説明

撮像装置

【課題】複数の動画像ファイルにおける関連性を示すファイル情報を使用者の意思を反映して各々の動画像ファイルに付与することを可能とすること。
【解決手段】
複数の動画像ファイルを記録する撮像装置において、動画像の記録開始時と記録停止時の操作を反映して、直前に記録した動画像ファイルとの関連性を示すファイル名を付与する。したがって、使用者は、ファイル名に注目するだけで、複数の動画像ファイルの関連性を認識することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像により得られる画像信号がファイルとしてメモリに記録される際に付与されるファイル情報に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今の撮像装置、特に例えば、デジタルカメラなどにおいて、動画像を撮像し記録媒体に記録する動画像記録機能が搭載されている。この動画像記録機能を使用して動画像が動画像ファイルとして記録媒体に記録される際には、ファイル情報としてファイル名が付与される。しかしながら、使用者が動画像ファイルをパーソナルコンピュータ(PC)などにコピーを行う際や、コピーされた動画像ファイルについて編集作業を行う際に、ファイル名を見ただけでは、いかなる動画像ファイルであるかを把握することができない。
【特許文献1】特開2005−275978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載された従来技術1の撮像装置は、撮像より得られる画像ファイルに、画像データの撮影年月日と、撮影順に付与されるファイル番号とを組み合わせたファイル名が付与される。従って、使用者はファイル名を見ただけで、複数ファイルのうちどのファイル同士に関連性があるかを把握することができる。
【0004】
しかしながら、従来技術1の撮像装置は、撮像装置が持つプログラムに従う一定の規則に従って画像ファイルにファイル名を付与させることができるが、使用者の指示、つまり使用者の意思に従って画像ファイル毎に関連性をつけるか否かを決定することができない。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するもので、複数の動画像ファイルにおける関連性を示すファイル情報を使用者の意思を反映して各々の動画像ファイルに付与することを可能とする撮像装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の撮像装置は、被写体の光学像を繰り返し取り込み動画像信号を生成し出力する撮像手段と、撮像手段から出力される動画像信号を画像のファイルとしてファイル情報を付してメモリへ記録する記録手段と、記録手段における記録を第1態様で第1記録指示として指示する第1指示手段と、記録手段における記録を第1態様とは異なる第2態様で第2記録指示として指示する第2指示手段と、第1記録指示と第2記録指示を受け付ける記録指示受付手段と、記録指示受付手段において第1記録指示および第2記録指示のうちいずれかが受け付けられると動画像信号の記録を開始させる記録開始制御手段と、記録指示受付手段において第1記録指示が受け付けられた場合は、記録手段に対して通常のファイル情報を記録せしめる制御を行い、記録指示受付手段において第2記録指示が受け付けられた場合は、記録手段に対してファイル情報を直前にメモリに記録された動画像信号に関連するファイル情報として記録せしめる制御を行う記録制御手段を備えることを特徴とする。
【0007】
第2の発明の撮像装置は、第1の発明の撮像装置に従属し、第1記録指示および第2記録指示は、筐体に配設された操作手段による使用者の操作に関連する指示であり、第1態様および第2態様は前記操作手段の操作継続時間に関連する態様であることを特徴とする。
【0008】
第3の発明の撮像装置は、第1の発明乃至第2の発明の撮像装置のいずれかに従属し、操作手段は操作ボタンであり、第2態様は該操作ボタンが予め設定された期間以上押下される操作に基づく態様であることを特徴とする。
【0009】
第4の発明の撮像装置は、被写体の光学像を繰り返し取り込み動画像信号を生成し出力する撮像手段と、撮像手段から出力される動画像信号を画像ファイルとしてファイル情報を付してメモリへ記録する記録手段と、記録手段における記録開始を記録開始指示として指示する指示手段と、記録開始指示を受け付ける記録開始指示受付手段と、記録開始指示受付手段において記録開始指示が受け付られると動画像信号の記録を開始する記録開始手段と、記録手段における記録停止を第1態様で第1記録停止指示として指示する第1指示手段と、記録手段における記録停止を第1態様とは異なる第2の態様で第2記録停止指示として指示する第2指示手段と、第1記録停止指示および第2記録停止指示を受け付ける記録停止指示受付手段と、記録停止指示受付手段において第1停止開始指示が受け付けられた場合は、記録手段に対して通常のファイル情報を記録せしめる制御を行い、記録停止指示受付手段において第2記録停止指示が受け付けられた場合は、記録手段に対してファイル情報を直前にメモリに記録された動画像信号に関連するファイル情報として記録せしめる制御を行う記録制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
