撮像装置、そのレンズ、望遠鏡およびビデオカメラ
【課題】比較的遠くに存在している被写体を拡大して撮影することと、被写体を含めた広い範囲を撮影することとを、同時に実現することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】第1の前段結像レンズと、第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと、第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと、第2の前段結像レンズを通過した光の像を、第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと、第1の前段結像レンズに設けられ、所定の色の光のみを通過させる第1のカラーフィルタと、第2の前段結像レンズに設けられ、第1のカラーフィルタの色とは異なる色の第2のカラーフィルタと、カラー撮像素子とを有する。
【解決手段】第1の前段結像レンズと、第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと、第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと、第2の前段結像レンズを通過した光の像を、第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと、第1の前段結像レンズに設けられ、所定の色の光のみを通過させる第1のカラーフィルタと、第2の前段結像レンズに設けられ、第1のカラーフィルタの色とは異なる色の第2のカラーフィルタと、カラー撮像素子とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、そのレンズ、望遠鏡およびビデオカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真用のレンズは、被写体と受光素子との間に設けられ、被写体からの光を受光素子に結像するものであり、被写界深度の如何に関らず、被写体の1つの点に焦点を合わせるものである。したがって、遠くの被写体を拡大して撮影するためには、焦点距離の長い望遠レンズを使用し、広角で撮影するためには、焦点距離が短い広角レンズを使用し、通常の撮影をするためには、標準レンズを使用する。
【0003】
このために、被写体までの距離に応じて、標準レンズ、望遠レンズ、広角レンズを選択する。
【0004】
一方、視野のある程度の範囲を自由に選択して、撮影するためには、ズームレンズを使用することができる(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−255453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
標準レンズ、望遠レンズ、広角レンズを使って撮影する場合、カメラ本体にセットされているレンズに適する被写体までの距離とは異なる距離に存在している被写体を撮影するためには、レンズ交換を必要とし、レンズ交換作業が煩雑である。
【0007】
ズームレンズは、ある範囲における焦点距離を自由に調整することができるものの、撮影時における焦点は1つであるので、現在の焦点距離とは異なる焦点に変更するためには、焦点調整時間が必要であり、また、焦点調整作業が煩雑であるという問題がある。自動的に焦点調整するためには、自動合焦装置が必要であるという問題がある。
【0008】
いずれにしても、従来の電子写真装置では、撮影時における焦点は1つであり、同一被写体に対して、複数の焦点距離で同時に撮影することができない。したがって、従来例では、比較的遠くに存在している被写体を拡大して撮影することと、上記被写体を含めた広い範囲を撮影することとを、同時に実現することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、比較的遠くに存在している被写体を拡大して撮影することと、上記被写体を含めた広い範囲を撮影することとを、同時に実現することができる撮像装置、そのレンズ、望遠鏡およびビデオカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像装置は、所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと、上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと、上記第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと、上記第2の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと、上記第1の前段結像レンズと上記第1の後段結像レンズとからなる第1光学系に設けられ、所定の色の光のみを通過させる第1のカラーフィルタと、上記第2の前段結像レンズと上記第2の後段結像レンズとからなる第2光学系に設けられ、上記第1のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第2のカラーフィルタと、上記第1光学系を通過した光を結像するとともに、上記第2光学系を通過した光を結像する結像面を具備し、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号とを互いに分離して出力する1つのカラー撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、比較的遠くに存在している被写体を拡大して撮影することと、上記被写体を含めた広い範囲を撮影することとを、同時に実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1である撮像装置100を示す概略側面図である。
【図2】組合せレンズ(組レンズ)PL1を示す側面図である。
【図3】前段結像レンズ群L1を示す側面図である。
【図4】前段結像レンズ群L1からフィルタを除去した前段結像レンズ群L2を示す側面図である。
【図5】撮像装置100において、CCD10が、第1結像信号S1、第2結像信号S2、第3結像信号S3を出力している状態を示す図である。
【図6】撮像装置100において、CCD10以降の回路をも示すブロック図である。
【図7】撮像装置100が撮影した画像の表示例を示す図である。
【図8】発明の実施例2である撮像装置200を示すブロック図である。
【図9】撮像装置200が撮影した画像を信号合成回路40が合成した合成例を示す図である。
【図10】本発明の実施例3である撮像装置300を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例4である撮像装置400を示すブロック図である。
【図12】フィルタ退避手段60の具体例を示す正面図である。
【図13】本発明の実施例5である撮像装置500を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明を実施するための形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1である撮像装置100を示す概略側面図である。
【0015】
撮像装置100は、組合せレンズ(組レンズ)PL1と、CCD10とを有する。
【0016】
組合せレンズPL1は、前段結像レンズ群L1と、後段結像レンズ群L3とを有する。CCD10は、結像面10Sを有する。
【0017】
図2は、組合せレンズ(組レンズ)PL1を示す側面図である。
【0018】
図3は、前段結像レンズ群L1を示す側面図である。
【0019】
図4は、前段結像レンズ群L1からフィルタを除去した前段結像レンズ群L2を示す側面図である。
【0020】
前段結像レンズ群L2は、互いに焦点距離が異なる前段レンズL13、L12、L11によって構成され、前段レンズL13、L12、L11が一体となっている。光軸OA1から近い順に、前段レンズL13、L12、L11が設けられ、これらは全て凹レンズである。前段結像レンズ群L2を、図4の左から右に向かって見ると、前段レンズL13は、円形であり、前段レンズL12、前段レンズL11は、それぞれ円環である。
【0021】
また、レンズL11は、第1の前段結像レンズであり、レンズL12は,第2の前段結像レンズであり、レンズL13は、第3の前段結像レンズである。
【0022】
レンズL13を中心部、レンズL12,L11を非中心部と表現すれば、非中心部は、第1の非中心部と、第2の非中心部とによって構成され、第1の非中心部の焦点距離は、上記中心部の焦点距離、上記第2の非中心部の焦点距離とは異なる焦点距離である。
【0023】
なお、レンズL13を円形で構成し、レンズL11、L12が、円環の半分で形成され、レンズL11の形状が、レンズL12の円環と同形状であり、レンズL11、L12とは焦点距離だけ異なるようにしてもよい。このようにすることによって、結像レンズの全体の形状を小さくすることができる。
【0024】
また、円盤を中心から120度づつ、3等分した3つのレンズを作り、これら各レンズの焦点距離のみが異なるようにして、レンズL11、L12、L13を構成するようにしてもよい。
【0025】
実施例1では、光軸から近い順に、レンズL13、L12、L11の順で配置されているが、この順とは異なる順で配置するようにしてもよい。たとえば、光軸から近い順に、L11、L12、L13の順で配置するようにしてもよく、L12、L13、L11等のようにしてもよい。
