説明

撮像制御装置、撮像装置、および、撮像制御装置の制御方法

【課題】撮像条件を適切に設定する撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像制御装置は、文字認識部、物体認識部、および、撮像制御部を具備する。文字認識部は、撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する。物体認識部は、画像に含まれる所定の物体を認識する。撮像条件決定部は、画像を撮像するための撮像条件を前記認識された文字列と前記認識された物体とに基づいて決定する。撮像制御部は、決定された撮像条件に従って前記画像の撮像を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、撮像制御装置、撮像装置、および、撮像制御装置の制御方法に関する。詳しくは、撮像条件を決定する撮像制御装置、撮像装置、および、撮像制御装置の制御方法
に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像が撮像される場面や状況(以下、「撮像シーン」と称する。)を判別して、判別した撮像シーンに合わせて撮像条件を設定する機能を備える撮像装置が普及している。判別対象とされる撮像シーンとしては風景や夜景などのシーンがあり、設定される撮像条件としては、F値、ISO感度、および、ホワイトバランスなどがある。これらの撮像シーンの判別においては、画像データの特徴量が算出されることが多い。例えば、画像データ内の画素値の平均値や、画素値の分布の分布関数における係数などを特徴量として算出するシーン識別装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このシーン識別装置は、算出した特徴量から撮像シーンを判別する。例えば、輝度値の平均値が閾値未満である場合には、夜景のシーンであると判別される。そして、判別された撮像シーンに応じて撮像装置において撮像条件が設定される。例えば、夜景のシーンにおいては、露出を高めにした撮像条件が設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−62605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、適切な撮像条件が設定されないおそれがあった。撮像装置において判別された撮像シーンが実際の撮像シーンと一致しないことがあるためである。例えば、結婚式においては、花嫁等の入場時や退場時に一時的に照明が暗くなったシーンにおいて撮像が行われることがある。この入退場時のシーンにおいては画像内の輝度値の平均値が小さいために撮像装置が夜景のシーンであると判断して露出を高めに設定することがある。ところが、結婚式の入退場時のシーンにおいて露出を高めにすると、露出オーバーにより、ウェディングドレスやウェディングケーキなどの白い部分の階調が失われる(いわゆる、「白とび」が生じる)おそれがある。このように、撮像装置において判別された撮像シーンが実際の撮像シーンと一致しないことにより、不適切な撮像条件が設定されるおそれがあるという問題があった。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、撮像条件を適切に設定する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する文字認識部と、上記画像に含まれる所定の物体を認識する物体認識部と、上記画像を撮像するための撮像条件を上記認識された文字と上記認識された物体とに基づいて決定する撮像条件決定部と、上記決定された撮像条件に従って上記画像の撮像を制御する撮像制御部とを具備する撮像制御装置、および、その制御方法である。これにより、認識された文字と認識された物体とに基づいて撮像条件が決定されるという作用をもたらす。
【0007】
また、この第1の側面において、上記撮像条件決定部は、上記認識された文字列から撮像シーンを判別する文字シーン判別部と、上記判別された撮像シーンと上記認識された物体とに基づいて上記撮像条件を決定する文字シーン撮像条件決定部とを備えてもよい。これにより、判別された撮像シーンと認識された物体とに基づいて撮像条件が決定されるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記撮像条件決定部は、上記撮像シーンの候補ごとに当該候補に関連する上記文字列を対応付けた文字シーン判別データベースをさらに備え、上記文字シーン判別部は、上記文字列が認識された場合には当該文字列に対応する上記候補が上記撮像シーンであると判別してもよい。これにより、文字列に対応する候補が撮像シーンであると判別されるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記撮像条件決定部は、上記撮像シーンと当該撮像シーンに関連する複数の物体との組合せに複数の撮像条件を対応付けた撮像条件テーブルをさらに備え、上記文字シーン撮像条件決定部は、上記複数の撮像条件の中から上記判別された撮像シーンと上記認識された物体との組合せに対応する撮像条件を選択して上記画像を撮像するための撮像条件として決定してもよい。これにより、撮像条件テーブルにおける複数の撮像条件の中から判別された撮像シーンと認識された物体との組合せに対応する撮像条件が選択されるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記文字シーン撮像条件決定部は、上記組合せに対応する上記撮像条件が複数存在する場合には当該対応する撮像条件のうちのいずれかを選択する操作を受け付けて当該選択された撮像条件を上記画像の撮像のための撮像条件として決定してもよい。これにより、選択された撮像条件が画像の撮像のための撮像条件として決定されるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記文字シーン撮像条件決定部は、上記組合せに対応する上記撮像条件が1つである場合には上記操作を受け付けずに当該対応する撮像条件を上記画像の撮像のための撮像条件として決定してもよい。組合せに対応する撮像条件が1つである場合には操作を受け付けずに撮像条件が決定されるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記撮像条件決定部は、上記認識された文字列と上記認識された物体とに基づいて撮像条件を文字シーン撮像条件として決定する文字シーン撮像条件決定部と、上記画像全体の所定の特徴の度合いを示す特徴量に基づいて撮像条件を画像シーン撮像条件として決定する画像シーン撮像条件決定部と、上記文字列が認識された場合には上記文字シーン撮像条件を上記画像の撮像のための撮像条件として決定し、上記文字列が認識されない場合には上記画像シーン撮像条件を上記画像の撮像のための撮像条件として決定する使用撮像条件決定部とを備えてもよい。これにより、文字列が認識された場合には文字シーン撮像条件が撮像条件として決定され、文字列が認識されない場合には画像シーン撮像条件が撮像条件として決定されるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記使用撮像条件決定部は、上記文字列が認識された場合において上記文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件を上記画像の撮像のための撮像条件として決定し、上記撮像制御部は、上記文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って上記画像の撮像を制御してもよい。これにより、文字列が認識された場合には文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件が撮像条件として決定されるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記使用撮像条件決定部は、上記文字列が認識された場合において現在時刻が所定の期間外であるときに上記文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件を上記画像の撮像のための撮像条件として決定し、上記撮像制御部は、上記文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って上記画像の撮像を制御してもよい。これにより、文字列が認識された場合において現在時刻が所定の期間外であるときに文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件が撮像条件として決定されるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記使用撮像条件決定部は、上記文字列が認識された場合において上記文字シーン撮像条件と上記画像シーン撮像条件との組合せが特定の組合せに該当するときに上記文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件を上記画像の撮像のための撮像条件として決定し、上記撮像制御部は、上記文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って上記画像の撮像を制御してもよい。これにより、文字列が認識された場合において文字シーン撮像条件と画像シーン撮像条件との組合せが特定の組合せに該当するときに文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件が撮像条件として決定されるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記使用撮像条件決定部は、上記文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って上記画像が撮像された場合には上記撮像条件を選択する操作に従って上記文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件のうちのいずれかを上記撮像された画像以降の画像を撮像するための撮像条件として決定してもよい。これにより、文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件のそれぞれに従って画像が撮像された場合には操作に従って文字シーン撮像条件および上記画像シーン撮像条件のうちのいずれかが撮像条件として決定されるという作用をもたらす。
