説明

撮像装置

【課題】識別対象とする被写体(例えば、顔)の登録をより容易に行うことができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段(140)と、撮像手段により撮像された画像データから、被写体像の顔の特徴を示す特徴量情報を抽出する抽出手段(180)と、抽出手段により抽出された特徴量情報を登録候補として記憶する記憶手段(240)と、記憶手段に登録候補として記憶されている特徴量情報によって示される顔と、抽出手段によって抽出された特徴量情報によって示される顔とが同一かどうかを判断する判定手段(180)と、判定手段が、記憶手段に登録候補として記憶されている特徴量情報によって示される顔と、抽出手段によって抽出された特徴量情報によって示される顔とが同一であると判断した回数に応じて、使用者による登録に関する操作を促す画面を表示する表示手段(220)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、特に、被写体(例えば、顔)の識別機能を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、人物の顔認識機能を備えた電子カメラを開示している。この電子カメラは、人物の顔を撮影する顔登録モードを有し、顔登録モードにおいて顔を撮影して、顔を認識するための顔認識データを生成し、登録している。電子カメラは、登録された顔認識データに基づいて、撮影する被写体の中から登録された顔を抽出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−150601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、特許文献1に開示されている電子カメラでは、識別対象とする顔を登録するためには、顔登録モードを選択して顔の登録撮影を行う必要があった。そのため、識別対象の顔を登録する度に、顔登録モードにおいて顔を撮影しなければならず、操作が煩雑であった。
【0005】
本発明は、識別対象とする被写体(例えば、顔)の登録をより容易に行うことができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかる撮像装置は、被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段と、撮像手段により撮像された画像データから、被写体の特徴を示す特徴量情報を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された特徴量情報を登録候補として記憶する記憶手段と、記憶手段に登録候補として記憶されている特徴量情報によって示される被写体と、抽出手段によって抽出された特徴量情報によって示される被写体とが同一かどうかを判断する判定手段と、判定手段が、記憶手段に登録候補として記憶されている特徴量情報によって示される被写体と、抽出手段によって抽出された特徴量情報によって示される被写体とが同一であると判断した回数に応じて、使用者による登録に関する操作を促す画面を表示する表示手段と、を備える。
【0007】
使用者による登録に関する操作を促す画面は、所定の回数、同一であると判断された顔を示す情報を登録するか否かを選択させる画面であってもよい。
【0008】
使用者による登録に関する操作を促す画面は、所定の回数、同一であると判断された顔をもつ被写体に関する情報を入力させる画面であってもよい。
【0009】
撮像手段を1回の撮像を行う単写モードと複数回の撮像を連続して行う連写モードとに設定可能な場合、撮像手段が単写モードに設定されているときは、表示手段は使用者による登録に関する操作を促す画面の表示を実行し、撮像手段が連写モードに設定されているときは、表示手段は使用者による登録に関する操作を促す画面の表示を実行しなくてもよい。
【0010】
上記撮像装置は、フラッシュと、周囲の明るさを検出する検出手段と、フラッシュを使用して撮影された場合に、検出手段による検出結果に応じて、使用者による登録に関する操作を促す画面を表示するか否かを切り替えるように表示手段を制御する制御手段と、をさらに備えてもよい。
【0011】
上記制御手段は、検出手段が、周囲の明るさが所定値以上であると判断したときは、使用者による登録に関する操作を促す画面を表示するように表示手段を制御し、検出手段が、周囲の明るさが所定値未満であると判断したときは、使用者による登録に関する操作を促す画面を表示しないように表示手段を制御してもよい。
【0012】
上記撮像装置が、抽出手段により抽出された特徴量情報が示す被写体が正面を向いているか否かを検出する検出手段をさらに有する場合、検出手段により検出された被写体が正面を向いていることが検出された場合は、抽出手段により抽出された特徴量情報を登録候補として記憶手段に記憶し、検出手段により検出された被写体が所定量以上横を向いていることが検出された場合は、抽出手段により抽出された特徴量情報を登録候補として記憶手段に記憶しないようにしてもよい。
【0013】
撮像手段がオートブラケット撮影を行っているときは、表示手段は使用者による登録に関する操作を促す画面の表示を実行しなくてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、撮影モードにおいて、所定回数、同一の顔の特徴量が抽出されると、自動で、登録に関する操作を促す画面を表示しているため、識別対象とする被写体(例えば、顔)の登録をより容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態1及び2のデジタルカメラを示すブロック図
【図2】本発明の実施形態1における識別対象とする顔を事前に手動で登録する方法を示すフローチャート
【図3】識別対象とする顔を事前に手動で登録する場合の画面の表示例を示す図
【図4】顔識別機能を使った撮影の例を説明するための模式図
【図5】本発明の実施形態1における識別対象を登録する画面を自動で表示する方法を示すフローチャート
【図6】登録候補の特徴量情報を概念的に示す図
【図7】識別対象を登録するか否かの選択を使用者に促す画面を示す図
【図8】本発明の実施形態2における識別対象を登録する画面を自動で表示する方法を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔1.実施形態1〕
〔1−1.概要〕
