説明

撮影制限システム、撮影装置及び撮影制限方法

【課題】 撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる撮影制限システム、撮影装置及び撮影制限方法を得る。
【解決手段】 近赤外光発生装置70によって撮影制限区域内に赤外光を照射すると共に、撮影の制限対象とするデジタルカメラ10により、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段(電荷結合素子)により当該赤外光が検知されたときに撮影に関する動作を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影制限システム、撮影装置及び撮影制限方法に関し、特に、美術館、博物館、映画館、劇場、書店等の撮影制限区域内での撮影を制限することのできる撮影制限システム、撮影装置及び撮影制限方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラの普及には目を見張るものがあり、年間出荷台数も銀塩カメラを上回るほどになっている。また、近年の携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)等の携帯型の電子装置には、撮影機能が搭載されたものが多数存在する。なお、本明細書では、以上のようなデジタルカメラや電子装置等の撮影機能を有する電子装置を「撮影装置」と称する。
【0003】
一方、映画館や劇場等では、著作権法上、撮影が禁止されている場合が多く、また、美術館や博物館等では、展示物の保護の観点から撮影が禁止されている場合が多い。更に、書店では、店頭に並ぶ雑誌や本等の一部を携帯電話機で撮影し、これらの書籍を購入せずに済ませてしまう、所謂デジタル万引きが問題化してきている。
【0004】
しかしながら、近年の撮影装置は小型化が進んでおり、上記のような映画館等の撮影制限区域内に持ち込むことが容易であるので、撮影制限の対象となる被写体が当該撮影装置のユーザによって容易に隠し撮りできるようになっている。
【0005】
また、撮影が可能な区域においても、撮影装置の操作音や動作音が周囲に不快感を与える場合がある。
【0006】
そして、以上のような撮影制限区域における撮影可否の判断は撮影装置のユーザのモラルに依存せざるを得ない場合が多い。
【0007】
以上のような問題を解決するために、従来、撮像装置に対して、無線情報を受信する無線通信手段と、無線情報を格納する情報格納手段と、撮像手段と、前記撮像手段による撮影画像を表示する画像表示手段と、前記無線通信手段で受信した撮影禁止を示す動作制御情報に応じて前記撮像手段の撮影動作を禁止する制御手段と、を具備する技術があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、従来、撮影装置に対して、電気的に制御される撮影手段と、外部の離れた装置から信号を受信する信号受信手段と、前記信号受信手段から出力された信号が前記撮影手段による撮影の制御に関する制御信号であったとき、前記制御信号に応答して前記撮影手段の撮影動作又は撮影に関連する動作を制御する撮影制御手段と、を具備する技術もあった(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2003−87637公報
【特許文献2】特開2004−23692公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの従来の技術では、無線通信を行うことによって撮影制限区域か否かを判別しており、このために撮像装置ないし撮影装置に対して無線受信装置を新たに搭載しなければならない、という問題点があった。無線受信装置を新たに搭載することは、装置コストの上昇を招くばかりでなく、装置の小型化を妨げることになる。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる撮影制限システム、撮影装置及び撮影制限方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の撮影制限システムは、撮影制限区域内に赤外光を照射する赤外光発生手段と、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段及び前記撮像手段により前記赤外光が検知されたときに撮影に関する動作を制限する制限手段を備えた撮影装置と、を有している。
【0012】
請求項1に記載の撮影制限システムによれば、赤外光発生手段によって撮影制限区域内に赤外光が照射される。なお、上記赤外光発生手段による赤外光の光源には、赤外光を発生することのできるLED(発光ダイオード)や半導体レーザが含まれる。
【0013】
一方、本発明では、撮影が制限されるべき撮影装置により、撮像により被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段によって前記赤外光が検知されたときに、制限手段によって撮影に関する動作が制限される。なお、上記撮像手段には、CCD(電荷結合素子)、CMOSイメージ・センサ等の固体撮像素子が含まれる。
【0014】
すなわち、通常、撮像手段には撮像面への赤外光の入射を遮断するための赤外光カット・フィルタが設けられているが、当該フィルタでは完全には赤外光を遮断することができず、僅かではあるが赤外光も検知されるものとなっている。
【0015】
図8(A)にはCCDの感度特性の具体例が、図8(B)には赤外光カット・フィルタの光透過率特性の具体例が示されている。
【0016】
ここで例示したCCDでは、可視光の波長範囲から近赤外光の波長領域(通常、1000nm以上の波長領域)内にまで感度を有しているのに対し、ここで例示した赤外光カット・フィルタでは、波長が略700nm以上の領域の光をカットするものとして設計されているにもかかわらず、800nm程度の波長から徐々に透過率が上昇し、近赤外光の波長領域では、上記CCDによって検知可能な程度まで透過率が上昇していることがわかる。
【0017】
