説明

撮影支援装置、撮影支援方法及び撮影支援システム

【課題】撮影位置として推奨するエリアをその推奨の度合いとともに算出して提示する。
【解決手段】取得部111は、移動通信端末で行われた撮影に基づいて、被写体が撮影された撮影位置と、その撮影位置から被写体までの距離とを含む撮影条件を取得する。算出部112は、取得部111により取得された撮影条件に基づいて、被写体の撮影を推奨する推奨エリアと、その推奨の度合いの指標である推奨値とを算出する。推奨エリアは、例えば緯度及び経度で表され、推奨値は、推奨の度合いが高いほど大きくなる。提示部113は、算出部112により算出された推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で移動通信端末に提示する。受付部114は、提示部113における推奨エリア及び推奨値の提示方法の指定を受け付ける。例えば、提示部113は、受け付けられた提示方法に従い、推奨エリアを推奨値ごとに色分けするなどして地図上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数ユーザ間で写真を共有することのできる写真共有システムが知られている。例えば、特許文献1は、ユーザ間で共有されるデジタル写真を地図上に表示して、各写真の撮影場所を提示することを開示している。また、特許文献2〜4は、ユーザが適切な構図の写真を得られるように、撮影場所を案内するための内容を提示することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−134333号公報
【特許文献2】特開2010−21885号公報
【特許文献3】特開2010−63052号公報
【特許文献4】特開2002−10114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1が開示する技術は、実際に撮影が行われた場所に関する内容を提示するものであるが、好適な撮影画像を得られるという意味の撮影場所を提示するものではない。特許文献2〜4が開示する技術は、好適な撮影場所を案内するために、その撮影場所に関する情報をサーバや移動通信端末に登録する作業が必要である。
そこで、本発明の目的は、撮影位置として推奨するエリアをその推奨の度合いとともに算出して提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の撮影支援装置は、被写体が撮影された撮影位置と、前記撮影位置から前記被写体までの距離とを含む撮影条件を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記撮影条件に基づいて、前記被写体の撮影を推奨する推奨エリアと、その推奨の度合いの指標である推奨値とを算出する算出部と、前記算出部により算出された前記推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で提示する提示部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の好ましい態様において、前記算出部は、前記撮影位置から遠ざかるほど前記推奨の度合いが低くなり、前記距離が大きいほど前記推奨エリアの範囲が大きく、且つ当該範囲内での前記推奨値の総和が前記距離に関わらず一定となるように、前記推奨エリアと前記推奨値とを算出する。
【0007】
本発明の別の好ましい態様において、前記算出部は、前記推奨エリア及び前記推奨値を一組ごとの前記撮影条件に基づいてそれぞれ算出した後、複数組の算出結果を組み合わせる。
本発明の別の好ましい態様において、前記算出部は、或る縮尺の地図上で所定範囲毎に分割された各区域について、当該区域に対応する推奨エリアの前記推奨値を算出し、前記地図の縮尺を大きくする場合、縮尺の変更前の複数区域の前記推奨値に基づいて、縮尺の変更後の一の区域であって前記複数区域に対応する一の区域の前記推奨値を算出する。
本発明の別の好ましい態様において、地図上に前記推奨エリアを指し示す第1提示方法と、撮影装置で表示される撮影中の内容に重ねて前記推奨エリアを示す画像を表示する第2提示方法とを含む、複数の提示方法のいずれかを選択する指示を受け付ける受付部を備え、前記提示部は、前記受付部が受け付けた提示方法に従って前記推奨エリアを提示する。
【0008】
本発明の別の好ましい態様において、前記撮影条件は、前記撮影位置からの前記被写体の撮影方位を含み、前記算出部は、前記撮影位置を基準として前記撮影方位に近い方位ほど、前記推奨する度合いが高くなるように、前記推奨エリアと前記推奨値とを算出する。
本発明の別の好ましい態様において、前記算出部が前記推奨値の算出方法を時期に応じて変化させるか、又は前記提示部が或る前記推奨エリア及び前記推奨値に応じて提示する内容を時期に応じて変化させる。
【0009】
本発明の撮影支援方法は、被写体が撮影された撮影位置と、前記撮影位置から前記被写体までの距離とを含む撮影条件を取得し、取得された前記撮影条件に基づいて、前記被写体の撮影を推奨する位置である推奨エリアと、その推奨の度合いの指標である推奨値とを算出し、算出された前記推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で提示することを特徴とする。
【0010】
