説明

撮像装置

【課題】閃光ユニット(発光手段)を備えた撮像装置を小型化する。
【解決手段】撮像装置100は、ミラーレスタイプの撮像装置であって、レンズユニットを着脱可能なマウント手段105と、前記レンズユニットを介して入射した光から画像信号を生成する撮像手段と、発光手段99と、前記発光手段99に電力を供給する蓄電手段と、を備える。前記蓄電手段を、前記マウント手段105の後方で、かつ、前記撮像手段の下方に配する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ交換が可能な一眼タイプの撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンパクトタイプのデジタルカメラよりも高画質な画像を撮影することができる一眼レフタイプのデジタルカメラが普及しつつある。
【0003】
特許文献1には、一眼レフタイプのデジタルカメラの構成が開示されている。特許文献1に開示された一眼レフカメラのカメラボディでは、光軸上にレンズマウント、ミラーボックス、シャッター装置、撮像センサー(撮像手段)がこの順に配置されている。ミラーボックスは、撮影を行っていない時に、レンズを介して入射する光をプリズムを介して光学ファインダー側へ導くための可動ミラーを備えている。使用者によってレリーズボタンが押圧操作されることで、可動ミラーが回動して光軸上から退避し、レンズを介して入射する光が撮像センサーに入射する。撮像センサーは、入射する光を電気信号に変換して出力する。出力された電気信号は、信号処理回路に送られ画像信号が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−72304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された構成では、レンズマウントとシャッター装置との間にミラーボックスを備えているため、カメラボディの光軸方向の厚さ寸法を小さくすることが困難である。
【0006】
また、閃光ユニット(発光手段)を備えたカメラにおいては、閃光ユニットだけでなく、閃光ユニットに電力を供給するコンデンサ(蓄電手段)もカメラボディ内に収容しなければならず、カメラボディの小型化が困難である。
【0007】
本発明は、閃光ユニット(発光手段)を備えた撮像装置を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本態様の撮像装置は、レンズユニットを着脱可能なマウント手段と、画像信号を生成する撮像手段と、発光手段と、前記発光手段に電力を供給する蓄電手段と、を備え、前記蓄電手段は、前記マウント手段の後方で、かつ、前記撮像手段の下方に配されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本態様の撮像装置によれば、蓄電手段を撮像手段の下方に配したので、撮像装置を小型化することができる。さらに、蓄電手段は撮像手段の下方に配置されているので、撮像手段の発熱の蓄電手段への影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態のデジタルカメラの斜視図である。(a)は、閃光ユニットが上面に収納された状態、(b)は、閃光ユニットが上面からポップアップした状態を示す。
【図2】実施形態のデジタルカメラの上面図である。(a)は、閃光ユニットが上面に収納された状態、(b)は、閃光ユニットが上面からポップアップした状態を示す。
【図3】実施形態のデジタルカメラの正面図である。(a)は、閃光ユニットが上面に収納された状態、(b)は、閃光ユニットが上面からポップアップした状態を示す。
【図4】実施形態のデジタルカメラの側面図である。(a)は、閃光ユニットが上面に収納された状態、(b)は、閃光ユニットが上面からポップアップした状態を示す。
【図5】実施形態の閃光ユニットの斜視図
【図6】実施形態の閃光ユニットの前後方向断面図である。(a)は、閃光ユニットが上面に収納された状態、(b)は、閃光ユニットが上面からポップアップした状態を示す。
【図7】実施形態のデジタルカメラの前後方向断面図
【図8】実施形態のデジタルカメラの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施の形態
1−1.外観
