説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】 ファインダーや液晶画面から目を離さず、シャッターチャンス時に迅速に所望の設定値に切り替えることが出来る撮像装置及び撮像方法を提供する。
【解決手段】 撮影時に複数の撮影パラメータの値を設定し、設定された複数の撮影パラメータから少なくとも1つの撮影パラメータを選択し、選択された撮影パラメータの値を設定して記憶し、第1の撮影をするためのタイミングを指定する第1のシャッターステップと、第2の撮影をするためのタイミングを指定する第2のシャッターステップとを有し、前記第1のシャッターステップによって、設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始され、前記第2のシャッターステップによって、選択された撮影パラメータについては記憶されたパラメータの値を用い、又前記選択されたパラメータ以外の撮影パラメータについては設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始される撮像方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファインダーや液晶画面から目を離さず、シャッターチャンス時に迅速に所望の設定値に切り替えることが出来る撮像装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで撮影する際には、各種の設定値を選択してから撮影するか、もしくはあらかじめ選択しておいて撮影することが一般的である。これらの設定値を適正に設定することにより、カメラの性能をフルに使った画像を撮影することが出来る。
【0003】
例えば、撮影された画像は所定の画像フォーマットで保存されることが一般的である。高圧縮な画像フォーマットで保存すると、同一のメモリに保存できる画像数が多くなる代わりに、画質があまり良くないものとなる。一方、低圧縮な画像フォーマットで保存すると、同一のメモリに保存できる画像数が少なくなる代わりに、画質が良くなり、後に編集を行ったり、大きく印刷したりすることが可能なものとなる。
【0004】
しかしながら、選択できる設定項目には、ズーム、ピント設定だけではなく、シャッター速度、露出補正、フラッシュの有り無し、連射/単射設定、ISOに加えて、各種モード設定や保存画像フォーマットなどがある。このため設定を行うには手間と時間がかかってしまい、シャッターチャンス時において、再設定に手間取り、迅速に撮影を行うことが難しいという問題がある。
そこで特許文献1には、頻繁に使用するメニュー項目を表示させるためのボタンを設け、特定の機能の設定を変更する際の手間を省くことのできる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−135271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような方法を用いたとしても、シャッターチャンス時のように迅速に設定変更を要する場合には、設定に手間取ってしまう。特に、一眼レフカメラで撮影する時などは、ファインダーから目を離さなくてはならない。また、ボタンと機能との関連性がないため、どのボタンにどの機能を関連付けたのか分かりにくいものとなる。従って、シャッターチャンス時など、即座に一定のパラメータを変更するという場面においては対応しづらいものである。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ファインダーや液晶画面から目を離さず、シャッターチャンス時に迅速に所望の設定値に切り替えることが出来る撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための、本発明に係る請求項1に記載の撮像装置は、画像を撮影する撮像装置であって、撮影時に複数の撮影パラメータの値を設定する撮影パラメータ設定手段と、前記撮影パラメータ設定手段で設定された複数の撮影パラメータから少なくとも1つの撮影パラメータを選択するパラメータ選択手段と、前記パラメータ選択手段で選択された撮影パラメータの値を設定して記憶する選択パラメータ記憶手段と、第1の撮影をするためのタイミングを指定する第1のシャッター手段と、第2の撮影をするためのタイミングを指定する第2のシャッター手段とを有し、前記第1のシャッター手段によって、前記撮影パラメータ設定手段で設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始され、前記第2のシャッター手段によって、前記撮影パラメータ選択手段で選択された撮影パラメータについては前記選択パラメータ記憶手段で記憶されたパラメータの値を用い、又前記選択されたパラメータ以外の撮影パラメータについては前記パラメータ設定手段で設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始される。