本発明の撮影支援システムは、端末装置と撮影支援装置とを備え、前記端末装置は、被写体が撮影された撮影位置を検出する第1検出部と、前記撮影位置から前記被写体までの距離を検出する第2検出部と、前記第1及び第2検出部によりそれぞれ検出された前記撮影位置と前記距離とを含む撮影条件を出力する出力部とを有し、前記撮影支援装置は、前記出力部により出力された前記撮影条件を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記撮影条件に基づいて、前記被写体の撮影を推奨する位置である推奨エリアと、その推奨の度合いの指標である推奨値とを算出する算出部と、前記算出部により算出された前記推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で前記端末装置に提示する提示部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮影位置として推奨するエリアをその推奨の度合いとともに算出して提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】撮影支援システム1の全体構成を示す図
【図2】撮影支援装置10のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】撮影画像DB131の構造を説明する図
【図4】移動通信端末20のハードウェア構成を示すブロック図
【図5】制御部11が実現する機能構成を示す機能ブロック図
【図6】撮影支援システム1における動作手順を示すシーケンスチャート
【図7】ステップSA6の処理を説明する図
【図8】ステップSA7の処理を説明する図
【図9】ステップSA9の処理を説明する図
【図10】撮影支援システム1における動作手順を示すシーケンスチャート
【図11】第1提示方法が指定された場合の提示例を示す図
【図12】第2提示方法が指定された場合の提示例を示す図
【図13】変形例1の推奨エリアを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
[実施形態の構成]
図1は、撮影支援システム1の全体構成を示す図である。
図1に示すように、撮影支援システム1は、撮影支援装置10と移動通信端末20とを備える。撮影支援装置10と移動通信端末20とは、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続される。ネットワークNWは、ここでは移動体通信網、ゲートウェイ及びインターネットを含む通信網である。
なお、ここでは、移動通信端末20を1つだけ図示するが、実際にはより多数の移動通信端末20が存在する。
【0014】
撮影支援装置10は、本発明の撮影支援装置の一例であり、移動通信端末20のユーザによって撮影された撮影画像を、複数の移動通信端末20間で共有できるようにするとともに、移動通信端末20のユーザによる撮影を支援するものである。移動通信端末20は、本発明の端末装置の一例であり、撮影支援システム1を利用するユーザにより所有される。移動通信端末20は、例えば撮影機能を有している携帯電話機である。
【0015】
図2は、撮影支援装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、撮影支援装置10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備える制御装置である。演算装置は、メモリや記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、撮影支援装置10の動作を制御する。通信部12は、ネットワークNWに接続するためのインタフェースを備える。記憶部13は、例えばハードディスク装置を備え、データを記憶する記憶手段である。記憶部13は、制御部11により読み出される各種プログラムとともに、撮影画像DB131、統計マップDB132及び地図DB133を記憶する。
【0016】
図3は、撮影画像DB131の構造を説明する図である。
撮影画像DB131は、撮影支援装置10に登録される撮影画像に関する情報を管理するデータベースである。撮影画像DB131において、一回の撮影により得られるデータを一組とする。図3は、この一組のデータのデータ構造を示したものである。すなわち、撮影画像DB131は、図3に示す構造のデータを撮影画像毎に複数組有している。
撮影画像DB131は、「撮影画像」と、「撮影位置」と、「撮影距離」と、「撮影日時」と、「ユーザID」とに大別される各情報を対応付けたデータを一組とする。「撮影画像」は、撮影画像を表す撮影データであり、例えばビットマップ形式の画像データである。「撮影位置」は、被写体が撮影された撮影位置を示す位置情報であり、ここでは撮影位置の緯度及び経度を表す。「撮影距離」は、撮影位置から被写体までの距離を表す距離情報である。撮影日時は、撮影が行われた日時を表す情報である。「ユーザID」は、撮影を行った移動通信端末20のユーザを識別する識別情報である。
なお、「撮影位置」及び「撮影距離」に関する情報(後述する、撮影条件)が撮影画像DB131とは別に管理されてもよい。
【0017】
統計マップDB132は、緯度及び経度で表される各位置を二次元平面上に定義したマップデータ(以下、「統計マップ」という。)を管理するデータベースである。統計マップでは、例えばx軸を経度に対応させ、y軸を緯度に対応させたxy直交座標系に従って各位置が表される。また、統計マップでは、各位置に対応して、撮影位置として推奨されるエリア(以下、「推奨エリア」という。)と、その推奨エリアを撮影位置とするときの推奨の度合いとを示す統計的な情報が記述される。
