説明

撮像装置

【課題】小型化が簡単な撮像装置を提供することを課題とする。
【解決手段】撮像装置1は、筐体2と、筐体2の内部に収容され熱源である撮像素子31を有する撮像素子基板30と、筐体2の外部に露出する撮像素子放熱部32と、を有し、撮像素子基板30の熱を撮像素子放熱部32に伝熱させることにより、撮像素子基板30を冷却する撮像素子冷却部3と、筐体2の内部に収容され熱源であるカメラ制御IC41を有するカメラ制御IC基板40と、筐体2の外部に露出するカメラ制御IC放熱部42と、を有し、カメラ制御IC基板40の熱をカメラ制御IC放熱部42に伝熱させることにより、カメラ制御IC基板40を冷却するカメラ制御IC冷却部4と、撮像素子冷却部3とカメラ制御IC冷却部4との間に介装され、撮像素子冷却部3とカメラ制御IC冷却部4との間の伝熱を抑制する断熱部50、51と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルカメラやビデオカメラなどの撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)基板と、メイン基板と、放熱板と、を備える撮像装置が開示されている。CMOS基板は、CMOSイメージセンサを備えている。CMOS基板とメイン基板とは、対向して平行に配置されている。放熱板は、CMOS基板とメイン基板との間を隔離している。特許文献1の撮像装置によると、CMOS基板の方がメイン基板よりも発熱量が大きい。特許文献1の撮像装置によると、空気中におけるCMOS基板からメイン基板への放射による伝熱を、放熱板により抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−93797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撮像装置の主な熱源は、CMOSイメージセンサなどの撮像素子を有する撮像素子基板、および撮像装置全体を制御するカメラ制御IC(Integrated Circuit)を有するカメラ制御IC基板である。
【0005】
撮像素子基板の許容温度と、カメラ制御IC基板の許容温度と、は同一ではない。しかしながら、特許文献1の撮像装置の場合、撮像素子基板(CMOS基板)とカメラ制御IC基板(メイン基板)とが隔離されているものの、両基板の熱は、最終的には金属製の筐体を介して外部に放出される。すなわち、両基板の熱は、金属製の筐体全体に均一に伝達されてしまう。
【0006】
この場合、例えば、カメラ制御IC基板の方が撮像素子基板よりも許容温度が高いにもかかわらず、筐体全体の温度を、撮像素子基板の許容温度を下回る温度にまで、低下させる必要がある。一般的に、撮像装置の冷却性能は、冷却構造の放熱部の表面積に依存している。このため、結果的に、撮像装置の体格が大型になってしまう。
【0007】
本発明の撮像装置は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、小型化が簡単な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明の撮像装置は、筐体と、該筐体の内部に収容され熱源である撮像素子を有する撮像素子基板と、該筐体の外部に露出する撮像素子放熱部と、を有し、該撮像素子基板の熱を該撮像素子放熱部に伝熱させることにより、該撮像素子基板を冷却する撮像素子冷却部と、該筐体の内部に収容され熱源であるカメラ制御ICを有するカメラ制御IC基板と、該筐体の外部に露出するカメラ制御IC放熱部と、を有し、該カメラ制御IC基板の熱を該カメラ制御IC放熱部に伝熱させることにより、該カメラ制御IC基板を冷却するカメラ制御IC冷却部と、該撮像素子冷却部と該カメラ制御IC冷却部との間に介装され、該撮像素子冷却部と該カメラ制御IC冷却部との間の伝熱を抑制する断熱部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
撮像素子冷却部は、撮像素子基板の熱を撮像素子放熱部に伝熱させる伝熱経路を有している。一方、カメラ制御IC冷却部は、カメラ制御IC基板の熱をカメラ制御IC放熱部に伝熱させる伝熱経路を有している。断熱部は、二つの伝熱経路を仕切るように配置されている。このため、本発明の撮像装置によると、撮像素子冷却部、カメラ制御IC冷却部の独立性を確保しやすい。したがって、撮像素子冷却部とカメラ制御IC冷却部との間で熱移動が生じるのを抑制することができる。
【0010】
図1(a)に、撮像素子基板の方がカメラ制御IC基板よりも許容温度が低い場合の従来の撮像装置の冷却効果の模式図を示す。図1(b)に、撮像素子基板の方がカメラ制御IC基板よりも許容温度が低い場合の本発明の撮像装置の冷却効果の模式図を示す。なお、図1(a)、図1(b)に示す模式図は、本発明の作用効果の一例を示すためのものであり、本発明の内容を何等限定するものではない。例えば、カメラ制御IC基板の方が撮像素子基板よりも許容温度が低い場合であっても、本発明の撮像装置は用いることができる。