【0017】
また、本技術の第2の側面は、撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する文字認識部と、上記画像に含まれる所定の物体を認識する物体認識部と、上記画像を撮像するための撮像条件を上記認識された文字列と上記認識された物体とに基づいて決定する撮像条件決定部と、上記決定された撮像条件に従って上記画像の撮像を制御する撮像制御部とを備える撮像制御装置と、上記制御に従って上記画像を撮像する撮像部とを具備する撮像装置である。これにより、認識された文字列と認識された物体とに基づいて撮像条件が決定されるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0018】
本技術によれば、撮像装置において撮像条件が適切に設定されるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態における撮像装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における画像処理部の一構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における撮像制御装置の一構成例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態における文字シーン判別データベースの一構成例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態における文字シーン撮像条件テーブルの一構成例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態におけるF値およびISO感度の設定例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態における画像シーン撮像条件テーブルの一構成例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態における撮像装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態における撮像条件決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態における文字シーンが表示された画面の一例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態における複数の文字シーンが表示された画面の一例を示す図である。
【図12】変形例における撮像条件決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態における撮像制御装置の一構成例を示すブロック図である。
【図14】第2の実施の形態における文字シーン撮像条件テーブルの一構成例を示す図である。
【図15】第2の実施の形態におけるシーン一致判定テーブルの一構成例を示す図である。
【図16】第2の実施の形態における撮像制御装置の状態遷移図の一例である。
【図17】第2の実施の形態における撮像装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態における撮像条件決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施の形態における文字シーン撮像モード移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態における連写モード移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】第2の実施の形態における画像シーン撮像モード移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】第2の実施の形態における撮像処理の一例を示すフローチャートである。
【図23】第2の実施の形態における連写後モード選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】第2の実施の形態における消去ボタンが表示された画面の一例を示す図である。
【図25】第2の実施の形態における連写後の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(文字列および物体に基づいて撮像条件を決定する例)
2.第2の実施の形態(文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件に従って連写する例)
【0021】
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の構成例]
図1は、第1の実施の形態における撮像装置100の一構成例を示すブロック図である。撮像装置100は、画像を撮像するものであり、撮像レンズ110、撮像素子120、信号処理部130、画像処理部140、および、画像メモリ160を備える。また、撮像装置100は、撮像制御装置200、発光制御部410、フラッシュ420、レンズ制御部430、表示制御部510、ファインダ520、操作部530、媒体インターフェース540、記録媒体550、および、通信インターフェース560を備える。
【0022】
撮像レンズ110は、撮像対象の像を撮像素子120に結像するレンズであり、フォーカスレンズ111、バリエータ112、および、絞り113を備える。フォーカスレンズ111は、合焦を行う際に位置が制御されるレンズである。バリエータ112は、ズーミングを行う際に位置が制御されるレンズである。絞り113は、撮像レンズ110を通過する光量を調節するための遮蔽物である。なお、撮像装置100は、ズームレンズを撮像レンズ110として使用しているが、撮像素子120に像を結像するレンズであれば、固定焦点レンズを使用してもよい。
【0023】
撮像素子120は、撮像レンズ110からの光を光電変換して電気信号を信号処理部130に信号線129を介して出力するものである。この撮像素子120は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどにより、実現することができる。
【0024】
信号処理部130は、撮像制御装置200の制御に従って撮像素子120から供給された電気信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理やAGC(Automatic Gain Control)処理を行うものである。CDS処理は信号ノイズ比(S/N比)を良好に保つための処理であり、AGC処理は利得を制御するための処理である。信号処理部130は、このようにして得られた信号に対してA/D(Analog/Digital)変換を行って、デジタル信号による画像データを形成し、その画像データを画像処理部140に信号線139を介して出力する。
【0025】
画像処理部140は、信号処理部130からの画像データに対して、撮像制御装置200の制御に従ってホワイトバランス調整処理やカラーバランス調整処理などの画像処理を施すものである。画像処理部140は、各種の画像処理を施した画像データを画像メモリ160に信号線159を介して出力する。画像メモリ160は、画像データを記憶するものである。
【0026】
撮像制御装置200は、画像データを撮像するための撮像条件を決定して、その撮像条件に従って画像データの撮像を制御するものである。具体的には、撮像制御装置200は、画像メモリ160に信号線169を介してアクセスして画像データを読み出し、その画像データに含まれる文字列と物体とを認識する。また、撮像制御装置200は、その画像データ全体の特徴の度合いを示す特徴量を算出する。例えば、画素値の統計量や、画素値の分布の分布関数における係数が、特徴量として算出される。撮像制御装置200は、これらの文字列および物体、または、特徴量に基づいて撮像条件を決定する。撮像条件の決定方法の詳細については後述する。そして、撮像制御装置200は、操作部530から撮像を指示する操作信号を受け取ったとき、決定した撮像条件に従って画像処理部140、発光制御部410、および、レンズ制御部430を制御して画像データを撮像する。画像処理部140は、信号線203を介して送信された制御信号により制御され、レンズ制御部430は、信号線205乃至208を介して送信された制御信号により制御される。発光制御部410は、信号線202を介しして送信された制御信号により制御される。
【0027】
また、撮像制御装置200は、信号線209を介して表示制御部510を制御して各種の表示データをファインダ520に表示させる。この表示データには、画像データやメッセージが含まれる。また、ファインダ520がタッチパネルである場合、表示データには、タッチ操作に必要なボタンなどを表示するためのデータが含まれる。さらに、撮像制御装置200は、必要に応じて媒体インターフェース540を介して記録媒体550にアクセスして画像データの書込み処理、または、読み出し処理を実行する。また、撮像制御装置200は、通信インターフェース560を介して画像データなどのデータを送受信する。