【0008】
また本発明に係る請求項2に記載の撮像装置は、上記記載の発明である撮像装置において、前記第1の撮影を行うための前記第1のシャッター手段の操作は、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材の操作であり、前記第2の撮影を行うための前記第2のシャッター手段の操作は、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材の操作である。
【0009】
また本発明に係る請求項3に記載の撮像装置は、上記記載の発明である撮像装置において、前記第1の撮影を行うための前記第1のシャッター手段の操作は、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材の操作であり、前記第2の撮影を行うための前記第2のシャッター手段の操作は、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作している状態で前記第1の操作部材を操作することである。
【0010】
また本発明に係る請求項4に記載の撮像装置は、上記記載の発明である撮像装置において、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作する毎に、前記第1の撮影と前記第2の撮影が交互に選択され、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材の操作は、選択された前記第1の撮影または前記第2の撮影を実行するためのタイミングを指定する。
【0011】
また本発明に係る請求項5に記載の撮像装置は、上記記載の発明である撮像装置において、音声を入力する音声入力手段を更に有し、前記第2の操作部材の操作は、前記音声入力手段に所定の音声を入力することである。
【0012】
また本発明に係る請求項6に記載の撮像方法は、画像を撮影する撮像装置の撮像方法であって、撮影時に複数の撮影パラメータの値を設定する撮影パラメータ設定ステップと、前記撮影パラメータ設定ステップで設定された複数の撮影パラメータから少なくとも1つの撮影パラメータを選択するパラメータ選択ステップと、前記パラメータ選択ステップで選択された撮影パラメータの値を設定して記憶する選択パラメータ記憶ステップと、第1の撮影をするためのタイミングを指定する第1のシャッターステップと、第2の撮影をするためのタイミングを指定する第2のシャッターステップとを有し、前記第1のシャッターステップによって、前記撮影パラメータ設定ステップで設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始され、前記第2のシャッターステップによって、前記撮影パラメータ選択ステップで選択された撮影パラメータについては前記選択パラメータ記憶ステップで記憶されたパラメータの値を用い、又前記選択されたパラメータ以外の撮影パラメータについては前記パラメータ設定ステップで設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始される。
【0013】
また本発明に係る請求項7に記載の撮像方法は、上記記載の発明である撮像方法において、前記第1の撮影を行うための前記第1のシャッターステップでの操作は、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材を操作し、前記第2の撮影を行うための前記第2のシャッターステップでの操作は、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作する。
【0014】
また本発明に係る請求項8に記載の撮像方法は、上記記載の発明である撮像方法において、前記第1の撮影を行うための前記第1のシャッターステップでの操作は、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材を操作し、前記第2の撮影を行うための前記第2のシャッターステップでの操作は、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作している状態で前記第1の操作部材を操作する。
【0015】
また本発明に係る請求項9に記載の撮像方法は、上記記載の発明である撮像方法において、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作する毎に、前記第1の撮影と前記第2の撮影とが交互に選択され、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材の操作は、選択された前記第1の撮影または前記第2の撮影を実行するためのタイミングを指定する。