【0011】
図1(a)、図1(b)に示すように、撮像素子基板の許容温度t1は、カメラ制御IC基板の許容温度t2よりも低い。また、使用前状態においては、撮像素子基板の温度、カメラ制御IC基板の温度は、共に温度T1である。
【0012】
図1(a)に示すように、撮像装置の冷却構造は、使用中状態において制御素子基板の温度T2が許容温度t1を下回るように、設計されている。しかしながら、従来の撮像装置の場合、カメラ制御IC基板および撮像素子基板の熱は、筐体全体に均一に伝達される。このため、撮像素子基板の温度のみならず、カメラ制御IC基板の温度も、温度T2になってしまう。すなわち、本来許容温度t2まで耐えられるカメラ制御IC基板が、過剰に冷却されてしまう。このことは、過剰冷却分だけ、冷却構造、延いては撮像装置が不要に大型化されていることを意味する。
【0013】
これに対して、本発明の撮像装置の場合、上述したように、撮像素子冷却部、カメラ制御IC冷却部の独立性を確保しやすい。このため、図1(b)に示すように、撮像素子基板の温度T2が許容温度t1を下回るように、カメラ制御IC基板の温度T3が許容温度t2を下回るように、各々独立して、撮像素子冷却部、カメラ制御IC冷却部を設計することができる。したがって、図1(b)に示すΔT(=T3−T2)分だけ、カメラ制御IC基板が過剰に冷却されるおそれが小さい。よって、撮像装置を簡単に小型化することができる。
【0014】
また、本発明の撮像装置によると、撮像素子の消費電力が大きい場合、つまり撮像素子の発熱量が大きい場合であっても、撮像素子冷却部、カメラ制御IC冷却部の独立性を確保しやすいため、撮像素子基板だけを重点的に冷却しやすい。このため、撮像装置の高画質化(例えば画素数増加、画素大型化など)に対応しやすい。
【0015】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記撮像素子放熱部の表面積は、前記カメラ制御IC放熱部の表面積よりも大きく、前記断熱部は、該カメラ制御IC放熱部の周囲に配置される構成とする方がよい。
【0016】
本構成によると、断熱部が、小さい方の放熱部(カメラ制御IC放熱部)の周囲に配置されている。このため、撮像素子冷却部とカメラ制御IC冷却部とを、断熱部により仕切りやすい。
【0017】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記撮像素子基板の延在方向と、前記カメラ制御IC基板の延在方向と、は互いに交差する構成とする方がよい。本構成によると、例えば特許文献1の撮像装置のように二つの基板が対向して平行に配置されている場合と比較して、撮像素子基板の放射熱(輻射熱)と、カメラ制御IC基板の放射熱と、が互いに相手側の基板に伝達されにくい。
【0018】
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記撮像素子冷却部は、前記撮像素子基板に積層され、該撮像素子基板の熱を前記撮像素子放熱部に誘導する撮像素子伝熱シートを有し、前記カメラ制御IC冷却部は、前記カメラ制御IC基板に積層され、該カメラ制御IC基板の熱を前記カメラ制御IC放熱部に誘導するカメラ制御IC伝熱シートを有する構成とする方がよい。
【0019】
本構成によると、撮像素子冷却部の伝熱方向を撮像素子伝熱シートにより誘導することができる。また、カメラ制御IC冷却部の伝熱方向をカメラ制御IC伝熱シートにより誘導することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、小型化が簡単な撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は撮像素子基板の方がカメラ制御IC基板よりも許容温度が低い場合の従来の撮像装置の冷却効果の模式図である。(b)は撮像素子基板の方がカメラ制御IC基板よりも許容温度が低い場合の本発明の撮像装置の冷却効果の模式図である。
【図2】本発明の一実施形態の撮像装置の斜視図である。
【図3】図2のIII−III方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の撮像装置の実施の形態について説明する。
【0023】
<撮像装置の構成>
まず、本実施形態の撮像装置の構成について説明する。図2に、本実施形態の撮像装置の斜視図を示す。図3に、図2のIII−III方向断面図を示す。図2、図3に示すように、本実施形態の撮像装置1は、主に、筐体2と、撮像素子冷却部3と、カメラ制御IC冷却部4と、断熱部50、51と、レンズ6と、を備えている。