この点に着目し、請求項1に記載の撮影制限システムでは、撮影装置に対して撮影用に設けられている撮像手段を利用して、撮影に関する動作の制限を指示するための赤外線を検知するようにしており、これによって、新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができるようにしている。
【0018】
このように、請求項1に記載の撮影制限システムによれば、撮影制限区域内に赤外光を照射すると共に、撮影の制限対象とする撮影装置により、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段により当該赤外光が検知されたときに撮影に関する動作を制限しているので、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる。
【0019】
なお、本発明の前記制限手段は、請求項2に記載の発明のように、前記赤外光が検知されたときに撮影の禁止、及びストロボが備えられている場合の当該ストロボの発光の禁止、の少なくとも一方を行うことにより前記撮影に関する動作を制限することが好ましい。これによって、撮影禁止区域及びストロボ発光禁止区域内での撮影を、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく制限することができる。
【0020】
ところで、撮像手段により検知された赤外光は微弱であるため、室外の撮影時に本発明に係る撮影制限システムを適用した場合には、赤外光を正確に検知できない場合が多い。
【0021】
その一方で、撮影制限区域は室内である場合が多く、また、室内の照明はタングステン光源及び蛍光灯の何れかを用いて行われる場合が多い。
【0022】
この点に着目し、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記撮影装置に、前記撮像手段により生成された画像信号のホワイトバランス調整処理のために撮影環境における光源種を検知する光源種検知手段を更に設け、前記制限手段は、前記光源種検知手段により前記光源種としてタングステン光源又は蛍光灯が検知されている場合に前記撮影に関する動作を制限することが好ましい。これによって、室外での撮影による赤外光の誤検知を未然に防止することができる。
【0023】
また、本発明は、請求項4に記載の発明のように、前記制限手段により制限対象とする動作を複数種類のものとし、前記赤外光発生手段は、前記制限対象とする動作の種類毎に異なる点滅パターンで前記赤外光を前記撮影制限区域内に照射し、前記制限手段は、前記撮像手段により検知された前記赤外光の点滅パターンに応じた種類の動作を制限することが好ましい。これによって、制限する動作を複数種類のものとすることができ、利便性を向上することができると共に、本発明の適用範囲を広くすることができる。
【0024】
また、本発明は、請求項5に記載の発明のように、前記撮影装置に、前記制限手段による制限が行われることを提示する提示手段を更に設けることが好ましい。これによって、撮影装置のユーザに対して撮影に関する動作が制限されていることを明示することができる。なお、上記提示手段による制限が行われることの提示には、表示装置による表示による提示の他、スピーカによる音による提示、ランプによる点灯・点滅による提示が含まれる。
【0025】
更に、本発明は、請求項6に記載の発明のように、前記赤外光を、近赤外光とすることが好ましい。これによって、他の赤外光に比較して撮像手段による赤外光の検知レベルを高めることができ、この結果、赤外光の誤検知の発生を抑制することができる。
【0026】
一方、上記目的を達成するために、請求項7記載の撮影装置は、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成する撮像手段と、前記撮像手段により生成された画像信号によって示される被写体像に文字列が含まれるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記文字列が含まれると判定された場合に撮影に関する動作を制限する制限手段と、を備えている。
【0027】
請求項7に記載の撮影装置によれば、撮像手段による撮像によって被写体像を示す画像信号が生成される。なお、上記撮像手段には、CCD、CMOSイメージ・センサ等の固体撮像素子が含まれる。
【0028】
ここで、本発明では、前記撮像手段により生成された画像信号によって示される被写体像に文字列が含まれるか否かが判定手段によって判定され、文字列が含まれると判定された場合に撮影に関する動作が制限手段によって制限される。
【0029】
すなわち、通常、撮影されたくない書籍には、文字列が含まれている場合が多い。
【0030】
その一方で、撮像手段により生成された画像信号により示される被写体像に文字列が含まれるか否かは、従来既知の文字認識技術を利用してソフトウェアにより容易に判定することができる。
【0031】
この点に着目し、請求項7に記載の撮影装置では、撮像手段によって撮像された被写体像に文字列が含まれるか否かを判定し、文字列が含まれる場合に撮影に関する動作を制限するようにしており、これによって、新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができるようにしている。
【0032】
このように、請求項7に記載の撮影装置によれば、撮像手段により生成された画像信号によって示される被写体像に文字列が含まれるか否かを判定し、文字列が含まれると判定された場合に撮影に関する動作を制限しているので、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる。
【0033】
ところで、書籍は室内に陳列されている場合が多く、また、室内の照明はタングステン光源及び蛍光灯の何れかを用いて行われる場合が多い。
【0034】
この点に着目し、本発明は、請求項8に記載の発明のように、前記撮像手段により生成された画像信号のホワイトバランス調整処理のために撮影環境における光源種を検知する光源種検知手段を更に備え、前記制限手段は、前記光源種検知手段により前記光源種としてタングステン光源又は蛍光灯が検知されている場合に前記撮影に関する動作を制限することが好ましい。これによって、室外での撮影による不要な撮影制限動作を未然に防止することができる。
