説明

撮像ユニットの製造装置及び方法

【課題】製造に要する時間を短縮すると共に、光源と撮像ユニットとの位置あわせを容易に行うことができる。
【解決手段】撮像ユニットの製造装置は、円盤状の本体251に均等角度で設けられた複数の貫通孔252を有し、設定された回転角で間欠的に回転可能なインデックス部25と、インデックス部の供給位置29の貫通孔252に筐体を供給するローダ23と、供給位置から回転した塗布位置30a,30bにおいて封止剤18を塗布するディスペンサノズル26と、ディスペンサノズル26により塗布位置と塗布位置から回転した照射位置31a,31bにそれぞれ配置され、インデックス部25の本体251下側から貫通孔252を通して紫外線を照射する複数の光源ユニット253,254と、照射位置31a,31bより回転した取り出し位置29において、筐体1を取り出すアンローダ24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子及び光学フィルタを筐体に接合して形成される撮像ユニットの製造装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話に設けられているカメラには図8に示す固体撮像ユニット10が用いられている。該固体撮像ユニット10は、筐体1と、CCDを用いた撮像素子2と、光学フィルタ3とを有する。筐体1は、例えば樹脂又はセラミックからなり、筐体中央部分に貫通穴1aが形成され、該貫通穴1aを形成した、筐体の一面1bには導体部4が形成されている。又、撮像素子2は、基板部2aに撮像部2bを電気的及び機械的に接合してなり、基板部2aの電極にはバンプ2cが形成されている。光学フィルタ3は、撮像素子2へ赤外線が入射するのを防止するためのもので、例えばガラス等にて形成されている。
【0003】
このような部材を有する固体撮像ユニット10に対して光学フィルタ3側に撮影用レンズが配置されることで、固体撮像ユニット10は、該撮影用レンズ、光学フィルタ3、及び貫通穴1aを通過した撮影像を、撮像素子2にて撮像し、その電気信号を、導体部4を介して外部へ送出する。
【0004】
このような固体撮像ユニット10は、図9に示す製造方法にて製造される。すなわち、図8における(a)に示すように、筐体1の貫通穴1aに撮像素子2の撮像部2bを対応させた状態にて、筐体1の導体部4に撮像素子2のバンプ2cを接合することで、撮像素子2は、筐体1に電気的にかつ機械的に取り付けられる。このとき、(a)の工程においては、撮像素子2を筐体1に完全に取り付けるために、図10に示すように、封止剤を塗布した後、紫外線などを照射して当該封止剤を固化させる工程が行われている。
【0005】
図10において、筐体1は一方の面に撮像素子2の外形より大きい凹部7を有するとともに、中央部には撮像素子2の外形より小さく撮像部2bより大きい四角形の窓1aを有する。撮像素子2は撮像部2bを貫通孔1aに向けて筐体1の凹部7に入り込むようにして取り付けられる。凹部7には、撮像素子2の複数のバンプ2cのそれぞれに対応する位置に、銅箔等により作った回路パターンが設けられている。撮像素子2を筐体1に取り付けるときは、回路パターンの端部のパッド部(電気接続をする部分)に導電性接着剤を塗布し、撮像素子2の各バンプ2cがそれぞれ対応する回路パターン4のパッド部に接するように位置決めして取り付ける。これにより撮像素子2は筐体1に仮付けされる。
【0006】
次に、撮像素子2の外周と筐体1の凹部7との隙間7Aに封止剤18をディスペンサノズル9を用いて注入する。ディスペンサノズル9は、図示を省略したX−Y移動装置によって撮像素子2の外周部に沿って移動するようになされている。封止剤18は、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性の樹脂である。紫外線熱硬化性樹脂の例としては、例えばナミックス株式会社製のUV熱硬化型アンダーフィル剤、製品番号XV6841−107のものがある。この樹脂の25℃での粘度は3.5Pa・sである。
【0007】
このUV熱硬化性樹脂に波長が約365nm、照度が100mW/cmの紫外線を照射すると10数秒で表面が硬化する。図10の(b)において、筐体1の下方には波長が約250から430nmの範囲の紫外線を放射する光源(以下、UV光源10という)が設けられている。このようなUV光源8の具体例としては高圧水銀ランプがある。UV光源8からの紫外線は、例えば光ファイバなどにより貫通孔1aの下方に照射され、貫通孔1aを通って撮像素子2の主面2aに照射される。ディスペンサノズル9により封止剤18を隙間7aに注入したとき、余剰の封止剤が撮像素子2の各バンプ2cの隙間を通って撮像部2bの周囲に18aで示すように流れ出す。流れ出た封止剤18aはUV光源からの紫外線を受けて表面が急速に硬化し流動性を失う。従って封止剤18aが撮像部2bにまで流入するのを防止することができる。
