説明

撮像装置

【課題】曇天を検出し、曇天時に撮影される画像の品質を適切に向上できる撮像装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラの曇天判定では、被写体の平均輝度がBV3〜8である輝度条件(ステップS2)と、ホワイトバランス(WB)ゲイン「R/G」>「B/G」であるWBゲイン条件(ステップS3)とを満足するか否かを判断する。さらに、曇天判定では、曇天時の天空を検知するための輝度分布エリア条件(ステップS4)および色分布エリア条件(ステップS5)と、画像データに関する輝度ヒストグラムの条件(ステップS6)とを満足するか否かを判断する。そして、これらの5つの判定条件を満たす場合には曇天と判断し、γ補正で使用するトーンカーブを曇天用に切り替える。これにより、曇天時に撮影される画像の品質を適切に向上できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体に係る画像データを取得する撮像手段を有する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
曇天時に屋外で撮影する場合には、光が拡散するためフレアが生じてしまい、黒の締まりのない画像が取得されることが多い。
【0003】
一方、フレアなどが発生する場合においてその悪影響を抑える技術としては、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるものがある。これらの技術では、画像の輝度ヒストグラムに基づきフレアなどを検知して、適切な画像処理が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−247541号公報
【特許文献2】
特開2001−134467号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や特許文献2の技術では、輝度ヒストグラムに基づく一般的な検知が行われるものの、曇天のみをターゲットにした検知は行われないため、曇天に有効な特別の画像処理を行えない。したがって、曇天時の撮影画像の品質向上は必ずしも図れないこととなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、曇天を検出し、曇天時に撮影される画像の品質を適切に向上できる撮像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、撮像装置であって、(a)被写体に係る画像データを取得する撮像手段と、(b)前記撮像手段で取得された画像データに基づき、曇天を検出する検出手段と、(c)前記検出手段で曇天が検出された場合には、撮影画像データに係る第1制御を行う第1制御手段と、(d)前記検出手段で曇天が検出されない場合には、前記撮影画像データに係る第2制御を行う第2制御手段とを備える。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る撮像装置において、前記第1制御と前記第2制御とは、前記撮影画像データに関する画像処理、および/または露出制御が異なっている。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る撮像装置において、前記検出手段は、(b−1)前記画像データに関する輝度分布情報および/または色情報に基づき、曇天を検出する手段を有する。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項2の発明に係る撮像装置において、前記画像処理は、γ補正処理、エッジ強調処理、彩度強調処理およびオフセット補正処理からなる群から選択される少なくとも1の処理である。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る撮像装置において、(e)前記画像データに基づく画像表示が可能な表示手段をさらに備え、前記撮像手段は、(a−1)本撮影前において前記表示手段に画像表示するための表示用画像データを順次に取得する手段を有するとともに、前記検出手段は、(b−2)前記表示用画像データに基づき、曇天を検出する手段を有する。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る撮像装置において、前記第1制御手段は、(c−1)前記検出手段で曇天が検出された場合には、前記表示用画像データに係る前記第1制御を行う手段を有する。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項3の発明に係る撮像装置において、前記輝度分布情報は、前記画像データに関する平均輝度情報、画像全体に対する所定の高輝度部分の比率情報および、画像全体に対する所定の低輝度部分の比率情報からなる群から選択される少なくとも1の情報である。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項3の発明に係る撮像装置において、前記色情報は、ホワイトバランスのゲインに関する情報および/または、高明度性と低彩度性とに関する情報である。
【0015】
【発明の実施の形態】
<デジタルカメラの要部構成>