第5の発明の撮像装置は、第4の発明の撮像装置に従属し、第1記録停止指示および第2記録停止指示は、筐体に配設された操作手段による使用者の操作に関連する指示であり、第1態様および第2態様は操作手段の操作継続時間に関連する態様であることを特徴とする。
【0011】
第6の発明の撮像装置は、第4の発明乃至第5の発明の撮像装置に従属し、操作手段は操作ボタンであり、第2態様は該操作ボタンが予め設定された期間以上押下される操作に基づく態様であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の撮像装置によれば、複数の動画像ファイルにおける関連性を示すファイル情報を使用者の指示、つまり意思を反映して各々の動画像ファイルに付与することができ、使用者にとって動画像ファイルを扱いやすくなるといった使用者に対する利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の撮像装置の一実施例として、デジタルカメラ10に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。図1は本実施例のデジタルカメラ10のブロック図を示している。
【0014】
本実施例のデジタルカメラ10は、撮像レンズ12、絞り14、モータ駆動部16、CCDイメージャ18、CCD駆動部20、レリーズボタン22aを含む操作部22、タイマ24a、レジスタ24b〜24dを含むCPU24、AFE回路28、バス30、SDRAM32、信号処理回路34、画像圧縮・伸張処理部36、カード制御部38、外部メモリカード40および表示器46を備えている。
【0015】
撮像レンズ12は、被写体の光学像を撮像デバイスであるCCDイメージャ18の撮像面上に結像させる。また、撮像レンズ12はCCDイメージャ18の出力信号に基づいて光軸方向の移動を調節される。絞り14は、制御されることにより撮像レンズ12よりCCDイメージャ18に入る光を調節する。これらの撮像レンズ12および絞り14の調節はモータ駆動部16によって行われる。ただし、このモータ駆動部16は、撮像レンズ12および絞り14を別々に調節する図示しない2つのモータで構成されている。
【0016】
撮像レンズ12によってCCDイメージャ18の撮像面に被写体の光学像が結像されると、CCDイメージャ18を構成する一部分である各フォトダイオードでは光電変換が行われる。CCDイメージャ18は光の強さと時間に応じて蓄積された電荷の信号を、CCD駆動部20によって生成されたCCDイメージャ18の駆動に必要な各種のパルス波形に従ってアナログ撮像信号で出力する。
【0017】
AFE回路28は、CCDイメージャ18から出力されたアナログ撮像信号のノイズを軽減し、該アナログ撮像信号のレベルを自動調節し、デジタル画像データに変換する。信号処理回路34では、AFE回路28から出力されるデジタル画像データを基に、色分離を行い3つの色信号であるR、G、B信号をCCDイメージャ18の各画素毎に作成する。そして、3つの色信号に対して色温度検出を行い色温度制御によってそれぞれに対して利得調整が行われる。次にこれらを輝度信号であるY信号、2つの色差信号であるU、V信号に変換するための処理を施す。本実施例では以上の処理を静止画撮像処理と定義する。
【0018】
CPU24は、モータ駆動部16、CCD駆動部20、操作部22、SDRAM32、信号処理回路34、JPEGコーデックおよびMPEGコーデックを有する画像圧縮・伸張処理部36、カード制御部38および表示器46に接続される。CPU24は、図示しない内部メモリに格納されているプログラムに従って、モータ駆動部16、CCD駆動部20、SDRAM32、画像圧縮・伸張処理部36、カード制御部38および表示器46の制御を行う。 本実施例のデジタルカメラ10は、撮像モードとして、静止画像撮像モード、動画像撮像モードの2モードを有し、更に再生モードを有しており、操作部22が操作されることにより3つのモードの設定切り替えが為される。
【0019】