【0008】
次に、図8における(b)に示すように、撮像素子2を取り付けた筐体1を反転させた後、図8における(c)に示すように、筐体1の一面1bに対向する他面1cに形成されている凹部1dに、接着剤5を設ける。そして、貫通穴1aに対応させて、凹部1dに光学フィルタ3を、接着剤5を介して接着する。これにて、固体撮像ユニット10が完成する(例えば特許文献1)。
【0009】
ところで、このような固体撮像ユニットを製造する装置としては、例えば、特許文献2に開示されているような装置を用いることができる。特許文献2に記載の装置は、アモルファスシリコンを製造する装置であるが、上記固体撮像ユニット10の製造にも適用できる。すなわち、固体撮像素子をホルダーに配置し、当該撮像素子2に水銀灯から紫外線を照射し、当該封止剤を固定化する。
【0010】
このとき、特許文献3に開示されているように、固体撮像ユニット10をトレイ11に配置し、ディスペンサノズル9からの封止剤18の塗布と紫外線照射を順次行うように処理されている。そして、上述のように塗布中に紫外線照射を行うことができるように、特許文献3においては、トレイ全体を一度に照射できるような大型の光源を用いている。
【0011】
しかし、トレイ全体を照射するような光源を用いた場合は、紫外線照射のための過剰な出力が必要となり、また、トレイを大きく構成するのにも限界がある。そこで、図11に示すように、移動可能な光源ユニット8aを用い、トレイ11の下方でディスペンサノズル9の移動に応じて当該光源ユニット8aを移動させながら、封止剤の塗布、硬化を行う装置が用いられている。
【特許文献1】特開2002−184963号公報
【特許文献2】特開昭61−53718号公報
【特許文献3】特開2002−204400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、このような装置においては、1つあたりの固体撮像ユニットを製造するために要する時間が長くなるという問題がある。すなわち、1つあたりの固体撮像素子の塗布に必要な時間はおよそ5秒程度であるのに対し、紫外線照射はおよそ30秒程度である。すなわち、図11に示す同時に3つの固体撮像ユニット10を照射可能な光源ユニット8aを用いた場合、固体撮像素子の封止剤18の塗布は15秒しか要さないにもかかわらず、紫外線照射は30秒必要とする。従って、ディスペンサノズル9を用いた封止剤の塗布は紫外線照射により封止剤の固化が完了するまで行うことができないという問題があった。
【0013】
また、光源ユニット8aを移動させると、トレイに配置された固体撮像ユニット10と光源ユニットの精密な位置あわせが困難であり、歩留まりが悪くなるという問題があった。
【0014】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、製造に要する時間を短縮すると共に、光源と撮像ユニットとの位置あわせを容易に行うことができる撮像ユニットの製造装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の撮像ユニットの製造装置を提供する。
【0016】
本発明の第1態様によれば、筐体に液剤を塗布し硬化させる撮像ユニットの製造装置において、
円盤状の本体を有し、同心状に配置された複数の貫通孔にそれぞれ前記筐体を係止して配置可能に構成されかつ、設定された回転角ごとに間欠的に回転可能に構成されたインデックス部と、
前記インデックス部の特定された供給位置に存在する貫通孔に前記筐体を供給するローダと、
前記供給位置から回転した塗布位置において前記筐体を封止する封止剤を塗布するディスペンサノズルと、
前記ディスペンサノズルにより前記封止剤が塗布される塗布位置と前記塗布位置から回転した照射位置にそれぞれ配置され、前記インデックス部の本体下側から前記貫通孔を通して前記筐体に紫外線を照射する複数の光源ユニットと、
前記照射位置より前記インデックス部が回転した取り出し位置において、前記筐体を取り出すアンローダとを備える撮像ユニットの製造装置を提供する。
【0017】
本発明の第2態様によれば、前記インデックス部の回転角は、隣り合う前記貫通孔が配置された角度と等しい第1態様の撮像ユニットの製造装置を提供する。
【0018】
