわち、この発明における第1偏光素子は、互いに略直交する偏光状態の光をそれぞれ透過すればよい。なお、ここでいう略直交する偏光状態の光とは、上述の略直交する直線偏光の光、右回り円偏光・左回り円偏光の光等のように、偏光状態をポアンカレ球で表現した場合に、ポアンカレ球面上において原点に関して対称な2点で表される偏光状態の光であってよい。
【0021】
図2は、偏光板135の構成の一例を示す。本図は、偏光板135の、レンズ系100の光軸に対する垂直断面を示す。第1偏光子130aおよび第2偏光子130bは、光軸との交点を含む境界線で接する半円形状を有する。上述したように、偏光子130aの透過軸と偏光子130bの透過軸は互いに直交している。このように、偏光子130aおよび偏光子130bは、互いに異なる偏光方向の光を透過する。
【0022】
なお、本図では、瞳面200における領域201および領域202を通過する光が偏光板135に入射する領域が、同じ符号で示されている。なお、レンズ110の部分領域111を通過する光は、瞳面200の領域201を通過する。また、レンズ110の部分領域112を通過する光は、瞳面200の領域202を通過する。
【0023】
すなわち、瞳面200における領域201を通過する光は、レンズ110の部分領域111および偏光子130aを通過する。また、瞳面における領域202を通過する光は、レンズ110の部分領域112および偏光子130bを通過する。このように、レンズ系100は、瞳面200における複数の領域毎に異なる焦点距離を有しており、複数の偏光子130は複数の領域のそれぞれを通過する光をそれぞれ透過する。
【0024】
なお、レンズ110の部分領域111を通過して偏光子130aを通過する光量は、少なくとも、レンズ110の部分領域111を通過して偏光子130bを通過する光量より大きいことが望ましい。また、レンズ110の部分領域112を通過して偏光子130bを通過する光量は、少なくとも、レンズ110の部分領域112を通過して偏光子130aを通過する光量より大きいことが望ましい。
【0025】
したがって、偏光板135が有する偏光子130は、レンズ系100の光軸上において、レンズ系100のいずれの焦点(具体的には、後側焦点)より少なくとも被写体側に設けられることが望ましい。偏光板135が有する偏光子130は、レンズ系100より被写体側に設けられてもよい。一例としては、偏光板135が有する偏光子130は、レンズ系100の瞳面あるいは瞳面の近傍に設けられることが好ましい。なお、レンズ110の部分領域111を通過する光は偏光子130bを通過せず、レンズ110の部分領域112を通過する光は偏光子130aを通過しないことがより望ましいことは言うまでもない。
【0026】
図3は、検光子アレイ145および受光素子アレイ150の構成の一例を示す。本図は、検光子アレイ145および受光素子アレイ150の、レンズ系100の光軸に対する垂直断面を示す。検光子アレイ145は、複数の検光子340a−h(以後、検光子340と総称する場合がある。)を含む。
【0027】
検光子アレイ145は、検光子340がマトリクス状に配置されて形成される。なお、マトリクス状に配置された検光子340は、図1における検光子140として模式的に示されている。検光子340a、検光子340c、検光子340d、および検光子340gは、偏光子130aの透過軸と同じ方向の透過軸を有する。また、検光子340b、検光子340e、検光子340f、および検光子340hは、偏光子130bの透過軸と同じ方向の透過軸を有する。
【0028】
受光素子アレイ150は、受光素子350a−f(以後、受光素子350と総称する。)を有する。受光素子350a、受光素子350c、受光素子350f、および受光素子350hは、緑の波長領域の光を受光する。受光素子350bおよび受光素子350dは、赤の波長領域の光を受光する。受光素子350eおよび受光素子350gは、青の波長領域の光を受光する。
【0029】