【0028】
発光制御部410は、撮像制御装置200の制御に従ってフラッシュ420の発光動作を制御するものである。フラッシュ420は、撮像時に発光するものである。
【0029】
レンズ制御部430は、撮像制御装置200の制御に従って撮像レンズ110の焦点距離や、撮像レンズ110が撮像素子120に与える光量(すなわち、露出)などを制御するものである。このレンズ制御部430は、シャッター制御部431、アイリス制御部432、ズーム制御部433、および、フォーカス制御部434を備える。シャッター制御部431は、信号線436を介して撮像レンズ110と撮像素子120との間にあるシャッターの開閉動作を制御するものである。アイリス制御部432は、信号線437を介して絞り113の絞り量を制御するものである。ズーム制御部433は、信号線438を介してバリエータ112の位置を制御することにより焦点距離を制御するものである。フォーカス制御部434は、信号線439を介してフォーカスレンズ111の位置を合焦位置に制御するものである。
【0030】
なお、撮像レンズ110、撮像素子120、信号処理部130、画像処理部140、画像メモリ160、および、レンズ制御部430は、特許請求の範囲に記載の撮像部の一例である。
【0031】
表示制御部510は、ファインダ520を制御して各種の表示データを表示させるものである。ファインダ520は、表示制御部510の制御に従って表示データを表示するものである。
【0032】
操作部530は、タッチパネルやボタンなどに対するユーザの操作に応じて操作信号を生成し、撮像制御装置200に信号線539を介して出力するものである。
【0033】
媒体インターフェース540は、記録媒体550に対する画像データの書込みおよび記録媒体550からの画像データの読出しを行うものである。記録媒体550としては、半導体メモリを用いたいわゆるメモリカード、記録可能なDVD(Digital Versatile Disk)や記録可能なCD(Compact Disc)等の光記録媒体、磁気ディスクなどの種々のものを用いることができる。
【0034】
通信インターフェース560は、撮像装置100の外部の装置(例えば、情報処理装置)との間において通信を行うものである。通信においては画像データなどが送受信される。
【0035】
図2は、第1の実施の形態における画像処理部140の一構成例を示すブロック図である。画像処理部140は、ホワイトバランス調整部141、カラーバランス調整部142、画素補間処理部143、色補正処理部144、ガンマ補正処理部145、色分解処理部146、空間フィルタ147、および、解像度変換部148を備える。また、画像処理部140は、圧縮伸張処理部149を備える。
【0036】
ホワイトバランス調整部141は、様々な種類の光源(太陽光や蛍光灯など)のうちのいずれかを設定して、設定した光源のもとにおける白色を正確に再現するように画像データの画素値を調整するものである。ホワイトバランス調整部141は、調整後の画像データをカラーバランス調整部142に出力する。
【0037】
カラーバランス調整部142は、画像データにおけるRGB(Red-Green-Blue)などの色相のそれぞれについて輝度やコントラストのバランスを調整するものである。カラーバランス調整部142は、調整後の画像データを画素補間処理部143に出力する。
【0038】
画素補間処理部143は、単色の色成分しか持たない画素からなる画像データに対して画素毎に足りない色成分を補間するデモザイク処理を施すものである。画素補間処理部143は、処理後の画像データを色補正処理部144に出力する。
【0039】
色補正処理部144は、画像データに対して色相ごとに画素値を補正する処理を施すものである。色補正処理部144は、処理後の画像データをガンマ補正処理部145に出力する。
【0040】
ガンマ補正処理部145は、入出力機器の特性に応じて、画像データに対してガンマ補正を行うものである。ガンマ補正処理部145は、補正後の画像データを色分解処理部146に出力する。
【0041】
色分解処理部146は、画像データの色空間を変換する色分解処理を必要に応じて施すものである。例えば、RGBの色空間が、CMYK(Cyan-Magenta-Yellow-blacK)に変換される。色分解処理部146は、処理後の画像データを空間フィルタ147に出力する。
【0042】
空間フィルタ147は、画像データに対してノイズ低減やエッジ強調などの処理を実行するものである。例えば、ノイズを低減する平滑化フィルタや、エッジを強調する微分フィルタなどが使用される。空間フィルタ147において処理された画像データは、解像度変換部148に出力される。
【0043】
解像度変換部148は、必要に応じて画像データの解像度を変換するものである。解像度変換部148は、変換後の画像データを圧縮伸張処理部149に出力する。
【0044】
圧縮伸張処理部149は、必要に応じて画像データを圧縮または伸張するものである。この圧縮伸張処理部149は、解像度変換部148からの画像データを圧縮して画像メモリ160に出力し、画像メモリ160内の圧縮された画像データを伸張して画像メモリ160に出力する。
【0045】
なお、画像処理部140は、ホワイトバランス調整、カラーバランス調整、画素補間処理、色補正処理、ガンマ補正処理、空間フィルタにおける処理、解像度変換処理、圧縮伸張処理の順に画像処理を行っている。しかし、これらの画像処理を異なる順番に従って行ってもよい。また、画像処理部140は、これらの画像処理と異なる画像処理を実行してもよい。
【0046】
[撮像制御装置の構成例]
図3は、第1の実施の形態における撮像制御装置200の一構成例を示すブロック図である。撮像制御装置200は、辞書データ210、文字認識部220、物体認識部230、画像特徴量算出部240、撮像条件決定部250、および、撮像制御部270を備える。
【0047】
辞書データ210は、認識すべき文字毎に標準パターンのデータが登録されたものである。ここで、標準パターンは、認識対象の文字の形状パターンが統計処理によって定量化されたものである。
【0048】
文字認識部220は、辞書データ210を参照して、撮像すべき画像データに含まれる所定の文字からなる文字列を認識するものである。例えば、文字認識部220は、画像データ内の文字と推測される領域の形状パターンと、辞書データ210に登録された標準パターンとの間においてパターンマッチングを行い、最もよく一致する標準パターンを抽出する。抽出された標準パターンに対応する文字が、認識された文字とされる。文字認識部220は、認識した文字からなる文字列を撮像条件決定部250に出力する。
【0049】
物体認識部230は、撮像すべき画像データに含まれる所定の物体を認識するものである。認識される物体は、人物の顔や料理などである。物体認識部230は、例えば、画像データ内の物体と推測される領域の形状パターンと、認識対象の物体の標準パターンとの間においてパターンマッチングを行い、最もよく一致する標準パターンを抽出する。抽出された標準パターンに対応する物体が、認識された物体とされる。文字認識部220は、認識した物体を特定するデータ(名称や識別番号)を撮像条件決定部250に出力する。
【0050】
画像特徴量算出部240は、画像全体の所定の特徴を示す特徴量を算出するものである。特徴量として、画像データ内の画素値の統計量や、画素値の分布の分布関数における係数などが算出される。画像特徴量算出部240は、算出した特徴量を撮像条件決定部250に出力する。
【0051】
撮像条件決定部250は、画像データを撮像するための撮像条件を決定するものであり、文字シーン判別データベース251、文字シーン判別部252、文字シーン撮像条件テーブル254、および、文字シーン撮像条件決定部255を備える。また、撮像条件決定部250は、画像シーン判別部253、画像シーン撮像条件決定部256、画像シーン撮像条件テーブル257、および、使用撮像条件決定部258を備える。
【0052】
文字シーン判別データベース251は、判別対象とされる撮像シーンごとに、その撮像シーンに関連する文字列を対応付けたデータベースである。この文字列に対応する撮像シーンを以下、「文字シーン」と称する。この文字シーンには、その文字シーンにおいて認識されると推測される文字列が対応付けられる。例えば、「結婚式」の文字シーンにおいては、「結婚式」、「披露宴」、または、「挙式」などの文字列が認識されることが想定される。そこで、文字シーンとして「結婚式」を判別する場合には、これらの文字列が「結婚式」に対応付けられる。
【0053】
文字シーン判別部252は、認識された文字列から文字シーンを判別するものである。具体的には、文字シーン判別部252は、文字シーン判別データベース251内の文字列のうちの少なくとも1つが文字認識部220により認識されたか否かを判断する。文字列が1つ以上認識されたならば、文字シーン判別部252は、その文字列に対応する文字シーンを、判別したシーンとして文字シーン撮像条件決定部255に出力する。
【0054】
文字シーン撮像条件テーブル254は、文字シーンと、その文字シーンに関連する複数の物体との組合せに対して複数の撮像条件を対応付けたテーブルである。文字シーンおよび物体の組合せに対応付けられた撮像条件を以下、「文字シーン撮像条件」と称する。ここで、文字シーンに関連する物体は、その文字シーンにおいて被写体とされうる物体である。例えば、結婚式においては、「ウェディングドレス」や「料理」などの物体が被写体とされることがある。そこで、これらの物体が結婚式において撮像されることを想定する場合、「結婚式」の文字シーンと、「ウェディングドレス」および「料理」との組合せのそれぞれに対して、それらの被写体の撮像に適した撮像条件が対応付けられる。