【0026】
また、実施例1では、レンズL11、L12、L13の全てが凹レンズであるが、それらの少なくとも1つのレンズに、凸レンズを使用するようにしてもよい。たとえば、レンズL11のみを凸レンズにするようにしてもよく、レンズL12のみを凸レンズにしてもよく、また、L13のみを凸レンズにするようにしてもよい。これらの場合、上記のように、光軸から見た配置を、他の配置にするようにしてもよい。
【0027】
実施例1では、レンズが3つ設けられているが、2つのレンズまたは4つ以上のレンズで、1つの結像レンズ群を構成するようにしてもよい。
【0028】
なお、前段結像レンズ群L1、後段結晶レンズ群L2における焦点距離は、中心部から周縁部に向かって、連続的に異なるのではなく、断続的に異なる。すなわち、レンズの中心を含めた中心部(ある範囲を有する領域)で、1つの焦点距離が設定され、レンズの周縁部の領域で、別の焦点距離が設定され、中心部と周縁部との間の領域で、さらに別の焦点距離が設定されている。
【0029】
一方、非球面レンズは、レンズの中心の焦点距離と、レンズの周縁部の焦点距離とが異なるが、レンズの中心から周縁に向かって、焦点距離が段階的に異なるのではなく、連続的に異なる点で、実施例1、以下の実施例とは異なる。
【0030】
前段結像レンズ群L1は、図3に示すように、前段結像レンズ群L2に、フィルタF11、F12、F13がそれぞれ設けられたレンズ群である。
【0031】
フィルタF11は、R(赤)のフィルタであり、レンズL11に設けられ、フィルタF12は、G(緑)のフィルタであり、レンズL12に設けられ、フィルタF13は、B(青)のフィルタであり、レンズL13に設けられている。
【0032】
フィルタF11、F12、F13は、レンズL11、L12、L13に蒸着でコーティングされたフィルタである。蒸着の代わりに、カラーフィルムを使用するようにしてもよく、また、レンズL11、L12、L13そのものを色ガラスで製造するようにしてもよい。以後の実施例におけるカラーフィルタについても、上記と同様である。
【0033】
後段結像レンズ群L3は、全て凸レンズであり、互いに焦点距離が異なるレンズL31、L32、L33であり、光軸OA1から近い順に、レンズL33、L32、L31が設けられている。後段結像レンズ群L3を、図2の左から右に向かってみると、レンズL33は、円形であり、L32、L31は、それぞれ円環である。
【0034】
実施例1において、カラーフィルタは、R、G、Bのフィルタであるが、これら以外の色のフィルタを使用するようにしてもよい。この場合には、後述する撮像素子が、R、G、B以外の光に反応する素子である必要がある。
【0035】
次に、実施例1において、組合せレンズPL1が、物体O1、O2、O3の光を、結像面10Sに結像される動作について説明ずる。
【0036】
物体O1は、第1の前段レンズL11と第1の後段レンズL31とからなる第1光学系によって、像O11が結像され、第2の前段レンズL12と第2の後段レンズL32とからなる第2光学系によって、像O12が結像される。また、第3の前段光学系レンズL13と第3の前段レンズL31と第3の後段レンズL33とからなる第3光学系によって、像O13が結像される。像O11、O12、O13の結像位置は、CCDの結像面10Sであり、CCDの結像面10Sは同一平面である。
【0037】
ところで、像O11、O12、O13の各縮小率は互いに異なる。像O11は、広角レンズを使用して撮影された像であり、像O12が、標準レンズを使って撮影した像であり、像O13は、望遠レンズを使用して撮影された像である。
【0038】
なお、像O11、O12、O13は、後述する図7に示す写真PH1、PH2、PH3にそれぞれ対応している。
【0039】
図5は、撮像装置100において、CCD10が、第1結像信号S1、第2結像信号S2、第3結像信号S3を出力している状態を示す図である。
【0040】
第1結像信号S1は、R信号に対応し、第2結像信号S2は、G信号に対応し、第3結像信号S3は、B信号に対応している。
【0041】
つまり、組合せレンズPL1において、凹レンズL11と凸レンズL31とからなる第1光学系と赤フィルタF11とによって、組合せレンズPL1の前に存在している物体O1の像が、CCD10の受光面10Sに結像し、すなわち、赤の像である第1結像が形成される。
【0042】
また、組合せレンズPL1において、凹レンズL12と凸レンズL32とからなる第2光学系と緑フィルタF12とによって、組合せレンズPL1の前に存在している物体O2の像が、CCD10の受光面10Sに結像し、すなわち、緑の像である第2結像が形成される。
【0043】
さらに、組合せレンズPL1において、凹レンズL13と凸レンズL33とからなる第3光学系と青フィルタF13とによって、組合せレンズPL1の前に存在している物体O3の像が、CCD10の受光面10Sに結像し、すなわち、青の像である第3結像が形成される。
【0044】
ただし、凹レンズL11と凸レンズL31とによる倍率、凹レンズL12と凸レンズL32とによる倍率、凹レンズL12と凸レンズL33とによる倍率の順で、倍率が大きくなっている。
【0045】
CCD10は、赤の画像信号であるR信号S1と、緑の画像信号であるG信号S2と、青の画像信号であるB信号S3とを、別個に出力する。
【0046】
図6は、撮像装置100において、CCD10以降の回路をも示すブロック図である。
【0047】
図6に示す例では、撮像装置100は、前段結像レンズ群L1と、後段結像レンズ群L3と、CCD10と、信号処理回路21、22、23と、信号選択回路30と、表示装置D1とを有する。
【0048】
信号処理回路21、22、23は、それぞれ、R信号S1、G信号S2、B信号S3について、所定の画像処理を実行する回路である。
【0049】
信号選択回路30は、端子t1、t2、t3、t0を有し、端子t1、t2、t3がそれぞれ、信号処理回路21、22、23の各出力端子に接続され、選択端子t0が表示装置D1の入力端子に接続されている。
【0050】
表示装置D1は、信号選択回路30で選択された映像信号に応じた画像を表示する装置である。
【0051】
図7は、撮像装置100が撮影した画像の表示例を示す図である。
【0052】
撮像装置100が撮影した画像は、写真PH1、PH2、PH3である。
【0053】
写真PH1は、登山中の人Hを遠くから広角レンズで撮影した写真であり、凹レンズL11と凸レンズL31とによって結像した像の信号S1を使用した像である。写真PH1は、RフィルタF11を通過した赤の光のみで構成した像であり、実際には、白黒の画像で表示される。
【0054】
写真PH2は、登山中の人Hを遠くから標準レンズで撮影した写真であり、凹レンズL12と凸レンズL32とによって結像した像の信号S2を使用した像である。写真PH2は、GフィルタF12を通過した緑の光のみで構成した像であり、実際には、白黒の画像で表示される。
【0055】
写真PH3は、登山中の人Hを遠くから望遠レンズで撮影した写真であり、凹レンズL13と凸レンズL33とによって結像した像の信号S3を使用した像である。写真PH3は、BフィルタF13を通過した青の光のみで構成した像であり、実際には、白黒の画像で表示される。
【0056】
撮像装置100を使用すれば、レンズ交換せずに、信号選択回路30を切換えるだけ(スイッチを切換えるだけ)で、広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズのそれぞれで撮影した画像を表示することができる。レンズ交換せずに、3種類の倍率のそれぞれの画像を撮影することができるので、シャッターチャンスを逃すことなく、適切な画像をタイミング良く撮影することができる。
【0057】
なお、信号処理回路21、22、23の出力端子に、それぞれメモリを設ければ、広角画像(写真PH1)、標準画像(写真PH2)、望遠画像(写真PH3)の3つの画像を、同時に記憶することができる。
【実施例2】
【0058】
図8は、本発明の実施例2である撮像装置200を示すブロック図である。
【0059】
撮像装置200は、撮像装置100において、信号合成回路30の代わりに、信号合成回路40を使用し、表示装置D1の代わりに、表示装置D2を使用した装置である。
【0060】
信号合成回路40は、CCD10が出力した信号S1とS2とS3とを合成する回路である。
【0061】
図9は、撮像装置200が撮影した画像を信号合成回路40が合成した合成例を示す図である。
【0062】
図9(1)は、信号合成回路40が合成して作った合成写真PH4を示す図である。合成写真PH4は、図7に示す写真PH1の上に、写真PH2を重ね、写真PH2の上に、写真PH3を重ねた写真である。この場合、合成写真PH4において、図7に示す写真PH3の外縁部を残し、図7に示す写真PH2を縮小した写真を重ね、この外縁部を残し、図7に示す写真1を縮小した写真を重ねてある。なお、合成写真PH4において、3つの写真PH1、PH2、PH3の中心を同じ位置に配置した写真である。
【0063】
合成写真PH4によれば、広角の画像(写真PH1)と、要部を拡大した画像(写真PH3)と、その中間的な倍率の画像(写真PH2)とを、同時に見ることができる。また、広角の画像を比較的大きく見ることができ、中間的な画像をある程度大きくして見ることができる。
【0064】
