説明

撮像本体部及びそれを備えた撮像装置

【課題】薄型でありながら、受光部のサイズが異なる撮像素子を用いることが可能な撮像本体部を提供すると共に、受光部のサイズに適したファインダー光学系を提供すること、及び撮像装置を提供する。
【解決手段】光学ユニットが脱着される脱着部と、撮像素子と、変換学光学系と、ファインダー光学系を有する撮像本体部であって、前記変換光学系は中間像を形成する光学系であり、前記ファインダー光学系は光路折り曲げ部材を有し、該光路折り曲げ部材は、前記脱着部を挟んで前記撮像素子と反対側に設けられ、該光路折り曲げ部材における反射面の向きは、折り曲げ後の光路の光軸が前記変換光学系の光軸と平行となるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光学系が脱着可能な撮像本体部、及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影目的に応じて撮像素子をサイズの異なるものと交換できるカメラが知られている(特許文献1参照)。このカメラは、略横長の箱型のカメラ本体と、銀塩一眼レフカメラ用の撮影レンズとを備えている。カメラ本体は、銀塩一眼レフカメラ用のカメラ本体をそのまま流用している。裏蓋としては、銀塩カメラ用のものと、デジタルカメラ用のものがある。そして、デジタルカメラ用の裏蓋をカメラ本体に装着することができ、これにより、デジタルカメラとして使用可能となる。さらに、CCD基板を交換することができるようになっている。これにより、一つのカメラ本体2で異なるデジタルカメラを構成することができる。
【特許文献1】特開2000−59655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された技術では、交換可能なCCDは、それぞれ受光部のサイズが、横16mm×縦12mmと横24mm×縦18mmである。これは、銀塩フィルムのサイズ横36mm×縦24mmよりも小さい。そのため、受光部の大きなサイズの撮像素子を用いることができなかった。
【0004】
本発明は従来技術のこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄型でありながら、受光部のサイズが異なる撮像素子を用いることが可能な撮像本体部を提供すると共に、観察がしやすいファインダー光学系を提供することである。また、撮像本体部を備えた撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の撮像本体部は、光学ユニットが脱着される脱着部と、撮像素子と、変換学光学系と、ファインダー光学系を有する撮像本体部であって、前記変換光学系は中間像を形成する光学系であり、前記ファインダー光学系は光路折り曲げ部材を有し、該光路折り曲げ部材は、前記脱着部を挟んで前記撮像素子と反対側に設けられ、該光路折り曲げ部材における反射面の向きは、折り曲げ後の光路の光軸が前記変換光学系の光軸と平行となるように設定され、該折り曲げ後の光路に別の光学系が配置されていることを特徴とする。
【0006】
また、前記別の光学系は、別の光路折り曲げ部材と接眼レンズを備え、該別の光路折り曲げ部材は、該接眼レンズの光入射側に配置されると共に、該接眼レンズから出射した光を前記変換光学系の光軸から離れる方向に反射するように設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、前記別の光学系は、結像光学系と接眼レンズを備え、前記結像光学系は中間像を形成する光学系であり、前記接眼レンズは、その光軸が前記変換光学系の光軸と平行となるように設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成する本発明の撮像装置は、上記の撮像本体部と前記光学ユニットを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上の本発明によると、薄型でありながら、受光部のサイズが異なる撮像素子を用いることが可能な撮像本体部を得ると共に、観察がしやすいファインダー光学系を得ることができる。また、この撮像本体部を備えた撮像装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態について説明する。第1の実施形態の撮像本体部を図1に示す。図1において、撮像本体部1は、脱着部2と、撮像素子3と、変換学光学系4と、ファインダー光学系6を有する。脱着部2は、例えば、バヨネットである。この脱着部2を介して、光学ユニットが脱着できるようになっている。また、本実施形態では、撮像素子3の前方に、フィルタ5が配置されている。
【0011】
変換学光学系4は脱着部2と撮像素子3の間に配置されている。この変換学光学系4により、脱着部2と撮像素子3の間に中間像Iが形成される。
【0012】
変換光学系4は、前側レンズ系4a,4bと後側レンズ系4cで構成されている。前側レンズ系4a,4bは、全体として正の屈折力を有している。また、後側レンズ系4cは、全体として正の屈折力を有している。
【0013】
ここで、前側レンズ系4a,4bは、中間像Iの近傍に配置された正の屈折力のレンズ4aと、さらに別の正の屈折力のレンズ4bを有する。レンズ4aは中間像の近傍に配置されているので、フィールドレンズとして機能する。
【0014】
