説明

撮像機能付き表示装置及びその駆動方法

【課題】撮像機能付き表示装置において、表示面における所望の表示及び正確な撮像を両立させること。
【解決手段】撮像機能付き表示装置に、表示用光源(第1の発光素子)と、点灯時に表示に影響を及ぼさない撮像用光源(第2の発光素子)とを別途設ける。当該表示装置においては、表示用光源を用いて表示を行っている期間中に撮像用光源を用いて適宜撮像を行うことが可能である。これにより、当該表示装置における表示面における所望の表示及び正確な撮像を両立させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像機能付き表示装置及びその駆動方法に関する。特に、当該表示装置が発する光を被検出物に照射し、当該被検出物から反射される光を検出する撮像機能付き表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が画面に触れることで、当該画面の表示を操作することが可能な表示装置(いわゆる、タッチパネル)が開発されている。例えば、特許文献1には、被検出物の撮像に対する外光の影響を低減することが可能な表示装置(タッチパネル)が開示されている。具体的には、特許文献1で開示される表示装置は、表示面が発光している状態における撮像及び表示面が発光していない状態における撮像を行い、両者の差分を検出することで外光の影響が低減された被検出物の撮像が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−276223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示される表示装置では、表示に用いられる光を撮像に利用している。すなわち、被検出物によって反射される当該光を検出することによって撮像を行っている。したがって、撮像される被検出物が表示装置における表示の影響を受けることになる。具体的に述べると、当該表示装置において黒表示を行っている領域においては、被検出物の撮像を行うことが困難であるなどの影響を受けることになる。他方、撮像を行うために表示面の全てを発光させる場合、所望の表示を行うことが困難であるなどの影響を受けることになる。
【0005】
上述した課題に鑑み、本発明の一態様は、表示面における所望の表示及び正確な撮像を両立させることを目的の一とする。また、本発明の一態様は、上記の特性を有する表示装置を簡便な構成によって実現することを目的の一とする。なお、本発明の一態様は、上述した目的の少なくとも一を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題は、表示装置に表示用光源と、点灯時に表示に影響を及ぼさない撮像用光源とを別途設けることによって解決することが可能である。ここで、撮像用光源が点灯時に表示に影響を及ぼさないためには、当該撮像用光源が発する光の広がる範囲が表示面に比して狭いこと及び当該撮像用光源の点灯期間が短いことなどが要求される。このような条件を満たす撮像用光源として、本発明の一態様では、発光素子(例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう))を適用することを要旨とする。なお、当該発光素子を表示用光源及び撮像用光源として有する表示装置は、LEDをバックライトとする液晶表示装置と比較すると、表示素子に設けられる表示用光源と同程度のサイズの撮像用光源を設けることができるため撮像用光源自体の面積を狭くすることが可能であり、且つ液晶表示装置における液晶の応答速度などの律速点が存在せず発光期間の短期化を容易に行うことが可能である。
【0007】
さらに、本発明の一態様の表示装置が有する発光素子は、表示用光源と撮像用光源が白色を呈する光を発光することが可能な発光層を共有する。すなわち、単一の発光層に対して表示用光源及び撮像用光源を構成する電極を適宜設けることによって、表示用光源及び撮像用光源を作製する。これにより、当該発光層を所望の形状に形成する工程を設ける必要がなく、簡便に表示用光源及び撮像用光源を作製することが可能である。なお、当該表示装置においては、表示用光源が発光する白色を呈する光をカラーフィルターによって有彩色を呈する光へと変化させ、当該有彩色を呈する光を用いて表示を行う。
【0008】