図9(2)は、信号合成回路40が合成して作った合成写真PH5を示す図である。合成写真PH5は、図7に示す写真PH1、PH2、PH3を同じ縮尺で縮小し、縮小した写真PH1、PH2、PH3を並置した写真である。
【0065】
合成写真PH5によれば、広角の画像と、要部を拡大した画像と、その中間的な倍率の画像とを、同時に見ることができる。しかも、図9(1)に示す写真と比較すると、広角の画像と、中間的な倍率の画像とを、画像の欠落が無く視認することができる。
【実施例3】
【0066】
図10は、本発明の実施例3である撮像装置300を示すブロック図である。
【0067】
撮像装置300は、撮像装置100と撮像装置200とを組み合わせた実施例であり、撮像装置100において、信号選択回路30の代わりに信号選択回路50を設け、また、信号合成回路40を付加した実施例である。
【0068】
信号選択回路50は、端子t1、t2、t3、t4、t0とを有する回路である。端子t1、t2、t3がそれぞれ、信号処理回路21、22、23の各出力端子に接続され、端子t4が、信号合成回路40の出力端子に接続され、選択端子t0が表示装置D3の入力端子に接続されている。
【0069】
撮像装置300によれば、図7に示す3つの写真PH1、PH2、PH3、図9に示す合成写真PH4またはPH5のうちの1つの写真を選択し、表示装置D3に表示することができる。
【実施例4】
【0070】
図11は、本発明の実施例4である撮像装置400を示すブロック図である。
【0071】
撮像装置400は、図6に示す撮像装置100において、フィルタ退避手段60を設けた実施例である。
【0072】
図12は、フィルタ退避手段60の具体例を示す正面図である。
【0073】
フィルタ退避手段60は、赤のフィルタF11が、2つのフィルタF111とF112とによって構成され、フィルタF111、F112のそれぞれに突起61、62が設けられ、また、突起61、62を使って、フィルタF111、F112を光路から退避させる駆動手段(図示せず)を有する。
【0074】
フィルタF111、F112を第1の前段結像レンズL11から退避させる場合、駆動手段によって、図12中、左右方向に、フィルタF111、F112をスライドさせることによって、第1の前段結像レンズL11の光路から、フィルタF111、F112を退避させることができる。これによって、第1の前段結像レンズL11には、赤の光のみならず、緑、青の光も通過するので、第1の前段結像レンズL11、第1の後段結像レンズL31を通過した光に基づいて、カラー画像を表示することができる。この場合、第2の前段結像レンズL12、第3の前段結像レンズL13を遮蔽しないと、これらの光によって、ノイズ成分が混入されるので、これを阻止するために、第2の前段結像レンズL12、第3の前段結像レンズL13を遮蔽する。
【0075】
図11、図12に示す実施例において、レンズL12、L13を遮蔽したり、遮蔽しなかったりする手段として、液晶を設けるようにしてもよい。つまり、図11において、レンズL12の手前とレンズL12との間に液晶を設け、レンズL13の手前とレンズL13との間に、液晶を設ける。そして、レンズL12(前段結晶レンズ群L1中の中央と周縁との間のレンズ)、レンズL13(前段結晶レンズ群L1中の中央のレンズ)を遮蔽する場合には、液晶に電圧を印加し、光を透過させないようにし、レンズL12、L13を遮蔽しない場合には、液晶に電圧を印加せずに、光を透過させる。なお、制御の仕方によっては、レンズL12、L13を遮蔽する場合に、液晶に電圧を印加せず、レンズL12、L13を遮蔽しない場合に、液晶に電圧を印加する。
【実施例5】
【0076】
図13は、本発明の実施例5である撮像装置500を示す図である。
【0077】
撮像装置500は、組合せレンズPL2と、CCD11とを有する。
【0078】
組合せレンズPL2は、前段結像レンズ群L4と、後段結像レンズ群L5とを有する。
【0079】
前段結像レンズ群L4は、第1の前段結像レンズL41と、第2の前段結像レンズL51と、第1の偏光フィルタPL11と、第2の偏光フィルタPL12とを有する。
【0080】
第1の前段結像レンズL41は、所定の焦点距離を具備するレンズである。第2の前段結像レンズL42は、第1の前段結像レンズL41の焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、第1の前段結像レンズL41と一体に形成されているレンズである。
【0081】
後段結像レンズ群L5は、第1の後段結像レンズL51と、第2の後段レンズL52とを有する。
【0082】
第1の後段結像レンズL51は、第1の前段結像レンズL41を通過した光の像を結像するレンズである。
【0083】
第2の後段レンズL52は、第2の前段結像レンズL42を通過した光の像を、第1の後段結像レンズL51が結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズL51と一体に形成されているレンズである。
【0084】
第1の偏光フィルタPL11は、第1の前段結像レンズL41と第1の後段結像レンズL51とからなる第1光学系に設けられ、P波のみを通過させるフィルタである。なお、上記P波は、入射面に対して電界成分が平行な偏光成分である。
【0085】
第2の偏光フィルタPL12は、第2の前段結像レンズL42と第2の後段結像レンズL52とからなる第2光学系に設けられ、S波のみを通過させるフィルタである。なお、上記S波は、入射面に対して電界成分が垂直な偏光成分である。
【0086】
CCD11は、結像面11Sを有し、結像面11Sには、多数の受光素子が設けられ、光のうちでP波のみに反応する受光素子と、S波のみに反応する受光素子とが、交互に配列されている。そして、CCD11は、光のP波に対応するP波信号S4と、光のS波に対応するS波信号S5とを出力する。つまり、被写体である物体からの光のうちで、P波が、第1の偏光フィルタPL11を通過し、第1の前段結像レンズL41、第1の後段結像レンズL51を通過し、結像面11Sで結像し、そのP波に反応する受光素子が、P波信号S4を出力する。
【0087】
一方、被写体である物体からの光のうちで、S波が、第2の偏光フィルタPL12を通過し、第2の前段結像レンズL42、第2の後段結像レンズL52を通過し、結像面11Sで結像し、そのS波に反応する受光素子が、S波信号S5を出力する。
【0088】
また、広角レンズとして、第1の前段結像レンズL41、第1の後段結像レンズL51を使用し、望遠レンズとして、第2の前段結像レンズL42、第2の後段結像レンズL52を使用し、さらに、P波信号とS波信号とを切換える信号選択回路を使用すれば、広角画面、望遠画面を選択的に表示することができる。
【0089】
この場合、P波信号とS波信号とを合成すれば、図9に示すように、広角画像(写真PH1に対応する画像)と、望遠画像(写真PH3に対応する画像)とを重ねて表示したり、両画像を並置して表示することができる。
【0090】
また、上記実施例において、P波とS波とを置き換えるようにしてもよい。
【0091】
なお、前段結像レンズ群L4として、凹レンズと凸レンズとの組合せで構成するようにしてもよく、凸レンズ同士の組み合わせで構成するようにしてもよい。また、後段結像レンズ群L5として、凸レンズと凹レンズとの組合せで構成するようにしてもよく、凹レンズ同士の組み合わせで構成するようにしてもよい。
【0092】
さらに、第2の前段結像レンズL42、第2の後段結像レンズL52によって構成される第2の光路を遮蔽するようにしてもよい。このようにすれば、第1の前段結像レンズL41、第1の後段結像レンズL51を通過する光によって、広角のカラー画像を表示することができる。この場合、偏光フィルタPL11を光路から退避させるようにしもよい。
【0093】
逆に、第1の前段結像レンズL41、第1の後段結像レンズL51によって構成される第1の光路を遮蔽するようにすれば、第2の前段結像レンズL42、第2の後段結像レンズL52を通過する光によって、望遠のカラー画像を表示することができる。この場合、第2の偏光フィルタPL12を光路から退避させるようにしてもよい。
【実施例6】
【0094】
実施例6は、上記各実施例をテレビカメラ、ビデオカメラ等の動画を撮影する装置に応用した実施例である。実施例1〜6は、いわばスチルカメラであるが、これを動画撮影に応用するようにしてもよい。
【実施例7】
【0095】
上記実施例1〜6は、撮像装置の実施例であるが、実施例7は、上記各実施例を望遠鏡に応用した実施例である。
【0096】
実施例7において、野球を例にとれば、ピッチャーの動きが、拡大されて望遠鏡の画面の中央に表示され、望遠鏡の画面の周縁部に、1塁、3塁等、他の守備範囲が同時に表示される。したがって、ピッチャーに注目しているとすれば、注目しているピッチャーの動きを中央で拡大して見ることができ、同時にランナーの動きを、画面の周縁部で見ることができるので、観戦の楽しみが倍増する。野球に限らず、サッカー、ラグビー、バレーボール、陸上競技、水泳等のスポーツ観戦や、舞台、歌謡ショウ等の観劇等においても、注目している領域は勿論、その周辺またはそこから少し離れた領域の状態をも同時に見ることができる。
【0097】
上記実施例において、カラーフィルタは、前段レンズと後段レンズとによって構成されている光学系のどこかに設ければよい。カラーフィルタを、前段レンズと後段レンズと間に設けても、後段レンズの後段に設けるようにしてもよい。
【0098】
また、前段結像レンズ群と後段結像レンズ群との間に、他のレンズ、レンズ群を設けるようにしてもよい。
【0099】