図1(a)、(b)、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)、図4(a)、(b)は、閃光ユニットを備えたデジタルカメラの外観図である。図1(a)、(b)は、デジタルカメラの斜視図である。図2(a)、(b)は、デジタルカメラの上面図である。図3(a)、(b)は、デジタルカメラの正面図である。図4(a)、(b)は、デジタルカメラの側面図である。なお、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)、図4(a)、(b)、および後述する図5、図6(a)、図6(b)において、同一の部位には同じ符号を付した。
【0012】
図1(a)、図2(a)、図3(a)、図4(a)は、閃光ユニット99がデジタルカメラ100の上面に収納された閉状態を表している。また図1(b)、図2(b)、図3(b)、図4(b)は、閃光ユニット99がデジタルカメラ100の上面から上方かつ前方に大きくポップアップした開状態を表している。
【0013】
ここでデジタルカメラ100の外観構成について、図1(a)、(b)を用いて説明する。デジタルカメラ100は、その筐体上面に閃光ユニット99の他、レリーズ釦101、モードダイアル102等の各種操作部や外付装置用のシュー103を有する。レリーズ釦101は、使用者による操作を受け付けて、オートフォーカス動作や撮像した画像データの記憶動作を実行するための釦である。モードダイアル102は、絞り優先モード、シャッタースピード優先モード、マニュアルモードなどの撮影モードを切り替えるための釦である。また、シュー103は、外付け閃光装置や外付けファインダーなどを接続するために備えられており、これら外付装置と電気的および機械的に接続可能である。
【0014】
閃光ユニット99は、閃光ユニット上蓋104、閃光部107、第一リンクレバー200、第二リンクレバー220、駆動レバー210などにより構成される。閃光ユニット99の構成の詳細は後述する。閃光ユニット99は、閉状態において、デジタルカメラ100の上面内部の閃光ユニット収納箱300(図6(a)、(b)参照)に収納されている。収納状態においては閃光ユニット上蓋104のみが外部に露出する。また、閃光ユニット上蓋104は、デジタルカメラ100の一方の肩部の上面全体を占めており、上蓋104の奥行はデジタルカメラ100の奥行と同じである。これにより、閃光ユニット99をデジタルカメラ100の奥行の許す限り大きくして、閃光部107を高く持ち上げることができる。
【0015】
デジタルカメラ100の正面には、レンズマウント105や、レンズ取外し釦106などが備えられている。デジタルカメラ100は、レンズマウント105を介してレンズ98(図4(b)参照)を装着することができる。レンズとしては種々のものを利用することができる。また、デジタルカメラ100に装着されたレンズ98は、レンズ取外し釦106を押下することにより取り外すことができる。
【0016】
閃光ユニット99は、開状態において、デジタルカメラ100の上面から上方かつ前方に大きくポップアップする。これにより、閃光ユニット99は、閃光部107の発光時において、レンズ98の存在による閃光のケラレを回避することができる。
【0017】
1−2.閃光ユニットの構成
図5は、閃光ユニット99の斜視図である。図6(a)、図6(b)は、閃光ユニット99の前後方向断面を示す図である。図6(a)は、閃光ユニット99がデジタルカメラ100の上面に収納された閉状態を表している。また図6(b)は、閃光ユニット99がデジタルカメラ100の上面から上方かつ前方に大きくポップアップした開状態を表している。
【0018】
図1(b)、図4(b)、図5、図6(b)に示すように、閃光ユニット99は、閃光ユニット上蓋104、閃光部107、第一リンクレバー200、第二リンクレバー220、駆動レバー210を有する。また、閃光ユニット99は、図6(b)に示すように、閃光ユニット収納箱300、起立釦600、係止部610、被係止部620を有する。
【0019】
以下の説明では、図6(a)、図6(b)に示すように、ポップアップ状態において閃光部107の発光面107aが向く側を閃光ユニット99の正面側、その反対側を閃光ユニット99の裏側と呼ぶこととする。また、図5に示すように、閃光部107が正面を向いた状態のときにおける向かって右側を閃光ユニット99の右側、その反対側を閃光ユニット99の左側と呼ぶこととする。