また、CPU24はレリーズボタン22aの押下の操作態様である、全押し操作態様および長押し操作態様を検出することができる。本実施例における全押し操作態様とは、使用者によってレリーズボタン22aが押下され、すぐに押下状態が解除された操作態様と定義し、長押し操作態様とは、使用者によってレリーズボタン22aが押下され、数秒間(例えば2秒間)押下状態を保持された後に、押下状態が解除された操作態様と定義する。この数秒間をタイマ24aがカウントする。
【0020】
さて、操作部22が操作されることにより設定された静止画撮像モードにおいて、レリーズボタン22aが押下されることによって静止画像撮像操作がなされると、1フレーム分の被写体の光学像が撮像レンズ12、絞り14、CCDイメージャ18、AFE回路28および信号処理回路34によって上述の処理がなされ、信号処理回路34によって得られたY、U、V信号であるデジタル画像データはバス30を介してSDRAM32に一旦格納される。本実施例では、これまでの処理を第1撮像処理と定義する。
【0021】
そして、一旦格納された1フレーム分のデジタル画像データは画像圧縮・信号処理部36、ここではJPEGコーデックによって、JPEG形式で圧縮される。圧縮された圧縮デジタル画像データは再びSDRAM32に格納される。また、一旦格納された1フレーム分のデジタル画像データからサムネイルデータが生成され、SDRAM32に格納され、画像圧縮・伸張処理部36のJPEGコーデックによってJPEG圧縮処理される。圧縮された圧縮サムネイルデータは、再びSDRAM32に格納される。そして、圧縮デジタル画像データおよび圧縮サムネイルデータは、1つの静止画像ファイルとして、ここで例えば“ABCD001.JPG”というファイル名で、カード制御部38が制御されることによって外部メモリカード40に記録される。本実施例では、第1撮像処理後から外部メモリカード40に記録されるまでの処理を第2撮像処理と定義する。
【0022】
また、操作部22が操作されることにより設定された動画像撮像モードにおいて、レリーズボタン22aが全押し操作または長押し操作されることによって動画像撮像が開始され、再びレリーズボタン22aが全押し操作され、動画像撮像が終了されるまで動画像処理が実行される。この動画像処理は、例えば1秒間に30フレーム分の静止画撮像処理を連続的に行うこと同様の処理であり、Y、U、V信号であるデジタル画像データが順次SDRAM32に一旦格納され、SDRAM32に一旦格納されたデジタル画像データは、順次に画像圧縮・伸張処理部36に入力される。画像圧縮・伸張処理部36では、MPEGコーデックが使用され、本実施例においてはMPEG4形式で動画圧縮処理が実行される。従って、画像圧縮・伸張処理部36に入力されたデジタル画像データは、MPEGコーデックによってMPEG4形式で動画圧縮処理が施され、再びSDRAM32に格納される。動画圧縮処理が施されたデジタル画像データは、カード制御部38が制御されることによって1つの動画ファイルとして外部メモリカード40に順次記録され、動画像撮像が終了されるとクローズする。
【0023】
また、動画像処理と並行して、動画ファイルのサムネイルデータが生成される。詳細には、SDRAM32に一旦格納された最初の1フレームのデジタル画像データに基づいてサムネイルデータが生成され、該サムネイルデータはSDRAM32に一旦格納され、画像圧縮・伸張処理部36にて、JPEGコーデックによりJPEG圧縮処理が施される。そして、圧縮された圧縮サムネイルデータは再びSDRAM32に格納され、動画像ファイルに付与された形で外部メモリカード40に記録される。
【0024】
動画像ファイルのファイル名は動画撮像操作が開始されたときに決定され、例えば、“ABCDm_n.MP4”というファイル名で、外部メモリカード40に記録される。ここで、mおよびnは変数であって0および1以上の整数値をとり、それぞれの値は動画像撮像開始の操作として為される全押し操作または長押し操作に応じて変化する。また、mおよびnの値がファイル名に適用される際には三桁の自然数で表され、例えば、m=1、n=1の場合におけるファイル名は、“ABCD001_001.MP4”となる。
【0025】
さて、撮像開始の操作として為される全押し操作または長押し操作について詳細に説明すると、撮像開始の操作として為される操作が全押し操作である場合は、直前に外部メモリカード40に記録された動画像ファイルのファイル名が“ABCD001_001.MP4”であったとすると、現在の動画像撮像により得られる動画像ファイルのファイル名は、“ABCD002_001.MP4”となる。ここで、直前に記録された動画像ファイルのファイル名が“ABCD002_002.MP4”であったとすれば、現在の動画像撮像により得られる動画像ファイルのファイル名は“ABCD003_001.MP4”となる。このように、撮像開始の操作として為される操作が全押し操作である場合は、変数mはm=m+1の値をとり、変数nはn=1の値をとる。
