説明

撮像装置

【課題】被撮像物が厚い書籍であっても綴じ部近辺の像が歪まない小型の撮像装置を提供する。特に、薄い撮像装置を提供する。さらには、小型化により撮像装置の可搬性を向上させる。
【解決手段】撮像面が両面に配された撮像装置を提供する。好ましくは、発光素子及び受光素子などの撮像装置を構成する素子は、すべて一の基板上に配する。換言すると、第1の撮像面と、前記第1の撮像面の逆を向いた第2の撮像面と、を有する撮像装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書などで開示する発明は撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置とその周辺技術の発達により、撮像装置も高機能化、小型化が進んでいる。撮像装置の応用例の一として、複写機が挙げられる。広く普及している従来の複写機では、被撮像物を複写機のプラテンガラス上に置いて被撮像物を撮像する。しかし、このような構成の複写機では、厚い書籍を撮像するとページの綴じ部近辺が大きく湾曲してプラテンガラスに密着せず、この部分の像が歪み、または撮像できないことがあるという問題があった。また、書籍自体を痛めるおそれもある。特許文献1に開示される発明では、プラテンガラス部分の断面を略V字状とすることでこの問題を解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−169270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一態様は、被撮像物が厚い書籍であっても綴じ部近辺の像が歪まない小型の撮像装置を提供することを課題とする。特に、薄い撮像装置を提供することを課題とする。さらには、本発明の一態様は、小型化により撮像装置の可搬性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、撮像面が両面に配された撮像装置である。本発明の一態様において、好ましくは、撮像装置を構成する素子(発光素子及び受光素子)はすべて一の基板上に配する。
【0006】
本発明の一態様は、一主表面上に少なくとも発光素子と受光素子が設けられた第1の基板と、一主表面が第1の基板の一主表面と対向する第2の基板と、を有し、第2の基板の一主表面と逆の面が第1の撮像面であり、第1の基板の一主表面と逆の面が第2の撮像面であり、発光素子と受光素子が有する層の一部は同一の層により設けられている撮像装置である。
【0007】
本発明の一態様は、第1の遮光膜上に設けられた第1の発光素子から発せられた光を第1の撮像面と対向する第1の被撮像物に照射する構成と、第1の被撮像物で反射した光を第1の遮光膜上に設けられた第1の受光素子により検出する構成と、第2の遮光膜下に設けられた第2の発光素子から発せられた光を第2の撮像面と対向する第2の被撮像物に照射する構成と、第2の被撮像物で反射した光を第2の遮光膜下に設けられた第2の受光素子により検出する構成と、を有する上記構成の撮像装置である。
【0008】
本発明の一態様は、第1の発光素子から発せられた光を第1の撮像面と対向する第1の被撮像物に照射する構成と、第1の被撮像物で反射した光を第1の受光素子により検出する構成と、第2の発光素子から発せられた光を第2の撮像面と対向する第2の被撮像物に照射する構成と、第2の被撮像物で反射した光を第2の受光素子により検出する構成と、を有し、第1の受光素子は、前記第2の被撮像物で反射した光も検出する上記構成の撮像装置である。
【0009】
本発明の一態様は、第1の発光素子から発せられた光を第1の撮像面と対向する第1の被撮像物に照射する構成と、第1の被撮像物で反射した光を第1の受光素子により検出する構成と、第2の発光素子から発せられた光を第2の撮像面と対向する第2の被撮像物に照射する構成と、第1の被撮像物で反射した光及び第2の被撮像物で反射した光の双方を第2の受光素子により検出する構成と、を有し、第1の受光素子は、第2の被撮像物で反射した光も検出する上記構成の撮像装置である。
【0010】
本発明の一態様は、第1の遮光膜上に設けられた第1の発光素子から発せられた光を第1の撮像面と対向する第1の被撮像物に照射する構成を有し、第2の遮光膜下に設けられた第2の発光素子から発せられた光を第2の撮像面と対向する第2の被撮像物に照射する構成を有し、第1の被撮像物で反射した光及び第2の被撮像物で反射した光の双方を1つの受光素子により検出する上記構成の撮像装置である。
【0011】
本発明の一態様は、発光素子から発せられた光が第1の撮像面及び第2の撮像面の双方から第1の被撮像物及び第2の被撮像物に照射される構成と、第1の被撮像物で反射した光を第1の遮光膜上に設けられた第1の受光素子により検出する構成と、第2の被撮像物で反射した光を第2の遮光膜下に設けられた第2の受光素子により検出する構成と、を有する上記構成の撮像装置である。
【0012】