【0018】
地図DB133は、例えば日本国内の地図を表す地図データを管理するデータベースである。この実施形態の地図データは、緯度及び経度で表される各位置を二次元平面上に定義した地図を表す。地図データにおいても、x軸を経度に対応させ、y軸を緯度に対応させたxy直交座標系に従って各位置が表される。
【0019】
図4は、移動通信端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、移動通信端末20は、制御部21と、操作部22と、表示部23と、通信部24と、撮影部25と、位置検出部26とを備える。
制御部21は、CPUを含む演算装置やメモリを備える制御装置である。演算装置は、メモリや図示せぬ記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより、移動通信端末20の動作を制御する。操作部22は、テンキー等の操作子群を備え、ユーザによる操作子の操作を受け付けて、その操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。表示部23は、例えば液晶駆動回路や液晶ディスプレイを備え、各種の画像を表示する。通信部24は、無線通信回路やアンテナを備え、ネットワークNWに接続するためのインタフェースである。通信部24は、ネットワークNWに対して各種情報を送信出力し、本発明の出力部の一例である。撮影部25は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を備え、撮影し、その撮影により得られる撮影画像を表す撮影データを生成する。また、撮影部25は、いわゆるオートフォーカス機構を有しており、被写体へのピント合わせを自動で行うことができる。位置検出部26は、例えばGPS(Global Positioning System)測位機能によって、移動通信端末20の現在位置を検出する。位置検出部26が検出する位置は、緯度及び経度に相当する。つまり、位置検出部26は、本発明の第1検出部に相当する。
【0020】
図5は、制御部11が実現する機能構成を示す機能ブロック図である。
制御部11はプログラムを実行することにより、取得部111、算出部112、提示部113及び受付部114に相当する各機能を実現する。
取得部111は、被写体の撮影位置と、その撮影位置から被写体までの撮影距離とを含む撮影条件を取得する。取得部111は、例えば、移動通信端末20の位置で行われた撮影に関する撮影条件を、その移動通信端末20から取得する。
【0021】
算出部112は、取得部111により取得された撮影条件に基づいて、被写体の撮影を推奨するエリアである推奨エリアと、その推奨の度合いの指標である推奨値とを算出する。推奨値は、例えば推奨エリアの推奨の度合いを点数化して表したものであり、その値が大きいほど撮影位置として推奨される度合いが高い。つまり、推奨値が高い位置ほど、その位置を撮影位置とすることがより強く推奨される。
【0022】
提示部113は、算出部112により算出された推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で提示する。提示部113は、移動通信端末20のユーザに推奨する撮影位置とその推奨の度合いとの両方をユーザが把握できるように、それらに関する内容を提示する。
【0023】
受付部114は、提示部113において採用される、推奨エリア及び推奨値の内容の提示方法を、複数の提示方法の中から選択する指示を受け付ける。この複数の提示方法は、地図上に推奨エリアを指し示す第1提示方法と、撮影装置(ここでは、移動通信端末20に相当する。)で表示される撮影中の内容に重ねて、推奨エリアを示す画像を表示する第2提示方法とを含む。提示部113は、受付部114が受け付けた提示方法に従って推奨エリアを提示する。
【0024】
[実施形態の動作]
続いて、撮影支援システム1の動作について説明する。撮影支援システム1の動作は、<A.撮影画像の登録>と<B.推奨エリアの提示>とに大別される。まず、<A.撮影画像の登録>について説明する。
<A.撮影画像の登録>
図6は、撮影支援システム1における撮影画像の登録時の動作手順を示すシーケンスチャートである。
移動通信端末20のユーザは、撮影部25の撮影レンズを被写体に向ける。制御部21は、撮影部25のオートフォーカス機構により被写体へのピント合わせを行い、撮影を指示する操作を操作部22が受け付けるまで待機する。制御部21は、撮影を指示する操作を操作部22により受け付けると、被写体を撮影し、撮影画像を示す撮影データを生成する(ステップSA1)。
【0025】
次に、制御部21は、位置検出部26によって移動通信端末20の現在位置を検出する(ステップSA2)。ここでは、制御部21は、位置検出部26によって検出された位置を、ステップSA1の処理で行われた撮影の撮影位置として検出する。次に、制御部21は、ステップSA1の処理の撮影における撮影距離を検出する(ステップSA3)。ここでは、制御部21は、オートフォーカス機構によるフォーカス(ピント合わせ)時に測定される撮影距離を検出する。つまり、制御部21及び撮影部25の協働により、本発明の第2検出部に相当する機能が実現される。
【0026】
制御部21は、ステップSA1の処理で生成した撮影データのほか、ステップSA2の処理で検出した撮影位置とステップSA3の処理で検出した撮影距離とを含む撮影条件、撮影日時を示す日時情報及びユーザIDをセットにした情報を、通信部24により撮影支援装置10宛てに送信する(ステップSA4)。
