説明

撮像装置

【課題】タッチ操作によって撮影記録することのでき、操作が容易な撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、デジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像を生成するCCDイメージセンサ120と、CCDイメージセンサ120が生成した画像を出力する液晶ディスプレイ170と、液晶ディスプレイ170に配置され、操作を受け付けるタッチパネル173と、使用者から被写体の指定操作を受け付け、指定された被写体に対して撮像条件を調節するコントローラ150と、タッチパネル173が操作されているとき、被写体像を連続して撮像するようCCDイメージセンサ120を制御するコントローラ150とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関する。特に、連続して撮像することができる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指等によるタッチを検出して、その位置座標を特定するタッチパネル等の位置入力装置は、優れたユーザインタフェース手段として注目されており、抵抗膜方式や静電容量方式等の種々の方式によるタッチパネルが知られている。近年、タッチパネルを搭載したデジタルカメラも普及している。使用者は、タッチパネルをタッチ操作することにより、デジタルカメラに所定の動作を実行させることができる。
【0003】
例えば、特許文献1は、感圧センサからの位置座標情報に基づき、押圧された箇所についての画像を中心として焦点調節を行い、撮像信号を記録媒体に記録するカメラ装置を開示している。これにより、画面上の任意の位置にある物を、焦点を合わせる対象として指定することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-142719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のカメラ装置において、一回目の撮影が終わってから、続いて二回目の撮影を行いたいとき、使用者は、同じ撮影動作を度々繰り返す必要があり不便であった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、タッチ操作によって撮影記録することができ、操作が容易である撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の撮像装置は、被写体像を撮像して画像を生成する撮像部と、撮像部が生成した画像を出力する表示部と、表示部に配置され、使用者による操作を受け付けるタッチパネルと、被写体の指定操作を受け付け、指定された被写体に対して撮像条件を調節する撮像条件調節部と、タッチパネルが操作されているとき、被写体像を連続して撮像するよう撮像部を制御する連続撮像制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タッチ操作によって撮影記録することのでき、操作が容易な撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】デジタルカメラ100の構成図
【図2】デジタルカメラ100の背面構成図
【図3】シングルAF制御動作を説明するための図
【図4】タッチ操作のイメージ図
【図5】連続撮像のシーケンス図
【図6】連続撮像(間隔変化)のシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施の形態1〕
本発明をデジタルカメラ100に適用した実施の形態1について説明する。デジタルカメラ100は、使用者のタッチ操作により、合焦対象とする被写体の指定を受け付ける。また、デジタルカメラ100は、使用者がタッチパネル173の操作を維持している間は、被写体像を連続して撮像するようCCDイメージセンサ120を制御する。以下、デジタルカメラ100の構成および動作について順に説明する。
【0011】
〔1−1.構成〕
まず、デジタルカメラ100の構成について図を用いて説明する。
【0012】
図1は、デジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は、撮像した被写体像に基づく画像データを生成する。撮像により生成された画像データはAFE(AFE:Analog Front End)121や画像処理部130において各種処理を施される。画像データはフラッシュメモリ160やメモリカード192に記憶される。フラッシュメモリ160やメモリカード192に記憶された画像データは、使用者による操作部180の操作を受け付けて液晶ディスプレイ170に再生表示される。また、CCDイメージセンサ120で撮像され、画像処理部130から出力された画像データはスルー画像として液晶ディスプレイ170に表示される。