【0016】
また本発明に係る請求項10に記載の撮像方法は、上記記載の発明である撮像方法において、音声を入力する音声入力ステップを更に有し、前記第2の操作部材の操作は、前記音声入力ステップを実行する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ファインダーや液晶画面から目を離さず、シャッターチャンス時に迅速に所望の設定値に切り替えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明にかかる撮像装置のシャッターチャンス時におけるパラメータ設定値の変更方法について説明する。
本発明に係る撮像装置では、シャッターチャンス時において、望ましい設定値に、ワンタッチで変更することができる。例えば、普段はメモリを有効活用するためにファイルサイズの小さな高圧縮JPEG、単射で撮影していたとする。しかし、シャッターチャンス時は、このような設定では満足する撮影はできない。そこで、ワンタッチでシャッターチャンス用の設定、例えばRAW画像フォーマット、連射で撮影する。これにより、メモリの有効活用と画質の向上、再設定の簡易化を同時に実現させる。
【0019】
シャッターチャンス時の切り替え設定は、シャッターチャンス時にユーザが再設定したい撮影設定のみを選択的に変える。例えば、シャッターチャンス時は、保存形式をRAWに変更するように設定すると、他の設定項目は変わらず、保存形式のみがRAWに変更される。
【0020】
また、複数個のシャッターチャンス機能を組み合わせることで、それらを合わせた設定も可能なものとする。例えば、上記とは別にシャッターチャンス時は連射で撮影するように設定したとする。これと、上記の設定を別の操作ボタンなどに関連付けておくと、2つのボタンが同時に押されたときは、両方の設定をシャッターチャンス時用のものに変えることができる。
【0021】
また、ホワイトバランスなどの設定パラメータにおいて、シャッターチャンス時にAUTOからMANUALに変更する場合、AUTOの状態をMANUALに引き継ぐようにする。これによって、ユーザは、シャッターチャンス切り替え時に違和感無く撮影を行うことができる。
【0022】
次に、本発明に係る撮像装置の種々の実施の形態について説明する。
本発明に係る撮像装置は、一般的な撮像用の部材を備えた操作部の他に、新たにシャッターチャンス用の操作部材を備えている。ただし、このシャッターチャンス用の操作部材は、操作部のボタンなどと共用しても良い。
【0023】
図1は、第1の実施の形態に係る撮像装置を示す斜視図である。
撮像装置のズームリング上にシャッターチャンスボタンが設けられている。このシャッターチャンスボタンが押されている間、撮像装置の設定値が、シャッターチャンス時の設定値に切り替わる。シャッターチャンス時の設定値を使用するモード(以下、シャッターチャンスモードという)になっている間、ファインダー、もしくはプレビュー画面上にはその旨を示す表示がなされる。
なお、このボタンは、カメラ本体部分や他の部分に配置されていても良い。また、他のカメラの操作ボタンを流用しても良く、別に着脱式のスイッチを設けても良い。
【0024】
図2は、第1の実施の形態のバリエーションに係る撮像装置を示す斜視図である。
このバリエーションでは、シャッターチャンスボタンと機能を共有するシャッターボタンを別に備えている。図2ではシャッターボタンが2つ用意され、1つは通常撮影用のシャッターボタンであり、もう1つはシャッターチャンス時のシャッターボタンである。シャッターチャンス時のシャッターボタンを押すことで、シャッターチャンス時の切り替えとレリーズ操作が実行される。このバリエーションでは、撮影状況に応じて、2つのボタンを使い分けることにより、シャッターチャンス時に備えることができる。
【0025】
図3は、第1の実施の形態の他のバリエーションに係る撮像装置を示す斜視図である。
このバリエーションでは、レリーズボタン部分、グリップ部分、もしくはズームリングを含むレンズ上に圧力センサを備えている。この圧力センサをシャッターチャンス時に強く握ることにより、シャッターチャンス時の設定に切り替えることができる。
【0026】
図4は、第1の実施の形態の他のバリエーションに係る撮像装置を示す斜視図である。
このバリエーションでは、マイクロフォンが装備されている。ユーザが発した音声を音声認識装置で認識して、シャッターチャンス時の切り替えを行うことができる。
【0027】
図5は、撮像装置の構成を示すブロック図である。
撮像装置10には、処理部11、操作部12、撮像部14、記憶部15、表示部16、シャッターチャンス入力部17及び音声入力部18が設けられている。