本発明の第3態様によれば、前記光源ユニットは、前記塗布位置と、前記塗布位置から前記インデックス部が連続して回転した3つの照射位置とに、4つ設けられている第1又は第2態様の撮像ユニットの製造装置を提供する。
【0019】
本発明の第4態様によれば、前記貫通孔は、前記インデックス部の本体から放射状に複数の同心状の列として配置されている第1から第3態様のいずれか1つの撮像ユニットの製造装置を提供する。
【0020】
本発明の第5態様によれば、前記光源ユニットは、上方が開放された穴部の底面に発光部を有し、前記穴部の側壁は鏡面に構成されている第1から第4態様のいずれか1つの撮像ユニットの製造装置を提供する。
【0021】
本発明の第6態様によれば、筐体に液剤を塗布し硬化させる撮像ユニットの製造方法において、
前記筐体を係止可能な複数の貫通孔が同心状に均等角度で設けられた円盤状の本体を有するインデックス部の特定された供給位置に存在する貫通孔に前記筐体を供給し、
前記インデックス部を間欠的に設定された回転角で回転させて、前記供給位置から回転した塗布位置に前記筐体を移動させ、
前記塗布位置において、前記インデックス部の本体下側から前記貫通孔を通して前記筐体に紫外線を照射しながら前記筐体を封止する封止剤を塗布し、
前記インデックス部を間欠的に設定された回転角で回転させて、前記塗布位置から回転した照射位置に前記筐体を移動させ、
前記照射位置において前記インデックス部の本体下側から前記貫通孔を通して前記筐体に紫外線を照射し、
前記インデックス部を間欠的に設定された回転角で回転させて、前記照射位置から回転した取り出し位置に前記筐体を移動させ、
前記取り出し位置において、前記筐体を取り出すことを特徴とする、撮像ユニットの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、所定角度ごとに間欠的に回転するインデックス部に円周状に撮像ユニットを配置しているので、インデックス部を間欠的に駆動させて高い停止精度を容易に確保することができる。また、光源ユニットを固定した状態としているため、光源ユニットと筐体との位置あわせの精度が高くなり、撮像ユニットの製造の歩留まりを向上させることができる。
【0023】
また、封止剤を塗布する塗布位置、紫外線を照射する照射位置がそれぞれ別の位置に設けられ、また、照射位置を複数とすることが容易であることから複数の光源ユニットを確保することができ、封止剤の塗布と紫外線照射とを同時にかつ連続的に行うことができる。従って、それぞれの工程が停止している時間が短縮でき、その結果、撮像ユニットの製造時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る撮像ユニットの製造装置について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態にかかる撮像ユニットの製造装置の構成を示す斜視図である。図1に示す撮像ユニットの製造装置100は、撮像ユニットの筐体と撮像素子であるCCD素子を固定し、両者の間に存在する隙間を封止剤を用いてするための装置であり、この装置の上流側及び下流側に他の装置が連結されて撮像ユニットの製造システムの一部を構成する装置である。本装置100は、基台となる本体部20と当該本体部20の上に設けられ、本体部の上に配置される各部材を被覆するカバー部21とを備える箱形状の装置である。カバー部21の内側には、撮像ユニットを本装置に供給するための部材、撮像素子に封止剤を塗布するために関連する動作を行う部材、撮像ユニットを取り出すための部材など、種々の装置が格納されている。また、これらの各部材は制御部80によって駆動制御されている。
【0026】
撮像ユニットを本装置に供給するための部材としては、供給シャトル部22が設けられている。供給シャトル部22は、当該装置よりも上流側に位置する装置より、当該撮像ユニットが配置されたパレット101から撮像ユニットを取り出して供給するための装置である。具体的には、上流側の装置から搬出された撮像ユニットを当該パレット101よりシャトル上の治具に載せて本装置に供給し、後述するようにローダ部23によって当該治具に載置されている撮像ユニットを取り出して、封止剤を塗布する工程に移送させる。
【0027】
撮像ユニットに封止剤を塗布するために関連する動作を行う部材は、本実施形態にかかる装置の大部分を構成する。具体的には、ローダ部23、アンローダ部24、インデックス部25、塗布ノズル部26、ノズル移動装置27などが設けられている。
【0028】