本発明の一態様は、発光素子から発せられた光が第1の撮像面及び第2の撮像面の双方から第1の被撮像物及び第2の被撮像物に照射される構成と、第1の被撮像物で反射した光及び第2の被撮像物で反射した光を第1の受光素子により検出する構成と、第2の被撮像物で反射した光を第2の受光素子により検出する構成と、を有する上記構成の撮像装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様により、撮像装置を小型化することができる。特に、撮像装置を構成するすべての素子(発光素子及び受光素子)に含まれる層の一部が同一の層により構成されているため、薄くすることができる。さらには、撮像装置の可搬性を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一態様である撮像装置の使用例。
【図2】本発明の一態様である撮像装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図4】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図5】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図6】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図7】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図8】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図9】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図10】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図11】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図12】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【図13】本発明の一態様である撮像装置の画素の断面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態の一例について、図面を参照して以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではないとする。なお、説明中に図面を参照するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。また、同様のものを指す際には同じハッチパターンを使用し、特に符号を付さない場合がある。
【0016】
なお、説明に用いる図面は模式図であり、必ずしもこのような寸法に限定されるわけではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一態様である撮像装置とその使用例を説明する図である。撮像装置100の撮像面は両面に配されている。すなわち、撮像装置100は、第1の撮像面(図1における撮像装置100の表面)と、当該第1の撮像面の逆を向いた第2の撮像面(図1における撮像装置100の裏面)と、を有する。撮像装置100の撮像面は両面に配されているため、撮像装置100を書籍110の所望のページに挟むと、二つの面を一度に撮像することができる。なお、ここで書籍110としては厚い書籍を例示しているが、これに限定されない。書籍110が薄い書籍である場合であっても、撮像装置100を書籍110の所望のページに挟むと、二つの面を一度に撮像することができる。
【0018】
図2は、撮像装置100の構成の一例についてのブロック図を示す。撮像装置100は、撮像領域120と、第1の駆動回路122と、読み取り回路124と、第2の駆動回路126と、を有する。
【0019】
第1の駆動回路122及び第2の駆動回路126は、撮像領域120に送る信号を制御する。読み取り回路124は、撮像領域120において受光素子の受光により検知したデータを読み取る回路である。第1の駆動回路122、読み取り回路124及び第2の駆動回路126は、外部回路に接続されている。
【0020】
撮像領域120は、画素130がマトリクス状に配列されている。画素130は、第1の発光素子132、第1の受光素子134、第2の発光素子136、第2の受光素子138、第1の遮光膜140及び第2の遮光膜142を有する。
【0021】
第1の遮光膜140は、第1の発光素子132及び第1の受光素子134の下(紙面奥側)に設けられている。第2の遮光膜142は、第2の発光素子136及び第2の受光素子138の上(紙面手前側)に設けられている。そのため、第1の発光素子132からの光は上(紙面手前側)に、第2の発光素子136の光は下(紙面奥側)に照射される。そして、第1の受光素子134は上(紙面手前側)からの光を検知し、第2の受光素子138は下(紙面奥側)からの光を検知する。
【0022】
撮像装置100を図2に示す構成とすることで、上(紙面手前側)と下(紙面奥側)の双方に光を照射することができ、双方からの受光が可能である。そのため両面撮像が可能である。
【0023】
なお、本発明の一態様において、好ましくは、撮像装置100を構成する発光素子及び受光素子はすべて一の基板上に配する。以下、一の基板上に撮像装置100を構成する発光素子及び受光素子のすべてが設けられている形態について説明する。
【0024】