処理部11は、撮像装置10の動作を統括的に制御する。操作部12は、ユーザからの操作指示入力を受取るための入力デバイスである。撮像部14は、被写体像を撮影してその画像データを生成する。記憶部15は、パラメータの設定値などを保存する。表示部16は、メニューなどを表示する液晶ディスプレイである。シャッターチャンス入力部17は、シャッターチャンス時の設定値に切り替えるための操作部材あるいはデバイスである。音声入力部18は、ユーザの音声を受け取るための受音装置である。
【0028】
続いて、本実施の形態に係る撮像装置10の動作について説明する。
図6は、シャッターチャンスモードの設定値を登録する概略の手順を示すフロー図である。
ステップS01において、ユーザはシャッターチャンス時に変えたいパラメータを選択する。この選択は、例えば撮像装置10の表示部16に表示されたメニューから変更したいパラメータを、操作部12の十字キーなどを用いて設定することで実行される。
【0029】
図7は、選択できるパラメータの例を示す図である。
ステップS02において、選択したパラメータについて設定値を選択する。例えば、パラメータ「ISO感度」については、設定値として「オート」、「64」、「100」、「200」、「400」を選択することができる。
ステップS03において、ユーザが操作部12から確定操作を行うと、選択されたパラメータとその設定値が記憶部15に記憶される。
【0030】
ステップS04でNoの場合、即ち、更に別のパラメータを選択する場合は、ステップS01に戻って、上述の操作を継続する。ステップS04でYesの場合、即ち、設定を終了する場合は、操作部12からシャッターチャンスモード登録終了の操作を行うと、それまで入力した複数のパラメータの値を1つのチャンスモードの設定として登録する。
なお、チャンスモードへの登録は、複数行うことができる。即ち、それぞれのチャンスモード毎に、所望のパラメータを登録することができる。
【0031】
図8は、シャッターチャンス時の設定値を取り扱う動作を示す概略のフロー図である。図8の処理は、撮像装置10のメイン処理から起動され、シャッターチャンス時の設定に関する処理を実行する。なお、このフロー図は、図1、図3、図4に示す形態の撮像装置10についての動作を示している。図2に示す形態については、後述する。
【0032】
図8のステップS10において、シャッターチャンス機能判定処理(図9)を実行する。
図9のステップT01、T02において、シャッターチャンスボタン(図1)が操作されたかどうか、圧力センサ(図2)が操作されたかどうかを判断する。
ステップT05において、シャッターチャンス入力部17が、シャッターチャンスボタンあるいは圧力センサが押されていることを検知すると、ステップT06において、撮像装置10のシャッターチャンスモードが「モード1」になっているかどうかを調べる。
【0033】
ここで、「モード1」は、シャッターチャンスボタンあるいは圧力センサが押されている間は、シャッターチャンス機能をONにするモードである。即ち、シャッターチャンスボタンあるいは圧力センサから指を離すと、その時点からシャッターチャンス機能は動作しなくなる。
一方、「モード2」は、シャッターチャンスボタンあるいは圧力センサが押される毎に、シャッターチャンス機能をONからOFFに、またはOFFからONに切り替えるモードである。従って、「モード1」と異なり、シャッターチャンスボタンあるいは圧力センサを押し続けている必要はない。
なお、シャッターチャンス機能は、シャッターチャンス時の設定値の有効・無効を示すフラグである。
【0034】
ステップT06でYesの場合、即ち、「モード1」の場合は、ステップT07において、シャッターチャンスボタンあるいは圧力センサが押されている間はシャッターチャンス機能をONにする。ステップT06でNoの場合、即ち、「モード2」の場合は、ステップT08において、シャッターチャンス機能のON、OFFを切り替える。
【0035】
ステップT03に戻り、音声による入力がされたかどうかを調べる。
ここで、入力する音声は、音であっても良く言葉であっても良い。例えば、「チャンス」、「アップ」といった言葉であっても良い。
ステップT10において、音声入力部18が音声が入力されたことを音声認識によって認識すると、ステップT11において、入力された音声が所定の音声パターンをもつかどうかを調べる。
【0036】
そして、ステップT11でYesの場合、即ち、所定の音声パターンをもつ場合は、ステップT12において、シャッターチャンス機能のON、OFFを切り替える。ステップT11でNoの場合、即ち、所定の音声パターンをもたない場合は、シャッターチャンス機能の切り替えは実行しない。
なお、音声によるシャッターチャンス機能の切り替えにおいては、「モード2」の機能を備えているが、「モード1」の機能は備えていない。