本実施形態にかかる撮像装置はデジタルカメラである。本実施形態のデジタルカメラは、被写体の顔を識別し、識別した被写体の顔を登録することができる。本実施形態のデジタルカメラは、撮影しようとする被写体の中から予め登録した顔を識別して、例えば、登録した顔に優先的にフォーカスを合わせることができる。特に、本実施形態のデジタルカメラは、撮影した画像データの中から、所定回数、抽出された顔を登録するか否かの画面を自動で表示して、使用者に顔の登録を促させることにより、識別対象とする顔の登録を容易に行うことを可能にする。
【0017】
〔1−2.構成〕
〔1−2−1.電気的構成〕
本実施形態にかかるデジタルカメラの電気的構成について、図1を用いて説明する。図1は、デジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、1又は複数のレンズからなる光学系110により形成された被写体像をCCDイメージセンサ140で撮像する。CCDイメージセンサ140で生成された画像データは、画像処理部160で各種処理を施され、メモリカード200に格納される。以下、デジタルカメラ100の構成を詳細に説明する。
【0018】
光学系110は、ズームレンズやフォーカスレンズにより構成される。ズームレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像を拡大又は縮小することができる。また、フォーカスレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像のピントを調整することができる。
【0019】
レンズ駆動部120は、光学系110に含まれる各種レンズを駆動する。レンズ駆動部120は、例えば、ズームレンズを駆動するズームモータ、又はフォーカスレンズを駆動するフォーカスモータである。
【0020】
絞り300は、使用者の設定に応じて又は自動で、開口部の大きさを調整し、透過する光の量を調整する。
【0021】
シャッタ130は、CCDイメージセンサ140に透過させる光を遮光する。
【0022】
CCDイメージセンサ140は、光学系110で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。CCDイメージセンサ140は、露光、転送、電子シャッタなどの各種動作を行う。
【0023】
A/Dコンバータ150は、CCDイメージセンサ140で生成されたアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。
【0024】
画像処理部160は、CCDイメージセンサ140で生成された画像データに対して各種処理を施し、表示モニタ220に表示するための画像データを生成したり、メモリカード200に格納するための画像データを生成する。例えば、画像処理部160は、CCDイメージセンサ140で生成された画像データに対して、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、傷補正などの各種処理を行う。また、画像処理部160は、CCDイメージセンサ140で生成された画像データを、JPEG規格に準拠した圧縮形式等により圧縮する。画像処理部160は、DSPやマイコンなどで実現可能である。
【0025】
コントローラ180は、デジタルカメラ全体を制御する制御手段である。コントローラ180は、半導体素子などで実現可能である。コントローラ180は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラ180は、マイコンなどで実現できる。コントローラ180は、被写体を撮影する撮影モードと、手動で被写体の顔を事前に登録する顔登録モードとを含む制御モードで、デジタルカメラ100を制御する。本実施形態においては、撮影モードで被写体が撮影されたときに、撮影された被写体の顔の登録の要否を示す画面を自動で表示させる(詳細は後述する)。
【0026】
コントローラ180は、画像処理部160で生成された画像データが示す画像の中から顔を検出する機能を有する(顔認証機能)。具体的には、内部メモリ240は、標準的な人物等の顔における目の位置、鼻の位置、口の位置等を記憶している。コントローラ180は、画像処理部160で生成された画像データが示す画像の中に、内部メモリ240に記憶されている目、鼻、口等の位置関係と類似する位置関係を有する部分があるか否かを判断する。コントローラ180は、類似する位置関係を有する部分があると判断すると、その部分を中心とする一定の範囲を顔として検出する。
【0027】
コントローラ180は、画像処理部160で生成された画像データが示す被写体の顔が、内部メモリ240に事前に登録されている顔と同一の顔か否かを識別する機能を有する(個人認証機能)。具体的には、コントローラ180は、画像処理部160で生成された画像データが示す画像の中から顔を検出する。コントローラ180は、顔を検出した際に、その顔のうちの目、鼻、口の位置関係、顔の色、顔の輪郭、眉毛等から顔の特徴を示す特徴量情報を数値化して抽出する。コントローラ180は、顔の特徴量情報を抽出すると、抽出した特徴量情報が内部メモリ240に事前に登録されている顔の特徴量情報と類似しているか否かを判断する。具体的には、コントローラ180は、抽出した特徴量情報を示す数値と、内部メモリ240に記憶されている顔の特徴量情報を示す数値とを比較して、その差が所定の範囲内かどうかで類似しているかどうかを判断する。類似していると判断すると、コントローラ180は、検出した顔が内部メモリ240に事前に登録されている顔と同一の顔であると識別する。一方、類似していないと判断すると、コントローラ180は、検出した顔が内部メモリ240に事前に登録されている顔とは別の顔であると識別する。
【0028】
コントローラ180は、CCDイメージセンサ140により撮像された画像データの輝度情報を解析することにより自機の周囲の明るさを認識することができる。
【0029】
バッファ170は、画像処理部160及びコントローラ180のワークメモリとして機能する。バッファ170は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0030】
カードスロット190は、メモリカード200を着脱可能である。カードスロット190は、機械的及び電気的にメモリカード200と接続可能である。メモリカード200は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどを内部に含み、画像処理部160で生成された画像ファイル等のデータを格納可能である。