【0013】
光学系110は、フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113およびシャッタ114を含む。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズOIS(Optical Image Stabilizer)を含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0014】
フォーカスレンズ111は、焦点距離の調節に用いられる。ズームレンズ112は拡大縮小倍率の調節に用いられる。絞り113は、CCDイメージセンサに入射する光量の調節に用いられる。シャッタ114は、CCDイメージセンサに入射する光の露出時間を調節する。フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113およびシャッタ114は、それぞれに対応したDCモータやステッピングモータ等の駆動手段(不図示)により、コントローラ150から通知された制御信号に従って駆動される。
【0015】
CCDイメージセンサ120は、光学系110を通して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する。CCDイメージセンサ120は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像データを生成する。CCDイメージセンサ120の画像データ生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、コントローラ150によって制御される。この画像データをスルー画像として逐一液晶ディスプレイ170に表示することにより、使用者はリアルタイムに被写体の状況を液晶ディスプレイ170で確認できる。なお本発明においては、CCDイメージセンサ120に代えて、例えばCMOSイメージセンサやNMOSイメージセンサなど、他の撮像素子を用いても良い。
【0016】
AFE121は、CCDイメージセンサ120で生成された画像データに対して、相関二重サンプリング、ゲイン調整等の処理を実行する。ゲイン調整においては、ISO感度に相当するゲインが設定される。また、アナログ形式の画像データからデジタル形式の画像データへの変換を施す。その後、AFE121は画像データを画像処理部130に出力する。
【0017】
画像処理部130は、画像データに対して各種の処理を施す。各種処理としては、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの一部を欠く構成としてもよい。画像処理部130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、これらの処理を行うためのプログラムを実行するマイクロコンピュータ等で構成してもよい。またコントローラ150等と共に1つの集積回路として構成してもよい。
【0018】
液晶ディスプレイ170は、デジタルカメラ100の背面に備わる。液晶ディスプレイ170は、画像処理部130にて処理された画像データに基づく画像を表示する。液晶ディスプレイ170が表示する画像には、スルー画像や記録画像がある。液晶ディスプレイ170は、CCDイメージセンサ120により一定時間毎に生成される画像をスルー画像としてリアルタイムで表示する。使用者は、液晶ディスプレイ170に表示されるスルー画像を参照することにより、被写体の構図を確認しながら撮影できる。記録画像は、メモリカード192やフラッシュメモリ160に記録された画像である。液晶ディスプレイ170は、使用者の操作に応じて、すでに記録した画像データに基づく画像を表示する。液晶ディスプレイ170はこの他、デジタルカメラ100の各種設定条件等を表示可能である。
【0019】
タッチパネル173は、液晶ディスプレイ170の表面に設けられており、使用者がタッチしたタッチパネル上の電極位置に関する情報を出力する。
【0020】
検出処理部177は、タッチパネル173が出力する電極位置に関する情報に基づいて、使用者がタッチしたタッチパネル上の位置座標を算出してコントローラ150に出力する。使用者がタッチを維持している場合、検出処理部177は、算出したタッチパネル上の位置座標をコントローラ150に出力し続ける。従って、コントローラ150は、検出処理部177の出力状態を監視することにより、使用者のタッチが維持されているか否かを判断することができる。
【0021】