ローダ部23は、供給シャトル部22によって供給された撮像ユニットが配置されているパレットから撮像ユニットを取り出してインデックス部25に供給するための部材である。ローダ部は、X軸方向に延在して設けられるガイドレール231と、当該ガイドレール231に沿って移動可能な供給チャック部232を備える。供給チャック部232は、吸引及び吸引解除を切り替えることにより撮像ユニットを脱着可能に保持する。
【0029】
ローダ部23は、供給シャトル部22によって供給されたトレイから撮像素子を取り出すためにガイドレール231に沿って供給チャック部232をトレイの近傍に移動させ、当該供給チャック部232によりトレイから撮像ユニットを取り出す。その後、ガイドレール231に沿ってインデックス部25の近傍に移動し、後述するインデックス部25の供給位置に存在する撮像素子保持用貫通孔に撮像素子を配置する。
【0030】
アンローダ部24は、インデックス部25上で筐体と撮像素子との間に封止剤が塗布された撮像ユニットをインデックス部25から取り出し、本装置の外部に搬出するための部材である。アンローダ部24は、ガイドレール241と、当該ガイドレール241に沿って移動可能な搬出チャック部242を備える。取り出しチャック部242は、吸引及び吸引解除を切り替えることにより封止剤が塗布された撮像ユニットを脱着可能に保持する。
【0031】
アンローダ部24は、インデックス部25から封止剤が塗布された撮像素子を取り出すために、ガイドレール241に沿って取り出しチャック部242をインデックス部の取り出し位置の近傍に移動させ、撮像ユニットを取り出す。その後、ガイドレール241に沿って図示しない搬出装置の近傍に移動し、排出装置に載置されているトレイに封止剤が塗布された撮像ユニットを配置する。
【0032】
インデックス部25は、所定の角度で間欠的に回転可能に構成された円盤状の本体251を有する部材である。インデックス部25は、X軸方向に2つ並べられて配置されており、それぞれのインデックス部25は、独立して駆動制御されている。それぞれのインデックス部25の本体251は、図2に示すように、その周縁に撮像ユニットを保持するための保持用貫通孔252を2列に同心円状に複数有する。保持用貫通孔252は、それぞれの同心円列に16個均等角度で設けられている。また、本体251は、矢印92に示す方向に回転する。本体251の回転に伴い、保持用貫通孔252に保持された撮像ユニットは、塗布ノズル部26が設けられている塗布位置において封止剤が塗布されると共に、後述する光源ユニットから紫外線を照射されて、封止剤を硬化させることができる。インデックス部25の詳細な構成及び動作については、後述する。
【0033】
また、カバー部21の内部のインデックス部25の近傍には、それぞれの光源ユニットに対応するUV光源28がそれぞれ設けられており、各光源ユニットに光ファイバを介して紫外線を供給する。
【0034】
塗布ノズル部26は、ノズル移動装置27に配置され、封止剤を撮像素子と筐体の間に塗布するための部材である。塗布ノズル部26は、1つのインデックス部25に対して、対向位置にそれぞれ2つ配置され、合計で4つ設けられている。それぞれの塗布ノズル26は、上記保持用貫通孔252の内側列と外側列に配置された撮像ユニットに封止剤を塗布するディスペンサノズルを備えている。塗布ノズル部26は、貯留している封止剤をノズルの先端から吐出するために、例えば、シリンジなどの手段により動作制御されており、後述する制御部によってその動作は制御されている。
【0035】
また、ノズル移動装置27は、それぞれの塗布ノズル部26に対応して設けられており、塗布ノズル部26をXYZのそれぞれの方向に駆動させる。具体的には、本体部に配置されたX軸駆動部27X、X軸駆動部27Xに配置されたY軸駆動部27Y、Y軸駆動部27Yに配置されたZ軸駆動部27Zがそれぞれ設けられており、それぞれの駆動部が相対的に独立して駆動することにより、塗布ノズル部26を三次元的に移動させる。
【0036】
撮像ユニットを取り出すための部材としては、図2に示すように排出シャトル部22aが設けられている。排出シャトル部22aは、当該装置よりも下流側に位置する装置より、当該撮像ユニットを配置するためのパレットに封止剤が塗布された撮像ユニットを排出するための装置である。具体的には、アンローダの取り出しチャック部242によりインデックス部25から取り出された封止剤が塗布された撮像ユニットをアンローダ部24の搬出側の領域に配置されているパレットに配置する。
【0037】