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1を示す斜視図である。また、図2は、デジタルカメラ1の背面図である。なお、図1および図2には方位関係を明確にするために互いに直交するX,Y,Zの三軸を示している。
【0016】
デジタルカメラ1の前面には、撮影レンズ10とフラッシュ11とファインダ窓12とが設けられている。撮影レンズ10の内側には撮影レンズ10を介して入射する被写体像を光電変換して画像信号を生成する撮像素子(撮像手段)であるCCD(Charge Coupled Device)2が設けられている。
【0017】
撮影レンズ10には光軸方向に沿って駆動可能なレンズ系が含まれており、当該レンズ系を光軸方向に駆動することにより、CCD2に結像される被写体像の合焦状態を実現することができるように構成されている。
【0018】
デジタルカメラ1の上面には、レリーズボタン13と、ズームキー14と、撮影モード設定キー15と、液晶パネル16とが配置されている。
【0019】
レリーズボタン13は被写体の撮影を行うときにユーザが押下操作を行ってデジタルカメラ1に撮影指示を与えるボタンである。
【0020】
ズームキー14は、2つのボタンからなり、ユーザの操作により光学ズームを行える。
【0021】
撮影モード設定キー15では、液晶パネル16に表示される設定情報をユーザが視認しつつ、絞り優先やシャッタースピード優先という露光条件の設定や、ホワイトバランス(WB)モードの切替え等の設定が可能となっている。
【0022】
デジタルカメラ1の側面には、レリーズボタン13に対するユーザの押下操作に伴う動作(本撮影動作)で得られた撮影画像データを記録するためのメモリカード9を着装する挿入口17が設けられている。
【0023】
デジタルカメラ1の背面には、本撮影前に被写体を動画的態様で表示するライブビュー表示や、撮影した画像等の表示を行うための表示手段として機能する液晶モニタ18と、ファインダ窓12に対応するファインダ接眼窓19と、液晶モニタ操作キー20とが設けられている。
【0024】
液晶モニタ操作キー20は、3つのボタンから構成され、液晶モニタ18に表示されるメニュー画面などに対する入力を行うための操作部材である。
【0025】
図3は、デジタルカメラ1の機能ブロックを示す図である。図中において、矢印付き太線は画像データの流れを示し、矢印付き細線は制御データの流れを示している。
【0026】
まず、ユーザは、液晶モニタ操作キー20により、撮影モードか再生モードかを選択する。以下では、撮影モードと再生モードとに分けて説明する。
【0027】
(1)撮影モード
撮影モードが選択されている場合には、ユーザは撮影モード設定キー15と液晶パネル16とにより、上述したように露光条件の設定や、ホワイトバランスモードの切替えなどの設定が行える。
【0028】
レリーズボタン13が押し込まれる本撮影動作が行われると、CPUで構成される制御部30は、その時の撮影条件および画像処理モードの設定を読み取り撮影動作を行う。この場合、撮影条件の設定でフラッシュ発光を伴う撮影モードが選択されていれば、制御部30は、発光タイミングや発光時間に従ってフラッシュ11を制御する。
【0029】
この撮影動作では、例えばモータを有する駆動部(図示せず)により、撮影レンズ10を被写体に合焦させるように駆動する。そして、CCD2で電荷蓄積を行い、被写体に係る画像データが読出される。CCD2で取得されたキャプチャー画像(記録用画像)は、A/D変換部21でデジタルデータに変換される。
【0030】
画像処理部22では、A/D変換部21から伝送される画像データに対して、例えばゲイン処理やホワイトバランス補正などの画像処理を行う。そして、処理された画像データは、圧縮部23により例えばJPEG形式で圧縮されて記録媒体として働くメモリカード9に記録される。
【0031】
レリーズボタン13がユーザにより押し込まれる前、つまり本撮影前には、被写体の画像データに基づき液晶モニタ18に画像表示するライブビュー表示が行われる。この場合には、CCD2で順次に取得され、画像処理部22で処理された画像データ(表示用画像データ)が、ライブビュー作成部24で解像度変換などが行われて液晶モニタ18に表示されることとなる。また、ライブビュー時においてCCD2で順次に取得される画像データは、一旦メモリ25に記憶されることとなるが、この画像データが曇天判定部30aで行われる曇天判定(後で詳述)に利用される。
【0032】
(2)再生モード
再生モードに選択されている場合には、制御部30は、メモリカード9から画像データを読出し、メモリ25に一旦記憶する制御を行う。そして、制御部30は、メモリ25に記憶された画像データを画像処理部22に転送する。画像処理部22では、メモリ25から転送された画像データを液晶モニタ18で表示可能なフォーマットに変換する処理を行い、この変換された画像データは液晶モニタ18に送られて、その表示が行われる。
【0033】
<曇天時の撮影について>
一般のユーザが屋外で撮影する場合には、図4に示すように、画像全体Gwに対して空の領域Syが占める割合は、1/2〜1/4程度であることが多い。
【0034】
このような屋外でのスナップ写真などにおいては、曇天時と晴天時とで撮影画像の品質に違いが生じるが、この相違点を以下で説明する。
【0035】