【0020】
以下、図6(a)、図6(b)を中心として参照しながら、閃光ユニット99の構造等について具体的に説明する。閃光ユニット上蓋104は、閃光を放射する閃光部107を有している。閃光部107は、閃光ユニット99の閉状態時において前後方向においてデジタルカメラ100の正面側近傍に位置する。閃光部107は、閃光ユニット収納箱300に収納されているときにはデジタルカメラ100の外部に露出しない。閃光部107は、閃光体としてのキセノン管、反射板としての反射傘、反射傘保持枠、フレネルレンズを有している。閃光ユニット99は、コンデンサ、昇圧回路、発光トリガ回路を含む閃光回路に接続されている。閃光回路はデジタルカメラ100内部に備えられている。閃光回路は、デジタルカメラ100各部の動作を統括制御するコントローラーからの制御信号に従って、閃光部107の閃光を制御する。
【0021】
閃光部107は被係止部620を有している。閃光ユニット99の閉状態時において、この被係止部620は、閃光ユニット収納箱300が内部に有する係止部610により係止される(なお、図6(a)には係止された状態は記載されていない)。起立釦600は、係止部610と動作が連動する。起立釦600が押下されることにより、被係止部620と係止部610との係止状態が解除される。
【0022】
駆動レバー210は、閃光ユニット上蓋104と閃光ユニット収納箱300とをリンクする(接続する)。駆動レバー210は、閃光ユニット99の閉状態時の裏側付近においてピン210aによりその一端を回動可能に支持されている。また、駆動レバー210は、閃光ユニット収納箱300の正面側下部付近においてピン210bによりその他端を回動可能に支持されている。駆動レバー210は、ピン210b付近に存在する弦巻バネ210cによりポップアップ方向に(図6(b)においてピン210bを中心として左回り方向に)付勢されている。すなわち、閃光ユニット99の閉状態時において起立釦600が押下されると、被係止部620と係止部610との係止状態が解除され、駆動レバー210は弦巻バネ210cの付勢によりポップアップする(ピン210bを中心として左回り方向に回動し、略起立する)。
【0023】
また、閃光ユニット上蓋104は、ピン210a付近に存在する弦巻バネ210dにより、閃光部107が上方へと持ち上がる方向に(図6(b)においてピン210aを中心として右回り方向に)付勢されている。すなわち、駆動レバー210がポップアップすると(図6(b)においてピン210bを中心として左回り方向に回動すると)、それに伴い図6(b)に示すように閃光ユニット上蓋104は閃光部107が上方に位置するように起き上がる(ピン210aを中心として右回り方向に回動し、略起立する)。このとき、閃光ユニット上蓋104は、閉状態時には外部に露出させていない閃光部107の発光面107aを正面に向ける。またこのとき、閃光ユニット上蓋104の全体が閃光ユニット収納箱300の上方に突出する。これにより、閃光ユニット99は、駆動レバー210がポップアップした高さ相当分(駆動レバー210の長さ相当分)に加えて閃光ユニット上蓋104が起き上がった分(閃光ユニット上蓋104の奥行相当分)、使用位置を高くすることができる。
【0024】
第一リンクレバー200は、閃光ユニット上蓋104と閃光ユニット収納箱300とをリンクする。第一リンクレバー200は、閃光ユニット収納箱300の正面側上部付近においてピン200aによりその一端を回動可能に支持されている。また、第一リンクレバー200は、閃光ユニット上蓋104の裏側付近でピン200bによりその他端を回動可能に支持されている。また、第一リンクレバー200は、長手方向中央付近に位置止めピン200cを有する。なお、上述したのは、閃光ユニット99の左側に備えられた第一リンクレバー200であるが、同様の構成のリンクレバーは閃光ユニット99の右側にも備えられている。
【0025】