具体的には、本発明の一態様は、白色を呈する光を発光する第1の発光素子及び第2の発光素子と、前記白色を呈する光に含まれる第1の特定範囲の波長の光を吸収し、前記白色を呈する光に含まれる第2の特定範囲の波長の光を透過させるカラーフィルターと、前記白色を呈する光又は前記白色を呈する光に含まれる特定波長の光が照射されることで光電流を生じるフォトダイオードと、を有し、前記第2の特定範囲の波長の光は有彩色を呈する光であって、前記第1の発光素子が発光する光を基とする前記有彩色を呈する光を用いて表示を行い、前記第2の発光素子が発光する光又は前記第2の発光素子が発光する光に含まれる前記特定波長の光を被検出物に照射し、前記被検出物から反射される光を前記フォトダイオードに照射することで撮像を行うことを特徴とする撮像機能付き表示装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様の表示装置は、表示用光源(第1の発光素子)と、点灯時に表示に影響を及ぼさない撮像用光源(第2の発光素子)とを別途有する。当該表示装置においては、表示用光源を用いて表示を行っている期間中に撮像用光源を用いて適宜撮像を行うことが可能である。これにより、当該表示装置における表示面における所望の表示及び正確な撮像を両立させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示装置の構成例を示す図。
【図2】(A)表示素子の構成例を示す回路図、(B)撮像用光源素子の構成例を示す回路図、(C)光センサの構成例を示す回路図。
【図3】表示装置の構造例を示す断面図。
【図4】(A)、(B)表示装置の撮像方法例を示す図。
【図5】表示装置の構造例を示す断面図。
【図6】(A)〜(F)電子機器の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0012】
<表示装置の構成例>
まず、本発明の一態様の表示装置の構成例について図1〜3を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一態様の表示装置の構成例を示す図である。図1に示す表示装置は、画素部10と、電源回路11と、信号線駆動回路12と、走査線駆動回路13と、撮像用光源駆動回路14と、光センサ駆動回路15と、撮像信号読み出し回路16とを有する。さらに、画素部10には、マトリクス状に配設された複数の表示素子20と、マトリクス状に配設された撮像素子25とを有する。なお、撮像素子25は、撮像用光源素子21と、光センサ22とを有する。
【0014】
図2(A)は、図1に示す表示素子20の構成例を示す回路図である。図2(A)に示す表示素子20は、ゲートが走査線130に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線120に電気的に接続されたNチャネル型トランジスタ201と、ゲートがNチャネル型トランジスタ201のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が高電源電位(VDD)を供給する配線111(以下、高電源電位線111ともいう)に電気的に接続されたPチャネル型トランジスタ202と、一方の電極がNチャネル型トランジスタ201のソース及びドレインの他方並びにPチャネル型トランジスタ202のゲートに電気的に接続され、他方の電極が高電源電位線111に電気的に接続された容量素子203と、アノードがPチャネル型トランジスタ202のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、カソードが低電源電位(VSS)を供給する配線112(以下、低電源電位線112ともいう)に電気的に接続された発光素子204とを有する。
【0015】
なお、走査線130は、走査線駆動回路13によって電位が制御される配線である。また、信号線120は、信号線駆動回路12によって電位が制御される配線である。また、高電源電位線111は、電源回路11によって固定電位である高電源電位(VDD)が供給される配線である。また、低電源電位線112は、電源回路11によって固定電位である低電源電位(VSS)が供給される配線である。また、走査線130は、画素部10においてマトリクス状に配設された複数の表示素子20の行毎に設けられる。そして、行毎に設けられた複数の走査線130のそれぞれの電位は、走査線駆動回路13によって独立に制御される。同様に、信号線120は、画素部10においてマトリクス状に配設された複数の表示素子20の列毎に設けられる。そして、列毎に設けられた複数の信号線120のそれぞれの電位は、信号線駆動回路12によって独立に制御される。
【0016】
図2(B)は、図1に示す撮像素子25が有する撮像用光源素子21の構成例を示す回路図である。図2(B)に示す撮像用光源素子21は、Nチャネル型トランジスタ211と、Pチャネル型トランジスタ212と、容量素子213と、発光素子214とを有する。なお、図2(B)に示す撮像用光源素子21の回路構成は、図2(A)に示す表示素子20と同じであるため、詳細な説明は割愛する。ただし、図2(B)に示す撮像用光源素子21においては、Nチャネル型トランジスタ211のゲートが点灯期間制御信号線141に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が点滅制御信号線140に電気的に接続される点が図2(A)に示す表示素子20と異なる。また、撮像用光源素子21が有する発光素子214は、表示素子20が有する発光素子204と比較して瞬間的な強光を発光することが可能であることが好ましい。したがって、Pチャネル型トランジスタ212の電流駆動能力は、Pチャネル型トランジスタ202の電流駆動能力よりも高いことが好ましい。例えば、Pチャネル型トランジスタ212の(W/L)の値がPチャネル型トランジスタ202の(W/L)の値よりも大きいことが好ましい。なお、ここで、Wはチャネル幅を表し、Lはチャネル長を表す。