図5は、撮影画像の輝度ヒストグラム分布を示す図である。図5(a)は、曇天時の分布を示し、図5(b)は、晴天時の分布を示している。なお、図5(a)および図5(b)の横軸は輝度を表し、縦軸は画素数を表している。
【0036】
曇天下では、光が拡散してレンズに多方向から光が入射されるため、フレアが生じやすく、黒の締まりのない撮影画像が取得される。すなわち、図5(b)に示す晴天時の輝度分布における暗部Bbでは、一定の黒分布が存在するのに対して、図5(a)に示す曇天時の輝度分布における暗部Baでは、黒分布つまり黒色の画素がほとんど存在しない。また、図5(b)において天空に相当する分布Sbは、輝度レンジの中間付近に位置するのに対して、図5(a)において天空に相当する分布Saは、輝度レンジの上限付近に位置して飽和している。
【0037】
図6は、デジタルカメラの階調再現のグラフを表す図である。図中においては、曲線Caが曇天(逆光相当)のグラフを示し、曲線Cbが晴天(順光相当)のグラフを示している。
【0038】
曇天時のグラフCaでは、暗部にフレアが乗っているため、晴天時のグラフCbに比べて黒の締まりがなくなり、被写体の黒色部分Bcが黒として再現されない状態となっている。
【0039】
以上のように、曇天時に屋外などで撮影する場合には、撮影画像の品質が劣化する。そこで、デジタルカメラ1では、曇天を検出して適切な曇天時の制御を行えるようになっているが、この制御動作を以下で説明する。
【0040】
<デジタルカメラ1の動作>
まず、デジタルカメラ1では、CCD2で順次に取得されるライブビュー画像データ(表示用画像データ)に基づき、撮影条件が曇天であるか否かを検出する動作を行う。
【0041】
図7は、デジタルカメラ1において曇天を判定する動作を示すフローチャートである。この動作は、制御部30の曇天判定部30aによって実行される。
【0042】
ステップS1では、曇天フラグをオフにする。この曇天フラグは、例えばメモリ25に格納され、曇天と判定されるとオンに切替えられる。
【0043】
ステップS2では、輝度条件を満足するかを判断する。すなわち、曇天での屋外撮影では、被写体の平均輝度が絶対輝度でBV(Brightness Value)3〜8となるが、この平均輝度情報(輝度分布情報)に関する輝度条件を満足するか否かを判断する。ここで、輝度条件を満足する場合には、ステップS3に進み、満足しない場合には、本フローを抜ける。
【0044】
ステップS3では、WBゲイン条件を満足するかを判断する。このWBゲイン条件について以下で説明する。
【0045】
昼の太陽光の色温度は約5500k程度であり、人工光においては電球が2800k前後で、蛍光灯が5000k前後である一方、曇天下では、色温度が6500kより高くなる。そこで、例えば次の不等式(1)を満たす場合に、上記のWBゲイン条件が満足されると判定する。
【0046】
WBゲイン「R/G」 > WBゲイン「B/G」・・・・・・・(1):
すなわち、ステップS3ではホワイトバランスのゲインに関する情報(色情報)に基づき、WBゲイン条件が判断されることとなる。
【0047】
なお、次の不等式(2)を満たす場合に、WBゲインが満足されると判断しても良い。
【0048】
WBゲイン「R/G」 > 昼光時のWBゲイン「B/G」・・・(2):
ステップS3において、上記のWBゲイン条件を満足する場合には、ステップS4に進み、満足しない場合には、本フローを抜ける。
【0049】
ステップS4では、輝度分布エリア条件を満足するかを判断する。この輝度分布エリア条件、つまり曇天の天空が撮影されているのを判断する条件について以下で説明する。
【0050】
上述したように、一般のユーザが屋外で撮影する場合には、図4に示すように画像全体Gwに対する空Syの占有率が、1/4〜1/2となる。一方、ライブビュー画像の端部に沿って明るい高輝度のエリア(例えば、反射率18%の被写体を露出中心に露出制御した場合に90%反射を超過する部分)が存在すれば、天空が写っていると判断できる。なお、デジタルカメラ1が画像の天地を判断する機能を有している場合には、天側のエリアのみで空が判断できる。
【0051】
以上のことから、例えば輝度Y(またはRGB)のレンジが0〜255に設定される場合において、ライブビュー画像全体の露出平均が80〜150(レンジの約30%〜60%)の範囲内にあり、かつ輝度Y(またはRGBの各値)が220(約97%)を超える高輝度領域が、ライブビュー画像の周辺に面積として、画像全体に対して1/4〜1/2の比率で存在する場合に、輝度分布エリア条件が満たされると判断する。すなわち、画像全体に対する所定の高輝度部分の比率情報(輝度分布情報)に基づき、輝度分布エリア条件が判断されることとなる。なお、上記の「220」の数値については、デジタルカメラ1おいて上記の「90%反射率」が設計されるレベルに応じて変更されることとなる。
【0052】
ステップS4において、上記の輝度分布エリア条件を満足する場合には、ステップS5に進み、満足しない場合には、本フローを抜ける。
【0053】
ステップS5では、色分布エリア条件を満足するかを判断する。この色分布エリア条件、つまり曇天の空が撮影されているのを判断する条件について以下で説明する。
【0054】
