説明

撮像装置、撮像装置の制御方法

【課題】 ネットワークを介して撮像画像を配信する撮像装置における動作パラメータの設定を該ネットワークを介して行う場合に、より確実に動作パラメータの設定を行うための技術を提供すること。
【解決手段】 第1の外部装置から問い合わせコマンドを受信すると、該第1の外部装置に対してパラメータを送信すると共に、タイマにカウントを開始させる。カウント開始からカウント値が規定値に達するまでの期間内で変更コマンドを受信すると、該変更コマンドの送信元が第1の外部装置である場合、撮像装置に設定されているパラメータを変更コマンドに従って変更する。第2の外部装置である場合、撮像装置に設定されているパラメータを変更することなく、撮像装置に設定されているパラメータを変更することができない旨を示すエラー通知を、第2の外部装置に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して撮像画像を配信する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オープンな通信プロトコルを用いて、ネットワークカメラと、コンピュータ上で動作する録画ソフトとを接続して動作する映像配信システムや監視システムなどが提案されている。例えば、オープンな通信プロトコルであるONVIF(Open Network Video Interface Forum Core Specification Version 1.0 2008年11月)を用い、既設監視カメラ装置のプリセットポジションを、新設監視カメラ装置に容易に登録できる監視カメラシステムの提案があった(特許文献1)。また、ネットワーク上の通信帯域を確保するために、ONVIFを用いて映像信号の再配信を行うネットワークデコーダ装置の提案などがあった(特許文献2)。
【0003】
例えば、特許文献2では、次のような動作が開示されている。即ち、デコーダ装置が、クライアントからのONVIFの“GetProfile”Requestによる送信可能な映像形式の問合せコマンドを受信したとする。このときデコーダ装置は、1乃至複数のMedia Profileを含む“GetProfiles”Responseを用いて、可能な映像形式のリストを応答する。また特許文献2では、上記動作の後、クライアントが特定の“Video Encoder Configuration”を指定したMedia Profileを設定し、所望の属性を持つ符号化方式を設定する。
【0004】
一方、ネットワークカメラなど、比較的、符号化処理能力の低いネットワーク機器においては、一つの符号化方式について単一のストリームだけしか出力できない場合があった。例えば、クライアントからある解像度やフレームレートの属性を持ったH.264の符号化方式を設定され、該属性のH.264ストリームの送信を開始したとする。このとき、他の解像度やフレームレートの属性を持つH.264符号化映像を配信することができないネットワークカメラがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-15040号公報
【特許文献2】特開2010-272943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のネットワークカメラにおいては、複数のクライアントからの要求を処理する場合に、以下のような問題点がある。第一クライアントからネットワークカメラの設定の選択肢に関する問い合わせがあった後、第一クライアントとは異なる第二クライアントから上記の選択肢を変更するコマンドを受信して設定動作を行ったとする。この場合、後に続く第一クライアントからの動作設定が失敗してしまう可能性があった。
【0007】
以下に、上記のH.264を例にとって説明する。第一クライアントから符号化方式の選択肢を問い合わせられたネットワークカメラに対し、第二クライアントがSXGAサイズのH.264映像の配信を要求したと仮定する。その後、第一クライアントがVGAサイズのH.264映像の配信を要求した場合、従来のネットワークカメラでは、VGAサイズのH.264映像配信要求が失敗してしまうことがあるといった問題点があった。
【0008】
また、このような場合、複数のクライアントが、それぞれの望む設定を交互に繰り返し行うことにより設定動作が終了できなくなってしまう、いわゆるライブロックが発生してしまう問題点があった。