説明

撮像装置および撮像方法

【課題】 容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させること。
【解決手段】 メカアイリス114は、制御部130の制御に従ってセンサ112に入射する光量を調節し、センサ112は、映像信号を取得する。ここで、メカアイリス114は、カメラ110の図示しないレンズを覆う面積を多段階に調節し、センサ112に入射する光量を多段階に制御できるものとする。そして、被写体が文字情報やバーコード情報など、後に画像認識を必要とする画像認識対象情報である場合は、メカアイリス114は制御部130によって最も絞られ、センサ112に入射する単位時間あたりの光量が最も少なくなる。輝度信号抽出部122は、映像信号から被写体の明度のみの情報を有する輝度信号を抽出する。画像認識部140は、輝度信号抽出部122によって抽出された輝度信号を用いて画像認識を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および撮像方法に関し、特に、文字情報やバーコード情報の画像認識を行う撮像装置および撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような撮像装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。この撮像装置は、文書画像をカメラまたはスキャナなどから入力し、この文書画像における文字サイズを推定する。そして、推定された文字サイズに基づいて文書画像の解像度を推定する。このように文書画像の解像度を推定することにより、文字認識精度を向上させることができる。
【特許文献1】特開2004−62400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の撮像装置においては、認識精度を向上するために膨大な演算が必要になるという問題がある。例えば上述した特許文献1に記載された技術においては、解像度の推定に多くの演算を必要とし、回路の複雑化や装置の大型化を招くことになる。そして、装置が大型化すると、例えば携帯電話などの携帯端末装置に文字認識精度を向上させた撮像装置を搭載することは困難になる。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができる撮像装置および撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の撮像装置は、被写体からの光を入射させて画像を撮像する撮像手段と、前記被写体が画像認識対象情報である場合に、前記撮像手段に入射する光量を制御する制御手段と、を有する構成を採る。
【0006】
この構成によれば、被写体が画像認識対象情報である場合、光量を制御して画像を撮像するため、例えば絞りの調節や補助光の点灯などの簡易な構成で鮮明な画像を取得することができ、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができる。
【0007】
本発明の携帯端末装置は、上記の撮像装置を有する構成を採る。
【0008】
この構成によれば、上記の撮像装置と同様の作用効果を携帯端末装置において実現することができる。
【0009】
本発明の撮像方法は、入射光を記録するセンサを備える撮像装置において用いられる撮像方法であって、被写体が画像認識対象情報である場合に、前記センサに入射する光量を制御するステップと、前記被写体からの光を前記センサに入射させて画像を撮像するステップと、を有するようにした。
【0010】
この方法によれば、被写体が画像認識対象情報である場合、光量を制御して画像を撮像するため、例えば絞りの調節や補助光の点灯などの簡易な構成で鮮明な画像を取得することができ、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の骨子は、文字情報やバーコード情報などの被写体を撮像する際には、光量を適正に調節して鮮明な画像を取得し、認識率を向上することである。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る撮像装置を備えた携帯端末装置100の外観を示す略図である。図1(a)は、ディスプレイやキーなどのユーザインタフェース150が配置された表示側の面を示し、図1(b)は、表示側の面の裏側であってカメラ110が配置されたカメラ側の面を示す。この携帯端末装置100においては、ユーザのキー入力などに応じてカメラ110による撮像が行われ、得られた画像はディスプレイに表示される。
【0015】
図2は、本実施の形態に係る携帯端末装置100の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯端末装置100は、センサ112とメカアイリス114を含むカメラ110、輝度信号抽出部122を含む信号処理部120、制御部130、画像認識部140、ユーザインタフェース150、およびメインバス160を有している。
【0016】
カメラ110は、文字情報やバーコード情報などの被写体を撮像し、映像信号を取得する。具体的には、メカアイリス114が制御部130の制御に従ってセンサ112に入射する光量を調節し、センサ112が被写体からの光を感知して映像信号を取得する。ここで、メカアイリス114は、カメラ110の図示しないレンズを覆う面積を多段階に調節し、センサ112に入射する光量を多段階に制御できるものとする。そして、被写体が文字情報やバーコード情報など、後に画像認識を必要とする画像認識対象情報である場合は、メカアイリス114は制御部130によって最も絞られ、センサ112に入射する単位時間あたりの光量が最も少なくなる。