次にインデックス部の具体的な構成及び動作について説明する。図3は、インデックス部の概略構成を示す図である。上記のように、インデックス部25の本体251は、矢印92の方向に間欠的に回転可能であり、同心状に2列に配置された保持用貫通孔252に撮像ユニットを保持することができるように構成されている。本体251の近傍には、上記のように塗布ノズル部26や、光源ユニット253,254が配置されており、これらの部材の位置関係によって、本体251の回転位置に応じてそれぞれの工程が行われる。具体的には、本体251が回転することによって、撮像ユニットは、ローダ23によって内側及び外側の保持用貫通孔252に撮像ユニットが同時に供給されると共にアンローダ部24によって当該保持用貫通孔252から封止剤が塗布された撮像ユニットを取り出す供給取り出し位置29、光源ユニット253によって紫外線が照射されながら塗布ノズル部26によって封止剤が塗布される塗布位置30a,30b、光源ユニット254によって塗布された封止剤を硬化させる照射位置31a,31bを順次移動する。なお、塗布位置30a,30bと照射位置31a,31bは、内側及び外側の保持用貫通孔252に対応して本体251の対向位置にそれぞれ設けられており、また、それぞれの照射位置31a,31bは、本体251の連続して3つの間欠的な回転位置に対応して3箇所が対応する。
【0038】
図4は、図2のIV-IV線で切断した場合のインデックス部25の具体的な構成を示す図である。上述のようにインデックス部25は2つ設けられているが、双方とも図4に示した構成を有する。インデックス部25は、本体部20の上面に設けられた台部255を備える。台部255の上面はフランジ状に構成されており、図6Aに示すように、当該上面に光源ユニット253,254及び本体251を回転させるためのステップモータ部257が設けられている。ステップモータ部257は制御部80によって、駆動パルスを受けることにより予め定められた回転角度(本実施形態においては、22.5゜)で間欠的に本体251を16段階に回転させる。回転角度は、本体に設けられている隣り合う保持用貫通孔252がなす角度と一致している。
【0039】
また、フランジ上には、光源ユニット253,254を固定するための固定部258が設けられており、光源ユニット253,254をそれぞれ固定する。隣り合う光源ユニット253,254がなす角度(本実施形態においては、22.5゜)は、ステップモータ部257によって本体251が回転する角度と一致している。したがって、ステップモータ部257の予め定められた角度での回転により、本体251上に配置されている撮像ユニットは、隣り合う光源ユニット253,254上に移動し、位置あわせが高精度に行われる。
【0040】
また、光源ユニット253,254は、図6Aに示すように、光源からの光りを上向き、すなわちZ軸方向に射出する射光部32をそれぞれ備える。射光部32は、上述のようにUV電源28により発光され光ファイバ33により伝送された紫外線を射出する。
【0041】
射光部32は図6Bに示すように、光源ユニット253,254の本体部より突出して設けられている。また、本体251は、図5A,図5Bに示すように、保持用貫通孔252の裏側部分に円形溝34が形成されており、光源ユニット253,254の射光部32が嵌り込むようになっている。この構成によって、より本体251の保持用貫通孔252に近接した状態で紫外線を撮像ユニットに射出することができる。なお、図5Bにおいては、陥入状態を理解しやすく表すために、光源ユニットの射光部32が円形溝34に同時に嵌入した状態として記載されている。実際には、上述したように、光源ユニットは、内側と外側の保持用貫通孔252にそれぞれ対応して2箇所に設けられているため、同時に陥入することはない。
【0042】
図6Bに光源ユニットの射光部の部分拡大図を示す。射光部32は、光ファイバ33を介して紫外線を射出するための筒状本体部36を備える。また筒状本体部36には、紫外線を集めて光り強度を高めるためのレンズ38及び紫外線を拡散させて撮像ユニット10の封止剤が塗布された箇所へ紫外線を到達させるためのレンズ39が設けられている。また、筒状本体部36の内側面は部分的にミラー処理されており、紫外線を反射させて撮像ユニットへの入射角を調整し、撮像ユニットの筐体の奥に紫外線を到達させやすくなっている。
【0043】
本体251の保持用貫通孔252は、本体251に積層して配置される高さ調整部材35に連結されている。当該高さ調整部材35は撮像ユニット10を直接保持する。高さ調整部材35の高さを調整することにより撮像ユニット10の本体251からの高さを調整することができる。なお、高さ調整部35の高さは、塗布ノズル部26に設けられた検査部によって高さ測定され、ノズル移動装置27の塗布ノズル部26の駆動制御に用いられる。
【0044】