【0026】
また、撮像開始の操作として為される操作が長押し操作である場合は、直前に外部メモリカード40に記録された動画像ファイルのファイル名が“ABCD001_001.MP4”であったとすると、現在の動画像撮像により得られる動画像ファイルのファイル名は、“ABCD001_002.MP4”となり、直前に記録された動画像ファイルのファイル名が“ABCD001_002.MP4”であったとすると、現在の動画像撮像により得られる動画像ファイルのファイル名は、“ABCD001_003.MP4”となる。このように、撮像開始の操作として為される操作が長押し操作である場合は、変数mはm=mの値をとり、変数nはn=n+1の値をとる。
【0027】
つまり、撮像開始の操作として長押し操作が断続して為されると、ファイル名におけるmの値は変わらずにnの値が増えていく。また、撮像開始の操作として断続した長押し操作が断たれ、全押し操作が為されると、変数mが直前に記録された動画像ファイル名のmより1増加されnの値が1となり、全押し操作が断続的に為される場合はmの値が増えていき、nの値は1のまま変化しない。
【0028】
このように、使用者により為される撮像開始の操作が全押し操作である場合と長押し操作である場合とで、直前に外部メモリカード40に記録された動画像ファイルと、現在の動画像撮像により得られる動画像ファイルとの関連性が、ファイル名に反映される。従って、直前に記録された動画像ファイルに関連性を持たせたい場合は、使用者は撮影開始の操作として長押しをするだけでよく、また全押し操作は使用者の意思による操作であるため、比較的容易にかつ使用者の意思を反映したファイル名で動画像ファイルを記録することが出来る。
【0029】
図2は、本実施例のデジタルカメラ10で動画像撮像された動画像ファイルが記録されている外部メモリカード40の内容を、OSとしてWindows(登録商標)が搭載されたパーソナルコンピュータのWindowsエクスプローラと称されるツールを用いて表示させた画面の一例を示す図である。図2に示すWindowsエクスプローラの画面では、外部メモリカード40に記録されたフォルダ単位のデータをツリー状に表示されており、選択されたフォルダ内に存在する複数のファイルのファイル名、サイズ、ファイルの種類および更新日時を一覧表示されている。
【0030】
図2を参照して、外部メモリカード40に記録されている動画像ファイルの状態を具体的に説明すると、ファイル名“ABCD001_001.MP4”、“ABCD002_001.MP4”および“ABCD003_001.MP4”の動画像ファイルは撮像開始の操作として全押し操作が為されており、ファイル名“ABCD001_002.MP4”、“ABCD001_003.MP4”および“ABCD002_002.MP4”の動画像ファイルは、撮像開始の操作として長押し操作が為されている。
【0031】
このように、使用者はファイル名を見るだけで外部メモリカード40に記録されている複数の動画像ファイル間の関連性を比較的容易に視覚上、確認することが出来る。また、図2に示す動画像ファイル“ABCD001_001.MP4”、“ABCD001_002.MP4”および“ABCD001_003.MP4”のように、撮像開始の操作として長押し操作が断続的に為されていた場合は、使用者はこれら3つの動画像ファイルに夫々関連性があること、つまりグループとして認識することが出来る。
【0032】
次に、本実施例における動画像撮像により得られる動画像ファイルのファイル名生成の動作の流れをフローチャート図3および図4を用いて詳細に説明する。
【0033】
操作部22によって動画像撮像モードに切換える操作がなされると、ステップS1においてCPU24は、変数m、nおよびフラグLの値をリセット(m=0、n=0、L=0)する。これらの変数の値はレジスタ24b、24c、24dに夫々格納されている。
【0034】
次にステップS3へ進み、CPU24はレリーズボタン22aの押下操作が為されたか否かを判別する。この押下操作は動画像撮像の開始の操作に相当する。ステップS3においてYESと判別するまで、該判別を繰り返し行う。そして、CPU24はステップS3でYESと判別するとステップS5へ進み、フラグLがリセット状態(L=0)であるか否かを判別する。ステップS5においてリセット状態でないとき、つまりレジスタ24d内のフラグLが立っている(L=1)であると判別するとステップS7へ進み、レリーズボタン22aの押下操作が長押し操作であるか否かを判別する。
【0035】
ステップS7においてYESと判別するとステップS9へ進み、CPU24はレジスタ24b内の変数mをmに設定し、レジスタ24c変数nに1インクリメントする(m=m、n=n+1)。また、ステップS7においてNOと判別するとステップS11へ進み、CPU24はレジスタ24b内の変数mに1インクリメントし、レジスタ24c内の変数nを1に設定する(m=m+1、n=1)。