【0035】
ところで、書籍を撮影する場合には、文字が認識できる程度に接近して撮影する必要があるため、マクロ撮影モードが設定される場合が多い。
【0036】
この点に着目し、本発明は、請求項9に記載の発明のように、マクロ撮影を行うモードであるマクロ撮影モードへの移行の指示入力を行う指示入力手段を更に備え、前記制限手段は、前記指示入力手段によりマクロ撮影モードへの移行の指示入力が行われている場合に前記撮影に関する動作を制限することが好ましい。これによって、文字が認識できない程度での撮影時における不要な撮影制限動作を未然に防止することができる。
【0037】
更に、本発明の前記制限手段は、請求項10に記載の発明のように、前記文字列が含まれると判定された場合に警告音を発することにより前記撮影に関する動作を制限することが好ましい。これによって、書籍に対する撮影を効果的に防止することができる。
【0038】
一方、上記目的を達成するために、請求項11記載の撮影制限方法は、撮影制限区域内に赤外光を照射すると共に、撮影の制限対象とする撮影装置により、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段により当該赤外光が検知されたときに撮影に関する動作を制限するものである。
【0039】
従って、請求項11に記載の撮影制限方法は、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる。
【0040】
また、上記目的を達成するために、請求項12記載の撮影制限方法は、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成する撮像手段により生成された画像信号によって示される被写体像に文字列が含まれるか否かを判定し、前記文字列が含まれると判定された場合に撮影に関する動作を制限するものである。
【0041】
従って、請求項12に記載の撮影制限方法は、請求項7記載の発明と同様に作用するので、請求項7記載の発明と同様に、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる。
【発明の効果】
【0042】
請求項1乃至請求項6の何れか1項に係る撮影制限システム及び請求項11に係る撮影制限方法によれば、撮影制限区域内に赤外光を照射すると共に、撮影の制限対象とする撮影装置により、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段により当該赤外光が検知されたときに撮影に関する動作を制限しているので、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる、という効果が得られる。
【0043】
また、請求項7乃至請求項10の何れか1項に係る撮影装置及び請求項12に係る撮影制限方法によれば、撮像手段により生成された画像信号によって示される被写体像に文字列が含まれるか否かを判定し、文字列が含まれると判定された場合に撮影に関する動作を制限しているので、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明の撮影装置をデジタルカメラに適用した場合について説明する。
【0045】
〔第1の実施の形態〕
図1には、本第1の実施の形態に係る撮影制限システム90の基本構成が示されている。同図に示すように、この撮影制限システム90は、ユーザが所持するデジタルカメラ10と、展示室が撮影制限区域とされた美術館の当該展示室に展示されている展示品80(同図では、絵画)の近傍に配置された近赤外光発生装置70と、を含んで構成されている。
【0046】
近赤外光発生装置70は、デジタルカメラ10による撮影に関する動作を制限させるための近赤外光をLEDによって発生するものであり、本実施の形態に係る撮影制限システム90では、当該制限の対象とする動作として複数種類のものが予め定められており、近赤外光発生装置70は、制限対象とする動作の種類毎に予め定められた点滅パターンで近赤外光を発生するものとして構成されている。
【0047】
なお、撮影制限システム90では、撮影に関する動作の制限として、撮影禁止及びストロボ発光禁止の2つが設定可能とされており、撮影禁止に対応する近赤外光の点滅パターンとして点灯期間と消灯期間が同一とされた状態の繰り返しの点滅パターンが適用されており、ストロボ発光禁止に対応する近赤外光の点滅パターンとして点灯期間が消灯期間の2倍とされた状態の繰り返しの点滅パターンが適用されている。
【0048】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を説明する。
【0049】
デジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ21と、撮影時に必要に応じて被写体に照射する光を発するストロボ44と、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ20と、が備えられている。また、デジタルカメラ10の上面には、撮影を実行する際に押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)56Aと、電源スイッチ56Bと、が備えられている。
【0050】
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10のレリーズボタン56Aは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
【0051】
そして、デジタルカメラ10では、レリーズボタン56Aを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
【0052】
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ20の接眼部と、撮影された被写体像やメニュー画面等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)38と、撮影を行うモードである撮影モード及び被写体像をLCD38に再生するモードである再生モードの何れかのモードに設定する際にスライド操作されるモード切替スイッチ56Cと、が備えられている。