【0017】
信号処理部120は、カメラ110によって取得された映像信号に対して信号処理を施し、画像認識に必要な信号を出力する。具体的には、輝度信号抽出部122が映像信号から被写体の明度のみの情報を有する輝度信号を抽出する。
【0018】
制御部130は、例えばマイクロコンピュータなどを備えており、カメラ110、信号処理部120、画像認識部140、およびユーザインタフェース150を制御する。例えば、制御部130は、ユーザがユーザインタフェース150に含まれるキーによって画像認識対象情報の撮像を指定した場合、カメラ110のメカアイリス114を最も絞って画像認識対象情報撮像モードに設定する。
【0019】
画像認識部140は、輝度信号抽出部122によって抽出された輝度信号を用いて画像認識を行う。例えば、画像認識部140は、カメラ110によって得られた文字情報の輝度信号から画像認識を行って、ユーザインタフェース150に含まれるディスプレイに表示可能なテキストデータを生成する。以下、このような処理をOCR(Optical Character Reader)処理という。
【0020】
ユーザインタフェース150は、例えばキーやディスプレイなどを含んでおり、ユーザによる操作入力やユーザへの情報出力などが行われる。
【0021】
メインバス160は、上述した各処理ブロックを連結し、各処理ブロックの入出力信号の通路となる。
【0022】
次いで、上記のように構成された携帯端末装置100の撮像動作について、図3に示すフロー図を参照して説明する。
【0023】
まず、ユーザによってユーザインタフェース150に含まれるキーなどが操作されることにより、文字情報やバーコード情報などの画像認識対象情報の撮像を行うか、または通常の風景などの撮像を行うかが指定される(ST1000)。そして、ユーザによるキー入力は、メインバス160経由で制御部130へ伝達され、画像認識対象情報の撮像を行うように指定されたか否かが判断される(ST1100)。
【0024】
この判断の結果、画像認識対象情報の撮像が行われる場合には、制御部130によって、カメラ110のメカアイリス114が最も絞られ、センサ112に入射する単位時間あたりの光量が最も小さい画像認識対象情報撮像モードに設定される(ST1200)。メカアイリス114が最も絞られることにより、被写界深度が深くなって、被写体までの距離にあまり左右されることなくピントが合うことになる。この結果、文字情報やバーコード情報の鮮明な画像が取得され、後の画像認識部140によるOCR処理などの精度が向上する。
【0025】
画像認識対象情報撮像モードへの設定が完了すると、カメラ110のセンサ112によって文字情報やバーコード情報などが撮影されて映像信号が取得される(ST1300)。ここで、ST1000におけるキー入力からST1300における撮影までの一連の動作は、ユーザによるキー入力後に自動的に連続して行われても良いし、ST1300における撮影時に改めてユーザによるキー入力を待機しても良い。
【0026】
そして、センサ112によって取得された映像信号は、メインバス160を経由して信号処理部120の輝度信号抽出部122に入力され、明度のみの情報を有する輝度信号が抽出される。通常、文字情報やバーコード情報などの画像認識対象情報は、例えば白黒の2値の映像信号として取得されるため、画素ごとの明度が所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、画像認識を行うことができる。このため、輝度信号抽出部122によって、映像信号から必要な情報を有する輝度信号が抽出される。
【0027】
このとき、本実施の形態においては、撮影時にメカアイリス114が最も絞られているため、撮影された画像のピントが合っており、特に文字の輪郭やバーコードの黒色部分の輪郭が曖昧になっておらず、被写体に忠実な輝度信号を抽出することができる。
【0028】
抽出された輝度信号は、メインバス160経由で画像認識部140に入力される。そして、画像認識部140によって、画素ごとの明度が所定の閾値と比較され、OCR処理が行われたりバーコード情報のパターンが認識されたりする(ST1400)。上述したように、本実施の形態においては、被写体に忠実な輝度信号が抽出されているため、画像認識部140における画像認識の精度は高くなる。
【0029】
一方、ST1100の判断の結果通常の風景などの撮像が行われる場合には、メカアイリス114などはユーザによって手動で調節され、センサ112によって映像信号が取得される(ST1500)。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、被写体が文字情報やバーコード情報などの画像認識対象情報であるか否かが指定され、画像認識対象情報である場合には、メカアイリスが最も絞られて単位時間あたりにセンサに入射する光量が小さくなり、被写界深度が深くなって撮像された画像のピントが合う。このため、被写体に忠実な輝度信号が抽出され、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができる。
【0031】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の特徴は、文字情報やバーコード情報などの被写体を撮像する際に、補助光によって光量を適正に調節する点である。
【0032】