【0037】
図8に戻り、ステップS11において、シャッターチャンス機能がONかどうかを調べる。ステップS11でYesの場合、即ち、シャッターチャンス機能がONのときは、ステップS12において、撮像装置10が既にシャッターチャンスモードになっているかどうかを調べる。ここで、シャッターチャンスモードになっているとは、シャッターチャンス時の設定値に変更されていることをいう。
ステップS12でYesの場合、即ち、撮像装置10がシャッターチャンスモードになっているときは、次のステップに進み、特に処理は実行しない。ステップS12でNoの場合、即ち、撮像装置10がシャッターチャンスモードになっていないときは、ステップS13に示すシャッターチャンスモード変換処理(図10)を実行する。
【0038】
図10のステップT20において現在撮像装置10に設定されているパラメータの値を取得して、ステップT21において、そのパラメータの値を記憶部15に保存する。続いて、ステップT22において、現在のパラメータを反映させるものは、その値を計算して値を当てはめる。
例えば、「シャッタスピード」を「オート」から「マニュアル」に変更する場合、露出値に基づいてオートモードで「シャッタスピード」を計算し、計算結果をマニュアルモードでの「シャッタスピード」として設定する。
そして、ステップT23において、シャッターチャンスモードで登録されているパラメータのみの値を設定値で変更する。
【0039】
図8に戻り、ステップS11でNoの場合、即ち、シャッターチャンス機能がOFFの場合は、ステップS14において、撮像装置10のシャッターチャンスモードが既に解除されているかどうかを調べる。ここで、シャッターチャンスモードが解除されているとは、元のパラメータに復元されていることをいう。
ステップS14でYesの場合、即ち、撮像装置10がシャッターチャンスモードを解除しているときは、次のステップに進み、特に処理は実行しない。ステップS14でNoの場合、即ち、撮像装置10がシャッターチャンスモードを解除していないときは、ステップS15に示すシャッターチャンスモード復元処理(図11)を実行する。
【0040】
図11のステップT30において現在撮像装置10に設定されている、シャッターチャンス時のパラメータの値を取得する。そして、ステップT31において、記憶部15に保存してあった、元のパラメータの値をよみだす。続いて、ステップT32において、現在のパラメータを反映させるものは、その値を計算して値を当てはめる。
そして、ステップT33において、シャッターチャンス時に変更したパラメータのみの値を元に戻す。
【0041】
図8に戻り、ステップS16において、電源がOFFされるまで、上述のシャッターチャンス時の設定値に関する処理を繰り返して実行し、ステップS16でNoの場合、即ち、電源がOFFされたときは処理を終了する。
【0042】
図12は、シャッターチャンス時の設定値を取り扱う他の動作を示す概略のフロー図である。図12の処理は、撮像装置10のメイン処理から起動され、シャッターチャンス時の設定値に関する処理を実行する。なお、このフロー図は、図2に示す形態の撮像装置10についての動作を示している。即ち、シャッターチャンス用シャッターを別に備えた撮像装置10についてのフロー図を示している。
【0043】
ステップS21において、シャッターボタンが半押しされたことを検出すると、ステップS22において、シャッターチャンス用シャッターが操作されたかどうかを調べる。
ステップS22でYesの場合、即ち、シャッターチャンス用シャッターが操作されたときは、ステップS23に示すシャッターチャンスモード変換処理(図10)を実行する。このシャッターチャンスモード変換処理は、シャッターチャンス時の設定値に切り替える処理であるが、既に説明しているため、再度の説明は省略する。
ステップS22でNoの場合、即ち、シャッターチャンス用シャッターが操作されていないときは、ステップS24に示すシャッターチャンスモード復元処理(図11)を実行する。このシャッターチャンスモード復元処理は、元のパラメータ設定値に戻す処理であるが、既に説明しているため、再度の説明は省略する。
このように、図2に示す形態の撮像装置10においては、シャッターチャンス用シャッターを操作したときは、シャッターチャンス時の設定値が適用され、通常のシャッタを操作したときは、元の設定値が適用される。
【0044】
また、シャッターチャンスに備えるだけでなく、通常撮影設定から画質、撮影方法などを落とすことで、重要ではないと思われる画像を、メモリを圧迫することなく気軽に撮影する場合に、その撮影用に設定して使用しても良い。
【0045】
〔実施の形態の効果〕
以上説明した、実施の形態によれば、レンズや撮像装置10本体にボタンを配置して、そのボタン操作やその他の操作によって、保存する画像フォーマット、サイズなどを変更することができる。また連射・単射の切り替え、その他撮像設定を変更することができる。