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ネットワークを介して撮像画像を配信する撮像装置における動作パラメータの設定を該ネットワークを介して行う場合に、より確実に動作パラメータの設定を行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の撮像装置は、撮像した画像を、ネットワークを介して複数の外部装置に配信する撮像装置であって、前記外部装置から送信されたコマンドを受信する受信手段と、前記撮像装置に設定可能なパラメータを該撮像装置に問い合わせる問い合わせコマンドを前記受信手段が受信すると、該問い合わせコマンドの送信元である第1の外部装置に対して前記パラメータを送信すると共に、タイマにカウントを開始させる手段と、前記タイマによるカウントを開始してから該タイマによるカウント値が規定値に達するまでの期間において、前記受信手段が、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更する変更コマンドを受信すると、該変更コマンドの送信元が、前記第1の外部装置であるのか、前記複数の外部装置のうち前記第1の外部装置いがいの第2の外部装置であるのか、を判断する判断手段と、前記判断手段が前記第2の外部装置であると判断した場合、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更することなく、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更することができない旨を示すエラー通知を、前記第2の外部装置に対して送信する第1の手段と、前記判断手段が前記第1の外部装置であると判断した場合、前記撮像装置に設定されているパラメータを前記変更コマンドに従って変更する第2の手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によれば、ネットワークを介して撮像画像を配信する撮像装置における動作パラメータの設定を該ネットワークを介して行う場合に、より確実に動作パラメータの設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】撮像装置の構成例を示す図。
【図2】撮像装置の動作を説明する図。
【図3】撮像装置が行う処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載の構成の具体的な実施例の1つである。
【0014】
[第1の実施形態]
本実施形態では、撮像した画像を、ネットワークを介して複数の外部装置に配信する、ネットワークカメラとしての撮像装置について説明する。先ず、本実施形態に係る撮像装置の構成例について、図1を用いて説明する。なお、図1は、主要な構成を記したのみであって、撮像装置の全ての構成を記したわけではない。また、図1に示した構成は全てが必須なものではなく、以下に説明する各処理を実現可能な構成であれば、如何なる構成を採用してもよい。
【0015】
外界の光は、撮像光学系101を介して光学像として撮像素子102に入光する。撮像素子102は光電変換により、この入光した光学像に応じた画像信号を出力する。
【0016】
撮像光学系101における不図示のズームレンズ群やフォーカスレンズ群は、モータ108により駆動され、このモータ108は、モータドライバ110により駆動制御される。更にこのモータドライバ110は、CPU112により駆動制御される。
【0017】
映像処理部104は、撮像素子102からの画像信号に対して適当な画像処理を施し、画像処理済みの画像(以下、単に撮像画像と呼称する)を、後段の映像符号化部106に対して出力する。
【0018】
映像符号化部106は、映像処理部104から出力された撮像画像に対し、現在撮像装置に設定されている画像符号化方式(モーションJPEG、H.264、MPEG4など)に従って符号化を行うことで、符号化画像データを生成する。そして映像符号化部106は、この生成した符号化画像データを、通信バッファ114に格納する。
【0019】
マイク121は、外界の音を収集し、収集した音に応じた音信号を出力する。音声処理部123は、マイク121から出力された音信号に対して各種の処理を施す。音声符号化部125は、音声処理部123からの音信号に対し、現在撮像装置に設定されている音声符号化方式(G.711、G.726、ACCなど)に従って符号化を行うことで、符号化音声データを生成する。そして音声符号化部125は、生成した符号化音声データを、通信バッファ114に格納する。
【0020】
通信処理部116は、通信バッファ114に格納されている符号化画像データや符号化音声データをパケット化し、パケット単位で複数の外部装置に対して配信する。また、通信処理部116は、外部装置から送信されたコマンドを受信すると、この受信したコマンドを通信バッファ114に格納すると共に、格納した旨をCPU112に通知する。
【0021】
CPU112は、不図示のメモリに格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて、撮像装置を構成する各部の動作制御を行う。また、CPU112は、その内部にタイマを有しており、任意のタイミングでカウントを開始したり、カウント値をリセットしてカウントを再開したりすることができる。もちろん、このタイマはCPU112の外部に配置されていてもよい。またCPU112は、通信バッファ114にコマンドが格納された旨の通知を受けると、このコマンドに応じた処理を実行する。また、CPU112は、通信バッファ114に格納されているコマンドに対する応答データを生成し、生成した応答データを通信バッファ114に格納する。然るに通信処理部116は、この通信バッファ114に格納された応答データをパケット化し、パケット単位でネットワークを介して外部装置に対して送信する。本実施形態では、例えば、いわゆるONVIF規格によって、そのデータ形式と意味づけが定められている上記コマンドや応答データが送受信される。