コントローラ150は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ150は、プログラム等の情報を格納するROM(不図示)、プログラム等の情報を処理するCPU(不図示)等により構成される。ROMは、オートフォーカス制御やオート露出制御に関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。またROMは、CCDイメージセンサ120が起動した後、最初に撮像を実行するときの絞り値やシャッタスピードに関する撮像初期データ、適正露出を得るための目標輝度値に関するデータ等を格納している。
【0022】
コントローラ150は、液晶ディスプレイ170にメニューを表示させ、使用者がメニューを見ながら操作部180やタッチパネル173を操作することにより各種設定を行わせ、設定内容を取得する。特にコントローラ150は、検出処理部177が出力する位置座標値から、使用者が液晶ディスプレイ170に表示されている撮影フレーム内の何処をタッチしたかを認識し、その操作に応じた処理を行う。
【0023】
コントローラ150は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部130などと共に1つの集積回路として構成してもよい。また、ROMはコントローラ150の内部構成である必要はなく、コントローラ150の外部に備わったものでもよい。
【0024】
バッファメモリ140は、画像処理部130やコントローラ150のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ140はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0025】
フラッシュメモリ160は、画像データ等を記憶するための内部メモリとして機能する。コントローラ150は、画像処理部130で処理される画像データをフラッシュメモリ160あるいはメモリカード192に記憶する。
【0026】
カードスロット191は、メモリカード192を着脱可能な接続手段である。カードスロット191は、メモリカード192を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット191は、メモリカード192を制御する機能を備えてもよい。
【0027】
メモリカード192は、内部にフラッシュメモリ等の記憶部を備えた外部メモリである。メモリカード192は、画像処理部130で処理される画像データなどのデータを記憶可能である。本実施の形態では、外部メモリの一例としてメモリカード192を示すが、光ディスク、HDD等の記憶媒体を外部メモリとしてもよい。また、外部との通信インタフェース(無線または有線)をコントローラ150に接続し、画像データを外部に伝送するように構成してもよい。
【0028】
操作部180は、デジタルカメラ100の外装に備わっているボタンやレバー、ダイヤル等の総称であり、使用者による操作を受け付ける。例えば、図2に示すように、レリーズ釦200やズームレバー201、選択釦203、決定釦204、電源釦202等が操作部180にあたる。操作部180は、使用者による操作を受け付けると、コントローラ150に種々の動作指示信号を通知する。
【0029】
レリーズ釦200は、二段押下式の押下釦である。レリーズ釦200が使用者により半押し操作されると、コントローラ150はオートフォーカス制御やオート露出制御などを実行する。また、レリーズ釦200が使用者により全押し操作されると、コントローラ150は、押下操作のタイミングに撮像された画像データを記録画像としてメモリカード192等に記録する。
【0030】
ズームレバー201は、画角調節についての広角端と望遠端を有する中央位置自己復帰式のレバーである。ズームレバー201は、使用者により操作されるとコントローラ150にズームレンズ112を駆動するための動作指示信号を通知する。
【0031】
電源釦202は、デジタルカメラ100を構成する各部への電力供給をON/OFFするための押下式釦である。電源OFF時に電源釦202が使用者により押下されると、コントローラ150はデジタルカメラ100を構成する各部に電力を供給し、起動させる。また、電源ON時に電源釦202が使用者により押下されると、コントローラ150は各部への電力供給を停止する。
【0032】
選択釦203は、上下左右方向に設けられた押下式釦である。使用者は、選択釦203のいずれかの方向を押下することにより、液晶ディスプレイ170に表示される各種条件項目を選択することができる。
【0033】