【0017】
なお、点灯期間制御信号線141は、画素部10においてマトリクス状に配設された複数の撮像素子25の行毎に設けられる。そして、行毎に設けられた複数の点灯期間制御信号線141は、それぞれが共通の配線を介して撮像用光源駆動回路14に電気的に接続されている。すなわち、複数の点灯期間制御信号線141のそれぞれの電位は、撮像用光源駆動回路14によって一括制御される。同様に、点滅制御信号線140は、画素部10においてマトリクス状に配設された複数の撮像素子25の列毎に設けられる。そして、列毎に設けられた複数の点滅制御信号線140は、それぞれが共通の配線を介して撮像用光源駆動回路14に電気的に接続されている。すなわち、複数の点滅制御信号線140のそれぞれの電位は、撮像用光源駆動回路14によって一括制御される。
【0018】
図2(C)は、図1に示す撮像素子25が有する光センサ22の構成例を示す回路図である。図2(C)に示す光センサ22は、アノードがリセット信号線151に電気的に接続されたフォトダイオード221と、ゲートが撮像期間制御信号線152に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がフォトダイオード221のカソードに電気的に接続されたNチャネル型トランジスタ222と、ゲートがNチャネル型トランジスタ222のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が基準電位(Vref)を供給する配線113(以下、基準電位線113ともいう)に電気的に接続されたNチャネル型トランジスタ223と、ゲートが読み出し期間制御信号線153に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がNチャネル型トランジスタ223のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が読み出し信号線160に電気的に接続されたNチャネル型トランジスタ224とを有する。
【0019】
なお、リセット信号線151、撮像期間制御信号線152、及び読み出し期間制御信号線153は、光センサ駆動回路15によって電位が制御される配線であり、基準電位線113は、電源回路11によって固定電位である基準電位(Vref)が供給される配線である。また、リセット信号線151、撮像期間制御信号線152、及び読み出し期間制御信号線153は、画素部10においてマトリクス状に配設された複数の撮像素子25の行毎に設けられる。なお、行毎に設けられた複数のリセット信号線151のそれぞれの電位は、光センサ駆動回路15によって独立又は一括に制御される。また、行毎に設けられた複数の撮像期間制御信号線152のそれぞれの電位は、光センサ駆動回路15によって独立又は一括に制御される。また、行毎に設けられた複数の読み出し期間制御信号線153のそれぞれの電位は、光センサ駆動回路15によって独立に制御される。また、読み出し信号線160は、画素部10においてマトリクス状に配設された複数の撮像素子25の列毎に設けられる。そして、列毎に設けられた複数の読み出し信号線160の電位は、撮像信号読み出し回路16によって判別される。
【0020】
図3は、本明細書で開示される表示装置の一部の構造例を示す断面図である。具体的には、図3には、図2(A)に示したPチャネル型トランジスタ202及び発光素子204、図2(B)に示したPチャネル型トランジスタ212及び発光素子214、並びに図2(C)に示したフォトダイオード221を示している。
【0021】
Pチャネル型トランジスタ202は、絶縁表面を有する基板200上に設けられた単結晶シリコンを母体とするp型不純物領域2021、2022及びチャネル形成領域2020と、チャネル形成領域2020上に設けられたゲート絶縁層2023と、ゲート絶縁層2023上に設けられたゲート層2024とを有する。また、Pチャネル型トランジスタ212として、Pチャネル型トランジスタ202と同様の構造を有するトランジスタを適用することが可能である。なお、ここでは、Pチャネル型トランジスタ202、212が単結晶シリコンを用いて構成される例について示したが、これらが多結晶シリコン又は非晶質シリコンを用いて構成される構成とすることも可能である。また、ここでは、Pチャネル型トランジスタ202、212がトップゲート型のトランジスタである例について示したが、これらの構造はトップゲート型のトランジスタに限定されずボトムゲート型のトランジスタなどであってもよい。
【0022】