【0027】
撮影支援装置10の制御部11は、ステップSA4の処理で送信された撮影条件を含む情報を通信部12により受信して取得する(ステップSA5)。制御部11は、受信した情報に応じて、図3に示した構造のデータを撮影画像DB131に登録する。続いて、制御部11は、ステップSA5の処理で取得した撮影条件に基づいて、推奨エリアと推奨値とを算出する(ステップSA6)。
【0028】
図7は、ステップSA6の処理を説明する図である。
図7(a),(b)の下側に示す円状の領域は、xy平面上に表した推奨エリアである。推奨エリア内において、ハッチングの種類が共通する位置は互いに推奨値が同じである。図7(a),(b)において、上部に示すグラフは、推奨エリアの範囲内の推奨値を定義する関数を表したものである。このグラフにおいて、横軸は或る方向に対する位置を表し、縦軸は関数値を表す。この実施形態では、この関数に基づいて、1の撮影エリア内の推奨値が4種類のいずれかに分類される。推奨エリアの中心が撮影位置に対応し、この近傍で推奨値が最大となる。推奨エリアは、撮影位置に近づくほど推奨値は大きく、逆に、撮影位置から遠い推奨エリアであるほど推奨値は低くなる。また、推奨エリアの範囲や推奨値は撮影距離に応じた大きさとなる。ここでは、図7(a)に示す場合の方が、図7(b)に示す場合に比べて撮影距離が小さい。
【0029】
より具体的には、撮影距離が大きいほど推奨エリアの範囲は大きく、且つ推奨エリアの範囲内での推奨値の総和は撮影距離に関わらず一定となるように定められる。この総和は、推奨エリアの面積に推奨値を乗じることで算出される。ただし、この総和は、撮影距離に関わらず厳密に一定にならなくとも、一定とみなせる範囲の差異が生じても構わない。このように、推奨エリアの範囲内での推奨値の総和は、図7(a),(b)の場合でそれぞれ同じである。よって、推奨値の最大値は、撮影エリアの範囲が小さくなるほど大きい。例えば、図7(a)の例では、撮影位置から近い順に推奨値が「6」、「4」、「2」、「1」であり、図7(b)の例では、撮影位置から近い順に推奨値が「4」、「3」、「2」、「1」である。
以上のような推奨エリア及び推奨値としている理由は、以下のとおりである。
【0030】
例えば、被写体が大仏のようにその寸法が比較的大きいものである場合、被写体から離れた位置であっても、被写体の撮影が可能である。つまり、撮影位置として好ましい範囲は、被写体の寸法が大きいほど広くなる傾向にある。逆に、被写体が地蔵のようにその寸法が比較的小さいものである場合、被写体から遠く離れた位置でこれを撮影するのは困難である。つまり、撮影位置として好ましい範囲は、被写体の寸法が小さいほどその被写体近傍に限られ、狭くなる傾向にある。
【0031】
以上のように、被写体の寸法の大小によって、撮影位置として推奨される推奨エリアの範囲は異なる。よって、制御部11は、被写体が大きいと考えられる場合、つまり、撮影距離が大きい場合には、推奨エリアの範囲を大きくする。反対に、制御部11は、被写体が小さいと考えられる場合、つまり、撮影距離が小さい場合には、推奨エリアの範囲を小さくする。また、推奨エリアの範囲が小さい場合、その範囲が大きい場合に比べて、推奨される撮影位置は限られる。よって、図7(a)に示すように、この範囲内が撮影位置として推奨される度合い(推奨値)は全体的に高くなっており、位置の変化に対する推奨値の変化量も大きい。一方で、推奨エリアの範囲が大きい場合、撮影位置が多少変化しても撮影画像にその変化による影響は表れにくい。よって、図7(b)に示すように、推奨エリアの範囲内が撮影位置として推奨される度合い(推奨値)は全体的に低くなっており、位置の変化に対する推奨値の変化量は小さい。
制御部11は、図7に示したような推奨エリア及び推奨値を、ステップSA6の処理で算出する。
【0032】
図6の説明に戻る。
次に、制御部11は、ステップSA6の処理で算出した推奨エリアと推奨値とを、統計マップDB132で管理される統計マップに取り込む(ステップSA7)。
図8は、ステップSA7の処理を説明する図である。
図8は、統計マップをxy平面上に表した図であり、破線で示す位置で所定範囲毎に分割された各区域が定義される。かかる区域は、地表面上の所定範囲の領域に対応する。ここでは、統計マップは、x軸及びy軸に沿って格子状に等分割された各区域の配列からなる。図8に示す推奨エリアC1〜C4は、それぞれ一回の撮影によって各々統計マップに取り込まれた推奨エリアと推奨値とを表すものである。例えば、ステップSA7の処理で推奨エリアC4に関する情報が統計マップに取り込まれたとすると、推奨エリアC1〜C3に関する情報は、以前に行われたステップSA7の処理で取り込まれたものである。
なお、ここでは、統計マップを等分割して格子状に各区域を定義しているが、等分割でなくてもよいし、格子状でなくてもよい。
【0033】
次に、制御部11は、統計マップにおける区域毎に推奨値を算出する(ステップSA8)。このステップSA8の処理は、制御部11が、推奨エリア及び推奨値を一組の撮影条件毎にそれぞれ算出した後、複数組の算出結果を組み合わせる処理に相当する。
具体的には、制御部11は、区域ごとに推奨値の合計値を算出し、その合計値をその区域の推奨値とする。例えば、図8に示す区域A1では、推奨エリアC1,C2の推奨値が最大となる部分が含まれている。よって、区域A1は、区域A2に比べて推奨値が2倍以上である。このように、各区域の推奨値は、撮影位置に近いほど、また、撮影位置として使用された回数が多いほど大きくなる傾向にある。