【0024】
筐体2は、金属製であって、撮像装置1の外殻を形成している。筐体2は、上壁部20と、上側壁部21と、下側壁部22と、下壁部23と、前壁部24と、を備えている。上壁部20は、平板状を呈している。上壁部20には、撮像孔200が開設されている。撮像孔200を介して、後述する撮像素子31により、被写体(図略)が撮像される。上側壁部21は、角筒状を呈している。上側壁部21は、上壁部20の下方に連なっている。上側壁部21の内部には、後述する撮像素子基板30が収容されている。下側壁部22は、前方に開口するC字筒状を呈している。下側壁部22は、上側壁部21の下方に連なっている。下側壁部22の左右両壁には後述する一対の撮像素子放熱部33が、後壁には後述する撮像素子放熱部32が、各々配置されている。前壁部24は、平板状(立壁状)を呈している。前壁部24は、下側壁部22の前方開口を塞いでいる。図2にハッチングで示すように、前壁部24と上側壁部21とは、後述する断熱部50により仕切られている。また、前壁部24と下側壁部22とは、後述する断熱部51により仕切られている。前壁部24には後述するカメラ制御IC放熱部42が配置されている。下壁部23は、平板状を呈している。下壁部23は、下側壁部22の下方に連なっている。レンズ6は、上壁部20の撮像孔200に嵌め込まれている。
【0025】
撮像素子冷却部3は、撮像素子基板30と、後方の撮像素子放熱部32と、左右一対の撮像素子放熱部33と、撮像素子伝熱シート34と、を備えている。撮像素子基板30は、撮像素子31を有している。撮像素子31は、レンズ6の下方(筐体2の内側)に配置されている。撮像素子31は、CMOSイメージセンサである。撮像素子基板30は、前後方向に延在する平板状を呈している。撮像素子31は、撮像素子基板30の上面に装着されている。撮像素子基板30は、撮像素子31を制御している。撮像素子伝熱シート34は、シリコーン製であって、薄膜状を呈している。撮像素子伝熱シート34は、撮像素子基板30の下面に積層されている。後方の撮像素子放熱部32は、筐体2の下側壁部22の後壁に配置されている。撮像素子放熱部32は、多数の放熱フィン320を備えている。多数の放熱フィン320は、各々上下方向に延在している。多数の放熱フィン320は、左右方向に並んでいる。左右一対の撮像素子放熱部33は、筐体2の下側壁部22の左右両壁に配置されている。撮像素子放熱部33は、多数の放熱フィン330を備えている。多数の放熱フィン330は、各々上下方向に延在している。多数の放熱フィン330は、前後方向に並んでいる。図3に太線で示すように、撮像素子伝熱経路L1は、撮像素子基板30と撮像素子放熱部32、33とを繋いでいる。撮像素子伝熱経路L1のうち、撮像素子伝熱シート34と撮像素子放熱部32、33との間には、筐体2の上側壁部21および下側壁部22が介在している。すなわち、撮像素子31の熱は、筐体2の上側壁部21および下側壁部22を経由して、撮像素子放熱部32、33に伝達される。上側壁部21および下側壁部22は、撮像素子冷却部3の一部を構成している。
【0026】
カメラ制御IC冷却部4は、カメラ制御IC基板40と、カメラ制御IC放熱部42と、カメラ制御IC伝熱シート44と、を備えている。筐体2の前壁部24の後面(内面)からは、後方に向かって、ボス部240が突設されている。ボス部240に螺合されるスクリュー90により、カメラ制御IC基板40は固定されている。カメラ制御IC基板40は、上下方向に延在している。カメラ制御IC基板40と撮像素子基板30とは、配線91、92を介して、電気的に接続されている。カメラ制御IC基板40は、カメラ制御IC41を有している。カメラ制御IC41は、カメラ制御IC基板40の前面に配置されている。カメラ制御IC41は、撮像装置1全体を統合的に制御している。カメラ制御IC伝熱シート44は、シリコーン製であって、薄膜状を呈している。カメラ制御IC伝熱シート44は、カメラ制御IC41の前面に積層されている。カメラ制御IC伝熱シート44の前面は、筐体2の前壁部24の後面に全面的に接触している。カメラ制御IC放熱部42は、前壁部24の前面に配置されている。カメラ制御IC放熱部42は、多数の放熱フィン420を備えている。多数の放熱フィン420は、各々上下方向に延在している。多数の放熱フィン420は、左右方向に並んでいる。図3に太線で示すように、カメラ制御IC伝熱経路L2は、カメラ制御IC基板40とカメラ制御IC放熱部42とを繋いでいる。カメラ制御IC伝熱経路L2のうち、カメラ制御IC伝熱シート44とカメラ制御IC放熱部42との間には、筐体2の前壁部24が介在している。すなわち、カメラ制御IC41の熱は、筐体2の前壁部24を経由して、カメラ制御IC放熱部42に伝達される。前壁部24は、カメラ制御IC冷却部4の一部を構成している。