【0031】
内部メモリ240は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどで構成される。内部メモリ240は、デジタルカメラ100全体を制御するための制御プログラムや、顔検出に用いられる標準的な顔の目、鼻、口の位置関係に関する情報や、顔を識別するために事前に登録する顔に関する情報等を記憶している。特に、本実施形態においては、内部メモリ240は、自動登録の候補となる顔の特徴量情報を集めた登録候補データベース241(第1のデータベース)と、手動登録及び自動登録により事前に登録された顔の特徴量情報を集めた登録済みデータベース242(第2のデータベース)とを記憶する。
【0032】
操作部材210は、使用者からの操作を受け付けるユーザーインターフェースの総称である。操作部材210は、例えば、使用者からの操作を受け付ける十字キー又は決定釦等である。
【0033】
表示モニタ220は、CCDイメージセンサ140で生成した画像データが示す画像(スルー画像)や、メモリカード200から読み出した画像データが示す画像を表示可能である。また、表示モニタ220は、デジタルカメラ100の各種設定を行うための各種メニュー画面等を表示可能である。
【0034】
フラッシュ260は、被写体を照射するための光を発光する。フラッシュ260は、充電している電圧を放電することにより、フラッシュ260内部に封入されているキセノンガスを発光させる。すなわち、フラッシュ260は、充電された電圧を放電することにより被写体を照射する光を発光する。
【0035】
〔1−2−2.用語の対応〕
CCDイメージセンサ140は、撮像手段の一例である。コントローラ180は、抽出手段、判定手段、検出手段、及び制御手段の一例である。内部メモリ240は記憶手段の一例である。表示モニタ220は表示手段の一例である。
【0036】
〔1−3.顔識別機能〕
上述したように、デジタルカメラ100は、事前に登録されている顔とCCDイメージセンサ140で撮像している被写体の顔とが同一の顔であるかを識別する機能である顔識別機能(個人認証機能)を有する。デジタルカメラ100は、登録されている顔の特徴量と、撮像している画像に含まれる顔の特徴量とが類似しているか否かを判断する。類似していると判断した場合に、デジタルカメラ100は、登録されている顔と撮像している顔とが同一の顔であると判断する。
【0037】
デジタルカメラ100は、被写体の撮像を行う際に、撮像している被写体の中に登録されている顔が存在するか否かを識別する。登録している顔が存在すると識別した場合に、デジタルカメラ100は、登録している顔に優先的にフォーカスを合わせる等の動作を行う。例えば、図2における最も左側の被写体である少年が識別対象として事前に登録されているとする。この場合、表示モニタ220は、識別対象である少年の顔の周辺に顔枠230を表示する。ここで、使用者がデジタルカメラ100に対してオートフォーカス操作を行った場合、デジタルカメラ100は、識別対象の少年の顔にフォーカスを合わせる。
【0038】
この機能によって、優先的にフォーカスを合わせたい被写体がいるような場合には、その被写体の顔を事前にデジタルカメラ100に登録しておけば、その被写体に対して優先的にフォーカスを合わせることができる。
【0039】
デジタルカメラ100において、識別対象とする顔の登録は、手動と自動とで行うことができる。以下、それぞれの方法について説明する。
【0040】
〔1−3−1.識別対象の手動登録〕
識別対象とする顔を事前に手動で登録する方法について図3及び図4を用いて説明する。図3は、識別対象とする顔を事前に手動で登録する方法を示すフローチャートである。図4は、識別対象とする顔を事前に手動で登録する方法を説明するための模式図である。
【0041】
使用者が操作部材210を操作して、識別対象とする顔を事前に登録するための顔登録モードを選択することにより、手動の顔登録モードが開始される。デジタルカメラ100のコントローラ180は、対象とする顔を撮影するモードを開始する(S110)。顔登録モードにおいて撮影が開始されると、例えば、表示モニタ220は図4(a)に示されるような画像を表示する。
【0042】
コントローラ180は、使用者により、識別対象とする顔が撮影されたかどうかを判断する(S120)。コントローラ180は、使用者により識別対象とする顔が撮影されるまで待機する。
【0043】
使用者により識別対象とする顔が撮影されると、表示モニタ220は、登録する識別対象についての各種情報の入力を促す画面を表示する(S130)。例えば、表示モニタ220は、図4(b)に示されるような、識別対象の名前、生年月日、及び識別優先度に関する情報の入力を促す画面を表示する。ここで、識別優先度とは、事前に登録されている顔が複数ある場合に、それらの複数の顔を撮影するような場面において、どの顔を優先的に識別するかを決定するパラメータである。
【0044】
コントローラ180は、使用者により、各種情報が入力されたかどうかを判断する(S140)。コントローラ180は、使用者により各種情報が入力されるまで待機する。
【0045】
各種情報が入力されると、コントローラ180は、登録された各種情報と顔の特徴量情報とを関連付けて内部メモリ240に記憶させて、顔登録モードを終了する。
【0046】
このような方法によって、使用者は、識別したい顔とその顔に関連する人に関する情報をデジタルカメラ100に登録することができる。
【0047】
〔1−3−2.識別対象の自動登録〕
次に、識別対象を自動で登録する方法について図5及び図6を用いて説明する。図5は、識別対象を自動で登録する方法を示すフローチャートである。図6は、識別対象の登録候補を示す模式図である。本実施形態において、識別対象の自動登録とは、デジタルカメラ100を、手動で顔を登録する顔登録モードに設定せず、通常の撮影モードに設定した状態で顔の登録の要否を示す画面を自動で表示することを意味する。また、以下の説明において、類似は同一の概念も含むものとする。
【0048】
使用者が、操作部材210を操作することにより、デジタルカメラ100を撮影モードに設定すると、撮影モードが開始される。コントローラ180は、撮影モードに設定されると、撮影が行われたかどうかを判断する(S210)。コントローラ180は、使用者によって撮影操作が行われるまで待機する。