【0055】
文字シーン撮像条件決定部255は、文字シーンから文字シーン撮像条件を決定するものである。具体的には、文字シーン撮像条件決定部255は、判別された文字シーンと認識された物体との組合せに対応する文字シーン撮像条件を文字シーン撮像条件テーブル254から読み出して、文字シーンから求められた撮像条件として決定する。文字シーン撮像条件決定部255は、決定した文字シーン撮像条件を使用撮像条件決定部258に出力する。
【0056】
画像シーン判別部253は、画像全体の特徴量に基づいて撮像シーンを判別するものである。画像全体の特徴量から判別される撮像シーンを以下、「画像シーン」と称する。画像シーン判別部253は、例えば、夜景、夕景、および、ビーチなどの判別対象の画像シーンごとに、基準となる画像全体の特徴量を予め学習しておく。そして、画像シーン判別部253は、画像特徴量算出部240において算出された特徴量と、学習しておいた基準の特徴量のそれぞれとを比較し、最もよく一致する(例えば、ユークリッド距離が最も小さい)基準の特徴量を抽出する。画像シーン判別部253は、抽出した特徴量に対応する画像シーンを、判別したシーンとして画像シーン撮像条件決定部256に出力する。
【0057】
なお、画像シーン判別部253は、特徴量から撮像シーンを判別しているが、特徴量と物体とから撮像シーンを判別してもよい。例えば、特徴量から判別された撮像シーンが風景のシーンであり、物体として顔が認識された場合、画像シーン判別部253は、ポートレートの撮像シーンを画像シーンとして判別する。
【0058】
画像シーン撮像条件テーブル257は、画像シーンのそれぞれに、その画像シーンに適した撮像条件を対応付けたテーブルである。画像シーンに対応付けられた撮像条件を以下、「画像シーン撮像条件」と称する。
【0059】
画像シーン撮像条件決定部256は、画像シーンから撮像条件を決定するものである。具体的には、画像シーン撮像条件決定部256は、画像シーン判別部253において判別された画像シーンに対応する画像シーン撮像条件を画像シーン撮像条件テーブル257から読み出して、画像シーンから求められた撮像条件として決定する。画像シーン撮像条件決定部256は、決定した画像シーン撮像条件を使用撮像条件決定部258に出力する。
【0060】
使用撮像条件決定部258は、文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件のうちのいずれかを撮像に使用すべき撮像条件として決定するものである。使用撮像条件決定部258は、例えば、認識された文字列に対応する文字シーンをファインダ520に表示し、それらを選択または確認する操作信号を受け付ける。そして、使用撮像条件決定部258は、一定期間(例えば、10秒)内にいずれかの文字シーンが選択または確認された場合、その文字シーンに対応する文字シーン撮像条件を使用すべき撮像条件として決定する。一定期間内に、いずれかの文字シーンが選択または確認されなかった場合、使用撮像条件決定部258は、画像シーン撮像条件を使用すべき撮像条件として決定する。使用撮像条件決定部258は、決定した撮像条件を撮像制御部270に出力する。
【0061】
なお、使用撮像条件決定部258は、操作信号に従って撮像条件を決定しているが、操作信号を受け付けずに撮像条件を決定することもできる。例えば、使用撮像条件決定部258は、いずれかの文字シーンが判別された場合には文字シーン撮像条件を撮像条件として決定し、文字シーンが判別されない場合には画像シーン撮像条件を撮像条件として決定してもよい。
【0062】
撮像制御部270は、決定された撮像条件に従って画像データの撮像を制御するものである。例えば、撮像制御部270は、発光制御部410、画像処理部140、シャッター制御部431、アイリス制御部432、ズーム制御部433、および、フォーカス制御部434を制御する。これらの制御により、フラッシュの発光動作、画像処理、シャッタースピード、F値、および、ズーム倍率などが制御される。
【0063】
なお、撮像制御装置200は、文字シーン撮像条件に加えて画像シーン撮像条件を求めているが、文字シーン撮像条件のみを求める構成としてもよい。この場合、撮像制御装置200は、画像特徴量算出部240、画像シーン判別部253、画像シーン撮像条件決定部256、および、画像シーン撮像条件テーブル257、および、使用撮像条件決定部258を備える必要はない。そして、操作信号は、文字シーン撮像条件決定部255に入力され、文字シーン撮像条件決定部255は、その操作信号に従って文字シーン撮像条件を決定する。
【0064】
図4は、第1の実施の形態における文字シーン判別データベース251の一構成例を示す図である。文字シーン判別データベース251においては、文字シーンと、その文字シーンに関連する文字列とが対応付けられる。例えば、「結婚式」の文字シーンには、結婚式に関連する「結婚」、「結婚式」、および、「Wedding」などの文字列が対応付けられる。また、「ビーチ」の文字シーンには、ビーチに関連する「海」、「Sea」、および、「浜」などの文字列が対応付けられる。
【0065】
図5は、第1の実施の形態における文字シーン撮像条件テーブル254の一構成例を示す図である。文字シーン撮像条件テーブル254においては、文字シーンと複数の物体との組合せに対して複数の文字シーン撮像条件が対応付けられる。例えば、「結婚式」の文字シーンには、「ドレスまたはケーキ」および「スポットライト」などの物体が対応付けられる。文字シーン撮像条件には、「F値」、「ISO感度」、「ホワイトバランス」、「ガンマ補正」、「撮影距離」、および、「フラッシュ」などの条件が含まれる。
【0066】
ここで、「F値」および「ISO感度」の欄には、それらの値がシャッタースピード優先AE(Auto Exposure)において調節される範囲が記載される。その範囲内において、ユーザが設定したシャッタースピードに応じて、露出値が適切な値となるようにF値およびISO感度が設定される。
【0067】
また、F値について、例えば、料理や顔を被写体とする場合、その被写体のみに焦点が合う(言い換えれば、被写界深度が狭くなる)ように、小さいF値(例えば、1.5)が設定される。一方、物体が未検出である場合、被写界深度が大きくなるように大きなF値(例えば、3.0乃至5.0)が設定される。
【0068】
また、ISO感度について、結婚式は室内で行われることが想定されるため、文字シーンが結婚式である場合、光量を十分に得る目的でISO感度は若干高感度(例えば、400乃至1000)に設定される。一方、ビーチでは、直射日光から十分に光量が得られるため、ISO感度は低感度(例えば、100)に設定される。
【0069】
また、ガンマ補正について、結婚式におけるドレスやケーキは通常白いため、これらを被写体とする場合、例えば、白側が強調されるように設定される。また、撮影距離について、結婚式においてウェディングケーキ以外の料理は至近距離で撮像されることが多いため、これらを被写体とする場合、例えば、マクロ撮影に設定される。また、フラッシュについて、顔を被写体とする場合、顔において十分に光量が得られるようにフラッシュを強制発光させるように設定される。
【0070】
図6は、図7における「結婚式」の文字シーンにおいて、物体が未検出の場合のF値およびISO感度の設定例である。ここで、露出値は、シャッタースピードが遅いほど、F値が小さいほど、また、ISO感度が高いほど、大きくなる。この関係に基づいて、シャッタースピードに応じて、適切な露出値が得られるように、F値およびISO感度が設定される。シャッタースピードが遅い(例えば、1秒である)場合、F値が大きくISO感度が低くとも十分に光量(言い換えれば、高い露出値)が得られる。このため、F値は大きな値(例えば、3.0)に、ISO感度は低感度(例えば、400)に設定される。F値およびISO感度は、シャッタースピードごとに予め設定しておいた値を使用してもよいし、シャッタースピードから一定の計算式により算出してもよい。
【0071】
なお、シャッタースピード優先AEに代えて絞り優先AEを採用し、ユーザが設定したF値に応じて、シャッタースピードおよびISO感度を設定してもよい。また、シャッタースピード、F値、ISO感度のうちの一部または全てを固定値としてもよい。
【0072】
図7は、第1の実施の形態における画像シーン撮像条件テーブル257の一構成例を示す図である。画像シーン撮像条件テーブル257においては、画像シーンのそれぞれに、その画像シーンに適した撮像条件が画像シーン撮像条件として対応付けられる。
【0073】
[撮像装置の動作例]
図8は、第1の実施の形態における撮像装置100の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、例えば、撮像素子120からの画像データをリアルタイムにファインダ520に表示するモード、いわゆるライブビューモードに撮像装置100が移行したときに開始する。このライブビューモードにおいて、撮像装置100は、画像データを画像メモリ160に保持する(ステップS902)。そして、撮像装置100内の撮像制御装置200は、画像データに含まれる所定の文字と所定の物体とを認識し(ステップS903およびS904)、画像全体の特徴量を算出する(ステップS905)。撮像制御装置200は、撮像条件を決定するための撮像条件決定処理を実行する(ステップS910)。
【0074】
そして、撮像装置100は、シャッターボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS971)。シャッターボタンが押下された場合(ステップS971:Yes)、撮像装置100は、決定された撮像条件に従って画像データを撮像する(ステップS972)。シャッターボタンが押下されない場合(ステップS971:No)、またはステップS972の後、撮像装置100は、ステップS902に戻る。