第一リンクレバー200と閃光ユニット上蓋104との接続部の位置(ピン200aの位置)は、駆動レバー210と閃光ユニット上蓋104との接続部の位置(ピン210aの位置)とは異なっている(図6(b)参照)。すなわち、上蓋104は、第一リンクレバー200と駆動レバー210とで2点で支持されている。また、第一リンクレバー200と閃光ユニット収納箱300との接続部の位置(ピン200bの位置)は、図6(b)から明らかなように、駆動レバー210と閃光ユニット収納箱300との接続部の位置(ピン210bの位置)とは異なっている。このように、閃光ユニット上蓋104は、第一リンクレバー200と駆動レバー210とで支持されているので、閃光ユニット上蓋104及び閃光部107がこれらのレバー200,210によって持ち上げられる際、一定の軌跡で安定して持ち上げられることとなる。また、閃光ユニット上蓋104を指等で上方から押して、閃光ユニット99を収納位置に戻す場合に、閃光ユニット上蓋104は上述のように2点で支持されているので、ポップアップの軌道が不安定になることなく一定の軌跡でスムーズに押し下げることができる。
【0026】
第二リンクレバー220は、第一リンクレバー200と閃光ユニット収納箱300とをリンクする(接続する)。第二リンクレバー220は、閃光ユニット収納箱300の裏側上面付近にピン220aにより一端を回動可能に支持されている。また、第二リンクレバー220は、他端側において長手方向に延びる長孔220bを有している。第一リンクレバー200の位置止めピン200cは、第二リンクレバー220の長孔220bに嵌められ、この長孔220b内部を移動可能である。位置止めピン200cが長孔220b内部においてピン220a側に移動した場合、第一リンクレバー200および第二リンクレバー220は、ピン200aおよびピン210bを中心として右回りに回転して、起立状態から横倒状態となり、閃光部107は閃光ユニット収納箱300に収納される。一方、位置止めピン200cが長孔220b内部において正面側に移動した場合、位置止めピン200cが、長孔220bの端部に当接し、弦巻バネ210cのポップアップ方向の付勢による第一リンクレバー200の起立方向への所定量以上の移動を止める。特に第二リンクレバー220は、第一リンクレバー200がほぼ起立状態である位置において移動を止める。このとき、閃光ユニット上蓋104の位置が使用位置に保持される。これにより、閃光部107の使用位置の高さを、収納状態のときよりも、ほぼ、第一リンクレバー200の長さ分と閃光ユニット上蓋104の奥行き分とを合計した分高くすることができる。
【0027】
なお、第二リンクレバー220は、駆動レバー210が付勢によりポップアップするのに従って、ピン220aを回転軸として閃光ユニット収納箱300から上方斜めに向く。つまり、第二リンクレバー220の長孔220bも上方斜めに向く。位置止めピン200cがこの上方斜めに向いた長孔220b内を上方斜めに移動することで、閃光ユニット上蓋104は、その全体が上方のみならず前方に大きく繰り出す。なお上述したのは、閃光ユニット99の左側に備わる第二リンクレバー220であるが、同様の構成のリンクレバーは閃光ユニット99の右側にも備えられている。
【0028】
また、閃光ユニット99の右側および左側の第一リンクレバー200同士は、補強架橋240により連結されている。これにより、第一リンクレバー200を、閃光ユニット99のポップアップに耐える強度に補強することができる。よって、閃光ユニット99のポップアップ動作を安定して行わせることができる。
【0029】
以上のように、実施の形態1の閃光ユニット99によれば、デジタルカメラ100の筐体内部にコンパクトに収納可能であると共に、デジタルカメラ100に対して上方のみならず前方に大きくポップアップする閃光ユニットを実現することができる。すなわち、閃光ユニット上蓋104の裏側端部が、第一リンクレバー200と、第二リンクレバー22と、駆動レバー210とからなる機構により閉状態時よりも前方に大きく繰り出す。そのため、閃光部107は、高さ方向のみならず前方にも大きく繰り出す。これにより、デジタルカメラ100に内蔵の閃光ユニットでありながら、レンズ98の存在によるケラレを回避する閃光ユニットを提供することができる。
【0030】
また、実施の形態1の閃光ユニット99は、閃光ユニット上蓋104を、デジタルカメラ100の一方の肩部の上面全体を占めるように、構成している。そのため、閃光部107を大きくすることが可能であると共に、閃光ユニット上蓋104の奥行相当分、すなわちデジタルカメラ100の奥行相当分を加えて、閃光ユニット99のポップアップ時には閃光部107の使用位置を高くすることができる。また、閃光ユニット上蓋104が上方に突出しているときに、閃光ユニット上蓋104は前傾状態となるように設定しているので、閃光部107の発光面107aをデジタルカメラ100の前面(レンズ98が取り付けられる面)よりも前方に突出させることもできる。