決定釦204は、押下式釦である。デジタルカメラ100が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、決定釦204が使用者により押下されると、コントローラ150は液晶ディスプレイ170にメニュー画面を表示する。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。決定釦204が各種条件の設定項目が選択されているときに押下されると、コントローラ150は、選択された項目の設定を確定する。
【0034】
ここで、デジタルカメラ100の構成と本発明との対応関係は以下の通りである。CCDイメージセンサ120は、本発明の撮像部の一例である。液晶ディスプレイ170は、本発明の表示部の一例である。タッチパネル173は、本発明のタッチパネルの一例である。コントローラ150は、本発明の撮影条件調節部の一例である。コントローラ150は、本発明の連続撮像制御部の一例である。デジタルカメラ100は、本発明の撮像装置の一例である。
【0035】
〔1−2.動作〕
続いて、デジタルカメラ100の動作について説明する。デジタルカメラ100は、使用者がタッチ操作を開始した位置にAF枠を固定し、タッチ操作を継続している間は、被写体像を連続して撮像するようCCDイメージセンサ120を制御する。このとき、使用者がタッチ操作を開始した位置からタッチ位置を移動させたとしても、AF枠はタッチ操作が開始された位置に固定されている。
【0036】
以下、デジタルカメラ100のオートフォーカス制御動作、および連続撮像の制御動作について説明する。
【0037】
〔1−2−1.オートフォーカス制御動作〕
まず、デジタルカメラ100のオートフォーカス制御動作について説明する。デジタルカメラ100は、オートフォーカス制御動作としてシングルAF制御動作を行う。
【0038】
オートフォーカス制御は、画像データが生成されるごとに算出されるコントラスト値に基づいて実行される。コントラスト値は、AF枠設定された画像データを構成する輝度信号の高周波成分を積算することにより取得される。コントローラ150は、フォーカスレンズ111を駆動しながら取得していったコントラスト値を比較することにより、フォーカスレンズ111を移動させる方向を判定し、被写体像の合焦位置を検出する。
【0039】
図3は、シングルAF制御動作を説明するための図である。フォーカスレンズ111を駆動するためのフォーカスモータは、フォーカスレンズ111を無限側あるいは至近側から駆動し続ける。コントローラ150は、フォーカスレンズ111の駆動に合わせて周期的にコントラスト値を算出し続ける(以下、AF検波と称する)。フォーカスモータは、取得したコントラスト値が上昇し続ける限り、フォーカスレンズ111を一方向に駆動し続ける。コントラスト値の上昇が止まり、下降を開始すると、コントローラ150は、合焦位置を通過したと判断する。このとき、コントローラ150は、コントラスト値がピークとなったフォーカスレンズ111の位置を、合焦位置として検出する。そして、フォーカスモータは、フォーカスレンズ111を今までとは逆方向に駆動し、フォーカスモータのガタを補正した後、合焦位置に移動させる。
【0040】
〔1−2−2.連続撮像の制御動作〕
続いて、デジタルカメラ100の連続撮像の制御動作について説明する。図4は、デジタルカメラ100のタッチ操作手順を示すイメージ図である。
【0041】
デジタルカメラ100の電源がONされると、コントローラ150は、各部に電力を供給するとともに、各部の起動プログラムを実行する。このとき、コントローラ150は、CCDイメージセンサ120により生成された画像データから輝度情報を抽出し、適正な露出になるよう絞り113や、シャッタ114、画像処理部130を制御する。生成される画像データが適正な露出に調整されると、コントローラ150は、スルー画像の表示を開始するよう液晶ディスプレイ170に制御信号を通知する。これにより、液晶ディスプレイ170は、スルー画像の表示を開始する。
【0042】
図4(a)に示すように、スルー画像の表示が開始されると、使用者は、液晶ディスプレイ170が表示する撮影フレーム内に被写体を確認することができる。図4(a)の例では、人物である場合を示すが、犬などの動物であっても、風景等であってもよい。
【0043】
続いて、図4(b)に示すように、使用者は、フォーカス状態を調節したい(合焦させたい)被写体が表示された領域を、タッチパネル173を介して指等でタッチする。タッチパネル173は、タッチされると、検出処理部177に対してタッチパネル上の電極位置に関する情報を出力する。検出処理部177は、タッチパネル173が出力する電極位置に関する情報に基づいて、タッチパネル上の位置座標を算出してコントローラ150に出力する。コントローラ150は、このタッチパネル上の位置座標に対応する画像部分にAF枠を設定する。
【0044】