次に、本実施形態の撮像ユニットの製造装置100の動作について説明する。図7は、撮像ユニットの製造装置の製造装置の制御動作チャートである。このチャートは、1つの撮像ユニットについての各工程の手順を説明したものであり、実際には、それぞれの位置に存在する撮像ユニットについて同時に複数の工程が行われる。
【0045】
まず、供給取り出し位置29に目的とする撮像ユニットが配置される保持用貫通孔にくると、取り出しチャック部242が下降すると同時に、取り出しチャック部242が当該保持用貫通孔に配置されている封止剤が塗布された撮像ユニットをチャックして保持する。また、同じタイミングで供給チャック部232が下降し、供給チャック部232が撮像ユニットをチャックして供給シャトル部22のトレイに配置されている撮像ユニットを保持する(t1)。その後、t1〜t2のタイミングで供給チャック部232と取り出しチャック部242がそれぞれ移動し、それぞれ保持している撮像ユニットを目的位置に配置する。その後、t2のタイミングで、同様の動作を繰り返し行うが、この場合、アンローダ部24による本体251からの取り出しとローダ部23による本体251への供給のタイミングを異ならせている。これは、次に続くインデックス回転を考慮したものであり、本体251を回転させるためには、ローダ部23による保持貫通孔252への撮像ユニットの供給が完全に終了しなければ動作を開始できないのに対し、アンローダ部24による封止剤塗布済みの撮像ユニットの取り出しは、取り出しチャック部242による保持が終了すれば、取り出しチャック部242の動作中にインデックス回転を行っても問題がないためである。このように、取り出しチャック部242による動作とインデックス回転(t4)とを並行して行うことにより処理時間を短縮することができる。
【0046】
次にインデックスが連続的に回転して塗布位置に撮像ユニット10が到達する(t6)までの間に、取り出しチャック部242と供給チャック部232は、次の撮像ユニットのための保持動作を行う(t5)。
【0047】
塗布位置に撮像ユニット10が到達すると、塗布ノズル部26が駆動して封止剤の塗布が行われる(t6〜t8)。封止剤の塗布はおよそ5秒程度必要とし、この間に同時に塗布位置30aに設けられている紫外線ユニット253から紫外線が射出される。なお、光源ユニット253は紫外線の射出時間をUV光源28に搭載されたタイマーにより制御されており、制御部80による紫外線照射停止の制御はなされていない。
【0048】
つぎにt9のタイミングで本体251がインデックス回転を行い、目的とする撮像ユニットを照射位置31aに搬送する。なお、照射位置に設けられている光源ユニット254は、常時紫外線を照射しており、特にこれ以降、制御部80による動作制御は行われない。すなわち、制御部80は、撮像ユニット10を供給し、封止剤を塗布した後は、インデックス部25の本体251が一回転して供給取り出し位置にもどってくるまで、一切の制御を行うことなく、当該目的とする撮像ユニットを製造することができる。また、この間に、後続の撮像ユニットの供給、封止剤塗布、紫外線硬化の各工程が連続的に行われ、同時に複数の撮像ユニットの製造が行われる。
【0049】
以上説明したように、本発明の撮像素子の製造装置によれば、予め定められた回転角度で回転する円盤状のインデックス部に同心円状に撮像ユニットを配置し、インデックス部の回転により、各工程を切り替える用にしているため、撮像ユニットの位置合わせを高精度に行うことができ、また、同時に複数の撮像ユニットを製造することができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、インデックスの数、塗布ノズル部の数、装置光源ユニットの設置数などは適宜設計により増減させることも可能であり、また、本体251の回転角度を例えば、保持用貫通孔252の半分に設定して、2つのインデックス回転ごとに処理を進めるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、固体撮像素子を筐体に接合して形成される固体撮像ユニットの製造装置、及び方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態にかかる撮像ユニットの製造装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の撮像ユニットの製造装置の平面概略図である。
【図3】図1の撮像ユニットの製造装置のインデックス部の概略構成を示す図である。
【図4】図2のIV-IV線で切断した場合のインデックス部の具体的な構成を示す図である。
【図5A】インデックス部の部分拡大図である。
