説明

撮像装置及び撮像システム

【課題】FAシステムが稼働する現場であっても、小さな設置スペースでレンズの絞り調整、フォーカス調整の程度を視認することができる撮像装置及び撮像システムを提供する。
【解決手段】少なくともレンズ及び絞りのうち1つを含む撮像光学系を介して検査対象物を撮像し、1次元又は2次元の多値画像を取得する撮像素子により取得した多値画像を画像処理装置へ送信する。撮像素子により取得した多値画像の明るさに関する情報を算出し、撮像素子により取得した多値画像の鮮鋭度に関する情報を算出する。算出した明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像した画像の絞り調整及びフォーカス調整の程度を視認することができる撮像装置及び撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物の外観を画像に基づいて検査する画像検査装置は、検査に適した画像を撮像手段により撮像するためにレンズの絞り調整、フォーカス調整等を行う必要がある。実際に撮像手段で取得した画像をディスプレイ等の表示装置に表示させ、画像を見ながらレンズの絞り調整、フォーカス調整等を行うことも可能である。しかし、実際に表示された画像を見ながら、絞り調整及びフォーカス調整の程度が適切であるか否かをユーザが判断するためには、相当程度の表示画素数を有するディスプレイを必要とする。特に、撮像手段としてラインスキャンカメラを用いる画像検査装置は、1ラインごとに画像を取得するので画像による確認が難しく、また、1ラインごとの画像を時系列で並べて二次元表示した場合であっても、レンズの絞り調整、フォーカス調整等の調整に対する応答性は鈍く、調整することが難しい。
【0003】
例えば、アナログ出力タイプのラインスキャンカメラでは、撮像した画像の信号をオシロスコープに表示して波形を観測し、表示された波形の大きさ(輝度値)から明るさを、振幅又はコントラストからフォーカスを、それぞれ調整することも可能ではある。しかし、オシロスコープを準備する必要があるのに加えて、判断結果もユーザの感覚に依存する部分が大きく、必ずしもレンズの絞り調整、フォーカス調整等の調整を容易に行うことができない。
【0004】
ところで、特許文献1に開示してある外観検査装置は、CCDカメラに接続された画像処理装置を使用して合焦値を演算し、画像処理装置に接続されたモニタ上に合焦値を表示させる。特許文献1に開示してある外観検査装置は、撮像装置のピントのずれ等の確認を、独自に演算した合焦値を使用して客観的に判断しており、外観検査装置以外の別途の装置・設備を不要としモニタに表示された画像から判断するだけでなく、合焦値を演算して客観的に判断している。したがって、ピントのずれの存在を、ユーザの感覚ではなく、客観的な数値に基づいて判断することができる。また、外観検査装置以外の別途の装置や設備が不要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−180380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、CCDカメラと外観検査装置とは一般にケーブルで接続されるため、CCDカメラの設置位置と外観検査装置の設置位置とは必ずしも近接しているとは限らない。したがって、CCDカメラの設置位置と外観検査装置の設置位置との関係によっては、モニタが完全に不要とはならない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、FAシステムが稼働する現場であっても、小さな設置スペースでレンズの絞り調整、フォーカス調整の程度を視認することができる撮像装置及び撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために第1発明に係る撮像装置は、画像処理装置とデータ通信することが可能に接続され、検査対象物を撮像して取得した多値画像を該画像処理装置に出力する撮像装置において、少なくともレンズ及び絞りのうち1つを含む撮像光学系を介して検査対象物を撮像し、1次元又は2次元の多値画像を取得する撮像素子と、該撮像素子により取得した多値画像を前記画像処理装置へ送信する通信手段と、前記撮像素子により取得した多値画像の明るさに関する情報を算出する明るさ情報算出手段と、前記撮像素子により取得した多値画像の鮮鋭度に関する情報を算出する鮮鋭度情報算出手段と、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
第1発明では、少なくともレンズ及び絞りのうち1つを含む撮像光学系を介して検査対象物を撮像し、1次元又は2次元の多値画像を取得し、画像処理装置へ送信する。撮像素子により取得した多値画像の明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を算出し、算出した明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を表示するので、撮像装置単体を準備すれば良く、比較的大きな設置スペースを要する表示装置を設ける必要がないので、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報に基づいてレンズの絞り調整及びフォーカス調整の程度を視認することが可能となる。
【0010】
また、第2発明に係る撮像装置は、第1発明において、前記表示手段は、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を複数のレベル値に対応したレベル表示をするようにしてあることを特徴とする。
【0011】
第2発明では、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を複数のレベル値に対応したレベル表示をすることにより、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を段階的に表示することができる。
【0012】
また、第3発明に係る撮像装置は、第1又は第2発明において、前記表示手段は、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を並べて表示するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
第3発明では、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を並べて表示することにより、複数のレベル値に対応したレベル表示を並べて比較することができ、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報に基づいてレンズの絞り調整及びフォーカス調整の程度を確実に視認することが可能となる。
【0014】
また、第4発明に係る撮像装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記撮像素子、前記明るさ情報算出手段及び前記鮮鋭度情報算出手段を収容する略直方体状の筐体を備え、前記表示手段及び前記通信手段は、前記筐体の一の面に設けてあることを特徴とする。
【0015】
第4発明では、撮像素子、明るさ情報算出手段及び鮮鋭度情報算出手段を略直方体状の筐体に収容してあり、表示手段及び通信手段は、筐体の一の面に設けてあるので、撮像装置の機能を阻害することなく匡体を小型化することができる。
【0016】
また、第5発明に係る撮像装置は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を、事前に設定してある表示条件に基づいて前記表示手段に表示する値に変換する表示処理手段を備えることを特徴とする。
【0017】
第5発明では、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を、事前に設定してある表示条件に基づいて、表示する値に変換するので、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を段階的に表示することができる。
【0018】