【0036】
ステップS9およびステップS11の次はステップS13へ進み、CPU24はレリーズボタン24aが再び押下操作が為されたか否かを判別する。該判別はYESとなるまで繰り返し実行され、YESと判別するとステップS15へ進み、設定されている変数mおよびnを使用して、ファイル名“ABCDm_n.MP4”を生成する。
【0037】
また、ステップS5においてレジスタ24d内のフラグがリセット状態(L=0)であると判別するとステップS17へ進み、レジスタ24b内の変数mを1に、レジスタ24c内の変数nを1に設定する。そしてステップS19へ進み、CPU24はレリーズボタン22aの押下操作が為されたか否かを判別する。CPU24は該判別をYESと判別するまで繰り返し実行し、YESと判別するとステップS21へ進む。ステップS21において、CPU24は設定されている変数mおよびnを使用して、ファイル名“ABCDm_n.MP4”を生成する。次にステップS23へ進み、CPU24はレジスタ24d内のフラグLを立て(L=1)、ステップS3へ戻る。
【0038】
上述したステップS17〜ステップS23までの一連の処理は、直前の動画像ファイルが外部メモリカード40に記録されていない状態、つまり外部メモリカード40に初めて動画像ファイルを記録する場合における処理である。この場合における動画像撮像の開始の操作であるレリーズボタン24aの押下操作の状態が、全押しであったとしても長押しであったとしても、動画像ファイルのファイル名として“ABCD001_001.MP4”生成される。
【0039】
なお、本実施例のデジタルカメラ10では、外部メモリカード40に記録されている直前の動画像ファイルと現在の動画像撮像により得られる動画像ファイルとの関連性のあるファイル名を、動画像撮影の開始時の操作が全押し操作又は長押し操作の夫々に応じて生成したが、該ファイル名の生成を、動画像撮影の終了時の操作が全押し操作又は長押し操作の夫々に応じて行っても良い。
【0040】
また、本実施例のデジタルカメラ10において動画像撮像モードにおいて外部メモリカード40に本実施例が適用された動画像ファイルが記録されてから他のモードに切換えられ、再び動画像撮像モードに切換えられた場合、図3のステップS1において設定される変数mおよびnの値を0に設定するのではなく、他のモードに切換えられる前の動画像撮像モードにおいて設定された値に設定し、フラグLは1に設定されるようにしても良い。さらに、デジタルカメラ10の電源が切断されて再び電源が入力された場合、および動画像撮像モードにおいて静止画撮像操作が割り込んだ場合においても、同様に図3のステップS1において設定される変数mおよびnの値を0に設定するのではなく、他のモードに切換えられる前の動画像撮像モードにおいて設定された値に設定し、フラグLは1に設定されるようにしても良い。
【0041】
また、本実施例における変数mおよびnの値は、ファイル名“ABCDm_n.MP4”に使用されているが、m=1およびn=1のときはファイル名“ABCDa_a.MP4”とし、m=2およびn=2のときはファイル名”ABCDb_b.MP4“と、アルファベットで表現しても良い。
【0042】
また、本実施例のデジタルカメラ10では、再生モードにおいて画像圧縮・伸張処理部36にて外部メモリカード40にMPEG4形式で記録されている動画像ファイルはデコードされ、表示器46に出力される。該再生モードにおけるひとつの機能として、ファイル名に使用された変数mの値が同じである動画像ファイルを、変数nの値が小さい順に連続再生できる機能を保持していても良い。また、ファイル名に使用された変数mの値が同じである動画像ファイルを、一括削除の対象としても良い。
【0043】
また、本実施例のデジタルカメラ10において生成する動画像ファイルはMPEG4形式であるが、MOV形式、AVI形式、ASF形式、WMV形式またはDivX形式であってもよく、動画像ファイルの形式は限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施例に係るデジタルカメラ10を示すブロック図である。
【図2】本実施例に係るデジタルカメラ10の外部メモリカード40の内容をPCのOSであるWindowsエクスプローラと称されるツールを用いて表示させた画面の一例を示す図である。
【図3】本実施例に係るデジタルカメラ10の動画像撮像モードにおけるファイル生成処理の手続の一部を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートに示す手続の続きの一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