【図5B】光源ユニットとインデックス部の高さ方向の位置関係を説明するための図である。
【図6A】図1の撮像ユニットの製造装置のインデックス部の台部のフランジの構成を示す平面図である。
【図6B】図1の撮像ユニットの製造装置の光源ユニットの射光部の部分拡大図である。
【図7】図1の撮像ユニットの製造装置の製造装置の制御動作チャートである。
【図8】撮像ユニットの断面図である。
【図9】撮像ユニットの従来の製造方法における動作を説明するための図である。
【図10】(a)は封止剤が塗布される状態にある撮像ユニットの斜視図であり、(b)は、(a)のIb-Ib線における断面図である。
【図11】従来の撮像ユニットの製造装置の動作説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 筐体
2 撮像素子
9 ディスペンサノズル
10 撮像ユニット
11 トレイ
18 封止剤
20 本体部
21 カバー部
23 ローダ部
24 アンローダ部
25 インデックス部
26 塗布ノズル部
27 ノズル移動装置
29 供給取り出し位置
30a,30b 塗布位置
31a,31b 照射位置
32 射光部
34 円形溝
36 筒状本体部
38,39 レンズ
80 制御部
251 本体
252 保持用貫通孔
253,254 光源ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に液剤を塗布し硬化させる撮像ユニットの製造装置において、
円盤状の本体を有し、同心状に配置された複数の貫通孔にそれぞれ前記筐体を係止して配置可能に構成されかつ、設定された回転角ごとに間欠的に回転可能に構成されたインデックス部と、
前記インデックス部の特定された供給位置に存在する貫通孔に前記筐体を供給するローダと、
前記供給位置から回転した塗布位置において前記筐体を封止する封止剤を塗布するディスペンサノズルと、
前記ディスペンサノズルにより前記封止剤が塗布される塗布位置と前記塗布位置から回転した照射位置にそれぞれ配置され、前記インデックス部の本体下側から前記貫通孔を通して前記筐体に紫外線を照射する複数の光源ユニットと、
前記照射位置より前記インデックス部が回転した取り出し位置において、前記筐体を取り出すアンローダとを備えることを特徴とする、撮像ユニットの製造装置。
【請求項2】
前記インデックス部の回転角は、隣り合う前記貫通孔が配置された角度と等しいことを特徴とする、請求項1に記載の撮像ユニットの製造装置。
【請求項3】
前記光源ユニットは、前記塗布位置と、前記塗布位置から前記インデックス部が連続して回転した3つの照射位置とに、4つ設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の撮像ユニットの製造装置。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記インデックス部の本体から放射状に複数の同心状の列として配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の撮像ユニットの製造装置。
【請求項5】
前記光源ユニットは、上方が開放された穴部の底面に発光部を有し、前記穴部の側壁は鏡面に構成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の撮像ユニットの製造装置。
【請求項6】
筐体に液剤を塗布し硬化させる撮像ユニットの製造方法において、
前記筐体を係止可能な複数の貫通孔が同心状に均等角度で設けられた円盤状の本体を有するインデックス部の特定された供給位置に存在する貫通孔に前記筐体を供給し、
前記インデックス部を間欠的に設定された回転角で回転させて、前記供給位置から回転した塗布位置に前記筐体を移動させ、
前記塗布位置において、前記インデックス部の本体下側から前記貫通孔を通して前記筐体に紫外線を照射しながら前記筐体を封止する封止剤を塗布し、
前記インデックス部を間欠的に設定された回転角で回転させて、前記塗布位置から回転した照射位置に前記筐体を移動させ、
前記照射位置において前記インデックス部の本体下側から前記貫通孔を通して前記筐体に紫外線を照射し、
前記インデックス部を間欠的に設定された回転角で回転させて、前記照射位置から回転した取り出し位置に前記筐体を移動させ、
前記取り出し位置において、前記筐体を取り出すことを特徴とする、撮像ユニットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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