【0022】
次に、上記の構成を有する撮像装置の動作について、図2を用いて説明する。図2では、撮像装置は、ネットワークカメラ502として示されている。そして、ネットワークカメラ502は、第1のクライアント(第1の外部装置)及び第2のクライアント(第2の外部装置)に対して撮像画像や音声を配信すると共に、それぞれからコマンドを受け付け可能であるものとしている。なお、ネットワークカメラ502に3台以上のクライアントが接続されている場合であっても、ネットワークカメラ502の基本的な動作については下記の動作と同じである。
【0023】
先ず、図2(a)に示したケースにおけるネットワークカメラ502、第1のクライアント(501)、第2のクライアント(503)、のそれぞれの動作について説明する。
【0024】
ネットワークカメラ502に設定可能なパラメータを該ネットワークカメラ502に問い合わせる問い合わせコマンド505を第1のクライアントがネットワークカメラ502に送信すると、ネットワークカメラ502は該問い合わせコマンド505を受信する。
【0025】
ネットワークカメラ502は、問い合わせコマンド505を受信すると、問い合わせのあったパラメータを、問い合わせコマンド505に対する応答データ509として、該問い合わせコマンド505の送信元である第1のクライアントに送信する。更にネットワークカメラ502は、自身が有するタイマにカウントの開始指示507を送出するので、タイマはカウントを開始する。
【0026】
カウントを開始してからタイマのカウント値が規定値に達するまでの期間において、ネットワークカメラ502が第2のクライアントから、ネットワークカメラ502に設定されているパラメータを変更する変更コマンド511を受信したとする。このとき、ネットワークカメラ502は、ネットワークカメラ502に設定されているパラメータを変更することができない旨を示すエラー通知を、変更コマンド511に対する応答データ513として、第2のクライアントに送信する。
【0027】
このように、ネットワークカメラ502は、問い合わせコマンドを受信してから一定期間内に、該問い合わせコマンドの送信元以外の装置から変更コマンドを受信した場合には、この装置に対してエラー通知を行う。
【0028】
そして、タイマは、カウント値が規定値に達すると、タイムアウトを示す通知515をネットワークカメラ502のCPU112に送出するので、ネットワークカメラ502はまた、問い合わせコマンドを受付可能な状態となる。
【0029】
次に、図2(b)に示したケースにおけるネットワークカメラ502、第1のクライアント(501)、第2のクライアント(503)、のそれぞれの動作について説明する。
【0030】
第1のクライアントが問い合わせコマンド521をネットワークカメラ502に送信すると、ネットワークカメラ502はこの問い合わせコマンド521を受信する。そしてネットワークカメラ502は、問い合わせのあったパラメータを、問い合わせコマンド521に対する応答データ525として、該問い合わせコマンド521の送信元である第1のクライアントに送信する。更にネットワークカメラ502は、自身が有するタイマにカウントの開始指示523を送出するので、タイマはカウントを開始する。
【0031】
カウントを開始してからタイマのカウント値が規定値に達するまでの期間において、ネットワークカメラ502が第1のクライアントから変更コマンド527を受信すると、ネットワークカメラ502は、タイマにカウント停止指示529を送出する。これによりタイマはカウンタ値をリセットし、カウントを停止する。更にネットワークカメラ502は、ネットワークカメラ502に設定されているパラメータを、この変更コマンド527に基づいて変更すると共に、変更した旨を示す応答データ531を、第1のクライアントに送信する。
【0032】
更にその後、ネットワークカメラ502が第2のクライアントから変更コマンド535を受信したとする。このとき、ネットワークカメラ502は、ネットワークカメラ502に設定されているパラメータを、この変更コマンド535に基づいて変更すると共に、変更した旨を示す応答データ537を、第2のクライアントに送信する。
【0033】
このように、ネットワークカメラ502は、問い合わせコマンドを受信してから一定期間内に、該問い合わせコマンドの送信元から変更コマンドを受信した場合、次に問い合わせコマンドを受信するまでは、受信した変更コマンドに応じた変更処理を行う。
【0034】