図4は、本実施の形態に係る携帯端末装置100aの概略構成を示すブロック図である。図4において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。同図に示すように、携帯端末装置100aは、センサ112と補助光照射部202を含むカメラ110a、輝度信号抽出部122と輝度平均値算出部204を含む信号処理部120a、制御部130a、画像認識部140、ユーザインタフェース150、およびメインバス160を有している。
【0033】
カメラ110aは、文字情報やバーコード情報などの被写体を撮像し、映像信号を取得する。具体的には、補助光照射部202が制御部130aの制御に従って光量を調節しながら点灯して被写体に補助光を照射し、センサ112が被写体からの光を感知して映像信号を取得する。ここで、補助光照射部202は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)やストロボなどから構成されている。そして、被写体を撮像する際の映像信号の輝度平均値が所定の閾値より小さい場合、すなわち、被写体の周囲が暗い場合は、一定範囲の輝度平均値が得られるように被写体に向かって補助光を照射する。
【0034】
信号処理部120aは、カメラ110aによって取得された映像信号に対して信号処理を施し、画像認識に必要な信号を出力するとともに、この信号から画像全体の輝度平均値を算出する。具体的には、輝度信号抽出部122が映像信号から輝度信号を抽出し、抽出された輝度信号を用いて輝度平均値算出部204が画像全体の輝度平均値を算出する。
【0035】
制御部130aは、例えばマイクロコンピュータなどを備えており、カメラ110a、信号処理部120a、画像認識部140、およびユーザインタフェース150を制御する。例えば、制御部130aは、撮像に先立ってセンサ112によって取得されるプレビュー画像の輝度平均値から、補助光照射部202の光量が適正になるように調節する。
【0036】
次いで、上記のように構成された携帯端末装置100aの撮像動作について、図5に示すフロー図を参照して説明する。図5において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0037】
まず、実施の形態1と同様に、ユーザのキー入力(ST1000)によって選択された被写体が文字情報やバーコード情報などの画像認識対象情報であるか否かが判断され(ST1100)、画像認識対象情報の撮像が行われる場合には、センサ112によって被写体のプレビュー画像が取得される(ST2000)。なお、プレビュー画像は、センサ112によって連続かまたは微小周期ごとに継続的に取得され、常に更新されるものとする。取得されたプレビュー画像の映像信号は、メインバス160を経由して輝度信号抽出部122に入力され、輝度信号が抽出される。さらに、抽出された輝度信号が輝度平均値算出部204に入力され、画像全体の輝度平均値μ1が算出される。算出された輝度平均値μ1は、メインバス160経由で制御部130aに入力される。
【0038】
そして、制御部130aによって、輝度平均値μ1と所定の閾値aとの大小が比較される(ST2100)。この結果、輝度平均値μ1が所定の閾値a以上であれば、被写体の周囲は十分に明るく、補助光を照射しなくても鮮明な画像が得られることを意味している。そこで、実施の形態1と同様に、センサ112によって文字情報やバーコード情報などが撮影されて映像信号が取得され(ST1300)、画像認識が行われる(ST1400)。
【0039】
一方、ST2100の比較の結果、輝度平均値μ1が所定の閾値aよりも小さければ、被写体の周囲が暗く、鮮明な画像を得ることができないと判断され、制御部130aの指示により補助光照射部202の補助光が照射される(ST2200)。そして、センサ112の撮像範囲において、補助光の影響よって輝度が過大となる可能性のある領域を重点的に測光するような測光領域が制御部130aによって設定される(ST2300)
【0040】
そして、上述したようにプレビュー画像は継続的に取得されるため、補助光照射部202の補助光が点灯後に取得されたプレビュー画像から輝度信号抽出部122によって輝度信号が抽出される。さらに、抽出された輝度信号が輝度平均値算出部204に入力され、制御部130aによって設定された測光領域の輝度平均値μ2が算出される。算出された輝度平均値μ2は、メインバス160経由で制御部130aに入力される。
【0041】
そして、制御部130aによって、輝度平均値μ2と所定の閾値b、c(b<c)との大小が比較される(ST2400)。この結果、輝度平均値μ2が所定の閾値bよりも大きく所定の閾値cよりも小さければ、補助光を照射したことにより被写体の周囲が適正な明るさとなり、補助光の照射により鮮明な画像が得られることを意味している。そこで、実施の形態1と同様に、センサ112によって文字情報やバーコード情報などが撮影されて映像信号が取得され(ST1300)、画像認識が行われる(ST1400)。
【0042】
また、ST2400の比較の結果、輝度平均値μ2が所定の閾値b以下であれば、補助光照射部202から照射された補助光の明るさが不足していると判断され、制御部130aの指示により補助光照射部202へ流れる電流が大きくなるように制御される(ST2500)。同様に、輝度平均値μ2が所定の閾値c以上であれば、補助光照射部202から照射された補助光の明るさが過大であると判断され、制御部130aの指示により補助光照射部202へ流れる電流が小さくなるように制御される(ST2500)。
【0043】
