説明

撮像装置、読取装置、および光量調整方法

【課題】コードシンボルからコード情報を安定して読み取ることができる。
【解決手段】実施形態のコード読取装置は、撮像素子と、光源と、検知手段と、調整手段と、備える。前記撮像素子は、画像を撮像する。前記光源は、前記撮像素子による画像の撮像領域に光を照射する。前記検知手段は、前記撮像素子により撮像された画像から、所定の領域を検知する。前記調整手段は、前記検知手段により所定の領域が検知された場合に、前記光源から前記撮像領域に照射される光の光量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、撮像装置、読取装置、および光量調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品に付されたバーコード等のコードシンボルの画像を光学的に撮像し、撮像した画像に含まれるコードシンボルをデコードしてコード情報(商品コード等)を取得するコード読取装置がある(特許文献1参照)。具体的には、このようなコード読取装置は、商品に付されたバーコードの画像をCCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像素子によって撮像し、撮像素子の出力をデコードしてバーコードのコード情報を取得している。
【0003】
この種のコード読取装置では、撮像素子により鮮明な画像を撮像するために、撮像素子の撮像領域(バーコード等のコードシンボルからコード情報を読み取る読取領域)を照明装置で照明する必要がある。そのため、コード読取装置では、照明装置として用いるLED(Light Emitting Diode)等の光源を、撮像素子を取り囲むように配置して、撮像素子の撮像領域を照明するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来のコード読取装置においては、バーコード等のコードシンボルが付された商品の材質や撮像素子の撮像領域にかざされた際の商品の角度等によって、光源からの光がバーコード等のコードシンボルで鏡面反射して撮像素子によって撮像された画像に欠落が生じ、撮像素子に撮像された画像に含まれるバーコード等のコードシンボルからコード情報を読み取れない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のコード読取装置は、撮像素子と、光源と、検知手段と、調整手段と、備える。前記撮像素子は、画像を撮像する。前記光源は、前記撮像素子による画像の撮像領域に光を照射する。前記検知手段は、前記撮像素子により撮像された画像から、所定の領域を検知する。前記調整手段は、前記検知手段により前記所定の領域が検知された場合に、前記光源から前記撮像領域に照射される光の光量を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、コード読取装置を用いたPOSシステムの全体構成の斜視図を示す図である。
【図2】図2は、コード読取装置が備える撮像装置の概略構成を示す図である。
【図3】図3は、コード読取装置が備える撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、画像データからのコード情報の読取動作を説明するための図である。
【図5】図5は、制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、撮像素子の撮像領域に照射される光の光量を調整する処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、鏡面反射光により画像データに欠落が発生した場合における、バーコードを構成するバーの配列方向における画素の配列(図4の鎖線で示す)と、各画素の明るさのレベルと、の関係を示す図である。
【図9】図9は、撮像素子の撮像領域に照射される光の光量を調整する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。図1は、コード読取装置を用いたPOSシステムの全体構成の斜視図を示す図である。図2は、コード読取装置が備える撮像装置の概略構成を示す図である。サッカー台10上の中央部には、スキャナであるコード読取装置11が立設されている。また、サッカー台10の内側には、POS(Point Of Sales)システムを構成する電子キャッシュレジスタから成るPOS端末12が設置されている。これらコード読取装置11とPOS端末12とは、図示しない伝送路によって相互通信可能に接続されている。なお、コード読取装置11とPOS端末12とによりPOSターミナル部を構成する。
【0008】
POS端末12には、キーボード13と、キャッシャ用の表示器14と、買物客用の表示器15と、レシート印字等を行うプリンタ16等とが設けられている。キーボード13には、商品代金の決済に必要な締めキー等が配設されている。このようなPOS端末12は、この種のチェックアウトレーンシステムで標準的に使用されている。
【0009】