なお、受光素子350a、350b、350c、350d、350e、350f、350g、および350hは、それぞれ検光子340a、340b、340c、340d、340e、340f、340g、および340hを透過した光を受光する。したがって、受光素子350aおよび受光素子350cは、偏光子130aの透過軸の方向に偏光した緑色の光を受光する。また、受光素子350dは、偏光子130aの透過軸の方向に偏光した赤色の光を受光する。また、受光素子350gは、偏光子130aの透過軸の方向に偏光した青色の光を受光する。
【0030】
また、受光素子350bは、偏光子130bの透過軸の方向に偏光した赤色の光を受光する。また、受光素子350eは、偏光子130bの透過軸の方向に偏光した青色の光を受光する。また、受光素子350fおよび受光素子350hは、偏光子130bの透過軸の方向に偏光した緑色の光を受光する。
【0031】
そして、画像生成部180は、偏光子130aの透過軸と同じ方向に偏光した光を受光することができる受光素子350からの信号に基づいて第1画像を生成する。具体的には、画像生成部180は、受光素子350aおよび受光素子350cからのG信号、受光素子350dからのR信号、受光素子350gからのB信号に少なくとも基づいて、1画素分のRGB情報を生成する。また、画像生成部180は、偏光子130bの透過軸と同じ方向に偏光した光を受光することができる受光素子350からの信号に基づいて第2画像を生成する。例えば、画像生成部180は、受光素子350fおよび受光素子350hからのG信号、受光素子350bからのR信号、および受光素子350eからのB信号に少なくとも基づいて、1画素分のRGB情報を生成する。
【0032】
このように、受光素子アレイ150は、受光素子350がマトリクス状に配列されて形成される。そして、検光子340は、受光素子350のそれぞれの前面にマトリクス状に配列される。なお、受光素子350は、レンズ系100の複数の焦点の間に設けられることが望ましい。例えば、受光素子アレイ150は、レンズ系100の部分領域111の焦点位置とレンズ系100の部分領域112の焦点位置との間に設けられることが望ましい。
【0033】
また、上述したように、画像生成部180は、受光素子350が受光した異なる偏光方向の光により、それぞれ画像を生成する。そして、出力部192は、画像生成部180が生成した複数の画像のうち、画質がより高い画像を撮像画像としてより優先して出力する。また、画像合成部190は、画像生成部180が生成した複数の画像を合成した合成画像を生成してよい。このとき、画像合成部190は、画像生成部180が生成した複数の画像のうち、より高い画質を有する画像をより大きい重みづけで合成することにより合成画像を生成してよい。
【0034】
図4は、偏光板135の他の構成例を示す。本図においても、偏光板135の、レンズ系100の光軸に対する垂直断面が示されている。
【0035】
複数の偏光子430a(以後、偏光子430aと総称する。)および複数の偏光子430b(以後、偏光子430bと総称する。)は、光軸との交点を含む複数の境界線によって分割された扇形形状を有する。また、偏光子430aの透過軸は、偏光子430bの透過軸と直交している。
【0036】
なお、本図では、瞳面200における複数の領域401−406を通過する光が入射する偏光板135の領域が、同じ符号で示されている。また、瞳面200の領域401を通過する光、瞳面200の領域403を通過する光、および瞳面200の領域405を通過する光が通過するレンズ110の領域における焦点距離は、瞳面200の領域402を通過する光、瞳面200の領域404を通過する光、および瞳面200の領域406を通過する光が通過するレンズ110の領域における焦点距離と異なる。
【0037】
そして、本図に示されるように、瞳面における複数の領域401、領域403、および領域405を通過する光は、偏光子430aを通過する。また、瞳面における複数の領域402、領域404、および領域406を通過する光は、偏光子430bを通過する。
【0038】
図5は、偏光板135の更なる他の構成例を示す。本図においても、偏光板135の、レンズ系100の光軸に対する垂直断面が示されている。
【0039】
複数の偏光子530a(以後、偏光子530aと総称する。)および複数の偏光子530b(以後、偏光子530bと総称する。)は、光軸との交点を中心とする複数の同心円状の境界線によって分割された形状を有する。また、偏光子530aの透過軸は、偏光子530bの透過軸と直交している。