図3は、基板200上に撮像装置を構成する発光素子及び受光素子のすべてが設けられている形態である。発光素子は、封止基板202により封止されている。図3に示す形態の撮像装置は、第1の遮光膜204上に設けられた第1の発光素子206から発せられた光を第1の撮像面と対向する第1の被撮像物226に照射する構成と、第1の被撮像物226で反射した光を第1の遮光膜204上に設けられた第1の受光素子208により検出する構成と、第2の遮光膜210下に設けられた第2の発光素子214から発せられた光を第2の撮像面と対向する第2の被撮像物228に照射する構成と、第2の被撮像物228で反射した光を第3の遮光膜224に重なって設けられた第2の受光素子212により検出する構成と、を有する。
【0025】
なお、図3における第1の発光素子206は、図2における第1の発光素子132に相当する。図3における第1の受光素子208は、図2における第1の受光素子134に相当する。図3における第2の発光素子214は、図2における第2の発光素子136に相当する。図3における第2の受光素子212は、図2における第2の受光素子138に相当する。図3における第1の遮光膜204は、図2における第1の遮光膜140に相当する。図3における第2の遮光膜210は、図2における第2の遮光膜142に相当する。
【0026】
図3に示す撮像装置の動作を説明する。第1の発光素子206から発せられた光は、第1の被撮像物226に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208に受光される。第1の受光素子208で受光された光により第1の被撮像物226が撮像される。第2の発光素子214から発せられた光は、第2の被撮像物228に照射されて一部が反射し、この反射光が第2の受光素子212に受光される。第2の受光素子212で受光された光により第2の被撮像物228が撮像される。
【0027】
図3に示す撮像装置は、第1の被撮像物226の撮像と第2の被撮像物228の撮像を独立に行うことができる。また、レイアウトの自由度が高い。また、第1の被撮像物226の撮像及び第2の被撮像物228の撮像の双方を同時に行う場合のみならず、第1の被撮像物226及び第2の被撮像物228の一方のみの撮像も可能である。
【0028】
基板200は、少なくとも透光性を有する基板であればよく、特定のものに限定されない。基板200としては、ガラス基板、石英基板またはプラスチック基板などを例示列挙することができる。なお、封止基板202は、基板200と同様のものを用いることができる。
【0029】
第1の遮光膜204及び第2の遮光膜210は、遮光性を有する材料により形成すればよい。遮光性を有する材料としては、例えば、金属が挙げられ、好ましくはクロムまたは酸化クロムなどを用いる。または、黒色樹脂などの遮光性を有する材料を用いてもよい。好ましくは、第1の遮光膜204をクロムまたは酸化クロムなどにより形成し、第2の遮光膜210を黒色樹脂などの遮光性を有する材料により形成する。
【0030】
第1の発光素子206は、第1のトランジスタ216及び第1の発光部218を有するトップエミッション型の発光素子である。第2の発光素子214は、第2のトランジスタ220及び第2の発光部222を有するボトムエミッション型の発光素子である。
【0031】
第1のトランジスタ216及び第2のトランジスタ220は、第1の発光素子206若しくは第2の発光素子214の発光/非発光を制御し、または第1の発光素子206の第1の発光部218若しくは第2の発光素子214の第2の発光部222に流れる電流量を制御する。
【0032】
第1のトランジスタ216及び第2のトランジスタ220の構成は特に限定されず、これらのトランジスタが有する半導体層は単結晶半導体でもよいし、多結晶半導体でもよいし、非晶質半導体でもよい。また、これらのトランジスタが有する半導体層を構成する材料は、シリコンでもよいし、ゲルマニウムでもよいし、シリコンゲルマニウムでもよいし、酸化物半導体でもよい。好ましくは単結晶半導体を用いる。最も好ましくは、単結晶シリコンを用いる。
【0033】
単結晶半導体層の作製方法の一例について説明する。
【0034】
まず、単結晶の半導体基板に、イオンビームを注入し、半導体基板の表面から所定の深さの部分を局所的に脆化させた層(脆化層)を形成する。脆化層が形成される部分の深さは、イオンビームの加速エネルギーと入射角で決まる。
【0035】
次に、脆化層が設けられた半導体基板の表面と、絶縁膜が設けられた基板200の絶縁膜の表面を貼り合わせて接合させる。接合は、半導体基板と基板200の接合面に対して垂直な方向に、概ね1N/cm以上500N/cm以下、好ましくは11N/cm以上20N/cm以下の圧力を加えることにより行うことができる。
【0036】
その後、脆化層の複数の微小ボイドが結合する温度以上基板200の歪み点未満の温度で加熱処理を行う。該加熱処理により脆化層の複数の微小ボイドが結合し、脆化層において半導体基板の一部が半導体基板から分離し、単結晶半導体膜が形成される。その後、該単結晶半導体膜を加工することで単結晶半導体層が形成される。
【0037】
第1の発光部218及び第2の発光部222は、陽極と陰極によりEL層が挟まれた構成を有する。
【0038】