【0034】
次に、制御部11は、複数種類の縮尺にそれぞれ対応した統計マップを生成する(ステップSA9)。例えば地図上に推奨エリアを指し示す提示方法の場合、様々な縮尺で地図が表示されうる。よって、制御部11は、各縮尺の地図上に、統計マップに基づいて推奨エリアに関する内容を表示できるように、縮尺がそれぞれ異なる複数の統計マップをあらかじめ生成しておく。
【0035】
図9は、ステップSA9の処理を説明する図である。ここでは、統計マップの縮尺を大きくする場合の処理を説明する。図9は、統計マップの一部分を表した図であり、1の正方形が1の区画に相当する。
図9(a)に示すように、制御部11は、例えばステップSA8の処理で生成した統計マップの縮尺を2倍にする場合、2×2区域=4区域を1区域に変換(つまり、統廃合)する。ここで、制御部11は、ステップSA8の処理で算出した推奨値を、ステップSA9の処理で用いる推奨値に変換する。図9(b)に、変換前後の推奨値の対応関係を示す。ステップSA8の処理による推奨値の算出では、区域ごとに推奨値にばらつきがある。よって、制御部11は、所定の数値範囲に含まれる推奨値を同じ推奨値として扱って、推奨値の段階を減じる(ここでは、推奨値を「1」〜「5」までの5段階に変換する)。なお、変換後においても、推奨値が大きいほど、撮影位置として推奨される度合いが大きいことに変わりはない。
【0036】
次に、制御部11は、2×2区域のうち最も区域数の多い推奨値を採用して、これらを1区域に統廃合する。例えば、図9に太枠で囲んだ2×2区域に注目すると、推奨値が「5」、「5」、「5」、「4」であり、推奨値が「5」である区域が最も多い。よって、縮尺の変換後の推奨値は「5」となる。他の区域についても、制御部11は同様の基準に従って区域を統廃合する。制御部11は、統計マップの全体でこのような統廃合を行えば、縮尺を変更した統計マップの生成が完了したことになる。また、制御部11は、縮尺変更後の統計マップの縮尺を、更に2倍にする場合(つまり、当初の4倍にする場合)においても、上記手順に従って区域の統廃合を行う。
なお、ここでは、制御部11は、2×2区域を1区域に統廃合していたが、縮尺の変更前の区域の数や組み合わせ方はこれ以外の態様であってもよい。また、制御部11は、区域数が最も多い推奨値が複数ある場合、それらのうちの最大の推奨値を採用してもよいし、それらの平均値を採用してもよい。また、制御部11は、上記以外の縮尺の統計マップを生成するようにしてもよい。
【0037】
以上のように、制御部11は、統計マップの縮尺を大きくする場合、縮尺の変更前の複数区域の推奨値に基づいて、縮尺の変更後の一の区域であって縮尺の変更前の複数区域に対応する一の区域の推奨値を算出する。なお、制御部11は、統計マップの縮尺を小さくする場合があれば、一区域の推奨値を用いて、それに対応する位置にある複数区域の推奨値を算出するとよい(例えば、複数区域の推奨値を同じにする)。
以上のようにして、制御部11は複数種類の縮尺に対応した統計マップを生成すると、それらを統計マップDB132に登録する。
以上が、写真登録時の撮影支援システム1における動作に説明である。続いて、<B.推奨エリアの提示>について説明する。
【0038】
<B.推奨エリアの提示>
図10は、撮影支援システム1における推奨エリアの提示時の動作手順を示すシーケンスチャートである。
移動通信端末20の制御部21は、推奨エリアの提示を撮影支援装置10に要求するか否かを判断する(ステップSB1)。ステップSB1の処理で、制御部21は「YES」と判断すると、通信部24によって提示要求を撮影支援装置10宛てに送信する(ステップSB2)。このとき、制御部21は、推奨エリアの提示を要求する場所や、地図上に推奨エリアを提示する際の地図の縮尺、提示方法(ここでは、第1又は第2提示方法のいずれか)に関する情報を含めた提示要求を送信する。これら提示要求に含まれる内容は、例えば移動通信端末20のユーザにより指定される。
【0039】
撮影支援装置10の制御部11は、通信部12によって移動通信端末20からの提示要求を受信して、これを取得する(ステップSB3)。次に、制御部11は、取得した提示要求の内容に応じて、推奨エリアの提示方法を選択する指示を受け付ける(ステップSB4)。そして、制御部11は、提示要求に含まれる場所及び縮尺に合致する統計マップを統計マップDB132から抽出する(ステップSB5)。ここでは、制御部11は、ステップSA9の処理で生成し、統計マップDB132に登録した複数の統計マップから、提示要求に適したものを抽出する。
【0040】
次に、制御部11は、ステップSB3の処理で取得した提示要求に従って推奨エリアの絞込みを行う(ステップSB6)。例えば、推奨エリアの数が膨大になるとユーザがどの撮影位置が好ましいかを判断しづらいという不都合が生じうる。よって、制御部11は、例えば推奨値が上位であり、縮尺に応じて、決められた数の推奨エリアを抽出する。また、制御部11は、推奨値が閾値以上である推奨エリアをすべて抽出してもよい。また、制御部11は、提示方法に応じて提示対象とする推奨エリアの数を異ならせるなど、提示方法に応じて推奨エリアの絞込みの態様を異ならせてもよい。また、提示するべき推奨エリアの数をユーザが指定してもよいし、制御部11はかかる絞込み自体を行わないようにしてもよい。