また、第6発明に係る撮像装置は、第5発明において、事前に設定してある撮像条件に基づいて前記撮像素子の動作を制御する動作制御手段を備え、前記表示条件及び前記撮像条件を、前記画像処理装置から取得するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
第6発明では、事前に設定してある撮像条件に基づいて撮像素子の動作を制御する。表示条件及び撮像条件を、画像処理装置から取得するので、ユーザ所望の撮像条件で撮像した多値画像に基づいて、ユーザ所望の表示を行うことができる。
【0020】
また、第7発明に係る撮像装置は、第1乃至第6発明のいずれか1つにおいて、前記明るさ情報算出手段は、取得した多値画像の輝度値の最大値である最大輝度値を算出する最大輝度値算出手段と、算出した最大輝度値に基づいて段階的な輝度レベル値を算出する輝度レベル値算出手段とを備え、前記鮮鋭度情報算出手段は、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値の最大値である最大微分値を算出する最大微分値算出手段と、算出した最大微分値に基づいて段階的な微分レベル値を算出する微分レベル値算出手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
第7発明では、取得した多値画像の輝度値の最大値である最大輝度値を算出し、算出した最大輝度値に基づいて段階的な輝度レベル値を算出する。また、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値の最大値である最大微分値を算出し、算出した最大微分値に基づいて段階的な微分レベル値を算出する。これにより、比較的大きな設置スペースを要する表示装置を設ける必要がなく、段階的に表示することが可能なインジケータを備えれば足りるので、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、レンズの絞り調整及びフォーカス調整の程度を視認することが可能となる。
【0022】
また、第8発明に係る撮像装置は、第7発明において、前記最大微分値算出手段は、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の差分値を算出する差分算出手段と、算出した差分値の最大値である最大差分値を前記最大微分値として算出する最大差分値算出手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
第8発明では、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の差分値を算出し、算出した差分値の最大値である最大差分値を最大微分値として算出する。差分値を微分値として算出することができるので、演算処理負荷を低減することが可能となる。
【0024】
また、第9発明に係る撮像装置は、第7又は第8発明において、前記表示手段は、前記輝度レベル値及び前記微分レベル値ごとにそれぞれ発光する複数の発光インジケータであることを特徴とする。
【0025】
第9発明では、輝度レベル値及び微分レベル値に対応する発光インジケータを発光させることにより、輝度レベル値及び微分レベル値を発光インジケータで段階的に表示することができるので、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、レンズの絞り調整及びフォーカス調整の程度を容易に視認することが可能となる。
【0026】
次に、上記目的を達成するために第10発明に係る撮像システムは、少なくともレンズ及び絞りのうち1つを含む撮像光学系を介して検査対象物を撮像し、1次元又は2次元の多値画像を取得する撮像素子を含む撮像装置と、該撮像装置とデータ通信することが可能に接続してあり、多値画像を受信する画像処理装置とを備える撮像システムにおいて、前記撮像装置は、前記画像処理装置とデータ通信することが可能に接続する接続アダプタを接続することが可能としてあり、前記画像処理装置は、受信した多値画像の明るさに関する情報を算出する明るさ情報算出手段と、受信した多値画像の鮮鋭度に関する情報を算出する鮮鋭度情報算出手段と、算出した明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を送信する通信手段とを備え、前記接続アダプタは、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を受信して表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0027】
第10発明では、画像処理装置は、受信した多値画像の明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を算出し、接続アダプタが、算出した明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を受信して表示するので、従来の撮像装置を用いる場合であっても比較的大きな設置スペースを要する表示装置を設ける必要がなく、接続アダプタで明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を表示すれば足りる。したがって、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報に基づいてレンズの絞り調整及びフォーカス調整の程度を視認することが可能となる。
【0028】
また、第11発明に係る撮像システムは、第10発明において、前記表示手段は、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を複数のレベル値に対応したレベル表示をするようにしてあることを特徴とする。
【0029】
第11発明では、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を複数のレベル値に対応したレベル表示をすることにより、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を段階的に表示することができる。
【0030】
また、第12発明に係る撮像システムは、第10又は第11発明において、前記表示手段は、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を並べて表示するようにしてあることを特徴とする。
【0031】
第12発明では、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を並べて表示することにより、複数のレベル値に対応したレベル表示を並べて比較することができ、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報に基づいてレンズの絞り調整及びフォーカス調整の程度を確実に視認することが可能となる。
【0032】
また、第13発明に係る撮像システムは、第10乃至第12発明のいずれか1つにおいて、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を、事前に設定してある表示条件に基づいて前記表示手段に表示する値に変換する表示処理手段を備えることを特徴とする。
【0033】
第13発明では、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を、事前に設定してある表示条件に基づいて、表示する値に変換するので、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を段階的に表示することができる。
【0034】
また、第14発明に係る撮像システムは、第10乃至第13発明のいずれか1つにおいて、前記明るさ情報算出手段は、受信した多値画像の輝度値の最大値である最大輝度値を算出する最大輝度値算出手段と、算出した最大輝度値に基づいて段階的な輝度レベル値を算出する輝度レベル値算出手段とを備え、前記鮮鋭度情報算出手段は、受信した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値の最大値である最大微分値を算出する最大微分値算出手段と、算出した最大微分値に基づいて段階的な微分レベル値を算出する微分レベル値算出手段とを備え、前記接続アダプタは、算出した前記輝度レベル値及び前記微分レベル値を受信して表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0035】