コード読取装置11には、撮像した画像から各種情報を読み取るためのものである。例えば、コード読取装置11は、商品等に付されたバーコードBCやQRコード(登録商標)等のコードシンボルから商品コードなどの商品を特定するコード情報を読み取る。また、コード読取装置11は、商品等に付された値引ラベル等のサービスラベルから商品の購入に対して付与する値引等のサービスを特定するサービス特定情報を読み取る。
【0010】
本実施形態では、コード読取装置11は、バーコードBCやQRコード(登録商標)等のコードシンボルや値引ラベル等のサービスラベルを含む画像を撮像する撮像装置17と、バーコードBCやQRコード(登録商標)等のコードシンボルが付されていない商品のコード情報やサービスラベルが付されていない商品のサービス特定情報等の各種情報を入力するための各種キー等が配設されたキーボード18と、買物客に対して、登録された商品の品名や価格等の商品情報や登録した商品の購入に対して付与する値引等のサービス情報等の各種情報を表示するためのディスプレイ19等とが設けられている。
【0011】
このうち撮像装置17は、図2に示すように、撮像素子201、複数の光源202,203、レンズ204等を備えている。撮像素子201は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなど、画像を撮像するものである。そして、撮像素子201は、撮像された画像の画像データを制御部30に出力する。
【0012】
光源202,203は、白色LED(Light Emitting Diode)など、撮像素子201の撮像領域RAに光を照射するものである。なお、本実施形態では、撮像装置17は、2つの光源202,203を用いているが、レンズ204の周囲を取り囲むようにして2以上のLED等の光源を配置しても良い。
【0013】
レンズ204は、撮像素子201の撮像領域RAに位置するバーコードBCやQRコード(登録商標)等のコードシンボル等の被写体によって反射した光を取り込むとともに、取り込んだ光を撮像素子201に入射して、被写体の画像を撮像素子201に結像する撮像光学系である。つまり、本実施形態では、撮像素子201は、レンズ204を通して被写体を撮像し、その画像データを出力する。
【0014】
なお、サッカー台10上のコード読取装置11よりも上流側には、買物客が購入しようとする例えば複数の商品21が入れられた買物かご22が置かれる。また、サッカー台10上のコード読取装置11よりも下流側には、コード読取装置11によりコード情報が読み取られ、読み取られたコード情報に従って登録された商品21を入れるための別の買物かご23が置かれている。
【0015】
POS端末12には、例えば店舗内のLAN(Local Area Network)24を介してPOS処理装置としてのPOSサーバ25が接続されている。このPOSサーバ25は、POS端末12との間で商品21の精算処理に関する情報の授受および商品21の精算処理結果の記録を行う。このPOSサーバ25は、例えば店舗で販売する全ての商品21の商品コードや価格や商品名や商品画像等の商品21を示すデータ(商品情報)、さらには商品21の購入に対して付与する値引き等のサービスを示すデータ(サービス情報)を予め格納する商品データベースを有する。このPOSサーバ25は、POS端末12からLAN24を介して送信されてくるデータコード(例えば、コード読取装置11により読み取られたコード情報)を商品データベースに照会し、当該データコードに対応する商品21の価格や商品名等のデータ(商品情報)を読み出し、全ての商品21の各価格を合計して精算額データを求め、この精算額データをLAN24を介してPOS端末12に返信する。また、POSサーバ25は、POS端末12からLAN24を介して送信されてくるデータコード(例えば、コード読取装置11により読み取られたサービス特定情報)を商品データベースに照会し、当該データコードに対応する商品21の値引き値(サービス情報)を読み出し、この値引き値を加味した処理を行って精算額データを求め、この精算額データをLAN24を介してPOS端末12に返信する。尚、本実施形態では、商品データベースをPOSサーバ25が持つ場合で説明したが、これに限られるものではない。例えば、POS端末12やコード読取装置11が商品データベースを保持し、データ処理を構成としても良い。
【0016】
図3は、コード読取装置が備える撮像装置の構成を示すブロック図である。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から成る。この制御部30は、CPUがROMに格納されているプログラムを実行することにより撮像装置17を動作制御する。この制御部30には、撮像素子201と、光源202,203を発光させる光源駆動回路31と、デコーダ32と、インタフェース33とが接続されている。
【0017】
光源駆動回路31は、制御部30により制御され、光源202,203から撮像素子201の撮像領域RAに光を照射させる。インタフェース33は、LAN24を介してPOSサーバ25が接続されている。
【0018】