図4(c)に示すように、使用者がタッチしている指をタッチパネル173から離さず、タッチを継続しているとき、コントローラ150は、連続して撮像するようCCDイメージセンサ120を制御する。このとき、使用者がタッチしている指の位置がタッチパネル173上で移動しても、AF枠はタッチ操作を開始した位置に固定された状態を維持する。コントローラ150は、タッチ操作開始位置にある被写体に対してシングルAF制御を実行する。コントローラ150は、フォーカスレンズ111が被写体に合焦すると、続いて露光動作を実行するようCCDイメージセンサ120を制御し、生成された画像データをメモリカード192に記録する。なお、このとき、使用者がタッチ操作を開始した位置から指を移動させていないときは、タッチ操作を維持していたとしても露光動作を実行させないようにする。これにより、使用者がタッチ操作を開始した位置から指を移動させていないときにおいて、操作している指が邪魔になって被写体の様子を撮影フレームから確認しくにいという課題を解決することができる。
【0045】
続いて、図5を用いて、デジタルカメラ100の連続撮像動作のシーケンスについて説明する。図5は、デジタルカメラ100の連続撮像動作のシーケンス図である。図5は、コントローラ150が生成する垂直同期信号VD(例えば1/30sec)に対するAF動作および露光動作タイミングを示している。
【0046】
コントローラ150は、各VDにおいて、タッチされている位置座標情報を検出処理部177から取得している。コントローラ150は、各VDにおいて取得した位置座標情報を、AF枠の設定および連続撮像間隔の設定に使用する。コントローラ150が位置座標情報を連続撮像間隔の設定に使用する詳細については後述する。
【0047】
図5は、使用者がVD1の直前にタッチパネル173をタッチ操作したときのシーケンスを示している。このとき、コントローラ150は、VD1のタイミングで取得した位置座標情報に基づいて、使用者がタッチ選択した被写体に対して、VD2のタイミングでAF枠設定を行う。このとき、コントローラ150は、使用者がタッチ操作を開始した位置から指を移動させていないならば、タッチ操作を維持していたとしても露光動作を実行させず、待機状態を維持する(VD3〜VD4)。コントローラ150は、使用者がタッチ操作を開始した位置から指を移動させたことを検出すると、VD5からVD6までかけてAF検波動作を実行し、合焦位置を検出する。そして、コントローラ150は、フォーカスレンズ111を検出した合焦位置に移動させる。フォーカスレンズ111が合焦位置に到達すると、コントローラ150は、VD7からVD8のタイミングで被写体像の露光を行うようCCDイメージセンサ120を制御する。VD9のタイミングで、被写体像の露光により生成された画像データが読み出される。
【0048】
コントローラ150は、VD5からVD8までにおける各動作制御により1ショットの撮像を実行する。コントローラ150は、使用者がタッチパネル173のタッチを継続している限り、この1ショットの撮像動作を繰り返す(図5における2ショット目以降)。以上説明したように、使用者は液晶ディスプレイ170に表示された被写体を、液晶ディスプレイ170上に配置されたタッチパネル173を介してタッチすることにより、タッチ開始位置に対応する被写体を合焦対象として選択できる。また、使用者は、タッチパネル173のタッチ操作を継続することにより、連続撮像を実行させることができる。
【0049】
次に、コントローラ150が位置座標情報を連続撮像間隔の設定に使用する詳細について説明する。図6は、連続撮像の時間間隔の設定を説明するための連続撮像動作のシーケンス図である。図6は、コントローラ150が生成する垂直同期信号VD(例えば1/30sec)に対するAF動作、待機、露光動作タイミングを示している。
【0050】
図6は、使用者がVD20の直前にタッチパネル173をタッチ操作したときのシーケンスを示している。このとき、コントローラ150は、VD20のタイミングで取得した位置座標情報に基づいて、使用者が選択した被写体に対して、VD21のタイミングでAF枠設定を行う。このとき、コントローラ150は、使用者がタッチ操作を開始した位置から指を移動させていないならば、タッチ操作を維持していたとしても露光動作を実行させず、待機状態を維持する(VD22〜VD23)。コントローラ150は、使用者がタッチ操作を開始した位置から指を移動させたことを検出すると、VD24からVD25までかけてAF検波動作を実行し、合焦位置を検出する。そして、コントローラ150は、フォーカスレンズ111を検出した合焦位置に移動させる。
【0051】