第14発明では、撮像装置とデータ通信することが可能に接続してある画像処理装置が、受信した多値画像の輝度値の最大値である最大輝度値を算出し、算出した最大輝度値に基づいて段階的な輝度レベル値を算出する。また、画像処理装置は、受信した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値の最大値である最大微分値を算出し、算出した最大微分値に基づいて段階的な微分レベル値を算出する。算出した段階的な輝度レベル値及び微分レベル値を、撮像装置と画像処理装置とを接続する接続アダプタにて受信して表示するので、従来の撮像装置を用いる場合であっても比較的大きな設置スペースを要する表示装置を設ける必要がなく、接続アダプタに段階的に表示することが可能なインジケータを備えれば足りる。したがって、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、レンズの絞り調整及びフォーカス調整の程度を視認することが可能となる。
【0036】
また、第15発明に係る撮像システムは、第14発明において、前記最大微分値算出手段は、受信した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の差分値を算出する差分算出手段と、算出した差分値の最大値である最大差分値を前記最大微分値として算出する最大差分値算出手段とを備えることを特徴とする。
【0037】
第15発明では、受信した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の差分値を算出し、算出した差分値の最大値である最大差分値を最大微分値として算出する。差分値を微分値として算出することができるので、演算処理負荷を低減することが可能となる。
【0038】
また、第16発明に係る撮像システムは、第14又は第15発明において、前記表示手段は、前記輝度レベル値及び前記差分レベル値ごとにそれぞれ発光する複数の発光インジケータであることを特徴とする。
【0039】
第16発明では、輝度レベル値及び微分レベル値に対応する発光インジケータを発光させることにより、輝度レベル値及び微分レベル値を発光インジケータで段階的に表示することができるので、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、レンズの絞り調整、フォーカス調整の程度を容易に視認することが可能となる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、少なくともレンズ及び絞りのうち1つを含む撮像光学系を介して検査対象物を撮像し、1次元又は2次元の多値画像を取得し、画像処理装置へ送信する。撮像素子により取得した多値画像の明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を算出し、算出した明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を表示するので、撮像装置単体を準備すれば良く、比較的大きな設置スペースを要する表示装置を設ける必要がない。したがって、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報に基づいてレンズの絞り調整及びフォーカス調整の程度を視認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の輝度閾値及び微分閾値の設定画面の例示図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る撮像装置のインジケータの例示図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る撮像装置のFPGAの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2に係る撮像システムの構成を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る画像処理装置及び接続アダプタの機能ブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る画像処理装置のコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態に係る撮像装置及び撮像システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、参照する図面を通じて、同一又は同様の構成又は機能を有する要素については、同一又は同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0043】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示す斜視図である。本実施の形態1に係る撮像装置1は、本体部11とレンズモジュール12とで構成されている。撮像される画像の明るさの調整は、レンズモジュール12の絞り調整部13が回転操作されて絞りが調整されることで行われ、撮像される画像の鮮鋭度(エッジ)調整は、レンズモジュール12のフォーカス調整部14が回転操作されることにより焦点位置が調整されることで行われる。
【0044】
本体部11の筐体内には、後述する撮像素子が内蔵されるとともに、撮像素子に対して事前に設定してある撮像条件に基づく撮像処理、及び撮像素子により取得した画像に対するシェーディング処理等の簡易な画像改質処理(前処理)を実行し、外部の画像処理装置へ多値画像等の画像データを出力するFPGA(Field−Programmable Gate Array)10が主制御部として内蔵されている。例えば、FPGA10は、多値画像を取得するタイミングを特定する撮像トリガ信号を画像処理装置2より受け付け、該撮像トリガ信号に基づいて検査対象物の撮像を行うよう撮像素子の動作を制御する(動作制御手段)。FPGA10から出力された多値画像等の画像データは、コネクタ16に接続される外部ケーブル等を介してエッジ検出、位置計測、面積計算等の計測処理を実行する画像処理装置へ送信される。本実施の形態1に係る撮像装置1は、撮像された画像の明るさの程度及び撮像された画像の鮮鋭度の程度を示すインジケータ15を備える点に特徴を有している。
【0045】
図1の例では、本体部11は略直方体形状の筐体を有し、レンズモジュール12が接続される側とは対向する一の面にインジケータ15とコネクタ16とが設けられている。インジケータ15は、表示対象である値を3つのインジケータ要素で表す構成である。すなわち、表示対象である画像の明るさの程度を示す値及び画像の鮮鋭度の程度を示す値は、3つのインジケータ要素が上下2段に各々配置されたインジケータ15により表示される。なお、表示手段はインジケータ15に限定されるものではなく、例えば画像の明るさの程度を示す値及び画像の鮮鋭度の程度を示す値のいずれか一方、又はその両方を7セグメント表示要素により表す構成としても良い。
【0046】
図2は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態1に係る画像処理装置2は、検査対象物を撮像する3台の撮像装置1a、1b、1cと、液晶パネル等のモニタ3と、ユーザがモニタ3上で各種の操作をするためのコンソール4と、それぞれ接続されている。
【0047】
撮像装置1a、1b、1c、モニタ3及びコンソール4は、コントローラ21と着脱可能に接続されている。コントローラ21は、撮像装置1a、1b、1cで撮像して取得した多値画像等の画像データに対して画像処理を実行し、外部接続されたPLC(Programmable Logic Controller)5等に対して、ワークの良否等の判定結果を示す信号として判定信号を出力する。
【0048】