【0049】
撮影が行われると、コントローラ180は、その撮影が単写モードで行われたものか連写モードで行われたものかを判断する(S220)。ここで、単写モードとは、1回の撮影動作によって、被写体の撮像を1回だけ行うモードである。一方、連写モードとは、1回の撮影動作によって、被写体の撮像を複数回行うことが可能なモードである。
【0050】
本実施形態において、識別対象として登録するための操作を促す表示(すなわち、顔の登録画面の自動表示)は、連写モードのときは行わず、単写モードのときだけ行う。よって、コントローラ180は、連写モードで撮影が行われたと判断すると、ステップ210に戻り、使用者により次の撮影操作が行われるまで待機する。
【0051】
一方、コントローラ180は、単写モードで撮影が行われたと判断すると、撮影した被写体の顔の特徴量を抽出する(S230)。このとき、被写体として人物が1人しか写っていないときは、その人の顔の特徴量を抽出し、複数の人物が同時に撮影された場合は、コントローラ180は、ピントが合っている人物の顔について特徴量を抽出する。
【0052】
顔の特徴量を抽出すると、コントローラ180は、抽出した特徴量が登録候補データベース241に記憶されている特徴量と類似するか否かを判断する(S235)。
【0053】
ステップS230で抽出した特徴量が内部メモリ240の登録候補データベース241に記憶されている特徴量と類似しないと判断すると(ステップS235でNO)、コントローラ180は、抽出した特徴量を既に記憶している特徴量とは関連付けず、独立した特徴量として、内部メモリ240の登録候補データベース241に記憶させる(S250)。その後、コントローラ180は、ステップS210に戻り、使用者により次の撮影操作が行われるまで待機する。
【0054】
一方、ステップS230で抽出した特徴量が内部メモリ240の登録候補データベース241に記憶されている特徴量と類似すると判断すると(ステップS235でYES)、コントローラ180は、抽出した特徴量が既に識別対象として登録済みデータベース242に登録済みか否かを判断する(S240)。具体的には、抽出した特徴量と類似の特徴量が登録済みデータベース242内に登録されているか否かを判断する。
【0055】
抽出した特徴量が既に識別対象として登録済みデータベース242に登録済みの場合(ステップS240でYES)、抽出した特徴量を用いて登録済みデータベース242を更新する(S245)。このとき、例えば、登録済みの特徴量を、抽出した特徴量で置換しても良いし、登録済みの特徴量と抽出した特徴量の平均値を新たな特徴量としてもよい。なお、抽出した特徴量が既に識別対象として登録済みデータベース242に登録済みの場合、必ずしも、ステップS245のように登録済みデータベース242を更新しなくてもよい。
【0056】
一方、抽出した特徴量が既に識別対象として登録済みデータベース242に登録されていない場合(ステップS240でNO)、コントローラ180は、抽出した特徴量を内部メモリ240に記憶されている特徴量と関連付けて、登録候補データベース241に登録する(S260)。このとき、コントローラ180は、登録した特徴量と関連付けて記憶させている特徴量の数kをカウントする。
【0057】
図6は、内部メモリ240内の登録候補データベース241の構成例を示した図である。図6において、特徴量X、X、Xはそれぞれ類似する。また、特徴量Z、Zはそれぞれ類似する。但し、その他の特徴量間(例えば、XとY、XとZ)において類似関係は存在しない。類似する特徴量はそれぞれ関連付けて記憶されている。例えば、XとXとXとはそれぞれ関連付けて記憶されている。これは、XとXとXとが同一のAさんの顔を撮影した際に抽出された特徴量であると考えられるからである。また、Yは他のどの特徴量とも関連付けて記憶されていない。これは、YはBさんの顔を撮影した際に抽出された特徴量であるが、Bさんの顔は1度しか撮影されていないからである。また、ZとZとはそれぞれ関連付けて記憶される。これは、ZとZとが同一のCさんを撮影した際に抽出された特徴量であると考えられるからである。このように、抽出された顔の特徴量が他の特徴量と類似していれば、類似している特徴量と関連付けて記憶される。このとき、コントローラ180は、関連付けて記憶されている特徴量の数をカウントする。例えば、今回撮影された被写体がAさんであり、特徴量Xが抽出された場合、コントローラ180は、特徴量Xを特徴量X及び特徴量Xと関連付けて内部メモリ240の登録候補データベース241に記憶すると共に、特徴量Xに関連する特徴量が3つ目であることをカウントする。
【0058】
本実施形態においては、関連付けて記憶されている特徴量が所定数nを越えると、その特徴量が示す被写体の顔を登録するか否かを問い合わせる画面を自動で表示する。すなわち、図5のステップS270のように、コントローラ180は、関連付けて記憶させている特徴量の数kが所定数n以上であるか否かを判断する(S270)。本実施形態では、所定数n=3とする。
【0059】
コントローラ180は、特徴量の数kが所定数n未満(k<n)であると判断すると、ステップ210に戻り、使用者により次の撮影操作が行われるまで待機する。
【0060】
一方、コントローラ180が、特徴量の数kは所定数n以上(k≧n)であると判断すると、表示モニタ220は、所定数n以上の数の特徴量が示す被写体の顔を登録するか否かを問い合わせる画面を自動で表示する(S280)。例えば、図7に示すような登録画面を表示する。図7の例では、最近に撮像された顔写真すなわち第3番目の特徴量(例えば、X)に関連付けて記憶している顔写真が表示されている。
【0061】
登録画面が表示されると、コントローラ180は、使用者により登録の要否が入力されたかどうかを判断する(S290)。すなわち、コントローラ180は、使用者が登録するか否かを選択するまで待機する。使用者は、操作部材210を操作することにより、図7に示す選択枠250を移動させることで、登録画面に表示されている顔を登録するか否かを選択することができる。ここで、使用者は、「はい」を選択することにより、顔を識別対象として登録することができ、「いいえ」を選択することにより、顔を識別対象として登録することを拒否することができる。また、使用者は、「はい」若しくは「いいえ」を選択する前に、名前、生年月日、優先度等の情報を入力することができる。
【0062】