上記各実施例を使用すれば、上記のように、スポーツ観戦、観劇等で、注目している領域は勿論、その周辺またはそこから少し離れた領域の状態をも同時に見ることができるが、この他に、海難救助にも使用できる。つまり、海水浴または船の遭難によって、人が海で溺れそうになった場合、通常の望遠レンズをいきなり使用したのでは、遭難者を望遠鏡の視野に入れにくく、一方、通常の広角レンズを使用すれば、遭難者の位置を見つけやすいが、遭難者を拡大して表示することができない。そこで、上記実施例(望遠鏡、カメラ)を使用し、標準レンズまたは広角レンズを使用した画面(図7(1)または(2)に示す画面)で、遭難者を見つけ、その画面の中心に遭難者を表示させるように、カメラの方向をセットし、この状態で、望遠レンズに切換えると、図7(3)に示す画面のように、遭難者が拡大された状態で画面に表示される。
【0100】
図9(1)に示すような合成画像で遭難者を探すには、まず、図9(1)に示す写真PH1のように、広角画面(画面の周縁部)で遭難者を見つけ、その遭難者を画面の左右方向の中心(または上下方向の中心)に表示させるように、カメラの方向をセットし、そして、カメラを上下(または左右)に方向移動すると、画面の中心に、遭難者が拡大された状態で表示される。したがって、上記実施例は、遭難者の方向の特定が容易でありしかも遭難者を迅速に拡大して表示することができる。これは、山の遭難者を救助する場合も同様である。
【符号の説明】
【0101】
100、200、300、400、500…撮像装置、
L1、L2、L3、L4、L5…結像レンズ、
PL1、PL2…組合せレンズ、
10、11…CCD、
21、22、23…信号処理回路、
30、50…信号選択回路、
40…信号合成回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、そのレンズ、望遠鏡およびビデオカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真用のレンズは、被写体と受光素子との間に設けられ、被写体からの光を受光素子に結像するものであり、被写界深度の如何に関らず、被写体の1つの点に焦点を合わせるものである。したがって、遠くの被写体を拡大して撮影するためには、焦点距離の長い望遠レンズを使用し、広角で撮影するためには、焦点距離が短い広角レンズを使用し、通常の撮影をするためには、標準レンズを使用する。
【0003】
このために、被写体までの距離に応じて、標準レンズ、望遠レンズ、広角レンズを選択する。
【0004】
一方、視野のある程度の範囲を自由に選択して、撮影するためには、ズームレンズを使用することができる(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−255453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
標準レンズ、望遠レンズ、広角レンズを使って撮影する場合、カメラ本体にセットされているレンズに適する被写体までの距離とは異なる距離に存在している被写体を撮影するためには、レンズ交換を必要とし、レンズ交換作業が煩雑である。
【0007】
ズームレンズは、ある範囲における焦点距離を自由に調整することができるものの、撮影時における焦点は1つであるので、現在の焦点距離とは異なる焦点に変更するためには、焦点調整時間が必要であり、また、焦点調整作業が煩雑であるという問題がある。自動的に焦点調整するためには、自動合焦装置が必要であるという問題がある。
【0008】
いずれにしても、従来の電子写真装置では、撮影時における焦点は1つであり、同一被写体に対して、複数の焦点距離で同時に撮影することができない。したがって、従来例では、比較的遠くに存在している被写体を拡大して撮影することと、上記被写体を含めた広い範囲を撮影することとを、同時に実現することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、比較的遠くに存在している被写体を拡大して撮影することと、上記被写体を含めた広い範囲を撮影することとを、同時に実現することができる撮像装置、そのレンズ、望遠鏡およびビデオカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像装置は、所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと、上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと、上記第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと、上記第2の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと、上記第1の前段結像レンズと上記第1の後段結像レンズとからなる第1光学系に設けられ、所定の色の光のみを通過させる第1のカラーフィルタと、上記第2の前段結像レンズと上記第2の後段結像レンズとからなる第2光学系に設けられ、上記第1のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第2のカラーフィルタと、上記第1光学系を通過した光を結像するとともに、上記第2光学系を通過した光を結像する結像面を具備し、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号とを互いに分離して出力する1つのカラー撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、比較的遠くに存在している被写体を拡大して撮影することと、上記被写体を含めた広い範囲を撮影することとを、同時に実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1である撮像装置100を示す概略側面図である。
【図2】組合せレンズ(組レンズ)PL1を示す側面図である。
【図3】前段結像レンズ群L1を示す側面図である。
【図4】前段結像レンズ群L1からフィルタを除去した前段結像レンズ群L2を示す側面図である。
【図5】撮像装置100において、CCD10が、第1結像信号S1、第2結像信号S2、第3結像信号S3を出力している状態を示す図である。
【図6】撮像装置100において、CCD10以降の回路をも示すブロック図である。
【図7】撮像装置100が撮影した画像の表示例を示す図である。
【図8】発明の実施例2である撮像装置200を示すブロック図である。
【図9】撮像装置200が撮影した画像を信号合成回路40が合成した合成例を示す図である。
【図10】本発明の実施例3である撮像装置300を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例4である撮像装置400を示すブロック図である。
【図12】フィルタ退避手段60の具体例を示す正面図である。
【図13】本発明の実施例5である撮像装置500を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明を実施するための形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1である撮像装置100を示す概略側面図である。
【0015】
撮像装置100は、組合せレンズ(組レンズ)PL1と、CCD10とを有する。
【0016】
組合せレンズPL1は、前段結像レンズ群L1と、後段結像レンズ群L3とを有する。CCD10は、結像面10Sを有する。
【0017】
図2は、組合せレンズ(組レンズ)PL1を示す側面図である。
【0018】
図3は、前段結像レンズ群L1を示す側面図である。
【0019】
図4は、前段結像レンズ群L1からフィルタを除去した前段結像レンズ群L2を示す側面図である。
【0020】
前段結像レンズ群L2は、互いに焦点距離が異なる前段レンズL13、L12、L11によって構成され、前段レンズL13、L12、L11が一体となっている。光軸OA1から近い順に、前段レンズL13、L12、L11が設けられ、これらは全て凹レンズである。前段結像レンズ群L2を、図4の左から右に向かって見ると、前段レンズL13は、円形であり、前段レンズL12、前段レンズL11は、それぞれ円環である。
【0021】
また、レンズL11は、第1の前段結像レンズであり、レンズL12は,第2の前段結像レンズであり、レンズL13は、第3の前段結像レンズである。
【0022】
レンズL13を中心部、レンズL12,L11を非中心部と表現すれば、非中心部は、第1の非中心部と、第2の非中心部とによって構成され、第1の非中心部の焦点距離は、上記中心部の焦点距離、上記第2の非中心部の焦点距離とは異なる焦点距離である。
【0023】
なお、レンズL13を円形で構成し、レンズL11、L12が、円環の半分で形成され、レンズL11の形状が、レンズL12の円環と同形状であり、レンズL11、L12とは焦点距離だけ異なるようにしてもよい。このようにすることによって、結像レンズの全体の形状を小さくすることができる。
【0024】
また、円盤を中心から120度づつ、3等分した3つのレンズを作り、これら各レンズの焦点距離のみが異なるようにして、レンズL11、L12、L13を構成するようにしてもよい。
【0025】
実施例1では、光軸から近い順に、レンズL13、L12、L11の順で配置されているが、この順とは異なる順で配置するようにしてもよい。たとえば、光軸から近い順に、L11、L12、L13の順で配置するようにしてもよく、L12、L13、L11等のようにしてもよい。