デコーダ32は、バーコードBCやQRコード(登録商標)等のコードシンボルや値引ラベル等のサービスラベルが付された商品21からの反射光が入射される撮像素子201により撮像された画像の画像データが入力され、入力された画像データから情報を読み取る読取部である。本実施形態では、デコーダ32は、入力された画像データに含まれるバーコードBCやQRコード等のコードシンボルや値引ラベル等のサービスラベルから、コード情報やサービス特定情報を復号することにより、コード情報やサービス特定情報等の情報を読み取る。そして、デコーダ32は、読み取った情報をインタフェース33を介してPOS端末12に送信する。
【0019】
ここで、図4を用いて、画像データからコード情報を読み取る動作について説明する。図4は、画像データからのコード情報の読取動作を説明するための図である。デコーダ32は、撮像素子201から入力された画像データ500に含まれるバーコードBCを、当該バーコードBCを構成するバー502に対して垂直方向に走査(鎖線で示す)して、バー502の配列データを取得する。デコーダ32は、バーコードBCの走査を異なる位置で所定回数繰り返して、所定個数のバー502の配列データを取得する。次いで、デコーダ32は、取得した各バー502の配列データからコード情報を読み取る。
【0020】
なお、本実施形態では、デコーダ32は、入力された画像データに含まれるコードシンボルからコード情報を読み取っているが、これに限定するものではない。例えば、デコーダ32は、POSサーバ25に格納された商品データベースの商品画像を参照して、入力された画像データから、特徴量として色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を読み取ることによって特定の物体として商品を認識する。そして、デコーダ32は、商品データベースから、認識した商品の商品コードを読み出すことにより、商品のコード情報を読み取ることも可能である。なお、デコーダ32は、処理時間の短縮を図るため、商品の輪郭や大きさは考慮しないものとする。
【0021】
次に、画像データからサービス特定情報を読み取る動作について説明する。デコーダ32は、パターン認識やOCR文字認識により画像データ中の所定の領域から検出した文字列や、絵及びシンボル等のマークの特徴と、制御部30のROM等に予め記憶されたラベル特徴ファイル(図示しない)のラベル特徴データとを照合し、一致度が所定値以上となった場合に、その領域にサービスラベルを検出したと判定する。そして、デコーダ32は、サービスラベルを検出すると、このサービスラベルのラベル特徴データに対応付けられたサービス特定情報をラベル特徴ファイルから読み取る。なお、一致度判定の際の閾値は、例えば90%等任意の値を設定できるものとする。
【0022】
図3に戻り、デコーダ32は、情報の読取結果から、情報の読み取りエラーを検知する検知部としても機能する。言い換えると、デコーダ32は、撮像素子201により撮像された画像の画像データから、鏡面反射光を検知するものである。
【0023】
本実施形態では、デコーダ32は、撮像素子201により撮像された画像の画像データ500に含まれるバーコードBCやQRコード(登録商標)等のコードシンボルからのコード情報の読取結果(または、サービスラベルからのサービス特定情報の読取結果)から、コード情報やサービス特定情報の読み取りエラーを検知する。そして、デコーダ32は、コード情報やサービス特定情報の読み取りエラーが検知されたことを制御部30に通知する。
【0024】
ここで、図4を用いて、バーコードBCからのコード情報の読取結果に従って読み取りエラーを検知する方法について説明する。鏡面反射光が発生した場合、撮像素子201から出力された画像データ500には、図4に示すように、画像の欠落(例えば、白飛びなど)501が発生する。そこで、デコーダ32は、上述した処理により各バー502の配列データから読み取られたコード情報が一致しなかった場合に、コード情報の読み取りエラーが発生したと判断する。
【0025】
具体的には、デコーダ32は、上述したように、撮像素子201から出力された画像データ500に含まれるバーコードBCを構成する各バー502に対して垂直方向への走査を異なる位置で所定回数繰り返して、所定個数のバー502の配列データを取得する。次いで、デコーダ32は、取得した各バー502の配列データからのコード情報を読み取る。そして、デコーダ32は、読み取った所定個数のコード情報が一致するか否かを判断する。なお、所定回数は、コード読取装置11が備えるキーボード18等からユーザが任意に設定できるものとする。そして、デコーダ32は、バーコードBCの走査を異なる位置で所定回数繰り返すことにより読み取ったコード情報が一致しなかった場合、コード情報の読み取りエラーが発生したと判断する。
【0026】
なお、上述した一般物体認識を用いてコード情報の読み取りを行った場合、デコーダ32は、入力された画像データから複数の商品が認識された場合に、コード情報の読み取りにエラーが発生したと判断するものとする。
【0027】
次に、サービスラベルからのサービス特定情報の読取結果に従って読み取りエラーが検知する方法について説明する。デコーダ32は、パターン認識やOCR文字認識により画像データ中の所定の領域から検出した文字列や、絵及びシンボル等のマークの特徴と、制御部30のROM等に予め記憶されたラベル特徴ファイル(図示しない)のラベル特徴データとを照合し、一致度が所定値より低い場合に、サービス特定情報の読み取りにエラーが発生したと判断する。