上述したように、コントローラ150は、各VDにおいて、タッチされている位置座標情報を検出処理部177から取得している。コントローラ150は、VDの幅(例えば1/30sec)を把握している。そのため、コントローラ150は、取得される位置座標情報の変化から、使用者のタッチ操作速度を算出することができる。コントローラ150は、算出したタッチ操作速度に基づき、連続して撮像する時間間隔を調節する。具体的には、フォーカスレンズ111が合焦位置に到達した後、コントローラ150は、VD26からVD27までAF動作や撮像動作は行わず待機する。すなわち、コントローラ150は、この待機する時間を調節することにより、1ショットの長さを調節する。その結果、コントローラ150は、連続して撮像する時間間隔を調節することができる。これにより、使用者は直感的な操作で連続して撮像する時間間隔を調節することができる。
【0052】
待機時間を終えると、コントローラ150は、VD28からVD29のタイミングで被写体像の露光を行うようCCDイメージセンサ120を制御する。VD30のタイミングで、被写体像の露光により生成された画像データが読み出される。
【0053】
コントローラ150は、VD24からVD29までにおける各動作制御により1ショットの撮像を実行する。コントローラ150は、使用者がタッチパネル173のタッチを継続している限り、この1ショットの撮像動作を繰り返す(図6における2ショット目以降)。図6において、2ショット目や3ショット目は、1ショット目と比べ、タッチ操作速度が速かったため、待機時間もそれに合わせてより短く設定されている。
【0054】
以上説明したように、使用者は、タッチパネル173をタッチ操作する速度を変えることにより、合焦対象とした被写体像を連続して撮像する時間間隔を調節することができる。
【0055】
〔1−3.まとめ〕
以上説明したように、実施の形態1に係るデジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像を生成するCCDイメージセンサ120と、CCDイメージセンサ120が生成した画像を出力する液晶ディスプレイ170と、液晶ディスプレイ170に配置され、使用者によるタッチ操作を受け付けるタッチパネル173と、被写体のタッチによる指定操作を受け付け、指定された被写体に対してフォーカス状態を調節するコントローラ150と、タッチパネル173がタッチ操作されているとき、被写体像を連続して撮像するようCCDイメージセンサ120を制御するコントローラ150とを備える。従って、デジタルカメラ100は、タッチ操作によりフォーカス状態を調節する対象を選択することができるとともに、タッチ操作を継続することにより被写体像を連続して撮像させることができる。これにより、使用者は、被写体の指定および連続撮像の指示とをタッチ操作(例えば指一本)でシームレス操作することが可能になるため、操作が容易である。
【0056】
また、上記実施の形態1のデジタルカメラ100において、コントローラ150は、タッチ操作を受け付けている間は、被写体像を撮像しないようCCDイメージセンサ120を制御する。これにより、使用者は撮影フレーム内の被写体の様子を確認しながら、撮像操作を行うこと可能となる。
【0057】
〔2.他の実施形態〕
以上により、本発明の実施の形態1について説明した。しかし本発明は、これらには限定されない。そこで、本発明の他の実施の形態について、本欄にまとめて説明する。
【0058】
上記実施の形態では、検出処理部177は、ハードワイヤードな回路で実現するものとしたが、同様な動作を行うことができる他の構成としてもよい。例えば検出処理部177がマイコンと、マイコンが実行する検出処理プログラムを格納したROMを備え、このプログラムをマイコンが実行することにより、タッチ位置座標の算出をするようにしてもよい。また、タッチパネルが出力するタッチした電極位置に関する情報をコントローラ150に直接入力し、コントローラ150がこのような検出処理プログラムを実行することによりタッチ位置座標の算出をするようにするようにしてもよい。すなわち検出処理部177をコントローラ150が兼ねるようにしてもよい。
【0059】
上記実施の形態1において、デジタルカメラ100は、タッチ操作を受け付けたタッチパネルの位置に対応する画像部分に基づいて被写体像のフォーカス状態を調節するようにしたが本発明はこれに限定されない。例えば、タッチ操作を受け付けたタッチパネルの位置に対応する画像部分に基づいて被写体像の露出状態を調節するようにしてもよい。これにより、デジタルカメラ100は、被写体の様子を確認しながら露出状態を調節することができる。
【0060】