【0026】
また、実施例1では、レンズL11、L12、L13の全てが凹レンズであるが、それらの少なくとも1つのレンズに、凸レンズを使用するようにしてもよい。たとえば、レンズL11のみを凸レンズにするようにしてもよく、レンズL12のみを凸レンズにしてもよく、また、L13のみを凸レンズにするようにしてもよい。これらの場合、上記のように、光軸から見た配置を、他の配置にするようにしてもよい。
【0027】
実施例1では、レンズが3つ設けられているが、2つのレンズまたは4つ以上のレンズで、1つの結像レンズ群を構成するようにしてもよい。
【0028】
なお、前段結像レンズ群L1、後段結晶レンズ群L2における焦点距離は、中心部から周縁部に向かって、連続的に異なるのではなく、断続的に異なる。すなわち、レンズの中心を含めた中心部(ある範囲を有する領域)で、1つの焦点距離が設定され、レンズの周縁部の領域で、別の焦点距離が設定され、中心部と周縁部との間の領域で、さらに別の焦点距離が設定されている。
【0029】
一方、非球面レンズは、レンズの中心の焦点距離と、レンズの周縁部の焦点距離とが異なるが、レンズの中心から周縁に向かって、焦点距離が段階的に異なるのではなく、連続的に異なる点で、実施例1、以下の実施例とは異なる。
【0030】
前段結像レンズ群L1は、図3に示すように、前段結像レンズ群L2に、フィルタF11、F12、F13がそれぞれ設けられたレンズ群である。
【0031】
フィルタF11は、R(赤)のフィルタであり、レンズL11に設けられ、フィルタF12は、G(緑)のフィルタであり、レンズL12に設けられ、フィルタF13は、B(青)のフィルタであり、レンズL13に設けられている。
【0032】
フィルタF11、F12、F13は、レンズL11、L12、L13に蒸着でコーティングされたフィルタである。蒸着の代わりに、カラーフィルムを使用するようにしてもよく、また、レンズL11、L12、L13そのものを色ガラスで製造するようにしてもよい。以後の実施例におけるカラーフィルタについても、上記と同様である。
【0033】
後段結像レンズ群L3は、全て凸レンズであり、互いに焦点距離が異なるレンズL31、L32、L33であり、光軸OA1から近い順に、レンズL33、L32、L31が設けられている。後段結像レンズ群L3を、図2の左から右に向かってみると、レンズL33は、円形であり、L32、L31は、それぞれ円環である。
【0034】
実施例1において、カラーフィルタは、R、G、Bのフィルタであるが、これら以外の色のフィルタを使用するようにしてもよい。この場合には、後述する撮像素子が、R、G、B以外の光に反応する素子である必要がある。
【0035】
次に、実施例1において、組合せレンズPL1が、物体O1、O2、O3の光を、結像面10Sに結像される動作について説明ずる。
【0036】
物体O1は、第1の前段レンズL11と第1の後段レンズL31とからなる第1光学系によって、像O11が結像され、第2の前段レンズL12と第2の後段レンズL32とからなる第2光学系によって、像O12が結像される。また、第3の前段光学系レンズL13と第3の前段レンズL31と第3の後段レンズL33とからなる第3光学系によって、像O13が結像される。像O11、O12、O13の結像位置は、CCDの結像面10Sであり、CCDの結像面10Sは同一平面である。
【0037】
ところで、像O11、O12、O13の各縮小率は互いに異なる。像O11は、広角レンズを使用して撮影された像であり、像O12が、標準レンズを使って撮影した像であり、像O13は、望遠レンズを使用して撮影された像である。
【0038】
なお、像O11、O12、O13は、後述する図7に示す写真PH1、PH2、PH3にそれぞれ対応している。
【0039】
図5は、撮像装置100において、CCD10が、第1結像信号S1、第2結像信号S2、第3結像信号S3を出力している状態を示す図である。
【0040】
第1結像信号S1は、R信号に対応し、第2結像信号S2は、G信号に対応し、第3結像信号S3は、B信号に対応している。
【0041】
つまり、組合せレンズPL1において、凹レンズL11と凸レンズL31とからなる第1光学系と赤フィルタF11とによって、組合せレンズPL1の前に存在している物体O1の像が、CCD10の受光面10Sに結像し、すなわち、赤の像である第1結像が形成される。
【0042】
また、組合せレンズPL1において、凹レンズL12と凸レンズL32とからなる第2光学系と緑フィルタF12とによって、組合せレンズPL1の前に存在している物体O2の像が、CCD10の受光面10Sに結像し、すなわち、緑の像である第2結像が形成される。
【0043】
さらに、組合せレンズPL1において、凹レンズL13と凸レンズL33とからなる第3光学系と青フィルタF13とによって、組合せレンズPL1の前に存在している物体O3の像が、CCD10の受光面10Sに結像し、すなわち、青の像である第3結像が形成される。
【0044】
ただし、凹レンズL11と凸レンズL31とによる倍率、凹レンズL12と凸レンズL32とによる倍率、凹レンズL12と凸レンズL33とによる倍率の順で、倍率が大きくなっている。
【0045】
CCD10は、赤の画像信号であるR信号S1と、緑の画像信号であるG信号S2と、青の画像信号であるB信号S3とを、別個に出力する。
【0046】
図6は、撮像装置100において、CCD10以降の回路をも示すブロック図である。
【0047】
図6に示す例では、撮像装置100は、前段結像レンズ群L1と、後段結像レンズ群L3と、CCD10と、信号処理回路21、22、23と、信号選択回路30と、表示装置D1とを有する。
【0048】
信号処理回路21、22、23は、それぞれ、R信号S1、G信号S2、B信号S3について、所定の画像処理を実行する回路である。
【0049】
信号選択回路30は、端子t1、t2、t3、t0を有し、端子t1、t2、t3がそれぞれ、信号処理回路21、22、23の各出力端子に接続され、選択端子t0が表示装置D1の入力端子に接続されている。
【0050】
表示装置D1は、信号選択回路30で選択された映像信号に応じた画像を表示する装置である。
【0051】
図7は、撮像装置100が撮影した画像の表示例を示す図である。
【0052】
撮像装置100が撮影した画像は、写真PH1、PH2、PH3である。
【0053】
写真PH1は、登山中の人Hを遠くから広角レンズで撮影した写真であり、凹レンズL11と凸レンズL31とによって結像した像の信号S1を使用した像である。写真PH1は、RフィルタF11を通過した赤の光のみで構成した像であり、実際には、白黒の画像で表示される。
【0054】
写真PH2は、登山中の人Hを遠くから標準レンズで撮影した写真であり、凹レンズL12と凸レンズL32とによって結像した像の信号S2を使用した像である。写真PH2は、GフィルタF12を通過した緑の光のみで構成した像であり、実際には、白黒の画像で表示される。
【0055】
写真PH3は、登山中の人Hを遠くから望遠レンズで撮影した写真であり、凹レンズL13と凸レンズL33とによって結像した像の信号S3を使用した像である。写真PH3は、BフィルタF13を通過した青の光のみで構成した像であり、実際には、白黒の画像で表示される。
【0056】
撮像装置100を使用すれば、レンズ交換せずに、信号選択回路30を切換えるだけ(スイッチを切換えるだけ)で、広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズのそれぞれで撮影した画像を表示することができる。レンズ交換せずに、3種類の倍率のそれぞれの画像を撮影することができるので、シャッターチャンスを逃すことなく、適切な画像をタイミング良く撮影することができる。
【0057】
なお、信号処理回路21、22、23の出力端子に、それぞれメモリを設ければ、広角画像(写真PH1)、標準画像(写真PH2)、望遠画像(写真PH3)の3つの画像を、同時に記憶することができる。
【実施例2】
【0058】
図8は、本発明の実施例2である撮像装置200を示すブロック図である。
【0059】
撮像装置200は、撮像装置100において、信号合成回路30の代わりに、信号合成回路40を使用し、表示装置D1の代わりに、表示装置D2を使用した装置である。
【0060】
信号合成回路40は、CCD10が出力した信号S1とS2とS3とを合成する回路である。
【0061】
図9は、撮像装置200が撮影した画像を信号合成回路40が合成した合成例を示す図である。
【0062】
図9(1)は、信号合成回路40が合成して作った合成写真PH4を示す図である。合成写真PH4は、図7に示す写真PH1の上に、写真PH2を重ね、写真PH2の上に、写真PH3を重ねた写真である。この場合、合成写真PH4において、図7に示す写真PH3の外縁部を残し、図7に示す写真PH2を縮小した写真を重ね、この外縁部を残し、図7に示す写真1を縮小した写真を重ねてある。なお、合成写真PH4において、3つの写真PH1、PH2、PH3の中心を同じ位置に配置した写真である。
【0063】
合成写真PH4によれば、広角の画像(写真PH1)と、要部を拡大した画像(写真PH3)と、その中間的な倍率の画像(写真PH2)とを、同時に見ることができる。また、広角の画像を比較的大きく見ることができ、中間的な画像をある程度大きくして見ることができる。
【0064】