【0028】
図5は、制御部の機能構成を示すブロック図である。制御部30は、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを順次実行することにより、調整部401等としての機能を備える。
【0029】
調整部401は、デコーダ32により情報の読み取りエラーが検知された場合(つまり、鏡面反射光が検知された場合)に、光源駆動回路31を制御して、光源202,203のうち少なくとも1つの光源から照射する光の光量を調節することにより、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整する。本実施形態では、調整部401は、デコーダ32により鏡面反射光が検知された場合に、光源駆動回路31を制御して、光源202,203のうち少なくとも1つの光源から照射する光の光量を減らすものとする。これにより、コードシンボルやサービスラベル等から反射して撮像素子201に入射される反射光の光量が抑えられ、鏡面反射光による画像の欠落501を軽減することができるので、鏡面反射光が発生してもコードシンボルやサービスラベル等からコード情報やサービス特定情報などの情報を安定して読み取ることができる。なお、調整部401は、デコーダ32により鏡面反射光が検知された場合に、光源駆動回路31を制御して、光源202または光源203からの光の照射を停止しても良い。光源202,203の両方の光源からの照射を停止すると、撮像素子201により画像を撮像することができなくなるため、調整部401は、一方の光源からの発光を停止しても、他方の光源からの照射は継続するものとする。
【0030】
また、本実施形態では、調整部401は、光源202,203から照射する光の光量を調整することにより、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整しているが、これに限定するものではない。例えば、撮像装置17が撮像領域RAに照射される光を調整するための絞り等の機械的な機構を有している場合には、調整部401は、絞り等の機械的な機構を用いて、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整しても良い。
【0031】
次に、図6を用いて、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整する処理の流れについて説明する。図6は、撮像素子の撮像領域に照射される光の光量を調整する処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
撮像素子21から画像データが入力されると、デコーダ32は、入力された画像データ(画像)に含まれるバーコードBCを構成するバー502に対して垂直方向に異なる位置で所定回数走査して(ステップS601)、所定個数のバー502の配列データを取得する(ステップS602)。
【0033】
次いで、デコーダ32は、取得した所定個数のバー502の配列データそれぞれから、コード情報を読み取る(ステップS603)。
【0034】
そして、デコーダ32は、所定個数の各バー502の配列データから読み取ったコード情報が一致するか否かにより、コード情報の読み取りにエラーが発生したかを判断する(ステップS604)。各バー502の配列データから読み取ったコード情報が一致した場合にはコード情報の読み取りにエラーが発生していないと判断して(ステップS604:No)、コード読取装置11は、撮像領域RAに照射される光の光量の調整は行わずに、読み取ったコード情報を、インタフェース33を介してPOS端末12に送信する(ステップS605)。
【0035】
一方、各バー502の配列データから読み取ったコード情報が一致しなかった場合にはコード情報の読み取りにエラーが発生したと判断して(ステップS604:Yes)、デコーダ32は、情報の読み取りエラーが検知されたことを調整部401に通知する。そして、調整部401は、光源駆動回路31を制御して、光源202,203のうち少なくとも1つの光源から照射する光の光量を調節することにより、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整する(ステップS606)。あわせて、コード読取装置11は、ユーザに対して、バーコードBCの再読取を指示する表示や音声ガイダンスを出力する。
【0036】
このように第1の実施形態にかかるコード読取装置11によれば、画像を撮像する撮像素子201と、撮像素子201による画像の撮像領域RAに光を照射する光源202,203と、撮像素子201により撮像された画像から情報を読み取るとともに、情報の読み取り結果から、情報の読み取りエラーを検知するデコーダ32と、情報の読み取りエラーが検知された場合に、撮像領域RAに照射される光の光量を調整する調整部401と、を備えることにより、コードシンボルやサービスラベル等から反射して撮像素子201に入射される反射光の光量が抑えられ、鏡面反射光による画像の欠落501を軽減することができるので、情報の読取精度を向上させることができる。