図5に戻り、使用者によって登録をする旨の選択がされると、コントローラ180は、登録画面に表示されている顔を、以後、撮影モードで識別する対象の顔として登録済みデータベース242に登録する(S300)。例えば、登録画面に表示されている顔の特徴量の平均値(図6のAさんの場合、X、X、及びXの平均値)を、顔の画像と関連づけて登録済みデータベース242に登録するとともに、登録候補データベース241から特徴量(例えば、X、X、及びX)を削除する。これにより、識別対象の自動登録が終了する。このようにして、コントローラ180は、n回識別された対象(顔)を、以後、識別対象とする。なお、顔の特徴量の平均値の代わりに、3つの登録候補のいずれか1つを顔の画像と関連づけて登録済みデータベース242に登録してもよい。
【0063】
一方、使用者によって登録をしない旨の選択がされると、コントローラ180は、ステップS210に戻り、使用者により次の撮影操作が行われるまで待機する。なお、このとき、コントローラ180は、識別回数であるkをリセットし、k=0にしてもよい。これにより、使用者が1度登録を拒否した被写体の顔の登録を再度すぐに促すようなことがなくなる。
【0064】
〔1−4.まとめ〕
本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、撮影モード時に、同一の顔を示す特徴量の抽出を所定の回数行うと、その顔を以後識別する対象として登録するための操作を使用者に促す画面(例えば、図7に示すような「登録画面」)を自動で表示する。これにより、使用者は、識別対象を登録するために、わざわざデジタルカメラ100を手動の顔登録モードに設定して新たに写真を撮影する必要がなくなる。本実施形態によれば、頻繁に撮影する被写体像のみを効率的に識別対象として登録することができる。
【0065】
また、本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、同一の顔を示す特徴量の抽出を所定の回数行うと、その顔を以後識別する対象として登録するか否かの入力を使用者に促す表示を行っている。すなわち、使用者が、実際に登録するか否かを決定することができる。よって、本実施形態のデジタルカメラ100は、使用者が識別対象として登録したいと思わない被写体の顔まで勝手に登録されるような事態を防止することができる。
【0066】
また、本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、同一の顔を示す特徴量の抽出を所定の回数行うと、その顔を以後識別する対象として登録するために、他の様々な情報の入力を使用者に促す表示を行っている。これにより、以後、特徴量を用いて顔識別を行った際に、他の様々な情報を用いてより使い勝手の良い機能を実現することができる。例えば、他の情報として名前が入力されている場合、スルー画像中に識別対象が表示されているときに、識別対象の名前を表示することが可能となる。
【0067】
連写モードにおいては、複数枚の画像が瞬間的に撮像される。連写撮影を行う度に、登録画面が表示モニタ220に表示されると、使い勝手が悪くなる。一方、本実施形態にかかるデジタルカメラ100においては、単写モードで、識別対象を所定回数識別した場合には、その顔を以後識別する対象として登録するための操作を使用者に促す表示(登録画面の表示)を行うが、連写モードでは、識別対象の特徴量の抽出を行わず、登録画面の表示を行わないようにしている。よって、連写撮影のときに、撮影の都度、顔の登録画面が表示されることを防ぐことができる。これにより、より使い勝手がよくなる。
【0068】
〔2.実施形態2〕
本実施形態のデジタルカメラ100は、撮影モード時に、フラッシュが発光されたときの周囲の明るさに応じて、被写体の顔の特徴量を抽出するか否かを決定する。周囲が明るいときは、フラッシュが発光されたときと発光されないときとで、抽出される被写体の顔の特徴量はほとんど変化しない。しかし、周囲が暗いときは、フラッシュが発光されたときと発光されないときとで、抽出される被写体の顔の特徴量が変化してしまい、同一人物であっても、異なった特徴量となる可能性がある。よって、周囲が暗いときにフラッシュが発光された場合は、被写体の顔の特徴量を抽出しない。これにより、同一人物に対して、同一の又は類似の特徴量が抽出されるようにする。なお、本実施形態のデジタルカメラ100の構成は、実施形態1の構成と同一であるため、その共通の構成についての説明を省略する。
【0069】
〔2−1.識別対象の自動登録〕
本実施形態にかかるデジタルカメラ100が識別対象を自動で登録する方法について図8を用いて説明する。図8は、実施形態2の識別対象を自動で登録する方法を示すフローチャートである。図8において、実施形態1の図5と異なる点は、ステップS430及びS440を追加した点である。図8において、ステップS430及びS440を除く、ステップS410〜ステップS520は、図5のステップS210〜S300と同一であるため、その詳細な説明は省略する。以下、ステップS430及びS440について説明する。
【0070】
コントローラ180は、ステップS420において単写モードで撮影が行われたと判断すると、撮影の際にフラッシュ260が発光したか否かを判断する(S430)。コントローラ180は、フラッシュ260が発光したと判断すると、周囲の明るさが所定値以上であるか否かを判断する(S440)。コントローラ180は、記録画像の撮影を行う前に、CCDイメージセンサ140により撮像されているスルー画像の輝度情報を解析することで周囲の明るさを認識できる。コントローラ180は、明るさが所定値未満であったと判断すると(ステップ440でNo)、ステップS410に戻り、使用者により次の撮影操作が行われるまで待機する。
【0071】
一方、コントローラ180は、明るさが所定値以上であったと判断すると(ステップ440でYes)、撮影した被写体の顔の特徴量を抽出する(S450)。また、コントローラ180は、フラッシュ260を発光させていないと判断すると(S430でNo)、撮影した被写体の顔の特徴量を抽出する(S450)。以後、コントローラ180は、実施形態1にかかるデジタルカメラ100における図5のステップS240〜ステップS300と同一の制御を行う(ステップS460〜ステップS520)。
【0072】
以上のように、本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、フラッシュ260の発光を伴う撮影を行った場合、周囲が所定値以上明るくないときは、被写体の顔の特徴量を抽出しない。すなわち、被写体の顔を識別対象として登録するための操作を使用者に促す画面(登録画面)を表示しない。この理由について以下に述べる。