【0053】
また、デジタルカメラ10の背面には、十字カーソルボタン56Dと、マクロ撮影モードを設定する際に押圧操作されるマクロモード設定スイッチ56Eと、が更に備えられている。
【0054】
なお、十字カーソルボタン56Dは、LCD38の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キーを含んで構成されている。
【0055】
次に、図3を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の主要構成を説明する。
【0056】
デジタルカメラ10は、前述のレンズ21を含んで構成された光学ユニット22と、レンズ21の光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)24と、入力されたアナログ信号に対して各種のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部26と、を含んで構成されている。
【0057】
また、デジタルカメラ10は、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、入力されたデジタルデータに対して各種のデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。
【0058】
なお、デジタル信号処理部30は、所定容量のラインバッファを内蔵し、入力されたデジタルデータを後述するメモリ48の所定領域に直接記憶させる制御も行う。
【0059】
CCD24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデジタル信号処理部30の入力端に、各々接続されている。従って、CCD24から出力された被写体像を示すアナログ信号はアナログ信号処理部26によって所定のアナログ信号処理が施され、ADC28によってデジタル画像データに変換された後にデジタル信号処理部30に入力される。
【0060】
一方、デジタルカメラ10は、被写体像やメニュー画面等をLCD38に表示させるための信号を生成してLCD38に供給するLCDインタフェース36と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40と、撮影により得られたデジタル画像データ等を記憶するメモリ48と、メモリ48に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース46と、を含んで構成されている。
【0061】
更に、デジタルカメラ10は、可搬型のメモリカード52をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース50と、デジタル画像データに対する圧縮処理及び伸張処理を行う圧縮・伸張処理回路54と、入力されたデジタルデータをアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器(以下、「DAC」という。)58と、DAC58の出力端に接続されると共にDAC58から出力されたアナログ信号に応じた音声を発生させるスピーカ60と、を含んで構成されている。
【0062】
なお、本実施の形態のデジタルカメラ10では、メモリ48としてVRAM(Video RAM)が用いられ、メモリカード52としてスマートメディア(Smart Media(登録商標))が用いられている。
【0063】
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース36、CPU40、メモリインタフェース46、外部メモリインタフェース50、圧縮・伸張処理回路54、及びDAC58はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU40は、デジタル信号処理部30及び圧縮・伸張処理回路54の作動の制御、LCD38に対するLCDインタフェース36を介した各種情報の表示、メモリ48及びメモリカード52へのメモリインタフェース46及び外部メモリインタフェース50を介したアクセス、スピーカ60によるDAC58を介した各種音声の発生を各々行うことができる。
【0064】
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、CCD24の駆動はCPU40によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
【0065】
更に、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられており、光学ユニット22に備えられた図示しない焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータの駆動もCPU40によりモータ駆動部34を介して制御される。
【0066】
すなわち、本実施の形態に係るレンズ21は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは含まれるものであり、これらのモータは各々CPU40の制御によりモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動される。
【0067】
更に、前述のレリーズボタン56A、電源スイッチ56B、モード切替スイッチ56C、十字カーソルボタン56D、及びマクロモード設定スイッチ56E(同図では、「操作部56」と総称。)はCPU40に接続されており、CPU40は、これらの操作部56に対する操作状態を常時把握できる。
【0068】
また、デジタルカメラ10には、ストロボ44とCPU40との間に介在されると共に、CPU40の制御によりストロボ44を発光させるための電力を充電する充電部42が備えられている。更に、ストロボ44はCPU40にも接続されており、ストロボ44の発光はCPU40によって制御される。