【0027】
断熱部50は、樹脂製であって平板状を呈している。図2に示すように、断熱部50は、筐体2の上側壁部21と前壁部24とを遮断している。言い換えると、断熱部50は、撮像素子冷却部3(撮像素子伝熱経路L1)と、カメラ制御IC冷却部4(カメラ制御IC伝熱経路L2)と、を遮断している。
【0028】
左右一対の断熱部51は、各々、樹脂製であって平板状を呈している。図2に示すように、断熱部51は、筐体2の下側壁部22と前壁部24とを遮断している。言い換えると、断熱部51は、撮像素子冷却部3(撮像素子伝熱経路L1)と、カメラ制御IC冷却部4(カメラ制御IC伝熱経路L2)と、を遮断している。
【0029】
<撮像装置の動き>
次に、本実施形態の撮像装置1の動きについて説明する。援用する図1(b)に示すように、使用前状態においては、撮像素子基板30の温度、カメラ制御IC基板40の温度は、共に温度T1である。
【0030】
使用中状態においては、熱源である撮像素子31の発熱により、撮像素子基板30の温度は上昇する。しかしながら、撮像素子31の熱は、撮像素子冷却部3(撮像素子伝熱経路L1)を介して、後方の撮像素子放熱部32、左右一対の撮像素子放熱部33から放熱される。このため、撮像素子基板30の温度T2を許容温度t1以下に制御することができる。
【0031】
同様に、使用中状態においては、熱源であるカメラ制御IC41の発熱により、カメラ制御IC基板40の温度は上昇する。しかしながら、カメラ制御IC41の熱は、カメラ制御IC冷却部4(カメラ制御IC伝熱経路L2)を介して、カメラ制御IC放熱部42から放熱される。このため、カメラ制御IC基板40の温度T3を許容温度t2以下に制御することができる。
【0032】
また、断熱部50は、筐体2の上側壁部21と前壁部24とを遮断している。並びに、断熱部51は、筐体2の下側壁部22と前壁部24とを遮断している。このため、撮像素子冷却部3(撮像素子伝熱経路L1)とカメラ制御IC冷却部4(カメラ制御IC伝熱経路L2)との間で、高温側から低温側に熱が移動しにくい。
【0033】
<作用効果>
次に、本実施形態の撮像装置1の作用効果について説明する。本実施形態の撮像装置1によると、図3に示すように、断熱部50は、撮像素子冷却部3(撮像素子伝熱経路L1)とカメラ制御IC冷却部4(カメラ制御IC伝熱経路L2)とが最も接近している部分において、二つの伝熱経路を仕切っている。このため、本実施形態の撮像装置1によると、撮像素子冷却部3、カメラ制御IC冷却部4の独立性を確保しやすい。したがって、撮像素子冷却部3とカメラ制御IC冷却部4との間で熱移動が生じるのを抑制することができる。よって、図1(b)に示すように、撮像素子基板30の温度T2が許容温度t1を下回るように、カメラ制御IC基板40の温度T3が許容温度t2を下回るように、各々独立して、撮像素子冷却部3、カメラ制御IC冷却部4を設計することができる。このため、撮像装置1を簡単に小型化することができる。
【0034】
また、本実施形態の撮像装置1によると、図3に示す撮像素子31の消費電力が大きい場合、つまり撮像素子31の発熱量が大きい場合であっても、撮像素子冷却部3、カメラ制御IC冷却部4の独立性を確保しやすいため、撮像素子基板30だけを重点的に冷却しやすい。このため、撮像装置1の高画質化(例えば画素数増加、画素大型化など)に対応しやすい。
【0035】
また、本実施形態の撮像装置1によると、図2、図3に示すように、撮像素子放熱部(撮像素子放熱部32および一対の撮像素子放熱部33)よりも小さいカメラ制御IC放熱部42の周囲に、断熱部50、51が配置されている。このため、撮像素子冷却部3、カメラ制御IC冷却部4の独立性をさらに確保しやすい。
【0036】
また、本実施形態の撮像装置1によると、図3に示すように、撮像素子基板30の延在方向(前後方向)と、カメラ制御IC基板40の延在方向(上下方向)と、が直交している。このため、撮像素子基板30の放射熱と、カメラ制御IC基板40の放射熱と、が互いに相手側の基板に伝達されにくい。
【0037】
また、本実施形態の撮像装置1によると、図3に示すように、撮像素子伝熱シート34が撮像素子基板30に積層されている。このため、撮像素子冷却部3の伝熱方向を撮像素子伝熱シート34により誘導することができる。
【0038】
また、本実施形態の撮像装置1によると、図3に示すように、カメラ制御IC伝熱シート44がカメラ制御IC41に積層されている。このため、カメラ制御IC冷却部4の伝熱方向をカメラ制御IC伝熱シート44により誘導することができる。
【0039】
<その他>
以上、本発明の撮像装置の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0040】