【0073】
本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、被写体を撮像する際に、フラッシュ260を発光させる場合がある。また、デジタルカメラ100は、CCDイメージセンサ140が撮像している顔が識別対象として登録している顔と同一の顔であるかを識別するために、スルー画像が示す顔の特徴量を抽出する。しかし、スルー画像を撮像するときは、デジタルカメラ100は、フラッシュ260の発光を行わない。また、デジタルカメラ100は、周囲の明るさが明るい場合には、フラッシュ260を発光して画像を撮像した場合と、フラッシュ260を発光しないで画像を撮像した場合とであまり変わらない画像を撮像することができる。一方、デジタルカメラ100は、周囲の明るさが暗い場合には、フラッシュ260を発光して画像を撮像した場合と、フラッシュ260を発光しないで画像を撮像した場合とでまったく異なる画像を撮像することとなってしまう。従って、次のような問題が生じる。
【0074】
周囲の明るさが所定値未満の状態で、フラッシュ260を発光させて同一の顔の撮影を所定回数行った際に、その顔を以後識別する対象として登録した場合は、フラッシュ260を発光させて撮像した明るい画像が示す顔の特徴量が、以後に識別する対象として登録される。この場合に、周囲の明るさが所定値未満の状態で、登録した顔と同一の顔のスルー画像を撮像したとしても、スルー画像の顔は、フラッシュ260を発光して撮像した顔よりもかなり暗いものとなってしまうため、デジタルカメラ100は、登録している特徴量と類似する特徴量をスルー画像の顔から抽出することができない。その結果、デジタルカメラ100は、今まさに登録した顔を次の瞬間に識別できないこととなってしまう。このようなことが生じると、使用者は、デジタルカメラ100が故障したのではないかと混乱してしまう。
【0075】
一方、周囲の明るさが所定値以上の状態でフラッシュ260を発光させて同一の顔の撮影を所定回数行った際に、その顔を以後識別する対象として登録しても、デジタルカメラ100は、スルー画像が示す同一の顔から登録済みの特徴量と類似する特徴量を抽出できる可能性が高い。
【0076】
そこで、本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、フラッシュ260の発光を伴う撮影を行った場合、周囲が所定値以上明るくないときは、その顔を以後識別する対象として登録するための操作を使用者に促す画面を表示しない。これにより、上記のような事態を回避することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、フラッシュ撮影を行いかつ周囲の明るさが所定値以上でないときに、被写体の顔を識別する対象として登録するための操作を使用者に促す画面(登録画面)を表示しないようにした。しかし、これに限らず、周囲の明るさに関わらず、フラッシュ撮影を行う場合には必ず、登録画面を表示しないようにしてもよい。周囲が明るい場合でも、フラッシュ発光の有無で被写体の写りが変わってしまう場合があるからである。
【0078】
〔3.他の実施形態〕
以上により、本発明の実施形態として、実施形態1及び実施形態2を説明した。しかし、本発明は、これらには限定されない。例えば、以下に示す形態であってもいい。
【0079】
実施形態1及び2においては、連写モードのときに、被写体の特徴量を抽出せず、被写体の識別回数をカウントしなかった。しかしながら、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、連写モードのときにおいても被写体の特徴量を抽出するが、関連付けて記憶されている特徴量の数kが所定数nを越えても、登録画面を表示しないように構成してもよい。また、例えば、連写モードにおいて、複数の画像データが連続して撮像された場合に、そのうちの1つの画像データの中から特徴量を抽出して記憶し、特徴量の数kのカウントを1つだけ増やすようにしても良い。これにより、連写モードによる撮影においても、頻繁に撮影する被写体を識別対象として登録しやすくすることができる。
【0080】
実施形態1及び2においては、図7に示す登録画面のように、顔を登録する際に名前等を入力できるようにしたが、登録画面はこれに限定されない。例えば、同一の顔を示す特徴量の抽出が所定の回数行われたときに表示する登録画面には、顔写真と登録の要否を問うための「はい」及び「いいえ」の選択ボタンのみを表示し、登録(「はい」)が選択された後に、名前などを入力する画面を表示してもよい。
【0081】
実施形態1及び2においては、デジタルカメラ100は、所定回数、同一の顔を撮影したときに、その顔を識別対象として登録するか否かの選択を促す画面を表示したが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、n回以上類似する特徴量を抽出した際に、その特徴量によって示される顔を自動的に識別対象として登録してもよい。この場合、識別対象として登録するか否かの選択を使用者に促す表示を行わず、その特徴量が示す顔に関する名前や生年月日等の情報の入力を促す画面だけを表示するようにしてもよい。
【0082】
なお、識別対象として登録候補データベース241及び/又は登録済みデータベース242に登録できる人数は、内部メモリ240の容量が許す限り、何人であってもよい。この場合、内部メモリ240の容量がなくなった際に自動的に、登録候補データベース241及び/又は登録済みデータベース242に登録できなくなるようにしてもよい。例えば、図5のステップS220〜S300の処理を行わないようにしてもよい。また、予め識別対象として、登録候補データベース241及び/又は登録済みデータベース242に登録できる人数を所定の人数と決めておいてもよい。予め登録できる人数を決めている場合において、登録可能な人数を超えた場合に、最も過去に登録した識別対象から順番に登録を自動的に消去してもよい。これにより、内部メモリ240を識別対象の登録で埋め尽くすことを防止した上で、その時々においてよく被写体として撮影する顔を識別対象として登録することができる。
【0083】