陽極は、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物などにより設けられた電極である。このような材料としては、酸化インジウム−酸化スズ、シリコン若しくは酸化シリコンを含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステンと酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどを例示することができる。または、Au、Pt、Ni、W、Cr、Mo、Fe、Co、Cu、Pd、Tiまたはこれらの窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。陽極は、これらの膜をスパッタリング法などにより形成した後に加工を行うことで形成すればよい。
【0039】
なお、陽極の一部のみを透明導電性材料により櫛形形状として形成し、他の部分に反射電極を設けて、これらが相互に噛み合うように設けられていてもよい。
【0040】
EL層を形成する材料及び方法などは特に限定されず、公知の物質を用いることができ、低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもできる。ただし、発光した光をもとにして撮像を行うため、EL層が白色光を発光可能な構成であることが好ましい。EL層は、正孔注入層と、正孔注入層上に設けられた正孔輸送層と、正孔輸送層上に設けられた発光層と、発光層上に設けられた電子輸送層と、電子輸送層上に設けられた電子注入層と、を有する。
【0041】
正孔注入層には、低分子系化合物及び高分子系化合物のどちらも用いることができる。低分子系化合物としては、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)などを用いることができる。
【0042】
また、高分子系化合物としては、オリゴマー、デンドリマーまたはポリマーなどを用いることができる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を用いることができる。
【0043】
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質(正孔移動度が10−6cm/Vs以上であることが好ましい)を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、NPB、TPD、BPAFLP、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層で形成してもよいし、上記物質からなる層が二層以上積層して形成されていてもよい。
【0044】
また、正孔輸送層には、CBP、CzPA、PCzPAのようなカルバゾール誘導体や、t−BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いてもよい。
【0045】
また、正孔輸送層には、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
【0046】
発光層は、発光物質を含む層である。発光物質としては、例えば、蛍光を発光する蛍光性化合物やリン光を発光するリン光性化合物を用いることができる。発光層に用いることができる蛍光性物質としては、例えば、青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
【0047】
また、発光層に用いることができるリン光性化合物としては、例えば、緑色系の発光材料として、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac)))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)−5−メチルピラジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{2−(4−メトキシフェニル)−3,5−ジメチルピラジナト}イリジウム(III)(略称:Ir(dmmoppr)2(acac))などが挙げられる。また、橙色系の発光材料として、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)2(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、(ジピバロイルメタナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)などの有機金属錯体が挙げられる。また、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))などの希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、リン光性化合物として用いることができる。
【0048】
また、発光物質として高分子化合物を用いてもよい。具体的には、青色系の発光材料として、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:PFO)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。また、橙色〜赤色系の発光材料として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