【0031】
また、第一リンクレバー200は、一端が閃光ユニット収納箱300の前部に回動可能に接続され、他端が閃光ユニット上蓋104の後部に回動可能に接続され、閃光部107は、閃光ユニット上蓋104の裏面に取り付けられている。これにより、閃光ユニット99をポップアップさせたときに、閃光部107を図6(b)のように可能な限りデジタルカメラ100の正面側でかつ高い位置に位置させることができる。また、閃光部107は、閃光ユニット上蓋104の裏面において、前端部近傍に取り付けられているので、閃光部107を一層高い位置に位置させることができる。
【0032】
また、閃光部107の非使用時においては、第一リンクレバー200は、閃光ユニット収納箱300内にほぼ横倒し状態で収納されるので、閃光ユニット99をコンパクトに構成することができる。
【0033】
ここで、駆動レバー210は、筒状の構造であり、駆動レバー210の内部空間に、閃光ユニット収納箱300側と閃光部107とを接続する電気配線250が通されている。この構造によれば、閃光ユニット99がポップアップする際、電気配線250が第一リンクレバー200や第二リンクレバー220と干渉しないように電気配線250を良好に保護することができる。
【0034】
なお、上記説明においては、駆動レバー210が弦巻バネ210cによる付勢を受けてポップアップする場合で説明したが、第一リンクレバー200が付勢を受けてポップアップするような構成にしてもよい。
【0035】
1−3.デジタルカメラの内部の構成
閃光部(発光部)107を発光させるための電力は、電気配線(ケーブル)250を経由して、デジタルカメラ100の下部に組み込まれたコンデンサから供給される。
【0036】
図7は、本実施の形態に係るデジタルカメラの前後方向断面図である。直線Lは、光軸を示しており、直線Mは、マウント面を示している。
【0037】
本実施の形態に係るデジタルカメラ100は、いわゆる一眼レフ方式ではなく、光学ファインダーを備えない。そのため、デジタルカメラ100は、入射光を光学ファインダーと撮像素子のいずれに到達させるかを切り替える可動ミラーを含むミラーボックスを備えない。また、デジタルカメラ100は、可動ミラーで反射した入射光を光学ファインダーの接眼レンズに導くペンタプリズムまたはペンタミラーも備えない。デジタルカメラ100は、撮像素子156が生成した画像を背面に設けられた液晶モニター158に表示する。これによって、ユーザは、被写体像を液晶モニター158で視認して構図を決定することができる。なお、一眼レフ方式のデジタルカメラにおいて光学ファインダーが配置される位置に、撮像素子156が生成した画像を表示する電子ビューファインダーを備えても構わない。
【0038】
このように、デジタルカメラ100は、一眼レフ方式のデジタルカメラが備えるミラーボックス等の部品を備えないいわゆるミラーレスタイプの撮像装置であるため、特に光軸L方向の薄型化が実現される。一方、デジタルカメラ100の内部には、多くの部品が密集して配置されている。光軸Lに沿ってマウント105側から、シャッター153、超音波フィルター154、光学ローパスフィルター155、撮像素子156、メイン基板157が配される。また、デジタルカメラ100の背面には、液晶モニター158が配される。さらに、デジタルカメラ100の下部には、デジタルカメラ100を三脚に固定する際、三脚に設けられたネジを受ける三脚穴160が設けられている。
【0039】
マウント105は、レンズ98側のマウントと機械的・電気的に結合する。マウント105は、レンズ98をデジタルカメラ100に固定する。マウント105は、デジタルカメラ100からレンズ98への電力供給とレンズ98・デジタルカメラ100間の通信を実現する。超音波フィルター154は、振動幕とこれを駆動する圧電素子とから構成されている。圧電素子に所定の周波数の電圧を加えることで振動幕が振動する。もって、超音波フィルター154は、振動幕に付着した塵埃を除去することができる。光学ローパスフィルター155は、撮像素子156の分解能を超える空間周波数の入射光をカットするための光学フィルターである。撮像素子156には、CCDセンサーやCMOSセンサー等の個体撮像素子が用いられる。ただし、CCDセンサーやCMOSセンサー以外の個体撮像素子を利用してもよい。撮像素子156の前面には赤外線カットフィルターが配される。なお、超音波フィルター154、光学ローパスフィルター155、撮像素子156は、撮像素子ユニット500として一体に構成される場合も多い。