なお、上記の説明で登場する問い合わせコマンドは、ONVIFの映像符号化の設定に関するコマンドの場合、例えば、“GetVideoEncoderConfiguration”コマンドに適用することができる。さらには、“GetVideoEncoderConfigurationOptions”コマンドに適用することもできる。
【0035】
また、上記の説明で登場する変更コマンドは、“AddVideoEncoderConfiguration”コマンドや“RemoveVideoEncoderConfiguration”コマンドに適用することができる。さらには、“SetVideoEncoderConfiguration”コマンドにも適用することができる。
【0036】
例えば、図2(a)のケースにおいて、問い合わせコマンド505として“GetVideoEncoderConfigurationOptions”コマンドが第1のクライアントからネットワークカメラ502に送信されたとする。この場合、ネットワークカメラ502は、ネットワークカメラ502に設定可能なパラメータとして下記のパラメータ群を、応答データ509として第1のクライアントに送信する。応答データ509の送信は、GetVideoEncoderConfigurationOptions”レスポンスを用いて行われる。
【0037】
<モーションJPEGのパラメータ>
解像度のパラメータとして160×120、320×240、640×480、1280×960、フレームレートのパラメータとして1〜30フレーム毎秒の各フレームレート。
【0038】
<H.264のパラメータ>
解像度のパラメータとして320×240、640×480、1280×960、フレームレートのパラメータとして1〜30フレーム毎秒の各フレームレート。
【0039】
このように、符号化方式ごとの、解像度のパラメータ、フレームレートのパラメータを、応答データ509として第1のクライアントに送信することで、第1のクライアントに、符号化方式、解像度、フレームレート、の選択肢を与えることができる。然るに第1のクライアント側では、この選択肢の中から、ネットワークカメラ502に設定する符号化方式、解像度、フレームレートを選択することができる。そして第1のクライアントは、この選択した符号化方式、解像度、フレームレートをネットワークカメラ502に設定するための変更コマンドを、ネットワークカメラ502に送信することができる。
【0040】
ここで第2のクライアントが、解像度として1280×960、フレームレートとして30フレーム毎秒、符号化方式としてH.264、をネットワークカメラ502に設定するための変更コマンド511をネットワークカメラ502に送信したとする。この変更コマンド511は、“AddVideoEncoderConfiguration”コマンドである。
【0041】
このとき、ネットワークカメラ502は、1種類のH.264ストリームだけしか配信することができないため、応答データ513として、上記の通り、エラー通知を第2のクライアントに返す。なお、第2のクライアントが、モーションJPEGの設定を行った場合には、ネットワークカメラ502は複数のモーションJPEG映像を配信することが可能であるので、通常の映像配信設定を行なう。
【0042】
また、図2(b)のケースにおいて、第1のクライアントが、変更コマンド527としての“AddVideoEncoderConfiguration”コマンドによって、H.264に係るパラメータを変更しようとする場合を考える。この場合、ネットワークカメラ502は、タイマをリセットしてカウントを停止させ、この変更コマンド527に従ってパラメータを変更すると共に、変更した旨を示す応答データ531を第1のクライアントに送信する。その後、第2のクライアントが、変更コマンド535としての“AddVideoEncoderConfiguration”コマンドによって、H.264に係るパラメータを変更しようとしているとする。この場合、ネットワークカメラ502は、この変更コマンド535に従ってパラメータを変更すると共に、変更した旨を示す応答データ537を第2のクライアントに送信する。
【0043】
次に、本実施形態に係る撮像装置が行う処理について、同処理のフローチャートを示す図3を用いて説明する。なお、図3のフローチャートをCPU112に実行させるためのコンピュータプログラムやデータは、撮像装置内の不図示のメモリ内に格納されている。然るにCPU112は、このメモリに格納されているこのコンピュータプログラムやデータを用いて処理を実行することで、図3のフローチャートに従った処理を実行する。
【0044】
CPU112が、通信処理部116から、通信バッファ114にコマンド(第1のコマンド)が格納された旨の通知を受けると、処理はステップS301を介してステップS302に進む。ステップS302ではCPU112は、この第1のコマンドの送信元を判断する。送信元の判断方法については特定の方法に限るものではないが、例えば、Web Service Security規格におけるUser Tokenを用いて行われる。