3台の撮像装置1a、1b、1cは、外部のPLC5から通信部24を介して入力される制御信号、例えば撮像装置1a、1b、1cから多値画像を取得するタイミングを特定する撮像トリガ信号に基づいて、検査対象物の撮像を行う。モニタ3は、検査対象物を撮像して取得した多値画像、多値画像に対する計測処理の結果等を表示するための表示装置である。コンソール4は、モニタ3上でフォーカス位置を移動させたり、メニュー項目を選択したりするための入力装置である。
【0049】
画像処理装置2のコントローラ21は、多値画像等の画像データに対してユーザにより事前に設定されたエッジ検出、位置計測、面積計算等の計測処理を実行するユーザプログラム、又はユーザが事前に選択した計測処理の設定に基づき計測処理等を実行し、ハードウェア各部の制御を行うCPU211と、起動プログラム、初期化プログラム等を記憶するROM、フラッシュROM、EEPROM等で構成されるプログラムメモリ212と、CPU211が各種プログラムを実行する場合のワークエリアとして機能するRAM等(揮発性又は不揮発性)のメモリ213とを備えている。
【0050】
また、画像処理装置2は、撮像装置1a、1b、1cにより撮像された多値画像等の画像データを受け付けるASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の画像入力部26と、多値画像等の画像データをバッファリングするメモリ(フレームバッファ)27と、取得した多値画像等の画像データに対してエッジ検出処理、面積算出処理等の画像処理を実行する演算用DSP等のプロセッサ28、及び計測処理用に画像データを記憶するメモリ(ワークメモリ)29で構成されるコントローラ22と、液晶パネル等のモニタ3に対して画像を表示させる表示用DSP等のプロセッサ30、及び画像を表示させる場合に画像データを一時記憶するVRAM等のメモリ31で構成されるコントローラ23を備えている。これらの各ハードウェアは、バス等の通信路を介して通信することが可能に接続されている。
【0051】
プログラムメモリ212には、画像入力部26、プロセッサ28及びプロセッサ30、並びに通信部24及び操作入力部25の各部を、コントローラ21からの指令(コマンド)等により制御するための制御プログラムが記憶されている。メモリ213、メモリ27、メモリ29、メモリ31は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成されており、別個に独立したメモリとして設けられている。なお、不揮発性メモリを用いても良いし、一個のメモリの記憶領域を切り分けて各メモリを構成しても良い。通信部24は、外部のPLC5に接続されたセンサ(光電センサ等)からのトリガ入力を検知した場合に、PLC5から撮像トリガ信号を受信するインターフェース(I/F)として機能する。
【0052】
コントローラ21は、通信部24を介して外部のPLC5から撮像トリガ信号を受信した場合、画像入力部26に対して撮像指令(撮像コマンド)を送信する。また、プロセッサ28、プロセッサ30に対して、実行すべき処理を指示するコマンドを送信する。なお、撮像トリガ信号を入力する装置として、PLC5ではなく、光電センサ等のトリガ入力用のセンサを通信部24に直接接続しても良い。
【0053】
操作入力部25は、ユーザの操作に基づくコンソール4からの操作信号を受信するインターフェース(I/F)として機能する。そして、受信した操作信号はコントローラ21に転送される。モニタ3には、コンソール4を用いたユーザの操作内容が表示される。具体的に説明すると、コンソール4には、モニタ3に表示されるカーソルを上下左右に移動させる十字キー、決定ボタン、又はキャンセルボタンなどの各部品が配置されており、ユーザは、これらの各部品を操作する。
【0054】
画像入力部26は、多値画像を取得する。具体的には、例えばコントローラ21から撮像装置1aの撮像指令を受信した場合、撮像装置1aに対して多値画像の撮像指示を送信する。そして、撮像装置1aで撮像された多値画像を取得し、取得した多値画像の画像データは、一旦メモリ27にバッファリング(キャッシュ)される。
【0055】
プロセッサ28は、画像データに対する計測処理を実行する。具体的には、まず画像入力部26が上述した画像変数を参照しつつ、メモリ27から画像データを読み出して、プロセッサ28を通じてメモリ29へ内部転送を行う。そして、プロセッサ28は、メモリ29に記憶された画像データを読み出して、計測処理を実行する。
【0056】
プロセッサ30は、コントローラ21から送信された表示指令(表示コマンド)に基づいて、モニタ3に対して所定画像(映像)を表示させるための制御信号を送信する。例えば、メモリ27又はメモリ29に記憶されている計測処理前又は計測処理後の画像データを読み出して、メモリ31に一時記憶し(展開し)、モニタ3に対して制御信号を送信する。また、プロセッサ30は、コンソール4を用いたユーザの操作内容をモニタ3に表示させるための制御信号も送信する。
【0057】
図3は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置1の構成を示す機能ブロック図である。レンズモジュール12は、絞り調整部13及びフォーカス調整部14を備えており、絞り調整部13及びフォーカス調整部14の回転操作により、画像の明るさ及び鮮鋭度が変動した多値画像が、本体部11の撮像素子111により取得され、主制御部であるFPGA10に渡される。
【0058】
画像の明るさの程度を示す値(明るさ情報)は、取得した多値画像の輝度値及び色情報に基づいて平均化処理、重み付平均、最大値の取得等の種々の統計的処理により算出される。また、画像の鮮鋭度の程度を示す値(鮮鋭度情報)は、取得した多値画像の輝度値及び色情報に基づいて微分処理、2次微分処理、フーリエ変換等を利用した種々の統計的処理により算出される。
【0059】
図3の例では、取得した多値画像の輝度値の最大値を画像の明るさの程度を示す値としている。そして、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値(差分値)を算出し、該微分値(差分値)の絶対値の最大値である最大微分値を画像の鮮鋭度の程度を示す値としている。すなわち、FPGA10の明るさ情報算出部10aは、最大輝度値算出部101と輝度レベル値算出部102とを備え、FPGA10の鮮鋭度情報算出部10bは、最大微分値算出部103と微分レベル値算出部104とを備えている。
【0060】
FPGA10の最大輝度値算出部101は、取得した多値画像の輝度値の最大値である最大輝度値を算出する。輝度レベル値算出部102は、算出した最大輝度値を表示部114(インジケータ15)の輝度レベル値表示部115に表示する形式に変換する。より具体的には、輝度レベル値算出部102は、算出した最大輝度値から輝度閾値(表示条件)に基づいて輝度レベル値を算出し、算出した輝度レベル値を表示部114(インジケータ15)の輝度レベル値表示部115に表示する。
【0061】
一方、FPGA10の最大微分値算出部103は、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値(差分値)の絶対値を算出する差分算出部105と、多値画像の微分値(差分値)の絶対値の最大値である最大微分値を算出する最大差分値算出部106とを備える。微分レベル値算出部104は、算出した最大微分値を表示部114(インジケータ15)の微分レベル値表示部116に表示する形式に変換する。より具体的には、微分レベル値算出部104は、算出した最大微分値から微分閾値(表示条件)に基づいて微分レベル値を算出し、算出した微分レベル値を表示部114(インジケータ15)の微分レベル値表示部116に表示する。
【0062】
撮像装置1としてラインスキャンカメラを用いる場合、互いに隣接する画素の輝度値の差分値を微分値として算出することができる。この場合、最大微分値算出部103は、差分算出部105及び最大差分値算出部106を備えている。
【0063】
差分算出部105は、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の差分値を算出する。例えばn番目の画素の輝度値をI(n)(nは自然数)とした場合、差分値I(n)−I(n−1)の絶対値を算出する。