図9(2)は、信号合成回路40が合成して作った合成写真PH5を示す図である。合成写真PH5は、図7に示す写真PH1、PH2、PH3を同じ縮尺で縮小し、縮小した写真PH1、PH2、PH3を並置した写真である。
【0065】
合成写真PH5によれば、広角の画像と、要部を拡大した画像と、その中間的な倍率の画像とを、同時に見ることができる。しかも、図9(1)に示す写真と比較すると、広角の画像と、中間的な倍率の画像とを、画像の欠落が無く視認することができる。
【実施例3】
【0066】
図10は、本発明の実施例3である撮像装置300を示すブロック図である。
【0067】
撮像装置300は、撮像装置100と撮像装置200とを組み合わせた実施例であり、撮像装置100において、信号選択回路30の代わりに信号選択回路50を設け、また、信号合成回路40を付加した実施例である。
【0068】
信号選択回路50は、端子t1、t2、t3、t4、t0とを有する回路である。端子t1、t2、t3がそれぞれ、信号処理回路21、22、23の各出力端子に接続され、端子t4が、信号合成回路40の出力端子に接続され、選択端子t0が表示装置D3の入力端子に接続されている。
【0069】
撮像装置300によれば、図7に示す3つの写真PH1、PH2、PH3、図9に示す合成写真PH4またはPH5のうちの1つの写真を選択し、表示装置D3に表示することができる。
【実施例4】
【0070】
図11は、本発明の実施例4である撮像装置400を示すブロック図である。
【0071】
撮像装置400は、図6に示す撮像装置100において、フィルタ退避手段60を設けた実施例である。
【0072】
図12は、フィルタ退避手段60の具体例を示す正面図である。
【0073】
フィルタ退避手段60は、赤のフィルタF11が、2つのフィルタF111とF112とによって構成され、フィルタF111、F112のそれぞれに突起61、62が設けられ、また、突起61、62を使って、フィルタF111、F112を光路から退避させる駆動手段(図示せず)を有する。
【0074】
フィルタF111、F112を第1の前段結像レンズL11から退避させる場合、駆動手段によって、図12中、左右方向に、フィルタF111、F112をスライドさせることによって、第1の前段結像レンズL11の光路から、フィルタF111、F112を退避させることができる。これによって、第1の前段結像レンズL11には、赤の光のみならず、緑、青の光も通過するので、第1の前段結像レンズL11、第1の後段結像レンズL31を通過した光に基づいて、カラー画像を表示することができる。この場合、第2の前段結像レンズL12、第3の前段結像レンズL13を遮蔽しないと、これらの光によって、ノイズ成分が混入されるので、これを阻止するために、第2の前段結像レンズL12、第3の前段結像レンズL13を遮蔽する。
【0075】
図11、図12に示す実施例において、レンズL12、L13を遮蔽したり、遮蔽しなかったりする手段として、液晶を設けるようにしてもよい。つまり、図11において、レンズL12の手前とレンズL12との間に液晶を設け、レンズL13の手前とレンズL13との間に、液晶を設ける。そして、レンズL12(前段結晶レンズ群L1中の中央と周縁との間のレンズ)、レンズL13(前段結晶レンズ群L1中の中央のレンズ)を遮蔽する場合には、液晶に電圧を印加し、光を透過させないようにし、レンズL12、L13を遮蔽しない場合には、液晶に電圧を印加せずに、光を透過させる。なお、制御の仕方によっては、レンズL12、L13を遮蔽する場合に、液晶に電圧を印加せず、レンズL12、L13を遮蔽しない場合に、液晶に電圧を印加する。
【実施例5】
【0076】
図13は、本発明の実施例5である撮像装置500を示す図である。
【0077】
撮像装置500は、組合せレンズPL2と、CCD11とを有する。
【0078】
組合せレンズPL2は、前段結像レンズ群L4と、後段結像レンズ群L5とを有する。
【0079】
前段結像レンズ群L4は、第1の前段結像レンズL41と、第2の前段結像レンズL51と、第1の偏光フィルタPL11と、第2の偏光フィルタPL12とを有する。
【0080】
第1の前段結像レンズL41は、所定の焦点距離を具備するレンズである。第2の前段結像レンズL42は、第1の前段結像レンズL41の焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、第1の前段結像レンズL41と一体に形成されているレンズである。
【0081】
後段結像レンズ群L5は、第1の後段結像レンズL51と、第2の後段レンズL52とを有する。
【0082】
第1の後段結像レンズL51は、第1の前段結像レンズL41を通過した光の像を結像するレンズである。
【0083】
第2の後段レンズL52は、第2の前段結像レンズL42を通過した光の像を、第1の後段結像レンズL51が結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズL51と一体に形成されているレンズである。
【0084】
第1の偏光フィルタPL11は、第1の前段結像レンズL41と第1の後段結像レンズL51とからなる第1光学系に設けられ、P波のみを通過させるフィルタである。なお、上記P波は、入射面に対して電界成分が平行な偏光成分である。
【0085】
第2の偏光フィルタPL12は、第2の前段結像レンズL42と第2の後段結像レンズL52とからなる第2光学系に設けられ、S波のみを通過させるフィルタである。なお、上記S波は、入射面に対して電界成分が垂直な偏光成分である。
【0086】
CCD11は、結像面11Sを有し、結像面11Sには、多数の受光素子が設けられ、光のうちでP波のみに反応する受光素子と、S波のみに反応する受光素子とが、交互に配列されている。そして、CCD11は、光のP波に対応するP波信号S4と、光のS波に対応するS波信号S5とを出力する。つまり、被写体である物体からの光のうちで、P波が、第1の偏光フィルタPL11を通過し、第1の前段結像レンズL41、第1の後段結像レンズL51を通過し、結像面11Sで結像し、そのP波に反応する受光素子が、P波信号S4を出力する。
【0087】
一方、被写体である物体からの光のうちで、S波が、第2の偏光フィルタPL12を通過し、第2の前段結像レンズL42、第2の後段結像レンズL52を通過し、結像面11Sで結像し、そのS波に反応する受光素子が、S波信号S5を出力する。
【0088】
また、広角レンズとして、第1の前段結像レンズL41、第1の後段結像レンズL51を使用し、望遠レンズとして、第2の前段結像レンズL42、第2の後段結像レンズL52を使用し、さらに、P波信号とS波信号とを切換える信号選択回路を使用すれば、広角画面、望遠画面を選択的に表示することができる。
【0089】
この場合、P波信号とS波信号とを合成すれば、図9に示すように、広角画像(写真PH1に対応する画像)と、望遠画像(写真PH3に対応する画像)とを重ねて表示したり、両画像を並置して表示することができる。
【0090】
また、上記実施例において、P波とS波とを置き換えるようにしてもよい。
【0091】
なお、前段結像レンズ群L4として、凹レンズと凸レンズとの組合せで構成するようにしてもよく、凸レンズ同士の組み合わせで構成するようにしてもよい。また、後段結像レンズ群L5として、凸レンズと凹レンズとの組合せで構成するようにしてもよく、凹レンズ同士の組み合わせで構成するようにしてもよい。
【0092】
さらに、第2の前段結像レンズL42、第2の後段結像レンズL52によって構成される第2の光路を遮蔽するようにしてもよい。このようにすれば、第1の前段結像レンズL41、第1の後段結像レンズL51を通過する光によって、広角のカラー画像を表示することができる。この場合、偏光フィルタPL11を光路から退避させるようにしもよい。
【0093】
逆に、第1の前段結像レンズL41、第1の後段結像レンズL51によって構成される第1の光路を遮蔽するようにすれば、第2の前段結像レンズL42、第2の後段結像レンズL52を通過する光によって、望遠のカラー画像を表示することができる。この場合、第2の偏光フィルタPL12を光路から退避させるようにしてもよい。
【実施例6】
【0094】
実施例6は、上記各実施例をテレビカメラ、ビデオカメラ等の動画を撮影する装置に応用した実施例である。実施例1〜6は、いわばスチルカメラであるが、これを動画撮影に応用するようにしてもよい。
【実施例7】
【0095】
上記実施例1〜6は、撮像装置の実施例であるが、実施例7は、上記各実施例を望遠鏡に応用した実施例である。
【0096】
実施例7において、野球を例にとれば、ピッチャーの動きが、拡大されて望遠鏡の画面の中央に表示され、望遠鏡の画面の周縁部に、1塁、3塁等、他の守備範囲が同時に表示される。したがって、ピッチャーに注目しているとすれば、注目しているピッチャーの動きを中央で拡大して見ることができ、同時にランナーの動きを、画面の周縁部で見ることができるので、観戦の楽しみが倍増する。野球に限らず、サッカー、ラグビー、バレーボール、陸上競技、水泳等のスポーツ観戦や、舞台、歌謡ショウ等の観劇等においても、注目している領域は勿論、その周辺またはそこから少し離れた領域の状態をも同時に見ることができる。
【0097】
上記実施例において、カラーフィルタは、前段レンズと後段レンズとによって構成されている光学系のどこかに設ければよい。カラーフィルタを、前段レンズと後段レンズと間に設けても、後段レンズの後段に設けるようにしてもよい。
【0098】
また、前段結像レンズ群と後段結像レンズ群との間に、他のレンズ、レンズ群を設けるようにしてもよい。