ライブビュー画像の端部に沿って、または天地が判断可能である場合には天側のエリアにおいて、明度が高く、彩度の低い(白に近い)画素が存在する場合に、曇天が写り込んでいる、つまり上記の色分布エリア条件が満足すると判断する。すなわち、高明度性と低彩度性とに関する情報(色情報)に基づき、色分布エリア条件は判断される。ここで、高明度および低彩度の場合とは、具体的にはホワイトバランスを演算した後、Lab換算にてL≧80、a<|8|、およびb<|8|、望むべくはL≧85、−5<a<3、および−5<b<3という所定の明度条件・彩度条件を満たす場合は、RGBの各値が例えばレンジ0〜255のうちの220(約85%)以上でRGBそれぞれの差が10以下という明度・彩度条件を満たす場合が該当する。
【0055】
ステップS5において、上記の色分布エリア条件を満足する場合には、ステップS6に進み、満足しない場合には、本フローを抜ける。
【0056】
ステップS6では、輝度ヒストグラム(輝度分布)条件を満足するかを判断する。この輝度ヒストグラム条件について以下で説明する。
【0057】
図5(a)に示す曇天時のヒストグラムのように、曇天下でフレアが生じると、輝度分布の暗部Baでは、黒色のデータがなくなってしまう。そこで、ライブビュー画像に基づくヒストグラムの形状、つまり輝度分布状況から、曇天を判断することとなる。
【0058】
具体的には、例えば輝度Y(またはRGB)のレンジが0〜255に設定される場合において、ライブビュー画像全体の露出平均が80〜150の範囲内にあり、かつ輝度Y(またはRGBの各値)が30(レンジの約10%)より小さい画像部分が画像全体の0.5%より少ない場合に、輝度ヒストグラム条件が満足すると判断する。すなわち、画像全体に対する所定の低輝度部分の比率情報(輝度分布情報)に基づき、輝度ヒストグラム条件が判断されることとなる。
【0059】
ステップS6において、上記の輝度ヒストグラム条件を満足する場合には、ステップS7に進み、満足しない場合には、本フローを抜ける。
【0060】
ステップS7では、曇天フラグをオンにする。
【0061】
以上の曇天判定の動作を行って、曇天である、つまり曇天フラグがオンとなった場合には、画像処理部22の画像処理や露出制御を変更する。すなわち、曇天が検出されない場合には、画像データに係る通常の制御(第2制御)を行うが、曇天が検出された場合には、曇天時の制御(第1制御)に切り替える。以下では、この曇天時の制御について説明する。
【0062】
図8は、画像処理部22のγ補正で利用されるトーンカーブを説明するための図である。
【0063】
曇天と判定された場合、画像処理部22では、通常のγ補正処理で使用されるトーンカーブQaから、曇天時のγ補正処理で使用されるトーンカーブQbに切り替える。この曇天時のトーンカーブQbは、通常のトーンカーブQaに対して、ガンマを立て低輝度部の傾きを小さくして、暗部を締める特性を有している。これにより、暗部などを改善できるため、曇天時のフレアなどの影響を抑制でき、画像品質の向上が図れることとなる。
【0064】
なお、曇天が判定された場合の画像処理としては、エッジ強調処理を強める処理、色補正において彩度を強調する処理、オフセットを上げるオフセット補正処理(例えば、輝度値換算で10を0にシフトする)などを行うようにしても良い。これらによっても、曇天時の画像品質を向上できる。なお、上記のオフセットを上げる処理については、画像処理部22でのデジタル処理に限らず、A/D変換部21で行うようにしても良い。この場合には、S/Nの向上が図れる。
【0065】
また、曇天と判断された場合には、露出制御を変更するようにする。具体的には、全体画像から、天空と認められる高輝度部分を除外した画像部分の平均が露出中心となるように露出制御を行う。このように露出を明るめにすることでも、曇天時の画像品質を向上できる。
【0066】
以上のデジタルカメラ1の動作により、曇天判定を精度良く行い適切な画像処理や露出制御を自動的に行うため、曇天時に撮影される画像の品質を適切に向上できる。
【0067】
なお、曇天判定については、図7のステップS2〜S6に示す5つの条件全てを満たす場合にのみ曇天と判断するのは必須でなく、例えば5条件のうち必須条件と十分条件とに分類し、十分条件は所定の数だけ満たす(ただし必須条件は全て満たす)場合に、曇天と判断するようにしても良い。
【0068】
<変形例>
◎上記実施形態においては、ライブビュー画像から曇天判定を行うのは必須でなく、キャプチャー画像(記録用画像)から曇天判定を行うようにしても良い。キャプチャー画像の場合には、ライブビュー画像より画素数が多く判断情報が増加するため、曇天判定の精度が向上する。
【0069】
◎上記実施形態における曇天時の画像処理や露出制御については、キャプチャー画像について行うのは必須でなく、ライブビュー画像(表示用画像データ)について行っても良い。これにより、ユーザが見やすく品質の高いライブビュー表示が行える。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項7の発明によれば、撮像手段で取得された画像データに基づき曇天が検出された場合には撮影画像データに係る第1制御を行い、曇天が検出されない場合には撮影画像データに係る第2制御を行う。その結果、曇天を検出して曇天時に撮影される画像の品質を適切に向上できる。
【0071】