【0045】
ステップS303ではCPU112は、ステップS301で受信した第1のコマンドが問い合わせコマンドであるのか否かを判断する。この判断の結果、第1のコマンドが問い合わせコマンドである場合には、処理はステップS305に進み、問い合わせコマンドではない場合には、処理はステップS304に進む。
【0046】
ステップS304ではCPU112は、第1のコマンドに応じた処理を実行すると共に、その処理が成功したことや、処理の結果などを示す応答データを生成する。そしてCPU112は通信処理部116を制御し、この生成した応答データをステップS302で判断した送信元に対して送信させる。
【0047】
ステップS305ではCPU112は、自身が有するタイマにカウントの開始指示を送出するので、タイマはカウントを開始する。
【0048】
次に、CPU112が、通信処理部116から、更に通信バッファ114にコマンド(第2のコマンド)が格納された旨の通知を受けると、処理はステップS306を介してステップS307に進む。一方、第2のコマンドが格納された旨の通知を受けていない場合は、処理はステップS306を介してステップS312に進む。
【0049】
ステップS312ではCPU112は、タイマから、カウント値が規定値に達したことを示す「タイムアウト」の通知を受けたか否かを判断し、受けた場合は、処理はステップS301に進み、受けていない場合は、処理はステップS306に進む。
【0050】
一方、ステップS307ではCPU112は、ステップS302と同様にして、第2のコマンドの送信元を判断する。
【0051】
ステップS308ではCPU112は、ステップS302で判断した送信元(第1のコマンドの送信元)と、ステップS307で判断した送信元(第2のコマンドの送信元)と、が同じであるか否かを判断する。この判断の結果、第1のコマンドの送信元と第2のコマンドの送信元とが同じであると判断した場合には、処理はステップS313に進み、同じではないと判断した場合は、処理はステップS309に進む。
【0052】
ステップS309ではCPU112は、第2のコマンドが変更コマンドであるか否かを判断する。この判断の結果、第2のコマンドが変更コマンドである場合には、処理はステップS310に進み、第2のコマンドが変更コマンドではない場合には、処理はステップS311に進む。
【0053】
ステップS311ではCPU112は、第2のコマンドに応じた処理を実行すると共に、その処理が成功したことや、処理の結果などを示す応答データを生成する。そしてCPU112は通信処理部116を制御し、この生成した応答データをステップS307で判断した送信元に対して送信させる。
【0054】
一方、ステップS310ではCPU112は、通信処理部116を制御し、ネットワークカメラ502に設定されているパラメータを変更することができない旨を示すエラー通知を、ステップS307で判断した送信元に対して送信させる。
【0055】
また、ステップS313ではCPU112は、第2のコマンドが変更コマンドであるか否かを判断する。この判断の結果、第2のコマンドが変更コマンドである場合には、処理はステップS314に進み、第2のコマンドが変更コマンドではない場合には、処理はステップS311に進む。
【0056】
ステップS314ではCPU112は、タイマにカウント停止指示を送出するので、これによりタイマはカウンタ値をリセットし、カウントを停止する。
【0057】
そしてステップS315ではCPU112は、第2のコマンドに応じた処理を実行すると共に、その処理が成功したことや、処理の結果などを示す応答データを生成する。そしてCPU112は通信処理部116を制御し、この生成した応答データをステップS307で判断した送信元に対して送信させる。
【0058】
次に、CPU112が通信処理部116から、更に通信バッファ114にコマンド(第3のコマンド)が格納された旨の通知を受け、且つこの第3のコマンドが問い合わせコマンドである場合には、処理はステップS316を介してステップS301に進む。一方、CPU112が通信処理部116から、通信バッファ114に第3のコマンドが格納された旨の通知を受けていない、又はこの通知は受けているが第3のコマンドが問い合わせコマンドでない場合、処理はステップS316を介してステップS317に進む。
【0059】
次に、CPU112が通信処理部116から、通信バッファ114に第3のコマンドが格納された旨の通知を受けていない場合は、処理はステップS317を介してステップS316に進む。一方、CPU112が通信処理部116から、通信バッファ114に第3のコマンドが格納された旨の通知を受けており、且つ第3のコマンドが問い合わせコマンド以外のコマンドである場合は、処理はステップS317を介してステップS318に進む。
【0060】
そしてステップS318ではCPU112は、第3のコマンドに応じた処理を実行すると共に、その処理が成功したことや、処理の結果などを示す応答データを生成する。そしてCPU112は通信処理部116を制御し、この生成した応答データを、第3のコマンドの送信元に対して送信させる。