【0040】
閃光ユニット99の閃光部107に電気配線250を経由して電力を供給するコンデンサ109は、デジタルカメラ100の下部に配置されている。コンデンサ109は、マウント105の背後であって、超音波フィルター154、光学ローパスフィルター155、撮像素子156からなる撮像素子ユニット500の下方に配されている。これにより、デジタルカメラ100を小型化することができる。また、撮像素子ユニット500は、デジタルカメラ100を構成する部品の中でも、比較的発熱が大きい。撮像素子ユニット500で発生した熱は上昇する。本実施形態では、コンデンサ109は撮像素子ユニット500の下方に配置されているので、撮像素子ユニット500の熱のコンデンサ109への影響を低減できる。
【0041】
また、コンデンサ109は円筒状の形状を有し、その中心軸は、デジタルカメラ100の幅方向(デジタルカメラ100の上面の長手方向)と略並行である。蓄電手段としてのコンデンサ109は、電解コンデンサであるが、電気二重層コンデンサ等、その他の方式のコンデンサであっても構わない。また、コンデンサ以外の蓄電手段であってもよい。
【0042】
マウント105は、レンズ98を取り付けるため所定の直径が必要である。一方、撮像素子156は、35mmフルサイズ、APS−Cサイズ、4/3サイズ等が規格化されているが、その高さは、マウント105の直径を上回るものではない。したがって、マウント105の後方であって、超音波フィルター154、光学ローパスフィルター155、撮像素子156からなる撮像素子ユニット500の下方にはスペースが生じる。このスペースに円筒形状をなすコンデンサ109を配することで、デジタルカメラ100をコンパクトにまとめることができる。撮像素子156の撮像面は、高さ方向よりも幅方向の方が長いのが通例である。そのため、マウント105の後方においては、撮像素子156の左右のスペースよりも、撮像素子156の下方のスペースの方が大きくなりやすい。さらに、撮像素子ユニット500の左右には、後述するように多くの部品が配置される。したがって、コンデンサ109を、マウント105の後方で、かつ、撮像素子156の下方に配することは、デジタルカメラ100の小型化に大きく貢献する。
【0043】
なお、マウント105の後方であって、超音波フィルター154、光学ローパスフィルター155、撮像素子156からなる撮像素子ユニット500の上部にも同様の理由でスペースが生じる。
【0044】
図8は、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの分解斜視図である。デジタルカメラ100は、光学ユニット700、バッテリーユニット400、メイン基板157をフロントケース111とリアケース112で包み込むように構成される。デジタルカメラ100の上面は、トップケース113でカバーされる。
【0045】
光学ユニット700は、マウント105、シャッター153、撮像素子ユニット500で構成される。撮像素子ユニット500は、前述のように、超音波フィルター154、光学ローパスフィルター155、撮像素子156で構成される。撮像素子156の左側には、シャッター153を駆動するシャッター駆動部116が配置される。
【0046】
シャッター駆動部116は、駆動力を発生するモータ160と、モータ160で発生した駆動力をシャッター153の先幕及び後幕に伝達する動力伝達機構170とを備える。シャッター駆動部116は、撮像素子ユニット500の左側において大きなスペースを占める。
【0047】
バッテリーユニット400は、主にバッテリーケース117とコンデンサ109と三脚穴160で構成される。バッテリーケース117は、バッテリーに加えてメモリーカード等の記憶媒体をも収納することができる。このように、バッテリーユニット400の右側は、バッテリーケース117でほぼ占有されている。
【0048】