なお、図1では、前側レンズ系4a,4bと後側レンズ系4cを、それぞれ1枚のレンズとしている。しかしながら、前側レンズ系4a,4bと後側レンズ系4cを、それぞれ複数のレンズで構成しても良い。
【0015】
変換学光学系4は、中間像を形成する光学系である。このようにすれば、被写体の像を大きくした場合であっても、収差の少ない像が得られる。
【0016】
ファインダー光学系6は光路折り曲げ部材10を有している。本実施形態では、光路折り曲げ部材10はプリズムである。なお、光路折り曲げ部材10はミラーであっても良い。また、光路折り曲げ部材10における反射面の向きは、折り曲げ後の光路の光軸L2が変換光学系4の光軸L1と平行となるように設定されている。なお、光軸L1と光軸L2は完全に平行である必要は無い。そして、折り曲げ後の光路に別の光学系が配置されている。
【0017】
ここで、本実施形態の撮像部本体1は、撮像部本体1内に光路分割手段を有していない。光路分割手段は、後述の光学ユニット内に設けられている。よって、光学ユニットが撮像部本体1に装着されたとき、光学ユニットは、光路分割手段は脱着部2よりも手前(脱着部2を挟んで撮像素子3と反対側)に位置する。そのため、光路折り曲げ部材10は、脱着部2を挟んで撮像素子3と反対側に設けられている。これにより、光路分割手段で反射された光、すなわち被写体からの光をファインダー光学系6に導くことができる。
【0018】
ファインダー光学系6は、ファインダー光学系6内で中間像(以下、第2中間像)を形成しない光学系と、第2中間像を形成する光学系がある。本実施形態では、ファインダー光学系6は際2中間像を形成しない光学系である。よって、ファインダー光学系6は、別の光学系として、別の光路折り曲げ部材11と接眼レンズ12を備えている。
【0019】
被写体からの光は、光学ユニットを介してファインダー光学系6に向かう。そして、中間像(以下、第1中間像I’とする)を形成する。続いて、光路折り曲げ部材10に入射する。ここで、光路折り曲げ部材10はペンタプリズムである。ペンタプリズムの入射面10aを通過した光は第1反射面10bで反射され、第2反射面10cに向かう。第2反射面10cは、折り曲げ後の光路の光軸L2が変換光学系4の光軸L1と平行となるように、反射面の向きが設定されている。よって、第2反射面10cで反射された光(軸上主光線)は、変換光学系4の光軸L1と平行となり、出射面10dを通過する。
【0020】
出射面10dから出射した光は、別の光路折り曲げ部材11に入射する。この別の光路折り曲げ部材11はミラーである。別の光路折り曲げ部材11は、接眼レンズ12の光入射側に配置されている。そして、入射した光を接眼レンズ12に向けて反射する。ここで、接眼レンズ12は、光軸L2を挟んで、変換光学系4と反対側に配置されている。よって、別の光路折り曲げ部材11(その反射面)は、接眼レンズ12から出射した光を、変換光学系4の光軸L1から離れる方向に反射するように設けられている。
【0021】
このように、本実施形態の撮像部本体1は、本体内部に変換学光学系4を備えている。このため、この変換学光学系4によって、受光部全体に被写体の像を大きく形成できる。その結果、撮像素子3に受光部の大きな素子を用いることができる。なお、受光部のサイズが小さい撮像装置用の撮影光学系であっても、変換学光学系4によって、被写体の像を大きく形成できる。よって、既存の撮影光学系が使えるというメリットがある。また、本実施形態の撮像部本体1は、撮像部本体1内に光路分割手段を有していない。よって、撮像部本体1の薄型化ができる。
【0022】
なお、本実施形態では、撮像部本体1に変換学光学系4があるので、光軸方向に厚みを有する。しかしながら、本実施形態におけるファインダー光学系6は、接眼レンズから出射した光を変換光学系の光軸から離れる方向に反射するようにしているので、観察がしやすいファインダー光学系6を提供できる。
【0023】
さらに、本実施形態におけるファインダー光学系6は、中間像(第2中間像とする)を形成しないため、2つの光路折り曲げ部材10,11と接眼レンズ12という少ない部品点で構成されている。よって、ファインダー光学系6の構成を簡素にすることができる。
【0024】
また、本実施形態におけるファインダー光学系6では、第2中間像を形成する場合と比べて、第1中間像I’からアイポイントまでの距離が短くなる。しかしながら、接眼レンズ12から出射した光を、変換光学系4の光軸L1から離れる方向に導いている。よって、際、撮影者は撮像部本体1の上方からファインダーを介して被写体を確認できるので、被写体の確認に支障をきたすことが無い。
【0025】
本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の撮像本体部を図2に示す。なお、図1と同じ構成については同じ番号を付し、その説明は省略する。本実施形態の撮像本体部1’はファインダー光学系6’を有する。
【0026】
本実施形態では、ファインダー光学系6’は第2中間像を形成する光学系である。よって、ファインダー光学系6’は、別の光学系として、結像光学系13と接眼レンズ12を備えている。結像光学系13は第1のレンズ13aと第2レンズ13bで構成されている。
【0027】
被写体からの光は、光学ユニットを介してファインダー光学系6’に向かう。そして、第1中間像I’を形成する。第1中間像I’の近傍には第1レンズ13aが配置されている。第1レンズ13aを通過した光は、光路折り曲げ部材10’に入射する。ここで、光路折り曲げ部材10’はミラーである。光路折り曲げ部材10’に入射した光は、その反射面で反射される。