【0049】
また、発光性の有機化合物を含む層を複数設け、それぞれの層の発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、発光性の有機化合物を含む層を2つ有する発光素子において、第1の発光性の有機化合物を含む層の発光色と第2の発光性の有機化合物を含む層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることが可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質からの光を混合すると、白色発光を得ることができる。また、発光性の有機化合物を含む層を3つ以上有する発光素子の場合でも同様である。
【0050】
電子輸送層は、電子輸送性の高い(好ましくは電子移動度が10−6cm/Vs以上の)物質を含む層である。電子輸送性の高い物質としては、Alq3、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、BAlq、Zn(BOX)2、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。また、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジン−ジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物が挙げられる。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記物質以外のものを電子輸送層の材料として用いてもよい。
【0051】
また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0052】
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム、セシウム、カルシウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム若しくは酸化リチウムなどのようなアルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウムのような希土類金属化合物を用いてもよい。または、電子輸送層を構成する物質を用いてもよい。
【0053】
陰極は、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物などを用いることができる。このような材料としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわち、LiやCsなどのアルカリ金属、Mg、Ca、Srなどのアルカリ土類金属、これらを含む合金であるMgAg、AlLi、及びEu、Ybなどの希土類金属並びにこれらを含む合金などが挙げられる。
【0054】
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法またはスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いてもよい。
【0055】
なお、EL層では、少なくとも正孔注入層と発光層が設けられていればよく、電子注入層、電子輸送層及び正孔輸送層が設けられていなくてもよい。
【0056】
第1の受光素子208及び第2の受光素子212は、一の半導体層にp型領域、i型領域及びn型領域が設けられた横接合型でもよいし、p型半導体層、i型半導体層及びn型半導体層がこの順に積層された積層型(縦型)でもよいが、好ましくは、図示するように横接合型である。また、第1の受光素子208及び第2の受光素子212は、一の半導体層にp型領域及びn型領域が設けられた横接合型のPN素子、または、p型半導体層及びn型半導体層が積層された積層型のPN素子でもよい。
【0057】
第1の受光素子208及び第2の受光素子212が有する半導体層は単結晶半導体でもよいし、多結晶半導体でもよいし、非晶質半導体でもよい。また、これらの受光素子が有する半導体層を構成する材料は、シリコンでもよいし、ゲルマニウムでもよいし、シリコンゲルマニウムでもよい。好ましくは単結晶半導体を用いる。最も好ましくは、単結晶シリコンを用いる。単結晶半導体、より好ましくは単結晶シリコンを用いることで、撮像装置100を制御する回路も基板200上に形成することができる。
【0058】
なお、多結晶半導体を用いる場合には、非晶質半導体を形成した後にレーザー結晶化法を用いて結晶化してもよいし、熱結晶化法を用いて結晶化してもよい。
【0059】
ここで、第1の受光素子208及び第2の受光素子212が、単結晶シリコンを用いた横接合型である場合について説明する。
【0060】
i型領域は、一導電性を付与する元素が1×1020cm−3以下(SIMS検出値)であり、且つ光伝導度が暗伝導度の100倍以上である領域である。すなわち、i型領域は、一導電性を付与する不純物元素が意図的に添加されていない領域である。ただし、第1の受光素子208及び第2の受光素子212をトランジスタと同時に形成する場合に、該トランジスタの半導体層に対して行うチャネルドープにより添加されるp型を付与する不純物元素は、含まれていてもよい。