【0099】
上記各実施例を使用すれば、上記のように、スポーツ観戦、観劇等で、注目している領域は勿論、その周辺またはそこから少し離れた領域の状態をも同時に見ることができるが、この他に、海難救助にも使用できる。つまり、海水浴または船の遭難によって、人が海で溺れそうになった場合、通常の望遠レンズをいきなり使用したのでは、遭難者を望遠鏡の視野に入れにくく、一方、通常の広角レンズを使用すれば、遭難者の位置を見つけやすいが、遭難者を拡大して表示することができない。そこで、上記実施例(望遠鏡、カメラ)を使用し、標準レンズまたは広角レンズを使用した画面(図7(1)または(2)に示す画面)で、遭難者を見つけ、その画面の中心に遭難者を表示させるように、カメラの方向をセットし、この状態で、望遠レンズに切換えると、図7(3)に示す画面のように、遭難者が拡大された状態で画面に表示される。
【0100】
図9(1)に示すような合成画像で遭難者を探すには、まず、図9(1)に示す写真PH1のように、広角画面(画面の周縁部)で遭難者を見つけ、その遭難者を画面の左右方向の中心(または上下方向の中心)に表示させるように、カメラの方向をセットし、そして、カメラを上下(または左右)に方向移動すると、画面の中心に、遭難者が拡大された状態で表示される。したがって、上記実施例は、遭難者の方向の特定が容易でありしかも遭難者を迅速に拡大して表示することができる。これは、山の遭難者を救助する場合も同様である。
【符号の説明】
【0101】
100、200、300、400、500…撮像装置、
L1、L2、L3、L4、L5…結像レンズ、
PL1、PL2…組合せレンズ、
10、11…CCD、
21、22、23…信号処理回路、
30、50…信号選択回路、
40…信号合成回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと;
上記第2の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズと上記第1の後段結像レンズとからなる第1光学系に設けられ、所定の色の光のみを通過させる第1のカラーフィルタと;
上記第2の前段結像レンズと上記第2の後段結像レンズとからなる第2光学系に設けられ、上記第1のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第2のカラーフィルタと;
上記第1光学系を通過した光を結像するとともに、上記第2光学系を通過した光を結像する結像面を具備し、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号とを互いに分離して出力する1つのカラー撮像素子と;
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記第1結像信号、上記第2結像信号のうちの1つの信号を選択する選択手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記第1結像信号と上記第2結像信号とを合成する合成手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記合成手段は、上記第1結像信号に対応する画像である第1画像に対して、上記第2結像信号に対応する画像である第2画像を縮小し、上記第1結像信号の上に上記第2結像信号を重ねて表示するように、上記第1結像信号と上記第2結像信号とを合成する手段であることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項3において、
上記合成手段は、上記第1結像信号に対応する画像である第1画像と、上記第2結像信号に対応する画像である第2画像とを併置して表示するように、上記第1結像信号と上記第2結像信号とを合成する手段であることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1において、
上記カラー撮像素子が出力した信号に基づいて画像を表示する表示手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項1において、
上記第1光学系を通過する光の光路から、上記第1のフィルタを退避させる退避手段と;
上記第1光学系を通過する光の光路から上記第1のフィルタを退避させたときに、上記第2光学系を通過する光を遮断する遮断手段と;
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項7において、
上記遮断手段は、液晶であることを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のうちの少なくとも1項において、
上記撮像装置は、スチルカメラまたはビデオカメラであることを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと;
上記第2の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズと上記第1の後段結像レンズとからなる第1光学系に設けられ、所定の色の光のみを通過させる第1のカラーフィルタと;
上記第2の前段結像レンズと上記第2の後段結像レンズとからなる第2光学系に設けられ、上記第1のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第2のカラーフィルタと;
上記第1光学系を通過した光を結像するとともに、上記第2光学系を通過した光を結像する結像面を具備し、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号とを互いに分離して出力する1つのカラー撮像素子と;
を有することを特徴とする望遠鏡。
【請求項11】
請求項1において、
上記第1、2の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1、2の前段結像レンズと一体に形成されている第3の前段結像レンズと;
上記第3の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1、2の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1、2の後段結像レンズと一体に形成されている第3の後段結像レンズと;
上記第3の前段結像レンズと上記第3の後段結像レンズとからなる第3光学系に設けられ、上記第1、2のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第3のカラーフィルタと;
を有し、
上記結像面は、上記第1、2、3光学系を通過した光を結像する結像面であり、
上記カラー撮像素子は、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号と、上記第3光学系を通過した光による結像に対応する第3結像信号とを互いに分離して出力する素子であることを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
請求項11において、
上記第1結像信号、上記第2結像信号、上記第3結像信号のうちの1つの信号を選択する選択手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項13】
所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと;
上記第2の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズと上記第1の後段結像レンズとからなる第1光学系に設けられ、P波の光のみを通過させる第1の偏光フィルタと;
上記第2の前段結像レンズと上記第2の後段結像レンズとからなる第2光学系に設けられ、S波の光のみを通過させる第2の偏光フィルタと;
上記第1光学系を通過した光を結像するとともに、上記第2光学系を通過した光を結像する結像面を具備し、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号とを互いに分離して出力する1つのカラー撮像素子と;
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
所定のレンズの中心部分に設けられ、所定の焦点距離を備える中心部と;
上記所定のレンズのうちで上記中心部以外の部分である非中心部分に設けられ、上記中心部の焦点距離とは異なる焦点距離を備える非中心部と;
を有することを特徴とする結像レンズ。
【請求項15】
請求項14において、
上記非中心部は、第1の非中心部と、第2の非中心部とによって構成され、
上記第1の非中心部の焦点距離は、上記中心部の焦点距離、上記第2の非中心部の焦点距離とは異なる焦点距離であることを特徴とする結像レンズ。
【請求項16】
所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズに設けられている第1のカラーフィルタと;
上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと;
上記第2の前段結像レンズに設けられ、上記第1のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第2のカラーフィルタと;
を有することを特徴とする結像レンズ。
【請求項17】
請求項16において、