フォトダイオード221は、発光素子214が発する光又は当該光に含まれる特定波長の光が照射されることで光電流を生じるフォトダイオードであればどのような構造であってもよい。ここでは、フォトダイオード221として、絶縁表面を有する基板200上に設けられた単結晶シリコンを母体とするp型不純物領域2121、i型領域2122、及びn型不純物領域2123によって構成されるpin型フォトダイオードを適用する。なお、フォトダイオード221としてpnフォトダイオードを適用する構成とすることも可能である。また、フォトダイオード221の構造は、目的の波長に対応して選択されることが好ましい。例えば、可視光線の波長領域を検出するには非晶質シリコンを用いて構成されるフォトダイオードを用いることが好ましく、赤外線を含む波長領域を検出するには単結晶シリコン又は多結晶シリコンを用いて構成されるフォトダイオードを適用することが好ましい。
【0023】
なお、Pチャネル型トランジスタ202、212及びフォトダイオード221上には、絶縁層230が設けられている。また、Pチャネル型トランジスタ202、212及びフォトダイオード221が有するp型又はn型不純物領域は、絶縁層230の開口部において電極層241乃至電極層246のいずれかに接続されている。さらに、電極層241乃至電極層246上には絶縁層250が設けられている。
【0024】
発光素子204は、絶縁層250の開口部において電極層242に接続された電極層261と、電極層261上に設けられた発光層270と、発光層270上に設けられた電極層280とを有する。また、発光素子214は、絶縁層250の開口部において電極層243に接続された電極層262と、電極層262上に設けられた発光層270と、発光層270上に設けられた電極層280とを有する。このように、図3に示す発光素子204、214においては、発光層270及び電極層280が共有されている。これにより、発光層270を所望の形状に形成する工程を設ける必要がなく、簡便に表示用光源及び撮像用光源を作製することが可能である。また、発光層270を所望の形状に加工する工程を設けずに発光素子204、214を作製するため、表示装置の信頼性及び歩留まりを向上させることが可能である。
【0025】
なお、ここでは、発光層270は、電極層261又は電極層262及び電極層280の間に生じる電流によって白色を呈する光(W)を発光することが可能であり、且つ当該白色を呈する光(W)が少なくとも赤色を呈する光の波長、緑色を呈する光の波長、青色を呈する光の波長、及び黄色を呈する光の波長を有する光であることとする。例えば、発光素子204及び発光素子214として、有機エレクトロルミネッセンス素子を適用することが可能である。また、ここでは、電極層280を透光性を有する導電膜によって形成する。これにより、発光素子204及び発光素子214は、少なくとも電極層280が設けられた電極方向に対して白色を呈する光(W)を放射することが可能である。また、ここでは、電極層261、262の端部及び絶縁層250の開口部に隔壁層291乃至隔壁層295が設けられる。なお、隔壁層とは有機又は無機の絶縁物からなる層である。隔壁層291乃至隔壁層295を設けることによって、電極層261又は電極層262及び電極層280の短絡を防止すること、並びに発光層270の段切れを抑制することが可能になる。また、ここでは、発光素子204、214が、Pチャネル型トランジスタ202又はPチャネル型トランジスタ212と重畳して設けられる。これにより、発光素子204及び発光素子214の面積(表示装置の開口率)を向上させることが可能である。
【0026】
さらに、図3に示す表示装置は、カラーフィルター300が設けられ、且つ透光性を備えた封止基板310を有する。なお、発光素子204、214などが存在する領域は、絶縁表面を有する基板200と封止基板310によって密閉される。これにより、発光素子204、214などへの水分の混入を防ぎ、当該表示装置の信頼性を向上させることが可能である。また、カラーフィルター300は、発光素子204が設けられた領域の直上に設けられる。カラーフィルター300は、発光素子204から放射される白色を呈する光(W)に含まれる特定範囲の波長の光を吸収し、有彩色を呈する光(C)へと変化させることが可能である。なお、ここでは、当該有彩色は、赤色、緑色、青色、又は黄色であることとする。
【0027】
また、発光素子214及びフォトダイオード221の直上には、当該カラーフィルターは設けられない。したがって、図3に示す表示装置においては、発光素子214が発する白色を呈する光(W)を被検出物に照射し、且つ当該被検出物によって反射される当該白色を呈する光(W)をフォトダイオード221に照射することで被検出物の撮像を行うことが可能である。
【0028】
<表示装置の撮像方法例>
次いで、上述した表示装置の撮像方法例について図4(A)、(B)を参照して説明する。
【0029】