【0041】
次に、制御部11は、ステップSB6の処理で絞り込んだ推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で移動通信端末20に提示する(ステップSB7)。
図11は、第1提示方法が指定された場合に、ステップSB7の処理に応じて移動通信端末20の表示部23に表示される表示画面SC1の一例を示す図である。この場合、制御部11は、地図DB133から地図データを読み出して、地図データが示す地図M上に推奨エリアを指し示して提示するよう、必要なデータを通信部12により移動通信端末20宛てに送信する。この場合、移動通信端末20の表示部23では、図11に示すように、地図データが示す地図Mが表示され、地図M上に、推奨エリアとともに、各推奨エリアの推奨の度合いが視覚的に判別できるような表示がされる。ここでは、推奨値に応じて推奨エリアに相当する部分が色分けされて、推奨エリアを示す画像T1〜T3が示される。これを見ることで、ユーザはどの推奨エリアが撮影に好ましいかを把握することができる。
【0042】
図12は、第2提示方法が指定された場合に、ステップSB7の処理に応じて移動通信端末20の表示部23に表示される表示画面SC2の一例を示す図である。この場合、制御部11は、移動通信端末20で表示される撮影中の内容に重ねて推奨エリアを示す画像を表示させるよう、必要なデータを通信部12により移動通信端末20宛てに送信する。
移動通信端末20の制御部21は、撮影部25で撮影中の内容を表示部23に表示させるが、その内容に重ねて推奨エリアを案内する画像を表示する。図12に示すように、この例でも、推奨エリアとその推奨の度合いとを表した画像T4,T5が表示される。画像T4,T5においても、推奨エリアとともに、各推奨エリアの推奨の度合いが視覚的に把握できるよう、推奨値に応じた色分けが施されている。この提示方法によれば、ユーザはどの撮影位置に向かえばよいかを撮影風景も参照しつつ把握することができる。また、推奨エリアの案内方法として、例えば推移エリアの方向を指す矢印画像を表示する方法などがある。
以上が、撮影支援システム1で実現される撮影支援に関する制御である。
【0043】
また、撮影支援システム1は、複数ユーザ間で撮影画像を共有する機能も実現する。この機能に関する制御として、制御部11は、移動通信端末20から要求のあった撮影画像を示す撮影データや、撮影日時やユーザIDなどの情報を移動通信端末20に提供する。この撮影画像の共有に係る構成については、従来の手法が用いられてもよい。
【0044】
以上説明した撮影支援システム1の撮影支援装置10によれば、撮影条件を基に、撮影位置として推奨するエリアをその推奨の度合いとともに算出して提示することができる。撮影支援装置10によれば、例えば設計段階やサービス提供の事業者があらかじめ推奨エリアを登録する作業を必要としないし、より客観的な視点を反映させた推奨エリアを提示することができる。また、人気スポットは流行などによって時間とともに変化しうるものであるが、撮影支援装置10によれば、ユーザの撮影結果を統計的に判断して推奨エリアを導出できる。よって、撮影支援装置10が最近注目度の高い撮影位置をリアルタイムで提示することも可能である。
【0045】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
[変形例1]
上述した実施形態では、撮影条件は、撮影位置と撮影距離とを含むものであったが、更に撮影方位を含んでもよい。
この変形例において、移動通信端末20は方位センサを備える。方位センサは、例えば電子コンパスであり、撮影部25により撮影される方位(つまり、撮影方位)に向けられている。方位センサは、自センサが向けられている方位を示す方位信号を制御部21へ出力する。制御部21は、方位信号を取得することで撮影方位を特定する。
この構成において、取得部111は、撮影位置からの被写体の撮影方位を更に含む撮影条件を取得する。算出部112は、撮影位置を基準として撮影方位に近い方位ほど、推奨する度合いが高くなるように(つまり、推奨値が高くなるように)、推奨エリアを算出する。
【0046】
図13は、推奨値及び推奨エリアの一例をxy平面上に表した図であり、図7(a),(b)の下側に示す図に対応する。ここでは、撮影方位はx軸方向に対応する方位である。
図13に示すように、この変形例でも推奨エリアは円状の領域を成している。ただし、この変形例では、撮影位置を基準として撮影方向に近い方位ほど推奨エリアの範囲がより広くなっている。このようにしているのは、撮影位置がより被写体に近づくほど撮影に好ましいことがあるので、その撮影方位に対する推奨エリアを広くするためである。よって、反対に撮影方位と異なる方位については、被写体から遠ざかることになるので、推奨エリアは狭い。制御部11は、撮影方位との差異が大きい方位ほど、推奨エリアの範囲が狭くなるように推奨エリアを定める。
【0047】
[変形例2]
上述した実施形態において、算出部112は、時期に応じて推奨値の算出方法を変化させてもよい。例えば、夜景が見える場所では、朝や昼よりも夜の方が撮影位置として推奨される。よって、その撮影位置となったのが夜である場合には、朝や昼よりも推奨値が相対的に大きくなるように重み付けをしてもよい。或いは、算出部112は、推奨エリアと推奨値とを、時期毎に分けて算出するようにしてもよい。この場合、撮影支援システム1では、時期に応じて推奨エリアと推奨値とに関する情報が使い分けられるとよい。