【0028】
このとき、光路折り曲げ部材10’は、折り曲げ後の光路の光軸L2が変換光学系4の光軸L1と平行となるように、反射面の向きが設定されている。よって、光路折り曲げ部材10’で反射された光(軸上主光線)は、変換光学系4の光軸L1と平行となり、第2レンズ13bに向かう。第2レンズ13bに入射した光は、第2中間像I”を形成する。そして、第2中間像I”からの光は、接眼レンズ12に入射する。ここで、接眼レンズ12は、その光軸が変換光学系4の光軸L1と平行となるように設けられている。そして、折り曲げ後の光路に別の光学系が配置されている。
【0029】
上記のように、ファインダー光学系6’では第2中間像I”を形成するため、第2中間像I”を形成しない場合と比べて、第1中間像I’からアイポイントまでの距離が長くなる。ここで、上記のように、本実施形態では、撮像部本体1に変換学光学系4があるので、光軸方向に厚みを有する。しかしながら、本実施形態におけるファインダー光学系6は、第2中間像I”を形成するので、接眼レンズ12の位置を撮像部本体1の背面寄りに配置できる。よって、観察がしやすいファインダー光学系6を提供できる。また、光路折り曲げ部材10’、第2レンズ13b及び接眼レンズ12を直列に配置できる。これにより、ファインダー光学系6の光路と簡素にできる。
【0030】
次に、第3の実施形態として、撮像装置を図3に示す。本実施形態の撮像装置20は、撮像本体部1と光学ユニット21を備えている。なお、図3に示すように、光学ユニット21は、撮影光学系22と、光路分割手段23と駆動機構24を有している。この光学ユニット21は、脱着部2を介して撮像本体部1と接続されている。これにより、被写体の像は、撮影光学系22と変換学光学系4を介して、撮像素子3上に形成される。
【0031】
第4の実施形態として、別の撮像装置を図4に示す。本実施形態の撮像装置20’は、撮像本体部1’と光学ユニット21を備えている。
【0032】
なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形例をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態における撮像本体部を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における撮像本体部を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態における撮像装置を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態における撮像装置を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1,1’ 撮像本体部
2 脱着部
3 撮像素子
4, 変換光学系
4a,4b, 前側レンズ系
4c 後側レンズ系
5 フィルタ
6,6’ ファインダー光学系
10 光路折り曲げ部材(プリズム)
10a 入射面
10b,10c 反射面
10d 入射面
10’ 光路折り曲げ部材(ミラー)
11 ミラー
12 接眼レンズ
13 結像光学系
13a 第1レンズ
13b 第2レンズ
20,20’ 撮像装置
21 光学ユニット
22 撮影光学系
23 光路分割手段
24 駆動機構
I 中間像
I’ 第1中間像
I” 第2中間像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学ユニットが脱着される脱着部と、
撮像素子と、
変換学光学系と、
ファインダー光学系を有する撮像本体部であって、
前記変換光学系は中間像を形成する光学系であり、
前記ファインダー光学系は光路折り曲げ部材を有し、
該光路折り曲げ部材は、前記脱着部を挟んで前記撮像素子と反対側に設けられ、
該光路折り曲げ部材における反射面の向きは、折り曲げ後の光路の光軸が前記変換光学系の光軸と平行となるように設定され、
該折り曲げ後の光路に別の光学系が配置されていることを特徴とする撮像本体部。
【請求項2】
前記別の光学系は、別の光路折り曲げ部材と接眼レンズを備え、
該別の光路折り曲げ部材は、該接眼レンズの光入射側に配置されると共に、該接眼レンズから出射した光を前記変換光学系の光軸から離れる方向に反射するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撮像本体部。
【請求項3】
前記別の光学系は、結像光学系と接眼レンズを備え、
前記結像光学系は中間像を形成する光学系であり、
前記接眼レンズは、その光軸が前記変換光学系の光軸と平行となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撮像本体部。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像本体部と前記光学ユニットを備えたことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−192808(P2009−192808A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33188(P2008−33188)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】