【0075】
[撮像制御装置の動作例]
図9は、第1の実施の形態における撮像条件決定処理の一例を示すフローチャートである。撮像制御装置200は、画像全体の特徴量から画像シーンを判別する(ステップS911)。撮像制御装置200は、文字シーン判別データベース251における所定の文字列が認識されたか否かを判断する(ステップS912)。文字列が認識された場合(ステップS912:Yes)、撮像制御装置200は、認識された文字列に対応する文字シーンの名称をファインダ520に表示させる。そして、撮像制御装置200は、文字シーンが複数である場合には、それらのうちのいずれかを選択する操作を受け付け、文字シーンが1つである場合には、その文字シーンを確認する操作を受け付ける(ステップS913)。撮像制御装置200は、一定時間内にいずれかの文字シーンが選択または確認されたか否かを判断する(ステップS914)。
【0076】
一定時間内にいずれかが選択または確認された場合には(ステップS914:Yes)、撮像制御装置200は、その文字シーンおよび物体の組合せに対応する文字シーン撮像条件を撮像条件として決定する(ステップS915)。文字列が認識されなかった場合(ステップS912:No)、または、一定時間内にいずれかが選択または確認されなった場合(ステップS914:No)、撮像制御装置200は、画像シーン撮像条件を撮像条件として決定する(ステップS916)。ステップS915またはS916の後、撮像制御装置200は、撮像条件決定処理を終了する。
【0077】
図10は、第1の実施の形態における文字シーンが表示されたファインダ520の画面の一例を示す図である。この画面に映った画像データには、「Wedding」の文字列が含まれている。文字シーン判別データベース251において「Wedding」に結婚式が対応付けられている場合、撮像装置100は、結婚式の文字シーンを表示する。そして、一定時間内に、この文字シーンを確認する操作を受け付けると、撮像装置100は、結婚式および物体に対応する文字シーン撮像条件を決定して撮像を行う。
【0078】
図11は、第1の実施の形態における複数の文字シーンが表示された画面の一例を示す図である。この画面に映った画像データには、「Wedding」および「Sea」の文字列が含まれている。文字シーン判別データベース251において「Wedding」および「Sea」に結婚式およびビーチが対応付けられている場合、撮像装置100は、結婚式の文字シーンとビーチの文字シーンとを表示する。そして、一定時間内に、いずれかの文字シーンを選択する操作を受け付けると、撮像装置100は、選択された文字シーンおよび物体に対応する文字シーン撮像条件を決定して撮像を行う。
【0079】
なお、撮像装置100は、文字シーンが複数存在する場合に、それらの文字シーンの中のいずれかを選択するようにユーザに促す表示を行う構成としている。しかし、撮像装置100は、さらに詳細に、文字シーンおよび物体に対応する撮像条件が複数存在する場合に、それらの撮像条件の中のいずれかを選択するようにユーザに促す表示を行う構成とすることもできる。
【0080】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、撮像制御装置200は、撮像すべき画像に含まれる所定の文字および所定の物体を認識して、認識された文字および物体に基づいて撮像条件を決定する。これにより、画像の撮像シーンが、その画像において認識された文字列および物体から判別されて、判別された撮像シーンに適した撮像条件が決定される。したがって、撮像装置100は、画像全体の特徴量からは判別困難な撮像シーンであっても撮像条件を適切に決定することができる。
【0081】
例えば、結婚式において、花嫁等の入場時や退場時に一時的に照明が暗くなったシーンで撮影が行われる場合を想定する。この場合、撮像装置が画像の特徴量のみから撮像シーンを判別する構成では、画像内の輝度値の平均値が小さいために夜景のシーンを撮像シーンとして判別してしまうことがある。しかし、夜景のシーンに対応する撮像条件に従って撮像すると、露出オーバーによりウェディングドレスなどにおいて白とびが発生するおそれがある。これに対して、撮像制御装置200は、「Wedding」などの文字列から結婚式の文字シーンを判別し、結婚式のシーンとドレス等の物体との組合せに対応する撮像条件に従って、露出を抑え、ガンマ補正において白側を強調するなどして撮像を行う。この結果、適切な撮像条件が決定され、白とびなどが生じなくなる。
[変形例]
【0082】
図12を参照して、本技術の第1の実施の形態における変形例について説明する。図12は、第1の実施の形態の変形例における撮像条件決定処理の一例を示すフローチャートである。変形例における撮像条件決定処理は、文字列に対応する文字シーンが1つである場合に、ユーザの操作を受け付けずに、その文字シーンに対応する文字シーン撮像条件を使用する撮像条件として決定する点において図9に例示した撮像条件決定処理と異なる。具体的には、撮像制御装置200は、所定の文字列が認識された場合(ステップS912:Yes)、対応する文字シーンが複数であるか否かを判断する(ステップS917)。文字シーンが1つである場合(ステップS917:No)、撮像制御装置200は、その文字シーンおよび物体に対応する文字シーン撮像条件を使用する撮像条件として決定する(ステップS918)。ステップS918の後、撮像制御装置200は、撮像条件決定処理を終了する。文字シーンが複数である場合(ステップS917:Yes)、撮像制御装置200は、認識された文字列に対応する文字シーンを表示する(ステップS913)。変形例におけるステップS913以降の処理は、第1の実施の形態と同様である。
【0083】
このように変形例によれば、文字シーンが1つである場合に、確認の操作を受け付けずに撮像条件を決定する。これにより、文字シーンが1つである場合にユーザは確認の操作を行う必要がなくなり、利便性が向上する。
【0084】
<2.第2の実施の形態>
[撮像制御装置の構成例]
図13乃至図25を参照して、本技術の第2の実施の形態について説明する。図13は、第2の実施の形態における撮像制御装置200の一構成例を示すブロック図である。第2の実施の形態の撮像制御装置200は、一定の条件下で文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件のそれぞれに従って画像を連続して撮像する点において第1の実施の形態と異なる。
【0085】
第2の実施の形態の撮像条件決定部250は、文字シーン設定時間計時部259およびシーン一致判定テーブル260をさらに備える。また、第2の実施の形態の文字シーン撮像条件テーブル254には、文字シーンごとに時間条件がさらに設定される。この時間条件には、時間に関して、その条件を満たしているか否かにより文字シーンの設定が誤っているか否かを判断することができるような条件が設定される。例えば、結婚式は3時間以内で終了することが多いため、結婚式の文字シーンの設定時間が3時間を越える場合には、文字シーンの設定が誤っている可能性がある。このため、結婚式の文字シーンについては、設定時間が3時間以内であることが時間条件とされる。また、ビーチの文字シーンに対応する撮像条件は、日中のビーチを想定して設定されているため、現在時刻が日中(例えば、午前8時から午後6時までの期間内)であることが時間条件とされる。
【0086】
文字シーン設定時間計時部259は、同一の文字シーンが連続して設定されている時間を計時するものである。文字シーン設定時間計時部259は、計時した時間を使用撮像条件決定部258に出力する。
【0087】
シーン一致判定テーブル260は、画像シーンと文字シーンとの組合せごとに、その組合せにおける文字シーンと画像シーンとが一致しているか否かを記載したテーブルである。
【0088】
第2の実施の形態の文字シーン判別部252は、文字列に対応する文字シーンが1つである場合、その文字シーンを使用すべき文字シーンとして決定する。一方、文字列に対応する文字シーンが複数である場合、文字シーン判別部252は、それらの中のいずれかを使用すべき文字シーンとして選択する。例えば、文字シーン判別部252は、文字の大きさが最も大きい文字列に対応する文字シーンを選択する。なお、使用撮像条件決定部258は、第1の実施の形態と同様にユーザの操作に従って文字シーンを選択してもよい。
【0089】
使用撮像条件決定部258は、使用すべき文字シーンの設定時間や現在時刻に基づいて文字シーンに対応する時間条件が満たされているか否かを判断する。時間条件が満たされていないときに使用撮像条件決定部258は、シーン一致判定テーブル260を参照して文字シーンと画像シーンとが一致しているか否かを判断する。文字シーンと画像シーンとが不一致であるときに使用撮像条件決定部258は、文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件の両方を使用すべき撮像条件として決定する。撮像制御部270は、文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件のうちの一方のみが撮像条件に決定された場合には、その撮像条件のみに従って画像が撮像されるように制御する。一方、文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件の両方が撮像条件として決定された場合には、撮像制御部270は、それらの撮像条件のそれぞれに従って画像が連続して撮像されるように制御する。
【0090】