上記実施の形態1において、デジタルカメラ100は、タッチ操作により合焦対象とする被写体を指定するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、既知の顔検出技術により検出された被写体の顔を合焦対象として指定してもよい。この場合、使用者はタッチパネル173の任意の場所においてタッチ操作を継続させることで、検出された顔に合焦させ、又連続して撮像するよう指示することが可能となる。これにより、使用者は撮影フレーム内の顔検出された被写体の様子を確認しながら、連続撮像の指示をすることができる。なお、このとき、顔検出されている被写体の顔は撮影フレーム内で移動し得るため、コントローラ150は、AF枠の設定位置も連続撮像のショットの度に更新するようにするとよい。
【0061】
顔検出されている被写体の顔が移動しているとき、使用者はその移動速度に合わせてタッチパネル173上の任意の場所でタッチ操作を移動させる。これにより、使用者は、顔検出されている被写体の顔の移動速度に合わせて、連続して撮像する時間間隔を調節することができる。例えば、使用者のタッチ操作速度が速い場合は、顔検出された被写体の撮影フレーム内の移動速度が速い場合であると推測される。この場合、被写体の撮影フレーム内の移動速度が速いため、すぐにフレームアウトしてしまう可能性がある。そのため、顔検出された被写体が撮影フレーム内に存在する間に可能な限り多くの画像を連続して撮像記録することが望ましい。従って、このときコントローラ150は、連続して撮像する時間間隔を短く設定する(図5に示したように待機時間なしの状態)。一方、使用者のタッチ操作速度が遅い場合は、顔検出された被写体の撮影フレーム内の移動速度が遅い場合であると推測される。この場合、被写体の撮影フレーム内の移動速度が遅いため、連続して撮像する時間間隔が短いと、画像を多く撮像記録し過ぎてしまう可能性がある。そのため、顔検出された被写体が撮影フレーム内に存在する間に、過剰に画像を連続して撮像記録してしまわないようにするのが望ましい。従って、このとき、コントローラ150は、連続して撮像する時間間隔を長く設定する。すなわち、図6に示す各ショットの待機時間を長く設定する。
【0062】
以上のように、デジタルカメラ100は、タッチ操作によって撮影記録することのでき、操作が容易である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の撮像装置は、デジタルカメラ100への適用に限定されない。すなわち、タッチパネルを搭載したムービーカメラ、カメラ付き携帯電話などの撮像装置に本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
100…デジタルカメラ
111…フォーカスレンズ
112…ズームレンズ
113…絞り
114…シャッタ
120…CCDイメージセンサ
121…AFE
130…画像処理部
140…バッファメモリ
150…コントローラ
160…フラッシュメモリ
170…液晶ディスプレイ
173…タッチパネル
177…検出処理部
180…操作部
191…カードスロット
192…メモリカード
200…レリーズ釦
201…ズームレバー
202…電源釦
203…選択釦
204…決定釦
205…ディスプレイ釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像して画像を生成する撮像部と、
前記撮像部が生成した画像を出力する表示部と、
前記表示部に配置され、使用者による操作を受け付けるタッチパネルと、
被写体の指定操作を受け付け、前記指定された被写体に対して撮像条件を調節する撮像条件調節部と、
前記タッチパネルが操作されているとき、被写体像を連続して撮像するよう前記撮像部を制御する連続撮像制御部と、
を備えた、撮像装置。
【請求項2】
前記連続撮像制御部は、前記指定操作を受け付けている間は、被写体像を撮像しないよう前記撮像部を制御する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記連続撮像制御部は、前記操作の移動速度に基づいて設定された時間間隔により、被写体像を連続して撮像するよう前記撮像部を制御する、
請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像条件は、フォーカス状態である、
請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像条件は、露出状態である、
請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−188058(P2011−188058A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48699(P2010−48699)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】