【0069】
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の撮影時における全体的な動作について簡単に説明する。
【0070】
まず、CCD24は、光学ユニット22を介した撮像を行い、被写体像を示すR(赤)、G(緑)、B(青)毎のアナログ信号をアナログ信号処理部26に順次出力する。アナログ信号処理部26は、CCD24から入力されたアナログ信号に対して相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を施した後にADC28に順次出力する。
【0071】
ADC28は、アナログ信号処理部26から入力されたR、G、B毎のアナログ信号を各々12ビットのR、G、Bの信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に順次出力する。デジタル信号処理部30は、内蔵しているラインバッファにADC28から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ48の所定領域に直接格納する。
【0072】
メモリ48の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU40による制御に応じてデジタル信号処理部30により読み出され、所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行って8ビットのデジタル画像データを生成する。
【0073】
そして、デジタル信号処理部30は、生成した8ビットのデジタル画像データに対しYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ48の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
【0074】
なお、LCD38は、CCD24による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されており、LCD38をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCDインタフェース36を介して順次LCD38に出力する。これによってLCD38にスルー画像が表示されることになる。
【0075】
ここで、レリーズボタン56Aがユーザによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点でメモリ48に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路54によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に記録する。
【0076】
ところで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、撮影モードが設定されている際に所定期間(ここでは、1秒間)毎に撮影制限処理が実行される。
【0077】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の撮影制限処理を実行する際の作用を説明する。なお、図4は、このとき、デジタルカメラ10のCPU40で実行される撮影制限処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、ここでは、近赤外光発生装置70により、予め選択的に設定された撮影禁止又はストロボ発光禁止の何れかに対応する点滅パターンにて近赤外光が発光されている場合について説明する。更に、ここでは、デジタルカメラ10においてスルー画像をLCD38に表示している場合について説明する。
【0078】
同図のステップ100では、スルー画像としてLCD38に表示している被写体像を示すデジタル画像データを取得し、次のステップ102では、取得したデジタル画像データにより示される被写体像の色温度を検出する。なお、本ステップ102における色温度の検出は、ホワイトバランス調整用に行われる色温度の検出と同様に行うものであり、従来既知の技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0079】
次のステップ104では、上記ステップ102の処理によって検出された色温度がタングステン光又は蛍光灯光に対応する色温度であるか否かを判定し、否定判定となった場合は本撮影制限処理プログラムを終了し、肯定判定となった場合はデジタルカメラ10が室内に存在するものと見なしてステップ106に移行する。
【0080】
ステップ106では、所定期間内(ここでは、0.5秒間)においてスルー画像としてLCD38に表示している被写体像を示すデジタル画像データを順次取得すると共に、取得した時系列の各デジタル画像データに基づいて、近赤外光発生装置70から発せられている近赤外光の点滅パターンを検知する。なお、本実施の形態では、当該点滅パターンの検知方法として、上記時系列の各デジタル画像データにおける画像全体の平均的な輝度レベルの変化を点滅パターンの変化として検知する方法を適用しているが、これに限らず、近赤外光の点滅パターンを検知することのできる他の方法を適用することもできることは言うまでもない。
【0081】
次のステップ108では、上記ステップ106の処理において検知した点滅パターンが撮影禁止に対応する近赤外光の点滅パターンと同様となっているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ110に移行する。
【0082】
ステップ110では、LCD38に撮影禁止区域であることを警告する表示を行い、次のステップ112にて撮影を禁止するための処理(ここでは、レリーズボタン56Aの押圧操作を無効とする処理)を実行した後、本撮影制限処理プログラムを終了する。
【0083】
図5には、上記ステップ110の処理によってLCD38により表示された警告内容が示されている。当該警告の表示により、デジタルカメラ10のユーザに対して撮影できない理由を明示することができる。