【0061】
なお、第1の受光素子208のp型領域とn型領域の間隔(i型領域の長さに相当)及び第2の受光素子212のp型領域とn型領域の間隔(i型領域の長さに相当)は、図面では異なるサイズとしているが、第1の受光素子208のp型領域とn型領域の間隔(i型領域の長さに相当)と第2の受光素子212のp型領域とn型領域の間隔(i型領域の長さに相当)は、等しくすることが好ましい。
【0062】
なお、第1のトランジスタ216及び第2のトランジスタ220にLDD(Lightly Doped Drain)領域が設けられる場合には、第2の受光素子212の第3の遮光膜224に接して設けられたサイドウォール絶縁層下にはLDD領域が設けられていてもよい。
【0063】
第3の遮光膜224は、第1のトランジスタ216及び第2のトランジスタ220のゲート電極と同一の層により形成されている。なお、これに限定されず、第3の遮光膜224を設けることなく、第2の受光素子212と重畳して第2の遮光膜210が設けられていてもよい(図4)。または、第2の発光素子214の陰極上にスパッタリング法などを用いて第2の遮光膜211を形成してもよい(図6)。このときには、第2の遮光膜211はクロムまたは酸化クロムにより形成すればよい。
【0064】
または、第3の遮光膜224が設けられた状態で、第2の発光素子214の陰極上にスパッタリング法などを用いて第2の遮光膜211を形成してもよい(図5)。
【0065】
図4乃至図6に示す撮像装置は、図3に示す撮像装置と同様に動作する。
【0066】
図4乃至図6に示す撮像装置は、第1の被撮像物226の撮像と第2の被撮像物228の撮像を独立に行うことができる。また、レイアウトの自由度が高い。また、第1の被撮像物226の撮像及び第2の被撮像物228の撮像の双方を同時に行う場合のみならず、第1の被撮像物226及び第2の被撮像物228の一方のみの撮像も可能である。
【0067】
第1の被撮像物226は第1の撮像面と対向しており、第2の被撮像物228は第2の撮像面と対向している。
【0068】
以上説明した構成とすることで両面からの撮像が可能な撮像装置を得ることができる。
【0069】
(実施の形態2)
実施の形態1では、第1の受光素子及び第2の受光素子の双方が一方の面からのみ受光する形態について説明したが、第1の受光素子及び第2の受光素子の一方または双方が両面から受光する形態を採用してもよい。本実施の形態では、第1の受光素子及び第2の受光素子の少なくとも一方が両面から受光する形態について説明する。
【0070】
図7は、図3の第1の受光素子208を第1の遮光膜204と重畳しない構成としたものである。すなわち、第1の受光素子208は、両面から受光する。
【0071】
図8は、図4の第1の受光素子208を第1の遮光膜204と重畳しない構成としたものである。すなわち、第1の受光素子208は、両面から受光する。
【0072】
なお、図7及び図8に示す形態では第1の受光素子208が両面から受光し、第2の受光素子212が一方の面からのみ受光する形態を示したが、これに限定されず、第1の受光素子208が一方の面からのみ受光し、第2の受光素子212が両面から受光する形態であってもよい。
【0073】
図7及び図8に示す撮像装置の動作を説明する。第1の発光素子206から発せられた光は、第1の被撮像物226に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208に受光される。第2の発光素子214から発せられた光は、第2の被撮像物228に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208及び第2の受光素子212に受光される。
【0074】
図7及び図8に示すように、第1の受光素子208及び第2の受光素子212の一方が一方の面からのみ受光し、第1の受光素子208及び第2の受光素子212の他方が双方の面から受光する場合には、差分回路を用いることで双方の面から受光する素子の検出値と一方の面からのみ受光する素子の検出値の差分を取得することで、それぞれの面での撮像が可能となる。なお、差分回路は受光素子で検出した光電流値(アナログ値)の差分を取得する構成でもよいし、受光素子で検出した光電流値をA/D変換したデータ(デジタル値)を用いて差分を取得する構成でもよい。
【0075】
なお、差分回路を用いる場合には、検出値を増幅させると一定以上の光量では正確な撮像が困難なことがあるため、補正回路を用いるとよい。
【0076】
図7及び図8に示す撮像装置は、第1の発光素子206の下に反射電極230が設けられているため、図3及び図4の第1の遮光膜204が不要である。従って、簡略な工程で作製することができる。
【0077】
なお、反射電極230としては、例えば、Ag層上に酸化インジウム−酸化スズ層が設けられた導電層を用いることができる。または、第1のトランジスタ216のソース電極及びドレイン電極と同一の層により設けられていてもよい。または、光を反射させることが可能なその他の導電層を用いてもよい。