図14は、第2の実施の形態における文字シーン撮像条件テーブル254の一構成例を示す図である。この文字シーン撮像条件テーブル254には、文字シーンごとに時間条件がさらに設定される。例えば、結婚式の文字シーンには、時間条件として「設定開始から3時間以内」であることが設定される。また、ビーチの文字シーンには、時間条件として「現在時刻が日中」であることが設定される。なお、時間条件は、時間に関する条件であれば、図14に例示した条件に限定されない。例えば、ビーチの文字シーンの時間条件として、さらに詳細に「現在時刻が6月乃至9月の日中」であることを設定してもよい。
【0091】
図15は、第2の実施の形態におけるシーン一致判定テーブル260の一構成例を示す図である。シーン一致判定テーブル260には、文字シーンと画像シーンとの組合せごとに、その組合せにおける文字シーンおよび画像シーンが一致するか否かが記載される。図15において、「○」印は、撮像シーン同士が一致していることを示し、「×」印は、撮像シーン同士が一致していないことを示す。文字シーンおよび画像シーンが一致するか否かは、それぞれの撮像シーンに対応する撮像条件が似ているか否かにより決定される。例えば、花火の文字シーンと、夜景の画像シーンとが一致するか否かについて考える。花火は一般に夜間に撮像されることから、花火の撮像のための撮像条件は、夜景の撮像のための撮像条件とよく似たものとなる。このため、花火の文字シーンと夜景の画像シーンとは一致しているものとして設定される。
【0092】
なお、シーン一致判定テーブル260の構成は、文字シーンと画像シーンとの組合せごとに撮像シーンが一致するか否かが記載される構成に限られない。例えば、さらに詳細に、文字シーン撮像条件と画像シーン撮像条件との組合せごとに撮像条件が一致するか否かをテーブルに記載しておいてもよい。この場合、撮像制御装置200は、撮像条件が不一致であるときに文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件の両方を撮像条件に決定する。
【0093】
図16は、第2の実施の形態における撮像制御装置200の状態遷移図の一例である。前述したように撮像制御装置200は、文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件のうちのいずれか一方、または、両方を撮像条件として決定する。撮像制御装置200が画像シーン撮像条件のみを撮像条件として決定した状態を以下、「画像シーン撮像モード」と称する。撮像制御装置200が文字シーン撮像条件のみを撮像条件として決定した状態を以下、「文字シーン撮像モード」と称する。また、撮像制御装置200が画像シーン撮像条件および文字シーン撮像条件の両方を撮像条件として決定した状態を以下、「連写モード」と称する。
【0094】
撮像制御装置200の初期状態は、例えば、画像シーン撮像モード610に設定される。この画像シーン撮像モード610において撮像制御装置200は、所定の文字列の認識に失敗した場合には状態を維持し、文字列の認識に成功した場合には文字シーン撮像モード620に移行する。この文字シーン撮像モード620において撮像制御装置200は、文字シーンの設定を解除するための消去ボタンをファインダ520に表示させる。そして、撮像制御装置200は、消去ボタンを押下する操作の受け付けを開始する。例えば、タッチパネルをファインダ520として用い、撮像制御装置200は、消去ボタンの表示箇所に指などが触れる操作を、消去ボタンを押下する操作として受け付ける。
【0095】
文字シーン撮像モード620において消去ボタンが押下された場合には、撮像制御装置200は、消去ボタンの表示を終了して画像シーン撮像モード610に移行する。文字シーン撮像モード620において撮像シーンの不一致を検出した場合には撮像制御装置200は、消去ボタンの表示を継続して連写モード630に移行する。そして撮像制御装置200は、連写モード630における撮像後に文字シーンおよび画像シーンのいずれかの選択を促すメッセージをファインダ520に表示させて、撮像条件を選択する操作を受け付ける。連写モード630において連写後に文字シーンが選択された場合には、撮像制御装置200は文字シーン撮像モード620に移行する。連写モード630において連写後に画像シーンが選択された場合または連写前に消去ボタンが押下された場合には、撮像制御装置200は、画像シーン撮像モード610に移行する。
【0096】
[撮像装置の動作例]
図17は、第2の実施の形態における撮像装置100の動作の一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態の撮像装置100の動作は、ステップS972の代わりにステップS901、S980、および、S990を実行する点において第1の実施の形態と異なる。
【0097】
撮像装置100は、文字シーン設定時間計時部259における文字シーン設定時間を初期化し、撮像制御装置200の状態を画像シーン撮像モードに設定する(ステップS901)。そして、撮像装置100は、ステップS902乃至S971を実行する。これらのステップにおける処理は、第1の実施の形態と同様である。シャッターボタンが押下された場合に(ステップS971:Yes)、撮像装置100は撮像処理を実行し(ステップS980)、その後に撮像条件を選択するための連写後モード選択処理を実行する(ステップS990)。ステップS990の後、撮像装置100は、ステップS902に戻る。
【0098】
[撮像制御装置の動作例]
図18は、第2の実施の形態における撮像条件決定処理の一例を示すフローチャートである。撮像制御装置200は、現在の状態が画像シーン撮像モードであるか否かを判断する(ステップS921)。画像シーン撮像モードである場合(ステップS921:Yes)、撮像制御装置200は、文字シーン撮像モードに移行するか否かを判定するための文字シーン撮像モード以降判定処理を実行する(ステップS930)。
【0099】
現在の状態が画像シーン撮像モードでない場合(ステップS921:No)、撮像制御装置200は、文字シーン撮像モードであるか否かを判断する(ステップS922)。文字シーン撮像モードである場合(ステップS922:Yes)、撮像制御装置200は、連写モードに移行するか否かを判定するための連写撮像モード移行判定処理を実行する(ステップS940)。文字シーン撮像モードでない場合、すなわち連写モードである場合(ステップS922:No)、またはステップS940の後、撮像制御装置200は、画像シーン撮像モード移行判定処理を実行する(ステップS950)。この画像シーン撮像モード移行判定処理は、画像シーン撮像モードに移行するか否かを判定するための処理である。ステップS930またはS950の後、撮像制御装置200は、撮像条件決定処理を終了する。
【0100】
図19は、第2の実施の形態における文字シーン撮像モード移行判定処理の一例を示すフローチャートである。撮像制御装置200は、所定の文字列が認識されたか否かを判断する(ステップS931)。所定の文字列が認識された場合(ステップS931:Yes)、撮像制御装置200は、文字シーンおよび物体に対応する文字シーン撮像条件を撮像条件として決定して、文字シーン撮像モードに移行する。文字シーン撮像モードに移行すると、撮像制御装置200は、認識した文字列に対応する文字シーンの名称と消去ボタンとの表示をファインダ520に開始させる(ステップS932)。文字列が認識されなかった場合(ステップS931:No)、撮像制御装置200は、特徴量から判別された画像シーンに対応する画像シーン撮像条件を撮像条件として決定する(ステップS933)。ステップS932またはS933の後、撮像制御装置200は、文字シーン撮像モード移行判定処理を終了する。
【0101】
図20は、第2の実施の形態における連写モード移行判定処理の一例を示すフローチャートである。撮像制御装置200は、現在設定されている文字シーンの設定時間または現在時刻を参照して、文字シーンの時間条件を満たしているか否かを判断する(ステップS941)。時間条件が満たされていない場合に(ステップS941:No)、撮像制御装置200は、シーン一致判定テーブル260を参照して、判別された画像シーンと文字シーンとが一致しているか否かを判断する(ステップS942)。画像シーンと文字シーンとが不一致である場合に(ステップS942:No)、撮像制御装置200は、画像シーンに対応する画像シーン撮像条件を撮像条件としてさらに決定して連写モードに移行する。連写モードに移行しても文字シーンの名称および消去ボタンの表示は継続される(ステップS943)。時間条件が満たされている場合(ステップS941:Yes)、画像シーンと文字シーンとが一致している場合(ステップS942:Yes)、または、ステップS943の後、撮像制御装置200は連写モード移行判定処理を終了する。
【0102】
なお、撮像制御装置200は、時間条件を満たしておらず、且つ、撮像シーンが不一致であることを連写モードの移行条件としているが、この移行条件と異なる条件に従って連写モードに移行してもよい。例えば、撮像制御装置200は、時間条件を満たしているか否かに関らずに撮像シーンが不一致であるときに連写モードに移行してもよい。また、撮像制御装置200は、撮像シーンが一致しているか否かに関らずに時間条件を満たしていないときに連写モードに移行してもよい。あるいは、時間条件や撮像シーンの不一致に関らずに、文字列が認識された場合に連写モードに移行してもよい。文字列が認識されたことのみを連写モードの移行条件とする場合には、撮像制御装置200の状態に文字シーン撮像モードが含まれず、画像シーン撮像モードおよび連写モードのみとなる。
【0103】