電流が制御されると、カメラ110aのセンサ112によって文字情報やバーコード情報などが撮影されて映像信号が取得される(ST1300)。ここで、ST1000におけるキー入力からST1300における撮影までの一連の動作は、ユーザによるキー入力後に自動的に連続して行われても良いし、ST1300における撮影時に改めてユーザによるキー入力を待機しても良い。また、図5に示すフロー図ではST2500の一度電流制御した後に撮影が行われるものとしたが、設定された測光領域の輝度平均値μ2が所定の閾値b、cの間に収まるまで補助光照射部202へ流れる電流の制御を繰り返すようにしても良い。
【0044】
そして、センサ112によって取得された映像信号は、メインバス160を経由して信号処理部120aの輝度信号抽出部122に入力され、輝度信号が抽出される。このとき、本実施の形態においては、撮影時に補助光照射部202の補助光によって被写体の周囲の光量が適正に調節されているため、センサ112に適切な光量が入射して明度の差が明確に現れた鮮明な画像が取得され、被写体に忠実な輝度信号を抽出することができる。
【0045】
抽出された輝度信号は、メインバス160経由で画像認識部140に入力される。そして、画像認識部140によって、画素ごとの明度が所定の閾値と比較され、OCR処理が行われたりバーコード情報のパターンが認識されたりする(ST1400)。上述したように、本実施の形態においては、被写体に忠実な輝度信号が抽出されているため、画像認識部140における画像認識の精度は高くなる。
【0046】
一方、ST1100の判断の結果通常の風景などの撮像が行われる場合には、補助光照射部202の補助光などはユーザによって手動で調節され、センサ112によって映像信号が取得される(ST1500)。
【0047】
以上のように、本実施の形態によれば、被写体が文字情報やバーコード情報などの画像認識対象情報であるか否かが指定され、画像認識対象情報である場合には、プレビュー画像から輝度平均値が算出されて、輝度平均値が所定の閾値より小さい場合は、被写体に補助光が照射され、被写体の周囲に十分な光量が確保される。このため、取得された画像から被写体に忠実な輝度信号が抽出され、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができる。
【0048】
さらに、補助光照射後のプレビュー画像から輝度平均値が算出されて、輝度平均値が所定の範囲に収まるように電流制御により補助光の明るさが調節されるため、被写体の周囲が過度に明るくなることがない。
【0049】
なお、上記各実施の形態は、組み合わせて実施することができる。すなわち、文字情報やバーコード情報の撮像時には、メカアイリスを最も絞ると同時に輝度平均値を算出し、必要に応じて補助光を照射するようにしても良い。これにより、さらに画像の認識率を向上させることができる。
【0050】
本発明の第1の態様に係る撮像装置は、被写体からの光を入射させて画像を撮像する撮像手段と、前記被写体が画像認識対象情報である場合に、前記撮像手段に入射する光量を制御する制御手段と、を有する構成を採る。
【0051】
この構成によれば、被写体が画像認識対象情報である場合、光量を制御して画像を撮像するため、例えば絞りの調節や補助光の点灯などの簡易な構成で鮮明な画像を取得することができ、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができる。
【0052】
本発明の第2の態様に係る撮像装置は、上記第1の態様において、前記制御手段は、前記撮像手段の絞りを変化させて単位時間あたりに前記撮像手段に入射する光量を制御するメカアイリス、を含み、前記被写体が画像認識対象情報である場合に、前記メカアイリスを最も絞る構成を採る。
【0053】
この構成によれば、被写体が画像認識対象情報である場合、メカアイリスを最も絞るため、被写界深度が深くなって、被写体までの距離にあまり左右されることなくピントが合う。結果として、鮮明な画像を得ることができ、画像の認識率を向上させることができる。
【0054】
本発明の第3の態様に係る撮像装置は、上記第1の態様において、前記制御手段は、前記被写体の周囲が所定のレベルより暗い場合に補助光を照射する補助光照射部、を含む構成を採る。
【0055】
この構成によれば、被写体の周囲が暗い場合に補助光を照射するため、被写体である画像認識対象情報の周囲が暗くても鮮明な画像を得ることができ、画像の認識率を向上させることができる。
【0056】
本発明の第4の態様に係る撮像装置は、上記第3の態様において、前記制御手段は、前記補助光照射部によって補助光が照射された後、前記被写体の周囲において測光領域を変更する構成を採る。
【0057】
この構成によれば、補助光の照射後に測光領域を変更するため、例えば補助光の影響よって輝度が過大となる可能性のある領域を重点的に測光して、鮮明な画像を取得することができる。
【0058】
本発明の第5の態様に係る撮像装置は、上記第1の態様において、前記撮像手段は、画像の撮像に先立ってプレビュー画像を取得し、前記制御手段は、前記プレビュー画像の明度のみの情報を有する輝度信号を抽出する輝度信号抽出部と、抽出された輝度信号から前記プレビュー画像全体の輝度平均値を算出する輝度平均値算出部と、算出された輝度平均値が所定の閾値以下の場合に補助光を照射する補助光照射部と、を含む構成を採る。
【0059】
この構成によれば、プレビュー画像の輝度平均値が所定の閾値以下の場合に補助光を照射するため、被写体の周囲が暗いことを正確に検出し、鮮明な画像を取得するのに必要な光量を確保することができる。