また、かかる時期は、早朝、朝、昼、夕方、夜、深夜という具合に一日の時間帯がさらに細分化されてもよいし、時刻によって時期が定義されてもよい。また、春夏秋冬という季節や月単位の時期が定義されてもよい。
また、提示部113が提示する推奨エリアに関する内容を時期に応じて変化させてもよい。例えば、朝や昼が撮影位置として適していても、夜間において適していない場合、提示部113が常時同じ内容で推奨エリア及び推奨値を提示しては、ユーザにとっては好ましくない場合がある。よって、提示部113は、時期に応じて提示対象とする推奨エリアを変化させてもよい。
【0048】
[変形例3]
上述した実施形態において、制御部11は、ステップSA9の処理で縮尺に応じた演算をしていたが、これ以外の方法を用いてもよい。例えば、制御部11は、推奨値への変換を行わないで、例えば各区域の推奨値の平均値を縮尺後の推奨値としてもよいし、閾値以上である推奨値のみの平均値を算出し、この算出結果を採用してもよい。要するに、制御部11は、算出した推奨エリアと推奨値との結果を反映させて、ステップSB7の処理で、推奨エリアを推奨値に応じた内容で提示するものであればよい。
上述した実施形態では、撮影支援装置10は、統計マップを用いて複数組の撮影条件から得た推奨位置及び推奨値を組み合わせていた。一方、各位置と、その位置で行われた撮影に関する撮影条件とが既知であれば、撮影支援装置10はかかる組み合わせに関する処理を実行することができる。つまり、本発明は、統計マップに相当する概念のデータを必須とするものではない。
【0049】
[変形例4]
上述した実施形態のステップSB7の処理で採用される提示方法は、更に別のものが採用されてもよい。例えば、制御部11は、推奨値が上位のものから順に、推奨値と対応付けて推奨エリアとなる場所の住所や地名を一覧表示してもよいし、推奨値が閾値以上のものについて同様に一覧表示してもよい。このように、制御部11は、推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で提示すればよく、その提示方法は前掲のものに限定されない。
また、上述した実施形態では、制御部11は、推奨値に応じて推奨エリアを色分けしていたが、かかる提示の内容はこれに限定されない。制御部11は、地図M上に例えばオブジェクト画像を配置することで、各推奨エリアの推奨値の違いをユーザが把握できるようにしてもよい。
また、上記第1又は第2提示方法のいずれか一方のみが撮影支援システム1で採用されてもよい。この場合、撮影支援装置10は、提示方法の選択指示を移動通信端末20から受け付ける必要はなく、受付部114に相当する機能は不要である。なお、第2提示方法のみとする場合、撮影支援装置10において地図DB133に相当する構成が省略されてもよい。
【0050】
[変形例5]
上述した実施形態では、推奨エリアは円状の領域であったが、これ以外の形状の領域であってもよい。また、推奨エリア内の各位置と推奨値との関係はあくまで一例であり、上述した実施形態と異なる関係であってもよい。
また、上述した実施形態では、推奨値が高いほど推奨の度合いが高いことを意味していたが、推奨値が低いほど推奨の度合いが高いことを意味するようにすることも可能である。
また、上述した実施形態では、撮影エリアの範囲内での推奨ポイントの総和が撮影距離に関わらず一定であったが、本発明はかかる構成を必須とするものではない。
【0051】
[変形例6]
上述した実施形態では、本発明の端末装置を移動通信端末20とした場合を説明したが、本発明は、その他の端末装置に適用することも可能である。例えば、本発明は、スマートフォンやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯ゲーム機など、無線通信機能を備えた種々の端末に適用することができる。この場合に、移動通信端末20が有していた構成を、適宜外部構成としてもよい。特に、撮影部25に相当する撮影装置を外部構成とする場合であっても、端末装置の位置から撮影したものとみなして差し支えない。
【0052】
また、移動通信端末20は各情報を撮影支援装置10に送信出力していたが、例えばSDカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ、リムーバブルディスクなどの補助記憶媒体に出力してもよい。この場合、補助記憶媒体経由で、移動通信端末20から撮影支援装置10に必要なデータが引き渡される。この場合、補助記憶媒体とデータを遣り取りするためのモジュールが本発明の出力部に相当する。また、パーソナルコンピュータなどの外部装置が、移動通信端末20に代わって各データを送信出力してもよい。
また、本発明において各種の情報の提示の態様は、画像の表示による提示に限らず、例えば音声などによる提示が含まれていてもよい。また、撮影支援装置10が通信により推奨エリアと推奨値とを提示する態様に限らず、その提示内容を例えば補助記憶媒体に出力してもよい。この場合、移動通信端末20は、この補助記憶媒体から読み出した情報を元に推奨エリアと推奨値とを提示する。
【0053】
上述した実施形態において、撮影支援システム1は、複数ユーザ間で撮影画像を共有するサービスを提供するものでもあったが、かかるサービスに関する構成を省略してもよい。この場合、撮影支援装置10は、移動通信端末20における撮影に関する撮影条件を取得できれば足りるから、撮影データやユーザID、撮影日時に関する情報を取得しなくてもよい。