上記第1の前段結像レンズの光軸と上記第2の前段結像レンズの光軸とが同じであることを特徴とする結像レンズ。
【請求項18】
請求項16において、
上記第1のカラーフィルタまたは上記第2のカラーフィルタは、上記第1の前段結像レンズまたは上記第2の前段結像レンズに蒸着でコーティングされたフィルタ、カラーフィルム、レンズを色ガラスで製造したものであることを特徴とする結像レンズ。
【請求項1】
所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと;
上記第2の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズと上記第1の後段結像レンズとからなる第1光学系に設けられ、所定の色の光のみを通過させる第1のカラーフィルタと;
上記第2の前段結像レンズと上記第2の後段結像レンズとからなる第2光学系に設けられ、上記第1のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第2のカラーフィルタと;
上記第1光学系を通過した光を結像するとともに、上記第2光学系を通過した光を結像する結像面を具備し、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号とを互いに分離して出力する1つのカラー撮像素子と;
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記第1結像信号、上記第2結像信号のうちの1つの信号を選択する選択手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記第1結像信号と上記第2結像信号とを合成する合成手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記合成手段は、上記第1結像信号に対応する画像である第1画像に対して、上記第2結像信号に対応する画像である第2画像を縮小し、上記第1結像信号の上に上記第2結像信号を重ねて表示するように、上記第1結像信号と上記第2結像信号とを合成する手段であることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項3において、
上記合成手段は、上記第1結像信号に対応する画像である第1画像と、上記第2結像信号に対応する画像である第2画像とを併置して表示するように、上記第1結像信号と上記第2結像信号とを合成する手段であることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1において、
上記カラー撮像素子が出力した信号に基づいて画像を表示する表示手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項1において、
上記第1光学系を通過する光の光路から、上記第1のフィルタを退避させる退避手段と;
上記第1光学系を通過する光の光路から上記第1のフィルタを退避させたときに、上記第2光学系を通過する光を遮断する遮断手段と;
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項7において、
上記遮断手段は、液晶であることを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のうちの少なくとも1項において、
上記撮像装置は、スチルカメラまたはビデオカメラであることを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと;
上記第2の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズと上記第1の後段結像レンズとからなる第1光学系に設けられ、所定の色の光のみを通過させる第1のカラーフィルタと;
上記第2の前段結像レンズと上記第2の後段結像レンズとからなる第2光学系に設けられ、上記第1のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第2のカラーフィルタと;
上記第1光学系を通過した光を結像するとともに、上記第2光学系を通過した光を結像する結像面を具備し、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号とを互いに分離して出力する1つのカラー撮像素子と;
を有することを特徴とする望遠鏡。
【請求項11】
請求項1において、
上記第1、2の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1、2の前段結像レンズと一体に形成されている第3の前段結像レンズと;
上記第3の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1、2の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1、2の後段結像レンズと一体に形成されている第3の後段結像レンズと;
上記第3の前段結像レンズと上記第3の後段結像レンズとからなる第3光学系に設けられ、上記第1、2のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第3のカラーフィルタと;
を有し、
上記結像面は、上記第1、2、3光学系を通過した光を結像する結像面であり、
上記カラー撮像素子は、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号と、上記第3光学系を通過した光による結像に対応する第3結像信号とを互いに分離して出力する素子であることを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
請求項11において、
上記第1結像信号、上記第2結像信号、上記第3結像信号のうちの1つの信号を選択する選択手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項13】
所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズを通過した光の像を結像する第1の後段結像レンズと;
上記第2の前段結像レンズを通過した光の像を、上記第1の後段結像レンズが結像した結像面と同一の結像面に結像し、上記第1の後段結像レンズと一体に形成されている第2の後段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズと上記第1の後段結像レンズとからなる第1光学系に設けられ、P波の光のみを通過させる第1の偏光フィルタと;
上記第2の前段結像レンズと上記第2の後段結像レンズとからなる第2光学系に設けられ、S波の光のみを通過させる第2の偏光フィルタと;
上記第1光学系を通過した光を結像するとともに、上記第2光学系を通過した光を結像する結像面を具備し、上記第1光学系を通過した光による結像に対応する第1結像信号と、上記第2光学系を通過した光による結像に対応する第2結像信号とを互いに分離して出力する1つのカラー撮像素子と;
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
所定のレンズの中心部分に設けられ、所定の焦点距離を備える中心部と;
上記所定のレンズのうちで上記中心部以外の部分である非中心部分に設けられ、上記中心部の焦点距離とは異なる焦点距離を備える非中心部と;
を有することを特徴とする結像レンズ。
【請求項15】
請求項14において、
上記非中心部は、第1の非中心部と、第2の非中心部とによって構成され、
上記第1の非中心部の焦点距離は、上記中心部の焦点距離、上記第2の非中心部の焦点距離とは異なる焦点距離であることを特徴とする結像レンズ。
【請求項16】
所定の焦点距離を具備する第1の前段結像レンズと;
上記第1の前段結像レンズに設けられている第1のカラーフィルタと;
上記第1の前段結像レンズの焦点距離とは異なる焦点距離を具備し、上記第1の前段結像レンズと一体に形成されている第2の前段結像レンズと;
上記第2の前段結像レンズに設けられ、上記第1のカラーフィルタの色とは異なる色の光のみを通過させる第2のカラーフィルタと;
を有することを特徴とする結像レンズ。
【請求項17】
請求項16において、
上記第1の前段結像レンズの光軸と上記第2の前段結像レンズの光軸とが同じであることを特徴とする結像レンズ。
【請求項18】
請求項16において、
上記第1のカラーフィルタまたは上記第2のカラーフィルタは、上記第1の前段結像レンズまたは上記第2の前段結像レンズに蒸着でコーティングされたフィルタ、カラーフィルム、レンズを色ガラスで製造したものであることを特徴とする結像レンズ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−109067(P2013−109067A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252515(P2011−252515)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(501193218)株式会社 清原光学 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(501193218)株式会社 清原光学 (16)
【Fターム(参考)】
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