【0061】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、ステップS314にてタイマをリセットした後、次に問い合わせコマンドを受信するまでステップS318を実行していた。しかし、ステップS318の処理の終了条件についてはこれに限るものではなく、例えば、タイマをリセットしてから規定時間が経過(タイマが計時)するまでステップS318の処理を実行するようにしてもよい。
【0062】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像した画像を、ネットワークを介して複数の外部装置に配信する撮像装置であって、
前記外部装置から送信されたコマンドを受信する受信手段と、
前記撮像装置に設定可能なパラメータを該撮像装置に問い合わせる問い合わせコマンドを前記受信手段が受信すると、該問い合わせコマンドの送信元である第1の外部装置に対して前記パラメータを送信すると共に、タイマにカウントを開始させる手段と、
前記タイマによるカウントを開始してから該タイマによるカウント値が規定値に達するまでの期間において、前記受信手段が、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更する変更コマンドを受信すると、該変更コマンドの送信元が、前記第1の外部装置であるのか、前記複数の外部装置のうち前記第1の外部装置いがいの第2の外部装置であるのか、を判断する判断手段と、
前記判断手段が前記第2の外部装置であると判断した場合、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更することなく、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更することができない旨を示すエラー通知を、前記第2の外部装置に対して送信する第1の手段と、
前記判断手段が前記第1の外部装置であると判断した場合、前記撮像装置に設定されているパラメータを前記変更コマンドに従って変更する第2の手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第2の手段は、
前記判断手段が前記第1の外部装置であると判断すると、次に前記複数の外部装置の何れかから前記問い合わせコマンドを受信するまでの期間内では、該期間内に前記受信手段が受信した変更コマンドに従って、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記パラメータは、前記撮像装置が撮像した画像に対して行う符号化の方式、該画像の解像度、配信するフレームレート、であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮像した画像を、ネットワークを介して複数の外部装置に配信する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置の受信手段が、前記外部装置から送信されたコマンドを受信する受信工程と、
前記撮像装置の開始手段が、前記撮像装置に設定可能なパラメータを該撮像装置に問い合わせる問い合わせコマンドを前記受信工程で受信すると、該問い合わせコマンドの送信元である第1の外部装置に対して前記パラメータを送信すると共に、タイマにカウントを開始させる工程と、
前記撮像装置の判断手段が、前記タイマによるカウントを開始してから該タイマによるカウント値が規定値に達するまでの期間において、前記受信工程で、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更する変更コマンドを受信すると、該変更コマンドの送信元が、前記第1の外部装置であるのか、前記複数の外部装置のうち前記第1の外部装置いがいの第2の外部装置であるのか、を判断する判断工程と、
前記撮像装置の第1の手段が、前記判断工程で前記第2の外部装置であると判断した場合、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更することなく、前記撮像装置に設定されているパラメータを変更することができない旨を示すエラー通知を、前記第2の外部装置に対して送信する第1の工程と、
前記撮像装置の第2の手段が、前記判断工程で前記第1の外部装置であると判断した場合、前記撮像装置に設定されているパラメータを前記変更コマンドに従って変更する第2の工程と
を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−90068(P2013−90068A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227439(P2011−227439)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】