撮像素子伝熱シート34、カメラ制御IC伝熱シート44の材質は特に限定しない。例えば、シリコーン、グラファイトなどを用いてもよい。好ましくは、撮像素子基板30やカメラ制御IC基板40の基板本体を形成する材料よりも、熱伝導率が大きい材料製である方がよい。
【0041】
断熱部50、51の材質は特に限定しない。例えば、樹脂、エポキシガラスなどを用いてもよい。好ましくは、筐体2、撮像素子冷却部3、カメラ制御IC冷却部4を形成する材料よりも、熱伝導率が小さい材料製である方がよい。
【0042】
また、断熱部50、51は、気体であってもよい。例えば、断熱部50、51の一部に、孔や凹部を形成してもよい。また、断熱部50、51全体を空気層としてもよい。すなわち、上側壁部21とカメラ制御IC放熱部42とを、互いに離間して配置してもよい。また、撮像素子放熱部33とカメラ制御IC放熱部42とを、互いに離間して配置してもよい。
【0043】
筐体2、撮像素子放熱部32、33、カメラ制御IC放熱部42の材質は特に限定しない。好ましくは、アルミニウム、銅などの金属など、熱伝導率が大きい材料製である方がよい。
【0044】
図3に示す筐体2の下壁部23の代わりに、断熱部を配置してもよい。こうすると、前壁部24つまりカメラ制御IC冷却部4(カメラ制御IC伝熱経路L2)を、撮像素子冷却部3(撮像素子伝熱経路L1)から、完全に隔離することができる。このため、さらにカメラ制御IC冷却部4と撮像素子冷却部3との間で熱が移動しにくくなる。
【0045】
また、上記実施形態においては、撮像素子31としてCMOSイメージセンサを用いたが、CCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサを用いてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1:撮像装置、2:筐体、3:撮像素子冷却部、4:カメラ制御IC冷却部、6:レンズ、10:解析サンプル。
20:上壁部、21:上側壁部、22:下側壁部、23:下壁部、24:前壁部、30:撮像素子基板、31:撮像素子、32:撮像素子放熱部、33:撮像素子放熱部、34:撮像素子伝熱シート、40:カメラ制御IC基板、41:カメラ制御IC、42:カメラ制御IC放熱部、44:カメラ制御IC伝熱シート、50:断熱部、51:断熱部、90:スクリュー、91:配線、92:配線、100:発熱部、101:平板部、102:放熱フィン。
200:撮像孔、240:ボス部、320:放熱フィン、330:放熱フィン、420:放熱フィン、L1:撮像素子伝熱経路、L2:カメラ制御IC伝熱経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
該筐体の内部に収容され熱源である撮像素子を有する撮像素子基板と、該筐体の外部に露出する撮像素子放熱部と、を有し、該撮像素子基板の熱を該撮像素子放熱部に伝熱させることにより、該撮像素子基板を冷却する撮像素子冷却部と、
該筐体の内部に収容され熱源であるカメラ制御ICを有するカメラ制御IC基板と、該筐体の外部に露出するカメラ制御IC放熱部と、を有し、該カメラ制御IC基板の熱を該カメラ制御IC放熱部に伝熱させることにより、該カメラ制御IC基板を冷却するカメラ制御IC冷却部と、
該撮像素子冷却部と該カメラ制御IC冷却部との間に介装され、該撮像素子冷却部と該カメラ制御IC冷却部との間の伝熱を抑制する断熱部と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記撮像素子放熱部の表面積は、前記カメラ制御IC放熱部の表面積よりも大きく、前記断熱部は、該カメラ制御IC放熱部の周囲に配置される請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像素子基板の延在方向と、前記カメラ制御IC基板の延在方向と、は互いに交差する請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子冷却部は、前記撮像素子基板に積層され、該撮像素子基板の熱を前記撮像素子放熱部に誘導する撮像素子伝熱シートを有し、
前記カメラ制御IC冷却部は、前記カメラ制御IC基板に積層され、該カメラ制御IC基板の熱を前記カメラ制御IC放熱部に誘導するカメラ制御IC伝熱シートを有する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−244016(P2012−244016A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114121(P2011−114121)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】