また、ボタンでなく、シャッターボタンを複数用意して、そのシャッターボタンによって撮影モードを変更することもできる。
従って、素早く手軽に最適な撮影設定に変更することができるため、撮影体制のままシャッターチャンスに対応することができる。
【0046】
なお、本発明は、種々のバリエーションの形態で実施することができる。
例えば、シャッターチャンス時の設定値を複数組用意し、それらを適宜選択できるようにしても良い。また、複数組のシャッターチャンス時の設定値を適宜組合わせて使用するようにしても良い。
【0047】
本願発明は、従来の技術にはない、種々の特徴を備えている。
従来の技術では、あるシーンにおける最適な設定値を定める際、その手間を省くことを目的としてショートカットの手法を提案しているのに対して、本願発明では、シャッターチャンス時を逃さず直ちに所望の条件で撮影することを目的としている。
従って、この目的に適合するように本願発明では、種々の機能を提案しているのである。
【0048】
その主な実施例は次のとおりである。
(1)ボタンが押されている時のみ設定が有効であり、ボタンが押されなければ元に戻る動作。
(2)設定項目のみ変化させる動作。従来の技術では、全ての項目が変わってしまう。
【0049】
(3)ボタンなどを備えて直ちに撮影ができるような構成。従来のようなモードダイヤルを用いる方法では、いちいちファインダーから目を離さなければならなかったり、それに伴い、カメラを構えている姿勢をいったん崩さなくてはならなかったりした。
【0050】
なお、上述の実施の形態で説明した各機能は、ハードウエアを用いて構成しても良く、また、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現しても良い。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0051】
更に、各機能は図示しない記録媒体に格納したプログラムをコンピュータに読み込ませることで実現させることもできる。ここで本実施の形態における記録媒体は、プログラムを記録でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その記録形式は何れの形態であってもよい。
【0052】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施の形態に係る撮像装置を示す斜視図である。。
【図2】第1の実施の形態のバリエーションに係る撮像装置を示す斜視図。
【図3】第1の実施の形態の他のバリエーションに係る撮像装置を示す斜視図。
【図4】第1の実施の形態の他のバリエーションに係る撮像装置を示す斜視図。
【図5】撮像装置の構成を示すブロック図。
【図6】シャッターチャンスモードの設定値を登録する概略の手順を示すフロー図。
【図7】選択できるパラメータの例を示す図。
【図8】シャッターチャンス時の設定値を取り扱う動作を示す概略のフロー図。
【図9】シャッターチャンス機能判定処理の手順を示すフロー図。
【図10】シャッターチャンスモード変換処理の手順を示すフロー図。
【図11】シャッターチャンスモード復元処理の手順を示すフロー図。
【図12】シャッターチャンス時の設定値を取り扱う他の動作を示す概略のフロー図。
【符号の説明】
【0054】
10…撮像装置、11…処理部、12…操作部、14…撮像部、15…記憶部、16…表示部、17…シャッターチャンス入力部、18…音声入力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影する撮像装置であって、
撮影時に複数の撮影パラメータの値を設定する撮影パラメータ設定手段と、
前記撮影パラメータ設定手段で設定された複数の撮影パラメータから少なくとも1つの撮影パラメータを選択するパラメータ選択手段と、
前記パラメータ選択手段で選択された撮影パラメータの値を設定して記憶する選択パラメータ記憶手段と、
第1の撮影をするためのタイミングを指定する第1のシャッター手段と、
第2の撮影をするためのタイミングを指定する第2のシャッター手段とを有し、
前記第1のシャッター手段によって、前記撮影パラメータ設定手段で設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始され、
前記第2のシャッター手段によって、前記撮影パラメータ選択手段で選択された撮影パラメータについては前記選択パラメータ記憶手段で記憶されたパラメータの値を用い、又前記選択されたパラメータ以外の撮影パラメータについては前記パラメータ設定手段で設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の撮影を行うための前記第1のシャッター手段の操作は、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材の操作であり、