図21は、第2の実施の形態における画像シーン撮像モード移行判定処理の一例を示すフローチャートである。撮像制御装置200は、消去ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS951)。消去ボタンが押下された場合(ステップS951:Yes)、撮像制御装置200は、画像シーンに対応する画像シーン撮像条件を撮像条件として決定して画像シーン撮像モードに移行する。画像シーン撮像モードに移行すると、撮像制御装置200は、文字シーンの名称および消去ボタンの表示を終了させる(ステップS952)。消去ボタンが押下されていない場合(ステップS951:No)、または、ステップS952の後、撮像制御装置200は、画像シーン撮像モード移行判定処理を終了する。
【0104】
図22は、第2の実施の形態における撮像処理の一例を示すフローチャートである。撮像装置100は、撮像制御装置200の状態が画像シーン撮像モードであるか否かを判断する(ステップS981)。画像シーン撮像モードである場合(ステップS981:Yes)、撮像装置100は、決定された画像シーン撮像条件に従って画像を撮像する(ステップS982)。画像シーン撮像モードでない場合(ステップS981:No)、撮像装置100は、撮像制御装置200の状態が文字シーン撮像モードであるか否かを判断する(ステップS983)。文字シーン撮像モードである場合(ステップS983:Yes)、撮像装置100は、決定された文字シーン撮像条件に従って画像を撮像する(ステップS984)。文字シーン撮像モードでない場合、すなわち連写モードである場合(ステップS983:No)、撮像装置100は、文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件のそれぞれに従って2枚の画像を連写する(ステップS985)。ステップS982、S984、または、S985の後、撮像装置100は、撮像処理を終了する。
【0105】
図23は、第2の実施の形態における連写後モード選択処理の一例を示すフローチャートである。撮像制御装置200は、現在の状態が連写モードであるか否かを判断する(ステップS991)。連写モードである場合(ステップS991:Yes)、撮像制御装置200は、画像シーン撮像モードおよび文字シーン撮像モードのうちのいずれかの選択をユーザに促すメッセージをファインダ520に表示させる。例えば、撮像制御装置200は、画像シーン撮像モードおよび文字シーン撮像モードに対応する文字シーンおよび画像シーンの名称を表示して、それらのいずれかを選択を促すメッセージを表示する(ステップS992)。
【0106】
そして、撮像制御装置200は、モードを選択するための操作を受け付け、モードが選択されたか否かを判断する(ステップS993)。モードが選択されなければ(ステップS993:No)、撮像制御装置200はステップS993に戻る。モードが選択されたのであれば(ステップS993:Yes)、撮像制御装置200は、選択されたモードが画像シーン撮像モードであるか否かを判断する(ステップS994)。画像シーン撮像モードである場合に(ステップS994:Yes)、撮像制御装置200は、画像シーン撮像モードに移行する(ステップS995)。一方、文字シーン撮像モードである場合に(ステップS994:No)、撮像制御装置200は、文字シーン撮像モードに移行する(ステップS996)。画像シーン撮像モードに移行した場合は、撮像制御装置200は、文字シーンの名称および消去ボタンの表示を終了させる。連写モードでない場合(ステップS991:No)、または、ステップS995あるいはステップS996の後、撮像制御装置200は、連写後モード選択処理を終了する。
【0107】
図24は、第2の実施の形態における消去ボタンが表示された画面の一例を示す図である。文字列が認識された場合、例えば、ファインダ520の右上に、認識された文字列に対応する文字シーンの名称と消去ボタンとが表示される。消去ボタンが押下されると、撮像制御装置200は、文字シーンの設定を解除して画像シーン撮像モードに移行する。消去ボタンの押下という簡易な操作により撮像装置100が設定した文字シーンを解除することができるため、ユーザが撮像シーンの設定変更に煩わしさを感じることがなくなる。消去ボタンが押されずに、撮像シーンの不一致が検出されると、撮像制御装置200は、連写モードに移行する。
【0108】
なお、ファインダ520に表示した消去ボタンの押下により文字シーンの設定を解除する構成としているが、別の操作に従って文字シーンの設定を解除する構成としてもよい。例えば、撮像装置100は、消去ボタンは表示せずに設定した文字シーンのみをファインダ520に表示し、ファインダ520以外の箇所に設けられた所定のボタンやレバーを操作することにより文字シーンを解除する構成とすることもできる。
【0109】
図25は、第2の実施の形態における連写後の画面の一例を示す図である。例えば、結婚式の文字シーンと夜景の画像シーンとのそれぞれの撮像条件に従って連写された場合、撮像制御装置200は、結婚式のシーンと夜景のシーンとのいずれかを選択するメッセージをファインダ520に表示させる。撮像制御装置200は、結婚式のシーン(すなわち、文字シーン)が選択された場合には文字シーン撮像モードに移行し、夜景のシーン(すなわち、画像シーン)が選択された場合には画像シーン撮像モードに移行する。
【0110】
なお、撮像制御装置200は、シーンの選択を促すメッセージをファインダ520に表示させる構成としているが、このメッセージを音声により出力する構成とすることもできる。
【0111】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、撮像制御装置200は、文字シーンと画像シーンとが不一致である場合に、文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件の両方を撮像条件に設定する連写モードに移行する。これにより、ユーザの操作を必要とせずに文字シーン撮像条件および画像シーン撮像条件の両方が設定されるため、それぞれの撮像条件に従って撮像を行うタイミングを逃すことがなくなる。
【0112】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0113】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0114】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する文字認識部と、
前記画像に含まれる所定の物体を認識する物体認識部と、
前記画像を撮像するための撮像条件を前記認識された文字と前記認識された物体とに基づいて決定する撮像条件決定部と、
前記決定された撮像条件に従って前記画像の撮像を制御する撮像制御部と
を具備する撮像制御装置。
(2)前記撮像条件決定部は、
前記認識された文字列から撮像シーンを判別する文字シーン判別部と、
前記判別された撮像シーンと前記認識された物体とに基づいて前記撮像条件を決定する文字シーン撮像条件決定部と
を備える前記(1)記載の撮像制御装置。
(3)前記撮像条件決定部は、前記撮像シーンの候補ごとに当該候補に関連する前記文字列を対応付けた文字シーン判別データベースをさらに備え、
前記文字シーン判別部は、前記文字列が認識された場合には当該文字列に対応する前記候補が前記撮像シーンであると判別する
前記(2)記載の撮像制御装置。
(4)前記撮像条件決定部は、前記撮像シーンと当該撮像シーンに関連する複数の物体との組合せに複数の撮像条件を対応付けた撮像条件テーブルをさらに備え、
前記文字シーン撮像条件決定部は、前記複数の撮像条件の中から前記判別された撮像シーンと前記認識された物体との組合せに対応する撮像条件を選択して前記画像を撮像するための撮像条件として決定する
前記(2)または(3)記載の撮像制御装置。
(5)前記文字シーン撮像条件決定部は、前記組合せに対応する前記撮像条件が複数存在する場合には当該対応する撮像条件のうちのいずれかを選択する操作を受け付けて当該選択された撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定する
前記(4)記載の撮像制御装置。
(6)前記文字シーン撮像条件決定部は、前記組合せに対応する前記撮像条件が1つである場合には前記操作を受け付けずに当該対応する撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定する
前記(5)記載の撮像制御装置。
(7)前記撮像条件決定部は、
前記認識された文字列と前記認識された物体とに基づいて撮像条件を文字シーン撮像条件として決定する文字シーン撮像条件決定部と、
前記画像全体の所定の特徴の度合いを示す特徴量に基づいて撮像条件を画像シーン撮像条件として決定する画像シーン撮像条件決定部と、
前記文字列が認識された場合には前記文字シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定し、前記文字列が認識されない場合には前記画像シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定する使用撮像条件決定部と
を備える前記(1)記載の撮像制御装置。
(8)前記使用撮像条件決定部は、前記文字列が認識された場合において前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定し、
前記撮像制御部は、前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って前記画像の撮像を制御する
前記(7)記載の撮像制御装置。
(9)前記使用撮像条件決定部は、前記文字列が認識された場合において現在時刻が所定の期間外であるときに前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定し、
前記撮像制御部は、前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って前記画像の撮像を制御する