図4(A)、(B)は、図1及び図2(B)、(C)に示した撮像素子25における撮像方法例を示す図である。具体的には、図4(A)は撮像用光源素子21が有する発光素子214が発光する状態において、撮像を行う場合の一例を示す図であり、図4(B)は撮像用光源素子21が有する発光素子214が発光しない状態において撮像を行う場合の一例を示す図である。なお、図4(A)、(B)において、V(141)は点灯期間制御信号線141の電位を示し、V(140)は点滅制御信号線140の電位を示し、V(151)はリセット信号線151の電位を示し、V(152)は撮像期間制御信号線152の電位を示し、V(153)は読み出し期間制御信号線153の電位を示し、V(N)はNチャネル型トランジスタ222のソース及びドレインの他方並びにNチャネル型トランジスタ223のゲートが電気的に接続するノードの電位を示し、V(160)は読み出し信号線160の電位を示している。
【0030】
図4(A)に示す撮像方法例においては、時刻A前に、点滅制御信号線140の電位(V(140))をロウレベルの電位とし、且つ点灯期間制御信号線141の電位(V(141))をハイレベルの電位とする。これにより、図2(B)に示したNチャネル型トランジスタ211及びPチャネル型トランジスタ212が共にオン状態となる。したがって、発光素子214が発光する。
【0031】
時刻Aに、リセット信号線151の電位(V(151))及び撮像期間制御信号線152の電位(V(152))をハイレベルの電位とする(リセット動作開始)。この時、当該ノードの電位(V(N))は、リセット電位に設定される。
【0032】
時刻Bに、リセット信号線151の電位(V(151))をロウレベルの電位とする(リセット動作終了、蓄積動作開始)。この時、フォトダイオード221に照射された光量に応じて、当該ノードの電位(V(N))の電位の変化率は異なる。ここでは、フォトダイオード221に照射された光量が多い程、当該ノードの電位が早く減少するものとしている。
【0033】
時刻Cに、撮像期間制御信号線152の電位(V(152))をロウレベルの電位とする(蓄積動作終了)。以後、当該ノードの電位(V(N))は、一定値となる。なお、当該ノードの電位(V(N))は、蓄積動作中にフォトダイオード221に照射された光量が多い程低い。
【0034】
時刻Dに、読み出し期間制御信号線153の電位(V(153))をハイレベルの電位とする(選択動作開始)。この時、当該ノードの電位(V(N))、すなわち、図2(C)に示すNチャネル型トランジスタ223のゲート電圧に応じて、読み出し信号線160の電位(V(160))が変化する。ここで、読み出し信号線160の電位(V(160))をあらかじめハイレベルの電位としておくと、Nチャネル型トランジスタ223のゲート電圧が高い程、読み出し信号線160の電位(V(160))は低くなる。ここでは、フォトダイオード221に照射された光量が多い程、Nチャネル型トランジスタ223のゲート電圧は低くなるものとしているため、フォトダイオード221に照射された光量が多い程、読み出し信号線160の電位(V(160))は高くなる。
【0035】
時刻Eに、読み出し期間制御信号線153の電位(V(153))をロウレベルの電位とする(選択動作終了)。したがって、読み出し信号線160の電位(V(160))は、一定値となる。その後、読み出し信号線160の電位(V(160))は、撮像信号読み出し回路16において判別される。
【0036】
図4(B)に示す撮像方法例においては、時刻F前に、点滅制御信号線140の電位(V(140))をハイレベルの電位とし、且つ点灯期間制御信号線141の電位(V(141))をハイレベルの電位とする。これにより、図2(B)に示したNチャネル型トランジスタ211がオン状態となり、且つPチャネル型トランジスタ212がオフ状態となる。したがって、発光素子214は発光しない。
【0037】
時刻Fに、リセット信号線151の電位(V(151))及び撮像期間制御信号線152の電位(V(152))をハイレベルの電位とする(リセット動作開始)。この時、当該ノードの電位(V(N))は、リセット電位に設定される。
【0038】
時刻Gに、リセット信号線151の電位(V(151))をロウレベルの電位とする(リセット動作終了、蓄積動作開始)。この時、フォトダイオード221に照射された光量に応じて、当該ノードの電位(V(N))の電位の変化率は異なる。図4(B)に示す撮像方法例においては、発光素子214が発光しないため、図4(A)に示す撮像方法例と比較してフォトダイオード221に照射される光量が少なくなる。したがって、図4(B)に示す撮像方法例における当該ノードの電位は、図4(A)に示す撮像方法例における当該ノードの電位と比較して遅く減少する。
【0039】
時刻Hに、撮像期間制御信号線152の電位(V(152))をロウレベルの電位とする(蓄積動作終了)。以後、当該ノードの電位(V(N))は、一定値となる。
【0040】