【0084】
一方、上記ステップ108において否定判定となった場合はステップ114に移行し、上記ステップ106の処理において検知した点滅パターンがストロボ発光禁止に対応する近赤外光の点滅パターンと同様となっているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ116に移行する。
【0085】
ステップ116では、LCD38にストロボ発光禁止区域であることを警告する表示を行い、次のステップ118にてストロボ44の発光を禁止するための処理(ここでは、充電部42からストロボ44への給電経路を遮断する処理)を実行した後、本撮影制限処理プログラムを終了する。
【0086】
図6には、上記ステップ116の処理によってLCD38により表示された警告内容が示されている。当該警告の表示により、デジタルカメラ10のユーザに対してストロボが発光できない理由を明示することができる。
【0087】
一方、上記ステップ114において否定判定となった場合はステップ120に移行し、上記ステップ112及び上記ステップ118の何れかによって実行された禁止処理を解除するための処理を実行した後、本撮影制限処理プログラムを終了する。
【0088】
以上の撮影制限処理プログラムにより、近赤外光発生装置70から撮影禁止に対応する点滅パターンで近赤外光が発せられている場合はデジタルカメラ10の撮影が禁止され、近赤外光発生装置70からストロボ発光禁止に対応する点滅パターンで近赤外光が発せられている場合はデジタルカメラ10のストロボ44の発光が禁止される。
【0089】
ここで、本実施の形態に係る撮影制限システム90では、近赤外光発生装置70を展示品80の近傍に設けているので、展示品80を撮影しようとしてデジタルカメラ10の画角内に展示品80を納めた際には近赤外光発生装置70から発せられた近赤外光を確実に検知することができ、この結果として確実に撮像に関する動作を制限することができる。
【0090】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、撮影制限区域内に赤外光を照射すると共に、撮影の制限対象とする撮影装置(ここでは、デジタルカメラ10)により、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段(ここでは、CCD24)により当該赤外光が検知されたときに撮影に関する動作を制限しているので、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、前記赤外光が検知されたときに撮影の禁止及びストロボの発光の禁止の少なくとも一方を行うことにより前記撮影に関する動作を制限しているので、撮影禁止区域及びストロボ発光禁止区域内での撮影を、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく制限することができる。
【0092】
また、本実施の形態によれば、撮影環境における光源種を検知すると共に、光源種としてタングステン光源又は蛍光灯が検知されている場合に前記撮影に関する動作を制限しているので、室外での撮影による赤外光の誤検知を未然に防止することができる。
【0093】
また、本実施の形態によれば、制限対象とする動作を複数種類のものとし、近赤外光発生装置70によって前記制限対象とする動作の種類毎に異なる点滅パターンで前記赤外光を前記撮影制限区域内に照射し、前記撮影装置によって、前記撮像手段により検知された前記赤外光の点滅パターンに応じた種類の動作を制限しているので、制限する動作を複数種類のものとすることができ、利便性を向上することができると共に、適用範囲を広くすることができる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、撮影に関する動作の制限が行われることを提示しているので、撮影装置のユーザに対して当該制限が行われていることを明示することができる。
【0095】
更に、本実施の形態によれば、前記赤外光を近赤外光としているので、他の赤外光に比較して撮像手段による赤外光の検知レベルを高めることができ、この結果、赤外光の誤検知の発生を抑制することができる。
【0096】
なお、本実施の形態では、撮影環境における光源種に基づいて室内での撮影に関する動作を制限する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、室内・室外の如何に関わらず、撮影に関する動作を制限する形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0097】
また、本実施の形態では、LCD38による警告表示によりユーザに対して制限動作を明示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スピーカ60により所定の音を発することにより明示する形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0098】
また、本実施の形態において説明した警告表示(図5、図6参照。)も一例であり、表示内容を図5及び図6に示したもの以外のものとすることもでき、更には、警告表示を点滅させる形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0099】
また、本実施の形態では、近赤外光発生装置70を展示品80の近傍に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、近赤外光発生装置70を展示室の天井に設けると共に、当該近赤外光発生装置70を、近赤外光を展示室のカメラが存在し得る領域全体に照射できるものとして構成する形態とすることもできる。この場合、近赤外光を同一の点滅パターンで発光させることのできる複数の赤外光光源を設けるようにしてもよい。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0100】
〔第2の実施の形態〕
本第2の実施の形態では、被写体が書籍とされており、所謂デジタル万引きを防止する場合の形態例について説明する。