【0064】
最大差分値算出部106は、算出した差分値の最大値である最大差分値を、最大微分値として算出する。最大差分値算出部106は、算出した最大微分値(最大差分値)を微分レベル値に変換した上で表示部114(インジケータ15)の微分レベル値表示部116に出力する。
【0065】
輝度レベル値表示部115は、最大輝度値を複数の発光要素により多段階のレベル値で表示するように構成されている。各発光要素は、事前に設定してある輝度閾値に基づいて点灯/消灯が制御される。輝度レベル値表示部115の複数の発光要素の各々に対して輝度閾値が対応づけて設定してあり、各発光要素に対応付けられた複数の輝度閾値は表示条件として記憶部112のレベル閾値記憶部113に記憶される。
【0066】
微分レベル値表示部116は、最大微分値を複数の発光要素により多段のレベルで表示するように構成されている。各発光要素は、事前に設定してある微分閾値に基づいて点灯/消灯が制御される。微分レベル値表示部116の複数の発光要素の各々に対して微分閾値が対応づけて設定してあり、各発光要素に対応付けられた複数の輝度閾値は表示条件として記憶部112のレベル閾値記憶部113に記憶される。
【0067】
各輝度閾値及び各微分閾値等の表示条件は、画像処理装置2が備える設定手段により設定され、記憶部112のレベル閾値記憶部113に記憶される。各輝度閾値及び各微分閾値は、電源投入時に露光時間、ゲイン、撮像フレームレート等の撮像条件とともに画像処理装置2から読み出され、撮像装置1に送信される。また、画像処理装置2における検査対象、検査項目の切り替え等に伴い、切り替えられた検査対象、検査項目に対応する輝度閾値及び/又は微分閾値が画像処理装置2から読み出され撮像装置1に送信される。このとき、電源投入時と同様に露光時間、ゲイン、撮像フレームレート等の撮像条件とともに設定の変更がなされても良い。
【0068】
画像処理装置2は、輝度閾値及び微分閾値をユーザが設定することができる設定手段を備えており、設定された輝度閾値及び/又は微分閾値が記憶部112に記憶される。
【0069】
図4は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置2の輝度閾値及び微分閾値の設定画面の例示図である。図4に示す設定画面は、画像処理装置2の、コンソール4を用いたユーザの操作を受け付けて、モニタ3上に表示される画面である。
【0070】
図4に示すように、撮像装置1で取得した多値画像は、画像表示領域61に表示される。そして、画像表示領域61に表示された多値画像のうち選択されたラインの各画素の輝度値が輝度値表示領域62に、横軸を画素番号とし縦軸を輝度値とする波形として表示される。また、画像表示領域61に表示された多値画像のうち選択されたラインの互いに隣接する画素の輝度値の微分値(差分値)は、微分値表示領域64に、横軸を画素番号とし、縦軸を微分値(差分値)とする波形として表示される。輝度値の最大値、平均値、最小値、及び微分値の最大値、平均値、最小値は、それぞれ輝度値統計値表示領域66及び微分値統計値表示領域67に表示される。
【0071】
最大輝度値、最大微分値をそれぞれ多段階のレベル値で表示するための閾値は、輝度閾値については輝度閾値入力領域68にて、微分閾値については微分閾値入力領域69にて、それぞれ入力を受け付ける。図4の例では、いずれも3つの閾値として‘32’、‘64’、‘128’の入力を受け付けている。
【0072】
3つの閾値として‘32’、‘64’、‘128’の入力を受け付けた場合、例えば以下のように輝度レベル値を算出する(表示処理手段)。最大輝度値が0〜31の場合、輝度レベル値は‘0’と算出する。輝度レベル値が‘0’である場合には、インジケータ15のLEDはいずれも発光しないようにする。最大輝度値が32〜63の場合、輝度レベル値は‘1’と算出する。輝度レベル値が‘1’である場合には、インジケータ15の一番左端のLEDのみが発光するようにする。最大輝度値が64〜127の場合、輝度レベル値は‘2’と算出する。輝度レベル値が‘2’である場合には、インジケータ15の左から2つのLEDが発光するようにする。最大輝度値が128以上である場合、輝度レベル値は‘3’と算出する。輝度レベル値が‘3’である場合には、インジケータ15のすべてのLEDが発光するようにする。換言すれば、一番左端のLEDに対して第1の輝度閾値‘32’が対応付けられ、中央のLEDに対して第2の輝度閾値‘64’が対応付けられ、一番右端のLEDに対して第3の輝度閾値‘128’が対応付けられており、一番左端のLEDは最大輝度値が第1の輝度閾値‘32’以上であれば点灯し、中央のLEDは最大輝度値が第2の輝度閾値‘64’以上であれば点灯し、一番右端のLEDは最大輝度値が第3の輝度閾値‘128’以上であれば点灯する。
【0073】
微分値についても同様に、3つの閾値として‘32’、‘64’、‘128’の入力を受け付けた場合、例えば以下のように微分レベル値を算出する。最大微分値が0〜31の場合、微分レベル値は‘0’と算出する。微分レベル値が‘0’である場合には、インジケータ15のLEDはいずれも発光しないようにする。最大微分値が32〜63の場合、微分レベル値は‘1’と算出する。微分レベル値が‘1’である場合には、インジケータ15の一番左端のLEDのみが発光するようにする。最大微分値が64〜127の場合、微分レベル値は‘2’と算出する。微分レベル値が‘2’である場合には、インジケータ15の左から2つのLEDが発光するようにする。最大微分値が128以上である場合、微分レベル値は‘3’と算出する。微分レベル値が‘3’である場合には、インジケータ15のすべてのLEDが発光するようにする。換言すれば、一番左端のLEDに対して第1の微分閾値‘32’が対応付けられ、中央のLEDに対して第2の微分閾値‘64’が対応付けられ、一番右端のLEDに対して第3の微分閾値‘128’が対応付けられており、一番左端のLEDは最大微分値が第1の微分閾値‘32’以上であれば点灯し、中央のLEDは最大微分値が第2の微分閾値‘64’以上であれば点灯し、一番右端のLEDは最大微分値が第3の微分閾値‘128’
以上であれば点灯する。
【0074】
入力を受け付けた輝度閾値、微分閾値を、撮像装置1へ送信することにより、撮像装置1のレベル閾値記憶部113に記憶される。また、入力を受け付けた輝度閾値は輝度閾値表示領域63にて、微分閾値は微分閾値表示領域65にて、それぞれ横軸を画素番号とし、縦軸を輝度値とする波形が表示される輝度値表示領域62、横軸を画素番号とし、縦軸を微分値(差分値)とする波形が表示される微分値表示領域64に重畳して表示される。したがって、ユーザは、設定した状態が適切であるか否かを視認しながら閾値を設定することができる。
【0075】
なお、輝度値の最大値、平均値、最小値等の統計値を求める場合、取得された画像内の全画素を対象として統計値を求める例を示しているが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、取得された画像内の画素のうち統計値を求める対象となる画素(撮像範囲)を予め設定できるようにしておいても良い。例えば、検査対象物とそれ以外の物が撮像される場合に、検査対象物が撮像される範囲に対応する画素を指定して統計値を求める対象とすることで、表示される画像の明るさの程度を示す値及び画像の鮮鋭度の程度を示す値がより検査対象物の撮像状態を適切に反映したものとなり、撮像光学系をより適切に調整することができる。統計値を求める対象となる画素(撮像範囲)の設定は、例えば図4に示すような画像処理装置2により提供される設定画面の画像表示領域61、輝度値表示領域62、微分値表示領域64等において、対象となる撮像範囲がユーザにより指定されることにより行うようにしても良い。
【0076】
図3に戻って、最大輝度値を輝度閾値に基づいて算出した輝度レベル値及び最大微分値を微分閾値に基づいて算出した微分レベル値は出力部114(インジケータ15)へ渡される。そして、表示部114(インジケータ15)の輝度レベル値表示部115が輝度レベル値をレベル表示する。また、表示部114(インジケータ15)の微分レベル値表示部116が微分レベル値をレベル表示する。このようにして、最大輝度値及び最大微分値は、輝度レベル値及び微分レベル値に変換され輝度レベル値表示部115及び微分レベル値表示部116により、それぞれインジケータ15のLEDの発光として出力される。