前記第2の撮影を行うための前記第2のシャッター手段の操作は、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材の操作であること
を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の撮影を行うための前記第1のシャッター手段の操作は、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材の操作であり、
前記第2の撮影を行うための前記第2のシャッター手段の操作は、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作している状態で前記第1の操作部材を操作することであること
を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作する毎に、前記第1の撮影と前記第2の撮影が交互に選択され、
前記撮像装置に設けられた第1の操作部材の操作は、選択された前記第1の撮影または前記第2の撮影を実行するためのタイミングを指定すること
を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
音声を入力する音声入力手段を更に有し、
前記第2の操作部材の操作は、前記音声入力手段に所定の音声を入力することであること
を特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項6】
画像を撮影する撮像装置の撮像方法であって、
撮影時に複数の撮影パラメータの値を設定する撮影パラメータ設定ステップと、
前記撮影パラメータ設定ステップで設定された複数の撮影パラメータから少なくとも1つの撮影パラメータを選択するパラメータ選択ステップと、
前記パラメータ選択ステップで選択された撮影パラメータの値を設定して記憶する選択パラメータ記憶ステップと、
第1の撮影をするためのタイミングを指定する第1のシャッターステップと、
第2の撮影をするためのタイミングを指定する第2のシャッターステップとを有し、
前記第1のシャッターステップによって、前記撮影パラメータ設定ステップで設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始され、
前記第2のシャッターステップによって、前記撮影パラメータ選択ステップで選択された撮影パラメータについては前記選択パラメータ記憶ステップで記憶されたパラメータの値を用い、又前記選択されたパラメータ以外の撮影パラメータについては前記パラメータ設定ステップで設定された撮影パラメータの値を用いた撮影が開始されることを特徴とする撮像方法。
【請求項7】
前記第1の撮影を行うための前記第1のシャッターステップでの操作は、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材を操作し、
前記第2の撮影を行うための前記第2のシャッターステップでの操作は、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作すること
を特徴とする請求項6に記載の撮像方法。
【請求項8】
前記第1の撮影を行うための前記第1のシャッターステップでの操作は、前記撮像装置に設けられた第1の操作部材を操作し、
前記第2の撮影を行うための前記第2のシャッターステップでの操作は、前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作している状態で前記第1の操作部材を操作すること
を特徴とする請求項6に記載の撮像方法。
【請求項9】
前記撮像装置に設けられた第2の操作部材を操作する毎に、前記第1の撮影と前記第2の撮影とが交互に選択され、
前記撮像装置に設けられた第1の操作部材の操作は、選択された前記第1の撮影または前記第2の撮影を実行するためのタイミングを指定すること
を特徴とする請求項6に記載の撮像方法。
【請求項10】
音声を入力する音声入力ステップを更に有し、
前記第2の操作部材の操作は、前記音声入力ステップを実行すること
を特徴とする請求項7又は8に記載の撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−41119(P2007−41119A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222730(P2005−222730)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】