【0101】
本第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態に係る撮影制限システム90で必要とされた近赤外光発生装置70は必要なく、デジタルカメラ10のみが必要となる。なお、デジタルカメラ10の構成は上記第1の実施の形態に係るもの(図2、図3参照。)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0102】
ところで、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10では、撮影モードが設定されており、レリーズボタン56Aが全押し状態とされた際に撮影制限処理が実行される。
【0103】
次に、図7を参照して、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10の撮影制限処理を実行する際の作用を説明する。なお、図7は、レリーズボタン56Aが全押し状態とされたとき、デジタルカメラ10のCPU40で実行される撮影制限処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0104】
同図のステップ200では、この時点でメモリ48の所定領域に格納されているデジタル画像データ、すなわち、レリーズボタン56Aの押圧操作に応じてメモリカード52に記録されるべきデジタル画像データを取得し、次のステップ202では、取得したデジタル画像データにより示される被写体像の色温度を検出する。なお、本ステップ202における色温度の検出は、ホワイトバランス調整用に行われる色温度の検出と同様に行うものであり、従来既知の技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0105】
次のステップ204では、この時点でマクロ撮影モードが設定されているか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ216に移行し、肯定判定となった場合はステップ206に移行する。
【0106】
ステップ206では、上記ステップ202の処理によって検出された色温度がタングステン光又は蛍光灯光に対応する色温度であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ216に移行し、肯定判定となった場合はデジタルカメラ10が室内に存在するものと見なしてステップ208に移行する。
【0107】
ステップ208では、上記ステップ200の処理によって取得されたデジタル画像データによって示される被写体像に文字列が含まれるか否かを、当該デジタル画像データに対する従来既知の文字認識処理(OCR(Optical Character Recognition)処理)により判定し、否定判定となった場合はステップ216に移行し、肯定判定となった場合はステップ210に移行する。
【0108】
ステップ210では、レリーズボタン56Aが全押し状態とされたときにスピーカ60によって鳴動すべきシャッタ音として予め定められた音を警告音に変更すると共に、音量を最大に変更し、次のステップ212にて、警告音に変更されたシャッタ音をスピーカ60によって最大音量で鳴動させ、更に次のステップ214にて、上記ステップ210の処理により変更されたシャッタ音及び音量を元の設定状態に復帰させた後、本撮影制限処理プログラムを終了する。
【0109】
一方、ステップ216では、通常のシャッタ音をスピーカ60によって設定されている音量にて鳴動させ、その後に本撮影制限処理プログラムを終了する。
【0110】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、撮像手段(ここでは、CCD24)により生成された画像信号によって示される被写体像に文字列が含まれるか否かを判定し、文字列が含まれると判定された場合に撮影に関する動作を制限しているので、撮影装置に対する新たなハードウェアの追加を招くことなく撮影制限区域内での撮影を制限することができる。
【0111】
また、本実施の形態によれば、撮影環境における光源種を検知すると共に、当該光源種としてタングステン光源又は蛍光灯が検知されている場合に前記撮影に関する動作を制限しているので、室外での撮影による不要な撮影制限動作を未然に防止することができる。
【0112】
また、本実施の形態によれば、マクロ撮影モードへの移行の指示入力が行われている場合に撮影に関する動作を制限しているので、文字が認識できない程度での撮影時における不要な撮影制限動作を未然に防止することができる。
【0113】
更に、本実施の形態によれば、前記文字列が含まれると判定された場合に警告音を発することにより撮影に関する動作を制限しているので、書籍に対する撮影を効果的に防止することができる。
【0114】
なお、本実施の形態では、撮影環境における光源種に基づいて室内での撮影に関する動作を制限する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、室内・室外の如何に関わらず、撮影に関する動作を制限する形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0115】
また、本実施の形態では、マクロ撮影モードが設定されている場合に撮影に関する動作を制限する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マクロ撮影モードの設定の如何に関わらず、撮影に関する動作を制限する形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0116】
また、上記各実施の形態では、本発明の撮影装置をデジタルカメラに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、PDA、携帯電話機等、撮影機能を有するあらゆる情報処理装置に本発明は適用できることは言うまでもない。
【0117】