10 ・・・ デジタルカメラ
12 ・・・ 撮像レンズ
18 ・・・ CCDイメージャ
20 ・・・ CCD駆動部
22 ・・・ 操作部
22a ・・・ レリーズボタン
24 ・・・ CPU
24a ・・・ タイマ
24b ・・・ レジスタ
24c ・・・ レジスタ
24d ・・・ レジスタ
32 ・・・ SDRAM
34 ・・・ 信号処理回路
36 ・・・ 画像圧縮・伸張処理部
38 ・・・ カード制御部
40 ・・・ 外部メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の光学像を繰り返し取り込み動画像信号を生成し出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される前記動画像信号を画像のファイルとしてファイル情報を付してメモリへ記録する記録手段と、
前記記録手段における記録を第1態様で第1記録指示として指示する第1指示手段と、
前記記録手段における記録を前記第1態様とは異なる第2態様で第2記録指示として指示する第2指示手段と、
前記第1記録指示と第2記録指示を受け付ける記録指示受付手段と、
前記記録指示受付手段において前記第1記録指示および第2記録指示のうちいずれかが受け付けられると前記動画像信号の記録を開始させる記録開始制御手段と、
前記記録指示受付手段において前記第1記録指示が受け付けられた場合は、前記記録手段に対して通常のファイル情報を記録せしめる制御を行い、
前記記録指示受付手段において前記第2記録指示が受け付けられた場合は、前記記録手段に対して前記ファイル情報を直前に前記メモリに記録された動画像信号に関連するファイル情報として記録せしめる制御を行う記録制御手段を備えることを特徴とする、撮像装置。
【請求項2】
前記第1記録指示および前記第2記録指示は、筐体に配設された操作手段による使用者の操作に関連する指示であり、前記第1態様および前記第2態様は前記操作手段の操作継続時間に関連する態様であることを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記操作手段は操作ボタンであり、前記第2態様は該操作ボタンが予め設定された期間以上押下される操作に基づく態様であることを特徴とする、請求項1乃至2記載のいずれかの撮像装置。
【請求項4】
被写体の光学像を繰り返し取り込み動画像信号を生成し出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される前記動画像信号を画像ファイルとしてファイル情報を付してメモリへ記録する記録手段と、
前記記録手段における記録開始を記録開始指示として指示する指示手段と、
前記記録開始指示を受け付ける記録開始指示受付手段と、
前記記録開始指示受付手段において前記記録開始指示が受け付られると前記動画像信号の記録を開始する記録開始手段と、
前記記録手段における記録停止を第1態様で第1記録停止指示として指示する第1指示手段と、
前記記録手段における記録停止を前記第1態様とは異なる第2の態様で第2記録停止指示として指示する第2指示手段と、
前記第1記録停止指示および前記第2記録停止指示を受け付ける記録停止指示受付手段と、
前記記録停止指示受付手段において前記第1停止開始指示が受け付けられた場合は、前記記録手段に対して通常のファイル情報を記録せしめる制御を行い、
前記記録停止指示受付手段において前記第2記録停止指示が受け付けられた場合は、前記記録手段に対して前記ファイル情報を直前に前記メモリに記録された動画像信号に関連するファイル情報として記録せしめる制御を行う記録制御手段を備えることを特徴とする、撮像装置。
【請求項5】
前記第1記録停止指示および前記第2記録停止指示は、筐体に配設された操作手段による使用者の操作に関連する指示であり、前記第1態様および前記第2態様は前記操作手段の操作継続時間に関連する態様であることを特徴とする、請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記操作手段は操作ボタンであり、前記第2態様は該操作ボタンが予め設定された期間以上押下される操作に基づく態様であることを特徴とする、請求項4乃至5記載のいずれかの撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−231999(P2009−231999A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72751(P2008−72751)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】