【0037】
(第2の実施形態)
本実施形態は、撮像素子により撮像された画像から、情報の読み取りエラーが発生する所定の領域を検知し、所定の領域が検知された場合に、撮像素子の撮像領域に照射される光の光量を調整するものである。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0038】
図7は、制御部の機能構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる制御部30は、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを順次実行することにより、取込部701、検知部702、調整部703等としての機能を備える。なお、第1の実施形態では、デコーダ32が、情報の読み取りエラーを検知する検知部としての機能を備えていたが、本実施形態では、デコーダ32は、撮像素子201から入力された画像データから情報を読み取る読取部としての機能のみを備えているものとする。
【0039】
取込部701は、撮像素子201により画像が撮像された場合に、撮像素子201により撮像された画像の画像データを取り込む。
【0040】
検知部702は、取り込んだ画像データから、所定の領域を検知する。ここで、所定の領域は、鏡面反射光の発生等により、画像データからの情報の読み取りエラーが発生する領域である。より具体的には、所定の領域は、取り込んだ画像データ内における予め設定された明るさ以上の領域、または取り込んだ画像データ内における予め設定された大きさ以上の白領域である。
【0041】
ここで、図8を用いて、取り込んだ画像データから、所定の領域を検知する処理につい説明する。図8は、鏡面反射光により画像データに欠落が発生した場合における、バーコードを構成するバーの配列方向における画素の配列(図4の鎖線で示す)と、各画素の明るさのレベルと、の関係を示す図である。鏡面反射光により画像データ500に欠落501が発生した場合、欠落501が発生した場所に対応する画素の明るさレベルは、急峻に立ち上がる。そのため、検知部702は、明るさレベルが急峻な立ち上がりを示している箇所に対応する画素において、鏡面反射光が発生したと判断して、当該画素を所定の領域として検知する。より具体的には、検知部702は、明るさのレベルが、欠落501が生じていない周り画素の明るさのレベル(例えば、100)より高くかつ予め設定された明るさのレベル(例えば、200)以上の画素を、所定の領域として検知する。
【0042】
また、検知部702は、バーコードBCを構成するバー502の配列方向における画素の配列において白画素が所定数(例えば、2以上)連続している箇所(つまり、画像データ内において予め設定された大きさ以上の白領域)を、所定の領域として検知しても良い。若しくは、検知部702は、白画素に代えて、黒画素が所定数連続している箇所を所定の領域として検知しても良い。
【0043】
調整部703は、検知部702により所定の領域が検知された場合に、光源駆動回路31を制御して、光源202,203のうち少なくとも1つの光源から照射する光の光量を調整することにより、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整する。なお、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整する具体的な方法は、第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0044】
次に、図9を用いて、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整する処理の流れについて説明する。図9は、撮像素子の撮像領域に照射される光の光量を調整する処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
取込部701は、撮像素子201により画像が撮像されるのを待つ(ステップS901:No)。撮像素子201により画像が撮像されると(ステップS901:Yes)、取込部701は、撮像素子201により撮像された画像の画像データを取り込む(ステップS902)。
【0046】
次いで、検知部702は、取り込まれた画像データから、鏡面反射光が発生して情報の読み取りエラーが発生する所定の領域を検知する(ステップS903)。検知部702により所定の領域が検知されなかった場合(ステップS903:No)、制御部30は、撮像領域RAに照射される光の光量を調整する処理を終了する。一方、検知部702により所定の領域が検知された場合(ステップS903:Yes)、調整部703は、光源駆動回路31を制御して、光源202および光源203のうち少なくともいずれか一方から発光される光の光量を減らして、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整する(ステップS904)。
【0047】