時刻Iに、読み出し期間制御信号線153の電位(V(153))をハイレベルの電位とする(選択動作開始)。この時、当該ノードの電位(V(N))、すなわち、図2(C)に示すNチャネル型トランジスタ223のゲート電圧に応じて、読み出し信号線160の電位(V(160))が変化する。ここで、図4(B)に示す撮像方法例においては、図4(A)に示す撮像方法例と比較して、当該ノードの電位(V(N))が高くなる。したがって、図4(B)における読み出し信号線160の電位(V(160))は、図4(A)に示す撮像方法例における読み出し信号線160の電位(V(160))と比較して低くなる。
【0041】
時刻Jに、読み出し期間制御信号線153の電位(V(153))をロウレベルの電位とする(選択動作終了)。したがって、読み出し信号線160の電位(V(160))は、一定値となる。その後、読み出し信号線160の電位(V(160))は、撮像信号読み出し回路16において判別される。
【0042】
さらに、本明細書で開示される表示装置においては、図4(A)の撮像方法例によって判別されたデータと、図4(B)の撮像方法例によって判別されたデータとの差分を検出することが可能である。当該差分を検出することによって、撮像の際の外光によるノイズを低減することができ、被検出物の検出精度を向上することができる。
【0043】
<表示装置の変形例>
上述した表示装置は、本発明の一態様であり、上述した表示装置と異なる点を有する表示装置も本発明には含まれる。
【0044】
例えば、上述した表示装置においては、発光素子214から放射される白色を呈する光(W)を用いて撮像を行う構成(図3参照)について示したが、当該撮像を赤外線領域の波長の光を含む不可視光(IR)を用いて行う構成(図5参照)とすることが可能である。なお、図5は、図3に示した表示装置の断面図に、カラーフィルター300と同一の波長領域の光を吸収するカラーフィルター301、302と、カラーフィルター300とは異なる波長領域の光を吸収するカラーフィルター321、322とを付加した図である。ここで、図5に示す発光素子214から放射される白色を呈する光(W)には、赤外線領域の波長の光が含まれるものとする。また、カラーフィルター301及びカラーフィルター321と、カラーフィルター302及び322とは、それぞれ封止基板310において積層して設けられる。また、前者の積層は、発光素子214が設けられた領域の直上に設けられ、後者の積層は、フォトダイオード221が設けられた領域の直上に設けられる。
【0045】
このように、赤外線領域の波長の光を含む不可視光(IR)を用いて撮像を行うことで、当該表示装置における表示に影響を与えることなく撮像を行うことができる。また、表示への影響を考慮することなく当該不可視光(IR)の強度を高くすることが可能であるため、撮像素子における撮像における外光の影響を低減し、検出精度を向上することが可能となる。
【実施例1】
【0046】
本実施例では、上述した表示装置を搭載した電子機器の例について図6を参照して説明する。
【0047】
図6(A)は、携帯型情報通信端末を示す図である。図6(A)に示す携帯型情報通信端末は、少なくとも表示撮像部601を具備する。また、図6(A)に示す携帯型情報通信端末は、例えば表示撮像部601に操作部602を設けることができる。例えば、上述した表示装置を表示撮像部601に用いることにより、例えば指又はペンにより携帯型情報通信端末の操作又は携帯型情報通信端末への情報の入力を行うことができる。
【0048】
図6(B)は、カーナビゲーションを含む情報案内端末を示す図である。図6(B)に示す情報案内端末は、表示撮像部611、操作ボタン612、及び外部入力端子613を具備する。例えば、上述した表示装置を表示撮像部611に用いることにより、例えば指又はペンにより情報案内端末の操作又は情報案内端末への情報の入力を行うことができる。
【0049】
図6(C)は、ノート型パーソナルコンピュータを示す図である。図6(C)に示すノート型パーソナルコンピュータは、筐体621と、表示撮像部622と、スピーカ623と、LEDランプ624と、ポインティングデバイス625と、接続端子626と、キーボード627と、を具備する。例えば、上述した液晶表示装置を、表示撮像部622に用いることにより、例えば指又はペンによりノート型パーソナルコンピュータの操作又はノート型パーソナルコンピュータへの情報の入力を行うことができる。
【0050】
図6(D)は、携帯型遊技機を示す図である。図6(D)に示す携帯型遊技機は、表示撮像部631と、表示撮像部632と、スピーカ633と、接続端子634と、LEDランプ635と、マイクロフォン636と、記録媒体読込部637と、操作ボタン638と、センサ639と、を有する。例えば、上述した表示装置を、表示撮像部631及び表示撮像部632、又は表示撮像部631若しくは表示撮像部632に用いることにより、例えば指又はペンにより携帯型遊技機の操作又は携帯型遊技機への情報の入力を行うことができる。
【0051】