特に、請求項2の発明においては、第1制御と第2制御とは撮影画像データに関する画像処理および/または露出制御が異なっているため、曇天時の撮影画像の品質を的確に向上できる。
【0072】
また、請求項3の発明においては、画像データに関する輝度分布情報および/または色情報に基づき曇天を検出するため、曇天を簡易で適切に検出できる。
【0073】
また、請求項4の発明においては、画像処理が、γ補正処理、エッジ強調処理、彩度強調処理およびオフセット補正処理からなる群から選択される少なくとも1の処理であるため、曇天時の撮影画像の品質を簡易に向上できる。
【0074】
また、請求項5の発明においては、本撮影前において順次に取得される表示用画像データに基づき曇天を検出するため、本撮影の際に曇天時の制御を迅速に行える。
【0075】
また、請求項6の発明においては、検出手段で曇天が検出された場合には表示用画像データに係る第1制御を行うため、ライブビュー表示の品質を向上できる。
【0076】
また、請求項7の発明においては、輝度分布情報が、画像データに関する平均輝度情報、画像全体に対する所定の高輝度部分の比率情報および、画像全体に対する所定の低輝度部分の比率情報からなる群から選択される少なくとも1の情報であるため、曇天を一層簡易で適切に検出できる。
【0077】
また、請求項8の発明においては、色情報が、ホワイトバランスのゲインに関する情報および/または高明度性と低彩度性とに関する情報であるため、曇天を一層簡易で適切に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラ1を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラ1の背面図である。
【図3】デジタルカメラ1の機能ブロックを示す図である。
【図4】屋外での撮影を説明するための図である。
【図5】撮影画像の輝度ヒストグラム分布を示す図である。
【図6】デジタルカメラの階調再現のグラフを表す図である。
【図7】デジタルカメラ1において曇天を判定する動作を示すフローチャートである。
【図8】画像処理部22のγ補正で利用されるトーンカーブを説明するための図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 CCD
10 撮影レンズ
13 レリーズボタン
18 液晶モニタ
22 画像処理部
30 制御部
30a 曇天判定部
Qb 曇天時のトーンカーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
(a)被写体に係る画像データを取得する撮像手段と、
(b)前記撮像手段で取得された画像データに基づき、曇天を検出する検出手段と、
(c)前記検出手段で曇天が検出された場合には、撮影画像データに係る第1制御を行う第1制御手段と、
(d)前記検出手段で曇天が検出されない場合には、前記撮影画像データに係る第2制御を行う第2制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記第1制御と前記第2制御とは、前記撮影画像データに関する画像処理、および/または露出制御が異なっていることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
前記検出手段は、
(b−1)前記画像データに関する輝度分布情報および/または色情報に基づき、
曇天を検出する手段、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記画像処理は、γ補正処理、エッジ強調処理、彩度強調処理およびオフセット補正処理からなる群から選択される少なくとも1の処理であることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の撮像装置において、
(e)前記画像データに基づく画像表示が可能な表示手段、
をさらに備え、
前記撮像手段は、
(a−1)本撮影前において前記表示手段に画像表示するための表示用画像データを順次に取得する手段、
を有するとともに、
前記検出手段は、
(b−2)前記表示用画像データに基づき、曇天を検出する手段、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の撮像装置において、
前記第1制御手段は、
(c−1)前記検出手段で曇天が検出された場合には、前記表示用画像データに係る前記第1制御を行う手段、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記輝度分布情報は、前記画像データに関する平均輝度情報、画像全体に対する所定の高輝度部分の比率情報および、画像全体に対する所定の低輝度部分の比率情報からなる群から選択される少なくとも1の情報であることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記色情報は、ホワイトバランスのゲインに関する情報および/または、高明度性と低彩度性とに関する情報であることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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