【0040】
なお、本図では、瞳面200における複数の領域501−506を通過する光が入射する偏光板135の領域が、同じ符号で示されている。また、瞳面の領域501を通過する光、瞳面の領域503を通過する光、および瞳面の領域505を通過する光がレンズ110を通過する領域における焦点距離は、瞳面の領域402を通過する光、瞳面の領域504を通過する光、および瞳面の領域506を通過する光がレンズ110を通過する領域における焦点距離と異なる。そして、本図に示されるように、瞳面における複数の領域501、領域503、および領域505を通過する光は偏光子530aを通過する。また、瞳面における複数の領域502、領域504、および領域506を通過する光は偏光子530bを通過する。
【0041】
図6は、撮像装置10の他の構成例を示す。撮像装置10は、レンズ110および絞り部120を含むレンズ系100、偏光板135、光学素子600、複数の検光子140aおよび140b、および複数の受光素子アレイ150aおよび受光素子アレイ150bを備える。なお、レンズ系100および偏光板135は、図1に関連して説明したレンズ系100および偏光板135と略同一の機能を有するので、説明を省略する。また、検光子140aおよび検光子140bは、検光板として機能する点を除いて、図1に関連して説明した検光子140aおよび検光子140bと略同一であるので、その説明を省略する。
【0042】
光学素子600は、第1偏光方向の光を透過する第1偏光子130が透過する光と第2偏光方向の光を透過する第2偏光子130が透過する光とを、互いに異なる位置に結像させる。光学素子600としてはハーフミラーを例示することができる。
【0043】
受光素子アレイ150aは、偏光子130aが透過した光を受光する複数の受光素子を有する。受光素子アレイ150aが有する複数の受光素子は、偏光子130aが透過した光の結像位置の近傍に配列される。受光素子アレイ150aは、複数の複数の受光素子がマトリクス状に配列されることによって形成される。
【0044】
また、受光素子アレイ150bは、偏光子130bが透過する光を受光する複数の受光素子を有する。受光素子アレイ150bが有する複数の受光素子は、第2偏光子130が透過した光の結像位置の近傍に配列される。受光素子アレイ150bは、複数の複数の受光素子がマトリクス状に配列されることによって形成される。
【0045】
画像生成部180は、偏光子130aが透過した光を受光する、受光素子アレイ150aが有する複数の受光素子が受光した光により、第1画像を生成する。また、画像生成部180は、偏光子130bが透過した光を受光する、受光素子アレイ150bが有する複数の受光素子が受光した光により第2画像を生成する。これにより、レンズ系100からの距離が異なる位置にある被写体の鮮明な画像を、1ショットで得ることができる。
【0046】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】一実施形態における撮像装置10の構成の一例を示す図である。
【図2】偏光板135の構成の一例を示す図である。
【図3】検光子アレイ145および受光素子アレイ150の構成の一例を示す図である。
【図4】偏光板135の他の構成例を示す図である。
【図5】偏光板135の更なる他の構成例を示す図である。
【図6】撮像装置10の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 撮像装置
100 レンズ系
120 絞り部
130a 偏光子
130b 偏光子
135 偏光板
140a 検光子
140b 検光子
145 検光子アレイ
150 受光素子アレイ
180 画像生成部
192 出力部
190 画像合成部
340a 検光子
340b 検光子
350a 受光素子
350b 受光素子
350c 受光素子
350d 受光素子
350e 受光素子
350f 受光素子
350g 受光素子
350h 受光素子
430a 偏光子
430b 偏光子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