図6(E)は、電子書籍を示す図である。図6(E)に示す電子書籍は、少なくとも筐体641と、筐体642と、表示撮像部643と、表示撮像部644と、軸部645と、を有する。
【0052】
筐体641及び筐体642は、軸部645により接続され、図6(E)に示す電子書籍は、該軸部645を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことができる。また、表示撮像部643は、筐体641に組み込まれ、表示撮像部644は、筐体642に組み込まれる。また、表示撮像部643及び表示撮像部644は、互いに異なる画像を表示する構成とすること、又は両方の表示撮像部で一続きの画像を表示する構成とすることが可能である。表示撮像部643及び表示撮像部644を異なる画像を表示する構成にすることにより、例えば右側の表示撮像部(図6(E)では表示撮像部643)に文章画像を表示し、左側の表示撮像部(図6(E)では表示撮像部644)に画像を表示することができる。
【0053】
また、図6(E)に示す電子書籍は、筐体641又は筐体642に操作部などを備えてもよい。例えば、図6(E)に示す電子書籍の構成を電源ボタン646と、操作キー647と、スピーカ648と、を有する構成にすることもできる。図6(E)に示す電子書籍は、操作キー647を用いることにより、複数の頁がある画像の頁を送ることができる。また、図6(E)に示す電子書籍の表示撮像部643及び表示撮像部644の少なくとも一方にキーボードやポインティングデバイスなどを設けた構成としてもよい。また、図6(E)に示す電子書籍の筐体641及び筐体642の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、又はACアダプタ又はUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを設けてもよい。さらに、図6(E)に示す電子書籍に電子辞書としての機能を持たせてもよい。
【0054】
例えば、上述した表示装置を表示撮像部643及び表示撮像部644、又は表示撮像部643若しくは表示撮像部644に用いることにより、例えば指又はペンにより電子書籍の操作又は電子書籍への情報の入力を行うことができる。
【0055】
図6(F)は、ディスプレイを示す図である。図6(F)に示すディスプレイは、筐体651と、表示撮像部652と、スピーカ653と、LEDランプ654と、操作ボタン655と、接続端子656と、センサ657と、マイクロフォン658と、支持台659と、を有する。例えば、上述した表示装置を表示撮像部652に用いることにより、例えば指又はペンによりディスプレイの操作又はディスプレイへの情報の入力を行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
10 画素部
11 電源回路
12 信号線駆動回路
13 走査線駆動回路
14 撮像用光源駆動回路
15 光センサ駆動回路
16 撮像信号読み出し回路
20 表示素子
21 撮像用光源素子
22 光センサ
25 撮像素子
111 高電源電位線
112 低電源電位線
113 基準電位線
120 信号線
130 走査線
140 点滅制御信号線
141 点灯期間制御信号線
151 リセット信号線
152 撮像期間制御信号線
153 読み出し期間制御信号線
160 読み出し信号線
200 基板
201 Nチャネル型トランジスタ
202 Pチャネル型トランジスタ
203 容量素子
204 発光素子
211 Nチャネル型トランジスタ
212 Pチャネル型トランジスタ
213 容量素子
214 発光素子
221 フォトダイオード
222 Nチャネル型トランジスタ
223 Nチャネル型トランジスタ
224 Nチャネル型トランジスタ
230 絶縁層
241 電極層
242 電極層
243 電極層
244 電極層
245 電極層
246 電極層
250 絶縁層
261 電極層
262 電極層
270 発光層
280 電極層
291 隔壁層
292 隔壁層
293 隔壁層
294 隔壁層
295 隔壁層
300 カラーフィルター
301 カラーフィルター
302 カラーフィルター
310 封止基板
321 カラーフィルター
322 カラーフィルター
601 表示撮像部
602 操作部
611 表示撮像部
612 操作ボタン
613 外部入力端子
621 筐体
622 表示撮像部
623 スピーカ
624 LEDランプ
625 ポインティングデバイス
626 接続端子
627 キーボード
631 表示撮像部
632 表示撮像部
633 スピーカ
634 接続端子
635 LEDランプ
636 マイクロフォン
637 記録媒体読込部
638 操作ボタン
639 センサ
641 筐体
642 筐体
643 表示撮像部
644 表示撮像部
645 軸部
646 電源ボタン
647 操作キー
648 スピーカ
651 筐体
652 表示撮像部
653 スピーカ