【0078】
または、第1の受光素子208及び第2の受光素子212の双方が両面から受光する形態であってもよい。
【0079】
図9は、図5の第1の受光素子208を第1の遮光膜204と重畳しない構成とし、第3の遮光膜224が第2の受光素子212と重畳しない構成としたものである。または、図6の第1の受光素子208を第1の遮光膜204と重畳しない構成とし、第2の遮光膜211が第2の受光素子212と重畳しない構成としたものともいえる。すなわち、第1の受光素子208及び第2の受光素子212は、両面から受光する。
【0080】
図9に示す撮像装置の動作を説明する。第1の発光素子206から発せられた光は、第1の被撮像物226に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208及び第2の受光素子212に受光される。第2の発光素子214から発せられた光は、第2の被撮像物228に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208及び第2の受光素子212に受光される。第1の発光素子206の発光時の受光素子の検出値により第1の被撮像物226の検出ができ、第2の発光素子214の発光時の受光素子の検出値により第2の被撮像物228の検出ができる。
【0081】
図9に示す撮像装置も、第1の発光素子206の下に反射電極230が設けられているため、図5及び図6の第1の遮光膜204が不要である。従って、簡略な工程で作製することができる。
【0082】
以上説明したように、第1の受光素子及び第2の受光素子の少なくとも一方を両面から受光する形態としてもよい。
【0083】
なお、第1の受光素子及び第2の受光素子のうち、両面から受光する一の素子のみを設けた構成としてもよい(図10及び図11)。
【0084】
図10及び図11に示す撮像装置の動作を説明する。第1の発光素子206から発せられた光は、第1の被撮像物226に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208に受光される。第2の発光素子214から発せられた光は、第2の被撮像物228に照射されて一部が反射し、この反射光も第1の受光素子208に受光される。第1の発光素子206が発光する際に第1の受光素子208で受光された光により第1の被撮像物226が撮像される。第2の発光素子214が発光する際に第1の受光素子208で受光された光により第2の被撮像物228が撮像される。
【0085】
図10及び図11に示す撮像装置も、第1の発光素子206の下に反射電極230が設けられているため、図3乃至図6の第1の遮光膜204が不要である。従って、簡略な工程で作製することができる。
【0086】
さらには、図10及び図11に示す撮像装置は、上記したその他の撮像装置よりも受光素子が設けられた画素の高密度化、及び撮像された画像の高精細化が可能である。
【0087】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、第1の発光素子及び第2の発光素子がトップエミッション型またはボトムエミッション型である場合について説明したが、第1の発光素子及び第2の発光素子はデュアルエミッション型であってもよい。本実施の形態では、第1の発光素子及び第2の発光素子がデュアルエミッション型である形態について説明する。
【0088】
図12は、図3の第1の発光素子206をデュアルエミッション型とし、第2の発光素子214が設けられていない形態を示す。
【0089】
図12に示す撮像装置の動作を説明する。第1の発光素子206から発せられた光は、一方では、第1の被撮像物226に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208に受光される。そして、他方では、第2の被撮像物228に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208に受光される。第1の受光素子208で受光された光により第1の被撮像物226が撮像され、第2の受光素子212で受光された光により第2の被撮像物228が撮像される。
【0090】
図13は、図7の第1の発光素子206をデュアルエミッション型とし、第2の発光素子214が設けられていない形態を示す。
【0091】
図13に示す撮像装置の動作を説明する。第1の発光素子206から発せられた光は、一方では、第1の被撮像物226に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208に受光される。そして、他方では、第2の被撮像物228に照射されて一部が反射し、この反射光が第1の受光素子208及び第2の受光素子212に受光される。このときには差分回路を用いることで、第1の被撮像物226及び第2の被撮像物228の撮像が可能である。
【0092】
本実施の形態では、発光素子と重畳する遮光膜が設けられないため、受光素子の遮光には、第1のトランジスタ216のゲート電極と同一の層により形成される第3の遮光膜224を用いることが好ましい。特に、図13に示す形態においては、遮光膜は、ゲート電極と同一の層により形成される第3の遮光膜224のみが設けられているため、遮光膜のみを形成する工程が不要なため作製工程が簡略化し、特に好ましい。