なお、実施形態1又は2では、登録済みデータベース242に記録されている特徴量と同一又は類似の特徴量を抽出した際には、その抽出した特徴量を登録候補データベース241に登録しないようにした。しかし、この方法に限定されず、登録済みデータベース242に記録されている特徴量と同一又は類似の特徴量を抽出した場合であっても、登録候補データベース241に登録してもよい。但し、この場合は、登録済みデータベース242に記録されている特徴量が所定数nを越えた場合であっても、登録画面を表示モニタ220に表示しないようにする。これにより、登録済みの人については、再度、登録を促す画面を表示しなくなるため、同一の顔を複数登録してしまうという事態を回避することができる。これにより、内部メモリ240の容量の無駄遣いを防止することができる。なお、登録済みデータベース242に記録されている特徴量と同一又は類似の特徴量を抽出したときであっても、その特徴量を登録候補データベース241に登録し、登録された数が所定数nを越えたときに登録画面を自動で表示するようにしてもよい。
【0084】
実施形態1又は実施形態2にかかる撮像装置は、関連付けて記憶されている特徴量が所定数n(例えばn=3)となった場合に識別対象として登録を促す登録画面を表示した。しかしながら、必ずしもこのような構成である必要はない。コントローラ180が、内部メモリ240に記憶されている特徴量情報によって示される顔と同一の顔を示すとみなされる特徴量情報を抽出した回数が所定の回数に達するのに応じて、使用者による登録に関する操作を促す画面を表示してもよい。例えば、内部メモリ240に記憶する特徴量を1つにし、同一の顔と識別できる特徴量を抽出した回数をカウントしておき、所定回数に達したときに、識別対象としての登録を促す画面を表示するような構成であってもよい。また、この場合に、特徴量情報を抽出する毎に、同一とみなされる特徴量情報を新たに抽出した特徴量情報に基づいて補正してもよい。
【0085】
また、実施形態1又は2にかかる撮像装置は、所定の回数であるnを3とした。しかしながら必ずしもこのような構成である必要はない。nはどのような回数であってもよい。例えば、nは2であっても4であってもよい。
【0086】
また、実施形態1又は2にかかる撮像装置は、識別対象を自動で登録する際に第3回目に撮像された顔の画像を特徴量と関連づけて登録することとした。しかしながら、必ずしもこのような構成である必要はない。任意の撮像タイミングの画像を特徴量と関連づけて登録してもよい。例えば、第2回目または第1回目に撮像された画像を用いてもよい。
【0087】
また、実施形態1又は2にかかる撮像装置は、被写体像から類似する特徴量を抽出して行った撮影が所定の回数に達した際に、その抽出した類似する特徴量が示す顔を以後に識別する対象として登録するか否かの選択を促す画面を表示した。しかしながら、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、類似する特徴量が示す顔に所定の回数、オートフォーカスをして撮影をした場合に、その抽出した類似する特徴量が示す顔を以後に識別する対象として登録するか否かの選択を促す表示を行うこととしてもよい。また、スルー画像を表示モニタ220に表示している際に、所定の期間内に、類似する特徴量を所定の回数抽出した場合に、その抽出した類似する特徴量が示す顔を以後に識別する対象として登録するか否かの選択を促す表示を行うこととしてもよい。また、動画像を記録する際に、所定期間内に、類似する特徴量を所定の回数抽出した際に、その抽出した類似する特徴量が示す顔を以後に識別する対象として登録するか否かの選択を促す表示を行うこととしてもよい。
【0088】
なお、実施形態1及び実施形態2においては、同時に複数の被写体を撮影した場合に、ピントが合わされた人物の顔について、顔の特徴量を抽出したが、複数の被写体の顔の特徴量を同時に抽出して、図5又は図8の処理を行ってもよい。
【0089】
また、実施形態1又は2にかかる撮像装置は、CCDイメージセンサ140により撮像された画像データの輝度情報を解析することにより自機の周囲の明るさを認識することとしたが、必ずしもこのような構成である必要はない。周囲の明るさを検出する構成であれば何でもよい。例えば、周辺の光量を検出するための専用のセンサを備えてもよい。
【0090】
また、実施形態1又は2にかかる撮像装置は、類似する特徴量情報を所定の回数抽出した際に、その特徴量情報が示す顔を識別対象として登録することとした。しかしながら常にこのように制御する必要はない。例えば、コントローラ180は、被写体の顔が正面を向いているか否かを検出し、検出した顔が所定量以上横を向いている場合には、その特徴量情報を識別対象の登録候補として登録しないようにしてもよい。このようにした場合のメリットについて以下に説明する。正面を向いている顔と横を向いている顔とでは、同一の顔であったとしても特徴量情報が非類似となることが多い。従って、正面を向いた顔だけでなく、横を向いた顔も登録候補とすると、同一の顔であるが向きだけが異なる複数の顔を、識別対象として登録するおそれがでてくる。被写体の顔が正面を向いているか否かを検出し、検出した顔が所定量以上横を向いている場合には、その特徴量情報を識別対象の登録候補としないようにすることにより、このような事態を回避することができる。また、検出した顔が上下方向に所定量以上傾いている場合にも、その特徴量情報を識別対象の登録候補として登録しないようにしてもよい。要するに、被写体の顔が正面を向いていない場合に登録しないようにすればよい。また、検出した顔が正面を向いていない場合に、検出した顔を正面向きの顔に補正し(すなわち、検出した顔から正面向きの顔を予想し)、補正(予想)した顔の画像に基づき特徴量を抽出するようにしてもよい。
【0091】
また、実施形態1又は2にかかる撮像装置は、連写撮影を行う際に顔の特徴量を抽出したとしても特徴量の抽出回数としてカウントしなかった。しかしながら、連写撮影の場合だけでなくオートブラケット撮影を行う際に顔の特徴量を抽出した場合においても、特徴量の抽出回数をカウントしないようにしてもよい。これにより、1度の撮影若しくは瞬時に行われる複数回の撮影で特徴量の抽出回数が複数回カウントされ、頻繁に登録画面が表示モニタに表示されるという事態を回避できる。
【0092】
また、実施形態1又は2では、撮像手段として、CCDイメージセンサ140を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、CMOSイメージセンサで構成してもよく、NMOSイメージセンサで構成してもよい。
【0093】