【0077】
インジケータ(出力部)15は、例えば3段階のレベル値をLED発光により表示する、それぞれ3個のLEDで構成された複数の発光インジケータである。図5は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置1のインジケータ15の例示図である。
【0078】
図5に示すように、明るさのレベルとして輝度レベル値を段階的に表示する3個のLEDで構成された輝度値表示インジケータ51と、エッジ(鮮鋭度)のレベルとして輝度値の微分値(差分値)の微分レベル値を段階的に表示する3個のLEDで構成された微分値表示インジケータ52とを備えている。図4に示す設定画面で設定された輝度閾値及び微分閾値に基づいて、発光させるLEDを特定して発光する。これにより、表示装置を設置するような大きなスペースを必要とすることなく、輝度値表示インジケータ51からはレンズモジュール12での絞り調整の程度を、微分値表示インジケータ52からはレンズモジュール12でのフォーカス調整の程度を、それぞれ視認することができる。
【0079】
なお、輝度レベル値を3個のLEDで構成された輝度値表示インジケータ51でレベル表示する例を示しているが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、例えば2個あるいは4個以上のLEDで構成された輝度値表示インジケータ51でレベル表示するように構成されても良く、また、輝度レベル値を7セグメント表示要素により数値表示するように構成されていても良い。また、明るさのレベルとして最大輝度値を輝度閾値に基づいて変換した輝度レベル値を用いているが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、例えば明るさのレベルとして最大輝度値を所定の値で規格化した輝度レベル値を用いても良いし、最大輝度値をそのまま用いても良い。さらに、明るさのレベルとして最大輝度値、あるいは最大輝度値を所定の表示条件で変換したものを用いているが、最大輝度値に限定されるものではなく画像データの輝度値の平均値等の輝度値の統計値を用いても良い。
【0080】
また、微分レベル値を3個のLEDで構成された微分値表示インジケータ52でレベル表示する例を示しているが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、例えば、2個あるいは4個以上のLEDで構成された微分値表示インジケータ52でレベル表示するように構成されても良く、また、微分レベル値を7セグメント表示要素により数値表示するように構成されていても良い。また、エッジ(鮮鋭度)のレベルとして最大微分値を微分閾値に基づいて変換した微分レベル値を用いているが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、例えばエッジ(鮮鋭度)のレベルとして最大微分値を所定の値で規格化した微分レベル値を用いても良いし、最大微分値をそのまま用いても良い。さらに、エッジ(鮮鋭度)のレベルとして最大微分値、あるいは最大微分値を所定の表示条件で変換したものを用いているが、最大微分値に限定されるものではなく、画像データの微分値の平均値等の微分値の統計値を用いても良い。なお、微分値としては、1次微分値に限定されるものではなく、2次微分値等の高次の微分値であっても良いことは言うまでもない。
【0081】
図3に戻って、通信部117は、コネクタ16に接続される外部ケーブル等を介して、撮像した画像データを画像処理装置2へ送信する。また、通信部117は、コネクタ16に接続される外部ケーブル等を介して、画像処理装置2から撮像フラグ(撮像トリガ信号)等を受信する。
【0082】
図6は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置1のFPGA10の処理手順を示すフローチャートである。撮像装置1のFPGA10は、初期値としてnに‘1’を設定し(ステップS601)、多値画像のn番目の画素の輝度値I(n)を取得する(ステップS602)。
【0083】
FPGA10は、互いに隣接する画素の輝度値の差分値I(n)−I(n−1)の絶対値を算出し(ステップS603)、算出した差分値が最大差分値であるか否かを判断する(ステップS604)。FPGA10が、算出した差分値が最大差分値であると判断した場合(ステップS604:YES)、FPGA10は、記憶部112に記憶してある最大差分値を更新する(ステップS605)。
【0084】
FPGA10は、多値画像のn番目の画素の輝度値I(n)が最大輝度値であるか否かを判断し(ステップS606)、FPGA10が、最大輝度値であると判断した場合(ステップS606:YES)、FPGA10は、記憶部112に記憶してある最大輝度値を更新する(ステップS607)。FPGA10が、算出した差分値が最大差分値ではないと判断した場合(ステップS604:NO)、又は最大輝度値ではないと判断した場合(ステップS606:NO)、それぞれステップS605、ステップS607をスキップする。
【0085】
FPGA10は、全ての画素について上述した処理を完了したか否かを判断し(ステップS608)、FPGA10が、未処理の画素が存在すると判断した場合(ステップS608:NO)、FPGA10は、nを‘1’インクリメントし(ステップS609)、処理をステップS602へ戻して、上述した処理を繰り返す。FPGA10が、全ての画素について上述した処理を完了したと判断した場合(ステップS608:YES)、FPGA10は、微分レベル値を特定し(ステップS610)、輝度レベル値を特定する(ステップS611)。FPGA10は、特定した微分レベル値及び輝度レベル値をインジケータ15のLED発光により表示する(ステップS612)。
【0086】
以上のように本実施の形態1によれば、取得された画像の明るさの程度及び取得された画像の鮮鋭度の程度を示す値として輝度レベル値及び微分レベル値を撮像装置が備えるインジケータのLED発光により段階的に表示するので、比較的大きな設置スペースを要する表示装置を設ける必要がなく、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、レンズの絞り調整、フォーカス調整の程度を視認することが可能となる。
【0087】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る撮像システムの構成を示す模式図である。本実施の形態2は、撮像装置1にインジケータ15を備えるのではなく、撮像装置1の本体部11と画像処理装置2とを接続する接続アダプタ7にインジケータ74を備える点で、実施の形態1と相違する。
【0088】
本発明の実施の形態2に係る画像処理装置2の構成は、実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。画像処理装置2と撮像装置1の本体部11とは、接続アダプタ7を一端に有する接続ケーブル73を介してデータ通信することが可能に接続してある。
【0089】
接続アダプタ7は、撮像装置1の本体部11と接続するとともに、インジケータ74を備えている。インジケータ74は、例えば3段階のレベル値をLED発光により表示する、それぞれ3個のLEDで構成された複数の発光インジケータである。すなわち、明るさのレベルとして輝度レベル値を段階的に表示する3個のLEDで構成された輝度値表示インジケータ71と、エッジのレベルとして輝度値の微分値(差分値)の微分レベル値を段階的に表示する3個のLEDで構成された微分値表示インジケータ72とを備えている。図4に示す画像処理装置2の設定画面で設定された輝度閾値及び微分閾値に基づいて、発光させるLEDを特定して発光する。これにより、表示装置を設けるような大きなスペースを必要とすることなく、輝度値表示インジケータ71からはレンズモジュール12での絞り調整の程度を、微分値表示インジケータ72からはレンズモジュール12でのフォーカス調整の程度を、それぞれ視認することができる。