メイン基板157には、デジタルカメラ100の各部を制御するLSIや各種画像処理を行うLSI、バッテリーから供給される電源を制御するIC等が実装されている。また、メイン基板157の左側には、デジタルカメラ100と各種外部機器を接続するための端子群115が実装されている。端子群115は、例えば、パソコンに画像データを転送するためのUSB端子や大型テレビに画像を表示するためのHDMI端子、AV−OUT端子等である。端子群115は、端子カバー114によってカバーされている。
【0049】
トップケース113の左側には、詳述した閃光ユニット99が取り付けられている。閃光ユニット99は、その駆動機構も含め、デジタルカメラ100の下部に向かって延伸する形状となっている。
【0050】
以上述べたように、デジタルカメラ100内において撮像素子ユニット500の左側の空間は、シャッター駆動部116、端子群115、閃光ユニット99の延伸部99aによって占められている。一方、撮像素子ユニット500の右側の空間は、バッテリーケース117によって占有されている。このような状況であっても、本実施形態によれば、コンデンサ109をマウント105の後方でかつ撮像素子156の下方に配するので、シャッター駆動部116や閃光ユニット99の配置に影響を与えないで、コンデンサ109を配置することができる。このようにコンデンサ109を撮像素子156の下方に配することによって、デジタルカメラ100の小型化が実現される。
【0051】
また、撮像素子ユニット500は、デジタルカメラ100を構成する部品の中でも、比較的発熱が大きい。撮像素子ユニット500で発生した熱は上昇する。本実施形態では、コンデンサ109は撮像素子ユニット500の下方に配置されているので、撮像素子ユニット500の熱のコンデンサ109への影響を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、撮像装置を小型化することができ、デジタルカメラ等の撮像装置に広く適用可能、かつ有用である。
【符号の説明】
【0053】
99 閃光ユニット
100 デジタルカメラ
105 マウント
102 フラッシュ
109 コンデンサ
111 フロントケース
112 リアケース
113 トップカバー
114 端子カバー
115 端子群
116 シャッター駆動部
117 バッテリーケース
153 シャッター
154 超音波フィルター
155 光学ローパスフィルター
156 撮像素子
157 メイン基板
158 液晶モニター
160 三脚穴
400 バッテリーユニット
500 撮像素子ユニット
700 光学ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラーレスタイプの撮像装置であって、
レンズユニットを着脱可能なマウント手段と、
前記レンズユニットを介して入射した光から画像信号を生成する撮像手段と、
発光手段と、
前記発光手段に電力を供給する蓄電手段と、
を備え、
前記蓄電手段は、前記マウント手段の後方で、かつ、前記撮像手段の下方に配されている、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像手段は、光学ローパスフィルターを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像手段は、赤外線カットフィルターを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像手段は、塵埃除去手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記蓄電手段は、円筒型コンデンサである、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記円筒型コンデンサの中心軸が前記撮像装置の幅方向に略並行になるように、前記円筒型コンデンサが配される、
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記発光手段は、撮像装置本体から出没可能なポップアップ式の閃光ユニットである、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−65147(P2011−65147A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180369(P2010−180369)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】