前記(7)または(8)記載の撮像制御装置。
(10)前記使用撮像条件決定部は、前記文字列が認識された場合において前記文字シーン撮像条件と前記画像シーン撮像条件との組合せが特定の組合せに該当するときに前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定し、
前記撮像制御部は、前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って前記画像の撮像を制御する
前記(7)乃至(9)のいずれかに記載の撮像制御装置。
(11)前記使用撮像条件決定部は、前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って前記画像が撮像された場合には前記撮像条件を選択する操作に従って前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のうちのいずれかを前記撮像された画像以降の画像を撮像するための撮像条件として決定する
前記(7)乃至(10)のいずれかに記載の撮像制御装置。
(12)撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する文字認識部と、前記画像に含まれる所定の物体を認識する物体認識部と、前記画像を撮像するための撮像条件を前記認識された文字列と前記認識された物体とに基づいて決定する撮像条件決定部と、前記決定された撮像条件に従って前記画像の撮像を制御する撮像制御部とを備える撮像制御装置と、
前記制御に従って前記画像を撮像する撮像部と
を具備する撮像装置。
(13)文字認識部が、撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する文字認識手順と、
物体認識部が、前記画像に含まれる所定の物体を認識する物体認識手順と、
撮像条件決定部が、前記画像を撮像するための撮像条件を前記認識された文字列と前記認識された物体とに基づいて決定する撮像条件決定手順と、
撮像制御部が、前記決定された撮像条件に従って前記画像の撮像を制御する撮像制御手順と
を具備する撮像制御装置の制御方法。
【符号の説明】
【0115】
100 撮像装置
110 撮像レンズ
111 フォーカスレンズ
112 バリエータ
113 絞り
120 撮像素子
130 信号処理部
140 画像処理部
141 ホワイトバランス調整部
142 カラーバランス調整部
143 画素補間処理部
144 色補正処理部
145 ガンマ補正処理部
146 色分解処理部
147 空間フィルタ
148 解像度変換部
149 圧縮伸張処理部
160 画像メモリ
200 撮像制御装置
210 辞書データ
220 文字認識部
230 物体認識部
240 画像特徴量算出部
250 撮像条件決定部
251 文字シーン判別データベース
252 文字シーン判別部
253 画像シーン判別部
254 文字シーン撮像条件テーブル
255 文字シーン撮像条件決定部
256 画像シーン撮像条件決定部
257 画像シーン撮像条件テーブル
258 使用撮像条件決定部
259 文字シーン設定時間計時部
260 シーン一致判定テーブル
270 撮像制御部
410 発光制御部
420 フラッシュ
430 レンズ制御部
431 シャッター制御部
432 アイリス制御部
433 ズーム制御部
434 フォーカス制御部
510 表示制御部
520 ファインダ
530 操作部
540 媒体インタ−フェース
550 記録媒体
560 通信インターフェース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する文字認識部と、
前記画像に含まれる所定の物体を認識する物体認識部と、
前記画像を撮像するための撮像条件を前記認識された文字と前記認識された物体とに基づいて決定する撮像条件決定部と、
前記決定された撮像条件に従って前記画像の撮像を制御する撮像制御部と
を具備する撮像制御装置。
【請求項2】
前記撮像条件決定部は、
前記認識された文字列から撮像シーンを判別する文字シーン判別部と、
前記判別された撮像シーンと前記認識された物体とに基づいて前記撮像条件を決定する文字シーン撮像条件決定部と
を備える請求項1記載の撮像制御装置。
【請求項3】
前記撮像条件決定部は、前記撮像シーンの候補ごとに当該候補に関連する前記文字列を対応付けた文字シーン判別データベースをさらに備え、
前記文字シーン判別部は、前記文字列が認識された場合には当該文字列に対応する前記候補が前記撮像シーンであると判別する
請求項2記載の撮像制御装置。
【請求項4】
前記撮像条件決定部は、前記撮像シーンと当該撮像シーンに関連する複数の物体との組合せに複数の撮像条件を対応付けた撮像条件テーブルをさらに備え、
前記文字シーン撮像条件決定部は、前記複数の撮像条件の中から前記判別された撮像シーンと前記認識された物体との組合せに対応する撮像条件を選択して前記画像を撮像するための撮像条件として決定する
請求項2記載の撮像制御装置。
【請求項5】
前記文字シーン撮像条件決定部は、前記組合せに対応する前記撮像条件が複数存在する場合には当該対応する撮像条件のうちのいずれかを選択する操作を受け付けて当該選択された撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定する
請求項4記載の撮像制御装置。
【請求項6】
前記文字シーン撮像条件決定部は、前記組合せに対応する前記撮像条件が1つである場合には前記操作を受け付けずに当該対応する撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定する
請求項5記載の撮像制御装置。
【請求項7】
前記撮像条件決定部は、
前記認識された文字列と前記認識された物体とに基づいて撮像条件を文字シーン撮像条件として決定する文字シーン撮像条件決定部と、
前記画像全体の所定の特徴の度合いを示す特徴量に基づいて撮像条件を画像シーン撮像条件として決定する画像シーン撮像条件決定部と、
前記文字列が認識された場合には前記文字シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定し、前記文字列が認識されない場合には前記画像シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定する使用撮像条件決定部と
を備える請求項1記載の撮像制御装置。
【請求項8】
前記使用撮像条件決定部は、前記文字列が認識された場合において前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定し、
前記撮像制御部は、前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って前記画像の撮像を制御する
請求項7記載の撮像制御装置。
【請求項9】
前記使用撮像条件決定部は、前記文字列が認識された場合において現在時刻が所定の期間外であるときに前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定し、
前記撮像制御部は、前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って前記画像の撮像を制御する
請求項7記載の撮像制御装置。
【請求項10】
前記使用撮像条件決定部は、前記文字列が認識された場合において前記文字シーン撮像条件と前記画像シーン撮像条件との組合せが特定の組合せに該当するときに前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件を前記画像の撮像のための撮像条件として決定し、
前記撮像制御部は、前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って前記画像の撮像を制御する
請求項7記載の撮像制御装置。
【請求項11】
前記使用撮像条件決定部は、前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のそれぞれに従って前記画像が撮像された場合には前記撮像条件を選択する操作に従って前記文字シーン撮像条件および前記画像シーン撮像条件のうちのいずれかを前記撮像された画像以降の画像を撮像するための撮像条件として決定する
請求項7記載の撮像制御装置。
【請求項12】
撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する文字認識部と、前記画像に含まれる所定の物体を認識する物体認識部と、前記画像を撮像するための撮像条件を前記認識された文字列と前記認識された物体とに基づいて決定する撮像条件決定部と、前記決定された撮像条件に従って前記画像の撮像を制御する撮像制御部とを備える撮像制御装置と、
前記制御に従って前記画像を撮像する撮像部と
を具備する撮像装置。
【請求項13】
文字認識部が、撮像すべき画像に含まれる所定の文字列を認識する文字認識手順と、
物体認識部が、前記画像に含まれる所定の物体を認識する物体認識手順と、
撮像条件決定部が、前記画像を撮像するための撮像条件を前記認識された文字列と前記認識された物体とに基づいて決定する撮像条件決定手順と、
撮像制御部が、前記決定された撮像条件に従って前記画像の撮像を制御する撮像制御手順と
を具備する撮像制御装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−98879(P2013−98879A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241823(P2011−241823)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】