【0090】
図8は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置2及び接続アダプタ7の機能ブロック図である。画像の明るさの程度を示す値(明るさ情報)は、取得した多値画像の輝度値及び色情報に基づいて平均化処理、重み付平均、最大値の取得等の種々の統計的処理により算出される。また、画像の鮮鋭度の程度を示す値(鮮鋭度情報)は、取得した多値画像の輝度値及び色情報に基づいて微分処理、2次微分処理、フーリエ変換等を利用した種々の統計的処理により算出される。
【0091】
図8の例では、取得した多値画像の輝度値の最大値を画像の明るさの程度を示す値としている。そして、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値(差分値)を算出し、該微分値(差分値)の絶対値の最大値である最大微分値を画像の鮮鋭度の程度を示す値としている。すなわち、画像処理装置2のコントローラ21の明るさ情報算出部21aは、最大輝度値算出部201と輝度レベル値算出部202とを備え、コントローラ21の鮮鋭度情報算出部21bは、最大微分値算出部203と微分レベル値算出部204とを備えている。
【0092】
画像処理装置2のコントローラ21の最大輝度値算出部201は、取得した多値画像の輝度値の最大値である最大輝度値を算出する。輝度レベル値算出部202は、算出した最大輝度値を、接続アダプタ7の表示部701(インジケータ74)の輝度レベル値表示部702に表示する形式に変換する。より具体的には、輝度レベル値算出部202は、最大輝度値から輝度閾値(表示条件)に基づいて輝度レベル値を算出し、算出した輝度レベル値を接続アダプタ7へ送信し、接続アダプタ7の表示部701(インジケータ74)の輝度レベル値表示部702に出力する。
【0093】
一方、コントローラ21の最大微分値算出部203は、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値(差分値)の絶対値を算出する差分算出部205と、多値画像の微分値(差分値)の絶対値の最大値である最大微分値を算出する最大差分値算出部206とを備える。微分レベル値算出部204は、算出した最大微分値を、接続アダプタ7の表示部701(インジケータ74)の微分レベル値表示部703に表示する形式に変換する。より具体的には、微分レベル値算出部204は、算出した最大微分値から微分閾値(表示条件)に基づいて微分レベル値を算出し、算出した微分レベル値を、接続アダプタ7の表示部701(インジケータ74)の微分レベル値表示部703に表示する。
【0094】
撮像装置1としてラインスキャンカメラを用いる場合、互いに隣接する画素の輝度値の差分値を微分値として算出することができる。この場合、最大微分値算出部203は、差分算出部205及び最大差分値算出部206を備えている。
【0095】
差分算出部205は、取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の差分値を算出する。例えばn番目の画素の輝度値をI(n)(nは自然数)とした場合、差分値I(n)−I(n−1)の絶対値を算出する。
【0096】
最大差分値算出部206は、算出した差分値の最大値である最大差分値を、最大微分値として算出する。最大差分値算出部206は、算出した最大微分値を微分レベル値に変換した上で、接続アダプタ7へ送信し、接続アダプタ7の表示部114(インジケータ74)の微分レベル値表示部703へ出力する。
【0097】
接続アダプタ7の輝度レベル値表示部702は、最大輝度値を複数の発光要素により多段階のレベル値で表示するように構成されている。各発光要素は、事前に設定してある輝度閾値に基づいて点灯/消灯が制御される。輝度レベル値表示部702の複数の発光要素の各々に対して輝度閾値が対応づけて設定してあり、各発光要素に対応付けられた複数の輝度閾値は表示条件として画像処理装置2に記憶される。
【0098】
接続アダプタ7の微分レベル値表示部703は、最大微分値を複数の発光要素により多段階のレベル値で表示するように構成されている。各発光要素は、事前に設定してある微分閾値に基づいて点灯/消灯が制御される。微分レベル値表示部703の複数の発光要素の各々に対して微分閾値が対応づけて設定してあり、各発光要素に対応付けられた複数の輝度閾値は表示条件として画像処理装置2に記憶される。
【0099】
各輝度閾値及び各微分閾値等の表示条件は、画像処理装置2が備える設定手段により設定され記憶される。各輝度閾値及び各微分閾値は、電源投入時に露光時間、ゲイン、撮像フレームレート等の撮像条件とともに画像処理装置2から読み出され、撮像装置1に送信され、接続アダプタ7が受信する。また、画像処理装置2における検査対象、検査項目の切り替え等に伴い、切り替えられた検査対象、検査項目に対応する輝度閾値及び/又は微分閾値が画像処理装置2から読み出され、撮像装置1に送信され、接続アダプタ7が受信する。このとき、電源投入時と同様に露光時間、ゲイン、撮像フレームレート等の撮像条件は撮像装置1に送信されても良い。
【0100】
画像処理装置2は、輝度閾値及び微分閾値をユーザが設定することができる設定手段を備えており、設定された輝度閾値及び/又は微分閾値が画像処理装置2に記憶される。
【0101】
算出した輝度レベル値及び微分レベル値は、接続ケーブル73を介して接続アダプタ7の出力部701へ送信される。そして、輝度レベル値は、接続アダプタ7の輝度レベル値表示部702により、微分レベル値は、接続アダプタ7の微分レベル値表示部703により、それぞれ輝度値表示インジケータ71、微分値表示インジケータ72に出力され表示される。
【0102】
図9は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置2のコントローラ21の処理手順を示すフローチャートである。画像処理装置2のコントローラ21は、初期値としてnに‘1’を設定し(ステップS901)、多値画像のn番目の画素の輝度値I(n)を取得する(ステップS902)。
【0103】
コントローラ21は、互いに隣接する画素の輝度値の差分値I(n)−I(n−1)の絶対値を算出し(ステップS903)、算出した差分値が最大差分値であるか否かを判断する(ステップS904)。コントローラ21が、算出した差分値が最大差分値であると判断した場合(ステップS904:YES)、コントローラ21は、メモリ213に記憶してある最大差分値を更新する(ステップS905)。
【0104】
コントローラ21は、多値画像のn番目の画素の輝度値I(n)が最大輝度値であるか否かを判断し(ステップS906)、コントローラ21が、最大輝度値であると判断した場合(ステップS906:YES)、コントローラ21は、メモリ213に記憶してある最大輝度値を更新する(ステップS907)。コントローラ21が、算出した差分値が最大差分値ではないと判断した場合(ステップS904:NO)、又は最大輝度値ではないと判断した場合(ステップS906:NO)、それぞれステップS905、ステップS907をスキップする。
【0105】
コントローラ21は、全ての画素について上述した処理を完了したか否かを判断し(ステップS908)、コントローラ21が、未処理の画素が存在すると判断した場合(ステップS908:NO)、コントローラ21は、nを‘1’インクリメントし(ステップS909)、処理をステップS902へ戻して、上述した処理を繰り返す。コントローラ21が、全ての画素について上述した処理を完了したと判断した場合(ステップS908:YES)、コントローラ21は、微分レベル値を特定し(ステップS910)、輝度レベル値を特定する(ステップS911)。コントローラ21は、特定した微分レベル値及び輝度レベル値を接続アダプタ7へ送信する(ステップS912)。
【0106】