また、上記各実施の形態で説明した撮影制限処理プログラムの処理の流れ(図4及び図7参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0118】
更に、上記各実施の形態で説明したデジタルカメラ10の構成(図1〜図3参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】第1の実施の形態に係る撮影制限システムの基本構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態に係るデジタルカメラの外観を示す外観図である。
【図3】実施の形態に係るデジタルカメラの電気系の主要構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係る撮影制限処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態に係るデジタルカメラのLCDにより表示される撮影禁止区域であることを警告する表示の一例を示す概略図である。
【図6】第1の実施の形態に係るデジタルカメラのLCDにより表示されるストロボ発光禁止区域であることを警告する表示の一例を示す概略図である。
【図7】第2の実施の形態に係る撮影制限処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】(A)はCCDの感度特性の具体例を示すグラフであり、(B)は赤外光カット・フィルタの光透過率特性の具体例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0120】
10 デジタルカメラ
24 CCD(撮像手段)
38 LCD(提示手段)
40 CPU(制限手段、光源種検知手段、判定手段)
56E マクロモード設定スイッチ(指示入力手段)
70 近赤外光発生装置(赤外光発生手段)
90 撮影制限システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影制限区域内に赤外光を照射する赤外光発生手段と、
撮像によって被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段及び前記撮像手段により前記赤外光が検知されたときに撮影に関する動作を制限する制限手段を備えた撮影装置と、
を有する撮影制限システム。
【請求項2】
前記制限手段は、前記赤外光が検知されたときに撮影の禁止、及びストロボが備えられている場合の当該ストロボの発光の禁止、の少なくとも一方を行うことにより前記撮影に関する動作を制限する
請求項1記載の撮影制限システム。
【請求項3】
前記撮影装置に、前記撮像手段により生成された画像信号のホワイトバランス調整処理のために撮影環境における光源種を検知する光源種検知手段を更に設け、
前記制限手段は、前記光源種検知手段により前記光源種としてタングステン光源又は蛍光灯が検知されている場合に前記撮影に関する動作を制限する
請求項1又は請求項2記載の撮影制限システム。
【請求項4】
前記制限手段により制限対象とする動作を複数種類のものとし、
前記赤外光発生手段は、前記制限対象とする動作の種類毎に異なる点滅パターンで前記赤外光を前記撮影制限区域内に照射し、
前記制限手段は、前記撮像手段により検知された前記赤外光の点滅パターンに応じた種類の動作を制限する
請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の撮影制限システム。
【請求項5】
前記撮影装置に、前記制限手段による制限が行われることを提示する提示手段
を更に設けた請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の撮影制限システム。
【請求項6】
前記赤外光を、近赤外光とした
請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の撮影制限システム。
【請求項7】
撮像によって被写体像を示す画像信号を生成する撮像手段と、
前記撮像手段により生成された画像信号によって示される被写体像に文字列が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記文字列が含まれると判定された場合に撮影に関する動作を制限する制限手段と、
を備えた撮影装置。
【請求項8】
前記撮像手段により生成された画像信号のホワイトバランス調整処理のために撮影環境における光源種を検知する光源種検知手段を更に備え、
前記制限手段は、前記光源種検知手段により前記光源種としてタングステン光源又は蛍光灯が検知されている場合に前記撮影に関する動作を制限する
請求項7記載の撮影装置。
【請求項9】
マクロ撮影を行うモードであるマクロ撮影モードへの移行の指示入力を行う指示入力手段を更に備え、
前記制限手段は、前記指示入力手段によりマクロ撮影モードへの移行の指示入力が行われている場合に前記撮影に関する動作を制限する
請求項7又は請求項8記載の撮影装置。
【請求項10】
前記制限手段は、前記文字列が含まれると判定された場合に警告音を発することにより前記撮影に関する動作を制限する
請求項7乃至請求項9の何れか1項記載の撮影装置。
【請求項11】
撮影制限区域内に赤外光を照射すると共に、
撮影の制限対象とする撮影装置により、撮像によって被写体像を示す画像信号を生成すると共に前記赤外光を検知できる撮像手段により当該赤外光が検知されたときに撮影に関する動作を制限する、
撮影制限方法。
【請求項12】
撮像によって被写体像を示す画像信号を生成する撮像手段により生成された画像信号によって示される被写体像に文字列が含まれるか否かを判定し、
前記文字列が含まれると判定された場合に撮影に関する動作を制限する、
撮影制限方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2005−333482(P2005−333482A)
【公開日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−150750(P2004−150750)
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】