654 LEDランプ
655 操作ボタン
656 接続端子
657 センサ
658 マイクロフォン
659 支持台
2020 チャネル形成領域
2021 p型不純物領域
2022 p型不純物領域
2023 ゲート絶縁層
2024 ゲート層
2121 p型不純物領域
2122 i型領域
2123 n型不純物領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色を呈する光を発光する第1の発光素子及び第2の発光素子と、
前記白色を呈する光に含まれる第1の特定範囲の波長の光を吸収し、前記白色を呈する光に含まれる第2の特定範囲の波長の光を透過させるカラーフィルターと、
前記白色を呈する光又は前記白色を呈する光に含まれる特定波長の光が照射されることで光電流を生じるフォトダイオードと、を有し、
前記第2の特定範囲の波長の光は有彩色を呈する光であって、前記第1の発光素子が発光する光を基とする前記有彩色を呈する光を用いて表示を行い、
前記第2の発光素子が発光する光又は前記第2の発光素子が発光する光に含まれる前記特定波長の光を被検出物に照射し、前記被検出物から反射される光を前記フォトダイオードに照射することで撮像を行うことを特徴とする撮像機能付き表示装置。
【請求項2】
白色を呈する光を発光する第1の発光素子及び第2の発光素子と、
前記白色を呈する光に含まれる第1の特定範囲の波長の光を吸収し、前記白色を呈する光を有彩色を呈する光へと変化させる第1のカラーフィルターと、
前記白色を呈する光に含まれる第2の特定範囲の波長の光を吸収し、前記白色を呈する光を赤外線領域の波長の光を含む不可視光へと変化させる第2のカラーフィルターと、
前記赤外線領域の波長の光が照射されることで光電流を生じるフォトダイオードと、を有し、
前記第1のカラーフィルターによって前記有彩色を呈する光へと変化された前記第1の発光素子が発光する光を基とする光を用いて表示を行い、
前記第2のカラーフィルターによって前記不可視光へと変化された前記第2の発光素子が発光する光を基とする光を被検出物に照射し、前記被検出物から反射される光を前記フォトダイオードに照射することで撮像を行うことを特徴とする撮像機能付き表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1のカラーフィルターが、前記白色を呈する光を、赤色を呈する光へと変化させるカラーフィルター、緑色を呈する光へと変化させるカラーフィルター、青色を呈する光へと変化させるカラーフィルター、又は黄色を呈する光へと変化させるカラーフィルターのいずれか一であり、
前記第2のカラーフィルターが、前記白色を呈する光を、前記赤色を呈する光へと変化させるカラーフィルター、前記緑色を呈する光へと変化させるカラーフィルター、前記青色を呈する光へと変化させるカラーフィルター、又は前記黄色を呈する光へと変化させるカラーフィルターの少なくとも2つの積層であることを特徴とする撮像機能付き表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする撮像機能付き表示装置。
【請求項5】
マトリクス状に配設され、且つ、それぞれに、白色を呈する光を発光する第1の発光素子、及び前記白色を呈する光を有彩色を呈する光へと変化させるカラーフィルターが設けられた複数の表示素子と、マトリクス状に配設され、且つ、それぞれに、前記白色を呈する光を発光する第2の発光素子、及び前記白色を呈する光又は前記白色を呈する光に含まれる特定波長の光が照射されることで光電流を生じるフォトダイオードが設けられた複数の撮像素子と、を有する撮像機能付き表示装置の駆動方法であって、
前記第1の発光素子の点滅と前記第2の発光素子の点滅を独立に制御することを特徴とする撮像機能付き表示装置の駆動方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記複数の撮像素子が有する前記第2の発光素子のそれぞれの点滅を一括制御することを特徴とする撮像機能付き表示装置の駆動方法。
【請求項7】
請求項5又は請求項6において、
前記複数の撮像素子が有する前記第2の発光素子が点灯する期間において撮像を行う第1の工程と、
前記複数の撮像素子が有する前記第2の発光素子が消灯する期間において撮像を行う第2の工程と、
前記複数の撮像素子のそれぞれにおいて、前記第1の工程で撮像されたデータと前記第2の工程で撮像されたデータの差分を検出する第3の工程と、を有することを特徴とする撮像機能付き表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−113291(P2012−113291A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238136(P2011−238136)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】