このように第2の実施形態にかかるコード読取装置11によれば、画像を撮像する撮像素子201と、撮像素子201による画像の撮像領域RAに光を照射する光源202,203と、撮像素子201により撮像された画像から、鏡面反射光の発生により情報の読み取りエラーが発生する所定の領域を検知する検知部702と、検知部702により所定の領域が検知された場合に、光源202,203のうち少なくとも1つの光源から発光する光の光量を調節して、撮像素子201の撮像領域RAに照射される光の光量を調整する調整部703と、を備えることにより、コードシンボルやサービスラベル等から反射して撮像素子201に入射される反射光の光量が抑えられ、鏡面反射光による画像の欠落501を軽減することができるので、コードシンボルやサービスラベル等を含む画像からコード情報やサービス特定情報等の情報の読取精度を向上させることができる。
【0048】
以上説明したとおり、第1から第2の実施形態によれば、情報の読取精度を向上させることができる。
【0049】
なお、本実施形態のコード読取装置11およびPOS端末12で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0050】
また、本実施形態のコード読取装置11およびPOS端末12で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0051】
さらに、本実施形態のコード読取装置11およびPOS端末12で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のコード読取装置11およびPOS端末12で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
11 コード読取装置
17 撮像装置
30 制御部
31 光源駆動回路
32 デコーダ
201 撮像素子
202,203 光源
401,703 調整部
702 検知部
BC バーコード
RA 撮像領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開2009−129266号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子による画像の撮像領域に光を照射する光源と、
前記撮像素子により撮像された画像から、所定の領域を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記所定の領域が検知された場合に、前記光源から前記撮像領域に照射される光の光量を調整する調整手段と、
を備えた撮像装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記撮像素子により撮像された画像から、予め設定された明るさ以上の領域を前記所定の領域として検知する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記撮像素子により撮像された画像から、予め設定された大きさ以上の白領域を前記所定の領域として検知する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
画像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子による画像の撮像領域に光を照射する光源と、
前記撮像素子により撮像された画像から情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段による情報の読取結果から、前記情報の読み取りエラーを検知する検知手段と、
前記情報の読み取りエラーが検知された場合に、前記光源から前記撮像領域に照射される光の光量を調整する調整手段と、
を備えた読取装置。
【請求項5】
前記検知手段は、前記撮像素子により撮像された画像に含まれるバーコードを構成するバーに対して垂直方向の前記バーの配列データを複数取得し、前記取得した各バーの配列データから情報を読み取り、前記読み取った情報が一致しなかった場合に前記情報の読み取りエラーを検知する請求項4に記載の読取装置。
【請求項6】
画像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子により画像を撮像する撮像領域に光を照射する光源と、を備えた撮像装置の光量調整方法であって、
前記撮像装置は、制御部を備え、
前記制御部は、
検知手段が、前記撮像素子により撮像された画像から、情報の読み取りエラーが発生する所定の領域を検知する工程と、
調整手段が、前記所定の領域が検知された場合に、前記光源から前記撮像領域に照射される光の光量を調整する工程と、
を含む光量調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−74025(P2012−74025A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191028(P2011−191028)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】