また、実施形態1及び2において、画像処理部160とコントローラ180とは、1つの半導体チップで構成してもよく、別々の半導体チップで構成してもよい。
【0094】
また、実施形態1又は2では、コントローラ180が顔検出及び顔識別を行う構成としたが、必ずしもこのような構成とする必要はない。例えば、顔検出及び顔識別を行うチップをコントローラ180とは別のチップとしてもよい。また、顔検出を行うチップと顔識別を行うチップとを別のチップとしてもよい。
【0095】
また、実施の形態1及び2において、撮影モードが特定の撮影モードである場合には、特徴量を抽出しないようにしてもよい。特定の撮影モードは、例えば、シワを無くしたり、顔の色を加工したり、輪郭を加工したりする画像エフェクトモードを含む。
【0096】
また、実施の形態1及び2においては、被写体の顔が同一か否かに基づいて、登録するか否かを決定した。しかし、登録の要否を判断する、画像の識別単位は顔でなくてもよい。所定の条件を満たすオブジェクトを画像から抽出し、オブジェクトの特徴が同一か否かを判断し、登録するか否かを決定するようにしてもよい。これにより、人物のみではなく、動物や物についても登録するか否かを判断できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、識別対象とする顔の登録をより容易に行うことができるという効果を有し、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置や、カメラ機能付き携帯電話等に適用できる。
【符号の説明】
【0098】
100 デジタルカメラ
110 光学系
120 レンズ駆動部
130 シャッタ
140 CCDイメージセンサ
150 A/Dコンバータ
160 画像処理部
170 バッファ
180 コントローラ
190 カードスロット
200 メモリカード
210 操作部材
220 表示モニタ
240 内部メモリ
260 フラッシュ
300 絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像データから、前記被写体の特徴を示す特徴量情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された特徴量情報を登録候補として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に登録候補として記憶されている特徴量情報によって示される被写体と、前記抽出手段によって抽出された特徴量情報によって示される被写体とが同一かどうかを判断する判定手段と、
前記判定手段が、前記記憶手段に登録候補として記憶されている特徴量情報によって示される被写体と、前記抽出手段によって抽出された特徴量情報によって示される被写体とが同一であると判断した回数に応じて、使用者による登録に関する操作を促す画面を表示する表示手段と、
を備える、撮像装置。
【請求項2】
前記使用者による登録に関する操作を促す画面は、所定の回数、同一であると判断された被写体を示す情報を登録するか否かを選択させる画面である、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記使用者による登録に関する操作を促す画面は、所定の回数、同一であると判断された被写体に関する情報を入力させる画面である、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置を単写モードと連写モードとに設定可能であり、
前記撮像装置が前記単写モードに設定されている場合、前記表示手段は前記使用者による登録に関する操作を促す画面の表示を実行し、
前記撮像装置が前記連写モードに設定されている場合、前記表示手段は前記使用者による登録に関する操作を促す画面の表示を実行しない、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像装置を単写モードと連写モードとに設定可能であり、
前記判別手段が、前記記憶手段に登録候補として記憶されている特徴量情報によって示される被写体と、前記抽出手段によって抽出された特徴量情報によって示される被写体とが同一かどうかを判断した回数をカウントする方法を、単写モードか連写モードかに応じて変更する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
フラッシュと、
周囲の明るさを検出する検出手段と、
前記フラッシュを使用して撮影された場合に、前記検出手段による検出結果に応じて、前記使用者による登録に関する操作を促す画面を表示するか否かを切り替えるように前記表示手段を制御する制御手段と、
をさらに備える、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記検出手段が、周囲の明るさが所定値以上であると判断したときは、前記使用者による登録に関する操作を促す画面を表示するように前記表示手段を制御し、
前記検出手段が、周囲の明るさが所定値未満であると判断したときは、前記使用者による登録に関する操作を促す画面を表示しないように前記表示手段を制御する、請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記抽出手段により抽出された特徴量情報が示す被写体が正面を向いているか否かを検出する検出手段をさらに有し、
前記検出手段により検出された被写体が正面を向いていることが検出された場合は、前記抽出手段により抽出された特徴量情報を登録候補として前記記憶手段に記憶し、
前記検出手段により検出された被写体が所定量以上傾いていることが検出された場合は、前記抽出手段により抽出された特徴量情報を登録候補として前記記憶手段に記憶しない、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮像装置がオートブラケット撮影を行っているときは、前記表示手段は前記使用者による登録に関する操作を促す画面の表示を実行しない、請求項1に記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−220199(P2010−220199A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14351(P2010−14351)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】