瞳面における複数の領域毎に焦点距離が異なるレンズ系と、
互いに異なる偏光状態の光を透過し、前記複数の領域のそれぞれを通過する光をそれぞれ透過する複数の第1偏光素子と、
前記複数の第1偏光素子のそれぞれが透過する偏光状態の光をそれぞれ透過する複数の第2偏光素子と、
前記複数の第2偏光素子のそれぞれが透過した光をそれぞれ受光する複数の受光素子と
を備える撮像デバイス。
【請求項2】
前記複数の第1偏光素子は、異なる偏光方向に偏光した光を透過し、前記複数の領域のそれぞれを通過する光をそれぞれ透過する複数の偏光子であり、
前記複数の第2偏光素子は、前記複数の偏光子のそれぞれが透過する偏光方向に偏光した光をそれぞれ透過する複数の検光子であり、
前記複数の受光素子は、前記複数の検光子のそれぞれが透過した光をそれぞれ受光する
請求項1に記載の撮像デバイス。
【請求項3】
前記複数の偏光子は、略直交する偏光方向に偏光した光を透過する
請求項2に記載の撮像デバイス。
【請求項4】
前記複数の偏光子は、前記レンズ系のいずれの焦点より少なくとも被写体側に設けられる
請求項3に記載の撮像デバイス。
【請求項5】
前記複数の偏光子は、前記レンズ系の瞳面に設けられる
請求項4に記載の撮像デバイス。
【請求項6】
前記複数の偏光子は、前記レンズ系より被写体側に設けられる
請求項4に記載の撮像デバイス。
【請求項7】
前記複数の受光素子は、マトリクス状に配列され、
前記複数の検光子は、前記複数の受光素子のそれぞれの前面にマトリクス状に配列される。
請求項5に記載の撮像デバイス。
【請求項8】
前記複数の受光素子は、前記レンズ系の複数の焦点の間に設けられる
請求項7に記載の撮像デバイス。
【請求項9】
前記複数の受光素子が受光した異なる偏光方向の光により、それぞれ画像を生成する画像生成部
をさらに備える請求項8に記載の撮像デバイス。
【請求項10】
前記画像生成部が生成した複数の画像のうち、画質がより高い画像を撮像画像としてより優先して出力する出力部
をさらに備える請求項9に記載の撮像デバイス。
【請求項11】
前記画像生成部が生成した複数の画像を合成した合成画像を生成する画像合成部
をさらに備える請求項9に記載の撮像デバイス。
【請求項12】
前記画像合成部は、前記画像生成部が生成した複数の画像のうち、より高い画質を有する画像をより大きい重みづけで合成することにより前記合成画像を生成する。
をさらに備える請求項11に記載の撮像デバイス。
【請求項13】
前記レンズ系は、扇形の前記複数の領域毎に異なる焦点距離を有する
請求項7に記載の撮像デバイス。
【請求項14】
前記レンズ系は、同心円で分割される前記複数の領域毎に異なる焦点距離を有する
請求項7に記載の撮像デバイス。
【請求項15】
第1偏光方向の光を透過する第1偏光子が透過する光と第2偏光方向の光を透過する第2偏光子が透過する光とを、互いに異なる位置に結像させる光学素子
をさらに備え、
前記第1偏光子が透過した光を受光する前記複数の受光素子は、前記第1偏光子が透過した光の結像位置の近傍に配列され、
前記第2偏光子が透過する光を受光する前記複数の受光素子は、前記第2偏光子が透過した光の結像位置の近傍に配列される
請求項7に記載の撮像デバイス。
【請求項16】
前記第1偏光子が透過した光を受光する前記複数の受光素子が受光した光により第1画像を生成するとともに、前記第2偏光子が透過した光を受光する前記複数の受光素子が受光した光により第2画像を生成する画像生成部
をさらに備える請求項15に記載の撮像デバイス。
【請求項17】
前記複数の第1偏光素子は、前記複数の領域のそれぞれを通過する、互いに略直交する偏光状態の光をそれぞれ透過する
請求項1に記載の撮像デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−169096(P2009−169096A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7022(P2008−7022)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】