また、上述した撮影支援装置10の制御部11が実現する各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の協働によって実現されうる。
【符号の説明】
【0054】
1…撮影支援システム、10…撮影支援装置、11…制御部、111…取得部、112…算出部、113…提示部、114…受付部、12…通信部、13…記憶部、131…撮影画像DB、132…統計マップDB、133…地図DB、20…移動通信端末、21…制御部、22…操作部、23…表示部、24…通信部、25…撮影部、26…位置検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体が撮影された撮影位置と、前記撮影位置から前記被写体までの距離とを含む撮影条件を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記撮影条件に基づいて、前記被写体の撮影を推奨する推奨エリアと、その推奨の度合いの指標である推奨値とを算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で提示する提示部と
を備えることを特徴とする撮影支援装置。
【請求項2】
前記算出部は、
前記撮影位置から遠ざかるほど前記推奨の度合いが低くなり、
前記距離が大きいほど前記推奨エリアの範囲が大きく、且つ当該範囲内での前記推奨値の総和が前記距離に関わらず一定となるように、前記推奨エリアと前記推奨値とを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影支援装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記推奨エリア及び前記推奨値を一組ごとの前記撮影条件に基づいてそれぞれ算出した後、複数組の算出結果を組み合わせる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮影支援装置。
【請求項4】
前記算出部は、
或る縮尺の地図上で所定範囲毎に分割された各区域について、当該区域に対応する推奨エリアの前記推奨値を算出し、
前記地図の縮尺を大きくする場合、縮尺の変更前の複数区域の前記推奨値に基づいて、縮尺の変更後の一の区域であって前記複数区域に対応する一の区域の前記推奨値を算出する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の撮影支援装置。
【請求項5】
地図上に前記推奨エリアを指し示す第1提示方法と、撮影装置で表示される撮影中の内容に重ねて前記推奨エリアを示す画像を表示する第2提示方法とを含む、複数の提示方法のいずれかを選択する指示を受け付ける受付部を備え、
前記提示部は、前記受付部が受け付けた提示方法に従って前記推奨エリアを提示する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の撮影支援装置。
【請求項6】
前記撮影条件は、前記撮影位置からの前記被写体の撮影方位を含み、
前記算出部は、前記撮影位置を基準として前記撮影方位に近い方位ほど、前記推奨する度合いが高くなるように、前記推奨エリアと前記推奨値とを算出する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の撮影支援装置。
【請求項7】
前記算出部が前記推奨値の算出方法を時期に応じて変化させるか、又は前記提示部が或る前記推奨エリア及び前記推奨値に応じて提示する内容を時期に応じて変化させる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の撮影支援装置。
【請求項8】
被写体が撮影された撮影位置と、前記撮影位置から前記被写体までの距離とを含む撮影条件を取得し、
取得された前記撮影条件に基づいて、前記被写体の撮影を推奨する位置である推奨エリアと、その推奨の度合いの指標である推奨値とを算出し、
算出された前記推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で提示する
ことを特徴とする撮影支援方法。
【請求項9】
端末装置と撮影支援装置とを備え、
前記端末装置は、
被写体が撮影された撮影位置を検出する第1検出部と、
前記撮影位置から前記被写体までの距離を検出する第2検出部と、
前記第1及び第2検出部によりそれぞれ検出された前記撮影位置と前記距離とを含む撮影条件を出力する出力部と
を有し、
前記撮影支援装置は、
前記出力部により出力された前記撮影条件を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記撮影条件に基づいて、前記被写体の撮影を推奨する位置である推奨エリアと、その推奨の度合いの指標である推奨値とを算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記推奨エリアを、その推奨値に応じた内容で前記端末装置に提示する提示部と
を有することを特徴とする撮影支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−10035(P2012−10035A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143154(P2010−143154)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】