【0060】
本発明の第6の態様に係る撮像装置は、上記第5の態様において、前記撮像手段は、前記補助光照射部によって補助光が照射された後の第2のプレビュー画像を取得し、前記制御手段は、前記第2のプレビュー画像の輝度信号から輝度平均値を算出し、算出された輝度平均値が所定の範囲に収まるように前記補助光照射部へ流れる電流を制御する構成を採る。
【0061】
この構成によれば、補助光照射後のプレビュー画像の輝度平均値が所定の範囲に収まるように電流を制御して補助光の明るさを調節するため、補助光によって被写体の周囲が過度に明るくなることがなく、光量の適正化を図ることができる。
【0062】
本発明の第7の態様に係る携帯端末装置は、上記のいずれかに記載の撮像装置を有する構成を採る。
【0063】
この構成によれば、上記のいずれかに記載の撮像装置と同様の作用効果を携帯端末装置において実現することができる。
【0064】
本発明の第8の態様に係る撮像方法は、入射光を記録するセンサを備える撮像装置において用いられる撮像方法であって、被写体が画像認識対象情報である場合に、前記センサに入射する光量を制御するステップと、前記被写体からの光を前記センサに入射させて画像を撮像するステップと、を有するようにした。
【0065】
この方法によれば、被写体が画像認識対象情報である場合、光量を制御して画像を撮像するため、例えば絞りの調節や補助光の点灯などの簡易な構成で鮮明な画像を取得することができ、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係る撮像装置および撮像方法は、容易かつ小規模な構成で画像の認識率を向上させることができ、文字情報やバーコード情報の画像認識を行う携帯端末装置などに採用される撮像装置および撮像方法などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の外観を示す略図
【図2】実施の形態1に係る携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図3】実施の形態1に係る携帯端末装置の撮像動作を示すフロー図
【図4】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図5】実施の形態2に係る携帯端末装置の撮像動作を示すフロー図
【符号の説明】
【0068】
110、110a カメラ
112 センサ
114 メカアイリス
120、120a 信号処理部
122 輝度信号抽出部
130、130a 制御部
140 画像認識部
150 ユーザインタフェース
160 メインバス
202 補助光照射部
204 輝度平均値算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光を入射させて画像を撮像する撮像手段と、
前記被写体が画像認識対象情報である場合に、前記撮像手段に入射する光量を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記撮像手段の絞りを変化させて単位時間あたりに前記撮像手段に入射する光量を制御するメカアイリス、を含み、
前記被写体が画像認識対象情報である場合に、前記メカアイリスを最も絞ることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記被写体の周囲が所定のレベルより暗い場合に補助光を照射する補助光照射部、
を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記補助光照射部によって補助光が照射された後、前記被写体の周囲において測光領域を変更することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像手段は、
画像の撮像に先立ってプレビュー画像を取得し、
前記制御手段は、
前記プレビュー画像の明度のみの情報を有する輝度信号を抽出する輝度信号抽出部と、
抽出された輝度信号から前記プレビュー画像全体の輝度平均値を算出する輝度平均値算出部と、
算出された輝度平均値が所定の閾値以下の場合に補助光を照射する補助光照射部と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像手段は、
前記補助光照射部によって補助光が照射された後の第2のプレビュー画像を取得し、
前記制御手段は、
前記第2のプレビュー画像の輝度信号から輝度平均値を算出し、算出された輝度平均値が所定の範囲に収まるように前記補助光照射部へ流れる電流を制御することを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の撮像装置を有することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
入射光を記録するセンサを備える撮像装置において用いられる撮像方法であって、
被写体が画像認識対象情報である場合に、前記センサに入射する光量を制御するステップと、
前記被写体からの光を前記センサに入射させて画像を撮像するステップと、
を有することを特徴とする撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−81087(P2006−81087A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265502(P2004−265502)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】