以上のように本実施の形態2によれば、取得された画像の明るさの程度及び取得された画像の鮮鋭度の程度を示す値として輝度レベル値及び微分レベル値を、撮像装置と画像処理装置とを接続する接続アダプタにて出力するので、従来の撮像装置を用いる場合であっても比較的大きな設置スペースを要する表示装置を設ける必要がなく、接続アダプタに段階的に表示することが可能なインジケータを備えれば足りるので、FAシステムが稼働する現場であっても、撮像装置を設置するスペースさえ確保することができれば、レンズの絞り調整、フォーカス調整の程度を視認することが可能となる。
【0107】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。接続アダプタに、輝度レベル値及び微分レベル値を算出することが可能なコンピュータチップを搭載しても良い。また、接続アダプタ7に代えて、コネクタ16と接続するケーブルのケーブルコネクタにて算出した段階的な輝度レベル値及び微分レベル値を表示するようにしても良い。また、コネクタ16と接続するケーブルに中継ボックスを備え、中継ボックスに算出した段階的な輝度レベル値及び微分レベル値を表示するようにしても良い。また、撮像装置もラインスキャンカメラに限定されるものではない。さらに、撮像システムにおいては、撮像装置と画像処理装置とは、有線で接続しても良いし、無線で接続しても良い。
【符号の説明】
【0108】
1、1a、1b、1c 撮像装置
2 画像処理装置
3 モニタ
4 コンソール
5 PLC
7 接続アダプタ
10 FPGA
11 本体部
12 レンズモジュール
13 絞り調整部
14 フォーカス調整部
15、74 インジケータ
21 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置とデータ通信することが可能に接続され、検査対象物を撮像して取得した多値画像を該画像処理装置に出力する撮像装置において、
少なくともレンズ及び絞りのうち1つを含む撮像光学系を介して検査対象物を撮像し、1次元又は2次元の多値画像を取得する撮像素子と、
該撮像素子により取得した多値画像を前記画像処理装置へ送信する通信手段と、
前記撮像素子により取得した多値画像の明るさに関する情報を算出する明るさ情報算出手段と、
前記撮像素子により取得した多値画像の鮮鋭度に関する情報を算出する鮮鋭度情報算出手段と、
前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を複数のレベル値に対応したレベル表示をするようにしてあることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を並べて表示するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子、前記明るさ情報算出手段及び前記鮮鋭度情報算出手段を収容する略直方体状の筐体を備え、
前記表示手段及び前記通信手段は、前記筐体の一の面に設けてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を、事前に設定してある表示条件に基づいて前記表示手段に表示する値に変換する表示処理手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
事前に設定してある撮像条件に基づいて前記撮像素子の動作を制御する動作制御手段を備え、
前記表示条件及び前記撮像条件を、前記画像処理装置から取得するようにしてあることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記明るさ情報算出手段は、
取得した多値画像の輝度値の最大値である最大輝度値を算出する最大輝度値算出手段と、
算出した最大輝度値に基づいて段階的な輝度レベル値を算出する輝度レベル値算出手段と
を備え、
前記鮮鋭度情報算出手段は、
取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値の最大値である最大微分値を算出する最大微分値算出手段と、
算出した最大微分値に基づいて段階的な微分レベル値を算出する微分レベル値算出手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記最大微分値算出手段は、
取得した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の差分値を算出する差分算出手段と、
算出した差分値の最大値である最大差分値を前記最大微分値として算出する最大差分値算出手段と
を備えることを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
【請求項9】
前記表示手段は、前記輝度レベル値及び前記微分レベル値ごとにそれぞれ発光する複数の発光インジケータであることを特徴とする請求項7又は8に記載の撮像装置。
【請求項10】
少なくともレンズ及び絞りのうち1つを含む撮像光学系を介して検査対象物を撮像し、1次元又は2次元の多値画像を取得する撮像素子を含む撮像装置と、
該撮像装置とデータ通信することが可能に接続してあり、多値画像を受信する画像処理装置と
を備える撮像システムにおいて、
前記撮像装置は、前記画像処理装置とデータ通信することが可能に接続する接続アダプタを接続することが可能としてあり、
前記画像処理装置は、
受信した多値画像の明るさに関する情報を算出する明るさ情報算出手段と、
受信した多値画像の鮮鋭度に関する情報を算出する鮮鋭度情報算出手段と、
算出した明るさに関する情報及び鮮鋭度に関する情報を送信する通信手段と
を備え、
前記接続アダプタは、
前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を受信して表示する表示手段
を備えることを特徴とする撮像システム。
【請求項11】
前記表示手段は、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を複数のレベル値に対応したレベル表示をするようにしてあることを特徴とする請求項10記載の撮像システム。
【請求項12】
前記表示手段は、前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を並べて表示するようにしてあることを特徴とする請求項10又は11に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記明るさに関する情報及び前記鮮鋭度に関する情報を、事前に設定してある表示条件に基づいて前記表示手段に表示する値に変換する表示処理手段を備えることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項14】
前記明るさ情報算出手段は、
受信した多値画像の輝度値の最大値である最大輝度値を算出する最大輝度値算出手段と、
算出した最大輝度値に基づいて段階的な輝度レベル値を算出する輝度レベル値算出手段と
を備え、
前記鮮鋭度情報算出手段は、
受信した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の微分値の最大値である最大微分値を算出する最大微分値算出手段と、
算出した最大微分値に基づいて段階的な微分レベル値を算出する微分レベル値算出手段と
を備え、
前記接続アダプタは、算出した前記輝度レベル値及び前記微分レベル値を受信して表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記最大微分値算出手段は、
受信した多値画像の互いに隣接する画素の輝度値の差分値を算出する差分算出手段と、
算出した差分値の最大値である最大差分値を前記最大微分値として算出する最大差分値算出手段と
を備えることを特徴とする請求項14記載の撮像システム。
【請求項16】
前記表示手段は、前記輝度レベル値及び前記差分レベル値ごとにそれぞれ発光する複数の発光インジケータであることを特徴とする請求項14又は15に記載の撮像システム。

【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−175141(P2012−175141A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31955(P2011−31955)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】