【0093】
図12及び図13に示す撮像装置は、上記したその他の撮像装置よりも発光素子が設けられた画素の高密度化、及び撮像された画像の高精細化が可能である。
【符号の説明】
【0094】
100 撮像装置
110 書籍
120 撮像領域
122 第1の駆動回路
124 読み取り回路
126 第2の駆動回路
130 画素
132 第1の発光素子
134 第1の受光素子
136 第2の発光素子
138 第2の受光素子
140 第1の遮光膜
142 第2の遮光膜
200 基板
202 封止基板
204 第1の遮光膜
206 第1の発光素子
208 第1の受光素子
210 第2の遮光膜
211 第2の遮光膜
212 第2の受光素子
214 第2の発光素子
216 第1のトランジスタ
218 第1の発光部
220 第2のトランジスタ
222 第2の発光部
224 第3の遮光膜
226 第1の被撮像物
228 第2の被撮像物
230 反射電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一主表面上に少なくとも発光素子と受光素子が設けられた第1の基板と、
一主表面が前記第1の基板の前記一主表面と対向する第2の基板と、を有し、
前記第2の基板の前記一主表面と逆の面が第1の撮像面であり、
前記第1の基板の前記一主表面と逆の面が第2の撮像面であり、
前記発光素子と前記受光素子が有する層の一部は同一の層により設けられている撮像装置。
【請求項2】
第1の遮光膜上に設けられた第1の発光素子から発せられた光を前記第1の撮像面と対向する第1の被撮像物に照射する構成と、
前記第1の被撮像物で反射した光を前記第1の遮光膜上に設けられた第1の受光素子により検出する構成と、
第2の遮光膜下に設けられた第2の発光素子から発せられた光を前記第2の撮像面と対向する第2の被撮像物に照射する構成と、
前記第2の被撮像物で反射した光を前記第2の遮光膜下に設けられた第2の受光素子により検出する構成と、を有する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
第1の発光素子から発せられた光を前記第1の撮像面と対向する第1の被撮像物に照射する構成と、
前記第1の被撮像物で反射した光を第1の受光素子により検出する構成と、
第2の発光素子から発せられた光を前記第2の撮像面と対向する第2の被撮像物に照射する構成と、
前記第2の被撮像物で反射した光を第2の受光素子により検出する構成と、を有し、
前記第1の受光素子は、前記第2の被撮像物で反射した光も検出する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
第1の発光素子から発せられた光を前記第1の撮像面と対向する第1の被撮像物に照射する構成と、
前記第1の被撮像物で反射した光を第1の受光素子により検出する構成と、
第2の発光素子から発せられた光を前記第2の撮像面と対向する第2の被撮像物に照射する構成と、
前記第1の被撮像物で反射した光及び前記第2の被撮像物で反射した光の双方を第2の受光素子により検出する構成と、を有し、
前記第1の受光素子は、前記第2の被撮像物で反射した光も検出する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
第1の遮光膜上に設けられた第1の発光素子から発せられた光を前記第1の撮像面と対向する第1の被撮像物に照射する構成を有し、
第2の遮光膜下に設けられた第2の発光素子から発せられた光を前記第2の撮像面と対向する第2の被撮像物に照射する構成を有し、
前記第1の被撮像物で反射した光及び前記第2の被撮像物で反射した光の双方を1つの受光素子により検出する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
発光素子から発せられた光が前記第1の撮像面及び前記第2の撮像面の双方から第1の被撮像物及び第2の被撮像物に照射される構成と、
前記第1の被撮像物で反射した光を第1の遮光膜上に設けられた第1の受光素子により検出する構成と、
前記第2の被撮像物で反射した光を第2の遮光膜下に設けられた第2の受光素子により検出する構成と、を有する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
発光素子から発せられた光が前記第1の撮像面及び前記第2の撮像面の双方から第1の被撮像物及び第2の被撮像物に照射される構成と、
前記第1の被撮像物で反射した光及び前記第2の被撮像物で反射した光を第1の受光素子により検出する構成と、
前記第2の被撮像物で反射した光を第2の受光素子により検出する構成と、を有する請求項1に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−110400(P2013−110400A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−235628(P2012−235628)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】